JP2000252499A - 薄膜光電変換装置の製造方法 - Google Patents

薄膜光電変換装置の製造方法

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JP2000252499A
JP2000252499A JP11050588A JP5058899A JP2000252499A JP 2000252499 A JP2000252499 A JP 2000252499A JP 11050588 A JP11050588 A JP 11050588A JP 5058899 A JP5058899 A JP 5058899A JP 2000252499 A JP2000252499 A JP 2000252499A
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Hiroko Tawada
裕子 多和田
Kenji Yamamoto
憲治 山本
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 開放端電圧の低下や短絡による歩留りの低下
を招くことなく薄膜光電変換装置を製造でき、かつ光電
変換特性のばらつきを小さくできる方法を提供する。 【解決手段】 基板(1)上に、透明電極(10)と、
一導電型層(111)、結晶質シリコン系光電変換層
(112)および逆導電型層(113)を含む光電変換
ユニット(11)と、光反射性金属電極(202)を含
む裏面電極(20)とを順次形成して薄膜光電変換装置
を製造するにあたり、透明電極(10)を形成した後、
これをエッチングして透明電極(10)の表面凹凸構造
を緩やかにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は薄膜光電変換装置の
製造方法に関し、特に製造される薄膜光電変換装置の特
性を改善できる方法に関する。なお、本願明細書におい
て、「結晶質」および「微結晶」の用語は、部分的に非
晶質を含む場合をも意味するものとする。
【0002】
【従来の技術】近年、たとえば多結晶シリコンや微結晶
シリコンのような結晶質シリコンを含む薄膜を利用した
光電変換装置の開発が精力的に行なわれている。これら
の光電変換装置の開発では、安価な基板上に低温プロセ
スで良質の結晶質シリコン薄膜を形成することによる低
コスト化と高性能化の両立が目的となっている。こうし
た光電変換装置は、太陽電池、光センサなど、さまざま
な用途への応用が期待されている。
【0003】光電変換装置の一例として、基板上に、透
明電極と、一導電型層、結晶質光電変換層および逆導電
型層を含む光電変換ユニットと、光反射性金属電極を含
む裏面電極とを順次形成した構造を有するものが知られ
ている。この光電変換装置では、光電変換層が薄いと光
吸収係数が小さい長波長領域の光が十分に吸収されない
ため、光電変換量は本質的に光電変換層の膜厚によって
制約を受ける。そこで、光電変換層を含む光電変換ユニ
ットに入射した光をより有効に利用するために、光入射
側の透明電極に表面凹凸(表面テクスチャ)構造を設け
て光を光電変換ユニット内へ散乱させ、さらに金属電極
で反射した光を乱反射させる工夫がなされている。上記
のように表面テクスチャ構造をなす透明電極を具備した
光電変換装置は、たとえば特公平6−12840号公
報、特開平7−283432号公報などに開示されてお
り、効率が向上することが記載されている。
【0004】また、特開昭62−69407号公報や特
開昭62−69408号公報には、透明電極の表面に島
状部分を点在させ、島状部分から露出した透明電極を途
中までエッチングして粗面化する(表面凹凸を激しくす
る)方法が開示されている。
【0005】一方、透明電極上に形成される光電変換ユ
ニットは光電変換層と導電型層とを有する。このうち導
電型層はドープされた不純物による光吸収のために光電
変換層への入射光を減少させる。このような光電変換に
寄与しない不純物による光吸収を低減して光電変換層へ
の入射光を増大させるためには、導電型層の膜厚を必要
最小限まで薄くすることが望まれる。
【0006】本発明者らは、以上のような設計要求に基
づいて表面凹凸構造を有する透明電極上に光電変換ユニ
ットを構成する薄い導電型層を形成した場合、導電型層
に機械的・電気的な欠陥が生じることがあり、最終的に
得られる光電変換装置の開放端電圧の低下や短絡による
歩留りの低下を招く問題があることを見出した。
【0007】特に、上述した各従来技術に記載されてい
るように、透明電極が激しい表面凹凸構造、具体的には
凹凸の高低差が大きく凹凸のピッチが小さい表面凹凸構
造を有する場合には、光電変換装置の性能ばらつきが大
きくなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、開放
端電圧の低下や短絡による歩留りの低下を招くことなく
薄膜光電変換装置を製造でき、かつ光電変換特性のばら
つきを小さくできる方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、透明電極
を形成した後、これをエッチングして光電変換ユニット
側の面に形成される表面凹凸構造における凹凸の高低差
とピッチを制御することによって、光電変換層における
光吸収量を増大させ、かつ高い開放端電圧を有する高性
能の薄膜光電変換装置が得られることを見出した。
【0010】すなわち、本発明の薄膜光電変換装置の製
造方法は、基板上に透明電極と、薄膜光電変換ユニット
と、光反射性金属電極を含む裏面電極とを順次形成して
薄膜光電変換装置を製造するにあたり、前記透明電極を
形成した後、これをエッチングして透明電極の表面凹凸
構造を緩やかにすることを特徴とする。
【0011】本発明においては、具体的には、前記透明
電極を形成し、その表面に金属層を付着させた後、酸を
接触させ、前記金属層を除去するとともに、金属と酸と
の反応により発生した活性水素により前記透明電極をエ
ッチングして透明電極の表面凹凸構造を緩やかにする方
法が用いられる。
【0012】本発明においては、エッチングにより透明
電極の表面凹凸構造を、凹凸の高低差が10〜100n
mとなり、凹凸のピッチが前記凹凸の高低差より大きく
かつその25倍以下となるようにすることが好ましい。
【0013】ここで、透明電極の表面の凹凸の高低差と
は凸部と凹部の高さの差の平均値であり、ピッチとはお
よそ0.1〜5μm周期で現れる、隣接する凸部と凸部
または凹部と凹部の間の距離の平均値を表わしている。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明において、光電変換ユニッ
トとしては、例えばアモルファスシリコン系光電変換層
を含む光電変換ユニット、結晶質シリコン系光電変換層
を含む光電変換ユニット、1つ以上のアモルファスシリ
コン系光電変換層と1つ以上の結晶質シリコン系光電変
換層とを積層したタンデム型光電変換ユニット、CdS
/CdTe系光電変換層を含む光電変換ユニット、Cu
InS2系光電変換層を含む光電変換ユニットなどが挙
げられる。以下においては、これらのうちシリコン系薄
膜光電変換ユニットを例にとって、本発明をより詳細に
説明する。
【0015】図1に示す断面図を参照して、本発明に係
るシリコン系薄膜光電変換装置の一例を説明する。この
シリコン系薄膜光電変換装置は、基板1上に、透明電極
10と、一導電型層111、結晶質シリコン系光電変換
層112および逆導電型層113を含む光電変換ユニッ
ト11と、透明導電性酸化膜201および光反射性金属
電極202を含む裏面電極20とを順次積層した構造を
有する。この光電変換装置に対しては、光電変換される
べき光hνは基板1側から入射される。
【0016】基板1としては、ステンレスなどの金属、
有機フィルム、セラミックス、または低融点の安価なガ
ラスなどを用いることができる。
【0017】基板1上に配置される透明電極10の材料
は、500〜1200nmの波長の光に対して80%以
上の高い透過率を有することが好ましく、ITO、Sn
2およびZnOから選択される1以上の層を含む透明
導電性酸化膜が用いられる。これらの材料のうち、透過
率、導電率および化学安定性の観点からはSnO2が特
に好適であり、加工性、導電率および透過率の観点から
はITOも好適である。透明電極は真空蒸着、熱CVD
またはスパッタなどの方法によって基板1上に形成され
る。
【0018】本発明において、透明電極を熱CVD法に
より成膜する場合、ガス種(主原料ガス、酸化性ガス、
ドーパントガスなどの種類)、ガス混合比、ガス流量、
成膜温度、成膜圧力などによって、多結晶の透明導電膜
の結晶粒径や結晶配向軸を調整することができる。
【0019】例えば熱CVD法によりSnO2からなる
透明電極を成膜する場合には、基板温度を600℃以
下、より好ましくは550℃以下に設定し、原料ガスと
してSnCl4、酸化性ガスとしてH2OおよびO2、必
要に応じてFドーパントガスを、キャリアガスとしてN
2を用いて供給して、常圧下で成膜する。
【0020】このような方法により、厚さ700〜80
0nmのSnO2からなる透明電極を成膜した場合、そ
の表面の凹凸の高低差は平均で100〜200nm、凹
凸のピッチは200〜300nm程度になる。また、熱
CVD法の条件のうち、基板温度を上げ、F2などのF
ドーパントガスを増加させ、透明電極の厚さを増すほ
ど、表面凹凸構造は急峻になる傾向がある。
【0021】ここで、透明電極10の表面凹凸構造にお
いて、凹凸の高低差が凹凸のピッチに対して大きすぎる
と凹部と凸部との間の角度が鋭くなり、その上に堆積さ
れるシリコン系光電変換ユニットの半導体接合が良好に
形成されず、最終的に得られる光電変換装置の開放端電
圧や製造歩留りの低下を招く。たとえば、特公平6−1
2840号公報には透明電極表面の凹凸の高低差が10
0nm以上であることが記載されているが、この場合の
ように透明電極の凹凸構造が急峻であると、最終的に得
られる光電変換装置の開放端電圧や製造歩留りはそれほ
ど向上しない。
【0022】このことから透明電極10の表面凹凸構造
における凹凸の高低差と凹凸のピッチに最適値が存在す
ることがわかる。すなわち、凹凸の高低差に対して十分
な間隔のピッチを与えて凹部と凸部との間の角度を緩や
かにして、凹凸の断面形状を実質的に鋭角的な突起を含
まない(変曲点をもたない)曲線状にすると、開放端電
圧の低下や製造歩留りの低下を伴うことなく、光閉じ込
め効果を改善して高性能の光電変換装置を得ることがで
きる。
【0023】本発明においては、透明電極10表面の凹
凸の高低差は10〜100nmが好ましく、さらに20
〜60nmがより好ましい。また、凹凸のピッチは凹凸
の高低差より大きくかつその25倍以下であることが好
ましく、さらに凹凸のピッチは凹凸の高低差の4倍以上
20倍以下であることがより好ましい。具体的には、凹
凸のピッチは300〜1000nmが好ましく、さらに
550〜800nmがより好ましい。上記のような表面
凹凸構造は、透明電極10の断面TEM(透過型電子顕
微鏡)写真の画像処理や、AFM(原子間力顕微鏡)に
よる表面観察および表面形状測定によっても決定するこ
とができる。
【0024】本発明において、上述したような緩やかな
表面凹凸構造を有する透明電極10を得るために、基板
1上に急峻な表面凹凸を有する透明電極10を形成した
後、これをエッチングする。
【0025】図2(A)および(B)を参照して、本発
明による透明電極10の形成方法をより具体的に説明す
る。
【0026】まず、図2(A)に示すように、基板1上
に上述したような条件の熱CVD法により、例えばSn
2からなる急峻な表面凹凸を有する透明電極10を形
成する。この透明電極10上に、真空蒸着により、Zn
などの金属層100を形成する。次に、エッチング液と
してHClなどの酸を接触させると、金属層100が酸
と反応して除去されると同時に活性水素を発生し、この
活性水素により透明電極10がエッチングされる。この
結果、図2(B)に示すように、透明電極10の表面凹
凸構造が緩やかになる。この際、透明電極10上に蒸着
するZn層100の厚さを変えて透明電極10のエッチ
ング量を変化させることにより、その表面凹凸構造を調
整することもできる。
【0027】透明電極10上にシリコン系光電変換ユニ
ット11が形成される。この光電変換ユニット11に含
まれるすべての半導体層は、下地温度を400℃以下に
設定してプラズマCVD法によって堆積される。プラズ
マCVD法としては、一般によく知られている平行平板
型のRFプラズマCVDを用いてもよいし、周波数15
0MHz以下のRF帯からVHF帯までの高周波電源を
利用するプラズマCVD法を用いてもよい。
【0028】光電変換ユニット11には一導電型層11
1、結晶質シリコン系光電変換層112および逆導電型
層113が含まれる。一導電型層111はp型層でもn
型層でもよく、これに対応して逆導電型層113はn型
層またはp型層になる。ただし、光電変換装置では通常
は光の入射側にp型層が配置されるので、図1の構造で
は一般的に一導電型層111はp型層、逆導電型層11
3はn型層である。
【0029】一導電型層111は、たとえば導電型決定
不純物原子としてボロンをドープしたp型シリコン系薄
膜からなる。ただし、不純物原子は特に限定されず、p
型層の場合にはアルミニウムなどでもよい。また、一導
電型層111の半導体材料としては、非晶質シリコン、
非晶質シリコンカーバイドや非晶質シリコンゲルマニウ
ム等の合金材料、多結晶シリコンもしくは部分的に非晶
質を含む微結晶シリコンまたはその合金材料を用いるこ
ともできる。なお、必要に応じて、堆積された一導電型
層111にパルスレーザ光を照射(レーザーアニール)
することにより、結晶化分率やキャリア濃度を制御する
こともできる。
【0030】一導電型層111上に結晶質シリコン系光
電変換層112が堆積される。この結晶質シリコン系光
電変換層112としては、体積結晶化分率が80%以上
である、ノンドープ(真性半導体)の多結晶シリコン膜
もしくは微結晶シリコン膜または微量の不純物を含む弱
p型もしくは弱n型で光電変換機能を十分に備えたシリ
コン系薄膜材料を用いることができる。この光電変換層
112を構成する半導体材料についても、上記の材料に
限定されず、シリコンカーバイドやシリコンゲルマニウ
ムなどの合金材料を用いることができる。光電変換層1
12の厚さは、必要かつ十分な光電変換が可能なよう
に、一般的に0.5〜20μmの範囲に形成される。こ
の結晶質シリコン系光電変換層112は400℃以下の
低温で形成されるので、結晶粒界や粒内における欠陥を
終端させて不活性化させる水素原子を多く含む。具体的
には、光電変換層112の水素含有量は1〜30原子%
の範囲内にある。さらに、結晶質シリコン系薄膜光電変
換層112に含まれる結晶粒の多くは下地層から上方に
柱状に延びて成長しており、その膜面に平行に(11
0)の優先結晶配向面を有する。そして、X線回折にお
ける(220)回折ピークに対する(111)回折ピー
クの強度比は0.2以下である。
【0031】結晶質シリコン系光電変換層112上には
逆導電型層113が形成される。この逆導電型層113
は、たとえば導電型決定不純物原子としてリンがドープ
されたn型シリコン系薄膜からなる。ただし、不純物原
子は特に限定されず、n型層では窒素などでもよい。ま
た、逆導電型層113の半導体材料としては、非晶質シ
リコン、非晶質シリコンカーバイドや非晶質シリコンゲ
ルマニウム等の合金材料、多結晶シリコンもしくは部分
的に非晶質を含む微結晶シリコンまたはその合金材料を
用いることもできる。
【0032】ここで、透明電極10の表面が実質的に平
坦である場合でも、その上に堆積される光電変換ユニッ
ト11の表面TBは微細な凹凸を含む表面テクスチャ構
造を示す。また、透明電極10の表面TAが凹凸を含む
表面テクスチャ構造を有する場合、光電変換ユニット1
1の表面TBは、透明電極10の表面TAに比べて、テク
スチャ構造における凹凸のピッチが小さくなる。これ
は、光電変換ユニット11を構成する結晶質シリコン系
光電変換層112の堆積時に結晶配向に基づいてテクス
チャ構造が生じることによる。このため光電変換ユニッ
ト11の表面TBは広範囲の波長領域の光を反射させる
のに適した微細な表面凹凸テクスチャ構造となり、光電
変換装置における光閉じ込め効果も大きくなる。
【0033】光電変換ユニット11上には透明導電性酸
化膜201と光反射性金属電極202とを含む裏面電極
20が形成される。透明導電性酸化膜201は、必要に
応じて形成されるが、光電変換ユニット11と光反射性
金属電極202との付着性を高め、光反射性金属電極2
02の反射効率を高め、光電変換ユニット11を化学変
化から防止する機能を有する。
【0034】透明導電性酸化膜201は、ITO、Sn
2、ZnOなどから選択される少なくとも1種で形成
することが好ましく、ZnOを主成分とする膜が特に好
ましい。光電変換ユニット11に隣接する透明導電性酸
化膜201の平均結晶粒径は100nm以上であること
が好ましい。この条件を満たすためには、下地温度を1
00〜450℃に設定して透明導電性酸化膜201を形
成することが望ましい。なお、ZnOを主成分とする透
明導電性酸化膜201の膜厚は50nm〜1μmである
ことが好ましく、比抵抗は1.5×10-3Ωcm以下で
あることが好ましい。
【0035】光反射性金属電極202は真空蒸着または
スパッタなどの方法によって形成することができる。光
反射性金属電極202は、Ag、Au、Al、Cuおよ
びPtから選択される1種、またはこれらを含む合金で
形成することが好ましい。たとえば、光反射性の高いA
gを100〜330℃、より好ましくは200〜300
℃の温度で真空蒸着によって形成することが好ましい。
また、室温においてスパッタ法で形成することも好適で
ある。
【0036】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0037】(実施例1)以下のようにして図1に示す
シリコン系薄膜光電変換装置を作製した。まずガラス基
板1上にSnO2からなる透明電極10を形成した。最
初に、基板温度を500℃に設定し、原料ガスとしてS
nCl42.0mol%、酸化性ガスとしてH2O10m
ol%およびO21.0mol%、F2ガス1.0mol
%を、キャリアガスとしてN2を用いて供給して、常圧
下で厚さ1.1μmのSnO2を成膜した。このとき、
SnO2の表面凹凸構造は、凹凸の平均高低差が180
nm、凹凸の平均ピッチが約300nmであった。次
に、このSnO2の上に厚さ50nmのZn層を真空蒸
着した後、希塩酸溶液でエッチングして、表面凹凸テク
スチャーを調整した。エッチング後の膜厚は900nm
であった。この結果、SnO2からなる透明電極10の
表面凹凸構造は、凹凸の平均高低差が約40nm、凹凸
の平均ピッチが約600nmになった。
【0038】次に、プラズマCVD法により、厚さ10
nmのボロンドープの一導電型層(p型層)111、厚
さ3μmのノンドープの多結晶シリコン系光電変換層
(i型層)112、および厚さ15nmのリンドープの
逆導電型層(n型層)113を成膜してp−i−n接合
の多結晶シリコン系光電変換ユニット11を形成した。
【0039】次いで、それぞれスパッタ法により、Zn
Oからなる厚さ100nmの透明導電性酸化膜201、
およびAgからなる厚さ300nmの光反射性金属電極
202を成膜して、裏面電極20を形成した。
【0040】ガラス基板上に形成された100個の面積
1cm2のシリコン系薄膜光電変換装置に、AM1.5
の光を100mW/cm2の光量で入射して出力特性を
測定したところ、最も良好な特性値は開放端電圧が1.
520V、短絡電流密度が26.0mA/cm2、曲線
因子が70.3%、変換効率が9.50%であった。
【0041】また、100個の光電変換装置について光
電変換効率の平均値は9.23%であった。そして、光
電変換効率が平均値よりも1割以上の低いものはわずか
に3個であり、特性のばらつきが小さかった。
【0042】(比較例1)ガラス基板1上に実施例1と
同一条件でSnO2からなる透明電極10を形成した
が、実施例1とは異なり透明電極10のエッチングは実
施せずに図1に示すシリコン系薄膜光電変換装置を作製
した。
【0043】ガラス基板上に形成された100個の面積
1cm2のシリコン系薄膜光電変換装置に、AM1.5
の光を100mW/cm2の光量で入射して出力特性を
測定したところ、最も良好な特性値は開放端電圧が0.
482V、短絡電流密度が26.2mA/cm2、曲線
因子が68.7%、変換効率が8.68%であった。
【0044】また、100個の光電変換装置について光
電変換効率の平均値は8.41%であった。そして、光
電変換効率が平均値よりも1割以上の低いものは31個
であり、特性のばらつきが大きかった。
【0045】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の方法を用い
れば、開放端電圧の低下や短絡による歩留りの低下を招
くことなくシリコン系薄膜光電変換装置を製造でき、か
つ光電変換特性のばらつきを小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシリコン系薄膜光電変換装置の一
例を示す断面図。
【図2】本発明における透明電極のエッチング方法を示
す断面図。
【符号の説明】
1…基板 10…透明電極 100…Zn層 11…光電変換ユニット 111…一導電型層、112…結晶質シリコン系光電変
換層、113…逆導電型層 20…裏面電極 201…透明導電性酸化膜、202…光反射性金属電極

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に透明電極と、薄膜光電変換ユニ
    ットと、光反射性金属電極を含む裏面電極とを順次形成
    して薄膜光電変換装置を製造するにあたり、 前記透明電極を形成した後、これをエッチングして透明
    電極の表面凹凸構造を緩やかにすることを特徴とする薄
    膜光電変換装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記透明電極を形成し、その表面に金属
    層を付着させた後、酸を接触させ、前記金属層を除去す
    るとともに、金属と酸との反応により発生した活性水素
    により前記透明電極をエッチングして透明電極の表面凹
    凸構造を緩やかにすることを特徴とする請求項1記載の
    薄膜光電変換装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 エッチングにより前記透明電極の表面凹
    凸構造を、凹凸の高低差が10〜100nmとなり、凹
    凸のピッチが前記凹凸の高低差より大きくかつその25
    倍以下となるようにすることを特徴とする請求項1また
    は2記載の薄膜光電変換装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102011012921A1 (de) 2010-03-16 2011-12-15 Fuji Electric Co., Ltd Dünnschicht-Solarzelle und Verfahren zu Ihrer Herstellung
JP2012195620A (ja) * 2007-02-16 2012-10-11 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 光電変換装置の製造方法及び光電変換装置
JP2013041996A (ja) * 2011-08-16 2013-02-28 Kaneka Corp 薄膜光電変換装置

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