JP2000251794A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2000251794A
JP2000251794A JP11048045A JP4804599A JP2000251794A JP 2000251794 A JP2000251794 A JP 2000251794A JP 11048045 A JP11048045 A JP 11048045A JP 4804599 A JP4804599 A JP 4804599A JP 2000251794 A JP2000251794 A JP 2000251794A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像形成装置のフェースプレート上のメタル
バックと高圧引き出し配線との接続をより確実なものと
し、また、放電を抑制し、信頼性の高い画像形成装置を
提供する。 【解決手段】 基体上に複数の電子放出素子を備える電
子源基板と、電子放出素子と対向して配置される透明基
板上に蛍光体層、メタルバック層およびメタルバック層
を電源に接続する配線を備えるフェースプレートとを有
し、配線とメタルバック層が導電膜を介して接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成装置のフ
ェースプレートの構成、詳しくはフェースプレートの高
圧接続用配線とメタルバック層の接続構成に関する。
【0002】
【従来の技術】CRTを始めとする陰極線管による画像
表示装置は、より大画面化が盛んに検討されている。そ
れに伴い陰極線管の奥行きの増大および重量化が重要な
課題となっている。
【0003】これら課題に対して、発明者らはさまざま
な材料、製法、構造の表面伝導型放出素子を多数配列し
たマルチ電子ビ−ム源、ならびにこのマルチ電子ビ−ム
源を応用した画像表示装置について研究を行ってきた。
【0004】発明者らは、たとえば図9に示す電気的な
配線方法によるマルチ電子ビ−ム源の応用を試みてき
た。すなわち、表面伝導型放出素子を2次元的に多数個
配列し、これらの素子を図示のように単純マトリクス状
に配線したマルチ電子ビ−ム源である。
【0005】図中、4001は表面伝導型放出素子を模
式的に示したもの、4002は行方向配線、4003は
列方向配線である。なお、図示の便宜上、6x6のマト
リクスで示しているが、マトリクスの規模はむろんこれ
に限ったわけではなく、所望の画像表示を行うのに足り
るだけの素子を配列し配線するものである。
【0006】図10はこのマルチ電子ビ−ム源を用いた
陰極線管の構造であり、マルチ電子ビ−ム源4004を
備えた外容器底4005と外容器枠4007と、蛍光体
層4008およびメタルバック4009を備えたフェー
スプレート4006からなる構造である。また、フェー
スプレートを構成する透明基板4006上のメタルバッ
ク4009には高圧導入端子4011を通じて高圧電源
4010により高圧電位が印加されている。
【0007】表面伝導型放出素子を単純マトリクス配線
したマルチ電子ビ−ム源においては、所望の電子ビ−ム
を出力させるため、行方向配線4002および列方向配
線4003に適宜の電気信号を印加する。たとえば、マ
トリクスの中の任意の1行の表面伝導型放出素子を駆動
するには、選択する行の行方向配線4002には選択電
圧Vsを印加し、同時に非選択の行の行方向配線400
2には非選択電圧Vnsを印加する。これと同期して列
方向配線4003に電子ビ−ムを出力するための駆動電
圧Veを印加する。この方法によれば、選択する行の表
面伝導型放出素子には、Ve−Vsの電圧が印加され、
また非選択行の表面伝導型放出素子にはVe−Vnsの
電圧が印加される。Ve,Vs,Vnsを適宜の大きさ
の電圧にすれば選択する行の表面伝導型放出素子だけか
ら所望の強度の電子ビ−ムが出力され、また列方向配線
の各々に異なる駆動電圧Veを印加すれば、選択する行
の素子の各々から異なる強度の電子ビ−ムが出力され
る。また、表面伝導型放出素子の応答速度は高速である
ため、駆動電圧Veを印加する時間の長さを変えれば、
電子ビ−ムが出力される時間の長さも変えることができ
る。
【0008】上記のような電圧印加によりマルチ電子ビ
ーム源4004から出力された電子ビームは、高圧印加
されているメタルバック4009に照射され、ターゲッ
トである蛍光体4008を励起して発光させる。したが
って、たとえば画像情報に応じた電圧信号を適宜印加す
れば、画像表示装置となる。
【0009】この画像表示装置はマルチ電子ビーム源基
板とフェースプレートを近接対向させているので、薄型
で軽量な画像表示装置が実現できる。さらに大気圧を支
持する構造、すなわちスペーサ4020をフェースプレ
ートと電子源基板間に挿入することにより、薄型のまま
大面積化することも可能となり、この画像表示装置は大
画面で薄型/軽量な陰極線管として大いに期待されるも
のである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】透明基板4006上の
メタルバック4009はフィルミング樹脂上に厚さ50
0〜3000Åと非常に薄い膜を成膜し、後にフィルミ
ング樹脂を焼成除去してメタルバック層4009と下地
層(蛍光体あるいはフェースプレート)とを接触させる
という工程で成膜される。このような工程で作成される
ため、メタルバック層はその下地層から浮いている部分
が多く、下地との密着度は非常に弱い構成で、膜厚も薄
いために脆い構成となっている。よって高圧導入端子を
直接メタルバック層に接続させると、電気的な接続の信
頼性が下がるため、高圧引き出し配線としてAgなどの
金属粒子を含む導電性ペーストによる厚膜(例えば5〜
20μm厚)の配線4021を介して接続していた。す
なわち図11(A)に示すように厚膜配線4021と高圧
導入端子4011とを銀ペースト4015などで確実に
接続し、メタルバック4009は前記厚膜配線4021
と接触するように成膜していた。
【0011】ところが、図11(B)に図11(A)のC
部を拡大して示す様に、前記フィルミング樹脂は、前記
した厚膜の配線4021よりも薄く形成されるためにフ
ィルミング樹脂が厚膜配線4021の端部を連続的に被
覆しきれず、その結果、上記フィルミング樹脂上に成膜
したメタルバック4009が連続膜にならなかった。そ
のため、厚膜配線4021の端部で断線4023が発生
し、厚膜配線4021とメタルバック4009の接続不
良が発生する事があった。
【0012】また、図11に示すように、表面が平滑な
ガラス基板4006上に、メタルバックが形成される場
合には、フィルミング樹脂の焼成除去を終えた後、ガラ
ス基板上のメタルバックの部分に大きな皺がより、火脹
れ4024の発生が見られた。この様なメタルバックの
皺や火脹れ4024は、ガラス基板のような、特に下地
が平面性の高い場合、ミリメートルオーダーの領域で、
10〜100μm以上大きく浮いた状態になる。
【0013】このようなメタルバックの火脹れ4024
は、電子源基板4004との間に高電圧を印加した際に
放電発生の要因となってしまう場合があった。
【0014】さらには、なんらかのきっかけで、電子源
基板とフェースプレートを近接対向させ、その間に高電
圧を印加する平板型の画像表示装置では、フェースプレ
ート上の電極(メタルバックあるいはそれに変わるアノ
ード電極)と、電子源基板(電子放出素子あるいは各電
子放出素子を駆動するための配線などの部材)との間で
放電が発生する場合があった。またこの様な放電には、
大気圧支持部材(スペーサ部)の沿面で放電が発生する
場合もあった。
【0015】このような、放電によりフェースプレート
上へ流れる電流は、通常の画像表示において電子放出素
子から放出される電流よりも数桁大きい。
【0016】このように、電子源基板とフェースプレー
ト上の電極との間で放電が起こると、大きな電流が高圧
引き出し配線に集中することになる。
【0017】この時に、前述した高圧引き出し配線とメ
タルバックとの接続部分が高抵抗であると放電時にその
部分で瞬間的に発熱し、表面に吸着していたガスが離脱
して接続部分近傍の真空度が悪くなる場合があった。
【0018】上記のようなガスが放出された場合には、
高圧引き出し配線とメタルバックとの接続部分近傍で2
次的な放電が発生する場合があった。このような場合に
は、高圧引き出し配線とメタルバックとの電気的接続が
不十分になり、その結果メタルバックに高電圧を印加で
きなくなったりすることで画像表示ができなくなる場合
があった。
【0019】そこで、本発明は、画像形成装置のフェー
スプレート上のメタルバックと高圧引き出し配線との接
続をより確実なものにし、信頼性の高い画像形成装置を
提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】以上に示した課題を解決
するために本発明者らが鋭意研究を行なった結果、以下
の発明を得た。
【0021】先ず、本発明の第一は、高圧引き出し配線
の端部でフィルミング膜が連続的に成膜できないため
に、この部分でメタルバック層が断線して接触不良を起
こす問題を解決するものである。すなわち、本発明の第
一の発明は、図1に模式的に示すように、引き出し配線
とメタルバックとを、導電膜4025を介して接続する
ことにある。尚、図1(B)は図1(A)の引き出し配線
4021とメタルバック4009との接続部を拡大した
模式図である。
【0022】本発明第一の引き出し配線4021とメタ
ルバック4009とを導電膜4025を介して接続する
具体例を、図2(1)〜(3)に示す。
【0023】まず、図2(1)は最も簡略な構成であ
り、導電膜4025上に高圧引き出し配線4021およ
び蛍光体層4008を成膜した例である。本来なら、導
電膜の端部と蛍光膜との端部を合わせることで、段差を
最小限にすることができるが、蛍光体層4008は直径
が数μmの蛍光体の粒子の集団からなるため、端部同士
を合わせること自体が難しく、製造プロセスも煩雑にな
る。
【0024】そのため、ここでは、蛍光体層と導電膜層
とを一部重なるように配置している。この構成によれ
ば、蛍光体層4008に導電膜4025による段差がで
きるが、導電膜の厚さを5μm以下、更に望ましくは2
μm以下の膜厚とすることにより、メタルバック成膜用
のフィルミング樹脂を厚く形成せずに、この段差を十分
被覆できるようになる。尚、導電膜の厚みは、蛍光体層
よりも厚みが薄いことが好ましく、さらには、蛍光体層
を構成する蛍光体粒子の平均粒径よりも小さいことが好
ましい。
【0025】このようにすることで、前述したフィルミ
ング膜が形成されないために起こるメタルバックの断線
は生じない。一方、導電膜4025と引き出し配線40
21とは、電気的接続を確実にするため、一部を重ねて
いる。
【0026】また、図2(2)あるいは(3)に示すよ
うに、各色の蛍光体間に黒色部材(ブラックストライ
プ、ブラックマトリクス)4022がある場合でも、導
電膜と黒色部材とが重なる部分にできる段差は、フィル
ミング樹脂で十分被覆できる。
【0027】図2(2)は、導電膜4025を引き出し
配線4021が一部被覆することで導通をとっている。
尚、図2(2)の場合、黒色部材4022を導電膜が一
部被覆しているが、逆に、図2(3)に示すように、黒
色部材が導電膜を一部被覆しても良い。図2(3)に示
した様な構成の場合は、メタルバック4009は黒色部
材4022を越えて、導電膜4025を覆って電気的接
続をとる必要がある。
【0028】また、図2(3)の構成においては、導電
膜が引き出し配線を一部被覆することで、引き出し配線
と導電膜との電気的接続をとっているが、逆に、図2
(2)の様に、導電膜を引き出し配線が被覆することに
より電気的接続を確保しても良い。また、黒色部材が導
電膜により一部被覆された形態でも良い。
【0029】導電膜4025はメタルバックとは異な
り、印刷あるいは他の成膜方法により下地(ガラス基
板)上に直接成膜するので、図2(3)のように高圧引
き出し配線が厚膜であっても、その上に断線することな
く成膜することができるので、上記した様に、特にこの
上下関係および高圧引き出し配線の厚さは制限されるも
のではない。
【0030】次に、前述したように、上記本発明第一の
構成をとる際には、導電膜4025上にメタルバックが
被覆される。この時、導電膜4025の表面が平滑な面
であると、前述したガラス基板上にメタルバックが形成
される場合と同様に、導電膜4025上のメタルバック
に火脹れや、皺が生じてしまう。このような火脹れや、
皺が生じると、メタルバックと導電膜との電気的接続の
信頼性が低下してしまう。
【0031】そこで、本発明の第二は、メタルバックの
下地となる導電膜4025を、その表面粗さRzが0.
1μm以上でフィルミング樹脂厚の3〜4倍程度以下の
粗さとするものである。
【0032】図3は、上記した範囲の表面粗さを求める
ために行った測定の様子を示す模式図である。具体的に
は、図3の測定では、導電膜4100の表面粗さを変え
て、その上にメタルバック4101の成膜を行なった。
抵抗計4102で導電膜の表面粗さを変えた時に、導電
膜とメタルバック間の接触抵抗がどれほど変化するのか
を測定することによりメタルバックの導電膜に対する浮
き具合を評価した。尚、表面粗さRzに関する定義は、
JIS−B601に基づいている。
【0033】メタルバック4101の下地に相当する導
電膜4100の表面粗さが0.1μm以下の場合では、
成膜したメタルバックの浮きが激しく接触抵抗が高い、
あるいは非常に不安定な状態であった。
【0034】一方、メタルバック4101の下地に相当
する導電膜4100の表面粗さRzが0.1μm以上、
更に望ましくは1μm以上で、かつフィルミング樹脂厚
の3から4倍程度以下の粗さである時に安定した接触が
得られた。
【0035】一方、メタルバック4101の下地に相当
する導電膜4100の表面粗さが更に大きい場合は、そ
の凹凸による段差のため、メタルバックに不連続部分が
発生した。しかし、前述の高圧引き出し配線に直接メタ
ルバックを被覆する場合と異なり、段差が直線的に連続
してある訳ではないので断線には至らないが接触抵抗は
若干高くなった。
【0036】これらの結果から、上述した、メタルバッ
クの下地である導電膜は、表面粗さが0.1μm以上で
フィルミング樹脂厚の3〜4倍程度以下の粗さとなるよ
うにすることが望ましいという結果を得た。尚、通常用
いている蛍光体層、黒色部材(ブラックストライプ)の
表面粗さRzはこの範囲にある。
【0037】次に、本発明の第三は、電子源基板とフェ
ースプレート上の電極(アノード)との間で放電が発生
した場合に、高圧引き出し配線とメタルバックとの接続
部分での発熱で、高圧引き出し配線近傍から脱ガスして
2次的な放電が起ること現象に対し、引き出し配線と導
電膜および、あるいは導電膜とメタルバックとの接続部
分の抵抗を低くする構成をとることである。
【0038】この様な構成をとることにより、高圧引き
出し配線部での発熱が抑えられ、その結果、前述した2
次的な放電を抑制することができる。
【0039】本発明の第3は、具体的には、高圧引き出
し配線と導電膜との接続長、またはメタルバックと導電
膜との接続長を長く取る、あるいは導電膜のシート抵抗
をさげることにより接続部分の抵抗を下げることであ
る。尚、接続長とは、導電膜と引き出し配線との接続部
で説明すると、導電膜と引き出し配線との接続部におけ
る、導電膜または引き出し配線の端面の長さを指す。
【0040】接続長を変えて2次的な放電の起る頻度を
評価したところ、導電膜4025と高圧引き出し配線と
の接続長:W1〔mm〕、および導電膜4025とメタ
ルバックとの接続長:W2〔mm〕の何れも、導電膜4
025のシート抵抗r〔Ω/□〕に対して
【0041】
【外4】 を満たす接続長を採ることにより、上記した2次的な放
電を抑えられることがわかった。
【0042】また接続長を一定にして導電膜4025の
シート抵抗を変えて評価したところ、同様に上記式
(1)を満たすシート抵抗の導電膜とすることにより2
次放電が抑えられる。上記シート抵抗としては、好まし
くは、10Ω/□以下であり、さらには4Ω/□以下が
好ましい。
【0043】また、上記本発明第一、第二、第三の構成
をとった場合にも、なんらかの原因で、電子源基板と導
電膜4025との間で放電が発生した際には、導電膜4
025を構成する材料が蒸発する場合がある(図4
(1))。
【0044】この様な場合、上記導電膜4025を構成
する部材が蒸発して対向する電子源基板上に蒸着された
り、図4(2)のように、導電膜の近傍に配されたスペ
ーサ4020に導電膜4025を構成する材料が蒸着さ
れ、フェースプレートと電子源基板間が低抵抗状態とな
り、メタルバックに高圧を印加できなくなるなどの現象
を引き起こす可能性がある。
【0045】そこで、本発明の第四は、導電膜4025
を、電子放出素子および電子放出素子を駆動するための
真空雰囲気に露出した配線およびスペーサの直上から
3(S×Va)/g だけ離れた領域に設けるものであ
る、またさらに望ましくは 9(S×Va)/g だけ離れ
た領域に設けるものである。尚、上記S、Va、g は以
下に規定する。
【0046】前述したような放電現象によって、フェー
スプレート上に形成された放電痕4026を調べたとこ
ろ、放電痕の直径Dは、画像領域(蛍光体形成領域)の
面積をS〔m2〕、電子源基板とフェースプレートとの
間隔をg〔mm〕、フェースプレートのメタルバック層に
印加する電位をVa〔kV〕としたとき、概ね
【0047】
【外5】 の大きさであった。よって導電膜4025の位置を、電
子放出素子、剥き出しの配線、スペーサの直上から L=D/2 式(3) より離れた領域、望ましくは L=1.5×D 式(4) より離れた領域に設けることにより、導電膜4025の
場所で放電をなくすことができる。
【0048】ここで電子源基板の配線上であっても、絶
縁層で被覆されていれば導電膜が蒸発するような大規模
の放電は発生しないので剥き出し配線との位置関係を制
限すれば良い。すなわち画像領域以外の配線部分を絶縁
層で被覆し、スペーサを画像領域内にのみ配置し、さら
には、画像領域からLだけ離して導電膜4025を設け
れば良い。
【0049】また、導電膜4025に絶縁性の低融点ガ
ラス(ガラスバインダ)を混ぜることによっても導電膜
4025を構成する部材と基板と密着性を向上させ、蒸
発量を低減できるので好ましい。
【0050】さらに、導電膜4025は、画像領域の直
ぐ近傍に位置する。このため、導電膜4025が、画像
表示をした時に観察者側(大気側)から見える場合、コ
ントラストが低下する場合があるので、導電膜4025
を黒色に近づけるのが好ましい。具体的には、導電膜4
025に黒色顔料を混合させる、あるいは導電膜層導電
膜4025とガラス基板との間に黒色部材を配置するこ
とが挙げられる。この黒色部材としては、蛍光体間に配
置する黒色部材(ブラックマトリクス、ブラックストラ
イプ)を延長することにより対応できる。
【0051】
【発明の実施の形態】以下、実施例を挙げて本発明を説
明する。
【0052】(実施例1)本実施例の画像形成装置は、
走査ライン数240本(ラインピッチ0.65mm)、
変調信号ライン数720本(240×RGB、画素ピッ
チ0.29×3mm)の画像形成装置である。図10に
外観を示した。画像表示領域(蛍光膜形成領域)は15
6×209mmである。
【0053】次に、本実施例で形成した画像形成装置の
フェースプレートの構成について説明する。図5に外観
を示した。まず、蛍光面の作製工程について説明する。
【0054】図6(1)〜(7)に作製工程を示す。
【0055】(1)まず引き出し配線4021を透明基
板上に印刷法により作製する。配線は銀ペーストによる
配線でシート抵抗が0.1Ω/□以下となるように作製
した。
【0056】(2)次に導電膜4025を同じく印刷法
により作製した。導電膜4025はガラスペーストにカ
ーボンを混合したものを用い、厚さ2μmとなるように
作製した。また、その表面の粗さを0.2μmとした。
また、導電膜4025のシート抵抗は50Ω/□であっ
た。導電膜4025の接続長Wは、前述した式(1)を
充分満たすようにW=150mmとした。
【0057】(3)次に絶縁性のブラックストライプ4
022を同じく印刷法により作製した。この厚さは3μ
mとした。
【0058】(4)次にRGBの蛍光体層4008を同
じく印刷法により作製した。用いた蛍光体はP22系の
蛍光体で、RGB共に平均粒径5μmのものを用いて、
厚さ15μmの蛍光体層4008とした。
【0059】(5)次にコロイダルシリカ、界面活性剤
などを含んだ水溶液を蛍光面上に塗布し、まず蛍光体層
4008の凹凸部を湿潤させ、ついでポリメタクリレー
トを主成分とした樹脂を可塑剤とともにトルエン、キシ
レン等の非極性溶媒中に溶解させ、これを蛍光面上にス
プレーし、蛍光体凹凸上にオイルオーバーウオーター型
の小滴を載せ,スピンコートにより延伸させたのち、水
分と溶剤成分を乾燥除去し厚さ3μmのフィルミング膜
4028を作製した。
【0060】(6)次に画像領域(蛍光膜形成領域)お
よび導電膜の一部を覆う領域に開口を持ったアルミ蒸着
用マスク4029を被せて、1000Å厚のアルミをフ
ィルミング膜4028上に蒸着した。
【0061】(7)最後に、この基板を焼成炉内で45
0℃まで1℃/minの昇温速度にて昇温させ、30分この
温度を維持したのち、−2.5℃/minの降温速度で冷却
させ、樹脂中間層を熱分解除去した。フィルミング樹脂
4028除去後にメタルバック層4009は蛍光体層4
008、ブラックストライプ層4022、導電膜402
5に覆い被さるようにして接触する。
【0062】このようにして作製したフェースプレート
を用いて、電子源基板と3mm間隔となるようにスペー
サ4020および支持枠4007を配置して、図10に
示した画像形成装置を組み立てた。
【0063】ここで画像形成装置パネル内には、メタル
バックに7kVを印可した際に、メタルバックと電子源
基板間で放電を開始するように、電子源基板側に電極を
設けた(放電ギャップ形成)。尚この電極は高圧引き出
し配線部から離れた画像領域内に作り込んだ。
【0064】比較例1として、用いた材料、作製法、接
続長以外の寸法は本実施例と同一で、接続長Wを5mm
とした画像形成装置も作製した。やはりこの画像形成装
置にも7kVの放電ギャップを作り込んである。
【0065】これら2種の画像形成装置の高圧端子に
7.5kVの電位を印加して1分間放置する試験を行な
った。比較例1のフェースプレートでは初期に放電ギャ
ップの個所(放電ギャップを形成する電極とメタルバッ
ク間)で数回放電した後、その放電により導電膜402
5に流れ込んだ大電流で、導電膜部分と電子源基板との
間で激しく2次的な放電が起り、最後には導電膜402
5が切断しメタルバックに高圧が印加されなくなってし
まった。これに対し本実施例による画像形成装置は、放
電ギャップの個所で1分間激しく放電が続くが、その放
電電流を原因とする、比較例のような2次的な放電は見
られなかった。
【0066】(実施例2)次に別の実施例について説明
する。本実施例では走査ライン数480本(ラインピッ
チ0.85mm)、変調信号ライン数2400本(80
0×RGB、画素ピッチ0.29×3mm)の画像形成
装置を作成した。
【0067】図7(1)にフェースプレートの外観を示
した。画像表示領域は408×696mmである。フェ
ースプレートの製造プロセスは図6に示したものとは、
導電膜4025と引き出し配線4021の作成順序が逆
であること意外は、実施例1と同様に形成した。
【0068】図7(2)に、図7(1)のF−F‘断面
に相当する部位での、本実施例の画像形成装置の部分断
面図を示す。本実施例においては、導電膜4025は膜
厚3μmの黒色銀系配線でシート抵抗は0.5Ω/□で
ある。導電膜4025とメタルバック4009との接続
長W2は式(1)を十分満たすように5mmの長さを採
っている。
【0069】高圧導入端子4011は直径2mmのタン
グステンワイヤで、電子源基板4004を貫通して、取
り出し配線4021に押し当てて電気的接続をとってい
る。高圧引き出し線4021と導電膜4025との接続
長W1は5.7mmとし、式(1)を十分満たす。画像
領域およびスペーサ4020から導電膜4025までの
距離Lを12mmとした。
【0070】このフェースプレートを用いて、電子源基
板とフェースプレートの間隔が2.5mmの画像形成装
置を組み立てた。フェースプレートには10kVの電位
を印加したところ、充分な輝度を長時間に渡り安定に表
示できた。本実施例の画像形成装置を前記式(4)を満
たさないVaを印可したところ放電と見られる現象が確認
されたが、導電膜4025が蒸発したと思われる現象は
生じなかった。
【0071】(実施例3)次に別の実施例について説明
する。本実施例で作成したフェースプレートの模式的平
面図を図8(1)に示す。尚、図8(2)は、図8
(1)のG-G‘での断面模式図である。本実施例では導
電膜4025を白色銀配線で作製した。本実施例では導
電膜4025とガラス基板との間に絶縁性ブラックスト
ライプ4022を導電膜まで延長した(図8(2))。
その他の構成は実施例1と同様にして画像形成装置を作
成した。本実施例で作成した画像形成装置も放電などの
現象も見られず、非常に明るく高輝度な画像が長時間安
定に得られた。また、白色銀配線を用いても、画像表示
面側からは黒色帯の縁取りしか見えず、画像への妨害感
は感じられなかった。
【0072】導電膜材料として以上実施例で使用したも
の以外に、酸化ルテニウムを含む導電膜も使用すること
ができる。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば画
像形成装置内で放電が発生しても、高圧取り出し配線と
メタルバックの接続部分が焼失断線して高圧を印加でき
なくなることが無くなった。また画像領域端部やスペー
サ部分で放電が発生しても、大量の導電性材料が電子源
や配線、スペーサなどに蒸着されてダメージを受ける事
が無くなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフェースプレートの模式図である。
【図2】本発明にかかわる高圧引き出し線とメタルバッ
クを中継導電膜で接続する構造の代表例を示す図であ
る。
【図3】メタルバックの密着度を抵抗値で評価するため
の評価系である。
【図4】放電が発生した際のダメージを受ける領域を示
した模式図である。
【図5】本発明の第一の実施例で作成したフェースプレ
ートを示す模式図である。
【図6】本発明の第一の実施例でのフェースプレートの
作成工程を示す模式図である。
【図7】本発明の第二の実施例で作成したフェースプレ
ートを示す模式図である。
【図8】本発明の第三の実施例で作成したフェースプレ
ートを示す模式図である。
【図9】電子放出素子をマトリクス配置した電子源の構
成を示す模式図である。
【図10】図9の電子源を用いた画像形成装置の構造を
示す模式図である。
【図11】課題を示す模式図である。
【符号の説明】
4001 電子放出素子 4002 行方向配線 4003 列方向配線 4004 電子源基板 4005 支持部材 4006 透明(ガラス)基板 4007 支持枠 4008 蛍光膜 4009 メタルバック 4010 高圧電源 4011 高圧導入線 4015 銀ペースト 4020 大気圧支持構造(スペーサ) 4021 高圧引き出し配線 4022 黒色部材 4023 メタルバックの断線部 4024 メタルバックが大きく火脹れしている個所 4025 導電膜 4100 導電膜 4101 アルミ膜 4102 抵抗計 4028 フィルミング膜 4029 パターンマスク

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に複数の電子放出素子を備える電
    子源基板と、該電子放出素子と対向して配置される透明
    基板上に蛍光体層、メタルバック層および該メタルバッ
    ク層を電源に接続する配線を備えるフェースプレートと
    を有し、該配線と該メタルバック層が導電膜を介して接
    続されていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記導電膜の厚さが、5μm以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記導電膜の厚さは2μm以下であるこ
    とを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記導電膜の表面粗さが0.1μm以上で
    あることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載
    の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記導電膜の表面粗さが1μm以上であ
    ることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記メタルバック層は、前記導電膜の少
    なくとも一部被覆してなることを特徴とする請求項1乃
    至5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記導電膜と前記配線との接続長W1
    〔mm〕、および前記導電膜と前記メタルバックとの接
    続長W2〔mm〕の何れも、前記導電膜のシート抵抗r
    〔Ω/□〕に対して 【外1】 を満たすことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに
    記載の画像形成装置。
  8. 【請求項8】 前記導電膜のシート抵抗は10〔Ω/
    □〕以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいず
    れかに記載の画像形成装置。
  9. 【請求項9】 前記導電膜のシート抵抗は4〔Ω/□〕
    以下であることを特徴とする請求項8に記載の画像形成
    装置。
  10. 【請求項10】 前記蛍光膜の面積をS〔m2〕、前記
    電子源基板と前記フェースプレートとの間隔をg〔m
    m〕、前記メタルバック層に印加する電位をVa〔kV〕
    とした際に 【外2】 で決まる距離L以上に導電膜が前記蛍光膜の端部から離
    れていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに
    記載の画像形成装置。
  11. 【請求項11】 前記蛍光膜の面積をS〔m2〕、前記
    電子源基板と前記フェースプレートとの間隔をg〔m
    m〕、前記メタルバック層に印加する電位をVa〔kV〕
    とした際に 【外3】 で決まる距離L以上に導電膜が前記蛍光膜の端部から離
    れていることを特徴とする請求項10に記載の画像形成
    装置。
  12. 【請求項12】 前記画像形成装置はさらに、前記フェ
    ースプレートと前記電子源基板との間隔を維持するため
    のスペーサを有し、該スペーサが、前記蛍光膜の配され
    た領域内にその一端が接続されてなることを特徴とする
    請求項1乃至11のいずれかに記載の画像形成装置。
  13. 【請求項13】 前記導電膜は、ガラスバインダを含む
    ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の
    画像形成装置。
  14. 【請求項14】 前記導電膜は黒色顔料を含むことを特
    徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の画像形成
    装置。
  15. 【請求項15】 前記導電膜と、前記透明基板との間に
    黒色部材を有することを特徴とする請求項1乃至14の
    いずれかに記載の記載の画像形成装置。
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