JP2000249401A - 内部発熱性をもつ流体の温度制御装置及び方法、並びにこれを用いたウェハ洗浄装置及び方法 - Google Patents
内部発熱性をもつ流体の温度制御装置及び方法、並びにこれを用いたウェハ洗浄装置及び方法Info
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- JP2000249401A JP2000249401A JP11050047A JP5004799A JP2000249401A JP 2000249401 A JP2000249401 A JP 2000249401A JP 11050047 A JP11050047 A JP 11050047A JP 5004799 A JP5004799 A JP 5004799A JP 2000249401 A JP2000249401 A JP 2000249401A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 内部発熱性をもったウェハ洗浄用硫酸過水
(硫酸と過酸化水素の混合液)を洗浄に適した設定温度
までオーバーシュートなしに加熱できるようにする。 【解決手段】 コントローラ33は、硫酸過水22の検
出温度yを目標温度uに一致させるようヒータ27をP
I制御又はPID制御するフィードバックコントローラ
41と、硫酸過水22の内部発熱による温度上昇を、フ
ィードバックコントローラ41の入力(目標温度u)に
重畳される外乱に起因するものと考えの下に、その外乱
を推定してこの外乱を補償するよう目標温度uを調整す
る外乱オブザーバ43とを有する。外乱オブザーバ43
は、目標温度uを入力して、予め用意した制御システム
モデルを用いて内部発熱が無いと仮定した場合の理想的
な硫酸過水温度を計算し、この理想温度と検出温度yと
の温度差から、推定外乱dを計算し、この推定外乱dを
設定温度u´から減算することにより目標温度uを決定
する。
(硫酸と過酸化水素の混合液)を洗浄に適した設定温度
までオーバーシュートなしに加熱できるようにする。 【解決手段】 コントローラ33は、硫酸過水22の検
出温度yを目標温度uに一致させるようヒータ27をP
I制御又はPID制御するフィードバックコントローラ
41と、硫酸過水22の内部発熱による温度上昇を、フ
ィードバックコントローラ41の入力(目標温度u)に
重畳される外乱に起因するものと考えの下に、その外乱
を推定してこの外乱を補償するよう目標温度uを調整す
る外乱オブザーバ43とを有する。外乱オブザーバ43
は、目標温度uを入力して、予め用意した制御システム
モデルを用いて内部発熱が無いと仮定した場合の理想的
な硫酸過水温度を計算し、この理想温度と検出温度yと
の温度差から、推定外乱dを計算し、この推定外乱dを
設定温度u´から減算することにより目標温度uを決定
する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内部発熱を起こす
性質をもった流体の温度制御装置及び方法に関する。
性質をもった流体の温度制御装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の液体の一つに、半導体ウェハの
洗浄液として広く用いられている硫酸と過酸化水素との
混合液(以下、「硫酸過水」という)がある。硫酸過水
をヒータで適温(典型的には135℃)まで加熱し、そ
の中にウェハを浸してこれを洗浄する。従来、硫酸過水
の温度制御法として、例えば135℃一定値を目標温度
に設定し、実際の硫酸過水の温度を測定し、測定温度と
目標温度との偏差にPID演算を行ない、その演算結果
でヒータ電力(単位時間当たり出力熱量)を操作すると
いうフィードバックPID制御法が行われている。
洗浄液として広く用いられている硫酸と過酸化水素との
混合液(以下、「硫酸過水」という)がある。硫酸過水
をヒータで適温(典型的には135℃)まで加熱し、そ
の中にウェハを浸してこれを洗浄する。従来、硫酸過水
の温度制御法として、例えば135℃一定値を目標温度
に設定し、実際の硫酸過水の温度を測定し、測定温度と
目標温度との偏差にPID演算を行ない、その演算結果
でヒータ電力(単位時間当たり出力熱量)を操作すると
いうフィードバックPID制御法が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図1は、従来の温度制
御法によるヒータ電力(単位時間当たり出力熱量)11
と硫酸過水の温度13の時間的変化を示している。
御法によるヒータ電力(単位時間当たり出力熱量)11
と硫酸過水の温度13の時間的変化を示している。
【0004】最初に常温(例えば20℃)の硫酸を用意
し、これに適量の過酸化水素を加入する。すると、化学
変化により内部発熱が生じ、硫酸過水の温度は急激に上
昇する(時間区間A)。約80℃まで一気に温度上昇し
たところで内部発熱が終わる。後はヒータ電力を100
%としてヒータ加熱でほぼ定速に温度を上昇していくが
(時間区間B)、温度が約120℃まで達すると再び内
部発熱が発生して、温度が急に上昇し始める(区間
C)。これに反応して制御装置はヒータ電力を今までの
100%から0%へと一気に落とす。しかし、内部発熱
のために温度は目標温度の135℃を若干超える、つま
りオーバーシュートが生じ、このオーバーシュートの状
態はしばらく続く(区間C)。
し、これに適量の過酸化水素を加入する。すると、化学
変化により内部発熱が生じ、硫酸過水の温度は急激に上
昇する(時間区間A)。約80℃まで一気に温度上昇し
たところで内部発熱が終わる。後はヒータ電力を100
%としてヒータ加熱でほぼ定速に温度を上昇していくが
(時間区間B)、温度が約120℃まで達すると再び内
部発熱が発生して、温度が急に上昇し始める(区間
C)。これに反応して制御装置はヒータ電力を今までの
100%から0%へと一気に落とす。しかし、内部発熱
のために温度は目標温度の135℃を若干超える、つま
りオーバーシュートが生じ、このオーバーシュートの状
態はしばらく続く(区間C)。
【0005】内部発熱によりオーバシュート状態となっ
ている区間Cでは、硫酸過水内で化学反応が発生してい
る。ウェハの洗浄は、その原理上、この化学反応が終わ
らないうちに行われなくてはならない。従って、ウェハ
の洗浄は、オーバシュート状態の間に、つまり適温より
も若干高い温度のときに行わざるを得ない。
ている区間Cでは、硫酸過水内で化学反応が発生してい
る。ウェハの洗浄は、その原理上、この化学反応が終わ
らないうちに行われなくてはならない。従って、ウェハ
の洗浄は、オーバシュート状態の間に、つまり適温より
も若干高い温度のときに行わざるを得ない。
【0006】従って、本発明の目的は、内部発熱を起こ
す性質をもつ流体の温度を精度良く目標温度に制御する
ことにある。
す性質をもつ流体の温度を精度良く目標温度に制御する
ことにある。
【0007】本発明の別の目的は、目標温度近傍で内部
発熱を起こす性質をもつ流体を低温から目標温度まで加
熱するに際して、内部発熱によるオーバーシュートなし
に目標温度に到達できるようにすることにある。
発熱を起こす性質をもつ流体を低温から目標温度まで加
熱するに際して、内部発熱によるオーバーシュートなし
に目標温度に到達できるようにすることにある。
【0008】本発明の更に別の目的は、ウェハ洗浄用の
硫酸過水を洗浄に適した目標温度までオーバーシュート
なしに加熱できるようにすることにある。
硫酸過水を洗浄に適した目標温度までオーバーシュート
なしに加熱できるようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の観点に従
う内部発熱性を有する流体の温度制御装置は、流体を加
熱又は冷却する熱源装置と、流体の内部発熱による流体
温度の変動を補償するような目標温度を決定する目標温
度決定部と、目標温度決定部から目標温度を受け、流体
温度が目標温度になるように、熱源装置に対し操作信号
を出力して加熱又は冷却の熱量を制御するフィードバッ
クコントローラとを備える。
う内部発熱性を有する流体の温度制御装置は、流体を加
熱又は冷却する熱源装置と、流体の内部発熱による流体
温度の変動を補償するような目標温度を決定する目標温
度決定部と、目標温度決定部から目標温度を受け、流体
温度が目標温度になるように、熱源装置に対し操作信号
を出力して加熱又は冷却の熱量を制御するフィードバッ
クコントローラとを備える。
【0010】この温度制御装置によれば、流体の内部発
熱を補償するように目標温度が決定され、この目標温度
を用いて流体温度が制御されるので、流体内で内部発熱
が発生しても精度良く温度制御ができる。
熱を補償するように目標温度が決定され、この目標温度
を用いて流体温度が制御されるので、流体内で内部発熱
が発生しても精度良く温度制御ができる。
【0011】好適な実施形態では、目標温度決定部が、
フィードバックコントローラに入力された目標温度と、
流体から検出された流体温度とに基づいて、流体内で発
生した内部発熱を外乱として推定する外乱オブザーバを
有しており、この外乱オブザーバの推定した外乱の大き
さに応じて、フィードバックコントローラに入力すべき
目標温度を調整する。
フィードバックコントローラに入力された目標温度と、
流体から検出された流体温度とに基づいて、流体内で発
生した内部発熱を外乱として推定する外乱オブザーバを
有しており、この外乱オブザーバの推定した外乱の大き
さに応じて、フィードバックコントローラに入力すべき
目標温度を調整する。
【0012】また、好適な実施形態では、外乱オブザー
バが、フィードバックコントローラと熱源装置と流体と
を含むフィードバック制御系統のモデルであって、流体
で内部発熱が生じないと仮定したシステムモデルを有し
ており、フィードバックコントローラに入力された目標
温度をシステムモデルに入力して、内部発熱が生じなけ
れば達成されるであろう理想的な流体温度を計算し、そ
して、この計算した理想的な流体温度と、流体から検出
された実際の流体温度とから外乱を推定する。
バが、フィードバックコントローラと熱源装置と流体と
を含むフィードバック制御系統のモデルであって、流体
で内部発熱が生じないと仮定したシステムモデルを有し
ており、フィードバックコントローラに入力された目標
温度をシステムモデルに入力して、内部発熱が生じなけ
れば達成されるであろう理想的な流体温度を計算し、そ
して、この計算した理想的な流体温度と、流体から検出
された実際の流体温度とから外乱を推定する。
【0013】また、別の好適な実施形態っでは、目標温
度決定部が、制御の進行状態を示す値と、目標温度を決
定するための値とを対応付けて記憶したルックアップテ
ーブルを有しており、時々の制御の進行状態に応じてル
ックアップテーブルから対応する値を読み出し、読み出
した値から目標温度を決定する。
度決定部が、制御の進行状態を示す値と、目標温度を決
定するための値とを対応付けて記憶したルックアップテ
ーブルを有しており、時々の制御の進行状態に応じてル
ックアップテーブルから対応する値を読み出し、読み出
した値から目標温度を決定する。
【0014】本発明の第2の観点に従う流体温度制御装
置は、設定温度付近で内部発熱を起こす流体を設定温度
まで加熱して設定温度に維持するためのものであって、
流体を加熱するヒータと、設定温度に対して、流体の内
部発熱による流体の温度変動を補償するような補正を施
すことにより、目標温度を決定する目標温度決定部と、
目標温度決定部から目標温度を受け、流体温度が目標温
度になるように、ヒータに対し操作信号を出力して加熱
の熱量を制御するフィードバックコントローラとを備え
る。
置は、設定温度付近で内部発熱を起こす流体を設定温度
まで加熱して設定温度に維持するためのものであって、
流体を加熱するヒータと、設定温度に対して、流体の内
部発熱による流体の温度変動を補償するような補正を施
すことにより、目標温度を決定する目標温度決定部と、
目標温度決定部から目標温度を受け、流体温度が目標温
度になるように、ヒータに対し操作信号を出力して加熱
の熱量を制御するフィードバックコントローラとを備え
る。
【0015】本発明の第3の観点に従うウェハ洗浄装置
は、硫酸過水を設定温度まで加熱して、この設定温度に
おいて硫酸過水で半導体ウェハを洗浄するためのもので
あって、硫酸過水を加熱するヒータと、設定温度に対し
て、硫酸過水の内部発熱による硫酸過水の温度変動を補
償するような補正を施すことにより、目標温度を決定す
る目標温度決定部と、目標温度決定部から目標温度を受
け、硫酸過水の温度が目標温度になるように、ヒータに
対し操作信号を出力して加熱の熱量を制御するフィード
バックコントローラとを備える。
は、硫酸過水を設定温度まで加熱して、この設定温度に
おいて硫酸過水で半導体ウェハを洗浄するためのもので
あって、硫酸過水を加熱するヒータと、設定温度に対し
て、硫酸過水の内部発熱による硫酸過水の温度変動を補
償するような補正を施すことにより、目標温度を決定す
る目標温度決定部と、目標温度決定部から目標温度を受
け、硫酸過水の温度が目標温度になるように、ヒータに
対し操作信号を出力して加熱の熱量を制御するフィード
バックコントローラとを備える。
【0016】
【発明の実施の形態】図2は、本発明の一実施形態にか
かるウェハ洗浄装置の要部の構成を示す。
かるウェハ洗浄装置の要部の構成を示す。
【0017】硫酸過水22を蓄えるためのタンク20が
あり、このタンク20は、石英製のオーバーフロー槽2
1と、これを包囲しオーバーフロー液槽21から溢れ出
た液を受ける外輪槽23とから構成される。このタンク
20内の硫酸過水22は、循環ポンプ31の作用によ
り、外輪槽23から配管25を通じて電気ヒータ27へ
送られ、ヒータ27から配管29を通じてタンク20の
オーバーフロー槽21へ戻るという順序で、タンク20
とヒータ27との間を循環する。温度センサ35がオー
バフロー槽21内の硫酸過水22中に入っており、それ
が検出した液温を示す信号はコントローラ33に入力さ
れる。コントローラ33は、温度センサ35の検出した
液温に基づいて、この液温が洗浄に適した設定温度(例
えば、135℃)になるようにヒータ27の電力(単位
時間当たり出力熱量)を制御する。コントローラ33
は、コンピュータ、専用ハードウェア回路又はそれらの
組み合わせを用いて実現することができる。
あり、このタンク20は、石英製のオーバーフロー槽2
1と、これを包囲しオーバーフロー液槽21から溢れ出
た液を受ける外輪槽23とから構成される。このタンク
20内の硫酸過水22は、循環ポンプ31の作用によ
り、外輪槽23から配管25を通じて電気ヒータ27へ
送られ、ヒータ27から配管29を通じてタンク20の
オーバーフロー槽21へ戻るという順序で、タンク20
とヒータ27との間を循環する。温度センサ35がオー
バフロー槽21内の硫酸過水22中に入っており、それ
が検出した液温を示す信号はコントローラ33に入力さ
れる。コントローラ33は、温度センサ35の検出した
液温に基づいて、この液温が洗浄に適した設定温度(例
えば、135℃)になるようにヒータ27の電力(単位
時間当たり出力熱量)を制御する。コントローラ33
は、コンピュータ、専用ハードウェア回路又はそれらの
組み合わせを用いて実現することができる。
【0018】ウェハ洗浄の基本的な手順を、図2に示し
た構成と図8に示した液温変化のグラフ(参照番号7
3)参照して説明する。まず、タンク20に硫酸を入
れ、これに過酸化水素を加入して硫酸過水22を作りこ
れを循環させる。最初に過酸化水素を加入したときに化
学反応が生じ、その反応熱(内部発熱)により液温が8
0℃程度まで急速に上昇する(図8、区間A)。液温が
80℃程度に達した段階でヒータ27による加熱を開始
し(図8、区間Bの開始)、コントローラ33により本
発明の原理に従ってヒータ27の電力(単位時間当たり
出力熱量)を制御する。コントローラ33によるヒータ
制御により、液温は実質的にオーバーシュートすること
なく設定温度(例えば、135℃)に到達する(図8、
区間Bから区間E)。液温が設定温度に達する前に12
0℃程度に達した時点で再び硫酸過水22内で化学反応
が発生し、この化学反応は液温が設定温度に達した後も
しばらく続く(図8、区間E)。液温が設定温度に達し
てからその化学反応が終わるまでの間に(図8、区間
F)、オーバーフロー槽21内の硫酸過水22中にウェ
ハを漬けてこれを洗浄する。
た構成と図8に示した液温変化のグラフ(参照番号7
3)参照して説明する。まず、タンク20に硫酸を入
れ、これに過酸化水素を加入して硫酸過水22を作りこ
れを循環させる。最初に過酸化水素を加入したときに化
学反応が生じ、その反応熱(内部発熱)により液温が8
0℃程度まで急速に上昇する(図8、区間A)。液温が
80℃程度に達した段階でヒータ27による加熱を開始
し(図8、区間Bの開始)、コントローラ33により本
発明の原理に従ってヒータ27の電力(単位時間当たり
出力熱量)を制御する。コントローラ33によるヒータ
制御により、液温は実質的にオーバーシュートすること
なく設定温度(例えば、135℃)に到達する(図8、
区間Bから区間E)。液温が設定温度に達する前に12
0℃程度に達した時点で再び硫酸過水22内で化学反応
が発生し、この化学反応は液温が設定温度に達した後も
しばらく続く(図8、区間E)。液温が設定温度に達し
てからその化学反応が終わるまでの間に(図8、区間
F)、オーバーフロー槽21内の硫酸過水22中にウェ
ハを漬けてこれを洗浄する。
【0019】図3は、コントローラ33を中心とした制
御系統の構成を構成を示す。
御系統の構成を構成を示す。
【0020】コントローラ33はヒータ27に対しその
電力(単位時間当たり出力熱量)を調節するための操作
信号cを与え、ヒータ27は操作信号cに従った時間当
たり熱量qをタンク内の硫酸過水22に供給する。そし
て、硫酸過水22の温度yが温度センサ35によって検
出されてコントローラ33にフィードバックされる。コ
ントローラ33は、フィードバックコントローラ41と
外乱オブザーバ43を有する。フィードバックコントロ
ーラ41は、目標温度uと検出温度yを入力し、検出温
度yを目標温度uに一致させるために、目標温度uと検
出温度yとの偏差に対してPI演算又はPID演算を行
ない、その演算結果を操作信号cとして出力するという
フィードバック制御動作を行なう。外乱オブザーバ43
は、硫酸過水22の内部発熱をフィードバックコントロ
ーラ41の入力uに重畳される外乱(図4、参照番号u
´)と考え、この外乱の大きさを推定し、推定した外乱
dを内部発熱の外乱を補償する(相殺する)ように目標
温度uに加味する。すなわち、外乱オブザーバ43は、
目標温度uと検出温度yを入力し、これらに基づき外乱
(典型的には硫酸過水22の内部発熱による温度変動で
あるが、これに限られるわけではなく、様々な誤差要素
も一緒に含まれる)の大きさを推定し、この推定外乱d
を加減算器45に与える。加減算器45は、ウェハ洗浄
の適正温度を示した所定の設定温度(例えば、135
℃)u´から、上記推定外乱dを減算することにより目
標温度uを決定する。このようにして決定された目標温
度uは、内部発熱などの外乱(図4、参照番号u´)を
補償した値であるため、これをフィードバックコントロ
ーラ41に与えることにより、内部発熱が発生してもこ
れを補償してオーバシュート無く硫酸過水22の温度y
を設定温度u´まで到達させることができる。
電力(単位時間当たり出力熱量)を調節するための操作
信号cを与え、ヒータ27は操作信号cに従った時間当
たり熱量qをタンク内の硫酸過水22に供給する。そし
て、硫酸過水22の温度yが温度センサ35によって検
出されてコントローラ33にフィードバックされる。コ
ントローラ33は、フィードバックコントローラ41と
外乱オブザーバ43を有する。フィードバックコントロ
ーラ41は、目標温度uと検出温度yを入力し、検出温
度yを目標温度uに一致させるために、目標温度uと検
出温度yとの偏差に対してPI演算又はPID演算を行
ない、その演算結果を操作信号cとして出力するという
フィードバック制御動作を行なう。外乱オブザーバ43
は、硫酸過水22の内部発熱をフィードバックコントロ
ーラ41の入力uに重畳される外乱(図4、参照番号u
´)と考え、この外乱の大きさを推定し、推定した外乱
dを内部発熱の外乱を補償する(相殺する)ように目標
温度uに加味する。すなわち、外乱オブザーバ43は、
目標温度uと検出温度yを入力し、これらに基づき外乱
(典型的には硫酸過水22の内部発熱による温度変動で
あるが、これに限られるわけではなく、様々な誤差要素
も一緒に含まれる)の大きさを推定し、この推定外乱d
を加減算器45に与える。加減算器45は、ウェハ洗浄
の適正温度を示した所定の設定温度(例えば、135
℃)u´から、上記推定外乱dを減算することにより目
標温度uを決定する。このようにして決定された目標温
度uは、内部発熱などの外乱(図4、参照番号u´)を
補償した値であるため、これをフィードバックコントロ
ーラ41に与えることにより、内部発熱が発生してもこ
れを補償してオーバシュート無く硫酸過水22の温度y
を設定温度u´まで到達させることができる。
【0021】図4は、外乱オブザーバ43の構成を示
す。
す。
【0022】外乱オブザーバ43は、システムモデル5
1を有する。このシステムモデル51は、図3に示した
フィードバックコントローラ41、ヒータ27及び硫酸
過水22からなる基本的なフィードバック制御系統(そ
の入力は目標温度uであり、その出力は硫酸過水22の
温度yである)57を数式モデルで表現したものであ
り、そこでは硫酸過水22が内部発熱を生じないものと
仮定してある。このシステムモデル51の入力は、上記
基本的なフィードバック制御系統の入力と同様に目標温
度uであり、その出力は、上記基本的なフィードバック
制御系統において硫酸過水22が内部発熱を生じなけれ
ば達成されるであろう硫酸過水22の温度y´である
(以下、「理想温度という」)。なお、この理想温度y
´は、不本意ながら、実際の制御系統を数式モデル化す
るに当たり生じざる得ない多少の誤差要因も含んではい
るが、実質的には、実際の基本的フィードバック制御系
統で内部発熱が無ければ現実に達成されるであろう温度
を表しているとみなすことができる。システムモデル5
1から出力された理想温度y´は加減算器53に入力さ
れ、ここで、温度センサ35からの検出温度yと減算さ
れて温度差Δyが求められる。この温度差Δyは、硫酸
過水22内での内部発熱による温度変動を主な要素とし
て含んでいる。外乱オブザーバ43は、内部発熱を基本
的フィードバック制御システム57の入力に加えられる
外乱d´(実際は、内部発熱だけでなく非線形に起因す
るものを全て含む)として取り扱う。すなわち、数学的
システムモデル51と実際のシステム57との間の出力
誤差(温度差Δy)は全てシステム57の入力uに重畳
した外乱d´に起因するという考えの下に、温度差Δy
を推定アルゴリズム55に入力して推定外乱dを計算す
る。推定アルゴリズム55としては、温度差Δyにゲイ
ンを乗じるという比例演算、温度差Δyを時間で積分し
てゲインを乗じる積分演算、又は、温度差Δyを時間で
微分してゲインを乗じる微分演算などを適当に組み合わ
せたp演算、PI演算又はPID演算などを用いること
もできる。そして、その推定外乱dを加減算器45によ
って外乱d´を打ち消すようにシステム入力(目標温
度)uに加味することにより、内部発熱の影響を効果的
に抑制した制御を実現することができる。
1を有する。このシステムモデル51は、図3に示した
フィードバックコントローラ41、ヒータ27及び硫酸
過水22からなる基本的なフィードバック制御系統(そ
の入力は目標温度uであり、その出力は硫酸過水22の
温度yである)57を数式モデルで表現したものであ
り、そこでは硫酸過水22が内部発熱を生じないものと
仮定してある。このシステムモデル51の入力は、上記
基本的なフィードバック制御系統の入力と同様に目標温
度uであり、その出力は、上記基本的なフィードバック
制御系統において硫酸過水22が内部発熱を生じなけれ
ば達成されるであろう硫酸過水22の温度y´である
(以下、「理想温度という」)。なお、この理想温度y
´は、不本意ながら、実際の制御系統を数式モデル化す
るに当たり生じざる得ない多少の誤差要因も含んではい
るが、実質的には、実際の基本的フィードバック制御系
統で内部発熱が無ければ現実に達成されるであろう温度
を表しているとみなすことができる。システムモデル5
1から出力された理想温度y´は加減算器53に入力さ
れ、ここで、温度センサ35からの検出温度yと減算さ
れて温度差Δyが求められる。この温度差Δyは、硫酸
過水22内での内部発熱による温度変動を主な要素とし
て含んでいる。外乱オブザーバ43は、内部発熱を基本
的フィードバック制御システム57の入力に加えられる
外乱d´(実際は、内部発熱だけでなく非線形に起因す
るものを全て含む)として取り扱う。すなわち、数学的
システムモデル51と実際のシステム57との間の出力
誤差(温度差Δy)は全てシステム57の入力uに重畳
した外乱d´に起因するという考えの下に、温度差Δy
を推定アルゴリズム55に入力して推定外乱dを計算す
る。推定アルゴリズム55としては、温度差Δyにゲイ
ンを乗じるという比例演算、温度差Δyを時間で積分し
てゲインを乗じる積分演算、又は、温度差Δyを時間で
微分してゲインを乗じる微分演算などを適当に組み合わ
せたp演算、PI演算又はPID演算などを用いること
もできる。そして、その推定外乱dを加減算器45によ
って外乱d´を打ち消すようにシステム入力(目標温
度)uに加味することにより、内部発熱の影響を効果的
に抑制した制御を実現することができる。
【0023】システムモデル51の具体例を以下に示
す。
す。
【0024】
【数1】 ここで、tは時間、x(t)は状態変数(ベクトル)、
y´(t)は上述した理想温度(スカラー)、u(t)
は上述した目標温度(スカラー)である。A,B,Cは
係数であり、その要素であるωnは、制御対象系統(つ
まり、図3に示すヒータ27と硫酸過水22の系統であ
って、その入力はヒータ27の操作信号c、その出力は
硫酸過水22の温度yである)の固有角周波数であり、
これは上記制御対象系統の応答性(応答の速さの程度)
を示す固有値であって、後述するように実測により求め
ることができる。
y´(t)は上述した理想温度(スカラー)、u(t)
は上述した目標温度(スカラー)である。A,B,Cは
係数であり、その要素であるωnは、制御対象系統(つ
まり、図3に示すヒータ27と硫酸過水22の系統であ
って、その入力はヒータ27の操作信号c、その出力は
硫酸過水22の温度yである)の固有角周波数であり、
これは上記制御対象系統の応答性(応答の速さの程度)
を示す固有値であって、後述するように実測により求め
ることができる。
【0025】因みに、このシステムモデル51は、これ
をラプラス変換することで、次式のように表現される。
をラプラス変換することで、次式のように表現される。
【0026】
【数2】 ここで、G(s)は伝達関数であり、ζは減衰係数であ
って典型的には値1である(因みに、ζが1より小さい
と、モデルの応答性は良くなるがy´にオーバシュート
が現われてくる)。
って典型的には値1である(因みに、ζが1より小さい
と、モデルの応答性は良くなるがy´にオーバシュート
が現われてくる)。
【0027】システムモデル51は、(7)式に示した
伝達関数G(s)の形から分かるように上記基本的フィ
ードバック制御系統を2次遅れ要素とみなしてモデル化
したものであるが、これは一例であって、別の形にモデ
ル化してもよい。
伝達関数G(s)の形から分かるように上記基本的フィ
ードバック制御系統を2次遅れ要素とみなしてモデル化
したものであるが、これは一例であって、別の形にモデ
ル化してもよい。
【0028】図5は、上記モデル51の固有各周波数ω
nを求める一例を示す。
nを求める一例を示す。
【0029】硫酸過水22の温度yが所定の初期温度
(例えば20℃)にある状態で、ヒータ27に対し10
0%の操作量uをステップ状に印加し、その後の硫酸過
水22の温度yの上昇をモニタする。そして、温度yの
上昇量が初期温度と設定温度(例えば135℃)の差a
の90%に達する(つまり、温度yが「初期温度+0.
9a」に達する)のに要する時間(立ち上がり時間)t
rを計測する。そして、次式 ωn=2π/tr により固有角周波数ωnを決定する。
(例えば20℃)にある状態で、ヒータ27に対し10
0%の操作量uをステップ状に印加し、その後の硫酸過
水22の温度yの上昇をモニタする。そして、温度yの
上昇量が初期温度と設定温度(例えば135℃)の差a
の90%に達する(つまり、温度yが「初期温度+0.
9a」に達する)のに要する時間(立ち上がり時間)t
rを計測する。そして、次式 ωn=2π/tr により固有角周波数ωnを決定する。
【0030】この固有角周波数ωnの決定は、人間がマ
ニュアルで行ってその結果をコントローラ33に設定す
ることもできるが、これをコントローラ33が自動的に
行うようにすることもできる。例えば、コントローラ3
3は、運転を開始したときの初期設定動作において図5
に示した方法を自動的に実行して固有角周波数ωnを決
定し、これを外乱オブザーバ43のシステムモデル51
に設定し、その後に、図3,4を参照して説明したよう
な温度制御動作に入る。
ニュアルで行ってその結果をコントローラ33に設定す
ることもできるが、これをコントローラ33が自動的に
行うようにすることもできる。例えば、コントローラ3
3は、運転を開始したときの初期設定動作において図5
に示した方法を自動的に実行して固有角周波数ωnを決
定し、これを外乱オブザーバ43のシステムモデル51
に設定し、その後に、図3,4を参照して説明したよう
な温度制御動作に入る。
【0031】図6と図7は、上気のシステムモデル51
の式を用いて外乱オブザーバ43が計算した推定外乱
(図3、図4の参照番号d)の例を示す。図6は、硫酸
過水22内で内部発熱が生じなかった場合(つまり、化
学反応が全て終わりこれ以上もう化学反応が生じない状
態の硫酸過水を用いて常温から設定温度まで加熱した場
合)の推定外乱61を示す。図7は、内部発熱が生じた
場合(つまり、実際のウェハ洗浄作業工程と全く同様に
常温の硫酸に過酸化水素を加入して設定温度まで加熱し
た場合)の推定外乱63を示す。図7の推定外乱63を
図6の推定外乱61と比較して、相違する部分つまり図
7のハッチングで示した部分65が、硫酸過水22の内
部発熱を表す外乱に相当する部分である。特に図7に示
す区間Eで明確な内部発熱が検出されており、この区間
Eは図1に示した内部発熱の生じている区間CとD(つ
まり、温度13が約120℃に達してから設定温度13
5℃に静定するまでの区間)に良好に一致する。従っ
て、内部発熱が外乱として精度良く推定されていること
がわける。
の式を用いて外乱オブザーバ43が計算した推定外乱
(図3、図4の参照番号d)の例を示す。図6は、硫酸
過水22内で内部発熱が生じなかった場合(つまり、化
学反応が全て終わりこれ以上もう化学反応が生じない状
態の硫酸過水を用いて常温から設定温度まで加熱した場
合)の推定外乱61を示す。図7は、内部発熱が生じた
場合(つまり、実際のウェハ洗浄作業工程と全く同様に
常温の硫酸に過酸化水素を加入して設定温度まで加熱し
た場合)の推定外乱63を示す。図7の推定外乱63を
図6の推定外乱61と比較して、相違する部分つまり図
7のハッチングで示した部分65が、硫酸過水22の内
部発熱を表す外乱に相当する部分である。特に図7に示
す区間Eで明確な内部発熱が検出されており、この区間
Eは図1に示した内部発熱の生じている区間CとD(つ
まり、温度13が約120℃に達してから設定温度13
5℃に静定するまでの区間)に良好に一致する。従っ
て、内部発熱が外乱として精度良く推定されていること
がわける。
【0032】図8は、実際のウェハ洗浄作業工程と全く
同様に常温の硫酸に過酸化水素を加入して設定温度まで
加熱した場合の、コントローラ33の制御によるヒータ
電力71と硫酸過水22の温度(y)73の時間変化を
示す。
同様に常温の硫酸に過酸化水素を加入して設定温度まで
加熱した場合の、コントローラ33の制御によるヒータ
電力71と硫酸過水22の温度(y)73の時間変化を
示す。
【0033】硫酸過水22の温度(y)73はオーバー
シュート無く設定温度(135℃)に到達することがわ
かる。硫酸過水22の温度(y)73が約120℃に達
した時から始まる区間Eで内部発熱が生じているが、こ
れをいち早く検出してヒータ電力71を急速に減少させ
ている(これは、図1に示した従来技術によるヒータ電
力11と比較すると良く分かる)。これにより、内部発
熱の影響を効果的に相殺して、硫酸過水22の温度73
をオーバーシュート無く設定温度(135℃)に到達さ
せている。温度73が設定温度135℃に達してから化
学反応が終わるまでの区間Fの間に、設定温度135℃
の下でウェハ洗浄を行うことができる。
シュート無く設定温度(135℃)に到達することがわ
かる。硫酸過水22の温度(y)73が約120℃に達
した時から始まる区間Eで内部発熱が生じているが、こ
れをいち早く検出してヒータ電力71を急速に減少させ
ている(これは、図1に示した従来技術によるヒータ電
力11と比較すると良く分かる)。これにより、内部発
熱の影響を効果的に相殺して、硫酸過水22の温度73
をオーバーシュート無く設定温度(135℃)に到達さ
せている。温度73が設定温度135℃に達してから化
学反応が終わるまでの区間Fの間に、設定温度135℃
の下でウェハ洗浄を行うことができる。
【0034】以上、本発明の一実施形態を説明したが、
上記の実施形態はあくまで本発明の説明のための例示で
あり、本発明を上記実施形態にのみ限定する趣旨ではな
い。従って、本発明は、上記実施形態以外の様々な形態
でも実施することができるものである。例えば、内部発
熱を補償するための目標温度を補正する方法としては、
上述したシステムモデルを使って内部発熱を外乱として
推定して目標温度を調整する方法の他に、様々な方法を
採用することができる。例えば、制御の進行状態を示す
値(例えば、制御開始からの経過時間、硫酸過水温度、
又は制御開始からの温度上昇量など)と、目標温度を決
定するための値(例えば、目標温度そのもの、目標温度
補正値、内部発熱量又は内部発熱による温度変動量な
ど)とを対応付けて記憶したルックアップテーブルを予
め用意しておき、このルックアップテーブルから、時々
刻々の制御進行状態に対応した値を読み出し、その値を
用いて目標温度を決定する方法などを用いることができ
る。本発明は、ウェハ洗浄用硫酸過水の温度制御だけで
なく、他の内部発熱性をもった流体の温度制御にも適用
することができる。
上記の実施形態はあくまで本発明の説明のための例示で
あり、本発明を上記実施形態にのみ限定する趣旨ではな
い。従って、本発明は、上記実施形態以外の様々な形態
でも実施することができるものである。例えば、内部発
熱を補償するための目標温度を補正する方法としては、
上述したシステムモデルを使って内部発熱を外乱として
推定して目標温度を調整する方法の他に、様々な方法を
採用することができる。例えば、制御の進行状態を示す
値(例えば、制御開始からの経過時間、硫酸過水温度、
又は制御開始からの温度上昇量など)と、目標温度を決
定するための値(例えば、目標温度そのもの、目標温度
補正値、内部発熱量又は内部発熱による温度変動量な
ど)とを対応付けて記憶したルックアップテーブルを予
め用意しておき、このルックアップテーブルから、時々
刻々の制御進行状態に対応した値を読み出し、その値を
用いて目標温度を決定する方法などを用いることができ
る。本発明は、ウェハ洗浄用硫酸過水の温度制御だけで
なく、他の内部発熱性をもった流体の温度制御にも適用
することができる。
【図1】従来技術によるウェハ洗浄用の硫酸過水の温度
制御特性を示す図。
制御特性を示す図。
【図2】本発明の一実施形態の要部の構成を示す図。
【図3】コントローラ33を中心とした制御系統の構成
を構成を示すブロック図。
を構成を示すブロック図。
【図4】外乱オブザーバ43の構成を示すブロック図。
【図5】固有各周波数ωnを求める方法を示す説明図。
【図6】内部発熱が無い場合の推定外乱を示す図。
【図7】内部発熱が有る場合の推定外乱を示す図。
【図8】本実施形態によるウェハ洗浄用の硫酸過水の温
度制御特性を示す図。
度制御特性を示す図。
20 タンク 22 硫酸過水(硫酸と過酸化水素の混合液) 27 ヒータ 33 コントローラ 35 温度センサ 41フィードバックコントローラ 43 外乱オブザーバ 51 システムモデル 55 係数器 u 目標温度 u´ 設定温度 y 検出温度 y´ 理想的な温度 Δy推定外乱(温度差) d 目標温度補正値
Claims (11)
- 【請求項1】 内部発熱性を有する流体の温度を制御す
る装置において、 前記流体を加熱又は冷却する熱源装置と、 前記流体の内部発熱による前記流体温度の変動を補償す
るような目標温度を決定する目標温度決定部と、 前記目標温度決定部から前記目標温度を受け、前記流体
温度が前記目標温度になるように、前記熱源装置に対し
操作信号を出力して加熱又は冷却の熱量を制御するフィ
ードバックコントローラと、を備えた、内部発熱性をも
つ流体の温度制御装置。 - 【請求項2】 前記目標温度決定部が、 前記フィードバックコントローラに入力された前記目標
温度と、前記流体から検出された前記流体温度とに基づ
いて、前記流体内で発生した前記内部発熱を外乱として
推定する外乱オブザーバを有し、 この外乱オブザーバの推定した外乱に応じて前記フィー
ドバックコントローラに入力すべき前記目標温度を調整
する、請求項1記載の温度制御装置。 - 【請求項3】 外乱オブザーバが、 前記フィードバックコントローラと前記熱源装置と前記
流体とを含むフィードバック制御系統のモデルであっ
て、前記流体で内部発熱が生じないと仮定したシステム
モデルを有し、 前記フィードバックコントローラに入力された前記目標
温度を前記システムモデルに入力して、前記内部発熱が
生じなければ達成されるであろう理想的な流体温度を計
算し、 前記理想的な流体温度と前記流体から検出された前記流
体温度とから前記外乱を推定する、 請求項2記載の温度制御装置。 - 【請求項4】 前記目標温度決定部が、 制御の進行状態を示す値と、目標温度を決定するための
値とを対応付けて記憶したルックアップテーブルを有
し、 時々の制御の進行状態に応じて前記ルックアップテーブ
ルから対応する値を読み出し、読み出した値から前記目
標温度を決定する、請求項1記載の温度制御装置。 - 【請求項5】 内部発熱性を有する流体の温度を制御す
る方法において、 前記流体を加熱又は冷却するステップと、 前記流体の内部発熱による前記流体温度の変動を補償す
るような目標温度を決定するステップと、 前記目標温度を受け、前記流体温度が前記目標温度にな
るように、前記加熱又は冷却の熱量を制御するステップ
と、を備えた、内部発熱性をもつ流体の温度制御方法。 - 【請求項6】 設定温度付近で内部発熱を起こす流体を
前記設定温度まで加熱して前記設定温度に維持する流体
温度制御装置において、 前記流体を加熱するヒータと、 前記設定温度に対して、前記流体の内部発熱による前記
流体温度の変動を補償するような補正を施すことによ
り、目標温度を決定する目標温度決定部と、 前記目標温度決定部から前記目標温度を受け、前記流体
温度が前記目標温度になるように、前記ヒータに対し操
作信号を出力して加熱の熱量を制御するフィードバック
コントローラと、を備えた、内部発熱性をもつ流体の温
度制御装置。 - 【請求項7】 前記目標温度決定部が、 前記フィードバックコントローラに入力された前記目標
温度と、前記流体から検出された前記流体温度とに基づ
いて、前記流体内で発生した前記内部発熱を外乱として
推定する外乱オブザーバを有し、 この外乱オブザーバの推定した外乱を用いて前記設定温
度を補正することにより、前記外乱に応じて調整された
前記目標値を決定する、請求項6記載の温度制御装置。 - 【請求項8】 設定温度付近で内部発熱を起こす流体を
前記設定温度まで加熱して前記設定温度に維持する流体
温度制御方法において、 前記流体を加熱するステップと、 前記設定温度に対して、前記流体の内部発熱による前記
流体温度の変動を補償するような補正を施すことによ
り、目標温度を決定するステップと、 前記目標温度を受け、前記流体温度が前記目標温度にな
るように、前記加熱の熱量を制御するステップと、 を備えた、内部発熱性をもつ流体の温度制御方法。 - 【請求項9】 硫酸過水を設定温度まで加熱して、この
設定温度において前記硫酸過水で半導体ウェハを洗浄す
るウェハ洗浄装置において、 前記硫酸過水を加熱するヒータと、 前記設定温度に対して、前記硫酸過水の内部発熱による
前記硫酸過水の温度変動を補償するような補正を施すこ
とにより、目標温度を決定する目標温度決定部と、 前記目標温度決定部から前記目標温度を受け、前記硫酸
過水の温度が前記目標温度になるように、前記ヒータに
対し操作信号を出力して加熱の熱量を制御するフィード
バックコントローラと、を備えたウェハ洗浄装置。 - 【請求項10】 前記目標温度決定部が、 前記フィードバックコントローラに入力された前記目標
温度と、前記流体から検出された前記流体温度とに基づ
いて、前記流体内で発生した前記内部発熱を外乱として
推定する外乱オブザーバを有し、 この外乱オブザーバの推定した外乱を前記設定温度を補
正することにより、前記外乱に応じて調整された前記目
標値を決定する、請求項9記載のウェハ洗浄装置。 - 【請求項11】 硫酸過水を設定温度まで加熱して、こ
の設定温度において前記硫酸過水で半導体ウェハを洗浄
するウェハ洗浄方法において、 前記硫酸過水を加熱するステップと、 前記設定温度に対して、前記硫酸過水の内部発熱による
前記硫酸過水の温度変動を補償するような補正を施すこ
とにより、目標温度を決定するステップと、 前記目標温度決定部から前記目標温度を受け、前記硫酸
過水の温度が前記目標温度になるように、前記加熱の熱
量を制御するステップと、を備えたウェハ洗浄方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11050047A JP2000249401A (ja) | 1999-02-26 | 1999-02-26 | 内部発熱性をもつ流体の温度制御装置及び方法、並びにこれを用いたウェハ洗浄装置及び方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11050047A JP2000249401A (ja) | 1999-02-26 | 1999-02-26 | 内部発熱性をもつ流体の温度制御装置及び方法、並びにこれを用いたウェハ洗浄装置及び方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000249401A true JP2000249401A (ja) | 2000-09-14 |
Family
ID=12848092
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11050047A Pending JP2000249401A (ja) | 1999-02-26 | 1999-02-26 | 内部発熱性をもつ流体の温度制御装置及び方法、並びにこれを用いたウェハ洗浄装置及び方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000249401A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101270568B1 (ko) * | 2009-05-22 | 2013-06-03 | 후지 덴키 가부시키가이샤 | 정밀온도조절 시스템 및 그 제어장치 |
CN104536365A (zh) * | 2014-12-09 | 2015-04-22 | 北京七星华创电子股份有限公司 | 一种化学液在线加热控制系统及控制方法 |
CN112222078A (zh) * | 2020-09-22 | 2021-01-15 | 北京北方华创微电子装备有限公司 | 晶圆清洗设备 |
-
1999
- 1999-02-26 JP JP11050047A patent/JP2000249401A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101270568B1 (ko) * | 2009-05-22 | 2013-06-03 | 후지 덴키 가부시키가이샤 | 정밀온도조절 시스템 및 그 제어장치 |
CN104536365A (zh) * | 2014-12-09 | 2015-04-22 | 北京七星华创电子股份有限公司 | 一种化学液在线加热控制系统及控制方法 |
WO2016090913A1 (zh) * | 2014-12-09 | 2016-06-16 | 北京七星华创电子股份有限公司 | 一种化学液在线加热控制系统及控制方法 |
CN112222078A (zh) * | 2020-09-22 | 2021-01-15 | 北京北方华创微电子装备有限公司 | 晶圆清洗设备 |
CN112222078B (zh) * | 2020-09-22 | 2022-07-19 | 北京北方华创微电子装备有限公司 | 晶圆清洗设备 |
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