JP2000252116A - 電磁リレー用電磁石及びその製造方法 - Google Patents
電磁リレー用電磁石及びその製造方法Info
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Abstract
消するとともに、鉄芯高さのバラツキをなくし、安定し
た動作特性が得られ、かつ公差管理を容易にした電磁リ
レー用電磁石及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 ヨーク20のフランジ部21に鉄芯10
を挿入する挿入穴22を開設する一方、該挿入穴22の
径を可変するためのスリット24を挿入穴22に連通形
成したヨーク20を使用し、鉄芯10の径より小径に挿
入穴22を設定した場合には、挿入穴22の径を拡開し
て鉄芯10を嵌め込み、フランジ部21の弾性戻り力に
より鉄芯10に締付け力を作用させて、鉄芯10を継合
させる。また、鉄芯10の径より大径の挿入穴22を設
定した場合には、挿入穴22に鉄芯10を挿入した後、
フランジ部21の塑性変形により、挿入穴22の径を縮
小させ、鉄芯10に締付け力を作用させて強固な鉄芯1
0の継合を図る。
Description
石及びその製造方法に係り、特に、鉄芯とヨークとの継
合工程において、磁気ひずみを抑えることにより、小電
流で確実な動作特性が得られるとともに、鉄芯とヨーク
との公差管理も容易に行なえ、リレー接点の初期状態に
おける精度を向上させた電磁リレー用電磁石及びその製
造方法に関する。
は、図16,図17に示すように、コイル1を外周に巻
装した鉄芯2の軸方向両端部分にスプール3を取り付
け、断面L字状のヨーク4のフランジ部5に取り付けて
構成されている。
電された際、鉄芯2が可動鉄片6を矢印a方向に吸着
し、また、電磁石への通電が停止した際、図示しないバ
ネ手段により矢印b方向に可動鉄片6が動作することに
より、接点のON・OFFが行なわれる。
構造は、図18に示すように、ヨーク4のフランジ部5
に開設した挿入穴7に鉄芯2を嵌め込んで継合している
が、鉄芯2とヨーク4との継合方法は、かしめ加工方法
と溶接加工方法が従来からよく知られている。
うに、鉄芯2の径に対してヨーク4に設ける挿入穴7の
径を若干大径に設定しておき、鉄芯2を挿入穴7内に挿
入した後、鉄芯2の軸方向両端末をプレス機により押圧
加工することにより、挿入穴7に挿通した箇所をかし
め、ヨーク4に対する鉄芯2の継合固定を行なってい
る。
ヨーク4の挿入穴7内に鉄芯2を圧入した後、フランジ
部5下面の挿入穴7廻りに沿ってレーザー溶接や抵抗溶
接等によりヨーク4に対する鉄芯2の継合固定を行なっ
ている。
加工方法による鉄芯とヨークとの継合方法においては、
鉄芯2及びヨーク4が軟磁性材料を使用しているため、
かしめ加工により鉄芯2に塑性ひずみが発生するという
問題点があった。
きく劣化するとともに、保磁力が大きくなる傾向にあ
る。例えば、電磁リレー用電磁石に適用した場合には、
磁気特性の劣化により動作特性の低下を招き、確実なO
N・OFF切り替えが期待できないという欠点があっ
た。また、保磁力が増大した場合には、ON・OFF切
り替えに大きな電流を要することになり、コンパクト化
の支障になるという欠点があった。
機でかしめ加工を行なうが、その際、鉄芯2のスプリン
グバックにより鉄芯2の高さ位置を精度良く管理でき
ず、鉄芯2の高さ位置にばらつきが生じやすく、このば
らつきを少なくして、接点の初期状態を良好に保つため
の管理が非常に面倒になるという問題点があった。
ヨーク4との継合強度に難があるとともに、挿入穴7と
鉄芯2との間の空隙部が原因となる磁気特性の劣化があ
るため、同様に安定した動作特性が得られないという欠
点が指摘されている。
れたもので、鉄芯内部に塑性ひずみを生じることなく、
安定した動作特性が得られるとともに、ヨークに対する
鉄芯の取付位置の公差管理も簡単かつ精度良く行なえる
ことにより、接点の初期状態を簡単に確保できる電磁リ
レー用電磁石及びその製造方法を提供することを目的と
している。
に、本願の請求項1に記載の発明は、コイルを外周に巻
装した鉄芯とこの鉄芯を保持する断面L字状のヨークと
を備えた電磁リレー用電磁石であって、ヨークのフラン
ジ部に鉄芯の一端を挿入する挿入穴と、該挿入穴とフラ
ンジ部の端縁との間に連通され、挿入穴の径を可変でき
るスリットとが開設され、スリットの幅を縮小させるこ
とにより、挿入穴内で鉄芯を締め付け、ヨークと鉄芯と
が継合されることを特徴とする。
ヨークのフランジ部に形成した挿入穴内に鉄芯を挿入し
た後、スリット幅を縮小させれば、鉄芯が挿入穴内で締
め付けられ、鉄芯とヨークとの継合が可能となり、鉄芯
に磁性ひずみが生じないため、安定した動作特性が得ら
れる。更に、ヨークのフランジ部の挿入穴に鉄芯を挿入
した後、弾性復帰、あるいは塑性変形によりスリット幅
が縮小することにより、鉄芯とヨークとの継合がなされ
るため、鉄芯高さの管理が容易である。また、スリット
を拡開操作することにより、ヨークと鉄芯との分離が行
なえるため、鉄芯、ヨークの再利用が可能となる。
イルを巻装した鉄芯の一端を断面L字状のヨークのフラ
ンジ部に設けた挿入穴に継合する電磁リレー用電磁石の
製造方法において、ヨークのフランジ部に設けられる挿
入穴は鉄芯の径より小径に設定され、該挿入穴とフラン
ジ部の端縁との間にスリットが連通形成され、スリット
幅を拡大させることにより、挿入穴の径を拡大させた状
態で鉄芯を挿入穴内に挿入して、スリット幅が元の幅に
復帰することにより、鉄芯が挿入穴内で締め付けられ、
鉄芯をヨークに継合させるようにしたことを特徴とす
る。
フランジ部の弾性変形により、スリット幅を拡大させれ
ば、挿入穴径も拡大し、鉄芯が挿入可能な状態となり、
ヨークの挿入穴に鉄芯を挿入した後、スリット幅が元に
戻ることにより、ヨークと鉄芯とを継合させるというも
のであるから、鉄芯並びにヨークに磁性ひずみが生じる
ことがなく、電磁石の安定した動作特性が得られるとと
もに、ヨークと鉄芯との取付時の公差管理も容易なもの
となる。
イルを巻装した鉄芯の一端を断面L字状のヨークのフラ
ンジ部に設けた挿入穴に継合する電磁リレー用電磁石の
製造方法において、ヨークのフランジ部に鉄芯の径より
やや大径の挿入穴が開設され、該挿入穴とフランジ部の
端縁との間にスリットが連通形成され、フランジ部の挿
入穴に鉄芯を挿入した状態でスリット幅を縮小させるよ
うにフランジ部を塑性変形させることにより、鉄芯を挿
入穴内で締め付け、鉄芯とヨークとを継合させるように
したことを特徴とする。
ヨークのフランジ部に設けた挿入穴内に鉄芯を挿入した
後、スリット幅の縮小方向にフランジ部を塑性変形させ
ることにより、鉄芯をヨークに継合固定できるため、磁
路に関係ないフランジ部のスリット形成部分にのみ塑性
ひずみが生じるだけであり、鉄芯には塑性ひずみが全く
発生せず、電磁石に磁気特性の劣化が生じることがな
く、また鉄芯高さにばらつきが生じない。更に、スリッ
ト幅を広く設定しておけば、鉄芯の継合力を強化できる
等、スリット幅により鉄芯とヨークとの継合力を制御で
きる。
部には、スリットを境とした左右側に突片が設けられ、
突片同士を接合方向に塑性変形させることにより、スリ
ット幅を縮小させて、鉄芯とヨークとの継合を行なうよ
うにしたことを特徴とする。
スリットを挟んで左右に突片が形成されているため、ス
リット幅を縮小させるには、突片同士を接合方向に塑性
変形されば良く、かしめ加工が容易であり、磁性ひずみ
を磁路に関係のない突片部分だけに規制できる。
幅の縮小方向にフランジ部を塑性変形させた後、スリッ
トの接合部分に溶接加工を施すことを特徴とする。
磁路に関係ないフランジ部で溶接加工が行なわれるた
め、鉄芯には塑性ひずみが全く発生せず、電磁石におけ
る特性の劣化が生じない。また、フランジ部の接合部分
には、溶接加工が施されているため、スリットが拡開す
ることがなく、ヨークと鉄芯との継合力が低下したりす
ることがない。
の内側接触部に溶接加工を施すことを特徴とする。
溶接加工部位は、スリットの内側接触部であるため、メ
ッキ劣化箇所を内側に閉じこめることができ、錆の問題
を解消できる。
幅の縮小方向にフランジ部を変形させながら、レーザの
照射をスリットの内側接触部における基部から先端に向
けて行うことを特徴とする。
錆の問題を解決することができるとともに、スリットの
接合部の全長に沿って線状に溶接加工できるため、溶接
強度を高めることができる。
突片の先端を鉤状に延設し、突片同士をスリット幅の縮
小方向に塑性変形させた後、上記鉤状部と他方側の突片
とを係止させることにより、鉄芯とヨークとの継合状態
をロックしたことを特徴とする。
スリット幅を縮小する方向に突片同士を塑性変形させて
フランジ部の挿入穴内に鉄芯を挿入した後、一方側の突
片に設けた鉤状部を他方側の突片に係止すれば、スリッ
トの開きが防止でき、ヨークと鉄芯との継合力を長期に
亘り強固に維持できる。
に2分割される突片同士を内方に向けて塑性変形させた
後、スリットの開きを規制するリング状拘束部材を突片
同士に嵌め込み固着することを特徴とする。
塑性ひずみが全く生じないため、磁性部品の磁気劣化が
なく、電磁石の磁気特性劣化が生じない。また、リング
状拘束部材を取外すことで塑性ひずみを与えることなく
鉄芯の分離が行なえるために鉄芯とヨークの再利用が可
能となる。
状拘束部材を嵌め込む突片は、先端に向けてテーパー状
に設定されていることを特徴とする。
ば、リング状拘束部材を深く差し込めば、それだけ突片
同士をきつく接合することができ、ヨークと鉄芯との継
合力を強固に維持できる。
電磁リレー用電磁石及びその製造方法の実施形態につい
て、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
とヨークとを示す斜視図、図2,図3は本発明に係る電
磁石の製造方法の第1の実施形態を示す説明図、図4,
図5は本発明に係る電磁石の製造方法の第2の実施形態
を示す説明図、図6,図7は本発明に係る電磁石の製造
方法の第3の実施形態を示す説明図、図8,図9は本発
明に係る電磁石の製造方法の第4の実施形態を示す説明
図、図10,図11は本発明に係る電磁石の製造方法の
第5の実施形態を示す説明図、図12,図13は本発明
に係る電磁石の製造方法の第6の実施形態を示す説明
図、図14は第4の実施形態の作用を示す説明図、図1
5は磁性ひずみによる磁気特性低下を示すグラフであ
る。
の図16,図17に示すものを援用するので、ここでは
詳細な説明は省略する。
構成について説明する。尚、鉄芯10の外周にはコイル
が巻装され、かつ鉄芯10の軸方向両端部分にはスプー
ルが取り付けられるが、本発明においては鉄芯10とヨ
ーク20との構成並びに継合方法に特徴があるため、こ
こでは省略する。符号10は軟磁性材料からなる鉄芯を
示し、鉄芯10の挿入端の反対側には、円盤状のフラン
ジ11が形成されている。
フランジ部21を有する断面L字状の板材から構成され
ており、フランジ部21の中央に鉄芯10の挿入穴22
が開設されているとともに、フランジ部21の先端縁に
外方に向けて突出する突片23が突設され、この突片2
3を左右に2分割するようにスリット24が挿入穴22
と連通形成されている。従って、スリット24を挟んで
左右に一対の突片23がフランジ部21に一体形成さ
れ、スリット24により挿入穴22の径が可変できるよ
うにしたことが特徴である。
法について図2以下の各実施形態について説明する。ま
ず、本発明の第1の実施形態は、まず、鉄芯10の径に
対してヨーク20のフランジ部21に開設されている挿
入穴22径はそれよりも小径に設定されている。
0を挿入させるためには、図2に示すように突片23を
図中矢印方向に左右側に押し広げ、スリット24を拡開
させて挿入穴22の径を拡大させ、鉄芯10を挿入した
後、突片23に加わっている外力を解除すれば、図3に
示すように、突片23がそれぞれ元位置に戻ることによ
り、鉄芯10は挿入穴22の径が縮小し、鉄芯10に締
付け力が作用することにより鉄芯10とヨーク20とが
継合される。
片23を弾性変形させて挿入穴22の径を拡大させて鉄
芯10を挿入した後、突片23の弾性復帰により鉄芯1
0を締付け固定するという構成であるため、従来のかし
め加工方法や溶接加工方法に比べ、鉄芯10、ヨーク2
0に塑性ひずみが全く生じないため、磁気劣化がなく、
安定した動作特性を確保できる。
バック等が鉄芯10の軸方向に作用することがないた
め、鉄芯高さのバラツキも小さく、鉄芯10とヨーク2
0との位置関係を精度良く管理でき、電磁リレーとして
適用した際、接点の初期状態を良好に維持できるという
効果がある。
押し広げれば、鉄芯10とヨーク20との分解すること
ができ、鉄芯10とヨーク20との再利用が可能とな
り、材料の有効利用が図れる。尚、本実施形態では、ス
リット24を拡開させる操作を円滑に行なうために、突
片23を設けたが、フランジ部21に挿入穴22とスリ
ット24だけを設けた構成としても良い。
実施形態を示すもので、図4に示すように、鉄芯10の
径に比べヨーク20のフランジ部21に開設されている
挿入穴22の径は鉄芯10の径よりもやや大きめに設定
されており、また、スリット24のスリット幅も第1の
実施形態よりは幅広に設定されていることが特徴であ
る。
穴22内に鉄芯10を挿入するが、鉄芯10の挿入作業
は、挿入穴22が大径に設定されているため、作業は簡
単に行なえる。その後、図5に示すように、スリット2
4の左右側の突片23を互いに接近させるように外部か
ら力を加え、突片23を塑性変形させる。
るまで突片23を突き合わせるため、挿入穴22の径が
縮小し、鉄芯10を締め付けることになり、鉄芯10を
強固にヨーク20に継合固定することができる。
性ひずみが生じるのは塑性変形するフランジ部21の突
片23部分だけであり、フランジ部21のその他の部位
や鉄芯10には何等塑性ひずみが生じないため、電磁石
の磁気特性の劣化が生じることがなく、安定した動作特
性が得られる。
スプリングバック等も発生しないため、鉄芯10の高さ
のバラツキが小さく、第1の実施形態同様、電磁リレー
として使用した際には接点の初期状態を簡単に設定でき
るという有利さがある。
リット24のスリット幅を調整することにより、鉄芯1
0の締付け力を任意に制御できるという利点もある。
尚、この第2実施形態においても、突片23を省略して
も良く、その場合、磁性ひずみはスリット24の近傍部
分に分散する傾向にあるが、直接、磁路に悪影響を及ぼ
すものではなく、上述した作用効果が期待できる。
実施形態を示すもので、基本的には第2の実施形態と同
一であるが、ただ突片23並びにスリット24の形状に
工夫が加えられている。すなわち、一方側の突片23a
を他方側の突片23bに対して延長し、更に先端を鉤状
に折曲形成した鉤状部25が設定されている。
22内に簡単に鉄芯10を挿入した後、図6中矢印方向
に突片23a,23bを塑性変形させることにより、図
7に示すように、挿入穴22の径を縮小させて鉄芯10
に締付け力を作用させ、ヨーク20に対して鉄芯10を
堅固に継合固定できる。
に塑性ひずみが生じることなく、安定した動作特性が得
られるとともに、鉄芯10とヨーク20との取付公差の
管理も容易であり、特に、一方側の突片23aに設けた
鉤状部25の先端が他方側の突片23bに係止した状態
となり、突片23同士を拘束することにより、鉄芯10
の継合状態が緩むことがなく、堅固な継合構造を長期に
亘り維持できるという有利さがある。
の実施形態を示すもので、第2の実施形態の発展形であ
る。すなわち、ヨーク20のフランジ部21に開設され
ている鉄芯10よりも大径の挿入穴22内に鉄芯10を
挿入した後、図9に示すように、スリット20を挟んだ
左右側の突片23同士を互いに接近させるようにそれぞ
れ塑性変形させることにより、鉄芯10に締付け力を働
かせて、ヨーク20に対して鉄芯10を継合固定する。
その後、突片23同士の接合部位における端面、上面又
は下面の隙間近傍部等適宜箇所にレーザー照射し、溶接
部26により突片23同士の接合強度を高める。尚、溶
接方法としては、上述したレーザー溶接の他に、抵抗溶
接、アーク溶接、超音波溶接等の慣用の溶接方法を使用
しても良い。
接加工が行なわれるため、鉄芯10には塑性ひずみが全
く発生せず、電磁石の安定した動作特性が得られ、上述
した実施形態同様、鉄芯10とヨーク20との間で良好
な取付精度も得られ、また、スリット24の幅を任意に
設定することにより、鉄芯10の継合力を調整できるな
どの有利さもある。
の実施形態を示すもので、上述した実施形態と同様に、
溶接加工を利用したものである。すなわち、鉄芯10よ
り大径の挿入穴22内に鉄芯10を挿入した後、スリッ
ト24を閉鎖するように左右側の突片23同士を図10
に示すように、矢印方向に塑性変形させる。
は、基部側に比べ先端側が幅広に設定されており、フラ
ンジ部21の塑性変形途中では、スリット24は基部側
が閉鎖したV字形状となっており、塑性加工の途中か
ら、レーザを図中矢印Lで示すようにスリット24の内
側接触部の基部側から先端側に向けて、レーザの焦点を
引きながら、塑性変形加工と同時にレーザ溶接を行なう
(レーザの初期照射部位を図10中符号Pで示す)。
所がスリット24の内側接触部であり、メッキ劣化箇所
を閉じ込めることができるため錆の発生をおさえること
ができる。
に、塑性加工を施しながら、スリット24の全長に沿っ
てレーザ溶接を行なうことができるため、溶接強度を強
化でき、鉄芯10の継合強度を高めることができるとい
う利点がある。
6の実施形態を示すもので、基本的に本発明方法の第2
実施形態の改良形である。すなわち、鉄芯10より大径
の挿入穴22内に鉄芯10を挿入した後、スリット24
を閉鎖するように左右側の突片23を図13に示すよう
に矢印方向に塑性変形させることにより、鉄芯10に締
付け力を働かせて、ヨーク20に対して鉄芯10を継合
するとともに、この継合状態を維持するとともに、リン
グ状拘束部材27を突片23の外周に嵌め込むことで、
スリット24が拡開することがなく、鉄芯10の強固な
継合力を長期に亘り維持できる。
鉄芯10に塑性ひずみが生じないことから、安定した動
作特性が得られ、かつ鉄芯10とヨーク20との間の公
差管理も容易なものとなり、しかも、スリット24の幅
を可変することにより、継合力を調整できるなどの効果
を備えている。
テーパー状に設定すれば、リング状拘束部材27の嵌め
込み作業も簡単に行なえるとともに、嵌め込み深さが深
くなればなるほどリング状拘束部材27の拘束力が増す
ため、鉄芯10の強固な継合が得られるという付随的な
利点もある。
工方法)とを比較して、図14並びに表1を基に説明す
ると、図14(a)のように、ヨーク20の挿入穴22
にスリット幅Wのスリット24を設け、鉄芯10を挿入
穴22内に挿入する。そして、図14(b)のように、
スリット24の幅が狭まるようにプレスにて加圧し、固
定した状態でスリット24の先端をレーザーにて溶接加
工を施す。図14(c)に示すように、磁路aからはず
れた部分のみに塑性ひずみbが生じることから、かしめ
による塑性ひずみbに起因する鉄芯10の磁気特性劣化
が生じない。
e)、抜け荷重(kN)の関係を表1に示す。
から抜いた(分解した)鉄芯10についてHcメーター
にて測定した。抜け荷重は鉄芯10を分解するのに必要
な最大荷重を測定した。
は、保磁力Hcは1.27(Oe)、抜け荷重0.26
0(kN)を示すことがわかっており、本発明方法は従
来方法に比べてかしめ強度はほぼ同等であるが、保磁力
の劣化の程度が小さくなっているのがわかる。また、抜
け荷重はスリット幅に関係なく安定することがわかる。
ものに比べ保磁力が半減しており、保磁力が小さければ
小さいほど、安定した動作特性が得られるとともに、小
さい電流で大きなパワーを現出させることができ、リレ
ー装置をコンパクト化できるという有利さがある。
る磁気特性低下について磁性ひずみと磁束密度との関係
を示す。図15は、磁化Hが0.5から40までの各H
で得られる磁束密度Bを区別して示している。
0.5(Oe)のときのB)を見ると塑性ひずみを与え
ていないもの(塑性ひずみ0%)では磁束密度9000
(G)程度が得られるが、1%程度の塑性ひずみを与え
ると1000(G)程度しか得られない。割合では90
%程度の低下を示している。どの曲線においても、わず
かな塑性ひずみにて磁束密度の低下が確認でき、低磁場
領域での磁束密度は特に顕著な低下を示している。
るわずかな塑性ひずみによって磁気特性が大きく劣化す
ることがわかっており、このことからも、本発明に係る
電磁リレー用電磁石及びその製造方法の有用性が明らか
である。
芯とヨークとの継合の際に磁気ひずみが生じることがな
いため、安定した動作特性が得られるとともに、保磁力
も小さく抑えることができ、電磁リレーのコンパクト化
を可能にするとともに、ヨークと鉄芯との取付位置の公
差管理を容易なものにできるという効果を有する。
芯とヨークを示す分解斜視図である。
態における鉄芯の挿入前の状態を示す説明図である。
態における鉄芯の継合状態を示す説明図である。
態における鉄芯の挿入前の状態を示す説明図である。
における鉄芯の継合状態を示す説明図である。
態における鉄芯のヨークに対する挿入前の状態を示す説
明図である。
態における鉄芯の継合状態を示す説明図である。
態における鉄芯の挿入前の状態を示す説明図である。
態における鉄芯の継合状態を示す説明図である。
形態におけるプレス加工とレーザー溶接加工工程を示す
説明図である。
形態における鉄芯の継合状態を示す説明図である。
形態における鉄芯の挿入前の状態を示す説明図である。
形態における鉄芯の継合状態を示す説明図である。
である。
である。
ークとを示す斜視図である。
す説明図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 コイルを外周に巻装した鉄芯とこの鉄芯
を保持する断面L字状のヨークとを備えた電磁リレー用
電磁石であって、ヨークのフランジ部に鉄芯の一端を挿
入する挿入穴と、該挿入穴とフランジ部の端縁との間に
連通され、挿入穴の径を可変できるスリットとが開設さ
れ、スリットの幅を縮小させることにより、挿入穴内で
鉄芯を締め付け、ヨークと鉄芯とが継合されることを特
徴とする電磁リレー用電磁石。 - 【請求項2】 外周にコイルを巻装した鉄芯の一端を断
面L字状のヨークのフランジ部に設けた挿入穴に継合す
る電磁リレー用電磁石の製造方法において、 ヨークのフランジ部に設けられる挿入穴は鉄芯の径より
小径に設定され、該挿入穴とフランジ部の端縁との間に
スリットが連通形成され、スリット幅を拡大させること
により、挿入穴の径を拡大させた状態で鉄芯を挿入穴内
に挿入して、スリット幅が元の幅に復帰することによ
り、鉄芯が挿入穴内で締め付けられ、鉄芯をヨークに継
合させるようにしたことを特徴とする電磁リレー用電磁
石の製造方法。 - 【請求項3】 外周にコイルを巻装した鉄芯の一端を断
面L字状のヨークのフランジ部に設けた挿入穴に継合す
る電磁リレー用電磁石の製造方法において、 ヨークのフランジ部に鉄芯の径よりやや大径の挿入穴が
開設され、該挿入穴とフランジ部の端縁との間にスリッ
トが連通形成され、フランジ部の挿入穴に鉄芯を挿入し
た状態でスリット幅を縮小させるようにフランジ部を塑
性変形させることにより、鉄芯を挿入穴内で締め付け、
鉄芯とヨークとを継合させるようにしたことを特徴とす
る電磁リレー用電磁石の製造方法。 - 【請求項4】 フランジ部には、スリットを境とした左
右側に突片が設けられ、突片同士を接合方向に塑性変形
させることにより、スリット幅を縮小させて、鉄芯とヨ
ークとの継合を行なうようにしたことを特徴とする請求
項3に記載の電磁リレー用電磁石の製造方法。 - 【請求項5】 スリット幅の縮小方向にフランジ部を塑
性変形させた後、スリットの接合部分に溶接加工を施す
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の電磁リレー用
電磁石の製造方法。 - 【請求項6】 スリットの内側接触部に溶接加工を施す
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の電磁リレー用
電磁石の製造方法。 - 【請求項7】 スリット幅の縮小方向にフランジ部を変
形させながら、レーザの照射をスリットの内側接触部に
おける基部から先端に向けて行うことを特徴とする請求
項6に記載の電磁リレー用電磁石の製造方法。 - 【請求項8】 一方側の突片の先端を鉤状に延設し、突
片同士をスリット幅の縮小方向に塑性変形させた後、上
記鉤状部と他方側の突片とを係止させることにより、鉄
芯とヨークとの継合状態をロックしたことを特徴とする
請求項4に記載の電磁リレー用電磁石の製造方法。 - 【請求項9】 スリットに2分割される突片同士を内方
に向けて塑性変形させた後、スリットの開きを規制する
リング状拘束部材を突片同士に嵌め込み固着することを
特徴とする請求項4に記載の電磁リレー用電磁石の製造
方法。 - 【請求項10】 リング状拘束部材を嵌め込む突片は、
先端に向けてテーパー状に設定されていることを特徴と
する請求項9に記載の電磁リレー用電磁石の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05173499A JP3945065B2 (ja) | 1999-02-26 | 1999-02-26 | 電磁リレー用電磁石の製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP05173499A JP3945065B2 (ja) | 1999-02-26 | 1999-02-26 | 電磁リレー用電磁石の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000252116A true JP2000252116A (ja) | 2000-09-14 |
JP3945065B2 JP3945065B2 (ja) | 2007-07-18 |
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ID=12895139
Family Applications (1)
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JP05173499A Expired - Lifetime JP3945065B2 (ja) | 1999-02-26 | 1999-02-26 | 電磁リレー用電磁石の製造方法 |
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JP (1) | JP3945065B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008510108A (ja) * | 2004-08-12 | 2008-04-03 | ハーグレーブス テクノロジー コーポレーション | ソレノイドバルブ及びその組み立て方法 |
CN113614870A (zh) * | 2019-05-29 | 2021-11-05 | Ls电气株式会社 | 直流继电器及其制作方法 |
-
1999
- 1999-02-26 JP JP05173499A patent/JP3945065B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008510108A (ja) * | 2004-08-12 | 2008-04-03 | ハーグレーブス テクノロジー コーポレーション | ソレノイドバルブ及びその組み立て方法 |
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