JP2005222891A - 自発光型平面表示装置とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 均一な電子放出を得る多数の電子源を所望の配置で形成した自発光型平面表示装置を提供する。
【解決手段】 ナノチューブCNTと支持体GRSの混合ペーストを印刷、焼成後、粘着性のある有機物層を塗布し乾燥後、剥離することでナノチューブと支持体の大部分を有機物層と共に除去することで、ナノチューブCNTの一端と支持体GRSの一部がカソード電極CTLの表面近傍に埋設固定されて他端がカソード電極CTLの表面から離れて起毛したナノチューブが電子の放出に直接的に寄与するようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】 ナノチューブCNTと支持体GRSの混合ペーストを印刷、焼成後、粘着性のある有機物層を塗布し乾燥後、剥離することでナノチューブと支持体の大部分を有機物層と共に除去することで、ナノチューブCNTの一端と支持体GRSの一部がカソード電極CTLの表面近傍に埋設固定されて他端がカソード電極CTLの表面から離れて起毛したナノチューブが電子の放出に直接的に寄与するようにした。
【選択図】 図1
Description
本発明は、真空中への電子放出を利用した表示装置に係り、特に、ナノチューブで構成した電子源を有するカソード電極とこの電子源からの電子の放出量を制御するゲート電極を備えた背面パネルから取り出された電子の励起で発光する複数色の蛍光体層とアノード電極を有する前面パネルとを具備した自発光型平面表示装置とその製造方法に関する。
高輝度、高精細に優れたディスプレイデバイスとして従来からカラー陰極線管が広く用いられている。しかし、近年の情報処理装置やテレビ放送の高画質化に伴い、高輝度、高精細の特性をもつと共に軽量、省スペースの平面型表示装置の要求が高まっている。
その典型例として液晶表示装置、プラズマ表示装置などが実用化されている。また、特に、高輝度化が可能なものとして、電子源から真空への電子放出を利用した電子放出型表示装置、または電界放出型表示装置や、低消費電力を特徴とする有機ELディスプレイなど、種々の型式のパネル型表示装置の実用化も近い。なお、補助的な照明光源を必要としないプラズマ表示装置、電子放出型表示装置あるいは有機EL表示装置を自発光型平面表示装置と称する。
このような平面型の表示装置のうち、上記電界放出型の表示装置には、C.A.Spindtらにより発案されたコーン状の電子放出構造をもつもの、メタル−インシュレータ−メタル(MIM)型の電子放出構造をもつもの、量子論的トンネル効果による電子放出現象を利用する電子放出構造(表面伝導型電子源とも呼ばれる)をもつもの、さらにはダイアモンド膜やグラファイト膜、カーボンナノチューブに代表されるナノチューブなどが持つ電子放出現象を利用するもの、等が知られている。
自発光平面型表示装置の一例である電界放出型の表示装置は、内面に電界放出型の電子源と制御電極であるゲート電極を形成した背面パネルと、この背面パネルと対向する内面に複数色の蛍光体層とアノード電極(陽極)とを備えた前面パネルの両者の内周縁に封止枠を介挿して封止し、当該背面パネルと前面パネルおよび封止枠で形成される内部を真空にして構成される。背面パネルは、ガラスあるいはアルミナ等を好適とする背面基板の上に、第1の方向に延在しこの第1の方向と交差する第2の方向に延在し第1の方向に並設されて電子源をもつ複数の陰極配線と、第2の方向に延在し第1の方向に並設して設けたゲート電極を有する。そして、カソード電極とゲート電極との間の電位差で電子源からの電子の放出量(放出のオン・オフを含む)を制御する。
また、前面パネルはガラス等の光透過性の材料で形成された前面基板の上に蛍光体層とアノード電極を有する。封止枠は背面パネルと前面パネルとの内周縁にフリットガラスなどの接着材で固着される。背面パネルと前面パネルおよび封止枠で形成される内部の真空度は、例えば10-5〜10-7Torrである。表示面サイズが大きいものでは、背面パネルと前面パネルの間に間隙保持部材(スペーサ)を介挿して固定し、両基板間の間を所定の間隔に保持している。
なお、ナノチューブとしての典型例であるカーボンナノチューブを電子源とした自発光型平面表示装置に関する従来技術を開示したものとして、「非特許文献1」等、数多く報告されている。
Eurodisplay 2002 Digest pp.229−231(paper 12−4)
Eurodisplay 2002 Digest pp.229−231(paper 12−4)
カーボンナノチューブ等のナノチューブを利用した電子放出素子、およびそれを用いた自発光型平面表示装置は数多く報告されている。前記「非特許文献1」にはフォトリソグラフィープロセスを用いて形成したカーボンナノチューブ電子源で公称5型の自発光型平面表示装置を作成した例が開示されている。このようなナノチューブをフォトリソグラフィープロセスによって形成した電子源を用いた自発光型平面表示装置では、概してナノチューブがカソード電極上で横に寝ているため、起毛状態にあるナノチューブの数が極めて少ない。表示面で均一な発光パターンを得るためには、ナノチューブを均一に起毛させる必要がある。
従来は、研磨等の機械的な処理でナノチューブを背面基板の垂直方向に沿って起毛させることが行われている。この方法では、処理中にナノチューブが背面パネルの不必要な部分に飛散してカソード電極汚染を招き、飛散したナノチューブから不要な電子放出が起こったり、配線がショートする場合があった。さらに、この方法では、ナノチューブを一定の間隔で垂直方向に沿って配列させることは困難であり、大画面の表示面内で均一な起毛処理を行うことは困難であった。
また、ナノチューブを起毛させる方法として、粘着テープを用いる方法も考えられる。この粘着テープを用いる方法は、カソード電極上に塗布し、乾燥したナノチューブの層上に粘着テープを貼り付け、これを引き剥がすことで、表面にあるナノチューブを起毛するものである。しかし、この方法では、表面のナノチューブは直接カソード電極に接していないものが多く、電流路の抵抗値が高くなって、電子を放出させるための電流を十分に確保することが難しい。
本発明は、カソード電極汚染がなく、大画面の表示面内で均一に起毛したナノチューブで均一な電子放出を実現した自発光型平面表示装置、およびその製造方法を提供することにある。
本発明による自発光型平面表示装置は、表面にナノチューブで形成された電子源を有する複数のカソード電極と、電子源から放出される電子の量を制御するための電位を印加する多数のゲート電極とを有して、カソード電極とゲート電極の交差部に形成される多数の画素で表示領域を構成するする背面パネルと、
電子源から取り出される電子の励起で発光する複数色の蛍光体層とアノード電極を有する前面パネルとを具備し、
上記ナノチューブのうち、その一端が前記カソードの表面から深さ方向に存在し、他端が前記カソード電極表面から離れているナノチューブが電子の放出に直接的に寄与する電子源を備えた。
電子源から取り出される電子の励起で発光する複数色の蛍光体層とアノード電極を有する前面パネルとを具備し、
上記ナノチューブのうち、その一端が前記カソードの表面から深さ方向に存在し、他端が前記カソード電極表面から離れているナノチューブが電子の放出に直接的に寄与する電子源を備えた。
図1は本発明による自発光型平面表示装置の電子源の構造を製造工程で模式的に説明する断面図である。この電子源は、図示しないガラス等の背面基板上に成膜されたカソード電極CTLの表面にナノチューブCNTの一部の端部を埋設して、支持体GRSと共に固定したものである。先ず、図1(a)に示したように、カソード電極CTLの表面にナノチューブCNTと支持体GRSを有機溶剤に分散した電子源ペーストを塗布して電子源形成層とする。支持体GRSは金(Au)や銀(Ag)あるいはプラチナ(Pt)等の金属微粒子、あるいは炭素微粒子であり、その機能はナノチューブを微粒子間に挟んで支えることで、カソード電極の表面に対して角度をもって配置する機能を持たせるものであるため、その形状は球形に近い方が望ましく、また導電性を有する方が望ましい。すなわち、ナノチューブCNTの長さと支持体GRSの大きさを適当な値に選択することで、ナノチューブCNTは図1(a)に示したように、支持体GRSの間で支えられ、ある程度は自動的に起毛した状態とすることができる。
次に、図1(a)に示したように、電子源形成層を塗布したカソード電極CTLが溶融する温度以上で熱処理することにより、図中に点線で示したようにナノチューブCNTの一部の端部と支持体GRSの一部をカソード電極CTLの表面に埋設させる。その後、カソード電極CTLの固化により埋設したナノチューブCNTの一部の端部と支持体GRSの一部はカソード電極に固定される。一端を埋設固定されたナノチューブCNTの一部と支持体GRSの一部はカソード電極との電気伝導が確実に確保され、また機械的強度が強く、安定している。これに対し、固着されていないナノチューブおよび固着されていない支持体GRSはカソード電極との電気伝導が不安定で、機械的強度も弱い。
この状態の電子源層の表面に、粘着性のある有機物を塗布し、有機物層とし、これを乾燥させた後、剥離する。この剥離は、当該乾燥した有機物層を電子源層の一部(または、一辺)から他部(または、他辺)に向けて引き剥がしする方法で有機物層を電子源層から分離する工程で行う。この剥離により、カソード電極CTLに固着されていないナノチューブおよび固着されていない支持体GRSは有機物層と共に除去され、固着されているナノチューブおよび固着されている支持体GRSが、図1(c)に示したようにカソード電極CTLに残り、かつ上記剥離工程でナノチューブCNTはカソード電極CTLの表面から起毛した状態となる。
本発明による自発光型平面表示装置の電子源層は、カソード電極の表面に、電子源となるナノチューブと該ナノチューブが当該カソード電極の表面に対して任意の角度で配向させるための支持体とからなり、ナノチューブの一部の一端がカソード電極の表面に埋設され、かつ支持体の一部が、カソード電極に埋設されたナノチューブの上記一端と共に該カソード電極の表面に固着しており、電子源層を構成するナノチューブは、炭素、窒素、ホウ素のうちの少なくとも一つの元素で構成されたシングルウォールナノチューブ、またはマルチウォールナノチューブの何れかであり、電子源層を構成する支持体は、電気伝導物質であり、前記したように、金(Au)や銀(Ag)あるいはプラチナ(Pt)等の金属微粒子、あるいは炭素微粒子である。また、カソード電極は、前記一端が埋設されたナノチューブを除いて、深さ方向に同じ材料で構成されている。
本発明による自発光型平面表示装置の製造方法は、カソード電極の表面に、少なくともナノチューブと支持体および有機溶剤からなる電子源ペーストを塗布して電子源形成層とする工程と、
塗布した電子源形成層をカソード電極の表面が溶融する温度以上で熱処理することにより、該電子源形成層内のナノチューブの一部の端部および前記支持体の一部をカソード電極の表面近傍に埋設して固定する工程と、
上記ナノチューブの前記一部の端部が前記カソード電極に固定されていない前記ナノチューブの大部分および前記支持体の大部分を機械的に除去し、前記固定された前記ナノチューブを前記カソード電極の表面から起毛して電子源とする工程とを含む。
塗布した電子源形成層をカソード電極の表面が溶融する温度以上で熱処理することにより、該電子源形成層内のナノチューブの一部の端部および前記支持体の一部をカソード電極の表面近傍に埋設して固定する工程と、
上記ナノチューブの前記一部の端部が前記カソード電極に固定されていない前記ナノチューブの大部分および前記支持体の大部分を機械的に除去し、前記固定された前記ナノチューブを前記カソード電極の表面から起毛して電子源とする工程とを含む。
そして、上記起毛する工程は、電子源形成層をカソード電極の表面が溶融する温度以上で熱処理することにより、該電子源形成層内の前記ナノチューブの一部の端部および前記支持体の一部をカソード電極の表面近傍に埋設して固定した後に、
この電子源形成層上に接着性のある有機物を塗布し、乾燥後、前記有機物の層を剥離することにより、前記固定された前記ナノチューブを前記カソード電極の表面から起毛することを特徴とする。
この電子源形成層上に接着性のある有機物を塗布し、乾燥後、前記有機物の層を剥離することにより、前記固定された前記ナノチューブを前記カソード電極の表面から起毛することを特徴とする。
電子源層を構成するナノチューブは、炭素、窒素、ホウ素のうちの少なくとも一つの元素で構成されたシングルウォールナノチューブ、またはマルチウォールナノチューブの何れかとし、電子源ペーストを構成する有機溶剤としては、セルロース系有機溶剤又はテルピオネール系有機溶剤を用いる。また、支持体には金の微粒子を用い、有機物は、ポリブタジエン系又はブタジエン−スチレン系ゴムとすることができる。
なお、本発明は上記の構成および後述する実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱することなく種々の変形が可能であることは言うまでもない。
図2は本発明の電子源の効果を従来技術と比較して説明する模式断面図であり、図2(a)は図1のプロセスで製造した電子源、図2(b)は背景技術の項で説明した粘着テープを用いた方法で起毛させた電子源を示す。図2(b)では、背面基板RSUBのカソード電極CTLに形成されたナノチューブCNTの電子源層の表面に粘着テープを貼り付け、これを引き剥がすことで表面にあるナノチューブCNTを起毛させる。しかし、起毛したナノチューブCNTは電子源層の表面にあるものが主であり、カソード電極CTLとは他の複数のナノチューブを介して電気的に接続されているものが殆どとなる。そのため、起毛したナノチューブの先端から電子放出を行うためのカソード電極CTLから供給される電流はこれら複数のナノチューブを通ることになり、電流路の抵抗が大きくなる。したがって、電子放出を行うための電流はこの電流路で消費される部分が大きくなる。
また、粘着テープによる剥離は、電子源層の極く表面のみに止まるため、起毛したナノチューブは密集した状態のままとなり、電子放出が起こる先端の形成が十分でなく、 十分な電子放出を得ることが困難である。
これに対し、図2(a)に示した本発明による電子源は、そのナノチューブCNTの大部分の一端がカソード電極CTLに直接埋設されているため、電子放出を行うための電流路の抵抗値は小さい。そのため、電子放出を行うための電流の消耗が少なく、かつナノチューブCNT相互の間隔が図2(b)のそれよりも大きいため、電子放出が起こる先端が多数形成され、十分な電子放出を得ることができる。このように、本発明によれば、多数の微細なナノチューブをカソード電極上に所望の配置で起毛させた電子源を構成でき、表示面内で均一な電子放出特性が得られる自発光型平面表示装置を提供できる。
以下、本発明の実施の形態について、カーボンナノチューブを電子源とした実施例の図面を参照して詳細に説明する。また、支持体は上記のものを用いることとした。
本発明の実施例1を図3乃至図10を参照して説明する。図3は本発明による自発光型平面表示装置の全体構成を模式的に説明するための斜め上方から見た展開図、図4は本発明による自発光型平面表示装置の全体構成を模式的に説明するための斜め下方から見た展開図である。本発明による自発光型平面表示装置は、背面パネルを構成する背面基板RSUBと前面パネルを構成する前面基板FSUBとを封止枠SLFを介して貼り合わせて構成される。
背面基板RSUBの内面には、一方向に延在し、この一方向と交差する他方向に並設された多数のカソード電極CTLと、他方向に延在し、一方向に並設された多数のゲート電極GTLを有する。カソード電極CTL上でゲート電極GTLの交差部分には図1で説明したカーボンナノチューブからなる電子源が形成されている。カソード電極CTLには、カソード信号源Sからカソード信号が供給され、ゲート電極GTLにはゲート信号源Gからゲート信号が印加される。そして、ゲート信号で選択されたゲート電極GTLと交差するカソード電極CTLの電子源から電子が放出される。
また、前面基板FSUBの内面の表示領域には背面基板RSUBに有する電子源の位置に合わせて配列(図4ではストライプ配列、ドット配列でも可)された多色の蛍光面PPSが形成されている。前面基板FSUBには、蛍光面PPS覆って(または、蛍光面PPSと前面基板FSUBの間に)陽極が成膜されており、高電圧源Eから所定の陽極電圧が印加されている。カソード電極CTLの電子源から電子が放出された電子は、陽極電圧で加速されて所定の蛍光体に射突し、これを所定の色で発光させる。この蛍光体の発光を前面基板FSUBの表示領域の全域で制御することで2次元の画像が表示される。
なお、画面サイズが大きいものでは、背面基板RSUBに有する電子源と前面基板FSUBの蛍光面の間隔を所定値にたもつために、封止枠の内部に薄いガラス板などからなるスペーサを所定の間隔で設置される。
図5は本発明による自発光型平面表示装置を構成する背面パネルの構成例を模式的に説明する平面図であり、図5(a)は全体構成図、図5(b)は図5(a)の要部拡大図である。図5では、背面パネルを構成する背面基板RSUBの内面に、垂直方向に複数本のカソード電極CTLが形成され、水平方向には多数のゲート電極GTLが形成されている。カソード電極CTLとゲート電極GTLとは絶縁層を介して交差し、各交差部分にカーボンナノチューブで構成した電子源EMSが形成されている。このカーボンナノチューブからなる電子源EMSは、前記したようにゲート電極GTLと、その下層の絶縁層(図示せず)を貫いた穴の底部のカソード電極CTLの表面に形成されている。個々の電子源はカラー表示の場合の1画素(ピクセル)を構成する副画素(サブピクセル)に対応する。
図6は本発明による自発光型平面表示装置を構成する前面パネルの構成例を模式的に説明する平面図であり、図6(a)は全体構成図、図6(b)は図6(a)の要部拡大図である。この前面パネルは、前面基板FSUBの内面に、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のストライプ状の各蛍光体が遮光層(ブラックマトリクス)BMで相互に区画されて蛍光面PPSを形成している。
この蛍光面は次のようにして形成される。先ず、吸光物質と感光性樹脂を混合したスラリの塗布、マスク露光、および過酸化水素水等を用いた既知のリフトオフ手法により、図5における電子源EMSの横方向(水平方向)ピッチに合わせて、電子源EMS間の中央の位置にストライプ状のブラックマトリクスBMを形成する。次に、スラリー法を用いて赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のストライプ状の各蛍光体の繰り返しパターンを形成し、各蛍光体の両側にブラックマトリクスBMが位置した蛍光面PPSを形成する。その後、蛍光面PPSを覆ってアルミニウム薄膜を全面に蒸着して陽極を成膜する。陽極の膜厚は数十nm乃至数百nmである。
こうして製作した前面パネルを封止枠SLF(および、スペーサを介して)前記した背面パネルと重ね合わせ、電子源と蛍光体を位置合わせし、内部を真空引きして封止して表示ぱ製作し、駆動回路等を付加して自発光型平面表示装置を完成する。なお、前面パネルと封止枠SLFおよび背面パネルの封着にはフリットガラスを用いた。この封着は、封着面にフリットガラスを印刷、またはディスペンサを用いて塗布し、約450°Cに加熱して溶融接着する。また、前面パネルと封止枠および背面パネルを封着した内部空間の真空引きは、前面パネルと封止枠および背面パネルの何れか(通常は、背面パネルの表示領域外かつ封止枠内の適当な場所)に取り付けた排気管から排気し、所定の真空度に達した状態で排気管を封じきることで行う。
こうして製作した表示パネルに図3に示したカソード信号源、ゲート信号源、高電圧源、その他の付加回路や部品を取り付けて自発光型平面表示装置を完成した。この自発光型平面表示装置を駆動したところ、所望の画像が高品質で得られた。
以下、本発明の自発光型平面表示装置における背面パネルの構造を図7乃至図14を参照した製造プロセスを用いて説明する。なお、ここでは、表示領域に形成される全サブピクセルのうちの4個(2×2)について説明する。図7に示したように、背面基板RSUBの表面に銀ペーストなどの導電性部材を混入したペーストをスクリーン印刷で印刷し、焼成してストライプ状のカソード電極CTLを形成する。このストライプ状のカソード電極CTLの材料は、銀であり、その幅は例えば、100μm、間隔は100μmである。また、その膜厚は焼成後で5μmである。ここで形成したストライプ状のカソード電極CTLの数は、1280×3本=3840本である。
次に、図8に示したように、スクリーン印刷により絶縁層INSを塗布し、焼成する。この絶縁層INSには前記カソード電極CTLの電子源位置に絶縁層ホールIHLが開けられている。絶縁層INSの膜厚は例えば焼成後で約10μmである。
絶縁層INSの成膜後、銀ペーストをスクリーン印刷し、焼成してストライプ状のゲート電極GTLを形成する(図9)。ゲート電極GTLは絶縁層ホールIHLと同じ位置にゲート電極ホールGHLが開いた状態になっている。ゲート電極GTLの形成プロセスで下層の絶縁層ホールIHLの内部にゲート電極用の銀ペーストが垂れないようにゲート電極ホールGHLの大きさは絶縁層ホールIHLよりも大きくなっている。このゲート電極GTLの幅は700μm、間隔は100μm、焼成後の膜厚は5μmである。本実施例では、このようなゲート電極GTLを720本形成した。
次に、図10に示したように、ゲート電極ホールGHLの中にインクジェット法を用いてカーボンナノチューブの電子源層EMS(CNT)を含むインクを塗布する。このインクジェットのインクには、カーボンナノチューブの他に支持体として金の微粒子および有機溶剤が含まれている。また、カーボンナノチューブとカソード電極との電気的コンタクトを良好にするために、他の金属微粒子を混入することもできる。
インクの塗布後、カソード電極CTLの溶融温度よりも高い温度で熱処理を施し、冷却して図1で説明したように、カーボンナノチューブの一部と支持体の一部をカソード電極の表面近傍に埋設固定させる。その後、同じく図1で説明したように、表面に粘着性の有機物層を塗布し、乾燥後、機械的に剥離することにより、カーボンナノチューブの大部分を支持体の大部分と共に剥離する。これにより、カソード電極の表面に支持体と共に一端を埋設し、他端が起毛したカーボンナノチューブの電子源層を得ることができる。
このようにして得た電子源は、個々のカーボンナノチューブが起毛し、相互に十分な間隔でカソード電極表面に植立されていることにより、それぞれの先端から良好な電子放出が行われ、低電界でも面内で均一、かつ十分な電子放出が可能である。以上のようにして、スクリーン印刷技術とインクジェット技術を用いてゲート動作可能なカーボンナノチューブ電子源が製作できる。
上記の製作プロセスにおいて、各印刷膜の焼成は塗布の終了毎に行う。また、カーボンナノチューブを含有したインク以外の全層を形成後に一度だけ焼成し、カーボンナノチューブを含有したインクの塗布後に再度焼成することも可能である。
なお、本実施例では、カソード電極およびゲート電極を銀ペーストの塗布で形成したが、必要な電気伝導度を有する如何なる金属も氏湯お可能である。また合金や金属多層膜を用いることもできる。さらに、カーボンナノチューブ電子源の塗布は、インクジェット法に限るものではなく、他の適当な印刷法を用いてもよい。
本発明の実施例2を図11乃至図14を参照して説明する。本発明の実施例2では、電子源の構造とその製造プロセスが実施例1のそれと異なる。実施例2では、先ず、図11に示したように、ガラスを好適とする背面基板RSUB上にスクリーン印刷法で銀ペーストを印刷し、焼成して下部ゲート電極DGTLを焼成する。この下部ゲート電極DGTLの幅は700μm、間隔は100μm、焼成後の膜厚は5μmである。この下部ゲート電極DGTLを720本形成する。
次に、図12に示したように、スクリーン印刷により絶縁層INSを塗布し焼成する。絶縁層INSは、下部ゲート電極DGTL上に絶縁層ホールIHLが開いた状態に形成される。絶縁層INSの膜厚は焼成後で10μmである。
次に、図13に示すように、銀ペーストのスクリーン印刷の塗布と焼成で上部ゲート電極AGTLとカソード電極CTLを形成する。上部ゲート電極AGTLは絶縁層ホールIHLの部分を含んでそれより大きく、上部ゲート電極AGTLと下部ゲート電極DGTLは電気的に接続される。上部ゲート電極AGTLの膜厚は、焼成後に5μmである。カソード電極CTLの幅は100μm、間隔は100μm、膜厚は焼成後に5μmである。このようなカソード電極CTLを1280×3本=3840本形成する。
そして、図14に示したように、カソード電極CTLの上にスクリーン印刷でカーボンナノチューブからなる電子源層EMS(CNT)を塗布する。電子源層EMS(CNT)の幅はカソード電極CTLの幅より狭く、長さは隣の上部ゲート電極AGTLよりも短い。この電子源層EMS(CNT)には、少なくともカーボンナノチューブと共に金の微粒子からなる支持体が含まれている。また、カソード電極とカーボンナノチューブとの電気的コンタクトを良好にするために、他の金属微粒子を含有させてもよい。
ナノチューブからなる電子源層EMS(CNT)の塗布後、カソード電極の溶融温度より高い温度で熱処理することにより、図1で説明したように、カーボンナノチューブの一部の端部が支持体の一部と共にカソード電極の表面近傍に埋設固定した電子源とすることができる。その後、表面に粘着性の有機物層を塗布し、乾燥後、機械的に剥離することにより、カーボンナノチューブの大部分を支持体の大部分と共に剥離する。これにより、カソード電極の表面に支持体と共に一端を埋設し、他端が起毛したカーボンナノチューブの電子源層を得ることができる。
このようにして得た電子源は、個々のカーボンナノチューブが起毛し、相互に十分な間隔でカソード電極表面に植立されていることにより、それぞれの先端から良好な電子放出が行われ、低電界でも面内で均一、かつ十分な電子放出が可能である。以上のようにして、スクリーン印刷技術とインクジェット技術を用いてゲート動作可能なカーボンナノチューブ電子源が製作できる。
上記の製作プロセスにおいて、各印刷膜の焼成は塗布の終了毎に行う。また、カーボンナノチューブを含有したインク以外の全層を形成後に一度だけ焼成し、カーボンナノチューブを含有したインクの塗布後に再度焼成することも可能である。
なお、本実施例では、カソード電極およびゲート電極を銀ペーストの塗布で形成したが、必要な電気伝導度を有する如何なる金属も氏湯お可能である。また合金や金属多層膜を用いることもできる。さらに、カーボンナノチューブ電子源の塗布は、インクジェット法に限るものではなく、他の適当な印刷法を用いてもよい。
なお、ナノチューブは、上記のカーボンナノチューブに限るものではなく、既知のナノチューブを使用できる。
RSUB・・・背面基板、CTL・・・カソード電極、GTL・・・ゲート電極、S・・・カソード信号源、G・・・ゲート信号源、FSUB・・・前面基板、PPS・・・蛍光面、E・・・高電圧源、CNT・・・カーボンナノチューブ、EMS・・・電子源。
Claims (12)
- 第1の方向に延在し、第1の方向と交差する第2の方向に並設されて表面に電子源を有する複数のカソード電極と、前記第2の方向に延在し、前記第1の方向に並設されて、前記カソード電極との交叉部における前記電子源から放出される電子の量を制御するための電位が印加される多数のゲート電極とを有し、前記カソード電極と前記ゲート電極の交差部に形成される多数の画素で表示領域を構成する背面パネルと、
前記背面パネルの前記表示領域に有する前記電子源から取り出される電子の励起で発光する複数色の蛍光体層とアノード電極を有する前面パネルとを具備する自発光型平面表示装置であって、
前記電子源は、前記カソード電極上に形成されたナノチューブを有し、
前記ナノチューブのうち、その一端が前記カソードの表面から深さ方向に存在し、他端が前記カソード電極表面から離れているナノチューブが前記電子の放出に直接的に寄与することを特徴とする自発光型平面表示装置。 - 前記電子源層は、前記カソード電極の表面に、電子源となるナノチューブと該ナノチューブを当該カソード電極の表面に対して任意の角度で配向させるための支持体とからなり、
前記ナノチューブの一部の一端が前記カソード電極の表面に埋設され、かつ前記支持体の一部が、前記カソード電極に埋設された前記ナノチューブの前記一端と共に該カソード電極の表面に固着していることを特徴とする請求項1に記載の自発光型平面表示装置。 - 前記電子源層を構成するナノチューブは、炭素、窒素、ホウ素のうちの少なくとも一つの元素で構成されたシングルウォールナノチューブ、またはマルチウォールナノチューブの何れかであることを特徴とする請求項2に記載の自発光型平面表示装置。
- 前記支持体は、電気伝導物質であることを特徴とする請求項2又は3に記載の自発光型平面表示装置。
- 前記電気伝導物質は、炭素、金、銀またはプラチナの微粒子であることを特徴とする請求項4に記載の自発光型平面表示装置。
- 前記カソード電極は、前記一端が埋設されたナノチューブを除いて、深さ方向に同じ材料で構成されていることを特徴とする請求項2乃至5の何れかに記載の自発光型平面表示装置。
- 第1の方向に延在し、第1の方向と交差する第2の方向に並設されて表面に電子源を有する複数のカソード電極と、前記第2の方向に延在し、前記第1の方向に並設されて、前記カソード電極との交叉部における前記電子源から放出される電子の量を制御するための電位が印加される多数のゲート電極とを有し、前記カソード電極と前記ゲート電極の交差部に形成される多数の画素で表示領域を構成する背面パネルと、
前記背面パネルの前記表示領域に有する前記電子源から取り出される電子の励起で発光する複数色の蛍光体層とアノード電極を有する前面パネルとを具備する自発光型平面表示装置の製造方法であって、
前記カソード電極の表面に、少なくともナノチューブと支持体および有機溶剤からなる電子源ペーストを塗布して電子源形成層とし、
前記電子源形成層を前記カソード電極の表面が溶融する温度以上で熱処理することにより、該電子源形成層内の前記ナノチューブの一部の端部および前記支持体の一部を前記カソード電極の表面近傍に埋設して固定し、
前記一部の端部が前記カソード電極に固定されていない前記ナノチューブの大部分および前記支持体の大部分を機械的に除去し、前記固定された前記ナノチューブを前記カソード電極の表面から起毛して電子源とすることを特徴とする自発光型平面表示装置の製造方法。 - 前記電子源形成層を前記カソード電極の表面が溶融する温度以上で熱処理することにより、該電子源形成層内の前記ナノチューブの一部の端部および前記支持体の一部を前記カソード電極の表面近傍に埋設して固定した後、
前記電子源形成層上に接着性のある有機物を塗布し、乾燥後、前記有機物の層を剥離することにより、前記固定された前記ナノチューブを前記カソード電極の表面から起毛することを特徴とする請求項7に記載の自発光型平面表示装置の製造方法。 - 前記電子源層を構成するナノチューブは、炭素、窒素、ホウ素のうちの少なくとも一つの元素で構成されたシングルウォールナノチューブ、またはマルチウォールナノチューブの何れかであることを特徴とする請求項7又は8に記載の自発光型平面表示装置の製造方法。
- 前記電子源ペーストを構成する前記有機溶剤が、セルロース系有機溶剤又はテルピオネール系有機溶剤であることを特徴とする請求項8または9に記載の自発光型平面表示装置の製造方法。
- 前記支持体が、炭素、金、銀またはプラチナの微粒子であることを特徴とする請求項8乃至10に記載の自発光型平面表示装置の製造方法。
- 前記有機物が、ポリブタジエン系又はブタジエン−スチレン系ゴムであることを特徴とする請求項8乃至11に記載の自発光型平面表示装置の製造方法。
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JP2004032119A JP2005222891A (ja) | 2004-02-09 | 2004-02-09 | 自発光型平面表示装置とその製造方法 |
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JP2009518806A (ja) * | 2005-12-06 | 2009-05-07 | 韓國電子通信研究院 | 高信頼性cntペーストの製造方法及びcntエミッタの製造方法 |
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2004
- 2004-02-09 JP JP2004032119A patent/JP2005222891A/ja active Pending
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