JP2000251534A - 酸化物イオン伝導体とその製造方法並びにその用途 - Google Patents
酸化物イオン伝導体とその製造方法並びにその用途Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 原料としてCo3O4粉またはCoOとCo3
O4の混合粉を用いて作製された酸化物イオン伝導体と
その製造方法並びにその用途を提供する。 【解決手段】 一般式(1):Ln1-xSrxGa
1-(y+z)MgyCozO3で示され、原料粉として、Co3
O4粉又はCoOとCo3O4との混合粉を用いて作製さ
れたことを特徴とする酸化物イオン伝導体。式(1)
中、Ln=La、Ndの1種もしくは2種;x=0.0
5〜0.3;y=0〜0.29;z=0.01〜0.
3;y+z=0.025〜0.3、とその製造方法並び
にそれを用いた固体酸化物燃料電池の固体電解質(但
し、y≧0.025、z≦0.15)、および空気極
(但し、z≧0.15)、ガスセンサ−(但し、y≧
0.025、z≦0.15)、電気化学的酸素ポンプ用
酸素分離膜(但し、y≧0.025、z≦0.15)、
ガス分離膜(z>0.15)からなる。
O4の混合粉を用いて作製された酸化物イオン伝導体と
その製造方法並びにその用途を提供する。 【解決手段】 一般式(1):Ln1-xSrxGa
1-(y+z)MgyCozO3で示され、原料粉として、Co3
O4粉又はCoOとCo3O4との混合粉を用いて作製さ
れたことを特徴とする酸化物イオン伝導体。式(1)
中、Ln=La、Ndの1種もしくは2種;x=0.0
5〜0.3;y=0〜0.29;z=0.01〜0.
3;y+z=0.025〜0.3、とその製造方法並び
にそれを用いた固体酸化物燃料電池の固体電解質(但
し、y≧0.025、z≦0.15)、および空気極
(但し、z≧0.15)、ガスセンサ−(但し、y≧
0.025、z≦0.15)、電気化学的酸素ポンプ用
酸素分離膜(但し、y≧0.025、z≦0.15)、
ガス分離膜(z>0.15)からなる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ペロブスカイト型
構造をとる希土類ガレ−ト系の新規な酸化物イオン伝導
体とその製造方法に関する。また本発明の酸化物イオン
伝導体は、燃料電池の固体電解質または空気極、酸素ガ
スセンサ−等のガスセンサ−、電気化学的酸素ポンプ等
の酸素分離膜、およびガス分離膜等として有用であり、
これらにも関するものである。
構造をとる希土類ガレ−ト系の新規な酸化物イオン伝導
体とその製造方法に関する。また本発明の酸化物イオン
伝導体は、燃料電池の固体電解質または空気極、酸素ガ
スセンサ−等のガスセンサ−、電気化学的酸素ポンプ等
の酸素分離膜、およびガス分離膜等として有用であり、
これらにも関するものである。
【0002】
【従来の技術】これまで、酸化物イオン伝導体の代表例
は、酸化ジルコニウム(ZrO2)に少量のCaO,M
gO,Y2O3,Gd2O3等の2価または3価の金属酸化
物を固溶させた安定ジルコニアであったが、最近、安定
ジルコニアより高い酸化物イオン導電性を示すペロブス
カイト型構造のLaGaO3系電解質が発見された。そ
の中でも、例えば、Laの一部をSrで、Gaの一部を
MgとCoで置換した(La,Sr)(Ga,Mg,C
o)O3は、特に高いイオン導電性を示すことがすでに
報告されている(第6回SOFC研究発表会要旨(20
4B),第7回SOFC研究発表会要旨(209A),
FUELCELLSEMINERAbstracts
(1998)P104−、442−)が、この電解質を
製造する際、Coの原料としてはCoO粉が用いられて
来た。
は、酸化ジルコニウム(ZrO2)に少量のCaO,M
gO,Y2O3,Gd2O3等の2価または3価の金属酸化
物を固溶させた安定ジルコニアであったが、最近、安定
ジルコニアより高い酸化物イオン導電性を示すペロブス
カイト型構造のLaGaO3系電解質が発見された。そ
の中でも、例えば、Laの一部をSrで、Gaの一部を
MgとCoで置換した(La,Sr)(Ga,Mg,C
o)O3は、特に高いイオン導電性を示すことがすでに
報告されている(第6回SOFC研究発表会要旨(20
4B),第7回SOFC研究発表会要旨(209A),
FUELCELLSEMINERAbstracts
(1998)P104−、442−)が、この電解質を
製造する際、Coの原料としてはCoO粉が用いられて
来た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述せる従来
技術により、Coの原料としてCoO粉を用いて製造し
た酸化物イオン伝導体である(Ln,Sr)(Ga,M
g,Co)O3は、高いイオン輸率(電気伝導度に対す
る酸化物イオン伝導度の割合)を示すが、最適組成であ
るLa0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.15Co0.05O3であって
も、900℃で、最高値を示した後、降温にともないイ
オン輸率は低下し、低温域(650℃以下)では0.9
より低くなる。例えば、酸化物イオン伝導体をSOFC
の電解質として用いる場合、その電気伝導度とイオン輸
率は、電池の性能を決定づける重大なポイントである。
電池の発電性能を更に向上させ、低温(600〜800
℃)での発電を可能にするためには、広い温度範囲でよ
り酸化物イオン伝導性が高く、電子伝導性が低い電解
質、つまり高いイオン輸率を示す酸化物イオン伝導体が
強く求められている。
技術により、Coの原料としてCoO粉を用いて製造し
た酸化物イオン伝導体である(Ln,Sr)(Ga,M
g,Co)O3は、高いイオン輸率(電気伝導度に対す
る酸化物イオン伝導度の割合)を示すが、最適組成であ
るLa0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.15Co0.05O3であって
も、900℃で、最高値を示した後、降温にともないイ
オン輸率は低下し、低温域(650℃以下)では0.9
より低くなる。例えば、酸化物イオン伝導体をSOFC
の電解質として用いる場合、その電気伝導度とイオン輸
率は、電池の性能を決定づける重大なポイントである。
電池の発電性能を更に向上させ、低温(600〜800
℃)での発電を可能にするためには、広い温度範囲でよ
り酸化物イオン伝導性が高く、電子伝導性が低い電解
質、つまり高いイオン輸率を示す酸化物イオン伝導体が
強く求められている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記要望
に答えるべく鋭意研究を押し進める中で、酸化物イオン
伝導性が非常に高く、固体電解質材料として良好な新材
料のLa0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.15Co0.05O3を作製
する際、Coの原料をCoO粉からCo3O4粉又はCo
OとCo3O4との混合粉にすることで、低温領域を含む
広い温度範囲で高い電気伝導度を保持したまま、これま
で以上に高いイオン輸率をもつ(即ち、従来よりも酸化
物イオン伝導性が高く、電子伝導性が低い)酸化物イオ
ン伝導体を得ることが出来るとの知見を得たのである
(図1参照)。
に答えるべく鋭意研究を押し進める中で、酸化物イオン
伝導性が非常に高く、固体電解質材料として良好な新材
料のLa0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.15Co0.05O3を作製
する際、Coの原料をCoO粉からCo3O4粉又はCo
OとCo3O4との混合粉にすることで、低温領域を含む
広い温度範囲で高い電気伝導度を保持したまま、これま
で以上に高いイオン輸率をもつ(即ち、従来よりも酸化
物イオン伝導性が高く、電子伝導性が低い)酸化物イオ
ン伝導体を得ることが出来るとの知見を得たのである
(図1参照)。
【0005】本発明は、上記の如くして得られた知見に
基づいて得られたものであって、 (1)一般式(1):Ln1-xSrxGa1-(y+z)MgyC
ozO3で示され、原料として、Co3O4粉又はCoOと
Co3O4との混合粉を用いて作製された酸化物イオン伝
導体。式(1)中、Ln=La,Ndの内の1種または
2種;x=0.05〜0.3;y=0〜0.29;z=
0.01〜0.3;y+z=0.025〜0.3、 (2)(1)記載の酸化物イオン伝導体と、Cu−Kα
を線源としたときにX線回折角2θの約30°および約
50°にピ−クが現れるLn、Sr、Ga、Mg、Co
の1または複数の元素の酸化物(但し、Ln=La,N
dの内の1種又は2種)との混合物からなる酸化物イオ
ン伝導体。 (3)(1)記載の酸化物イオン伝導体と、Cu−Kα
を線源としたときにX線回折角2θの約30°および約
50°にピ−クが現れる酸化物LnSrGa3O7(但
し、Ln=La,Ndの内の1種または2種)又はLn
SrGa(3-a-b)MgaCobO7(但し、Ln=La,N
dの内の1種又は2種;a≠0及び/又はb≠0,かつ
a+b<3)との混合物からなる酸化物イオン伝導体。 (4)(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の酸化
物イオン伝導体の製造方法、 (5)(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の酸化
物イオン伝導体(但し、y≧0.025,z≦0.1
5)からなる固体酸化物燃料電池の固体電解質、 (6)(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の酸化
物イオン伝導体(但し、z>0.15)を空気極に含む
固体酸化物型燃料電池、 (7)(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の酸化
物イオン伝導体(但し、y≧0.025、z≦0.1
5)を電解質とし、(1)ないし(3)記載の酸化物イ
オン伝導体(但し、z>0.15)を空気極に含む固体
酸化物型燃料電池、 (8)(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の酸化
物イオン伝導体(但し、y≧0.025,z≦0.1
5)からなるガスセンサ−、 (9)(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の酸化
物イオン伝導体(但し、y≧0.025、z≦0.1
5)からなる電気化学的酸素ポンプ用酸素分離膜、 (10)(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の酸
化物イオン伝導体(但し、z>0.15)からなるガス
分離膜、 に特徴を有するものである。
基づいて得られたものであって、 (1)一般式(1):Ln1-xSrxGa1-(y+z)MgyC
ozO3で示され、原料として、Co3O4粉又はCoOと
Co3O4との混合粉を用いて作製された酸化物イオン伝
導体。式(1)中、Ln=La,Ndの内の1種または
2種;x=0.05〜0.3;y=0〜0.29;z=
0.01〜0.3;y+z=0.025〜0.3、 (2)(1)記載の酸化物イオン伝導体と、Cu−Kα
を線源としたときにX線回折角2θの約30°および約
50°にピ−クが現れるLn、Sr、Ga、Mg、Co
の1または複数の元素の酸化物(但し、Ln=La,N
dの内の1種又は2種)との混合物からなる酸化物イオ
ン伝導体。 (3)(1)記載の酸化物イオン伝導体と、Cu−Kα
を線源としたときにX線回折角2θの約30°および約
50°にピ−クが現れる酸化物LnSrGa3O7(但
し、Ln=La,Ndの内の1種または2種)又はLn
SrGa(3-a-b)MgaCobO7(但し、Ln=La,N
dの内の1種又は2種;a≠0及び/又はb≠0,かつ
a+b<3)との混合物からなる酸化物イオン伝導体。 (4)(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の酸化
物イオン伝導体の製造方法、 (5)(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の酸化
物イオン伝導体(但し、y≧0.025,z≦0.1
5)からなる固体酸化物燃料電池の固体電解質、 (6)(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の酸化
物イオン伝導体(但し、z>0.15)を空気極に含む
固体酸化物型燃料電池、 (7)(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の酸化
物イオン伝導体(但し、y≧0.025、z≦0.1
5)を電解質とし、(1)ないし(3)記載の酸化物イ
オン伝導体(但し、z>0.15)を空気極に含む固体
酸化物型燃料電池、 (8)(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の酸化
物イオン伝導体(但し、y≧0.025,z≦0.1
5)からなるガスセンサ−、 (9)(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の酸化
物イオン伝導体(但し、y≧0.025、z≦0.1
5)からなる電気化学的酸素ポンプ用酸素分離膜、 (10)(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の酸
化物イオン伝導体(但し、z>0.15)からなるガス
分離膜、 に特徴を有するものである。
【0006】本発明において、「酸化物イオン伝導体」
とは、実質的な酸化物イオン伝導性を示す電気伝導性材
料を意味する。即ち、電気伝導性の大部分を酸化物イオ
ン伝導度が占める狭義の酸化物イオン伝導体でなく、場
合により電子−酸化物イオン混合伝導体(または酸化物
イオン混合伝導体)と呼ばれる電子伝導度と酸化物イオ
ン伝導度の両方が大きな割合を占める材料も、本発明で
は酸化物イオン伝導性を示す材料として、酸化物イオン
伝導体に含める。
とは、実質的な酸化物イオン伝導性を示す電気伝導性材
料を意味する。即ち、電気伝導性の大部分を酸化物イオ
ン伝導度が占める狭義の酸化物イオン伝導体でなく、場
合により電子−酸化物イオン混合伝導体(または酸化物
イオン混合伝導体)と呼ばれる電子伝導度と酸化物イオ
ン伝導度の両方が大きな割合を占める材料も、本発明で
は酸化物イオン伝導性を示す材料として、酸化物イオン
伝導体に含める。
【0007】電気伝導性の大部分を酸化物イオン伝導性
が占める狭義の酸化物イオン伝導体の場合、イオン輸率
(電気伝導度に占める酸化物イオン伝導度の割合)は好
ましくは0.7以上であり、より好ましくは0.9以上
である。一方、電子−イオン混合伝導体の場合には、イ
オン輸率は好ましくは0.1〜0.7、より好ましくは
0.2〜0.6である。
が占める狭義の酸化物イオン伝導体の場合、イオン輸率
(電気伝導度に占める酸化物イオン伝導度の割合)は好
ましくは0.7以上であり、より好ましくは0.9以上
である。一方、電子−イオン混合伝導体の場合には、イ
オン輸率は好ましくは0.1〜0.7、より好ましくは
0.2〜0.6である。
【0008】本発明によれば、上記酸化物イオン伝導体
を使用することにより、固体酸化物型燃料電池の電解質
および空気極、ガスセンサ−、電気化学的酸素ポンプ用
酸素分離膜、並びにガス濃度差を利用するガス分離膜も
提供される。
を使用することにより、固体酸化物型燃料電池の電解質
および空気極、ガスセンサ−、電気化学的酸素ポンプ用
酸素分離膜、並びにガス濃度差を利用するガス分離膜も
提供される。
【0009】
【本発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につ
いて説明する。上記一般式(1)でしめされる本発明の
酸化物イオン伝導体は、ペロブスカイト型結晶構造を持
ち、ABO3で示されるペロブスカイト型結晶のAサイ
トを上記一般式のLn原子とSr原子が占め、そのBサ
イトを残りのGa原子、Mg原子、およびCo原子が占
めている。但し、Cu−Kαを線源としたときにX線回
折角2θの約30°約50°にピ−クが現れるLn,S
r,Ga,Mg,Coの1種または複数の元素の酸化
物、またはLnSrGa3O7、または一部LnSrGa
(3-a-b)MgaCobO7(但し、Ln=La,Ndの内の
1種又は2種、a≠0及び/又はb≠0,かつa=b<
3)で示される他相を含む2相構造を有する場合もあ
る。
いて説明する。上記一般式(1)でしめされる本発明の
酸化物イオン伝導体は、ペロブスカイト型結晶構造を持
ち、ABO3で示されるペロブスカイト型結晶のAサイ
トを上記一般式のLn原子とSr原子が占め、そのBサ
イトを残りのGa原子、Mg原子、およびCo原子が占
めている。但し、Cu−Kαを線源としたときにX線回
折角2θの約30°約50°にピ−クが現れるLn,S
r,Ga,Mg,Coの1種または複数の元素の酸化
物、またはLnSrGa3O7、または一部LnSrGa
(3-a-b)MgaCobO7(但し、Ln=La,Ndの内の
1種又は2種、a≠0及び/又はb≠0,かつa=b<
3)で示される他相を含む2相構造を有する場合もあ
る。
【0010】本来は、3価金属が占めるA、B両サイト
の一部を2価金属(例えば、Aサイトを占める上記Sr
原子、Bサイトを占めるMg原子)または遷移金属Co
が占めることにより、酸素空孔を生じ、この酸素空孔に
より酸化物イオン伝導性が生じる。従って、酸素原子数
は、この酸素空孔の分だけ減少することになる。
の一部を2価金属(例えば、Aサイトを占める上記Sr
原子、Bサイトを占めるMg原子)または遷移金属Co
が占めることにより、酸素空孔を生じ、この酸素空孔に
より酸化物イオン伝導性が生じる。従って、酸素原子数
は、この酸素空孔の分だけ減少することになる。
【0011】即ち、上記一般式(1)では、酸素原子数
が3であるかのように表示されているが、実際には酸素
原子数は3以下である。一般式(1)における酸素空孔
の数は最大で0.3であるので、正確な酸素原子数は
2.7〜3の範囲となる。但し、酸素空孔の数は添加原
子(Sr,Mg,Co)の種類のみならず、温度、酸素
分圧、添加原子の種類・量等によっても変動するため、
正確に表示することは困難である。そのため、本発明の
ペロブスカイト型材料を示す化学式では、酸素原子比の
数値を便宜上3として表示する。
が3であるかのように表示されているが、実際には酸素
原子数は3以下である。一般式(1)における酸素空孔
の数は最大で0.3であるので、正確な酸素原子数は
2.7〜3の範囲となる。但し、酸素空孔の数は添加原
子(Sr,Mg,Co)の種類のみならず、温度、酸素
分圧、添加原子の種類・量等によっても変動するため、
正確に表示することは困難である。そのため、本発明の
ペロブスカイト型材料を示す化学式では、酸素原子比の
数値を便宜上3として表示する。
【0012】上記一般式(1)において、Lnはランタ
ノイド系希土類金属であり、Bは非遷移金属である。即
ち、本発明の酸化物イオン伝導体は、ランタノイド・ガ
レ−ト(LnGaO3)を基本構造とし、これにアルカ
リ土類金属(Sr)、非遷移金属(Mg)、および遷移
金属(Co)の3種類の原子をド−プした複合酸化物で
ある。
ノイド系希土類金属であり、Bは非遷移金属である。即
ち、本発明の酸化物イオン伝導体は、ランタノイド・ガ
レ−ト(LnGaO3)を基本構造とし、これにアルカ
リ土類金属(Sr)、非遷移金属(Mg)、および遷移
金属(Co)の3種類の原子をド−プした複合酸化物で
ある。
【0013】本発明において、各サイトにおけるド−プ
原子、即ち、AサイトにおけるSr原子の原子比
(x)、またBサイトにおけるMg原子+Co原子の合
計原子比(y+z)が前述の範囲外になると、本発明の
複合酸化物の電気伝導性が低下する。
原子、即ち、AサイトにおけるSr原子の原子比
(x)、またBサイトにおけるMg原子+Co原子の合
計原子比(y+z)が前述の範囲外になると、本発明の
複合酸化物の電気伝導性が低下する。
【0014】本発明においては、一般式(1)で現され
る酸化物イオン伝導体に加え、Cu−Kαを線源とした
ときにX線回折角2θの約30°および約50°にピ−
クが現れるLn、Sr、Ga、Mg、Coの1または複
数の元素の酸化物、或いは酸化物LnSrGa3O7又は
LnSrGa(3-a-b)MgaCobO7(但し、Ln=L
a,Ndの内の1種又は2種、a≠0及び/又はb≠
0,かつa=b<3)で表される第2相を含む混合物から
なる酸化物イオン伝導体である場合もある。この場合
も、電気伝導特性としては、一般式(1)で現される酸
化物イオン伝導体の特性と何等変わりはない。
る酸化物イオン伝導体に加え、Cu−Kαを線源とした
ときにX線回折角2θの約30°および約50°にピ−
クが現れるLn、Sr、Ga、Mg、Coの1または複
数の元素の酸化物、或いは酸化物LnSrGa3O7又は
LnSrGa(3-a-b)MgaCobO7(但し、Ln=L
a,Ndの内の1種又は2種、a≠0及び/又はb≠
0,かつa=b<3)で表される第2相を含む混合物から
なる酸化物イオン伝導体である場合もある。この場合
も、電気伝導特性としては、一般式(1)で現される酸
化物イオン伝導体の特性と何等変わりはない。
【0015】ところで、一般式(1)において、Bサイ
トのCo原子については、Coの原子比であるz値が増
大するほど、電気伝導性は高くなる。これは、Coが遷
移金属であり、原子価の変動によりn型またはp型の電
子性電気伝導性を発現し易いため、この原子が多くなる
ほど電子性電気伝導が増大して、電気伝導性が高くなる
ためである。それに伴なって、酸化物イオン伝導性の割
合(イオン輸率)が低下する。
トのCo原子については、Coの原子比であるz値が増
大するほど、電気伝導性は高くなる。これは、Coが遷
移金属であり、原子価の変動によりn型またはp型の電
子性電気伝導性を発現し易いため、この原子が多くなる
ほど電子性電気伝導が増大して、電気伝導性が高くなる
ためである。それに伴なって、酸化物イオン伝導性の割
合(イオン輸率)が低下する。
【0016】また、z値が0.15以下の複合酸化物で
あれば、イオン輸率が0.7以上となり、特にz値が
0.10以下であるとイオン輸率は0.9以上と高く、
前述した狭義の酸化物イオン伝導体として機能すること
が判っている。但し、この場合はBサイトに非遷移金属
であるMg原子がある程度含まれていないと、電子性電
気伝導の寄与割合を0.3以下に維持できない。このよ
うな材料は、後述するように、固体酸化物型燃料電池の
電解質、ガスセンサ−、電気化学的酸素ポンプ用酸素分
離膜等として有用である。
あれば、イオン輸率が0.7以上となり、特にz値が
0.10以下であるとイオン輸率は0.9以上と高く、
前述した狭義の酸化物イオン伝導体として機能すること
が判っている。但し、この場合はBサイトに非遷移金属
であるMg原子がある程度含まれていないと、電子性電
気伝導の寄与割合を0.3以下に維持できない。このよ
うな材料は、後述するように、固体酸化物型燃料電池の
電解質、ガスセンサ−、電気化学的酸素ポンプ用酸素分
離膜等として有用である。
【0017】一方、z値が0.15を超えると、イオン
輸率が0.7以下に下がって、電子−イオン混合伝導体
として機能するようになる。前述したように、このよう
な材料も本発明では酸化物イオン伝導体の中に含める。
これらは、酸化物イオン伝導体として十分に機能し、前
述したように伝導性は最も高くなる。このような混合伝
導体は、後述するように、固体酸化物型燃料電池の空気
極またはガス分離膜に有用である。
輸率が0.7以下に下がって、電子−イオン混合伝導体
として機能するようになる。前述したように、このよう
な材料も本発明では酸化物イオン伝導体の中に含める。
これらは、酸化物イオン伝導体として十分に機能し、前
述したように伝導性は最も高くなる。このような混合伝
導体は、後述するように、固体酸化物型燃料電池の空気
極またはガス分離膜に有用である。
【0018】上記一般式(1)において好ましい組成は
つぎの通りである。x=0.10〜0.25、特に0.
17〜0.22、y=0〜0.17、特に、0.09〜
0.13、y+z=0.10〜0.25、特に、0.1
5〜0.20。
つぎの通りである。x=0.10〜0.25、特に0.
17〜0.22、y=0〜0.17、特に、0.09〜
0.13、y+z=0.10〜0.25、特に、0.1
5〜0.20。
【0019】z値は、高い酸化物イオン伝導性(イオン
輸率が0.7以上、好ましくは0.9以上)を持つ狭義
の意味での酸化物イオン伝導体として機能させる場合、
y≧0.025、かつz=0.02〜0.15、特に
0.07〜0.10であることが好ましい。一方、電子
−イオン混合伝導体として機能させたい場合には、zは
0.15<z≦0.3であり、好ましくは0.15<z≦
0.25である。
輸率が0.7以上、好ましくは0.9以上)を持つ狭義
の意味での酸化物イオン伝導体として機能させる場合、
y≧0.025、かつz=0.02〜0.15、特に
0.07〜0.10であることが好ましい。一方、電子
−イオン混合伝導体として機能させたい場合には、zは
0.15<z≦0.3であり、好ましくは0.15<z≦
0.25である。
【0020】本発明の酸化物イオン伝導体は、成分元素
の各酸化物の粉末、CoについてはCo、C3O4粉また
はCoOとCo3O4の混合粉を所定の配合割合で良く混
合した混合物を適宜手段で成形し、焼成して焼結させる
ことにより製造することが出来る。原料粉末としては、
酸化物以外に、焼成中に熱分解して酸化物になる前駆物
質(例えば、炭酸塩、カルボン酸等)も使用できる。焼
結のための焼成温度は1200℃以上、好ましくは13
00℃以上であり、焼成時間は数時間ないし数十時間で
ある。焼成時間を短縮するため、原料混合物を焼成温度
より低温で予備焼成してもよい。この予備焼成は、例え
ば、500〜1300℃で1〜10時間程度加熱するこ
とにより実施できる。予備焼成した混合物を必要があれ
ば粉砕した後、成形し、最終的に焼結させる。成形は、
一軸圧縮成形、静水圧プレス、押し出し成形、テ−プキ
ャスト成形等の適宜の粉体成形手段を採用できる。予備
焼結も含めて焼成雰囲気は、空気等の酸化雰囲気か不活
性ガス雰囲気が好ましい。
の各酸化物の粉末、CoについてはCo、C3O4粉また
はCoOとCo3O4の混合粉を所定の配合割合で良く混
合した混合物を適宜手段で成形し、焼成して焼結させる
ことにより製造することが出来る。原料粉末としては、
酸化物以外に、焼成中に熱分解して酸化物になる前駆物
質(例えば、炭酸塩、カルボン酸等)も使用できる。焼
結のための焼成温度は1200℃以上、好ましくは13
00℃以上であり、焼成時間は数時間ないし数十時間で
ある。焼成時間を短縮するため、原料混合物を焼成温度
より低温で予備焼成してもよい。この予備焼成は、例え
ば、500〜1300℃で1〜10時間程度加熱するこ
とにより実施できる。予備焼成した混合物を必要があれ
ば粉砕した後、成形し、最終的に焼結させる。成形は、
一軸圧縮成形、静水圧プレス、押し出し成形、テ−プキ
ャスト成形等の適宜の粉体成形手段を採用できる。予備
焼結も含めて焼成雰囲気は、空気等の酸化雰囲気か不活
性ガス雰囲気が好ましい。
【0021】本発明の酸化物イオン伝導体のうち、y値
が0.025以上で、かつz値が0.15以下のもの
は、電気伝導性において酸化物イオン伝導性が支配的
(即ち、イオン輸率が0.7以上)であり、上記の狭義
の酸化物イオン伝導体となる。この材料は、従来使用さ
れてきた各種の酸化物イオン伝導体の用途(例えば、固
体酸化物型燃料電池の電解質、ガスセンサ−)に利用で
きる。本発明のこの種の酸化物イオン伝導体は、酸化物
イオン伝導性が高く、低温でも作動可能であることか
ら、より性能の優れた製品を与えるものと期待される。
が0.025以上で、かつz値が0.15以下のもの
は、電気伝導性において酸化物イオン伝導性が支配的
(即ち、イオン輸率が0.7以上)であり、上記の狭義
の酸化物イオン伝導体となる。この材料は、従来使用さ
れてきた各種の酸化物イオン伝導体の用途(例えば、固
体酸化物型燃料電池の電解質、ガスセンサ−)に利用で
きる。本発明のこの種の酸化物イオン伝導体は、酸化物
イオン伝導性が高く、低温でも作動可能であることか
ら、より性能の優れた製品を与えるものと期待される。
【0022】酸化物イオン伝導体の応用分野は広範囲に
及んでいるが、重要な用途の1つが固体酸化物型(固体
電解質型)燃料電池(SOFC)の電解質である。SO
FCの構造は特に制限されず、円筒型でも平板型でもよ
く[図3(a)、(b)参照]また平板型の場合はスタッ
ク型と一体焼結型(モノリス型)のいずれでもよい。い
ずれの場合も、電解質層を空気極と燃料極とで挟んだ3
層の積層体(電解質層は片面が空気極層に、他面が燃料
極層に接する)が基本セル構造になる。電解質層はガス
不透過性であり、空気極と燃料極の各層は、ガスが通過
できるように多孔質である。円筒型の場合には、円筒の
内部と外部に分けて燃料ガス(例えば、水素)と空気
(または酸素)が別々に供給され、多数の円筒型セルが
その外面の一部に設けたインタ−コネクタを介して接続
される。平板型の場合には、燃料ガスと空気を別々に供
給できる流路を設けた概ね平板型のインタ−コネクタを
利用してガスが供給される。このインタ−コネクタを上
記の3層の積層構造からなる平板型セルと交互に積み重
ねて多層化される。
及んでいるが、重要な用途の1つが固体酸化物型(固体
電解質型)燃料電池(SOFC)の電解質である。SO
FCの構造は特に制限されず、円筒型でも平板型でもよ
く[図3(a)、(b)参照]また平板型の場合はスタッ
ク型と一体焼結型(モノリス型)のいずれでもよい。い
ずれの場合も、電解質層を空気極と燃料極とで挟んだ3
層の積層体(電解質層は片面が空気極層に、他面が燃料
極層に接する)が基本セル構造になる。電解質層はガス
不透過性であり、空気極と燃料極の各層は、ガスが通過
できるように多孔質である。円筒型の場合には、円筒の
内部と外部に分けて燃料ガス(例えば、水素)と空気
(または酸素)が別々に供給され、多数の円筒型セルが
その外面の一部に設けたインタ−コネクタを介して接続
される。平板型の場合には、燃料ガスと空気を別々に供
給できる流路を設けた概ね平板型のインタ−コネクタを
利用してガスが供給される。このインタ−コネクタを上
記の3層の積層構造からなる平板型セルと交互に積み重
ねて多層化される。
【0023】現時点で最も開発が進んでいるSOFC
は、Y2O3安定化ジルコニア(YSZ)の薄膜を電解質
とし、カソ−ドには電子性電気伝導性を示すペロブスカ
イト型材料(例えば、Sr含有LaMnO3)、アノ−
ドにはNi等の金属またはNi−YSZなどのサ−メッ
トを用いた電池構成をとる。YSZの伝導性が低温では
低いことと、1000℃付近では排ガスの熱を利用した
タ−ビン発電機の運転を行うコジェネレ−ションによる
発電効率の増大が可能となることから、YSZを電解質
とするSOFCは、1000℃前後の高温で作動させる
ように設計されている。
は、Y2O3安定化ジルコニア(YSZ)の薄膜を電解質
とし、カソ−ドには電子性電気伝導性を示すペロブスカ
イト型材料(例えば、Sr含有LaMnO3)、アノ−
ドにはNi等の金属またはNi−YSZなどのサ−メッ
トを用いた電池構成をとる。YSZの伝導性が低温では
低いことと、1000℃付近では排ガスの熱を利用した
タ−ビン発電機の運転を行うコジェネレ−ションによる
発電効率の増大が可能となることから、YSZを電解質
とするSOFCは、1000℃前後の高温で作動させる
ように設計されている。
【0024】SOFCは電解質の抵抗損による電圧降下
が大きく、薄膜ほど高出力が得られる。そのため、電解
質のYSZは30〜50μm程度の薄膜で使用されてい
る。しかし、それでもなおYSZの酸化物イオン伝導度
が小さいため、実用上十分な性能を得るために約100
0℃に加熱する必要がある。膜厚30μmの薄膜YSZ
で作動温度1000℃における実用的な出力密度は、
0.35W/cm2程度と報告されている。これより電
池の出力を高くするか、作動温度を低くするために、数
μmないし10μm程度と言う薄さのYSZ薄膜を使用
した実験例が報告されているが、このような薄膜では電
解質に求められるガス不透過性が不確実となり、信頼性
の面で望ましくない。
が大きく、薄膜ほど高出力が得られる。そのため、電解
質のYSZは30〜50μm程度の薄膜で使用されてい
る。しかし、それでもなおYSZの酸化物イオン伝導度
が小さいため、実用上十分な性能を得るために約100
0℃に加熱する必要がある。膜厚30μmの薄膜YSZ
で作動温度1000℃における実用的な出力密度は、
0.35W/cm2程度と報告されている。これより電
池の出力を高くするか、作動温度を低くするために、数
μmないし10μm程度と言う薄さのYSZ薄膜を使用
した実験例が報告されているが、このような薄膜では電
解質に求められるガス不透過性が不確実となり、信頼性
の面で望ましくない。
【0025】本発明のペロブスカイト型酸化物からなる
狭義の酸化物イオン伝導体は、YSZより酸化物イオン
伝導性が非常に高いものを得ることが出来るので、例え
ば厚さ0.5mm(=500μm)という焼結法で可能
な厚膜の電解質を用いてSOFCを構成した場合でも、
上記YSZ薄膜より高い出力を得ることができる。この
場合の最大出力密度は、Co原子の原子比によっても異
なるが、30μm厚のYSZ薄膜をも用いたSOFCと
比べて作動温度800℃では数倍(例えば、3倍以上)
も大きくなる。或いは、厚さ30μmの薄膜で用いれ
ば、600℃ないし700℃という低温において、同じ
30μm厚のYSZ膜が1000℃で発揮する以上の出
力密度を得ることができる。
狭義の酸化物イオン伝導体は、YSZより酸化物イオン
伝導性が非常に高いものを得ることが出来るので、例え
ば厚さ0.5mm(=500μm)という焼結法で可能
な厚膜の電解質を用いてSOFCを構成した場合でも、
上記YSZ薄膜より高い出力を得ることができる。この
場合の最大出力密度は、Co原子の原子比によっても異
なるが、30μm厚のYSZ薄膜をも用いたSOFCと
比べて作動温度800℃では数倍(例えば、3倍以上)
も大きくなる。或いは、厚さ30μmの薄膜で用いれ
ば、600℃ないし700℃という低温において、同じ
30μm厚のYSZ膜が1000℃で発揮する以上の出
力密度を得ることができる。
【0026】前述したように、本発明の複合酸化物は、
YSZに比べて酸化物イオン伝導性が非常に高いため、
電解質を厚くして、例えば0.5mm程度の焼結体から
製造することが可能となるため、機械的強度、寿命が大
幅に向上し、しかもYSZを電解質とする場合より最大
出力密度の非常に高いSOFCを製造することができ
る。
YSZに比べて酸化物イオン伝導性が非常に高いため、
電解質を厚くして、例えば0.5mm程度の焼結体から
製造することが可能となるため、機械的強度、寿命が大
幅に向上し、しかもYSZを電解質とする場合より最大
出力密度の非常に高いSOFCを製造することができ
る。
【0027】酸化物イオン伝導体の現時点での最も大き
い用途は酸素センサ−であり、自動車の空撚比制御に大
量に使用されているほか、製鋼等の工業プロセスの制御
にも利用されている。この酸素センサ−は固体電解質酸
素センサ−と呼ばれ、酸素濃淡電池の原理により酸素濃
度を測定するものである。即ち、酸化物イオン伝導体か
らなる材料の両端に酸素ガス分圧の差があると、材料内
部に酸化物イオンが拡散して酸素濃淡電池を構成するた
め、両端に電極をつけて起電力を測定することにより酸
素分圧を測定することが可能となる。固体電解質酸素セ
ンサ−は、酸素ガス以外にSOx,NOxといった酸素含
有ガスのセンサ−としても利用できる。
い用途は酸素センサ−であり、自動車の空撚比制御に大
量に使用されているほか、製鋼等の工業プロセスの制御
にも利用されている。この酸素センサ−は固体電解質酸
素センサ−と呼ばれ、酸素濃淡電池の原理により酸素濃
度を測定するものである。即ち、酸化物イオン伝導体か
らなる材料の両端に酸素ガス分圧の差があると、材料内
部に酸化物イオンが拡散して酸素濃淡電池を構成するた
め、両端に電極をつけて起電力を測定することにより酸
素分圧を測定することが可能となる。固体電解質酸素セ
ンサ−は、酸素ガス以外にSOx,NOxといった酸素含
有ガスのセンサ−としても利用できる。
【0028】YSZからなる酸素センサ−は、比較的安
価ではあるが、低温では酸化物イオン伝導性が低下する
ため、600℃以上の高温でしかセンサ−として使用で
きず、用途が制限されていた。これに対し、酸化物イオ
ン伝導性が支配的な本発明の複合酸化物イオン伝導体
(y≧0.025、z≦0.15)は、非常に高い酸化
物イオン伝導性を示すので、ガスセンサ−、特に酸素セ
ンサ−として有用であり、低温でも酸化物イオン伝導性
が高いことから600℃以下でも十分に使用可能なガス
センサ−となる。
価ではあるが、低温では酸化物イオン伝導性が低下する
ため、600℃以上の高温でしかセンサ−として使用で
きず、用途が制限されていた。これに対し、酸化物イオ
ン伝導性が支配的な本発明の複合酸化物イオン伝導体
(y≧0.025、z≦0.15)は、非常に高い酸化
物イオン伝導性を示すので、ガスセンサ−、特に酸素セ
ンサ−として有用であり、低温でも酸化物イオン伝導性
が高いことから600℃以下でも十分に使用可能なガス
センサ−となる。
【0029】酸化物イオン伝導性が支配的である本発明
の複合酸化物イオン伝導体(y≧0.025、z≦0.
15)は、電気化学的酸素ポンプ用酸素分離膜としても
使用できる。酸化物イオン伝導体からなる分離膜の両端
に電位差を与えると、内部を酸化物イオンが移動して電
流が流れ、酸素が片側の面から反対側の面に1方向にな
がれるようになる。これが酸素ポンプである。たとえ
ば、空気を流すと、反対側の面から酸素が富化された空
気が得られるので、酸素分離膜として利用されている。
の複合酸化物イオン伝導体(y≧0.025、z≦0.
15)は、電気化学的酸素ポンプ用酸素分離膜としても
使用できる。酸化物イオン伝導体からなる分離膜の両端
に電位差を与えると、内部を酸化物イオンが移動して電
流が流れ、酸素が片側の面から反対側の面に1方向にな
がれるようになる。これが酸素ポンプである。たとえ
ば、空気を流すと、反対側の面から酸素が富化された空
気が得られるので、酸素分離膜として利用されている。
【0030】このような酸素分離膜は、例えば軍事用航
空機やヘリコプタ−などで、周囲の希薄空気から酸素富
化空気を作るのに利用されている。医療用酸素ボンベの
代替品としても応用可能性があると考えられる。また、
電子−イオン混合伝導性(即ち、イオン輸率が0.7以
下)を示す本発明のペロブスカイト型酸化物イオン伝導
体(z>0.15)は、酸素に電子を付与するイオン化
触媒として機能し、集電体として機能するのに必要な電
子伝導性と酸化物イオンを電解質に送りこむための酸化
物イオン伝導体として機能するのに十分な酸化物イオン
伝導性の両方を示すので、前述したSOFCの空気極の
材料に適しており、空気極の少なくとも一部を、この材
料から構成することが好ましい。
空機やヘリコプタ−などで、周囲の希薄空気から酸素富
化空気を作るのに利用されている。医療用酸素ボンベの
代替品としても応用可能性があると考えられる。また、
電子−イオン混合伝導性(即ち、イオン輸率が0.7以
下)を示す本発明のペロブスカイト型酸化物イオン伝導
体(z>0.15)は、酸素に電子を付与するイオン化
触媒として機能し、集電体として機能するのに必要な電
子伝導性と酸化物イオンを電解質に送りこむための酸化
物イオン伝導体として機能するのに十分な酸化物イオン
伝導性の両方を示すので、前述したSOFCの空気極の
材料に適しており、空気極の少なくとも一部を、この材
料から構成することが好ましい。
【0031】電子−イオン混合伝導性を示す本発明の酸
化物イオン伝導体(z>0.15)は、ガス濃度差を利
用するガス分離膜としても利用できる。ガス分離膜の場
合には、膜の両側に外部から電位差を与える必要はな
く、分離膜の両側のガス中の酸素濃度差が分離の駆動力
となる。この酸素濃度差により、酸化物イオンが高濃度
側から低濃度側に流れ、この流れを電気的に補償するた
めに電子が逆方向に流れる。従って、酸化物イオン伝導
性と一緒にある程度の電子性電気伝導もないと(即ち、
電子−イオン混合伝導体でないと)電子が流れないため
に機能しなくなる。
化物イオン伝導体(z>0.15)は、ガス濃度差を利
用するガス分離膜としても利用できる。ガス分離膜の場
合には、膜の両側に外部から電位差を与える必要はな
く、分離膜の両側のガス中の酸素濃度差が分離の駆動力
となる。この酸素濃度差により、酸化物イオンが高濃度
側から低濃度側に流れ、この流れを電気的に補償するた
めに電子が逆方向に流れる。従って、酸化物イオン伝導
性と一緒にある程度の電子性電気伝導もないと(即ち、
電子−イオン混合伝導体でないと)電子が流れないため
に機能しなくなる。
【0032】このガス分離膜は、酸素ばかりでなく、例
えば、水やNOxの分離にも使用できる。水の場合、分
離膜の表面で酸化物イオンと水に分解すると、膜の両側
で酸化物イオン濃度に差ができ、これが駆動力となって
酸化物イオンの流れができ、水素は流れずに残るので、
水から水素を製造することができる。NOxの場合も、
分解してNOxが無害化され、窒素と酸素に分離され
る。
えば、水やNOxの分離にも使用できる。水の場合、分
離膜の表面で酸化物イオンと水に分解すると、膜の両側
で酸化物イオン濃度に差ができ、これが駆動力となって
酸化物イオンの流れができ、水素は流れずに残るので、
水から水素を製造することができる。NOxの場合も、
分解してNOxが無害化され、窒素と酸素に分離され
る。
【0033】その他、本発明の酸化物イオン伝導体は、
電気化学的反応器や酸素同位体分離膜等にも利用可能で
ある。
電気化学的反応器や酸素同位体分離膜等にも利用可能で
ある。
【0034】
【実施例】以下、本発明の実施例について具体的に説明
する。La2O3、SrCO3、Ga2O3、MgO、Co
OおよびCo3O4の金属酸化物の各原料粉を用意し、C
oについては、Co:Co3O4のCoのモル比が、0:
100,40:60,70:30,100:0の混合粉
を夫々原料として、他の原料粉とLa0.8Sr0.2Ga
0.8Mg0.15Co0.05O3を生ずる割合で配合し、夫々を
よく混合した後、1000℃で6時間予備焼成した。こ
の予備焼成した混合粉を粉砕し、静水圧プレスにより厚
み0.5mm、直径15mmのディスク状に圧縮成形
し、成形体を1500℃で3時間焼成して焼結させた。
得られた焼結体の結晶構造をX線回折により調べたとこ
ろ、いずれもペロブスカイト型結晶構造の相を有してい
た。ただしCu−Kαを線源としてX線回折を行ったと
ころ、CoO/Co3O4のCoのモル比;0:100の
原料を用いた場合には、回折角2θが、約30°および
約50°にピ−クが現れる化合物が確認された(図
4)。
する。La2O3、SrCO3、Ga2O3、MgO、Co
OおよびCo3O4の金属酸化物の各原料粉を用意し、C
oについては、Co:Co3O4のCoのモル比が、0:
100,40:60,70:30,100:0の混合粉
を夫々原料として、他の原料粉とLa0.8Sr0.2Ga
0.8Mg0.15Co0.05O3を生ずる割合で配合し、夫々を
よく混合した後、1000℃で6時間予備焼成した。こ
の予備焼成した混合粉を粉砕し、静水圧プレスにより厚
み0.5mm、直径15mmのディスク状に圧縮成形
し、成形体を1500℃で3時間焼成して焼結させた。
得られた焼結体の結晶構造をX線回折により調べたとこ
ろ、いずれもペロブスカイト型結晶構造の相を有してい
た。ただしCu−Kαを線源としてX線回折を行ったと
ころ、CoO/Co3O4のCoのモル比;0:100の
原料を用いた場合には、回折角2θが、約30°および
約50°にピ−クが現れる化合物が確認された(図
4)。
【0035】得られた焼結体の電気伝導性は、ディスク
形の焼結体から切断した直方体試料に、電極となる白金
ペ−ストを塗布した後、白金線を接続して950〜12
00℃で10分間焼き付け、任意の酸素分圧と温度に調
整可能な装置内で、直流四端子法または交流二端子法で
抵抗値を測定することにより求めた。酸素分圧の調整
は、O2−N2ガスを用いて行った。イオン輸率の測定
は、得られたディスク状焼結体に電極を焼き付けた試料
の両端の雰囲気の酸素分圧が、お互いに異なる既知の値
にして酸素濃淡電池を作製し、この電池の起電力を測定
すると共に、同条件の理論起電力をネルンスト式から求
め、起電力の測定値の理論起電力に対する比を求めた。
形の焼結体から切断した直方体試料に、電極となる白金
ペ−ストを塗布した後、白金線を接続して950〜12
00℃で10分間焼き付け、任意の酸素分圧と温度に調
整可能な装置内で、直流四端子法または交流二端子法で
抵抗値を測定することにより求めた。酸素分圧の調整
は、O2−N2ガスを用いて行った。イオン輸率の測定
は、得られたディスク状焼結体に電極を焼き付けた試料
の両端の雰囲気の酸素分圧が、お互いに異なる既知の値
にして酸素濃淡電池を作製し、この電池の起電力を測定
すると共に、同条件の理論起電力をネルンスト式から求
め、起電力の測定値の理論起電力に対する比を求めた。
【0036】測定結果を図1および図2に示す。図1は
イオン輸率、図2は酸素分圧が一定(10-5atm)
で、温度を変化させた場合の電気伝導度(伝導度のアレ
ニウスプロット)。図2から、原料Co3O4の配合によ
る電気伝導度の相違は小さく、広い温度範囲でいずれも
高い導伝率を示すことがわかる。一方、図1からは、原
料粉Co3O4を含まない場合、650℃以下の低温にお
いて、イオン輸率が急激に低下し0.9以下の値となる
のに対し、原料粉Co3O4を含むものは、高いイオン輸
率を保持していることがわかる。従って、低温でも高い
導伝率を維持したまま、高いイオン輸率を示すという、
優れた電気特性が可能となった。
イオン輸率、図2は酸素分圧が一定(10-5atm)
で、温度を変化させた場合の電気伝導度(伝導度のアレ
ニウスプロット)。図2から、原料Co3O4の配合によ
る電気伝導度の相違は小さく、広い温度範囲でいずれも
高い導伝率を示すことがわかる。一方、図1からは、原
料粉Co3O4を含まない場合、650℃以下の低温にお
いて、イオン輸率が急激に低下し0.9以下の値となる
のに対し、原料粉Co3O4を含むものは、高いイオン輸
率を保持していることがわかる。従って、低温でも高い
導伝率を維持したまま、高いイオン輸率を示すという、
優れた電気特性が可能となった。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、従来の代表的な酸化物
イオン伝導体である安定化ジルコニアよりも酸化物イオ
ン伝導性が高いCo含有ペロブスカイト型複合酸化物に
おいて、Coの原料としてCo3O4粉またはCoOとC
o3O4との混合粉を使用したものは、酸化物イオン伝導
度と電子伝導度の割合、即ちイオン輸率が高いのは勿
論、低温においても高い電気伝導性を保持したまま、高
いイオン輸率を示す。従って、電気伝導性が高く、かつ
低温でもイオン輸率が0.9以上と高い狭義の酸化物イ
オン伝導体として有用な材料だけでなく、Co含有量に
よって、イオン輸率を自由に制御することが出来ること
から、電子−イオン混合伝導体として有用な材料も得ら
れる。
イオン伝導体である安定化ジルコニアよりも酸化物イオ
ン伝導性が高いCo含有ペロブスカイト型複合酸化物に
おいて、Coの原料としてCo3O4粉またはCoOとC
o3O4との混合粉を使用したものは、酸化物イオン伝導
度と電子伝導度の割合、即ちイオン輸率が高いのは勿
論、低温においても高い電気伝導性を保持したまま、高
いイオン輸率を示す。従って、電気伝導性が高く、かつ
低温でもイオン輸率が0.9以上と高い狭義の酸化物イ
オン伝導体として有用な材料だけでなく、Co含有量に
よって、イオン輸率を自由に制御することが出来ること
から、電子−イオン混合伝導体として有用な材料も得ら
れる。
【0038】特に、低温におけるイオン輸率が高い本発
明の酸化物イオン伝導体は、広い温度範囲で使用でき、
かつ酸素雰囲気から水素雰囲気に至る全ての酸素分圧下
で高い酸化物イオン伝導性を示すので、固体酸化物型燃
料電池の電解質、酸素センサ−等のガスセンサ−、およ
び電気化学式酸素ポンプ用分離膜として有用であり、従
来より高性能の製品を実現できる可能性がある。また、
電子−イオン混合伝導性を示す本発明の酸化物イオン伝
導体は、固体酸化物型燃料電池の空気極やガス濃度差を
利用するガス分離膜として利用できる。
明の酸化物イオン伝導体は、広い温度範囲で使用でき、
かつ酸素雰囲気から水素雰囲気に至る全ての酸素分圧下
で高い酸化物イオン伝導性を示すので、固体酸化物型燃
料電池の電解質、酸素センサ−等のガスセンサ−、およ
び電気化学式酸素ポンプ用分離膜として有用であり、従
来より高性能の製品を実現できる可能性がある。また、
電子−イオン混合伝導性を示す本発明の酸化物イオン伝
導体は、固体酸化物型燃料電池の空気極やガス濃度差を
利用するガス分離膜として利用できる。
【図1】本発明に係るCoの原料としてCoO:Co3
O4のCoのモル比を変化させて製造したLa0.8Sr0.2
Ga0.8Mg0.15Co0.05O3なる組成を持つ複合酸化物
からなるペロブスカイト型イオン伝導体の温度変化に応
じたイオン輸率の変化を示すグラフである。
O4のCoのモル比を変化させて製造したLa0.8Sr0.2
Ga0.8Mg0.15Co0.05O3なる組成を持つ複合酸化物
からなるペロブスカイト型イオン伝導体の温度変化に応
じたイオン輸率の変化を示すグラフである。
【図2】本発明に係るCaの原料としてCoO:Co3
O4のCoのモル比を変化させて製造したLa0.8Sr
0.2Ga0.8Mg0.15Co0.05O3なる組成を持つ複合酸
化物からなるペロブスカイト型イオン伝導体の温度変化
に応じた電気伝導率の変化を示すグラフである。
O4のCoのモル比を変化させて製造したLa0.8Sr
0.2Ga0.8Mg0.15Co0.05O3なる組成を持つ複合酸
化物からなるペロブスカイト型イオン伝導体の温度変化
に応じた電気伝導率の変化を示すグラフである。
【図3】SOFCの基本セル構造の概略図。
【図4】本発明に係わるCoの原料として、Co:Co
3O4のCoのモル比を変化させて製造したLa0.8Sr
0.2Ga0.8Mg0.15Co0.05O3なる組成をもつ複合酸
化物からなるイオン伝導体のX線回折(Cu−Kα)の
ピ−クを示すグラフである。
3O4のCoのモル比を変化させて製造したLa0.8Sr
0.2Ga0.8Mg0.15Co0.05O3なる組成をもつ複合酸
化物からなるイオン伝導体のX線回折(Cu−Kα)の
ピ−クを示すグラフである。
1:基体、 2:空気極層、 3:電解質層、 4:燃料極層、 5:インタ−コネクタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋草 順 埼玉県大宮市北袋町1−297 三菱マテリ アル株式会社総合研究所内 (72)発明者 駒田 紀一 埼玉県大宮市北袋町1−297 三菱マテリ アル株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4D006 GA41 MA03 MA31 MB07 MB17 MC03X NA39 NA50 PB17 PB19 PB62 PC71 PC80 4G048 AA05 AB01 AB06 AC04 AC06 AC08 AD08 AE05 5G301 CA02 CA30 CD01 CD10 CE01 5H026 AA06 BB08 CV01 CV02 EE12
Claims (10)
- 【請求項1】一般式(1):Ln1-xSrxGa1-(y+z)M
gyCozO3で示され、原料として、Co3O4粉又はCoO
とCo3O4との混合粉を用いて作製されたことを特徴と
する酸化物イオン伝導体。式(1)中、Ln=La,N
dの内の1種または2種;x=0.05〜0.3;y=
0〜0.29;z=0.01〜0.3;y+z=0.0
25〜0.3。 - 【請求項2】請求項1記載の酸化物イオン伝導体と、C
u−Kαを線源としたときにX線回折角2θの約30°
および約50°にピ−クが現れるLn、Sr、Ga、M
g、Coの1または複数の元素の酸化物(但し、Ln=
La,Ndの内の1種又は2種)との混合物からなるこ
とを特徴とする酸化物イオン伝導体。 - 【請求項3】請求項1記載の酸化物イオン伝導体と、C
u−Kαを線源としたときにX線回折角2θの約30°
および約50°にピ−クが現れる酸化物LnSrGa3
O7(但し、Ln=La,Ndの内の1種または2種)又
はLnSrGa(3-a-b)MgaCobO7(但し、Ln=L
a,Ndの内の1種又は2種;a≠0及び/又はb≠
0,かつa+b<3)との混合物からなることを特徴と
する酸化物イオン伝導体。 - 【請求項4】請求項1ないし3のいずれか1項に記載の
原料として、Co3O4粉又はCoOとCo3O4との混合
粉を用いて作製することを特徴とする酸化物イオン伝導
体の製造方法。 - 【請求項5】請求項1ないし3のいずれか1項に記載の
酸化物イオン伝導体(但し、y≧0.025,z≦0.
15)からなることを特徴とする固体酸化物燃料電池
(SOFC)の固体電解質。 - 【請求項6】請求項1ないし3のいずれか1項に記載の
酸化物イオン伝導体(但し、z>0.15)を空気極に
含むことを特徴とする固体酸化物型燃料電池。 - 【請求項7】請求項1ないし3のいずれか1項に記載の
酸化物イオン伝導体(但し、y≧0.025,z≦0.
15)を電解質とし、請求項1ないし3記載の酸化物イ
オン伝導体(但し、z>0.15)を空気極に含むこと
を特徴とする固体酸化物型燃料電池。 - 【請求項8】請求項1ないし3のいずれか1項に記載の
酸化物イオン伝導体(但し、y≧0.025,z≦0.
15)からなることを特徴とするガスセンサ−。 - 【請求項9】請求項1ないし3のいずれか1項に記載の
酸化物イオン伝導体(但し、y≧0.025、z≦0.
15)からなることを特徴とする電気化学的酸素ポンプ
用酸素分離膜。 - 【請求項10】請求項1ないし3のいずれか1項に記載
の酸化物イオン伝導体(但し、z>0.15)からなる
ことを特徴とするガス分離膜。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04931899A JP3446649B2 (ja) | 1999-02-26 | 1999-02-26 | 酸化物イオン伝導体の製造方法 |
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JP04931899A JP3446649B2 (ja) | 1999-02-26 | 1999-02-26 | 酸化物イオン伝導体の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000251534A true JP2000251534A (ja) | 2000-09-14 |
JP3446649B2 JP3446649B2 (ja) | 2003-09-16 |
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ID=12827629
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP04931899A Expired - Fee Related JP3446649B2 (ja) | 1999-02-26 | 1999-02-26 | 酸化物イオン伝導体の製造方法 |
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---|---|
JP (1) | JP3446649B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004102704A1 (ja) * | 2003-05-14 | 2004-11-25 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | 固体酸化物型燃料電池とその製造方法 |
EP2098491A1 (en) | 2008-02-25 | 2009-09-09 | Noritake Co., Ltd | Ceramic product and ceramic member bonding method. |
CN103529107A (zh) * | 2013-10-18 | 2014-01-22 | 东北大学 | 一种极限电流型氧传感器及其制备方法 |
JP2017073321A (ja) * | 2015-10-08 | 2017-04-13 | 株式会社豊田中央研究所 | 固体電解質 |
-
1999
- 1999-02-26 JP JP04931899A patent/JP3446649B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2004102704A1 (ja) * | 2003-05-14 | 2004-11-25 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | 固体酸化物型燃料電池とその製造方法 |
EP2098491A1 (en) | 2008-02-25 | 2009-09-09 | Noritake Co., Ltd | Ceramic product and ceramic member bonding method. |
EP2218696A1 (en) | 2008-02-25 | 2010-08-18 | Noritake Co., Limited | Ceramic product and ceramic member bonding method |
US7968200B2 (en) | 2008-02-25 | 2011-06-28 | Noritake Co., Ltd | Ceramic product and ceramic member bonding method |
US8431227B2 (en) | 2008-02-25 | 2013-04-30 | Noritake Co., Ltd | Ceramic product and ceramic member bonding method |
EP2098491B1 (en) * | 2008-02-25 | 2013-07-31 | Noritake Co., Ltd | Ceramic product and ceramic member bonding method. |
CN103529107A (zh) * | 2013-10-18 | 2014-01-22 | 东北大学 | 一种极限电流型氧传感器及其制备方法 |
JP2017073321A (ja) * | 2015-10-08 | 2017-04-13 | 株式会社豊田中央研究所 | 固体電解質 |
WO2017061248A1 (ja) * | 2015-10-08 | 2017-04-13 | 株式会社豊田中央研究所 | 固体電解質 |
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