JP2000251710A

JP2000251710A - 画像表示装置

Info

Publication number: JP2000251710A
Application number: JP11051544A
Authority: JP
Inventors: Kazuhiro Oki; 一弘大木
Original assignee: Canon Inc
Current assignee: Canon Inc
Priority date: 1999-02-26
Filing date: 1999-02-26
Publication date: 2000-09-14

Abstract

(57)【要約】【課題】何らかの原因によって、導電性粒子が減少し
てしまった場合に起こる、導電性スペーサーと、前記前
面板もしくは背面板との電気的接続が不十分となり、あ
るいは、不良となることを回避し、長時間の画像表示に
おいても、導電性スペーサーが帯電し、電場が変化して
電子軌道のずれが生じることがないように工夫し、ま
た、製造コストの低減を配慮した画像表示装置を提供す
る。【解決手段】ガラス製の前面板および背面板の間に位
置して、両者間の間隔を保持するために設けられた導電
性スペーサーを備えて、前面板に在る蛍光部材を、背面
板に在る電子放出素子からの放出電子で発光させるよう
に構成した画像表示装置において、前記前面板もしくは
背面板への、前記導電性スペーサーの当接部位が、直
接、前記前面板の面もしくは背面板の面に接触した状態
で、接着剤を介して、接着されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス製の前面板
および背面板と、前記前面板および背面板の間に位置し
て、両者間の間隔を保持するために設けられた導電性ス
ペーサーとを備えて、前面板に在る蛍光部材を、背面板
に在る電子放出素子からの放出電子で発光させるように
構成した画像表示装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、蛍光表示管、プラズマディスプレ
イパネル、電界放出型および表面伝導型の電子放出素子
を用いた画像表示装置は、図３および図４に示すよう
に、ガラス製の前面板１０１および背面板１０２と、こ
れら両板の間に配置された板状の導電性スペーサー１０
７とを装備しており、前面板１０１に在る蛍光部材（画
像形成部材）１０４を、背面板１０２に在る電子放出素
子１０５からの放出電子で発光させるように構成してあ
り、平面的で、明るく、見易いなどの利点があり、産業
上において、大いに期待され、応用されており、性能の
向上や低価格化などの研究開発も積極的に進められてい
る。

【０００３】ここでの電子放出素子には、熱電子源や冷
陰極電子源を用いた２種類が知られている。冷陰極電子
源には、電界放出型（以下、ＦＥと略す）、金属／絶縁
層／金属型（以下、ＭＩＭと略す）、更には、表面伝導
型電子放出素子（以下、ＳＣＥと略す）などがある。

【０００４】ＦＥ型の例としてはＷ．Ｐ．．Ｄｙｋｅ＆
Ｗ．Ｗ．Ｄｏｌａｎ，“Ｆｉｅｌｄｅｍｉｓｓｉｏ
ｎ”，ＡｄｖａｎｃｅｉｎＥｌｅｃｔｒｏｎＰｈ
ｙｓｉｃｓ，８，８９（１９５６）やＣ．Ａ．Ｓｐｉｎ
ｄｔ，“ＰｈｙｓｉｃａｌＰｒｏｐｅｒｔｉｅｓｏ
ｆｔｈｉｎ−ｆｉｌｍｆｉｅｌｄｅｍｉｓｓｉｏ
ｎｃａｔｈｏｄｅｓｗｉｔｈｍｏｌｙｂｄｅｎｉｕ
ｍｃｏｎｅｓ”，Ｊ．Ａｐｐｉ．Ｐｈｙｓ．，４７，
５２４８（１９７６）などが知られている。

【０００５】ＭＩＭ型の例としてはＣ．Ａ．Ｍｅａｄ
“Ｔｈｅｔｕｎｎｅｌ−ｅｍｉｓｓｉｏｎａｍｐｌ
ｉｆｉｅｒ”，Ｊ．Ａｐｐｌｙ．Ｐｈｙｓ．，３２，６
４６（１９６１）などが知られている。

【０００６】更に、表面伝導型放出素子（基板上に形成
された小面積の薄膜に、薄膜に平行に電流を流すことに
より、電子放出が生ずる現象を利用するもの）として
は、前記エリンソンなどによるＳｎＯ₂薄膜を用いたも
の、Ａｕ薄膜によるもの［Ｇ．Ｄｉｔｔｍｅｒ：“Ｔｈ
ｉｎＳｏｌｉｄＦｉｌｍｓ”，９，３１７，（１９
７２）］、Ｉｎ₂Ｏ₃／ＳｎＯ₂薄膜によるもの［Ｍ．
ＨａｒｔｗｅｌｌａｎｄＣ．Ｇ．Ｆｏｎｔａｄ：
“ＩＥＥＥＴｒａｎｓ．ＥＤＣｏｎｆ．”，５１
９，（１９７５）］、カーボン薄膜によるもの［荒木久
他：“真空”，第２６巻，第１号，２２頁（１９８
３）］などが報告されている。

【０００７】図３は、その中の電子放出素子に表面伝導
型放出素子を用いた画像表示装置であって、概略構成を
説明するためのものである。また、図４は図３に示した
画像表示装置である。この表面伝導型電子放出素子を用
いた画像形成装置は、複数の表面伝導型電子放出素子１
０５を搭載した背面板１０２と、背面板１０２と対向方
向に配置され、電子放出群１０５からの電子線の照射に
より、画像が形成される蛍光体などの複数の画像形成部
材１０４を搭載した前面板１０１と、前面板１０１と背
面板１０２との間にあって、前面板１０１および背面板
１０２の周縁を支持する支持枠１０３から構成されてお
り、また、前面板１０１、背面板１０２のかく周縁と、
支持枠１０３の周縁とを、それぞれ、接着剤Ａ１０６
ａ、１０６ｂによって接合させ、気密構造としている。

【０００８】そして、画像表示装置は、内部を１０^-6ｔ
ｏｒｒ程度以上の減圧状態にして、電子放出素子を動作
させる場合があり、この時に、大気圧に耐えられるよう
な構造を持つ必要がある。特に、大面積の前面板および
背面板を用いて構成した、平面型の画像表示装置におい
ては、これらの前面板および背面板の面に対して加わる
大気圧に耐えるように、これらの支持を行う必要から、
前面板および背面板の板厚を十分に厚くして対応させて
いるが、重量やコストなどの点で、実現性が乏しい。

【０００９】このため、支持枠１０３の内側の部分で、
前面板１０１と背面板１０２との間にスペーサー１０７
を配置して、耐大気圧構造とする。例えば、特開平８−
２４１０４９号公報に記載されているように、このスペ
ーサー１０７は、導電性材料で構成されていて、前面板
１０１および背面板１０２に対して、導電性接着剤Ｂ
（この場合、導電性フリット）１０８ａ、１０８ｂを介
して、接合され、電気的接続がなされている。なお、こ
の導電性接着剤には、例えば、導電性化学反応型無機接
着剤が使用される場合もある。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例では、ガラス製の前面板および背面板と、これらの
間に配置された導電性スペーサーとは、例えば、前述し
た導電性フリットや導電性化学反応型無機接着剤のよう
な、導電性粒子が添加、分散された導電性接着剤を介し
て、接合され、電気的に接続されるので、換言すれば、
前記前面板もしくは背面板への、前記導電性スペーサー
の当接部位が、直接に接触していないので、導電性スペ
ーサーと前記前面板もしくは背面板との電気的接続の性
能は、この導電性接着剤の電気的性能に依存しているこ
とになる。

【００１１】このため、以下のような欠点が生じる。即
ち、先ず、接着剤中の導電性フィラーの分散が不均一な
場合、または、接着剤の量が少なくなった場合に、つま
り、何らかの原因によって、導電性粒子が減少してしま
った場合に、電気的接続が不十分となり、あるいは、不
良となる。この場合、長時間、画像を表示させている
と、導電性スペーサーが帯電し、電場が変化して、電子
軌道のずれが生じてしまう畏れがある。特に、前記前面
板は、そこに蛍光部材、更には、電子加速電極が形成さ
れているから、前述のような気密構造の、平面薄型の画
像表示装置では、電子軌道のずれによって、蛍光部材の
発光位置や発光形状に変化が起こり、良好な画像表示が
できなくなる。また、導電性接着剤中の導電性粒子に
は、金属微細粉や、金属が表面に被覆された微細粉や、
カーボン粉などが使用され、コストの面で、高価であ
り、画像表示装置全体としての製造コストを高くする要
因となっている。

【００１２】本発明は、上記事情に基づいてなされたも
ので、その目的とするところは、ガラス製の前面板およ
び背面板と、前記前面板および背面板の間に位置して、
両者間の間隔を保持するために設けられた導電性スペー
サーとを備えて、前面板に在る蛍光部材を、背面板に在
る電子放出素子からの放出電子で発光させるように構成
した画像表示装置において、何らかの原因によって、導
電性粒子が減少してしまった場合に起こる、導電性スペ
ーサーと、前記前面板もしくは背面板との電気的接続が
不十分となり、あるいは、不良となることを回避し、長
時間の画像表示においても、導電性スペーサーが帯電
し、電場が変化して電子軌道のずれが生じることがない
ように工夫し、また、製造コストの低減を配慮した画像
表示装置を提供することにある。

【００１３】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、ガラス製の前面板および背面板と、前
記前面板および背面板の間に位置して、両者間の間隔を
保持するために設けられた導電性スペーサーとを備え
て、前面板に在る蛍光部材を、背面板に在る電子放出素
子からの放出電子で発光させるように構成した画像表示
装置において、前記前面板もしくは背面板への、前記導
電性スペーサーの当接部位が、直接、前記前面板の面も
しくは背面板の面に接触した状態で、接着剤を介して、
接着されていることを特徴とする。

【００１４】この場合、好ましい実施例としては、前記
導電性スペーサーの当接部位が、その先端縁で前記前面
板の面もしくは背面板の面に接触し、その先端縁の脇
で、前記接着剤を介して、前記面に接着されるように、
傾斜面を有すること、前記前面板には、前記蛍光部材と
共に電子加速電極が形成されており、前記前面板および
背面板は、それらの周縁で、支持枠に対して、気密に接
合され、支持枠の内側に減圧空間を構成しており、前記
導電性スペーサーは、前記前面板と背面板との間の耐圧
構造部材として機能していること、更には、前記電子放
出素子は、表面伝導型電子放出素子であることが有効で
ある。

【００１５】このような構成により、導電性スペーサー
と、前面板もしくは背面板との電気的接続は、導電性粒
子が添加された導電性接着剤を介して行う必要がなくな
り、電気的接続の性能は、この導電性接着剤に依存しな
くなる。従って、導電性接着剤中の導電性粒子が減少し
てしまったことが原因となる、電気的接続の不十分、あ
るいは、不良が回避でき、長時間の画像を表示させた場
合でも、導電性スペーサーが帯電し、電場が変化して、
電子軌道のずれが生じる畏れがなく、また、導電性接着
剤中の導電性粒子に、金属微細粉や金属が表面に被覆さ
れた微細粉やカーボン粉などを使用する必要がないの
で、製造コストを低減できる。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図１
および２を参照して具体的に説明する。ここでは、本発
明に係わる画像表示装置は、ガラス製の前面板１および
背面板２と、前面板１および背面板２の間に位置して、
両者間の間隔を保持するために設けられた導電性スペー
サー７とを備えて、前面板１に在る膜状の蛍光部材（画
像形成部材）４を、背面板２に在る電子放出素子５の群
からの放出電子で発光させるように構成されている。

【００１７】特に、本発明の画像表示装置においては、
前面板１もしくは背面板２への、導電性スペーサー７の
当接部位が、直接、前面板１の面（内面）もしくは背面
板２の面（内面）に接触した状態で、接着剤８ａ、８ｂ
を介して、接着されている。また、前面板１および背面
板２は、それらの周縁で、支持枠３に対して、接着剤６
ａ、６ｂで気密に接合され、支持枠の内側に減圧空間を
構成しており、また、導電性スペーサー７は、前面板１
と背面板２との間の耐圧構造部材として機能している。

【００１８】なお、この実施の形態では、導電性スペー
サー７の当接部位は、その先端縁が鋭角であって、その
縁面（僅かな幅の接触面）で、前面板１の面もしくは背
面板２の面に接触し、その先端縁の脇で、接着剤８ａ、
８ｂを介して、前記面に接着されるように、傾斜面（図
２にαで示す領域）を有している。

【００１９】なお、要すれば、前面板１には、蛍光部材
４と共に電子加速電極（図示せず）が形成されていると
よく、また、電子放出素子５は、表面伝導型電子放出素
子であるとよい。

【００２０】このような構成により、導電性スペーサー
７と、前面板１もしくは背面板２との電気的接続は、導
電性粒子が添加された導電性接着剤を介して行う必要が
なくなり、電気的接続の性能は、この導電性接着剤に依
存しなくなる。従って、導電性接着剤中の導電性粒子が
減少してしまったことが原因となる、電気的接続の不十
分、あるいは、不良が回避でき、長時間の画像を表示さ
せた場合でも、導電性スペーサー７が帯電し、電場が変
化して、電子軌道のずれが生じる畏れがなく、また、導
電性接着剤中の導電性粒子に、金属微細粉や金属が表面
に被覆された微細粉やカーボン粉などを使用する必要が
ないので、製造コストを低減できる。

【００２１】

【実施例】次に、本発明の実施例を具体的に説明する
が、本発明は、ここに示す実施例によって、何ら限定さ
れるものではない。

【００２２】［実施例１］ここでは、前面板１は、青板
ガラス基板を切削加工したものであり、その上に、画像
形成部材４としての蛍光体が塗布される。背面板２は、
同じく、青板ガラスを切削加工したもので、その上に、
電子放出素子として表面伝導型電子放出素子５を複数
個、作成し、電子放出素子群を構成している。

【００２３】支持枠３には、同じく、青板ガラス基板を
切削加工したものを用いた。また、導電性スペーサー４
には、青板ガラス基板を研磨加工し、前面板１若しくは
背面板２への当接部位が、その端縁で、図２のαに示す
ような傾斜面となるように形成して、その表面に導電性
部材を膜状に形成させたものを用いた。

【００２４】これらの部品を、図１に示すように、組立
構成する。即ち、電子放出素子５の群を搭載した背面板
２の周縁と、背面板２と対向して配置されると共に電子
放出素子５から放出される電子線の照射により画像を形
成する蛍光部材（画像形成部材）４を搭載した前面板１
の周縁との間に、これら周縁を支持する支持枠３を介装
し、接着剤６ａ、６ｂ（フリットガラス日本電気硝子
社製ＬＳ３０８１）を用いて、接着・固定している。ま
た、前面板１の内面と背面板２の内面との間には、支柱
として、複数の導電性スペーサー４が、その端縁を直接
接触させた状態で、その端縁の脇で、接着剤８ａ、８ｂ
（フリットガラス日本電気硝子社製ＬＳ０２０６）を
用いて、傾斜面において、接着・固定される。この時、
傾斜面に接着剤を塗布する形態であるから、端縁を、各
面に直接、接触させるのが容易であった。

【００２５】そして、このように気密に構成されたモジ
ュール内部を減圧（真空）にするために、前面板１や背
面板２や支持枠３に設けられた排気管（図示せず）から
真空ポンプによる真空引きがなされ、その後、前記排気
管を封止して、画像表示装置を完成した。

【００２６】このように作成された画像表示装置は、前
面板１もしくは背面板２への、導電性スペーサー７の当
接部位が、これらの内面に直接、接触しているため、ス
ペーサー７と前面板もしくは背面板との電気的接続に、
導電性粒子が添加された導電性接着剤を介して行う必要
がなくなり、導電性接着剤中の導電性粒子が減少してし
まったことが原因となる電気的接続の不十分、不良が回
避でき、長時間の画像表示においても、何ら、スペーサ
ー７への帯電がもたらされないから、電場が変化して電
子軌道のずれが生じるといった、従来の問題が解消され
る。接着剤に、導電性の機能をもつ接着剤を使用しなく
ても良いから、製造コストを低減できることになる。

【００２７】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
導電性スペーサーと、前面板もしくは背面板との電気的
接続は、導電性粒子が添加された導電性接着剤を介して
行う必要がなくなり、電気的接続の性能は、この導電性
接着剤に依存しなくなる。従って、導電性接着剤中の導
電性粒子が減少してしまったことが原因となる、電気的
接続の不十分、あるいは、不良が回避でき、長時間の画
像を表示させた場合でも、導電性スペーサーが帯電し、
電場が変化して、電子軌道のずれが生じる畏れがなく、
また、導電性接着剤中の導電性粒子に、金属微細粉や金
属が表面に被覆された微細粉やカーボン粉などを使用す
る必要がないので、製造コストを低減できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態を示す画像表示装置の断面
図である。

【図２】同じく、導電性スペーサーの外観斜視図であ
る。

【図３】従来の画像表示装置を説明するための分解斜視
図である。

【図４】同じく、画像表示装置の断面図である。

【符号の説明】

１，１０１前面板２，１０２背面板３，１０３支持枠４，１０４蛍光部材（画像形成部材）５，１０５電子放出素子６ａ，６ｂ，１０６ａ，１０６ｂ接着剤７，１０７導電性スペーサー８ａ，８ｂ，１０８ａ，１０８ｂ接着剤 α 傾斜面の領域

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ガラス製の前面板および背面板と、前記
前面板および背面板の間に位置して、両者間の間隔を保
持するために設けられた導電性スペーサーとを備えて、
前面板に在る蛍光部材を、背面板に在る電子放出素子か
らの放出電子で発光させるように構成した画像表示装置
において、前記前面板もしくは背面板への、前記導電性スペーサー
の当接部位が、直接、前記前面板の面もしくは背面板の
面に接触した状態で、接着剤を介して、接着されている
ことを特徴とする画像表示装置。
【請求項２】前記導電性スペーサーの当接部位は、そ
の先端縁で前記前面板の面もしくは背面板の面に接触
し、その先端縁の脇で、前記接着剤を介して、前記面に
接着されるように、傾斜面を有することを特徴とする請
求項１に記載の画像表示装置。
【請求項３】前記前面板には、前記蛍光部材と共に電
子加速電極が形成されており、前記前面板および背面板
は、それらの周縁で、支持枠に対して、気密に接合さ
れ、支持枠の内側に減圧空間を構成しており、前記導電
性スペーサーは、前記前面板と背面板との間の耐圧構造
部材として機能していることを特徴とする請求項１ある
いは２に記載の画像表示装置。
【請求項４】前記電子放出素子は、表面伝導型電子放
出素子であることを特徴とする請求項１〜３の何れかに
記載の画像表示装置。