JP2000249819A - グレーティング製造方法及びグレーティング製造装置 - Google Patents

グレーティング製造方法及びグレーティング製造装置

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JP2000249819A
JP2000249819A JP11050303A JP5030399A JP2000249819A JP 2000249819 A JP2000249819 A JP 2000249819A JP 11050303 A JP11050303 A JP 11050303A JP 5030399 A JP5030399 A JP 5030399A JP 2000249819 A JP2000249819 A JP 2000249819A
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light
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optical
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JP11050303A
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Kiichi Yoshiara
喜市 吉新
Shoji Miyashita
章志 宮下
Hajime Takeya
元 竹谷
Takeshi Maekawa
武之 前川
Hiroyuki Kono
裕之 河野
Masakazu Takabayashi
正和 高林
Hidefusa Uchikawa
英興 内川
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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  • Optical Integrated Circuits (AREA)
  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の集積化されたグレーティングを安価に
かつ容易に作製することができるグレーティング製造方
法と製造装置を提供する。 【解決手段】 コア部を有し該コアに沿って光を伝送さ
せる光伝送路に互いに異なる屈折率領域が並置されてな
るグレーティングを形成する方法であって、1つの光源
から出射された光ビームを複数の光ビームに分割する光
分割ステップと、分割された複数の光ビームをそれぞ
れ、コア上の互いに異なる所定の位置にそれぞれ対応す
る干渉縞が形成されるように回折させる回折ステップと
を含み、各干渉縞の強度分布にそれぞれ対応した屈折率
領域を形成することにより、分割された各光ビームにそ
れぞれ対応するグレーティングを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信分野、特に
波長分割多重伝送及び周波数分割多重伝送において重要
な部品である光合分波器、ADM(Add Drop
Multiplexing filter)、光フィル
タ等の光デバイスのグレーティング製造方法及び製造装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】複数の情報を単一の光ファイバで効率良
く伝送するシステムとして、波長分割多重技術がある。
波長分割多重化技術は、光領域における新しい多重化方
式で、複数の信号をそれぞれ波長の異なる光信号に割り
当て(分割)、それらを多重して1本の光ファイバにより
双方向に伝送するものである。送信側では、波長の異な
る光源からの光信号を光合分波器により結合させ、受信
側では光合分波器により各波長の光信号に分波し、これ
を受光素子により電気信号に変換する。波長分割多重伝
送は、1.大容量情報の伝送、2.デジタルとアナログ
など異種信号の同時伝送が可能、3.単一ファイバでの
双方向伝送が可能、等の利点があり、将来の大容量通信
技術として期待されている。
【0003】波長分割多重光伝送におけるキーデバイス
は、光フイルタであり、光フィルタとして誘電体多層膜
のような波長選択性を有する素子や回折格子のような波
長分散性を有する素子が検討されていた。しかし、誘電
体多層膜や回折格子は、波長遮断性が悪く、高密度に多
くの波長を多重する事は難しい。例えば、「光通信要
覧」(p.573―p.583)によれば、誘電体多層膜を
使用した光フィルタの特性は、挿入損失:2〜5dB、
波長間隔:30〜100nm、クロストーク減衰量:20
〜40dBである。従って、実用的な半導体レーザの波
長範囲である1520nmから1580nmにおいて
は、2〜3波程度の波長多重しかできない。また、回折
格子を使用した光フィルタの特性も、挿入損失:2〜4
dB、波長間隔:20〜30nm、クロストーク減衰量:
20〜25dBであり、1550nm帯では2〜4波程
度の波長多重しかできない。そのため、1550nm帯
で8〜16波の波長を多重する高密度波長分割多重にお
いて、狭帯域で波長間隔が狭く、クロストーク減衰量が
大きい光フィルタの開発を必要としている。
【0004】近年、光ファイバにエキシマレーザ光を照
射するとコアの屈折率が大きくなる光誘起屈折率変化現
象が発見され、これを利用して光ファイバにブラッググ
レーティングを形成し、狭帯域反射フィルタ、分散補償
フィルタ、光フィルタ、応力・温度センサ、等多くの応
用が検討された。また、電子情報通信学会技術研究報告
OPE94-5、p.25や雑誌:OPTONICSのV
ol 1、p.135(1995年)に、ファイバレーザ、
ファイバセンサなどが詳述されている。また、光フイル
タヘの応用として、図14に、3dBのファイバカプラ
のポート3とポート4に等価なブラッググレーティング
を持ったマイケルソン干渉計をした従来例の狭帯域透過
フィルタを示す。(OPTONICS、Vol 1、p.
135、1995年)
【0005】また、石英導波路を使用した光フィルタも
報告されている。図15にマッハツエンダー干渉計の2
個の3dBカプラ間に等価なグレーティングを形成し波
長選択性を持った従来例の石英導波路型光フィルタを示
す。(OPTONICS、Vol 1、p.135、19
95年やoptics Letter、Vol.18、N
0.1 2,p.953、1993年やIEEE Phot
onics TechnoL Lett.、VOl 5、N
o.2、p.191、1993年)
【0006】石英導波路型光フィルタは、石英基板もし
くはシリコン基板上に、光が閉じこめられる屈折率の高
いコア層とコア層を取り囲む屈折率が低いクラッド層で
構成される。石英導波路は、半導体技術を利用して作製
するため、量産品や波長多重数の多い複雑な光フィルタ
の製造に適している。しかし、エキシマレーザのコヒー
レンシーの悪さから大面積で均一なビーム強度分布を得
ることは難しく、集積化したグレーティング作製は困難
であった。
【0007】従来例1.導波路を作製する一般的な方法
は、火炎堆積法で、図18にその模式図を示す。図18
において、302はキャリアガス導入口、306は流量
調節器、305は原料容器、308は水素ガス導入口、
307は水素バーナー、303はターンテーブル、30
1は基板である。この方法は、アルゴンガスをキャリア
ガスとしてSiCl4、BCl3、PC13、GeCl4
などの出発原料を水素バーナー307ヘ輸送し、火炎中
にて加水分解して微粉末状のB、Pを含むSiO2を作
製し、これを基板へ吹き忖けて堆積するものである。光
導波路膜の厚み方向の屈折率分布は、ガラスの組成制御
によって形成される。すなわち、火炎堆積の当初はB、
Pを含むSiO2のみを吹き付け、下部ラッド層を形成
し、その後屈折率に応じてGeを約10%前後ドープし
てコア層を形成する。ただし、SiO2の微粒子膜堆積
後、1000から1200℃の温度で透明化のための熱
処理を行う必要がある。透明化処理後、スパッタ法や蒸
着法により、コア膜上に金属クロム膜を形成し、写真製
版法により、所望の導波路パターンを金属クロム膜で作
製する。その後、RIE(反応性イオンエッチング)法に
よりコア膜をエッチングして、金属クロム膜で覆われて
いないコア膜を取り除く。その後、再びB、Pを含みG
eを含まないSiO2組成で、火炎堆積法により微粒子
を堆積し、高温熱処理して上部クラッド層を形成して導
波路を作製する。作製した膜の屈折率は、クラッドが
1.4585、コアが1.4685であり、コアとクラ
ッドの屈折率差は、0.75%であった。導波路を作製
する際のコアサイズは、この屈折率に関係し0.75%
の場合では、6μmX6μmの正方形がシングルモード
光の伝搬するコアサイズであった。このプロセスで作製
した石英系光導波路の基本特性は、論文NTT、R&D
(vol.40、No。2、p.199)によると伝搬
損失0.1dB/cm、比屈折率差0.75%、許容曲
げ半径5mmとなっている。この構成の石英系光導波路
は、光通信で使用される石英の光ファイバと同じ石英系
材料であり、コアの大きさも光ファイバと近いため、導
波路自体の損失や導波路と光ファイバとの接続損失など
を極めて小さくできる利点を持っている。
【0008】こうして作製したGeを含む導波路コアに
強い紫外光(エキシマレーザ、KrF:波長248n
m)を照射すると、レーザ光が当った部分の屈折率が上
昇する。上昇後の屈折率は、1.4692であった。こ
れは、光誘起屈折率変化として、カナダのK.O.Hi
llにより発見され、強い光エネルギーにより作製され
たカラーセンタで屈折率が変化する現象である。図16
に、従来例における代表的なグレーティング作製の模式
図を示す。この方法のグレーティング作製は、石英ガラ
ス製の位相マスク159を導波路上に置き、位相マスク
159を介してエキシマレーザ光161を照射する。位
相マスク159は、図16(b)に示すように、表面に
レリーフ状の回折格子が一定間隔で形成され、レリーフ
の溝を導波路に対して直角方向になるように導波路上に
置く。エキシマレーザは、位相マスク159で回折し
て、導波路上に−1次、0次、1次の回折パターンを形
成し、この回折パターンが形成された導波路コア160
bの屈折率が高い方へ変化する。ここで、図16(b)
は図16(a)においてBの符号を付して示す部分を拡
大して示すものであり、図16(c)は図16(a)に
おいてCの符号を付して示す部分を拡大して示すもので
ある。エキシマレーザ光の照射条件は、200mJ/c
2/pulseのエネルギー密度で、周波数60H
z、照射時間30分で行った。エキシマレーザ光は、位
相マスクの位相格子で回折し、導波路コアに−1次、0
次、+1次の回折を生じる。この回折が生じた部分の屈
折率が変化する。グレーティングのブラッグ反射波長
は、(1)式で表される。
【0009】
【数1】
【0010】ここで、λBは、ブラッグ波長、nは伝搬
モードに対する実効屈折率、Pはグレーティングピッチ
を表す。また、グレーティングの反射率は、(2)式で
表される。
【0011】
【数2】
【0012】ここで、Lはグレーティング長、Δnは屈
折率の変調幅を表す。図17に、従来例1により作製し
た代表的なグレーティングの反射スペクトルを示す。横
軸は、波長(nm)、縦軸は光強度(dB)を示す。ク
レーティングの長1mmの時、得られたグレーティング
の反射特性は、ブラッグ波長:1530.8nm、反射
率8%であった。
【0013】光誘起屈折率変化のメカニズムは、例え
ば、電子情報通信学会技術研究報告OPE94−5、
p.25にあるように、以下に説明される。Geを添加
したガラスの酸素欠陥として生じるGe−Si結合の吸
収帯が、Ge添加ガラス中に存在する。この結合が紫外
光のエネルギーで切断され、結合していた電子が解放さ
れる。この解放された電子が、再びGe原子に捕獲され
て、新しい吸収帯(カラーセンタ)を形成し、吸収スペ
クトルが変化する。この吸収スペクトルの変化により、
クラマースクローニッヒの関係を通して屈折率変化が生
じる。また、Ge原子に捕獲された電子間では、双極子
モーメントが形成される。この双極子モーメントが光電
場の軸に沿って配向しガラス内に直流電場が形成される
ため、電気光学効果によっても屈折率変化が生じる。G
eを添加したコア導波路での光誘起屈折率変化は、この
吸収スペクトルの変化や電気光学効果によるものであ
る。従って、屈折率変化量は、ガラス材料中のGeの量
と酸素欠損量に依存する。大きな屈折率変化を得るため
には、高濃度のGeを添加する事、酸素欠損量を増やす
事と考えられる。
【0014】従来例2 従来法1の火炎堆積法により、Geを添加したコアを持
つ導波路を作製する。導波路は、従来例1とまったく同
じ方法で作製し、伝搬損失等の特性も同じである。その
後、グレーティングを形成する前に、140気圧の高圧
水素(H2)ガス中で1週間程度、室温で処理を行い、
処理後直ちに、エキシマレーザ(波長198nm)を位
相マスクを介して照射した。高圧水素処理の目的は、水
素分子を導波路コア膜中に拡散させる事により、エキシ
マレーザのエネルギーで水素分子を解離させコア膜中の
Ge、Si原子と新たなGe−H、Ge−OH、Si−
OHやSi−H結合などを作り、屈折率を変化させる事
である。この高圧水素処理により、光誘起屈折率変化
は、無処理に比べて10倍以上大きくなる。しかし、O
H基の生成は、光通信で使用する1.5μm帯での吸収
につながるため、導波路の伝搬損失は増加する。 20
mm長の導波路に5mmのグレーティングを高圧処理を
行って、作製した場合、約1〜3dBの伝搬損失が増加
した。
【0015】従来例3 従来法1の火炎堆積法により、Geを添加したコアを持
つ導波路を作製する。導波路は、従来例1とまったく同
じ方法で作製し、伝搬損失等の特性も同じである。その
後、グレーテイングを形成する前に、140気圧の高圧
重水素ガス(D2)中で1週間程度、室温で処理を行い、
処理後直ちに、YAGレーザの第4高調波(波長266
nm)を位相マスクを介して照射した。高圧重水素処理
の目的は、重水素分子を導波路コア腹中に拡散させる事
により、エキシマレーザのエネルギーで重水素分子を解
離させコア膜中のGe、Si原子と新たなGe−D、G
e−OD、Si−ODやSi−D結合などを作り、屈折
率を変化させる事である。この高圧水素処理により、光
誘起屈折率変化は、無処理に比べて10倍以上大きくな
った。OD基の生成は、OH基の場合と吸収波長帯が異
なるため、光通信で使用する1.5μm帯での導波路の
伝搬損失は小さい。
【0016】従来例4 従来法1の火炎堆積法により、Geを添加したコアを持
つ導波路を作製する。導波路は、従来例1とまったく同
じ方法で作製し、伝搬損失等の特性も同じである。その
後、グレーテイングを形成する前に、水素ガスを毎分3
リットル流しながら、400℃の温度での熱処理を18
時間行った。この水素ガス中での高温熱処理は、水素分
子の導波路コア膜中への拡散を熱により加速して、処理
時間の短縮を目指したものである。この処理によって、
光誘起屈折率変化は約8倍程大きくなった。しかし、熱
処理による屈折率変化の制御は難しく、同じ屈折率を持
つデバイスを再現性良く作製するのは難しい。また、屈
折率変化の原理は、従来法2と同じく、水素分子を導波
路コア膜中に拡散させ、エキシマレーザのエネルギーで
水素分子を解離させ、コア膜中のGe、Si原子と新た
なGe−H、Ge−OH、Si−OHやSi−H結合な
どを作り、屈折率を変化させる事である。従って、導波
路の損失も大きい。 20mm長の導波路に5mmのグ
レーティングを高温水素処理を行って、作製した場合、
約2〜4dBの伝搬損失増加が発生した。また、処理温
度が高い場合、石英膜中の元素が還元され、導波路の特
性も変化する問題点もある。
【0017】従来例5 光ファイバを使用して、屈折率変調型グレーティングを
作製する。例えば、特開平9−311238「光導波路
型回折格子の作成方法」に従来のファイバグレーティン
グ及び導波路グレーティングの製作方法が示されてい
る。図19にその構成図を示す。図中、401は被加工
物であるファイバ、402は照射光束、403は露光マ
スクであり、404は光学系であり、マスク403上の
光分布をファイバ401に転写あるいは伝送する。照射
光束402を露光マスク403を透過させて格子状の強
度分布に変調し、光学系404として例えば縮小転写レ
ンズなどで被加工ファイバ401に転写照射を行う。フ
ァイバ401の、GeO2が添加されているコア部分の
うち照射光束に照明された部分のみが選択的に屈折率変
化を生じ、格子状の光強度分布に対応したグレーティン
グがファイバコアに形成される。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】従来のグレーティング
製造方法は、以上のように構成されていたので1つのグ
レーティングに対応した位相マスクを介して、素子上に
1種類のグレーティングしか形成することはできなかっ
た。また、エキシマレーザを使用する場合、エキシマレ
ーザは放電によりフッ素ガスとクリプトンガス中の分子
において電子が励起され基底状態に戻る際の発光を利用
するが、緩和時間が短いため固体レーザなどと比較し
て、光ビームのコヒーレンシーも悪く、強度分布も均一
ではない。そのため、従来法により光ファイバもしくは
導波路コアに大面積で所望のグレーティングパターンを
作製することは難しかった。
【0019】また、グレーティングを形成する際、グレ
ーティングの屈折率変化とコアの屈折率変化によりファ
イバコアもしくは導波路コアの平均屈折率分布が形成さ
れる。グレーティングのブラッグ反射波長特性におい
て、サイドローブを低減するためには、グレーティング
の屈折率分布をガウス型分布などの分布にして共振を押
さえる必要がある。さらに、ファイバコアもしくは導波
路コアの平均屈折率分布においても、平均屈折率分布が
フラツトでないと短波長側もしくは長波長側のサイドロ
ーブもしくは帯域内リツプルなどが発生する。
【0020】従来これらを解決するためには、光ビーム
を細く絞り位相マスクに対し走査して、照射時間を変化
させてグレーティングにガウス型屈折率分布を形成する
アポダイズ技術を用いていた。また、別のアポダイズ技
術として、位相マスクの溝深さをグレーティングの長手
方向(光の進行方向)に対して分布をつけて回折パター
ンの強度分布にガウス型屈折率分布を形成するアポダイ
ズ技術もある。
【0021】さらに、ファイバコアもしくは導波路コア
の平均屈折率分布の平坦化のためには、グレーテイング
全体にグレーティングの屈折率分布を平坦化するように
DC屈折率分布を形成していた。しかし、これら従来法
では、アポダイズに時間がかかるといった問題点や2度
の光照射工程が必要であり煩雑であるという問題点があ
り、さらには走査によって正確なガウス分布を形成する
ことが困難であるという問題点があった。そのために、
製造コストを安価にすることができず、安価な光デバイ
スを提供することができないという問題点があった。
【0022】そこで、本発明は大面積において均一なグ
レーティングを形成することができ、また複数のブラッ
グ波長を有する集積化したグレーティングを安価にかつ
容易に作製することができる光デバイスのグレーティン
グ製造方法と製造装置を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めに、本発明に係る第1のグレーティング製造方法は、
コア部を有し該コアに沿って光を伝送させる光伝送路に
互いに異なる屈折率領域が並置されてなるグレーティン
グを形成する方法であって、1つの光源から出射された
光ビームを複数の光ビームに分割する光分割ステップ
と、上記分割された複数の光ビームをそれぞれ、上記コ
ア上の互いに異なる所定の位置にそれぞれ対応する干渉
縞が形成されるように回折させる回折ステップとを含
み、上記各干渉縞の強度分布にそれぞれ対応した屈折率
領域を形成することにより、上記分割された各光ビーム
にそれぞれ対応するグレーティングを形成することを特
徴とする。このようにすると、上記光伝送路のコア上に
上記複数の光ビームに対応した複数の干渉縞を一度に形
成することができる。ここで、本発明にいう光伝送路
は、光ファイバーや基板上に形成された導波路等のコア
を有する光伝送路を総称していう。
【0024】また、本発明に係る第1のグレーティング
製造方法では、光ビームのエネルギーを効率的に使用す
るために、上記光分割ステップと上記回折ステップとの
間に分割された光ビームを集光するステップを含むこと
が好ましい。
【0025】また、本発明に係る第1のグレーティング
製造方法では、上記光分割ステップにおいて上記分割さ
れた光ビームがそれぞれ、該光ビームに対応して形成さ
れるグレーティングの長手方向を含む1つの面内におい
て所定の強度分布を有するように分割し、上記回折ステ
ップにおいて上記所定の強度分布に対応する強度分布を
有する干渉縞をコア上に形成することにより、上記分割
された光ビームの強度分布に対応した屈折率分布を有す
るグレーティングを形成するようにしてもよい。このよ
うにすると、上記光ビームが種々の強度分布を有するよ
うに分割することにより、種々の屈折率分布を有するグ
レーティングを形成することができる。
【0026】さらに、本発明に係る第1のグレーティン
グ製造方法では、上記光分割ステップにおいて、上記屈
折率分布を有するグレーティングに照射することにより
該グレーティングの平均屈折率分布が平坦になるような
強度分布を有する光ビームを成形し、上記グレーティン
グに回折させることなく照射するようにしてもよい。こ
のようにすると、上記屈折率分布を有するグレーティン
グの平均屈折率分布を平坦にすることができ、該グレー
ティングの反射特性を良好にできる。
【0027】またさらに、本発明に係る第1のグレーテ
ィング製造方法では、上記回折ステップにおいて、1又
は2以上の透過型回折格子を用いて回折させることがで
きる。
【0028】また、本発明に係る第1のグレーティング
製造方法では、上記透過型回折格子が、同一ピッチの溝
又はピッチの異なる溝を有するので構成することができ
る。
【0029】また、本発明に係る第2のグレーティング
製造方法は、コア部を有し該コアに沿って光を伝送させ
る光伝送路に互いに異なる屈折率領域が並置されてなる
グレーティングを形成する方法であって、1つの光源か
ら出射された光ビームを、それぞれ互いに異なる波長の
複数の光を含む複数の光ビームに分割する光分割ステッ
プと、上記各光ビームを平行ビームとした後上記コア上
に集光することにより、上記コア上に上記分割された光
ビームに含まれる上記各光の波長に対応する強度分布を
有する干渉縞を形成することとを含み、上記各干渉縞の
強度分布にそれぞれ対応した屈折率領域を形成すること
を特徴とする。このようにすると、上記光伝送路のコア
上に上記複数の光ビームに対応した複数の干渉縞を一度
に形成することができる。
【0030】また、本発明に係る第1のグレーティング
製造装置は、コア部を有し該コアに沿って光を伝送させ
る光伝送路に互いに異なる屈折率領域が並置されてなる
グレーティングを形成する装置であって、1つの光源か
ら出射された光ビームを複数の光ビームに分割する光分
割部と、上記分割された複数の光ビームに対応して設け
られ、該複数の光ビームをそれぞれ上記コア上の互いに
異なる所定の位置に干渉縞が形成されるように回折させ
る透過型回折格子とを含み、上記各干渉縞の強度分布に
それぞれ対応した屈折率領域を形成することを特徴とす
る。このようにすると、上記光伝送路のコア上に上記複
数の光ビームに対応した複数の干渉縞を一度に形成する
ことができる。
【0031】また、本発明に係る第1のグレーティング
製造装置は、上記光ビームを効率的に使用するために、
上記光分割部と上記透過型回折格子との間に分割された
光ビームを集光するレンズを備えることが好ましい。
【0032】また、本発明に係る第1のグレーティング
製造装置において、上記光分割部は、上記分割された光
ビームがそれぞれ、該光ビームに対応して形成されるグ
レーティングの長手方向を含む1つの面内において所定
の強度分布を有するように分割し、上記透過型回折格子
が上記所定の強度分布に対応する強度分布を有する干渉
縞をコア上に形成するように構成され、上記分割された
光ビームの強度分布に対応した屈折率分布を有するグレ
ーティングを形成するようにすることができる。
【0033】さらに、本発明に係る第1のグレーティン
グ製造装置において、上記光分割部はさらに、上記屈折
率分布を有するグレーティングに照射することにより該
グレーティングの平均屈折率分布が平坦になるような強
度分布を有する光ビームを成形し、該光ビームを上記グ
レーティングに直接照射するようにすることにより、上
記屈折率分布を有するグレーティングの平均屈折率分布
を平坦にするようにできる。
【0034】またさらに、本発明に係るグレーティング
製造装置では、上記透過型回折格子が、同一ピッチの溝
又はピッチの異なる溝を有するもので構成することがで
きる。
【0035】また、本発明に係るグレーティング製造装
置は、コア部を有し該コアに沿って光を伝送させる光伝
送路に互いに異なる屈折率領域が並置されてなるグレー
ティングを形成する装置であって、1つの光源から出射
された光ビームを、それぞれ互いに異なる波長の複数の
光を含む複数の光ビームに分割する光分割部と、上記各
光ビームを平行ビームとする拡大光学レンズと、上記平
行ビームを上記コア上に集光することにより、上記コア
上に上記分割された光ビームに含まれる上記各光の波長
に対応する強度分布を有する干渉縞を形成する縮小光学
レンズとを含み、上記各干渉縞の強度分布にそれぞれ対
応した屈折率領域を形成することを特徴とする。このよ
うにすると、上記光伝送路のコア上に上記複数の光ビー
ムに対応した複数の干渉縞を一度に形成することができ
る。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
る実施の形態について説明する。 実施の形態1.図1(a)は、本発明に係る実施の形態
1の光デバイスのグレーティング製造装置の構成を模式
的に示す概略構成図である。実施の形態1のグレーティ
ング製造装置は、本発明に係る第1のグレーティング製
造方法を実施する装置であって、レーザー発振器1とホ
ログラム光学素子2と位相マスク3により構成され、以
下のようにして、例えばシリコン基板上に形成された導
波路4にグレーティングを形成する。ここで、位相マス
ク3には図1(b)に示すように、導波路4に形成すべ
き複数のグレーティングにそれぞれ対応する複数の透過
型回折格子が形成され、それぞれ導波路4のコア上にグ
レーティングを形成するための干渉縞を形成する。ま
た、ホログラム光学素子2は、レーザー発振器から出力
されたレーザー光を位相マスク3に形成された各透過型
回折格子にレーザー光を照射するように複数のレーザー
光に分割するためのパターンが形成されてなり、レーザ
ー発振器1から出力されたレーザー光5を複数に分割し
て各透過型回折格子に分割されたレーザー光を照射す
る。
【0037】グレーティングを形成する導波路として
は、例えば、コアにゲルマニウムが添加され、コアとク
ラッドの屈折率差は約0.7%であり、例えばコア径が
6ミクロン角であるCVD法により作製した石英系導波
路を用いることができる。また、グレーティングを形成
する導波路は、光照射により屈折率の変化が生じるコア
であれば、他の製法例えば火炎堆積法によって作製した
石英系導波路でも、また光ファイバであっても良い。
【0038】以上のように構成された実施の形態1の光
デバイスのグレーティング製造装置において、レーザ発
振器1から出力されたレーザ光は、ホログラム光学素子
2によって複数の所定の方向に進むレーザビームに分割
され、位相マスク3の各透過型回折格子に照射される。
透過型回折格子に照射された光は、位相マスク3の各透
過型回折格子における各溝部分を透過し、透過した光は
導波路コア上に各透過型回折格子の溝の間隔に応じた間
隔を有する干渉縞を形成する。そして、導波路のコアに
おいて、照射された光の強度に対応して屈折率を変化さ
せることができるので、導波路コア上に形成された干渉
縞の間隔に対応した屈折率分布、すなわちグレーティン
グが形成される。
【0039】ここで、光分割手段であるホログラム2に
よって分割できるレーザ光の数及び分割された各レーザ
光の出射方向は、ホログラム2に形成されるパターンに
より任意に設定することができ、位相マスク3上の任意
の位置にレーザービームスポットを照射することができ
る。また、位相マスク3において導波路4に形成すべき
複数のグレーティングにそれぞれ対応させて任意の位置
に複数の透過型回折格子を形成することができる。
【0040】従って、本実施の形態1のグレーティング
製造装置によれば、1つのレーザー発振器1から出力さ
れた1つのレーザー光5を用いて、複数のグレーティン
グを所望の位置にかつ同時に形成することができるの
で、複数のブラッグ波長を有する集積化したグレーティ
ングを安価にかつ容易に作製することができる。また、
本実施の形態1のグレーティング製造装置は、1つのレ
ーザー発振器1から出力された1つのレーザー光5を分
割して、分割された複数の光ビームを用いて大面積の所
望のグレーティングパターンを作製することができるの
で、大面積において均一なグレーティングを所望の位置
に形成することができる。さらに、それぞれの照射スポ
ットを位相マスク3上の透過型回折格子である任意の開
口部分に選択的に配置することができ、マスクの遮蔽部
分を照射するエネルギーを減らすことができるので位相
マスク3においてロスとなるエネルギーをほとんどなく
すことができ、レーザー光のエネルギーを有効に利用し
てグレーティングを作製することができる。
【0041】なお、上述のように、位相マスク3は溝が
形成された部分とされていない部分からなり、回折パタ
ーンが必要な部分のみ溝を形成したものである。その溝
の間隔は、対応するグレーティングのピッチに依存し、
従来技術において説明した式(1)の関係から求められ
る。しかしながら、本発明では、位相マスク3と導波路
4との間に、金属等の遮蔽物を設け、該遮蔽物にグレー
ティングを形成する部分のみに光が照射されるようにス
リットを形成し、レーザ光がグレーティングを形成する
部分のみに照射されるようにすることが好ましい。これ
によって、グレーティングを形成する部分以外の導波路
のコアの屈折率を変化させないようにでき、導波路特性
を劣化させないようにできる。
【0042】次に、本実施の形態1に用いた位相マスク
3の例を図2に示す。図2(a)は、本発明における位相
マスク3の一例を示す構成図であり、ホログラム光学素
子2により分割された光ビーム位置に対応して透過型回
折格子が形成されている。図中の溝は、波長1550n
m、波長1552nm及び波長1554nmに対応した
間隔で形成され、それぞれ、1067.5nm、106
8.9nm及び1070.2nmとした。図2(a)におい
て、溝は対応するグレーティングの位置に幅0.5m
m、長さ10mmに形成した透過型回折格子を形成し
た。また、図2(b)においては、別な例として、グレー
ティングに対応する光ビーム照射位置に幅2mm、長さ
20mmに形成した透過型回折格子を形成した。この場
合、ホログラム光学素子2と位相マスク3の間に金属な
どの遮蔽マスクを置き、グレーティングを形成すべき領
域以外の導波路コアに不要な光が照射されないようにす
ることが好ましい。例えば、方向性結合器のような光回
路部分に不要なグレーティングが形成されることを防ぐ
ためである。
【0043】実施の形態2.以下、本発明に係る実施の
形態2の光デバイスのグレーティング製造装置について
説明する。図3は、本発明の光デバイスのグレーティン
グ製造装置の構成を示す概略図である。本実施の形態2
の光デバイスのグレーティング製造装置は、実施の形態
1の光デバイスのグレーティング製造装置においてさら
に、2つの光学レンズ50a,50bを設けた以外は、
実施の形態1と同様に構成される。尚、図3において、
実施の形態1と同様のものには、同様の符号を付して示
している。
【0044】以上のように構成された実施の形態2の光
デバイスのグレーティング製造装置では、レーザ発振器
1を出た光は、ホログラム2によって多数の任意の方向
へ進むレーザビームに分割され、次に光学レンズ50
a,50bによって集光され、位相マスク3に照射され
る。
【0045】以上のように構成された実施の形態2の光
デバイスのグレーティング製造装置は、実施の形態1と
同様の効果を有するとともに、2つの光学レンズ50
a,50bによって、光を集光して位相マスク3の所定
の位置(透過型回折格子が形成された位置)に分割した
レーザー光を照射するように構成しているので、位相マ
スク3の所定の位置に照射するレーザ光の強度を高くす
ることができ、より効率的にグレーティングを形成する
ことができる。
【0046】実施の形態3.本実施の形態3は、実施の
形態1の光デバイスのグレーティング製造装置を用いた
新たなアポダイズ方法(グレーティング製造方法)を示
すものである。ここで、本発明においてアポダイズ方法
とは、グレーティングの屈折率を所定の形状に分布させ
る方法をいう。従来技術で説明したように、サイドロー
ブピークを低減するためには、グレーティングの屈折率
分布を、グレーティングの光の進行方向(長手方向)に
対してガウス分布やハイパブリックタンジェント分布な
どグレーティング内での共振を抑えることができる分布
にする必要がある。
【0047】本実施の形態3の方法は、形成するグレー
ティングの屈折率分布に対応する強度分布を有するレー
ザビームを用いて、その強度分布に対応する屈折率分布
を有するグレーティングを形成している。例えば、エキ
シマレーザを使用した例で説明すると、エキシマレーザ
の光ビームの直交するX軸方向とY軸方向の強度分布
は、それぞれ図4に示すようにガウス分布と矩形分布で
ある。この強度分布のうち、ガウス分布をするX軸方向
を、形成すべきグレーティングの光の進行方向(長手方
向)に一致するように、実施の形態1の装置を用いて、
レーザ光を間隔が同じで溝深さも同じ単純な透過型回折
格子を有する位相マスク3を介して導波路に照射する
と、光ビームの強度分布(ガウス分布)に対応した強度
分布(ガウス分布)をする干渉縞が導波路(コア)上に
形成される。これによって、その干渉縞の強度に対応し
た屈折率分布を有するグレーティングを形成することが
できる。その結果、得られたグレーティングは、サイド
ローブピークの抑制された反射波長特性を有するものと
できる。
【0048】本実施の形態3では、レーザ発振器1から
放射される光ビームの強度分布をそのまま利用したが、
本発明はこれに限らず、光学系により所望の強度分布に
成形し、その成形した強度分布をホログラム光学素子2
に入射させても同じ効果が得られる。また、成形する光
ビーム強度分布としては、スーパーガウシアンやハイパ
ブリックタンジェント、ハイパブジックサイン、三角関
数分布、指数関数分布など種々の分布が可能である。す
なわち、グレーティングの必要とされる反射特性に対応
した強度分布を選択して使用することができる。
【0049】実施の形態4.実施の形態3では、レーザ
ビームの強度分布に対応させてグレーティングの屈折率
分布を制御して、得られるブラッグ反射波長特性におい
てサイドローブピークを抑制することができることを示
した。しかし、実施の形態3のアポダイズ方法では、図
6(a)に示すようにグレーティングを形成することが
できるが、そのグレーティングにおける導波路コアの平
均的な屈折率分布(平均屈折率分布)は、図6(b)に
おいてG2の符号を付して示すように、フラットではな
い。そのため、帯域内リップルや短波長及び長波長側で
の不要なサイドバンドピークが発生する。実施の形態4
では、実施の形態1の装置を使用して、ホログラム光学
素子2によって入射ビーム強度分布を成形して、例え
ば、ガウス分布を有する光ビームとともに、導波路コア
の平均屈折率分布をフラットにするような強度分布を有
する光ビームを作製してグレーティング部分に照射する
方法を示す。
【0050】本実施の形態4において、ホログラム光学
素子は、図5に示すように同一箇所のグレーティングに
たいし2つの箇所からレーザ光を照射するように構成す
る。すなわち、その1つの光ビームは、例えばガウス分
布する強度分布を有する光ビームB1であり、図5に示
すように、透過型回折格子を介して導波路のコア部に照
射され、コア部に図6(b)に示すような屈折率分布を
形成する。ここで、図6(b)において、G1の符号を
付して示す線は、グレーティングにおける各高屈折率領
域の屈折率の分布を表している。G2の符号を付して示
す線は、グレーティングにおける平均屈折率を表してい
る。
【0051】もう1つの光ビームB2は、図6(b)に
おける平均屈折率G2を平坦にする強度分布を有する光
ビームであって、図5に示すように透過型回折格子を通
過することなく直接コア部に照射される。ここで、光ビ
ームB2が単独で図5に示すように透過型回折格子を介
することなく、コア部に照射された場合は、図6(c)
に示すような、屈折率分布をグレーティングの長手方向
に形成する。ここで、図6(c)の屈折率分布G3は、
光ビームB1が形成する屈折率分布G1の平均屈折率分
布G2を丁度平坦にするような分布である。
【0052】以上のように2つの光ビームB1,B2を
用いることにより、図6(d)に示すように、平均屈折
率G5が平坦なグレーティングを形成することができ
る。尚、図6(d)において、G4の符号を付して示す
線は、グレーティングにおける高屈折領域の屈折率の分
布を示し、G6の符号を付して示す線は、低屈折率領域
の屈折率の分布を示す。以上のようにして実施の形態4
の方法では、例えばガウス分布等の所望の屈折率分布を
有しかつ平均屈折率が平坦であるグレーティングを形成
することができる。以上の方法により形成された図6
(d)に示す屈折率分布を有するグレーティングは、図
7(c)に示すようなサイドバンドピークのない波長特
性を有するようにできる。
【0053】以上の実施の形態4では、2つの光ビーム
B1,B2を用いたが、本発明はこれに限られず、2以
上の光ビームを用いてもよい。この場合、そのうちの幾
つかは途中の位相マスクで回折させ、残りは位相マスク
で回折させずに透過させて種々の屈折率分布を有するグ
レーティングを形成することができる。すなわち、位相
マスクに溝を形成した部分としていない部分を作り、回
折パターンが必要な部分のみ溝を形成するようにした。
【0054】実施の形態5.実施の形態4では、ホログ
ラム光学素子2によって、例えば、ガウス分布を有する
光ビームと、導波路コアの平均屈折率分布をフラットに
するような強度分布を有する光ビームとを同時に導波路
に照射してグレーティングを作成したが、実施の形態5
では、例えば、ガウス分布を有する光ビームを導波路の
コアに照射してグレーティングを作製した後、導波路コ
ア上に作製されたグレーティングの平均屈折率分布をフ
ラットにするような強度分布を有する光ビームを作製さ
れたグレーティング上に照射してグレーティングの平均
屈折率分布を平坦化した。
【0055】すなわち、本実施の形態5では、位相マス
クの一部に図7(d)に示すアポダイズマスクを作製し
て、ホログラム光学素子から入射された光ビームをその
アポダイズマスクを介して導波路の所定の位置に照射す
ることにより干渉縞を形成する。ここで、図7(d)に
示すアポダイズマスクにおいて光ビームは該アポダイズ
マスクの平坦な上面から照射する。これによって、図8
(b)に示すような、グレーティングの低屈折率領域屈
折率がG12に示す逆ガウス分布しかつ平均屈折率がG
11に示す逆ガウス分布する屈折率分布を有するグレー
ティングが導波路のコア上に形成される。この図8
(b)に示す屈折率分布を有するグレーティングは、図
7(b)に示す通過帯域の高域側にサイドバンドピーク
を有する波長特性を示す。
【0056】以上のようにアポダイズ処理(所定の屈折
率分布を有するグレーティングの作製)をした後、アポ
ダイズ処理に使用したホログラム光学素子と位相マスク
とを取り除き、導波路コアに形成されたグレーティング
の平均屈折率分布G11をフラットにするような強度分
布を有する光ビームを成形するホログラム光学素子(以
下、ホログラム光学素子Bという。)を用いて、グレー
ティングの平均屈折率分布G11をフラットにするよう
な強度分布を有する光ビームをグレーティング部分に照
射した。尚、図8に示す例では、ホログラム光学素子B
は図8(c)に示す屈折率分布を導波路のコアに形成す
る強度分布を有する光ビームを成形するように構成され
る。これによって、図8(d)に示すような平均屈折率
分布G15が平坦でありかつ高屈折率領域の屈折率分布
G14が例えばガウス分布するようなグレーティングを
形成することができる。これによって、図7(c)に示
す波長特性、すなわち、サイドバンドピークの無い波長
特性を実現することができる。
【0057】実施の形態6.図9は、本発明に係る実施
の形態6の構成を示す模式図である。本実施の形態6の
光デバイスのグレーティング製造装置は、図1に示した
実施の形態1の光デバイスのグレーティング製造装置に
おいて、位相マスク3に代えてホログラム光学素子2と
グレーティングを形成する導波路4との間に拡大系光学
レンズ50及び縮小系光学レンズ60a,60bとを設
けたことを特徴とし、それ以外の点は実施の形態1と同
様に構成される。尚、図9において、レーザ発振器1は
実施の形態1と同様のものである。尚、本実施の形態6
の光デバイスのグレーティング製造装置は、本発明に係
る第2のグレーティング製造方法を実施する装置であ
る。
【0058】以上のように構成された実施の形態6の装
置において、レーザ発振器1から出力された光は、ホロ
グラム光学素子2おいて幾つかの光ビームに分割され
る。尚、図9では、2つに分割したものを示している
が、本発明は2つに限定されるものではない。その際、
ホログラム光学素子2において分割したそれぞれの光ビ
ーム形状を間隔1067.5nm、1068.9nm及び
1070.2nm等の所定の間隔の波長の複数の光を含
む周期的なものとする。その後、分割された光はそれぞ
れ、拡大系光学レンズ50により平行ビームとされ、縮
小系光学レンズ60a,60bにより導波路4又は光フ
ァイバ上の所定の位置に集光されて干渉縞が形成され
る。
【0059】本実施の形態6の方法によれば、縮小系光
学レンズ60a,60bの位置を光軸方向に移動させる
ことにより、分割したそれぞれのビーム形状の光ビーム
が導波路上に形成する干渉縞の間隔を任意に調整するこ
とができる。これにより、レンズ60a,60bの位置
を種々変更することにより、各種の間隔を有するグレー
ティングを形成することができる。また、本実施の形態
6では、互いに独立して位置を調整することができる複
数の縮小系光学レンズを用いることにより、一度に複数
の箇所にそれぞれ異なる周期を有するグレーティングを
形成することができる。すなわち、本実施の形態6の方
法では、形成すべきグレーティングごとに位相マスクを
作製する必要がなく、製造コストを削減できる。
【0060】
【実施例】実施例1.実施例1は、実施の形態1の製造
装置を用いて、図14に示す光フィルタを形成した例で
ある。本実施例では、レーザ発振器1としては、クリプ
ロンとフッ素ガスが主体のエキシマレーザ等を使用し、
波長248nmのレーザ光を用いて、照射条件を、10
0mJ/cm2/pulseで照射時間10分とし、周
波数50Hzの条件に設定することにより作成した。な
お、レーザ発振器1から出力されるビームサイズは20
mm×30mmに設定した。以上のようにして、図14
に示すように、導波路コア上の複数の箇所にピッチの異
なるグレーティグ201,202を形成する事ができ
た。今回は、波長数を2とし2カ所づつの直線導波路に
同じ間隔のグレーティングを形成した。グレーティング
は全部で4カ所作製し、同じピッチのグレーティングが
対をなしている。ブラッグ波長は、1550nmと15
52nmとし、この時の帯域は約0.9nmであった。
これにより、1550nmと1552nmで反射し、そ
れ以外の波長を通過させる3波長の合分波が可能な集積
化波長多重用光フィルタが得られた。この光フィルタの
サイズは、幅約4mm、長さ35mm、厚さ1mmであ
った。
【0061】実施例2.実施例1と同様に石英系導波路
にピッチの異なるグレーティングを形成した。本実施例
2では図15に示す集積化グレーティングを作製した例
を示している。実施例2では、ピッチの異なる波長数を
3とし2カ所づつの直線導波路に同じ間隔のグレーティ
ング201,202,203を形成した。グレーティン
グは全部で6カ所作製し、同じピッチのグレーティング
が対をなしている。ブラッグ波長は、1550nm、1
552nmと1554nm、帯域はそれぞれ約0.9n
mであつた。これにより、1550nm、1552nm
と1554nmで反射し、それ以外の波長を通過させる
4波長の合分波が可能な集積化波長多重用光フィルタが
得られた。
【0062】この光フィルタのサイズは、幅約6mm、
長さ40mm、厚さ1mmで、グレーティングを形成す
るエリアは、幅2mm、長さ30mmの範囲であった。
レーザ発振器からのビームサイズは20mmX30mm
であり、今回のグレーティング照射エリアば、十分であ
った。しかし、集積化が進み、仮にグレーティング照射
がビームサイズよりも大きくなった場合は、光ビームの
コヒーレンシーを大きく劣化させない範囲でビームサイ
ズを大きくすることが必要であり、これは十分可能であ
る。その際、光ビームのコヒーレンシーを良くするため
に、光学レンズ、すなわち凹レンズと凸レンズを適当に
組み合わせて用いることが好ましい。
【0063】実施例3.本実施例3は、実施の形態2の
光デバイスのグレーティング製造装置を用いて実施した
例である。本実施例3において、グレーティング形成用
に用いた試料は、火炎堆積法により作製した石英系導波
路であり、コアにはゲルマニウムを添加し、コアとクラ
ッドの屈折率差は約0.3%、コア径は約8ミクロン角
であった。グレーティング形成は、光照射により屈折率
の変化が生じるコアであれば、他の製法例えばCVD、
スパッタ法によって作製した石英系導波路でも、また光
ファイバでも良い。
【0064】実施例3において、レーザ発振器1を出た
光は、ホログラム2によって多数の任意の方向へ進むレ
ーザビームに分割され、次に光学レンズ50a,50b
によって集光され、位相マスク3に照射された。位相マ
スク3の表面には間隔の異なる複数の溝を形成し、各溝
部分(各透過型回折格子)を透過したレーザ光は導波路
のコア上に溝の間隔に応じた干渉縞間隔を形成した。
尚、本実施例3では、YAGレーザの第4高調波を使用
し、波長は266nmとして、照射条件は、200mJ
/cm2で照射時間20分で行った。レーザ発振器1か
ら出たビームサイズは数mm径であったため拡大光学系
により、30mm径に大きくして使用した。YAGレー
ザは、コヒーレンシーが高いため光学系を用いて拡大、
縮小を行った後でも干渉を利用した位相マスクにより十
分干渉パターンを形成する事が可能であった。このよう
にして、導波路コア上の複数の箇所にピッチの異なるグ
レーティングを形成する事ができた。尚、グレーティン
グのパターンは、実施例1と同じパターンとした。
【0065】また、本実施例3において、実施例1と同
様に、ホログラム光学素子2のパターンを変更すること
により、それぞれの照射スポットをマスク上にあいた任
意の位置に選択的に配置可能であり、さらに光学レンズ
により集光可能であることから、実施例1に比べさらに
エネルギー利用効率の高い高効率なグレーティング作製
が可能であった。
【0066】実施例4.本実施例4は、実施の形態3の
アポダイズ方法の実施例である。本実施例4では、レー
ザビームとしてエキシマレーザを使用した。その光ビー
ムの直交する2軸方向での強度分布は、図3に示すよう
にガウス分布と矩形分布である。この強度分布のうち、
ガウス分布の光ビーム方向をグレーティングの光の進行
方向(長手方向)に合わせて、実施例1と同様にホログ
ラム光学素子、位相マスクを置きグレーティングを形成
した。その結果、位相マスクとして、間隔が同じで溝深
さも同じ単純マスクに照射しても、光ビームの強度分布
がグレーティングの長手方向に対しガウス分布であった
ため、グレーティングの屈折率分布としてガウス分布に
近いものが得られた。その結果、得られたブラッググレ
ーティングの反射波長特性としては、サイドローブピー
クの抑制されたものであった。
【0067】実施例5.本実施例5は、実施の形態1の
グレーティング製造方法用いて作製した光デバイスの例
であって、一方向から来た波長多重光を2方向に分岐す
る光分岐回路を波長選択性結合器と方向性結合器を用い
て実現した例である。本実施例の構成を図10に示す。
図10において、10は光分岐回路、20a,20b,
20cはそれぞれ光フィルタ、31は方向性結合器とし
ての3dBカプラ、22a,22b,22cは波長選択
性反射器としての本発明の導波路型グレーティング、2
3は屈折率調整部、24a,24b,24cは薄膜ヒー
ターを示す。また、25aは光フィルタ20a,20
b,20cの第1の端子である、3dBカプラ21の前
段の端子であり、25bは光フィルタ20a,20b,
20cの第2の端子である、3dBカプラ21の前段の
端子であり、26aは光フィルタ20a,20b,20
cの第3の端子である、3dBカプラ21の後段の端子
であり、26bは光フィルタ20a,20b,20cの
第4の端子である、3dBカプラ21の後段の端子であ
る。3つの光フィルタ20a,20b,20cの片方の
3dBカプラが隣の光フィルタの3dBカプラと接続さ
れ、それぞれの光フィルタはペルチエ素子30にマウン
トされ温度が25℃に保持される。
【0068】光フィルタ20aの端子26aと光フィル
タ20bの端子26bとが、光フィルタ20bの端子2
6aと光フィルタ20cの端子26bが、さらに、光フ
ィルタ20cの端子26aと光フィルタ20aの端子2
6bとが接続される。また、3つの光フィルタ20a,
20b,20cの3dBカプラ21の前段の端子25
a,25bは図11に示すように光分岐回路31への入
出力ファイバ27a,527b,28a,28b,29
a,29bにそれぞれ接続される。光フィルタ20a,
20b,20cの導波路型グレーティング22a,22
b,22cのブラッグ中心波長は、すべてλ1である。
ファイバ27aから入力された波長λ1の光は、光フィ
ルタ20aの端子25aから入射し、光導波路型グレー
ティング22aで反射され端子25bを経てファイバ2
9bから出力される。すなわち、ファイバ27aから、
ファイバ29bへの経路設定は、入力される光信号の波
長λにより自動的にきまる。
【0069】光フィルタ20aの端子25aから入射し
た波長λ1以外の波長の光信号は、光導波路型グレーテ
イング22aを透過して端子26bに出力される。次い
で、光フィルタ20cの端子26aに入射するが、ま
た、光導波路型グレーティング22cを透過して端子2
5bを経て28bに出力する。すなわち、波長λ1以外
の波長の光信号の経路は、ファイバ27aからファイバ
28bに経路設定される。
【0070】同様に、ファイバ28aから入力された波
長λ1の光信号は光フィルタ20bで反射してファイバ
27bに出力され、ファイバ28aから入力された波長
λ1以外の波長の光信号はファイバ29bに出力され
る。さらに、ファイバ29aから入力された波長λ1の
光信号は光フィルタ20cで反射してファイバ28bに
出力し、ファイバ29aから入力された波長λ1以外の
波長の光信号はファイバ27bに出力される。ファイバ
27aから入力された波長λ1の光信号のうち、光導波
路型グレーティング22aで反射しきれずに通過するわ
ずかな成分は、すべて光フィルタ20cに向かう。そこ
で、その大部分は反射され光フィルタ20bに向かう。
さらに、大部分が反射され再び光フィルタ20aに向か
う。実際は、導波路損により、消失しクロストークには
ならない。
【0071】一方、ファイバ27aから入力された波長
λ1以外の波長の光信号のうち、端子26aに出力され
る光信号がわずかにあるが、これは、光フィルタ20b
の端子25bへと向かう。前記端子26aに出力される
光信号の進行方向は光ファイバ28aの進行方向とは逆
になるため、他の信号のクロストークにはならない。従
って、クロストークの小さい光フィルタが構成できる。
【0072】一般的に光源波長には、わずかな波長変動
があり、0.数nm程度の波長変動が発生する。この種
波長変動が生じると、本来30dB以上の透過阻止量を
持っていた各グレーティングの阻止帯域から光源波長が
ずれるため、透過阻止量が15dB程度に劣化した。そ
こで、光源の波長変動量を測定し、光導波路グレーティ
ングにある薄膜ヒーターの電流値を波長変動量に応じて
変化させ、マッハツェンダ型光導波路のコアの温度を変
化させ、グレーティングのブラッグ波長を変動した光源
波長に設定した。
【0073】例えば、波長変動量が0.1nmであった
場合、各光フィルタの2つの薄膜ヒーターに、それぞれ
16mAを通電した。前記2つの薄膜ヒーターでの波長
制御を正確に一致させないと、グレーティングで反射さ
れ出力される光信号の波長が広がり強度も劣化した。そ
こで、光フィルタからの出力光をモニターしつつ、前記
2つの薄膜ヒーターへの電流印加量を制御することによ
り、光源の波長変動に対応することができ、30dB以
上の透過阻止量が得られた。その結果、クロストークが
小さい高密度波長多重光伝送システムが構築できた。
【0074】本実施例5では、薄膜ヒーターを使用して
コアの温度を変化させたが、これに限定されるものでは
なく、導波路の温度を局所的に変化させることができる
装置であれば適用することができ、同様の効果が得られ
る。また、本実施例5では、1つのフィルタから分岐さ
れた光信号の波長λ1と他の光フィルタに挿入した光信
号の波長λ1は同一であるが、各光フィルタに別の波長
を挿入しても同様の効果が得られた。かかる場合、前記
他の光フィルタのブラッグ波長は波長λ1以外の波長に
設定する。
【0075】以上のように、本発明に係る製造方法及び
装置によれば、1つの基板上に互いに反射波長のことな
る多くのグレーティングを含む光伝送システムの製造す
る場合に、多くのグレーティングを一度にかつ精度よく
形成することができるので、比較的大規模な光通信シス
テムを簡単にかつ安価にしかも信頼性高く製造すること
ができる。以上の実施例5では、波長多重光伝送システ
ムを例に説明したが、本発明は他の大規模な光通信シス
テムの製造に適用できることはいうまでもない。
【0076】実施例6.本実施例6は、本発明に係る実
施の形態の製造方法及び製造装置を用いて光分岐回路を
作製した例を示すものである。本実施例6の光分岐回路
は、分岐波長と挿入波長が同じ場合、2つの光導波路型
グレーティングを3dBカプラを介して縦列接続する事
によって、クロストークの発生を少なくするものであ
る。本実施例6の光分岐回路の構成を図11に示す。図
11において、139は光送信器(TX)、140は光
受信器(RX)、121a,121b,121c,12
1dは3dBカプラ、122a,122bは同一のブラ
ッグ波長λ2を有する導波路型グレーティング、123
a1,123a2,123b1,123b2は屈折率調
整部、124a,124bは薄膜ヒーターである。
【0077】第1の光フィルタは、3dBカプラ121
a,121bと、光導波路グレーティング122aと、
屈折率調整部123a1,123a2と薄膜ヒーター1
24aとからなり、第2のフィルタは3dBカプラ12
1c,121dと、光導波路グレーティング122b
と、屈折率調整部123b1,123b2と薄膜ヒータ
ー124bとからなる。また、132は第1の光フィル
タの第1の端子である光伝送路入力端子であり、133
は第1のフィルタの第2の端子である分岐端子であり、
125aは第2のフィルタの第2の端子である3dBカ
プラ121cの前段の端子であり、125bは、第2の
光フィルタの第1の端子である3dBカプラ121cの
前段の端子であり、126aは第1のフィルタの第3の
端子である3dBカプラ121bの後段の端子であり、
126bは、第1の光フィルタの第4の端子である3d
Bカプラ121bの後段の端子であり、134は第2の
光フィルタの第4の端子である光伝送路入力端子であ
り、135は第2のフィルタの第3の端子である挿入端
子である。
【0078】光導波路型グレーティング122aのブラ
ッグ中心波長がλ2の場合、光伝送路入力端子132か
ら入射したWDM光のうち、λ2の光信号だけが導波路
型グレーティング122aで反射され、3dBカプラ1
21aの分岐端子133から取り出す事ができる。この
時、3dBカプラ121aから一方の光導波路型グレー
ティング122aまでの光路長と、3dBカプラ121
aから他方の光導波路型グレーティング122aまでの
光路長とが同じになるように屈折率調整部123a1を
設けた。波長λ2以外の波長の光信号は、光導波路型グ
レーテイング122aを透過し、3dBカプラ121b
に到達するが、ここで、一方の光導波路型グレーティン
グ122aを透過した光信号と他方の光導波路型グレー
ティング122aを透過した光信号との位相差が逆相に
なるように屈折率調整部123a2を設ける。その結
果、波長λ2以外の波長の光は、すべて端子126bか
ら出力される。
【0079】出力した波長λ2以外の波長の光信号は、
端子125bから3dBカプラ121cを通して2つに
分岐される。屈折率調整部123b1と123b2によ
り、3dBカプラ121cと121dの光路長が等しく
なるように調整してあるので、全ての光は光伝送路出力
端子134へ透過する。一方、挿入光は、挿入端子13
7に接続した光送信器139から送信することで端子1
33に出力される。動作は、光伝送路入力端子132か
ら入力した波長λ2の光信号が分岐端子133に出力し
たのと同じである。ここで、光導波路型グレーティング
122bの反射率が100%でないため、透過した僅か
な光は3dBカプラに到達するがほとんどの光は端子1
25aから出力される。
【0080】一般的に光源波長には、わずかな波長変動
があり、0.数nm程度の波長変動が発生する。この種
の波長変動が生じると、本来30dB以上の透過阻止量
を持っていた各グレーティングの阻止帯域から光源波長
がずれるため、透過阻止量が15dB程度に劣化した。
そこで、光源の波長変動量を測定し、光導波路グレーテ
ィングにある薄膜ヒーターの電流値を波長変動量に応じ
て変化させ、マッハツェンダ型光導波路のグレーティン
グのブラッグ波長を波長変動した光源波長に設定した。
【0081】例えば、波長変動量が0.1nmであった
場合、各光フィルタの2つの薄膜ヒーターに、それぞれ
16mAを通電した。光フィルタの2つの薄膜ヒーター
での波長制御を正確に一致させないと、グレーティング
で反射され出力される光信号の波長が広がり強度も劣化
した。そこで、出力光をモニターしつつ、光フィルタの
2つの薄膜ヒーターへの電流印加量を制御することによ
り、光源の波長変動に対応することができ、30dB以
上の透過阻止量が得られ、クロストークが小さい高密度
波長多重光伝送システムが構築できた。
【0082】以上のように、2つの光導波路型グレーテ
ィングを3dBカプラを介して縦列接続することで、光
分岐回路を構成するので挿入光と分岐光のクロストーク
を低減することができる。尚、本実施例6では、光フィ
ルタから分岐した光信号(WDM光に含まれる光信号)
の波長λ2と挿入した光信号(挿入光に含まれる光信
号)の波長λ2は同一であるが、別の波長を挿入しても
同様の効果が得られた。かかる場合、第2の光フィルタ
のブラッグ波長は波長λ2以外の波長に設定する。
【0083】以上のように、本発明に係る製造方法及び
装置によれば、多くのグレーティングを一度にかつ精度
よく形成することができるので、実施例5と同様に1つ
の基板上に互いに反射波長のことなる多くのグレーティ
ングを含む光伝送システムを簡単にかつ安価にしかも信
頼性高く製造することができた。
【0084】実施例7.本実施例は、図12に示す集積
化光フィルタであり、幅10mm、長さ30mmのシリ
コン基板にグレーテイングピッチの異なる8個の光フィ
ルタ219a〜光フィルタ219hを作り込んだであ
る。それぞれの光フィルタは、導波路幅6μm、導波路
間隔は、250μm、コアとクラッドの屈折率差は0.
7%とした。作製は、図13に示すプロセスに従った。
まず、光フィルタ219aの形成部分に窓をもつ金属マ
スク410を置き、光照射して位相マスク310により
導波路に位相マスク310のピッチに応じた回折パター
ンをつくり、グレーティング周期1を有する光フィルタ
219aを作製する。次に、光フィルタ219bの直線
部分に窓をもつように金属マスクを置き、光照射して位
相マスクにより導波路にマスクのピッチに応じた回折パ
ターンをつくり、グレーティング周期2を有する光フィ
ルタ219bを作製する。これを繰り返して、最後は、
光フィルタ219hの形成部分に窓をもつ金属マスク4
20を置き、光照射して位相マスク320により導波路
に位相マスク320のピッチに応じた回折パターンをつ
くり、グレーティング周期8を有する光フィルタ219
hを作製する。
【0085】以上のようにして、光フィルタ219aか
ら219hまで、8種類のグレーティング周期を有する
光フィルタを作製した。次いでこれらの光フィルタを1
6芯のリボンファイバと接続した。表1に、これらの個
々の光フィルタの反射中心帯域及び反射波長の帯域幅を
示す。
【0086】
【表1】
【0087】狭帯域のDFBレーザを波長多重する光フ
ィルタの中心波長に合わせてそれぞれ準備し波長多重す
る。その後、図12に示すように、波長多重した光を2
25aから入射すると、光フィルタ219aでは、中心
波長1510.3nm、1.5nmの帯域で反射して、
端子226aからこの波長に対応したレーザ光が出力さ
れた。これ以外の波長の光は、端子228aから出力さ
れた。次に、端子226aと端子225bとを接続する
と、中心波長1520.1nm、1.6nmの帯域で反
射して、端子226bから中心波長に対応したレーザ光
が出力された。これ以外の波長光は端子228bから出
力された。以下同様に、端子を接続して、8個の光フィ
ルタを縦列に接続すると、それぞれの光フィルタの波長
特性に対応して波長分岐ができた。同様に、端子225
aから中心波長1510.3nm、帯域1.0nmのD
FBレーザ光を入力したところ端子225bから合波さ
れて出力された。これより、8波の波長多重光の分岐挿
入を確認した。尚、本実施例7では、光フィルタから分
岐した波長λ1と挿入した波長λ1は、同一であるが、
別な波長を挿入しても同様の効果が得られた。本実施例
では、ファイバで接続したが、これを導波路で接続して
も同様の効果がある。この場合、ファイバの接続に比べ
接続部での損失が小さくできる。しかし、接続導波路の
曲線の曲率を小さくできないので、寸法はファイバ接続
に比べ同等か少し大きくなる。
【0088】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
る第1のグレーティング製造方法は、1つの光源から出
射された光ビームを複数の光ビームに分割する光分割ス
テップと、上記分割された複数の光ビームをそれぞれ、
上記コア上の互いに異なる所定の位置にそれぞれ対応す
る干渉縞が形成されるように回折させる回折ステップと
を含んでいるので、上記光伝送路のコア上に上記複数の
光ビームに対応した複数の干渉縞を一度に形成すること
ができ、互いに異なるブラッグ波長を有する複数の集積
化されたグレーティングを安価にかつ容易に作製するこ
とができる。また、本発明に係る第1のグレーティング
製造方法は、上述のように構成されているので、1つの
光源から出射された光ビームを分割して、分割された複
数の光ビームを用いて大面積の所望のグレーティングパ
ターンを作製することができるので、大面積において均
一なグレーティングを所望の位置に形成することができ
る。
【0089】また、本発明に係る第1のグレーティング
製造方法では、上記光分割ステップと上記回折ステップ
との間に分割された光ビームを集光するステップを含む
ことにより、光ビームのエネルギーを効率的に使用する
ことができるので、上記干渉縞における強度差を大きく
でき、短時間でグレーティングを形成することができ
る。
【0090】また、本発明に係る第1のグレーティング
製造方法では、上記光分割ステップにおいて上記分割さ
れた光ビームがそれぞれ、該光ビームに対応して形成さ
れるグレーティングの長手方向を含む1つの面内におい
て所定の強度分布を有するように分割し、上記回折ステ
ップにおいて上記所定の強度分布に対応する強度分布を
有する干渉縞をコア上に形成することにより、上記分割
された光ビームの強度分布に対応した屈折率分布を有す
るグレーティングを形成するようにできるので、上記光
ビームが種々の強度分布を有するように分割することに
より、種々の屈折率分布を有するグレーティングを形成
することができる。
【0091】さらに、本発明に係る第1のグレーティン
グ製造方法では、上記光分割ステップにおいて、上記屈
折率分布を有するグレーティングに照射することにより
該グレーティングの平均屈折率分布が平坦になるような
強度分布を有する光ビームを成形し、上記グレーティン
グに回折させることなく照射するようにすることによ
り、上記屈折率分布を有するグレーティングの平均屈折
率分布を平坦にすることができ、該グレーティングの反
射特性を良好にできる。
【0092】またさらに、本発明に係る第1のグレーテ
ィング製造方法は、上記回折ステップにおいて、1又は
2以上の透過型回折格子を用いることにより、容易にか
つ安価に使用できる。
【0093】また、本発明に係る第1のグレーティング
製造方法では、上記透過型回折格子が、同一ピッチの溝
又はピッチの異なる溝を有するもので構成することによ
り、より容易でかつ安価に使用することができる。
【0094】また、本発明に係る第2のグレーティング
製造方法は、1つの光源から出射された光ビームを、そ
れぞれ互いに異なる波長の複数の光を含む複数の光ビー
ムに分割する光分割ステップと、上記各光ビームを平行
ビームとした後上記コア上に集光することにより、上記
コア上に上記分割された光ビームに含まれる上記各光の
波長に対応する強度分布を有する干渉縞を形成すること
とを含んでいるので、、上記光伝送路のコア上に上記複
数の光ビームに対応した複数の干渉縞を一度に形成する
ことができ、互いに異なるブラッグ波長を有する複数の
集積化されたグレーティングを安価にかつ容易に作製す
ることができる。
【0095】また、本発明に係る第1のグレーティング
製造装置は、1つの光源から出射された光ビームを複数
の光ビームに分割する光分割部と、上記分割された複数
の光ビームに対応して設けられ、該複数の光ビームをそ
れぞれ上記コア上の互いに異なる所定の位置に干渉縞が
形成されるように回折させる透過型回折格子とを含んで
いるので、上記光伝送路のコア上に上記複数の光ビーム
に対応した複数の干渉縞を一度に形成することができ、
互いに異なるブラッグ波長を有する複数の集積化された
グレーティングを安価にかつ容易に作製することができ
る。
【0096】また、本発明に係る第1のグレーティング
製造装置は、上記光分割部と上記透過型回折格子との間
に分割された光ビームを集光するレンズを備えることに
より、光ビームのエネルギーを効率的に使用することが
できるので、上記干渉縞における強度差を大きくでき、
短時間でグレーティングを形成することができる。
【0097】また、本発明に係る第1のグレーティング
製造装置において、上記光分割部は、上記分割された光
ビームがそれぞれ、該光ビームに対応して形成されるグ
レーティングの長手方向を含む1つの面内において所定
の強度分布を有するように分割し、上記透過型回折格子
が上記所定の強度分布に対応する強度分布を有する干渉
縞をコア上に形成するように構成することにより、上記
分割された光ビームの強度分布に対応した屈折率分布を
有するグレーティングを形成するようにできるので、上
記光ビームが種々の強度分布を有するように分割するこ
とにより、種々の屈折率分布を有するグレーティングを
形成することができる。
【0098】さらに、本発明に係る第1のグレーティン
グ製造装置において、上記光分割部はさらに、上記屈折
率分布を有するグレーティングに照射することにより該
グレーティングの平均屈折率分布が平坦になるような強
度分布を有する光ビームを成形し、該光ビームを上記グ
レーティングに直接照射するようにすることにより、上
記屈折率分布を有するグレーティングの平均屈折率分布
を平坦にすることができ、該グレーティングの反射特性
を良好にできる。
【0099】またさらに、本発明に係るグレーティング
製造装置では、上記透過型回折格子が、同一ピッチの溝
又はピッチの異なる溝を有するもので構成することによ
り、より容易でかつ安価にグレーティングを製造するこ
とができる。
【0100】また、本発明に係るグレーティング製造装
置は、1つの光源から出射された光ビームを、それぞれ
互いに異なる波長の複数の光を含む複数の光ビームに分
割する光分割部と、上記各光ビームを平行ビームとする
拡大光学レンズと、上記平行ビームを上記コア上に集光
することにより、上記コア上に上記分割された光ビーム
に含まれる上記各光の波長に対応する強度分布を有する
干渉縞を形成する縮小光学レンズとを含んでいるので、
上記光伝送路のコア上に上記複数の光ビームに対応した
複数の干渉縞を一度に形成することができ、互いに異な
るブラッグ波長を有する複数の集積化されたグレーティ
ングを安価にかつ容易に作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本発明に係る実施の形態1のグレー
ティングの製造装置の概略構成図であり、(b)は
(a)の位相マスク3の一部を拡大して示す断面図であ
る。
【図2】 (a)(b)はそれぞれ、実施の形態1に用い
た位相マスク3の例を示す平面図である。
【図3】 本発明に係る実施の形態2のグレーティング
の製造装置の概略構成図である。
【図4】 本発明に係る実施の形態3のグレーティング
の製造方法を説明するための模式図である。
【図5】 本発明に係る実施の形態4のグレーティング
の製造方法を説明するための模式図である。
【図6】 本発明に係る実施の形態4のグレーティング
の製造方法の原理を説明するための図である。
【図7】 (a)(b)は平均屈折率分布が平坦でない
グレーティングの反射特性を示すグラフであり、(c)
は平均屈折率分布が平坦なグレーティングの反射特性を
示すグラフであり、(d)は実施の形態5において使用
したアポダイズマスクの構成を模式的に示す図である。
【図8】 本発明に係る実施の形態5のグレーティング
の製造方法の原理を説明するための図である。
【図9】 本発明に係る実施の形態6のグレーティング
の製造装置の概略構成図である。
【図10】 本発明に係る実施例5の光分岐回路の構成
を示す平面図である。
【図11】 本発明に係る実施例6の光分岐回路の構成
を示す平面図である。
【図12】 本発明に係る実施例7の集積化光フィルタ
の構成を示す平面図である。
【図13】 実施例7の集積化フィルタの作製方法を説
明するための図である。
【図14】 一般的な光フィルタの構成を示す平面図で
ある。
【図15】 図14とは異なる一般的な光フィルタの構
成を示す平面図である。
【図16】 従来の代表的なグレーティング作製方法を
示す図である。
【図17】 従来例の反射グレーティングの反射スペク
トルを示すグラフである。
【図18】 火炎堆積法の概略構成を示す模式図であ
る。
【図19】 従来例5のグレーティング作製方法を示す
図である。
【符号の説明】
1 レーザ発振器、2 ホログラム光学素子、3,31
0,320 位相マスク、4 導波路、10 光分岐回
路、20a,20b,20c,219a,219h 光
フィルタ、22a,22b,22c 波長選択性反射器
としての本発明の導波路型グレーティング、23 屈折
率調整部、31 3dBカプラ、50 拡大系光学レン
ズ、50a,50b 光学レンズ、60a,60b 縮
小系光学レンズ、201,202,203 グレーティ
ング、B1,B2 光ビーム。
フロントページの続き (72)発明者 竹谷 元 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 前川 武之 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 河野 裕之 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 高林 正和 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 内川 英興 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 2H047 KA04 KA12 KB04 LA03 LA19 PA30 QA04 RA00 TA00 TA43 TA44 2H049 AA02 AA34 AA59 AA62 2H050 AB05X AD16

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コア部を有し該コアに沿って光を伝送さ
    せる光伝送路に互いに異なる屈折率領域が並置されてな
    るグレーティングを形成する方法であって、 1つの光源から出射された光ビームを複数の光ビームに
    分割する光分割ステップと、 上記分割された複数の光ビームをそれぞれ、上記コア上
    の互いに異なる所定の位置にそれぞれ対応する干渉縞が
    形成されるように回折させる回折ステップとを含み、 上記各干渉縞の強度分布にそれぞれ対応した屈折率領域
    を形成することにより、上記分割された各光ビームにそ
    れぞれ対応するグレーティングを形成することを特徴と
    するグレーティング製造方法。
  2. 【請求項2】 上記グレーティング製造方法はさらに、
    上記光分割ステップと上記回折ステップとの間に分割さ
    れた光ビームを集光するステップを含む請求項1記載の
    グレーティング製造方法。
  3. 【請求項3】 上記光分割ステップにおいて上記分割さ
    れた光ビームがそれぞれ、該光ビームに対応して形成さ
    れるグレーティングの長手方向を含む1つの面内におい
    て所定の強度分布を有するように分割し、上記回折ステ
    ップにおいて上記所定の強度分布に対応する強度分布を
    有する干渉縞をコア上に形成することにより、上記分割
    された光ビームの強度分布に対応した屈折率分布を有す
    るグレーティングを形成する請求項1又は2記載のグレ
    ーティング製造方法。
  4. 【請求項4】 上記光分割ステップにおいて、上記屈折
    率分布を有するグレーティングに照射することにより該
    グレーティングの平均屈折率分布が平坦になるような強
    度分布を有する光ビームを成形し、上記グレーティング
    に回折させることなく照射することにより、上記屈折率
    分布を有するグレーティングの平均屈折率分布を平坦に
    することを特徴とする請求項3記載のグレーティング製
    造方法。
  5. 【請求項5】 上記回折ステップにおいて、1又は2以
    上の透過型回折格子を用いて回折させる請求項1〜4の
    うちのいずれか1項に記載のグレーティング製造方法。
  6. 【請求項6】 上記透過型回折格子が、同一ピッチの溝
    又はピッチの異なる溝を有する請求項第1〜5のうちの
    いずれか1項に記載のグレーティング製造方法。
  7. 【請求項7】 コア部を有し該コアに沿って光を伝送さ
    せる光伝送路に互いに異なる屈折率領域が並置されてな
    るグレーティングを形成する方法であって、 1つの光源から出射された光ビームを、それぞれ互いに
    異なる波長の複数の光を含む複数の光ビームに分割する
    光分割ステップと、 上記各光ビームを平行ビームとした後上記コア上に集光
    することにより、上記コア上に上記分割された光ビーム
    に含まれる上記各光の波長に対応する強度分布を有する
    干渉縞を形成することとを含み、 上記各干渉縞の強度分布にそれぞれ対応した屈折率領域
    を形成することを特徴とするグレーティング製造方法。
  8. 【請求項8】 コア部を有し該コアに沿って光を伝送さ
    せる光伝送路に互いに異なる屈折率領域が並置されてな
    るグレーティングを形成する装置であって、 1つの光源から出射された光ビームを複数の光ビームに
    分割する光分割部と、 上記分割された複数の光ビームに対応して設けられ、該
    複数の光ビームをそれぞれ上記コア上の互いに異なる所
    定の位置に干渉縞が形成されるように回折させる透過型
    回折格子とを含み、 上記各干渉縞の強度分布にそれぞれ対応した屈折率領域
    を形成することを特徴とするグレーティング製造装置。
  9. 【請求項9】 上記グレーティング製造装置はさらに、
    上記光分割部と上記透過型回折格子との間に分割された
    光ビームを集光するレンズを備えた請求項8記載のグレ
    ーティング製造装置。
  10. 【請求項10】 上記光分割部は、上記分割された光ビ
    ームがそれぞれ、該光ビームに対応して形成されるグレ
    ーティングの長手方向を含む1つの面内において所定の
    強度分布を有するように分割し、上記透過型回折格子が
    上記所定の強度分布に対応する強度分布を有する干渉縞
    をコア上に形成するように構成され、上記分割された光
    ビームの強度分布に対応した屈折率分布を有するグレー
    ティングを形成する請求項8又は9記載のグレーティン
    グ製造装置。
  11. 【請求項11】 上記光分割部はさらに、上記屈折率分
    布を有するグレーティングに照射することにより該グレ
    ーティングの平均屈折率分布が平坦になるような強度分
    布を有する光ビームを成形し、該光ビームを上記グレー
    ティングに直接照射するようにすることにより、上記屈
    折率分布を有するグレーティングの平均屈折率分布を平
    坦にすることを特徴とする請求項10記載のグレーティ
    ング製造装置。
  12. 【請求項12】 上記透過型回折格子が、同一ピッチの
    溝又はピッチの異なる溝を有してなる請求項第8〜11
    のうちのいずれか1項に記載のグレーティング製造装
    置。
  13. 【請求項13】 コア部を有し該コアに沿って光を伝送
    させる光伝送路に互いに異なる屈折率領域が並置されて
    なるグレーティングを形成する装置であって、 1つの光源から出射された光ビームを、それぞれ互いに
    異なる波長の複数の光を含む複数の光ビームに分割する
    光分割部と、 上記各光ビームを平行ビームとする拡大光学レンズと、 上記平行ビームを上記コア上に集光することにより、上
    記コア上に上記分割された光ビームに含まれる上記各光
    の波長に対応する強度分布を有する干渉縞を形成する縮
    小光学レンズとを含み、 上記各干渉縞の強度分布にそれぞれ対応した屈折率領域
    を形成することを特徴とするグレーティング製造装置。
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