JP2000250879A - 通信システム - Google Patents

通信システム

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JP2000250879A
JP2000250879A JP11055744A JP5574499A JP2000250879A JP 2000250879 A JP2000250879 A JP 2000250879A JP 11055744 A JP11055744 A JP 11055744A JP 5574499 A JP5574499 A JP 5574499A JP 2000250879 A JP2000250879 A JP 2000250879A
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microcomputer
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microcomputers
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JP11055744A
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Takayoshi Honda
隆芳 本多
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数のマイコンからなる通信システムにおい
て、簡便な構成により、送信データの衝突を防止するこ
とを目的とする。 【解決手段】 実施例の車載電子制御装置を構成するメ
インマイコン,第1サブマイコン,第2サブマイコン
は、I/Oバスを介して通信可能に接続され、各マイコ
ンには、通信線が予め対応付けられており、I/Oバス
上でデータ通信が行われておらず、送信したいデータを
有しているときでも、突然データ送信を開始するのでは
なく、データ送信を開始する前に、まず自己に対応付け
られた通信線を介して通信要求を出力しておき、その所
定時間後に、他のマイコンからの通信要求がないことを
確認した上でデータ送信を行う。そのため、異なるマイ
コンから送信されたデータがI/Oバス上で衝突するの
を防止し、正確なデータ送信を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、I/Oバスを介
して互いに通信可能に接続された複数のマイクロコンピ
ュータからなる通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、複数のマイクロコンピュータ
(以下、簡単のため、単に「マイコン」という)間にお
けるデータ通信を図る通信システムとしては様々なもの
が知られており、例えば、2つのマイコン間において、
複数の通信線からなるI/Oバスを介したパラレル通信
によって、シリアル通信よりも高速なデータ通信を可能
としている技術や(例えば特開平7−75767号公
報)、多数の端末装置(マイコン)をバスラインを介し
て接続する技術(例えば特開平1−233939号公
報)がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この様な通信システム
において、複数のマイコンにおいて、自己から他のマイ
コンにデータを送信したい旨の送信要求(以下通信要求
いう)が同時に発生して、各々が独自にデータを送信し
ようとすると、通信ライン上でデータの衝突が起こり、
正確な通信が図られないこととなる。
【0004】そこで、従来より、通信ライン上において
送信権(所謂トークン)を巡回させ、通信ラインに接続
された各マイコンは、送信権が自分に回ってきたときに
のみ送信を行うことができるようにする、所謂トークン
パッシング方式が知られている。
【0005】しかし、このトークンパッシング方式で
は、送信権を巡回させるための処理が別途必要となり制
御が複雑になり、またその為の装置構成が大型化すると
いった問題がある。また、各マイコンは、例えば他の制
御処理との関係で緊急のデータ送信が要求される場合で
あっても、送信権を得るまではデータ送信を開始するこ
とができないため、データ送信と関わりのある他の制御
処理の遅延化を起こす可能性がある。特に、通信ライン
上に接続されるマイコンが多い場合には、送信権を得る
機会が少なくなるので、そうした問題が顕著となる。
【0006】本発明は、こうした課題に鑑みなされたも
のであり、複数のマイコンからなる通信システムにおい
て、簡便な構成により、複数のマイコンから通信要求が
同時に発生した場合の送信データの衝突を防止すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上記課題
を解決するためになされた本発明(請求項1)の通信シ
ステムにおいては、複数のマイクロコンピュータ(マイ
コン)が、複数の通信線からなるI/Oバスを介して互
いに通信可能に接続され、各マイコンには、通信線が予
め対応付けられている。
【0008】そして特に本発明においては、各マイコン
にて、通信要求手段が、当該マイコンに予め対応付けら
れている通信線の電圧レベルを変化させることにより、
他のマイコンに対して、当該マイコンからのデータ送信
を開始したい旨を表す通信要求を出力し、通信要求の出
力後、要求判断手段が、他のマイコンからの通信要求の
有無を判断し、他のマイコンからの通信要求が無いと判
断されたときには、送信手段が、I/Oバスを介して、
他のマイコンへのデータ送信を行う。
【0009】即ち本発明(請求項1)の通信システムに
おいて、I/Oバス上でデータ通信が行われていないと
き、各マイコンは、突然データ送信を開始するのではな
く、データ送信を開始する前に、まず自己にのみ対応付
けられている通信線を介して(即ち、自己に対応付けら
れている通信線の電圧レベルを変化させることによ
り)、通信要求を出力し、その後(例えば、予め設定さ
れた所定時間経過後)、他のマイコンからの通信要求が
あるか否かを判断する。仮に他のマイコンの何れかから
通信要求が出力された場合には、自己に対応付けられて
いる通信線以外の通信線の電圧レベルが変化することか
ら、他のマイコンからの通信要求の有無は、I/Oバス
を構成する複数の通信線の内、自己に対応付けられてい
る通信線以外について、その電圧レベルの変化を監視す
ることにより判断する。そして、他のマイコンからの通
信要求の有無を判断した結果、他のマイコンからの通信
要求がない場合に、データ送信を行う。
【0010】つまり本発明(請求項1)の通信システム
において、各マイコンは、データ送信を開始する前に、
まず通信要求を出力しておき、その後、他のマイコンか
らの通信要求がないことを確認した上でデータ送信を行
う。そのため、本発明(請求項1)の通信システムによ
れば、複数のマイコンで同時に通信要求が発生したとし
ても、異なるマイコンからの送信データがI/Oバス上
で衝突するのを防止し、正確なデータ送信を図ることが
できる。
【0011】また、各マイコンが通信要求を出力するに
当たり、同一の通信線を使用するのでは、他のマイコン
からの通信要求の出力状況を容易には知ることができな
いが、一方、本発明(請求項1)の通信システムでは、
各マイコンは互いに異なる通信線(即ち各マイコンに夫
々対応付けられた互いに異なる通信線)により通信要求
を出力することから、他のマイコンからの通信要求の出
力状況を速やかに把握することができ、他のマイコンか
らの通信要求が無ければ迅速にデータ通信を開始するこ
とができる。なお、予め設定された所定時間とは、当該
通信システムを構成するマイコン全てに共通するもので
あっても良いし、各マイコン毎に異なるものであっても
良い。
【0012】さて、請求項1に記載の通信システムにお
いて、同時に複数のマイコンにて通信要求が発生した場
合でも、通信要求を出した各マイコンは、他のマイコン
からの通信要求が有る限りデータ送信を行わないので、
送信データの衝突が防止されるが、そのままでは、いつ
まで経ってもデータ送信が開始されないこととなる。こ
の膠着状態を解消するには、例えば、「ある一定時間以
上、他の通信要求が共存している場合には、一旦通信要
求の出力を中止する」ように、各マイコンを構成するこ
とが考えられる。しかし、それでは、データ送信が直ぐ
には開始されず、例えば緊急性の高いデータ通信が要求
される場合には不都合が生じる可能性がある。
【0013】そこで、請求項2に記載のように、各マイ
コンに対応付けられた通信線に予め優先順位が設定して
おくと共に、上記要求判断手段を次のように構成すると
よい。即ち、他のマイコンからの通信要求が有る場合に
は、その「他のマイコンからの通信要求が出力された通
信線の優先順位」と「自己が通信要求を出力した通信線
の優先順位」とを比較し、後者の方が低いときには通信
要求手段に通信要求の出力を中止させるよう、要求判断
手段を構成するのである。
【0014】即ち、請求項2に記載の通信システムにお
いては、通信要求を出力したマイコンは、他にも通信要
求を出力したマイコンがある場合、通信線に設定された
優先順位を基準として、自己の通信要求の優先度と他マ
イコンの通信要求の優先度とを比較し、自己の通信要求
の優先度の方が低い場合には、通信要求を取り下げる、
即ち通信要求の出力を中止するのである。そして、相対
的に優先度が高い通信要求のみが勝ち残り、その残った
通信要求を出したマイコンがデータ通信を行うこととな
る。
【0015】したがって、請求項2記載の通信システム
によれば、複数のマイコンからの通信要求が同時に存在
した場合であっても、勝ち残ったマイコンのみがデータ
通信をすることから、複数のマイコンの動作が、通信要
求を出力した状態で固まってしまうという膠着状態を防
止して迅速なデータ送信の開始を担保できる。なお、優
先すべき緊急度の高いデータ送信を行う可能性の高いマ
イコンほど、優先順位の高い通信線を対応付けておく。
これにより、緊急度の高いデータ送信を速やかに実行さ
せることができる。
【0016】また、緊急性が必要とされるデータ送信を
より優先的に行えるようにするには、請求項2に記載の
通信システムにおいて、請求項3に記載の様に構成する
とよい。即ち請求項3に記載の通信システムにおいて
は、当該通信システムを構成する複数のマイコンは、更
に、中断要求線を介して互いに接続され、優先順位の最
も高い通信線が対応付けられた特定のマイコンに設けら
れた中断要求手段が、中断要求線の電圧レベルを変化さ
せることにより、他のマイコンに対して中断要求を出力
し、その特定のマイコン以外のマイコンに設けられた中
断手段が、送信手段によるデータ送信の実行中に中断要
求が入力されると、送信手段にデータ送信を中断させ
る。
【0017】従って、請求項3記載の通信システムによ
れば、特定のマイコン以外のマイコンにおいて、データ
送信が行われていても、特定のマイコンからの中断要求
により、その実行中であったデータ送信は中断されるこ
とから、その後、特定のマイコンに、優先的にデータ送
信を行わせることができる。つまり、特定のマイコン
は、最も優先されるべきデータ送信を行うマイコンであ
るから、請求項3記載の通信システムによれば、最も優
先されるべきデータ送信をより迅速に行うことができる
のである。
【0018】また、緊急性が必要とされるデータ送信を
より優先的に行えるようにするには、請求項2記載の通
信システムにおいて、請求項4に記載のように構成して
もよい。即ち請求項4記載の通信システムにおいては、
各マイコンは、上述と同様の中断要求手段および中断手
段を備えており、記憶手段が、現在データ送信を実行中
の他のマイコンが通信要求を出力した通信線の優先順位
を記憶し、中断要求判断手段が、その記憶手段に記憶さ
れた優先順位と当該マイコンに対応付けられた通信線の
優先順位とを比較して、当該マイコンに対応付けられた
通信線の優先順位の方が高いときには、中断要求手段に
中断要求を出力させる。
【0019】即ち、請求項4記載の通信システムにおい
ては、各マイコンは、データ送信を行おうとするときに
は、記憶手段に記憶された通信線の優先順位と自己に対
応付けられた通信線の優先順位とを比較することによ
り、現在他のマイコンにより行われているデータ送信の
優先度と自己が行おうとするデータ通信の優先度とを比
較する。そして、自己に対応付けられた通信線の優先順
位の方が高い場合(即ち自己が行おうとするデータ通信
の優先度の方が高い場合)には、中断要求を出力して、
現在行われているデータ送信を中断させるのである。
【0020】従って請求項4記載の通信システムによれ
ば、何れかのマイコンにおいてデータ送信が行われてい
る場合であっても、より緊急度が高いデータの送信を行
おうとするマイコンは、現在実行中のデータ送信を中断
させることが可能となり、自己によるデータ通信を行う
ことができる。その結果、緊急度の高いデータの送信ほ
ど、より迅速に、そして優先的に行わせることができる
のである。
【0021】なお、請求項3、4記載の通信システムに
おいて、データ送信の中断は、中断要求発生の後、直ち
に行うようにしてもよいが、送信データが所定量のまと
まった単位で意味を為すものである場合、その単位のデ
ータの送信途中で中断されるとそれまでに送信された部
分が無駄となる可能性もある。そのため、データ送信の
中断は、中断要求発生の後必ずしも直ちに行うべきもの
ではなく、その所定単位のデータの送信を終えてから行
うようにしても良い。
【0022】また、請求項2〜4記載の通信システムに
おいて、各マイコンに対応付けられる通信線の数は1つ
に限られず、夫々複数の通信線を対応付けるようにして
もよい。即ち各マイコンに対応付ける通信線を1つずつ
とした場合には、通信線に設定された優先順位によって
一意的にマイコンも序列化されてしまう。しかし、送信
しようとするデータの重要度・緊急度等により、第1の
マイコンのデータ送信が優先されるべき場合があると共
に、第2のマイコンのデータ送信が優先されるべき場合
もあると考えられる。
【0023】そこで、例えば、第1のマイコンには、優
先順位が第1位の通信線および第3位の通信線を対応付
け、第2マイコンには優先順位が第2位の通信線および
第4位の通信線を対応付けるようにすると良い。こうす
れば、個々のデータ送信の重要度・緊急度によって、第
1のマイコンのデータ送信を優先させることができる
し、第2のマイコンのデータ送信を優先させることもで
きる。即ち、第1のマイコンが送信しようとするデータ
が緊急を要するものではなく、第3位の通信線により通
信要求を出力する一方で、第2のマイコンは、送信しよ
うとするデータが緊急なものである場合には、第2位の
通信線により通信要求を出力することにより、第1のマ
イコンよりも優先的にデータ送信を行うことが可能とな
る。
【0024】さて上記課題は、請求項5記載の通信シス
テムによっても解決することができる。即ち、請求項5
記載の通信システムにおいては、複数のマイクロコンピ
ュータ(マイコン)が、複数の通信線からなるI/Oバ
スを介して互いに通信可能に接続され、各マイコンに
は、通信要求用の通信線および通信許可用の通信線が予
め対応付けられている。
【0025】そして、特に本発明においては、各マイコ
ンに設けられた通信要求手段が、I/Oバスを構成する
複数の通信線の内、当該マイコンに予め対応付けられた
通信要求用の通信線の電圧レベルを変化させることによ
り、他のマイコンに対して、当該マイコンからのデータ
送信を開始したい旨を表す通信要求を出力する。そして
当該通信システムを構成する複数のマイコンの内の何れ
か特定の1つに設けられた通信許可手段が、複数のマイ
コンの内の何れかから通信要求が出力されると、その
後、その他のマイコンからの通信要求の有無を判断し、
その他のマイコンからの通信要求が無いとき、通信要求
を出力したマイコンに予め対応付けられた通信許可用の
通信線の電圧レベルを変化させることにより、通信要求
を出力したマイコンに通信許可を与える。そして、この
通信許可手段により当該マイコンに通信許可が与えられ
ると、各マイコンに設けられた送信手段が、I/Oバス
を介して、他のマイコンへのデータ送信を行う。
【0026】即ち請求項5の通信システムにおいては、
データ通信が行われていないとき、各マイコンは、突然
データ送信を開始するのではなく、データ送信を開始す
る前に、まず自己にのみ対応付けられている通信線を介
して(即ち、自己に対応付けられている通信線の電圧レ
ベルを変化させることにより)、通信要求を出力する。
一方、特定のマイコンは、複数のマイコンの内の何れか
から通信要求が出力されると、その後、その他のマイコ
ンからの通信要求の有無を判断し、その他のマイコンか
らの通信要求が無いとき、複数の通信線の内、通信要求
を出力したマイコンに予め対応付けられた通信許可用の
通信線の電圧レベルを変化させることにより、通信要求
を出力したマイコンに通信許可を与える。そして、通信
許可を与えられたマイコンは、データ送信を行う。
【0027】つまり請求項5の通信システムにおいて、
各マイコンは、データ送信を開始する前に、まず通信要
求を出力しておき、その後、他のマイコンからの通信要
求がないことが特定のマイコンにより確認され、通信許
可が得られた上でデータ送信を行う。
【0028】そのため、請求項5の通信システムによれ
ば、複数のマイコンから送信されたデータがI/Oバス
上で衝突するのを防止し、正確なデータ送信を図ること
ができる。また、各マイコンが通信要求を出力するに当
たり、同一の通信線を使用すると、どのマイコンからの
通信要求が出力されたのかを知ることが困難となる可能
性があるが、本発明(請求項5)の通信システムでは、
各マイコンは互いに異なる通信線(即ち各マイコンに夫
々対応付けられた互いに異なる通信線)を介して通信要
求を出力する。そのため、特定のマイコンは、各マイコ
ンからの通信要求の出力状況を速やかに把握することが
でき、通信要求を出力したマイコンに対して通信許可を
迅速に与えることが可能となり、延いては、データ送信
の迅速な開始を図ることができる。
【0029】さて、請求項5に記載の通信システムによ
れば、同時に複数のマイコンにて通信要求が発生した場
合、通信要求を出した各マイコンは、他のマイコンから
の通信要求が有る限り通信許可が与えられず、データ通
信を行わないので、データの衝突を避けることができる
が、いつまで経ってもデータ送信が開始されないことと
なる。この膠着状態を解消するには、例えば、「ある一
定時間以上、通信許可が与えられない場合は、一旦通信
要求の出力を中止する」ように、各マイコンを構成する
ことも考えられる。しかし、それでは、例えば緊急性の
高いデータ通信が要求される場合には不都合が生じる可
能性がある。
【0030】そこで、請求項5に記載の通信システムに
おいて、請求項6に記載の様に、通信許可手段を、判断
の結果に応じて、その他のマイコンからの通信要求が有
るとき(即ち、通信システム全体でみれば、複数のマイ
コンからの通信要求があるとき)、通信要求を出力した
複数のマイコンの内の何れか1つに通信許可を与えるよ
う構成するとよい。
【0031】この様に構成された請求項6記載の通信シ
ステムによれば、複数のマイコンが通信要求を出した場
合であっても、そのうちの何れか一つのみに通信許可が
与えられることから、各マイコンの動作が固まり、いつ
まで経ってもデータ送信が開始されないという膠着状態
を防止して、迅速なデータ送信の開始を担保できる。
【0032】ここで、各マイコンは、自己以外の他のマ
イコンがデータ送信を行っているときに、通信要求を出
力すると、その現在行われているデータ送信を妨害する
こととなってしまうことから、通信要求を出力する前に
は、予め、現在I/Oバスを介したデータ送信が行われ
ているかどうかを確認することが必要とされる。この確
認を行うためには、I/Oバスを構成する複数の通信線
の電圧レベルが所定の伝送サイクルで変化しているか否
かを、一定期間監視して判断することが考えられる。し
かし、送信データとして「0」や「1」が連続すること
も考えられ、そうした場合には通信線の電圧レベルは変
化しないので、データ送信中であるにも拘わらず、通信
要求が誤って出力されることも考えられる。
【0033】そこで、請求項1〜6何れか記載の通信シ
ステムにおいて、請求項7に記載の様に通信システムを
構成するとよい。即ち、請求項7記載の通信システムに
おいては、当該通信システムを構成する複数のマイコン
が、更に、何れかのマイコンにてデータ送信が実行中で
あることを示すための要求禁止線を介して互いに接続さ
れ、各マイコンにおいては、保持手段が、送信手段によ
るデータ送信の実行中、要求禁止線を、予め設定された
所定電圧レベルに保持し、禁止手段が、要求禁止線の電
圧レベルを検出して、要求禁止線が所定電圧レベルにあ
るときには、通信要求手段による通信要求の出力を禁止
する。
【0034】この様に構成された請求項7に記載の通信
システムによれば、何れかのマイコンによりデータ送信
が行われているときは、要求禁止線が所定の電圧レベル
に保持され、その間、他のマイコンは、通信要求の出力
が禁止されることから、その現在行われているデータ送
信が妨害されるのを防ぐことができる。また、現在I/
Oバスを介したデータ送信が行われているかどうかを確
認するために、I/Oバスを構成する複数の通信線の状
態を1本1本監視する必要がなく、要求禁止線だけを監
視すればよいので、その確認に要する負担が軽いものと
なり好ましい。
【0035】ここで請求項7に記載の通信システムの如
く、要求禁止線の電圧レベルにより、現在I/Oバスを
介したデータ送信が行われているかどうかの確認を行っ
て通信要求の出力の可否を判断するようにした場合、デ
ータ送信中だけ要求禁止線を予め設定された所定電圧レ
ベルに保持する構成では、次の様な不都合が生じる可能
性がある。即ち、その様な構成では、何れか一つのマイ
コンが通信要求出力しても、その後データ送信を開始す
る前までは要求禁止線は所定の電圧レベルとされないこ
ととなる。そのため、通信要求の出力後であってもデー
タ送信が開始されるまでは、他のマイコンにより通信要
求出力可と判断されて、次々に通信要求が出力される可
能性がある。その結果、通信要求の数が増えることによ
り、データ送信を開始するマイコンの決定が遅れ、延い
てはデータの送信が遅延する可能性がある。
【0036】そこで、請求項8記載の様に、保持手段
を、通信要求手段が通信要求を出力すると、要求禁止線
を所定電圧レベルに保持するよう構成すると更に好まし
い。この様に構成された請求項8記載の通信システムに
よれば、通信要求が出力された後、要求禁止線が所定の
電圧レベルに保持され、他のマイコンからの通信要求の
出力が禁止されることから、他のマイコンから次々に通
信要求が出力されるのを制限することができ、これによ
りデータ送信の遅延を防止することができる。
【0037】なお、請求項9記載の様に、各マイコンに
は、送信手段により連続して送信可能なデータ量を制限
する制限手段を設けると良い。この様にすれば、一つの
マイコンのデータ送信のために、I/Oバスが長期間独
占的に使用されるのを防止できる。そして、より多くの
マイコンに通信要求出力の機会、即ちデータ送信の機会
を与えることができることとなり、緊急性の高いデータ
送信を優先的に行わせることができるので好ましい。
【0038】
【発明の実施の形態】以下に、まず本発明の第1実施例
を図面と共に説明する。図1は、本発明の通信システム
が適用された一実施例(第1実施例)としての車載電子
制御装置1(ECU)の構成を示す説明図である。本実
施例の車載電子制御装置1は、互いに通信可能な複数の
マイクロコンピュータ(マイコン)を内蔵し、各種のエ
ンジン制御を行うものである。
【0039】車載電子制御装置1は、燃料噴射制御や点
火時期制御等の主要なエンジン制御を司り、車載電子制
御装置1の中で中心的役割を果たすメインマイコン1
0、エンジンの運転状態の検出やノック判定等を行いメ
インマイコン10の補助的役割を果たす第1サブマイコ
ン20、メインマイコン10の制御下でトランスミッシ
ョン制御等を司る第2サブマイコン30などの複数のマ
イコンが、送信データ伝送用のI/Oバスを含むバスラ
イン40を介して接続されて構成されている。バスライ
ン40には、所定電圧(Vcc)をバスライン40の各
通信線に供給するプルアップ回路40aが接続されてい
る。尚、メインマイコン10、第1サブマイコン20お
よび第2サブマイコン30が請求項の「通信システム」
を構成している。
【0040】メインマイコン10は、図2に示す様に、
上記エンジン制御を行うための各種演算処理を行うCP
U11と、CPU11による演算のために、その演算結
果や他のマイコンからの受信データが格納されるRAM
12、CPU11が行う各種演算処理を行うためのプロ
グラムや制御データが予め格納されたROM13、当該
マイコンと他のマイコンとの間において、バスライン4
0を介したDMA(ダイレクトメモリアクセス)通信に
よりデータ通信を行うDMAコントローラ(DMAC)
14、DMAC14によるデータ通信のために送信デー
タが一時的に格納されるDMA用RAM15、インジェ
クタやイグナイタ等の所定の制御対象に対して制御情報
を出力するためのI/Oポート16等を有し、それらが
互いに接続されて構成されている。
【0041】一方、第1サブマイコン20は、エンジン
状態の検出やノック判定を行うための各種演算処理を行
うCPU21、CPU21による演算結果や他のマイコ
ンからの受信データが格納されるRAM22、CPU2
1が行う各種演算処理を行うためのプログラムや制御デ
ータが予め格納されたROM23、当該マイコンと他の
マイコンとの間において、バスライン40を介したDM
A通信によりデータ通信を行うDMAC24、DMAC
24によるデータ通信のために送信データが一時的に格
納されるDMA用RAM25、スタータスイッチ(スタ
ータ(SW)やイグニションスイッチ(IGSW)等か
らスイッチ信号が入力されるI/Oポート26、水温セ
ンサや吸気温センサ等のエンジンに設けられた各種セン
サからのアナログ信号をディジタル信号に変換するA/
D変換器(A/D)27等を有し、それらが互いに接続
されて構成されている。なお、第1サブマイコン20に
は、上記各種センサからの出力信号を時分割により選択
的に切り換えてA/D変換器27に入力し、A/D変換
器27に順次A/D変換させるマルチプレクサ28が設
けられている。
【0042】なお、第2サブマイコン30にも、当該マ
イコンと他のマイコンとの間において、バスライン40
を介したDMA通信によりデータ通信を行うDMAC3
4が設けられている他、CPU31、RAM32、RO
M33、図示しないDMA用RAM、I/Oポート等が
設けられており、これらが動作することにより、他のマ
イコンとのデータ通信が行われたりトランスミッション
制御が行われたりする。
【0043】さて、図2に示す様に、各マイコン10,
20,30間におけるデータ通信は、各DMAC14,
24,34間においてバスライン40を介して行われ
る。このバスライン40は、図2に示す様に、複数の通
信線D0〜D7,SEL1,SEL2,CLKから構成
されており、各通信線には、夫々プルアップ抵抗Rpが
接続され、そのプルアップ抵抗Rpを介して電源Vcc
から一定の電圧(Vcc)を供給されている。
【0044】そして図3に示す様に、各DMAC14,
24,34は、各通信線D0〜D7,SEL1,SEL
2,CLKの状態(電圧レベル)を読み取る入力コント
ローラ14a、24a,34aと、各通信線D0〜D
7,SEL1,SEL2,CLKの電圧レベルを変化さ
せる出力コントローラ14b,24b,34bとを備え
ている。出力コントローラ14b,24b,34bは、
各通信線D0〜D7,SEL1,SEL2,CLKの夫
々に対応する複数のトランジスタをオン或いはオフする
ことにより、各通信線D0〜D7,SEL1,SEL
2,CLKの電圧レベルをHigh或いはLow の何れかに設
定でき、またその何れかに変化させることができる。
【0045】即ち、図4(a)に示す様に、各マイコン
10(20,30)において、通信線D0〜D7,SE
L1,SEL2,CLKと出力コントローラ14b(2
4b,34b)との間には、トランジスタTrD0〜T
rD7,TrSEL1,TrSEL2,TrCLKが設
けられている。尚、図4(a)においては、メインマイ
コン10について図示しているが、第1サブマイコン2
0、第2サブマイコン30についても同様である。
【0046】これらトランジスタTrD0〜TrD7,
TrSEL1,TrSEL2,TrCLKはそれぞれN
−MOS−FETとして構成されている。そして、各ト
ランジスタTrD0〜TrD7,TrSEL1,TrS
EL2,TrCLKのドレインには、各通信線D0〜D
7,SEL1,SEL2,CLKが接続されている。そ
して各トランジスタTrD0〜TrD7,TrSEL
1,TrSEL2,TrCLKのゲートは出力コントロ
ーラ14b,24b,34bに接続され、またソースは
接地されている。出力コントローラ14b,24b,3
4bは、ゲートに加える電圧を変化させることにより、
各トランジスタTrD0〜TrD7,TrSEL1,T
rSEL2,TrCLKをオン・オフさせることができ
る。
【0047】以上の様にな構成により、各通信線D0〜
D7,SEL1,SEL2,CLKは、夫々に対応する
トランジスタTrD0〜TrD7,TrSEL1,Tr
SEL2,TrCLKのオン・オフ状態により、その電
圧状態が決定される。例えば通信線D0は、各マイコン
10,20,30においてトランジスタTrD0のドレ
インに接続されているため、図4(b)に示す様に、各
マイコン10,20,30の何れかのトランジスタTr
D0がオンされると、通信線D0の電圧はLow(L)レ
ベル(即ちGND)となり、トランジスタTrD0の全
てがオフされているときにはHigh(H)レベル(即ちV
cc)となる。
【0048】従って、バスライン40を介し接続された
各マイコン10,20,30は、バスライン40を構成
する通信線D0〜D7,SEL1,SEL2,CLKの
状態(即ち電圧レベル)を変化させることにより、他の
マイコンに対して情報を伝送することが可能となってい
る。
【0049】通信線D0〜D7は、通信要求の出力や本
来の目的であるデータ転送の為に使用され、通信線SE
L1は各マイコンが他のマイコンの通信要求出力を禁止
する為に使用され、通信線SEL2は他のマイコンがデ
ータ送信を行っている最中に自己(自マイコン)のデー
タ送信を割り込ませるべく中断要求を出力するために使
用され、通信線CLKは、伝送サイクルを示す同期信号
を送る為に使用される。即ち、通信線D0〜D7が「I
/Oバスを構成する複数の通信線」に相当し、通信線S
EL1が請求項の「要求禁止線」に相当し、通信線SE
L2が請求項の「中断要求線」に相当する。
【0050】尚、メインマイコン10と、第1サブマイ
コン20および第2サブマイコン30との間には、メイ
ンマイコン10から両サブマイコン20,30に対して
リセット信号を出力できるよう制御線RESET が設けられ
ている。後述する様に、複数のマイコンが同時に通信要
求を出力した場合には、何れか1つのマイコンのみがデ
ータ送信を行うよう構成されているが、何らかのエラー
により、複数のマイコンが一定時間以上通信要求を出力
し続けることも考えられる。この制御線RESETは、そう
した場合に、メインマイコン10が、その通信要求を出
し続けているマイコンにリセットをかけるためのもので
ある。
【0051】次に、上のように構成された第1実施例の
車載電子制御装置1の各マイコン10、20、30にお
いて、他のマイコンとの通信を図るために実行される処
理について、図5〜図9に基づいて説明する。なお、第
1実施例では、メインマイコン10は通信線D0に、第
1サブマイコン20は通信線D1に、第2サブマイコン
30は通信線D2に対応付けられている。
【0052】まず、図5は、車載電子制御装置1が起動
されると開始される通信制御処理を示すフローチャート
である。なお、車載電子制御装置1の起動時や、各マイ
コン10,20,30間にて通信が行われていないとき
には、トランジスタTrD0〜TrD7,TrSEL
1,TrSEL2,TrCLKはオフされており、各通
信線D0〜D7,SEL1,SEL2,CLKはHighと
なっている。
【0053】この通信制御処理が起動されると、まず、
ステップ2(以下「ステップ」を「S」と記す)におい
て、自己に対応付けられた通信線の番号を、通信線番号
Dnとして読み込む。「自己に対応付けられた通信線の
番号」は、各マイコン10,20,30毎に異なる値が
予めROM13,23,33に格納されている。各マイ
コン10,20,30は、この通信線番号Dnにより、
自己に通信線D0〜D7の内の何れが対応づけられてい
るか判断する。例えば、自己が通信線D0に対応づけら
れている場合には、通信線番号Dnには「D0」が格納
される。
【0054】S2の処理の後、S4において、入力コン
トローラ14a,24a,34aにより、通信線SEL
1の状態を読み取り、通信線SEL1がLow であるか否
かを判断する。S4において通信線SEL1がLow であ
ることは、他マイコンがデータ送信を行いたい旨の意思
表示(通信要求)を出していることを意味している。こ
こで通信線SEL1がLow である場合(S4:YES)
には、S26に移行し、後述する受信制御処理(図7)
を行う。
【0055】一方、通信線SEL1がLow でない場合
(S4:NO)、即ち通信線SEL1がHighである場合
には、S6に進み、自らが送信すべきデータを現在持っ
ているか否か、即ち、データ送信を行うことが必要か否
かを判断する。ここで、データ送信が必要でない場合
(S6:NO)には、S4に戻る。
【0056】その一方、データ送信が必要である場合
(S6:YES)には、S8に進み、自己に対応づけら
れた通信線をLow とすべく、通信線番号Dnに応じて、
出力コントローラ14b,24b,34bを制御してト
ランジスタTrDnをオンさせる。例えば、自己が通信
線D0に対応づけられている場合には、通信線番号Dn
には「D0」が格納されており、トランジスタTrD0
をオンすることとなる。このS8の処理により、通信要
求が他のマイコンに対して示される。
【0057】S8の後、予め定められた所定時間が経過
するのを待ち(S10)、その所定時間経過後、S12
にてトランジスタTrSEL1をオンすることにより、
通信線SEL1をLow とする。S12に続いて、S14
においては、自己に対応づけられた通信線(即ちS8に
おいてLow とした通信線)よりも上位(即ち優先順位が
高い)の通信線が、Low となっているか否かを判断す
る。ここで、上位の通信線の何れもLow でない場合或い
は上位の通信線が存在しない場合(S14:NO)には
S16に移行し、上位の通信線の何れかがLow である場
合(S14:YES)にはS22に移行する。本実施例
では、通信線D0〜D7の間で予め優先順位が設定さ
れ、番号の小さい通信線D0の優先順位が最も高く、通
信線D7の優先順位が最も低い。そのため、例えば、通
信線番号Dnが「D0」である場合には、自己に対応付
けられた通信線は最上位であり、そのためS14におい
て常にNOと判断される。また、通信線番号Dnが「D
2」である場合には、それよりも上位の通信線として通
信線D0、D1が存在するので、これらの通信線D0、
D1がLow であるか否かを判断(S14)し、その内の
何れもLow でない場合(NO)にはS16に移行し、何
れかがLow である場合(YES)にはS22に移行す
る。
【0058】S22に移行すると、トランジスタTrD
nをオフして、自己に対応付けられている通信線をHigh
にする(S22)と共に、トランジスタTrSEL1を
オフする(S24)。つまり、他のマイコンが、上位の
通信線で通信要求を出力していた場合には、上述の如く
S14にてYESと判断して、S22,S24にて自己
の通信要求を取り下げるのである。そして、S24の
後、後述する受信制御処理(図7)に移行する(S2
6)。尚、その後、受信制御処理が終了すると、S4に
戻り、通信線SEL1がLow か否かの判断が再び行われ
る。
【0059】一方、S16では、通信線D0〜D7にお
いて、自己に対応付けられた通信線以外の他の通信線が
すべてHighであるか否かを判断し、何れかの通信線がHi
ghでない(S16:NO)間、当該判断を繰り返し行
う。即ち、S16では、他のマイコンが通信要求を出し
ていたとしても、それが取り下げられるまで待機するの
である。そして、他の通信線がすべてHighであると判断
されると(S16:YES)、S18に移行する。
【0060】S18では、トランジスタTrSEL2が
オフ状態とする。トランジスタTrSEL2は、後述す
る様に、自己に対応付けられた通信線よりも下位の通信
線により通信要求を出して、他マイコンがデータ送信を
行っている場合に、自己のデータ送信を割り込ませるた
めに、中断要求を出力するためにオンされるものであ
る。このS18の後、送信制御処理(図6)を行う(S
20)。なお、送信制御処理の終了後は、S4に戻る。
【0061】なお、通信制御処理において、S4の処理
は請求項の「禁止手段」として機能し、S8の処理は請
求項の「通信要求手段」として機能し、S12の処理は
請求項の保持手段として機能し、S14の処理は請求項
の要求判断処理として機能するものである。そして、S
22の処理は、要求判断手段の判断結果に応じて、通信
要求の出力を中止する請求項の通信要求手段として機能
するものである。
【0062】ところで、送信制御処理により、各マイコ
ン10,20,30からは、図9(a)に示す様に、下
記の各種送信制御情報を格納する制御部と送信したい通
信内容を格納するデータ部とからなるフォーマットの送
信データが「一単位」として出力される。即ち制御部に
は、順に、送信データの送信先のマイコンを指定するマ
イコン名情報、通信内容を用いて行うべき制御処理を指
定するコマンド情報、通信内容のデータ量を示すデータ
量情報、通信内容の格納に使用する際の、RAM12,
22,32の先頭アドレスを指定する先頭アドレス情報
が格納され、これら各情報の格納の為に夫々所定ビット
数(本実施例では4ビット)ずつが割り当てられてい
る。そして通信内容は、これら送信制御情報に続いて伝
送される。
【0063】なお、送信元のマイコンは1つだけである
が、送信先のマイコンは1つに限られない。例えば図9
(a)に示す様にマイコン名情報には、送信先のマイコ
ンをメインマイコン10と指定するには「0001」、
第1サブマイコン20と指定するには、「0010」、
第2サブマイコン30と指定するには「0100」が格
納される。そして、送信先としてメインマイコン10お
よび第1サブマイコン20を指定する場合には「001
1(=0001+0010)」が格納される。
【0064】さて図6に示す様に、送信制御処理が起動
されると、まずS28にて、伝送しようとする送信デー
タの最初の8ビットを通信線D0〜D7にセットすると
共に、S30にて、トランジスタTrCLKをオンして
通信線CLKをLow に立下げる。
【0065】すなわち送信データの伝送には通信線D0
〜D7が使用され、電圧状態をLowとすれば「0」がセ
ットされ、Highとすれば「1」がセットされる。また、
8ビットの送信データの内、MSB(最上位ビット)が
通信線D7にセットされ、LSB(最下位ビット)が通
信線D0にセットされる。したがって、送信データの最
初の8ビットが「0(MSB) ,0,0,1,1,0,1,
1(LSB) 」である場合には、通信線D7〜D0の状態は
順に「L,L,L,H,H,L,H,H」となる。そし
て、通信線CLKを介して、伝送サイクルを示す同期信
号を送られ、その立ち下がり(S30)と同時に通信線
D0〜D7に送信データがセットされる(S28)。
【0066】S30にてトランジスタTrCLKをオン
した後、S32にて予め定められた所定時間待機(WA
IT)し、S34にてトランジスタTrCLKをオフす
ることにより、通信線CLKをHighに立ち上げる。この
トランジスタTrCLKのオフにより、後述する様に、
送信データの読み取りタイミングを他マイコンに対して
示している。S34の後、S36にて、予め定められた
所定時間待機(WAIT)する。この様にしてS28〜
S36を実行することによりデータ送信が行われるが、
S38では、このデータ送信を中断可能かどうかを判断
する。この判断は、上記フォーマットを一単位とする送
信データの送信が終了したか否かを判断することにより
行われる。その一単位を伝送し終わっていないときに
は、データ送信を中断することはできないと判断し(S
38:NO)、伝送し終わったときにはデータ送信を中
断可能と判断する(S38:YES)。
【0067】さて、データ送信を中断可能でないと判断
した場合(S38:NO)、送信を継続すべくS28に
戻り、次の8ビットを通信線D0〜D7にセットする。
この様にして、上記の一単位の送信データの出力が終了
するまで、S28〜S38のデータ送信が行われる。
【0068】即ち、図9(b),(c)に示す様に、例
えば通信内容が16ビットであり、そのため一単位の送
信データが32ビットである場合には、まず「マイコン
名情報およびコマンド情報」が伝送され()、次に
「データ量情報および先頭アドレス情報」が伝送され
()、その後通信内容が8ビットずつに分けて伝送さ
れることとなる(、)。
【0069】さて、図6のS38の説明に戻る。データ
送信を中断可能と判断した場合(S38:YES)に
は、S40に移行して、通信線SEL2がLow であるか
否かを判断する。後述する様に、所定の条件を満たす他
のマイコンは、データ送信中のマイコンがあっても、そ
のデータ送信を中断させる旨の中断要求を出すことがで
きる。そして、その通信要求は通信線SEL2をLow と
することにより行われる。
【0070】ここで、通信線SEL2がLow でないと判
断した場合(S40:NO)には、S42に移行する。
S42では、送信すべきデータが更にあるかどうかを判
断する。そして、送信すべき送信データがあれば(S4
2:YES)、S28に戻ってデータ送信を続行する。
一方、送信すべき次のデータがなければ(S42:N
O)、トランジスタTrD0〜TrD7,TrSEL1
をオフする(S44)ことにより、通信線D0〜D7,
SEL1をHighとした後、通信制御処理(図5)に戻
る。なお、通信線SEL1をHighにすることで、当該マ
イコンによるデータ送信が一旦終了されたことが、他の
マイコンに通知される。なお、本実施例では、S42に
おいて、送信したいデータがあっても、その送信先のマ
イコンが変わるときには、「無い(S42:NO)」と
判断する。即ち、S42では、「同じマイコンに対して
送信したいデータがまだあるか?」を判断する。
【0071】一方、S40において、通信線SEL2が
Low であると判断した場合(S40:YES)にはS4
6に移行する。S46では、トランジスタTrD0〜T
rD7,TrSEL1をオフする。これにより、通信線
D0〜D7,SEL1がHighとされる。そして、S48
にて、他のマイコンにより通信線SEL1がLow とされ
るまで待機し(S48:YES)、通信線SEL1がLo
w であると判断されると(S48:NO)、受信制御処
理(図7)に実行した後(S50)、通信制御処理(図
5)に戻る。
【0072】なお、S28〜S36の処理は請求項の
「送信手段」として機能し、S40の処理は請求項の
「中断手段」として機能するものである。次に図7と共
に、受信制御処理について説明する。受信制御処理が起
動されると、まずS52にて、通信線D0〜D7の内、
どの通信線がLow であるか、即ちどの通信線がLow され
ることにより通信要求が出されているかを記憶する。そ
して、S54にて、通信線CLKがLow からHighに立ち
上がる「立ち上がりエッジ」が発生するまで待機し(S
54:NO)、立ち上がりエッジが発生すると(S5
4:YES)、S56にて通信線D0〜D7の電圧レベ
ルを、入力コントローラ14a、24a、34aにより
読み取る。
【0073】送信データは、上述の様なフォーマット構
成となっているため、まず、S60にてマイコン名情報
を解読して送信先のマイコンが自己であるか否かを判断
し、自己でないと判断した場合には(S60:NO)、
後続の送信データの読み取りを行わず、S62に移行す
る。
【0074】S62では、まず通信線SEL1がHighで
あるか否かを判断することにより、他マイコンによるデ
ータ送信が終了したかどうかを判断する。通信線SEL
1がHighである場合(S62:YES)には、他のマイ
コンによるデータ送信がは終了したと判断して、受信制
御処理を一旦終了するが、通信線SEL1がLow である
場合には(S62:NO)、S64に移行する。
【0075】S64では、『自己がデータ送信を行うこ
とが必要か否か』を判断すると共に、『現在行われてい
る他マイコンによるデータ送信に割込可能か否か』を判
断する。この『現在行われている他マイコンによるデー
タ送信に割込可能か否か』は、S52にて、通信線D0
〜D7の内、どの通信線がLow されることにより通信要
求が出されたかを記憶しているので、その通信線の優先
順位と自己に対応付けられている通信線(即ち、通信線
番号Dnの通信線)の優先順位とを比較することにより
行われる。即ち、自己に対応付けられている通信線の優
先順位の方が高い場合には『割込可能』と判断し、そう
でない場合には『割込不可能』と判断する。
【0076】このS64において、『データ送信を行う
ことが必要』であり、かつ『データ送信に割込可能』で
ある場合には(S64:YES)、S66に移行する
が、それ以外の場合(『データ送信を行うことが必要』
でないか、或いは『データ送信に割込可能』でない場
合)には、S62に戻り、再び上記判断処理を行う。
【0077】S66では、トランジスタTrSEL2を
オンして通信線SEL2をLow とする。これにより、現
在データ送信を行っている他マイコンには、そのデータ
送信を中断すべき旨の中断要求が通知される。そして、
S68では、通信線SEL1がHighであるか否かを判断
することにより、他マイコンによるデータ送信が中断或
いは終了されるのを待つ。即ち、通信線SEL1がLow
である間は(S68:NO)、S68の判断を繰り返し
行い、通信線SEL1がHighになると(S68:YE
S)、受信制御処理を一旦終了する。
【0078】さて、S60にて、送信先のマイコンが自
己であると判断した場合には(S60:YES)、S7
0に移行して、コマンド情報を解読し、S72にて、通
信線CLKにて立ち上がりエッジが発生するまで待機す
る(S72:NO)。そして、立ち上がりエッジが発生
すると(S72:YES)、S74にて通信線D0〜D
7の電圧レベルを、入力コントローラ14a、24a、
34aにより読み取り、S76にて「データ量情報」お
よび「先頭アドレス情報」が解読される。即ち、S76
においては、送信データの次の8ビットに格納される
「データ量情報」および「先頭アドレス情報」が読み取
られる。そして、S76に続くS78により、図8に示
すデータ取込処理が起動される。
【0079】このデータ取込処理が起動されると、図8
に示す様に、まず、S88にて、通信線CLKにて立ち
上がりエッジが発生したか否かを判断する。通信線CL
Kにて立ち上がりエッジが発生していない場合(S8
8:NO)には、S94に移行して、『自己がデータ送
信を行うことが必要か否か』を判断すると共に、『現在
行われている他マイコンによるデータ送信に割込可能か
否か』を判断する。この判断については、上記S64と
同じであるので、説明を省略する。
【0080】S94において、『データ送信を行うこと
が必要』であり、かつ『データ送信に割込可能』である
と判断した場合には(S94:YES)、S96に移行
し、トランジスタTrSEL2をオン状態とすることに
より通信線SEL2をLow として、S88に戻る。また
S94において、『データ送信を行うことが必要』でな
いか、或いは『データ送信に割込可能』でないと判断し
た場合(S94:NO)には、直接S88に戻る。
【0081】一方、S88において、通信線CLKの立
ち上がりエッジが発生したと判断した場合(S88:Y
ES)には、S90にて通信線D0〜D7の電圧レベル
を、入力コントローラ14a、24a、34aにより読
み取り、RAM12,22,32内の所定アドレスに格
納する。そして、S92においては、データ量情報で指
示された量の通信内容の取込を終了したか否かを判断
し、所定量の通信内容の取込を終了した場合には(S9
2:YES)、当該データ取込処理を終了して受信制御
処理(図7)に戻るが、所定量の通信内容の取込を終了
していない場合(S92:NO)には、S94に移行す
る。
【0082】つまり、データ取込処理においては、所定
量の通信内容の取込を終了するまでは、通信線CLKに
て立ち上がりエッジに同期して、その取込を行いつつ、
所定の場合(S94:YES)には、現在データ送信を
行っている他マイコンに、そのデータ送信を中断すべき
旨の中断要求が通知される(S96)。
【0083】さて、図7に戻り、受信制御処理の説明を
続ける。S78のデータ取込処理が終了すると、続くS
80では、通信線SEL1がHighであるか否かを判断す
ることにより、他マイコンによるデータ送信が終了され
たかどうかを判断する。通信線SEL1がHighである場
合(S80:YES)には、他マイコンによるデータ送
信が終了したと判断して、受信制御処理を一旦終了する
が、通信線SEL1がLow である場合には(S80:N
O)、他マイコンによるデータ送信が続行すると判断し
て、S82に移行する。
【0084】S82では、『自己がデータ送信を行うこ
とが必要か否か』を判断すると共に、『現在行われてい
る他マイコンによるデータ送信に割込可能か否か』を判
断する。この判断については、上記S64と同じである
ので、詳しい説明を省略する。このS82において、
『データ送信を行うことが必要』であり、かつ『データ
送信に割込可能』であると判断した場合には(S82:
YES)、S84に移行し、トランジスタTrSEL2
をオンして通信線SEL2をLow とした後、S54に戻
る。またS82において、『データ送信を行うことが必
要』でないか、或いは『データ送信に割込可能』でない
と判断した場合(S82:NO)には、直接S54に戻
る。S54に戻ると、他マイコンにより続行されるデー
タ送信による送信データの読み取りが行われることとな
る。
【0085】なお、S66,S84およびS96の処理
は夫々請求項の「中断要求手段」として機能する。以上
の様に実行される制御処理により、第1実施例の車載電
子制御装置1の各マイコン10,20,30間で行われ
る通信の具体例を図10〜12と共に説明する。
【0086】図10のタイムチャートは、第1サブマイ
コン20のみから通信要求が出力された場合を一例とし
て示している。まず、第1サブマイコン20が通信要求
を出力する前、即ち、何れのマイコン10,20,30
からも通信要求が出力されていない状態(通信要求待ち
状態)では、各マイコン10,20,30の各トランジ
スタTrD0〜TrD7,TrSEL1,TrSEL
2,TrCLKは全てオフ状態であり、通信線D0〜D
7,SEL1,SEL2,CLKは全て、Highとなって
いる。
【0087】通信要求待ち状態において、第1サブマイ
コン20のみが、送信したい送信データを有している場
合、第1サブマイコン20は、まず通信線SEL1がHi
ghであると判断した後、トランジスタTrD1をオンし
て、自己に対応付けられている通信線D1をLow として
通信要求を出力する(t1)。その後、第1サブマイコン
20は、所定時間経過後にトランジスタTrSEL1を
オンすることで、通信線SEL1をLow として(t2)、
他マイコンからの通信要求の出力状況を判断する。この
例では、通信要求を出力しているのは、第1サブマイコ
ン20のみであるので、。その為、第1サブマイコン2
0は、「通信線D1よりも上位の通信線D0がHighであ
る」という判断、および「通信線D0〜D7の内、通信
線D1以外の通信線は全てHighである」という判断をし
て、通信要求を取り下げることなく、送信制御処理に移
行して、データ送信を開始する(t3)。
【0088】データ送信では、通信線CLKの電圧レベ
ルの立ち下がりエッジ(t3)にて、第1サブマイコン2
0により通信線D0〜D7に送信データがセットされ、
立ち上がりエッジ(t4)にて、その他のマイコンによる
送信データの読み取りが行われる。そして、第1サブマ
イコン20は送信データの出力が終了すると、トランジ
スタTrD0〜D7を全てオフして、通信線D0〜D7
をHighとし(t5)、そしてトランジスタTrSEL1も
オフして通信線SEL1をHighとする(t6)。これによ
り、他マイコンに対してデータ送信の終了が通知され
る。この後は、各マイコン10,20,30による新た
な通信要求出力が可能な状態(通信要求待ち状態)とな
る。
【0089】次に図11のタイムチャートに基づき、複
数のマイコンから、同時にて通信要求が出力されている
場合について説明する。図11のタイムチャートは、第
1サブマイコン20および第2サブマイコン30から通
信要求が出力された場合を一例として示している。
【0090】通信待ち状態において、第1サブマイコン
20および第2サブマイコン30が送信したい送信デー
タを有している場合、第2サブマイコン30は、まず通
信線SEL1がHighであると判断してトランジスタTr
D2をオンし、自己に対応付けられている通信線D2を
Low とする(t1)。その後、所定時間経過してからトラ
ンジスタTrSEL1をオンすることにより通信線SE
L1をLow として、他マイコンからの通信要求の出力状
況を判断する。この例では、第2サブマイコン30の他
に、第1サブマイコン20が通信要求を出力しており、
通信線D2よりも上位の通信線D1がLow であるので、
トランジスタTrD2をオフして通信要求を取り下げる
(t2)。
【0091】一方、第1サブマイコン20が第2サブマ
イコン30の直後に通信線SEL1の電圧レベルを判断
すると、その時点では、まだ通信線SEL1がLow とさ
れていないことから、トランジスタTrD1をオンし
て、自己に対応付けられている通信線D1をLow とする
(t3)。その後、所定時間経過してから、第1サブマイ
コン20はトランジスタTrSEL1をオンする。尚、
既に第2サブマイコン30により通信線SEL1はLow
とされているので変化はない。そして、他マイコンから
の通信要求の出力状況を判断すると、第2サブマイコン
30が既に通信線D2をLow としているが、通信線D1
よりも上位ではないので通信要求を取り下げることな
く、その後「通信線D0〜D7の内、通信線D1以外の
通信線は全てHighである」ことを確認した後、送信制御
処理に移行してデータ送信を開始する(t4)。以後、図
10と同様に送信が進行して終了する(t5)。
【0092】次に図12のタイムチャートに基づき、何
れかのマイコンがデータ送信を行っているときに、その
他のマイコンから中断要求が出力された場合について説
明する。図12のタイムチャートは、第2サブマイコン
30がデータ送信を行っているときに、メインマイコン
10が中断要求を出力した場合を一例として示してい
る。
【0093】第2サブマイコン30がデータ送信を実行
中、送信したいデータがメインマイコン10にあると、
メインマイコン10は、自己に対応付けられた通信線の
優先順位と、第2サブマイコン30が通信要求を出力し
た通信線の優先順位とを比較して、前者の方が上位であ
ると判断する。そしてメインマイコン10は、トランジ
スタTrSEL2をオンし、通信線SEL2をLow とす
ることにより中断要求を出力すると(t1)、第2サブマ
イコン30は、データ送信を中断可能かどうかを判断
し、可能であると判断した後、トランジスタTrSEL
1をオフして、通信線SEL1をHighに戻す(t2)。
【0094】その後メインマイコン10は、トランジス
タTrD0をオンすることにより、自己に対応付けられ
た通信線D0をLow として通信要求を出力し(t3)、そ
してトランジスタTrSEL1をオンして通信線SEL
1をLow とする(t4)。メインマイコン10は、他のマ
イコンが通信要求を出力していないのを確認した後、通
信線SEL2をHighに戻し、データ送信を開始する(t
5)。そしてデータ送信が終了すると、メインマイコン
10は、通信線SEL1をHighに戻す(t6)。その後、
第2サブマイコン30に送信すべきデータが、まだある
場合には、第2サブマイコン30に対応付けられた通信
線D2がLow とされ、通信要求が出力される(t7)。
【0095】以上説明した如く動作することにより、本
発明の第1実施例として車載電子制御装置においては、
以下の(1)〜(9)の効果を奏する。 (1)各マイコン10,20,30は、I/Oバス上で
データ通信が行われておらず、送信したいデータを有し
ているときでも、突然データ送信を開始するのではな
く、データ送信を開始する前に、まず自己に対応付けら
れた通信線を介して通信要求を出力しておき、所定時間
経過後に、他のマイコンからの通信要求がないことを確
認した上でデータ送信を行う。そのため、異なるマイコ
ンから送信されたデータがI/Oバス上で衝突するのを
防止し、正確なデータ送信を図ることができる。
【0096】(2)各マイコン10,20,30は、そ
れぞれに対応付けられた互いに異なる通信線を介して通
信要求を出力することから、他のマイコンからの通信要
求の出力状況を速やかに把握することができるので、他
のマイコンからの通信要求が無ければ迅速にデータ通信
を開始することができる。
【0097】(3)複数のマイコンからの通信要求が同
時に出力された場合であっても、通信線D0〜D7に予
め設定された優先順位に基づき、通信要求に係るデータ
処理の優先度の比較をし、相対的に優先順位が低い通信
要求の出力は中止されるから、複数のマイコンの動作
が、通信要求を出力した状態で固まってしまうという膠
着状態を防止して迅速なデータ送信を担保できる。
【0098】(4)車載電子制御装置1の中で中心的役
割を果たし、優先されるべきデータ送信を行う可能性の
高いメインマイコン10に対して、優先順位の高い通信
線D0を対応付けていることから、重要なデータの送信
や緊急性を要するデータ送信を優先的に実行させること
ができる。
【0099】(5)メインマイコン10以外のマイコン
においてデータ送信が行われていても、メインマイコン
10からの中断要求により、その実行中であったデータ
送信を中断させることができることから、重要なデータ
の送信や緊急性を要するデータ送信を更に優先的に実行
させることができる。
【0100】(6)何れかのマイコンにおいてデータ送
信が行われている場合であっても、より優先度が高いデ
ータの送信を行おうとするマイコンは、現在実行中のデ
ータ送信は中断させることができることから、優先度が
高いデータの送信ほどより迅速に行うことができる。
【0101】(7)何れかのマイコンによりデータ送信
が行われているときは、要求禁止線が所定の電圧レベル
に保持され、その間、他のマイコンは、通信要求の出力
が禁止されることから、現在行われているデータ送信が
妨害されるのを防ぐことができる。また、現在I/Oバ
スを介したデータ送信が行われているかどうかを確認す
るために、I/Oバスを構成する複数の通信線の状態を
一々監視する必要がなく、要求禁止線だけを監視すれば
よいので、その確認に要する負担が軽いものとなり好ま
しい。
【0102】(8)何れかのマイコンから通信要求が出
力された後、通信線SEL1(要求禁止線)が所定の電
圧レベル(Low レベル)に保持されることから、その他
のマイコンからの通信要求出力を制限して、次々に通信
要求が出力されるのを禁止するようにしていることか
ら、データ送信の遅延化を抑制することができる。
【0103】次に、本発明の第2実施例としての車載電
子制御装置1について説明する。尚、第2実施例におい
て、車載電子制御装置1は、図1〜図4と共に説明した
第1実施例と同様の構成をとるので、その説明は省略す
る。また、後述する以外、図5〜図8と共に説明した第
1実施例と略同様の動作を行うので、その詳細な説明を
省略する。また、送信データも図9に示して説明したも
のと同様のフォーマットにて出力される。
【0104】さて上記第1実施例においては、各マイコ
ン10,20,30には、夫々、通信線が一つずつ対応
付けられているものとして説明したが、一方、第2実施
例においては、各マイコン10,20,30には、夫々
通信線が2本ずつ対応付けられている。即ち、図13に
示すように、メインマイコン10には通信線D0,D4
が対応付けられ、第1サブマイコン20には通信線D
1,D5が対応付けられ、第2サブマイコン30には通
信線D2,D6が対応付けられている。尚、第2実施例
においても、通信線の優先順位は、番号が小さいほど高
い。即ち通信線D0の優先順位が最も高く、通信線D7
の優先順位が最も低い。そして、各マイコン10,2
0,30は、速やかにデータ送信を行うべき場合には、
優先順位の高い方の通信線(通信線D0〜D2)で通信
要求を出力し、速やかにデータ送信を行う必要がない場
合には、優先順位の低い方の通信線(通信線D4〜D
6)で通信要求を出力する。
【0105】この様に各マイコン10,20,30に夫
々2本の通信線が対応付けられた第2実施例の車載電子
制御装置1の各マイコン10,20,30間で行われる
通信の具体例を図13と共に説明する。図13のタイム
チャートは、複数のマイコンから、相前後して通信要求
が出力された場合のものであり、メインマイコン10が
通信線D4で通信要求を出力し、一方第2サブマイコン
30が通信線D2で通信要求を出力した場合を一例とし
て示している。
【0106】通信待ち状態において、第1サブマイコン
20が緊急度の低い送信データを有し、第2サブマイコ
ン30が緊急度の高い送信データを有している。この場
合、第2サブマイコン30は、まず通信線SEL1がHi
ghであると判断した後、トランジスタTrD2をオンし
て、自己に対応付けられている通信線D2をLow とする
(t1)。その後、所定時間経過してからトランジスタT
rSEL1をオンすることにより通信線SEL1をLow
として(t2)、他マイコンからの通信要求の出力状況を
判断する。この例では、第2サブマイコン30の他に、
メインマイコン10が通信線D4を介して通信要求を出
力しているが、通信線D4は、通信線D2よりも優先順
位が低いので通信要求を維持する。
【0107】一方、メインマイコン10も通信線SEL
1の電圧レベルを判断するが、その時点では、まだ通信
線SEL1がLow でないので、トランジスタTrD4を
オンして、自己に対応付けられている通信線D1をLow
とする(t3)。その後、所定時間経過してから、メイン
マイコン10はトランジスタTrSEL1をオンし、更
に、他マイコンからの通信要求の出力状況を判断する。
この時、第2サブマイコン30が既に通信線D2をLow
としており、通信線D4よりも優先順位が高いので、メ
インマイコン10はトランジスタTrD4をオフするこ
とにより通信線D4をHighとして通信要求を取り下げる
(t4)。
【0108】すると、第2サブマイコン30は、その
後、自己が通信要求を出力した通信線D2以外の通信線
は全てHighである(即ち通信要求が出力されていない)
ことを確認した後、送信制御処理に移行してデータ送信
を開始する(t5)。以後、データ送信が進行した後、通
信が終了される(t6)。
【0109】なお、こうした動作を実現するために、第
2実施例の車載電子制御装置1は、図5の通信制御処理
のS2,S8,S22において、第1実施例とは異なる
処理を行う。第2実施例では、自己に対応づけられた通
信線の番号(例えば、メインマイコン10の場合は「D
0」,「D4」)が2本あるので、S2では、夫々通信
線番号Dn1,Dn2(Dn1<Dn2)として夫々読
み込む。そして、S8においては、送信しようとしてい
るデータの緊急性に応じ、直ちに送信すべきデータであ
る場合には、番号の小さい通信線番号Dn1に対応する
通信線(メインマイコン10の場合には通信線D0)を
Low として通信要求を出力し、直ちに送信する必要がな
いデータである場合には、番号の大きい通信線番号Dn
2に対応する通信線(例えばメインマイコン10の場合
には通信線D4)をLow として通信要求を出力する。そ
してS22では、S8でLow とした通信線(Dn1或い
はDn2)をHighとすることとなる。
【0110】以上説明した如く動作することにより、本
発明の第2実施例として車載電子制御装置においては、
上記(1)〜(8)の効果に加え、次の効果(9)を奏
する。 (9)各マイコン10,20,30には、優先順位の異
なる通信線が夫々2本ずつ対応付けられており、その内
の一本は、他の各マイコンに対応付けられた通信線の何
れかよりも優先順位が高く、その内のもう一本は、他の
各マイコンに対応付けられた通信線の何れかよりも優先
順位が低く設定されている。そのため、各マイコン1
0,20,30は、送信しようとするデータの緊急度等
に応じて通信要求を出す通信線を使い分けることによ
り、緊急度等をより正確に反映したデータ送信を行うこ
とが可能となる。
【0111】次に、本発明の第3実施例としての車載電
子制御装置1について説明する。尚、第3実施例におい
て、車載電子制御装置1は、図1〜図4と共に説明した
第1実施例と同様の構成をとるので、その説明を省略す
る。また、送信データも図9に示して説明したものと同
様のフォーマットにて出力される。
【0112】さて上記第1実施例および第2実施例にお
いては、各マイコンは、自己以外の他マイコンが通信要
求を出しているか否かを判断し、自己よりも優先順位の
高い通信線により、通信要求を出していた場合には、自
己の通信要求を取り下げるものとして説明した。
【0113】一方、第3実施例においては、特定のマイ
コン(本実施例ではメインマイコン10)が、通信要求
を出力しているマイコンのうち、どのマイコンにデータ
送信を行わせるかを選択し、選択したマイコンだけに対
して通信許可を与える。これを実現するため、第3実施
例では、各マイコン10,20,30が通信要求を出力
するための(即ち通信要求用の)通信線には通信線D0
〜D3が使用され、メインマイコン10が、自己を含む
各マイコンに対して、通信許可を与えるための(即ち通
信許可用の)通信線には通信線D4〜D7が使用され
る。
【0114】具体的には、通信要求用の通信線として、
メインマイコン10には通信線D0、第1サブマイコン
20には通信線D1、第2サブマイコン30には通信線
D2が対応付けられている。そして、通信許可用の通信
線として、メインマイコン10には通信線D4が、第1
サブマイコン20には通信線D5が、第2サブマイコン
30には通信線D6が対応付けられている。即ち、ある
マイコンに対応付けられた通信要求用の通信線の番号に
対して4を加えると、そのマイコンに対応付けられた通
信許可用の通信線の番号が得られるよう予め設定されて
いる。例えば第1サブマイコン20に対応付けられた通
信線D1の番号「D1」に「4」を加えることにより、
通信許可用の通信線の番号として「D5」が導出され
る。
【0115】以下、第3実施例の車載電子制御装置1の
マイコン間にて行われる通信を実現するため、各マイコ
ン10、20、30において、それぞれ実行される処理
について、図14〜図18に基づいて説明する。まず、
図14は、第3実施例の車載電子制御装置1が起動され
ると、各マイコン10,20,30が実行する通信制御
処理を示すフローチャートである。なお、車載電子制御
装置1の起動時や、各マイコン10,20,30間にて
通信が行われていないときには、トランジスタTrD0
〜TrD7,TrSEL1,TrSEL2,TrCLK
はオフされており、各通信線D0〜D7,SEL1,S
EL2,CLKはHighとなっている。
【0116】この通信制御処理が起動されると、まず、
S302において、自己に対応づけられた通信要求用お
よび通信許可用の通信線の番号を、要求用通信線番号D
nおよび許可用通信線番号Dmとして読み込む。「自己
に対応付けられた、通信要求用および通信許可用の通信
線の番号」は、各マイコン10,20,30毎に異なる
値がROM13,23,33に予め格納されている。例
えば、通信要求用に通信線D0が対応付けられている場
合には、要求用通信線番号Dnには「D0」が格納さ
れ、通信許可用に通信線D4が対応付けられている場合
には、許可用通信線番号Dmには「D4」が格納され
る。そして、各マイコン10,20,30は、この要求
用通信線番号Dnおよび許可用通信線番号Dmにより、
自己が通信線D0〜D7の内、要求用および許可用とし
て何れの通信線に対応づけられているか判断可能とな
る。
【0117】S302の処理の後、S304に移行す
る。以後S304〜S312の処理は、第1実施例の通
信制御処理におけるS4〜S12に夫々相当し、同様の
処理を行うものであるので、その説明を省略する。な
お、S304にて、通信線SEL1がLow である場合
(S304:YES)には、他マイコンが送信をしよう
としていると判断して、S326に移行し、後述する受
信制御処理(図16)を行う。
【0118】さて、S308にてデータ送信が必要と判
断されると、S308〜S312の処理により、通信要
求が他マイコンに対して示されるが、その後、S313
にて、通信許可用の通信線D4〜D7の何れかがLow 状
態であると判断されるまで(S313:NO)待機す
る。換言すればS313では、メインマイコン10から
の通信許可が、図18に示す通信許可処理によって、通
信許可用通信線D4〜D7の何れかに出力されるまで待
機する。
【0119】図18に示す通信許可処理は、メインマイ
コン10が、自己を含めたマイコン10,20,30の
何れかに対して通信許可を与えるために実行する処理で
あり、第3実施例の車載電子制御装置1が起動されると
開始される。なお、この通信許可処理は、メインマイコ
ン10において、通信制御処理と並列に行われる。
【0120】この通信許可処理が開始されると、まず、
S402にて通信線SEL1がLow状態であるか否かを
判断し、通信線SEL1がLow 状態でない間(S40
2:NO)は、当該判断を繰り返し行い待機する。そし
て通信線SEL1がLow であると判断されると(S40
2:YES)、マイコン10,20,30の内の何れか
から通信要求が出力されたと判断し、S404に移行す
る。S404では、通信線D0〜D3の内、どの通信線
がLow となっているかを記憶する。
【0121】そしてS406にて、通信要求を出してい
るマイコンの内、どのマイコンに対して通信許可を与え
るかを、現在のエンジンの運転状態等に基づき決定し、
そのマイコンに対応している通信線を選択する。そして
S408にて、その選択した通信線の番号に「4」を加
えた番号の通信線をLow とする。S408にて、通信許
可用の通信線をLow とすることにより、選択したマイコ
ンに対して通信許可が与えられる。例えば、第1サブマ
イコン20を選択された場合、それに対応付けられた通
信線D1の番号「D1」に「4」を加えることにより、
通信許可用の通信線の番号として「D5」が得られるの
で、トランジスタTrD5をオンすることにより、通信
線D5をLow とする(S408)。
【0122】このとき、通信要求を出力しているマイコ
ン(通信線)が単数であれば、そのマイコン(通信線)
が選択されることとなるが、複数であれば、その内の何
れか1つのマイコン(通信線)がエンジンの運転制御状
態、即ち車載電子制御装置1の動作状態に基づき選択さ
れる。例えば、メインマイコン10自身が、直ちにデー
タ送信を行いたい場合には、自己(通信線D0)を選択
する。そして、メインマイコン10が、現時点ではデー
タ送信を必要としない場合や、緊急を要しないデータ送
信を行いたい場合には、他の第1サブマイコン20や第
2サブマイコン30からの通信要求に応ずる。
【0123】なお、第1サブマイコン20および第2サ
ブマイコン30から同時期に通信要求が出力された場合
であっても、その時の状況によって何れのサブマイコン
を選択するかは異なる。例えば、図19(a)に示す様
に、メインマイコン10が第1サブマイコン20に対し
てA/D値(エンジンの運転状態を示す情報等)を送る
よう要求した後、両サブマイコン20,30から通信要
求が出力された場合、メインマイコン10はA/D値が
必要な状況であるので第1サブマイコン20に対して通
信許可を与えるべく、通信線D1を選択し、通信線D5
をLow とする。一方、例えば図19(b)に示す様に、
メインマイコン10が第2サブマイコン30に対して、
現在の制御データ(リアルタイムデータ)を送るよう要
求した後、両サブマイコン20,30から通信要求が出
力された場合、メインマイコン10はリアルタイムデー
タを必要な状況であるので第2サブマイコン30に通信
許可を与えるべく、通信線D2を選択し、通信線D6を
Low とする。図14に戻り説明を続ける。上述の様に、
S408で通信許可用の通信線D4〜D7の何れかがLo
w とされると、S313においては、通信許可用の通信
線D4〜D7の何れかがLow 状態であると判断され(S
313:YES)、S314に移行する。そしてS31
4では、Low 状態にある通信線の番号が、許可用通信線
番号Dmで特定される通信線(即ち自己に対応付けられ
た通信許可用の通信線)がLow 状態にあるか否かを判断
する。
【0124】この結果、自己に対応付けられた通信許可
用の通信線がLow であると判断された場合には(S31
4:YES)、S315に移行して、トランジスタTr
Dnをオフし、自己に対応付けられた通信要求用の通信
線をHighとする。そしてS316にて、通信線D4〜D
7の全てがHighであるか否かを判断し、通信線D4〜D
7の全てがHighとなるまで待機する(S316:N
O)。通信線D4〜D7の内の何れか1つは、上述のS
408にてLow とされているので、後述する通信許可処
理のS412によりHighに戻されるまで待機するのであ
る。そして、通信線D4〜D7の全てがHighであると判
断されると(S316:YES)、後述する送信制御処
理(図15)に移行する(S320)。尚、その後、送
信制御処理が終了すると、S304に戻り、通信線SE
L1がHighか否かの判断を再び行う。
【0125】一方、S314にて、自己に対応付けられ
た通信許可用の通信線がLow でないと判断された場合に
は(S314:NO)、トランジスタTrDnをオフし
て、自己に対応付けられている通信線をHighにし(S3
22)、そしてトランジスタTrSEL1をオフする
(S324)。つまり、S314にて、自己に対応付け
られた通信許可用の通信線がLow でないと判断された場
合には(S314:NO)、自己に通信許可が与えられ
なかったと判断して、S322,S324にて自己の通
信要求を取り下げるのである。そして、S324の後、
後述する受信制御処理(図16)に移行する(S23
6)。尚、その後、受信制御処理が終了すると、S30
4に戻り、通信線SEL1がHighか否かの判断を再び行
う。
【0126】さて再び図18に説明を移し、通信許可処
理では、上記S408の終了後、S410に移行し、通
信線D0〜D3の全てがHighであるか否かを判断し、通
信線D0〜D3の全てがHighとなるまで待機する(S4
10:NO)。そして、上述の様に各マイコン10,2
0,30において、通信制御処理のS315或いはS3
22の何れかが実行され、通信線D0〜D3の全てがHi
ghになると(S410:YES)、S412に移行し
て、上記S408でLow とした通信許可用の通信線をHi
ghとする。例えば、S408でトランジスタTrD5を
オンして、通信線D5をLow としていた場合には、S4
12においてトランジスタTrD5をオフすることによ
り、通信線D5をHighとする。なお、S412が実行さ
れると、通信許可用の通信線D4〜D7の全てがHighと
なるので、通信許可が与えられたマイコンにおける通信
制御処理のS316では「YES」と判断され送信制御
処理(図15)が開始されることとなる。
【0127】S412の後、通信許可処理では、S41
4に移行して、通信線SEL1がHighであるか否かを判
断し、Highでない(即ちLow である)間(S414:N
O)待機する。即ち、後述する様に、通信許可が与えら
れたマイコンによるデータ送信が実行中である間は、通
信線SEL1はLow であるので、その間はS414の判
断処理を繰り返して待機することとなる。そして、通信
線SEL1がHighであると判断されると(S414:Y
ES)、データ送信が終了したと判断され、次回の通信
許可付与のためS402に戻る。なお、メインマイコン
10において、通信許可処理は通信制御処理とは並列に
行われるので、通信許可処理による通信許可付与の対象
となるマイコンには、第1サブマイコン20および第2
サブマイコン30の他に、自ら、即ちメインマイコン1
0自身も含まれる。
【0128】以上の様にして、第3実施例においては、
通信制御処理(図14)と通信許可処理(図18)とが
連動して動くことにより、通信要求を出力したマイコン
の何れかに対して、メインマイコン10から通信許可が
与えられる。そして、通信許可が与えられたマイコン
は、送信制御処理(図15)を実行し、その他のマイコ
ンは、受信制御処理(図16)およびデータ取込処理
(図17)を実行することとなる。
【0129】なお、通信制御処理において、S304の
処理は請求項の「禁止手段」として機能し、S308の
処理は請求項の「通信要求手段」として機能し、S31
2の処理は請求項の保持手段として機能するものであ
る。そして、通信許可処理において、S404〜S40
8の処理は請求項の通信許可手段として機能する。
【0130】まず、第3実施例にて行われる送信制御処
理について説明する。図15に示す様に、この送信制御
処理が開始されると、まず、S328に移行する。以後
S328〜S336の処理は、第1実施例の通信制御処
理におけるS28〜S36に夫々相当し、同様の処理を
行うものであるので、その説明を省略する。なお、S3
38は、送信データの区切りの良いところまで送信した
かどうか(例えば、上記フォーマットの一単位の送信デ
ータを送信したか)を判断する処理である。
【0131】一単位の送信データを送信し終えていない
場合(S338:NO)には、S328に戻るが、一単
位の送信データを送信し終えたと判断した場合(S33
8:YES)には、S342に移行する。S342で
は、送信すべき送信データが更にあるかどうかを判断す
る。そして、送信すべき送信データがあれば(S34
2:YES)、S328に戻ってデータ送信を続行す
る。なお、本実施例では、S342において、送信した
いデータがあっても、その送信先のマイコンが変わると
きには、「無い(S342:NO)」と判断する。即
ち、S342では、「同じマイコンに対して送信したい
データがまだあるか?」を判断する。
【0132】一方、送信すべき次の送信データがなけれ
ば(S342:NO)、トランジスタTrD0〜TrD
7,TrSEL1をオフする(S344)ことにより、
通信線D0〜D7,SEL1をHighとした後、通信制御
処理(図14)に戻る。なお、送信制御処理において、
S328〜S336の処理は請求項の「送信手段」とし
て機能する。
【0133】図16は、第3実施例にて行われる受信制
御処理を示す。この受信制御処理が開始されると、まず
S354に移行する。以後S354〜S360の処理
は、第1実施例の通信制御処理におけるS54〜S60
に夫々相当し、同様の処理を行うものであるので、その
説明を省略する。
【0134】S360にて、マイコン名情報を解読して
送信先のマイコンが自己であるか否かを判断し、自己で
ないと判断した場合には(S360:NO)、後続の送
信データの読み取りを行わず、S362に移行する。S
362では、通信線SEL1がHighであるか否かを判断
することにより、他マイコンによるデータ送信が終了し
たかどうかを判断し、通信線SEL1がLow である間
(S362:NO)待機する。そして通信線SEL1が
Highであると判断されると(S362:YES)、他マ
イコンによるデータ送信が終了したと判断して、受信制
御処理を一旦終了する。
【0135】一方、S360にて、送信先のマイコンが
自己であると判断した場合には(S360:YES)、
S370に移行する。以後S370〜S376の処理
は、第1実施例の通信制御処理におけるS70〜S76
に夫々相当し、同様の処理を行うものであるので、その
説明を省略するが、S376の後に続くS378では、
図17に示すデータ取込処理が起動される。
【0136】このデータ取込処理が起動されると、図1
7に示す様に、まず、S388にて、通信線CLKにて
立ち上がりエッジが発生したか否かを判断し、通信線C
LKにて立ち上がりエッジが発生していない間(S38
8:NO)、当該判断処理を切り返し行う。そして、通
信線CLKの立ち上がりエッジが発生したと判断した場
合(S388:YES)には、S390にて通信線D0
〜D7の電圧レベルを、入力コントローラ14a、24
a、34aにより読み取り、RAM12,22,32に
格納する。そして、S392においては、データ量情報
で指示された量の通信内容の取込を終了したか否かを判
断し、所定量の通信内容の取込を終了していない場合
(S392:NO)には、S388に戻り、通信線CL
Kにおける次の立ち上がりエッジが発生するのを待つ。
一方、所定量の通信内容の取込を終了したと判断した場
合には(S392:YES)、当該データ取込処理を終
了して受信制御処理(図16)に戻る。
【0137】さて、図16に戻り、受信制御処理の説明
を続ける。S378にて開始されたデータ取込処理が終
了すると、続くS380では、通信線SEL1がHighで
あるか否かを判断する。通信線SEL1がLow である場
合には(S380:NO)、他マイコンによるデータ送
信が続行すると判断して、S354に戻り、通信線CL
Kで立ち上がりエッジが発生するのを待つ。一方、通信
線SEL1がHighである場合(S380:YES)に
は、他マイコンによるデータ送信が終了したと判断し
て、受信制御処理を一旦終了する。
【0138】以上の様に実行される制御処理により、第
3実施例の車載電子制御装置1の各マイコン10,2
0,30間で行われる通信の具体例を、図20と共に説
明する。図20のタイムチャートは、複数のマイコン
(この図では、第1サブマイコン20および第2サブマ
イコン30)から、相前後して通信要求が出力された場
合を一例として示している。
【0139】通信待ち状態において、第1サブマイコン
20および第2サブマイコン30が送信したい送信デー
タを有している場合、第2サブマイコン30は、まず通
信線SEL1がHighであると判断すると、トランジスタ
TrD2をオンして、自己に対応付けられている通信線
D2をLow とする(t1)。その後、所定時間経過してか
らトランジスタTrSEL1をオンすることにより通信
線SEL1をLow として(t2)、メインマイコン10に
よる通信許可が与えられるのを待つ。
【0140】一方、第1サブマイコン20が、第2サブ
マイコン30の直後に通信線SEL1の電圧レベルを判
断すると、この時点では、まだ通信線SEL1がLow で
ないことから通信要求可能と判断し、トランジスタTr
D1をオンして、自己に対応付けられている通信線D1
をLow とする(t3)。その後、所定時間経過してから、
第1サブマイコン30はトランジスタTrSEL1をオ
ンした後、メインマイコン10による通信許可が与えら
れるのを待つ。尚、既に第2サブマイコン30により通
信線SEL1はLow とされているので変化はない。
【0141】そしてメインマイコン10は、通信線SE
L1がLow とされると(t2)、通信線D0〜D3の内、
どの通信線がLow となっているか、即ちどのマイコンか
ら通信要求が出力されているかを調べ、運転制御状態に
基づいて、通信要求が出されている通信線(即ちマイコ
ン)の内の1つ(図では、通信線D1、即ち第1サブマ
イコン20)を選択する。そして、選択したマイコンに
対応付けられている通信許可用の通信線(通信線D5)
をLow として通信許可を出力する(t4)。
【0142】第1サブマイコン20および第2サブマイ
コン30は、メインマイコン10から通信許可が出力さ
れると、夫々通信線D1,D2をHighに戻す(t5)。そ
して、通信許可が与えられた第1サブマイコン20は、
その後、メインマイコン10により通信許可が出力され
た通信線D5がHighに戻った(t6)ことを確認した後
で、データ送信を開始する(t7)。
【0143】以上説明した如く動作することにより、本
発明の第2実施例として車載電子制御装置1において
は、上記(7),(8)の効果に加え、次の効果(1
0)〜(12)を奏する。 (10)各マイコン10,20,30は、I/Oバス上
でデータ通信が行われておらず、送信したいデータを有
しているときでも、突然データ送信を開始するのではな
く、その前にまず通信要求を出力しておき、所定時間経
過後、メインマイコン10によりその他のマイコンから
の通信要求がないことが確認され、通信許可が与えられ
た上で、データ送信させる。そのため、異なるマイコン
から送信されたデータがI/Oバス上で衝突するのを防
止し、正確なデータ送信を図ることができる。
【0144】(11)各マイコン10,20,30は、
それぞれに対応付けられた互いに異なる通信線を介して
通信要求を出力することから、通信許可を付与する機能
を有するメインマイコン10は、各マイコンからの通信
要求の出力状況を速やかに把握して、通信許可を与える
ことができ、延いては、通信要求を出したマイコンに迅
速にデータ送信を開始させることができる。
【0145】(12)複数のマイコンからの通信要求が
同時に存在した場合であっても、メインマイコン10
が、通信要求を出力したマイコンの内の何れか1つにの
み通信許可を与えるので、複数のマイコンの動作が通信
要求を出力した状態で固まってしまうという膠着状態を
防止して迅速なデータ送信を担保できる。
【0146】以上、本発明の一実施例について説明した
が、本発明は上記実施例に限定される物ではなく、種々
の態様を取ることができる。例えば、第1および第2実
施例では、各マイコン10,20,30が、自己以外の
他のマイコンによるデータ送信中に、中断要求を出力す
るものとして説明したが、これに限られず、優先順位が
最も高い通信線D0が対応付けられたメインマイコン1
0のみに中断要求を出力させるようにしても良い。
【0147】また、上記実施例の車載電子制御装置1に
おいては、一回の通信要求に対し、連続して送信するデ
ータ量については任意とするものとして説明を行った
が、その場合には、一つのマイコンにI/Oバスが長期
間占有されてしまう可能性がある。そこで、一回の通信
要求に対し、連続して送信可能なデータ量に制限を設け
ると良い。具体的には、例えば、図6(図15)のS4
2(S342)において、「次のデータがあるか?」の
判断と共に、「送信済みのデータ量は所定値以下か?」
を判断するよう構成し、両条件を満たす「YES」の場
合には、S28(S328)に移行し、何れかの条件が
満たされない「NO」の場合にはS44(S344)に
移行させるようにすると良い。この様にすれば、より多
くのマイコンに通信要求出力の機会、即ちデータ送信の
機会を与えることができることとなり、緊急性の高いデ
ータ送信を優先的に行わせることができるので好まし
い。なお、この場合S42(S342)の処理が請求項
の制限手段として機能する。
【0148】また、上記実施例の車載電子制御装置1に
おいては、送信先のマイコンを変更する際には、一旦通
信線SEL1をLow としてデータ送信を終了する(S4
2、S342)ものとして、説明したが、これに限られ
るものではなく、送信先のマイコンを変更するしないに
関わらず、送信すべきデータを送信し終わった後に、通
信線SEL1をLow としてデータ送信を終了するように
してもよい。上記実施例の様に送信先のマイコンを変更
する際にデータ送信を終了すれば、各マイコンは、送信
制御処理時、送信データの最初のマイコン名情報をチェ
ックして、送信先のマイコンが自己以外であるときに
は、通信線SEL1がHighに戻るまで、その後の送信デ
ータを受ける必要がなくなり、制御処理の簡略化を図る
ことができるので好ましい。一方、送信先のマイコンを
変更するしないに関わらず、送信すべきデータを送信し
終わった後にデータ送信を終了するようにすれば、送信
先のマイコンが自己でなくとも送信データを受ける必要
があるが、送信側のマイコンは送信先を変更する度に、
データ処理を一々終了する必要が無くなり、再度通信要
求を出力する必要が無くなるので、システム全体として
は、通信時間の短縮化が図られることとなり好ましい。
【0149】また、上記実施例の車載電子制御装置1に
おいては、何らかのエラーにより、それらが一定時間以
上通信要求を出力し続けた場合には、通信要求を出し続
けているマイコンにリセットをかけるものとして説明し
たが、これに限られず、全てのマイコンにリセットをか
けるようにしても良い。
【0150】また、上記第1および第2実施例の車載電
子制御装置1では、番号の小さい通信線ほど優先順位が
高いものとして説明したが、これに限られるものではな
く、番号が大きい通信線ほど優先順位が高いものとして
設定しても良い。ただし、その場合には、通信線の数を
増やそうとすると、各マイコンに対応付ける通信線の番
号の設定も変更する必要が生じるので面倒である。一
方、上記実施例のように番号の小さい通信線ほど優先順
位が高いものとなるよう設定した場合には、通信線の数
を増やす場合でも、マイコンに対応付ける通信線の番号
の設定を変更する必要がないので好ましい。
【0151】なお、本発明の通信システムは、上記実施
例の様に車載電子制御装置に好適である。即ち車載電子
制御装置で使用されるマイコンは、車載電子制御装置の
高集積化を図るべく小型化され、ピン数が少ないため、
パラレル通信に使用する通信線も少なくしたいといった
要求がある。そして本発明では、データを出力するため
の通信線D0〜D7の他に、同期信号を出力するための
通信線CLKがあれば、通信が可能となるので、例えば
車載電子制御装置等の様に、ピン数に制約があるマイコ
ン間における通信に適しているといえる。
【0152】また、本発明では各マイコンに通信線を対
応付けることから、一般的なネットワークシステムの様
に多数のマイコンが通信線へ接続される通信システムに
適用するには、接続されるマイコンの数以上の通信線が
必要となり、その適用が容易でない。しかし、車載電子
制御装置内においては、接続されるマイコンの数は限ら
れていることが多いので、本発明を問題なく適用でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例の車載電子制御装置の全体構成を
示すブロック図である。
【図2】 各マイコンの内部構成の概略を示す説明図で
ある。
【図3】 各マイコンのDMAコントローラの構成を示
す説明図である。
【図4】 出力コントローラとバスラインとを接続する
トランジスタ、およびトランジスタの動作による通信線
の電圧レベルの変化を示す説明図である。
【図5】 第1実施例の車載電子制御装置の各マイコン
にて実行される通信制御処理を示すフローチャートであ
る。
【図6】 第1実施例の車載電子制御装置の各マイコン
にて実行される送信制御処理を示すフローチャートであ
る。
【図7】 第1実施例の車載電子制御装置の各マイコン
にて実行される受信制御処理を示すフローチャートであ
る。
【図8】 第1実施例の車載電子制御装置の各マイコン
にて実行されるデータ取込処理を示すフローチャートで
ある。
【図9】 送信データのフォーマット及びその送信の様
子を示す説明図である。
【図10】 第1実施例の車載電子制御装置において、
1つのマイコンのみから通信要求が出力された場合の動
作を示すタイムチャートである。
【図11】 第1実施例の車載電子制御装置において、
2つのマイコンから同時に通信要求が出力された場合の
動作を示すタイムチャートである。
【図12】 第1実施例の車載電子制御装置において、
一のマイコンにてデータ送信中に、他のマイコンが中断
要求を出力した場合の動作を示すタイムチャートであ
る。
【図13】 第2実施例の車載電子制御装置において、
2つのマイコンから同時に通信要求が出力された場合の
動作を示すタイムチャートである。
【図14】 第3実施例の車載電子制御装置の各マイコ
ンにて実行される通信制御処理を示すフローチャートで
ある。
【図15】 第3実施例の車載電子制御装置の各マイコ
ンにて実行される送信制御処理を示すフローチャートで
ある。
【図16】 第3実施例の車載電子制御装置の各マイコ
ンにて実行される受信制御処理を示すフローチャートで
ある。
【図17】 第3実施例の車載電子制御装置の各マイコ
ンにて実行されるデータ取込処理を示すフローチャート
である。
【図18】 第3実施例の車載電子制御装置のメインマ
イコンにて実行される通信許可処理を示すフローチャー
トである。
【図19】 車載電子制御装置の動作状態に応じて、第
1サブマイコンを優先する場合と第2サブマイコンを優
先する場合について示す説明図である
【図20】 第3実施例の車載電子制御装置において、
2つのマイコンから同時に通信要求が出力された場合の
動作を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1…車載電子制御装置、10…メインマイコン、20…
第1サブマイコン、30…第2サブマイコン、40…バ
スライン、D0〜D7…通信線、SEL1…通信線(要
求禁止線)、SEL2…通信線(中断要求線)、TrC
LK,TrD0〜TrD7,TrSEL1,TrSEL
2…トランジスタ。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の通信線からなるI/Oバスを介し
    て互いに通信可能に接続された複数のマイクロコンピュ
    ータからなる通信システムにおいて、 前記各マイクロコンピュータに、 前記複数の通信線の内、当該マイクロコンピュータに予
    め対応付けられた通信線の電圧レベルを変化させること
    により、他のマイクロコンピュータに対して、当該マイ
    クロコンピュータからのデータ送信を開始したい旨を表
    す通信要求を出力する通信要求手段と、 該通信要求手段が通信要求を出力すると、その後、他の
    マイクロコンピュータからの通信要求の有無を判断する
    要求判断手段と、 該要求判断手段による判断の結果、他のマイクロコンピ
    ュータからの通信要求が無いとき、前記I/Oバスを介
    して、他のマイクロコンピュータへのデータ送信を行う
    送信手段と、 を設けたことを特徴とする通信システム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の通信システムにおいて、 前記各マイクロコンピュータに対応付けられた通信線
    は、予め優先順位が設定され、 前記要求判断手段は、前記判断の結果、他のマイクロコ
    ンピュータからの通信要求が有るとき、該他のマイクロ
    コンピュータからの通信要求が出力された通信線の優先
    順位と当該マイクロコンピュータからの通信要求が出力
    された通信線の優先順位とを比較し、当該マイクロコン
    ピュータからの通信要求が出力された通信線の優先順位
    の方が低いとき、前記通信要求手段に通信要求の出力を
    中止させることを特徴とする通信システム。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の通信システムにおいて、 当該通信システムを構成する前記複数のマイクロコンピ
    ュータを、更に、何れかのマイクロコンピュータにて実
    行中のデータ送信の中断を要求する中断要求を出力する
    ための中断要求線を介して互いに接続し、 前記各マイクロコンピュータに予め対応付けられた複数
    の通信線の内、優先順位の最も高い通信線が対応付けら
    れた特定のマイクロコンピュータには、前記中断要求線
    の電圧レベルを変化させることにより、他のマイクロコ
    ンピュータに対して中断要求を出力する中断要求手段を
    設け、 前記特定のマイクロコンピュータ以外のマイクロコンピ
    ュータには、前記送信手段によるデータ送信の実行中に
    中断要求が入力されると、該送信手段にデータ送信を中
    断させる中断手段を設けたことを特徴とする通信システ
    ム。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の通信システムにおいて、 当該通信システムを構成する前記複数のマイクロコンピ
    ュータを、更に、何れかのマイクロコンピュータにて実
    行中のデータ送信の中断を要求する中断要求を出力する
    ための中断要求線を介して互いに接続し、 前記各マイクロコンピュータに、 前記中断要求線の電圧レベルを変化させることにより、
    他のマイクロコンピュータに対して中断要求を出力する
    中断要求手段と、 現在データ送信を実行している他のマイクロコンピュー
    タが、該データ送信の開始前に、通信要求を出力した通
    信線の優先順位を記憶する記憶手段と、 該記憶手段に記憶された優先順位と、当該マイクロコン
    ピュータに対応付けられた通信線の優先順位とを比較
    し、当該マイクロコンピュータに対応付けられた通信線
    の優先順位の方が高いとき、前記中断要求手段に中断要
    求を出力させる中断要求判断手段とを設けると共に、 前記送信手段によるデータ送信の実行中に中断要求が入
    力されると、該送信手段にデータ送信を中断させる中断
    手段を設けたことを特徴とする通信システム。
  5. 【請求項5】 複数の通信線からなるI/Oバスを介し
    て互いに通信可能に接続された複数のマイクロコンピュ
    ータからなる通信システムにおいて、 前記各マイクロコンピュータには、前記複数の通信線の
    内、当該マイクロコンピュータに予め対応付けられた通
    信要求用の通信線の電圧レベルを変化させることによ
    り、他のマイクロコンピュータに対して、当該マイクロ
    コンピュータからのデータ送信を開始したい旨を表す通
    信要求を出力する通信要求手段を設けると共に、 前記複数のマイクロコンピュータの内の何れか特定の1
    つには、該複数のマイクロコンピュータの内の何れかか
    ら通信要求が出力されると、その後、その他のマイクロ
    コンピュータからの通信要求の有無を判断し、その他の
    マイクロコンピュータからの通信要求が無いとき、前記
    複数の通信線の内、該通信要求を出力したマイクロコン
    ピュータに予め対応付けられた通信許可用の通信線の電
    圧レベルを変化させることにより、該通信要求を出力し
    たマイクロコンピュータに通信許可を与える通信許可手
    段を設け、 更に、前記各マイクロコンピュータには、前記通信許可
    手段により当該マイクロコンピュータに通信許可が与え
    られると、前記I/Oバスを介して、他のマイクロコン
    ピュータへのデータ送信を行う送信手段を設けたことを
    特徴とする通信システム。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の通信システムにおいて、 前記通信許可手段は、前記判断の結果、前記その他のマ
    イクロコンピュータからの通信要求が有るとき、通信要
    求を出力した複数のマイクロコンピュータの内の何れか
    1つに通信許可を与えることを特徴とする通信システ
    ム。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の何れか記載の通信システ
    ムにおいて、 当該通信システムを構成する前記複数のマイクロコンピ
    ュータを、更に、何れかのマイクロコンピュータにてデ
    ータ送信が実行中であることを示すための要求禁止線を
    介して互いに接続し、 前記各マイクロコンピュータに、 前記送信手段によるデータ送信の実行中、前記要求禁止
    線を、予め設定された所定電圧レベルに保持する保持手
    段と、 前記要求禁止線の電圧レベルを検出し、該要求禁止線が
    前記所定電圧レベルにあるとき、前記通信要求手段によ
    る通信要求の出力を禁止する禁止手段と、 を設けたことを特徴とする通信システム。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の通信システムにおいて、 前記保持手段は、前記通信要求手段が通信要求を出力す
    ると、前記要求禁止線を前記所定電圧レベルに保持する
    ことを特徴とする通信システム。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8の何れか記載の通信システ
    ムにおいて、 前記各マイクロコンピュータに、前記送信手段により連
    続して送信可能なデータ量を制限する制限手段を設けた
    ことを特徴とする通信システム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7978600B2 (en) 2006-03-06 2011-07-12 Denso Corporation Electronic control unit with a plurality of control circuits
JP2015033952A (ja) * 2013-08-09 2015-02-19 株式会社デンソー 制御システム

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