JPH11312003A - 制御対象同定方法 - Google Patents

制御対象同定方法

Info

Publication number
JPH11312003A
JPH11312003A JP11910298A JP11910298A JPH11312003A JP H11312003 A JPH11312003 A JP H11312003A JP 11910298 A JP11910298 A JP 11910298A JP 11910298 A JP11910298 A JP 11910298A JP H11312003 A JPH11312003 A JP H11312003A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
identification
input signal
control target
input
output
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11910298A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3498894B2 (ja
Inventor
Shigeyuki Tani
繁幸 谷
Shinsuke Takahashi
信補 高橋
Teruji Sekozawa
照治 瀬古沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP11910298A priority Critical patent/JP3498894B2/ja
Publication of JPH11312003A publication Critical patent/JPH11312003A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3498894B2 publication Critical patent/JP3498894B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Testing And Monitoring For Control Systems (AREA)
  • Feedback Control In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】入力信号と出力信号とから制御対象モデルを推
定する制御対象同定方法において、できる限り予め定め
られた制約に違反しないような入力信号を投入して、同
定を中止することなく、精度のよい制御対象モデルを作
成する。 【解決手段】プラント特性推定部3により現時点までの
入出力データから制御対象の特性を推定し、未来プラン
ト出力予測部4により該プラントモデルと予め用意して
ある外乱入力に対するプラントモデルを用いて未来のプ
ラント出力を予測する。制約判定部5により予測出力が
予定の制約条件を満たしているか否かを判定し、否の場
合、同定用入力信号生成部1において現在使用されてい
る同定用入力信号を修正する。また同時に、プラント特
性変更判定部6により該プラントモデルの整定時間が予
め把握していた整定時間よりも大きく異なると判定され
た場合、同定用入力信号生成部1において現在使用され
ている同定用入力信号を修正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定の信号を制御
対象に入力し、該入力信号に対して制御対象から出力さ
れる出力信号を取得し、該入力信号と出力信号とから制
御対象モデルを推定する制御対象同定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、化学プラントなどの制御対象
に所定の同定用入力信号を投入し、該同定用入力信号に
対して制御対象から出力される出力信号を取得し、該入
力信号と出力信号とから制御対象の特性を推定する同定
方法が知られている。実際に同定用入力信号を投入する
と、化学プラントはその入力に応じて動作するが、化学
プラントでは内部の化学反応の温度が所定の範囲内でな
ければならないなど動作上の各種の制限がある。そこ
で、予め大まかに把握した制御対象の特性に基づいて生
成した所定の信号を制御対象に入力し、そのときの入出
力時系列データからその制御対象の特性を推定する同定
方法が用いられている。
【0003】例えば、「ユーザのためのシステム同定理
論:足立修一著、計測自動制御学会:pp66〜72」に示さ
れている同定方法では、予め大まかな制御対象の特性に
基づいてM系列信号を生成し、生成したM系列信号を制
御対象に投入し、該M系列信号に対して制御対象から出
力される出力データを取得し、それらの入出力データか
ら制御対象の特性を推定する。M系列信号とは、制御対
象の特性を推定するためにその制御対象に入力する信号
として代表的に用いられる信号の一例であり、白色性の
強い信号である。
【0004】また、特開平1−106101号公報に
は、所定の信号を制御対象に投入して該制御対象の特性
を推定する同定方法において、現在の出力信号(前記参
考文献内では測定信号[PV])を監視し、該出力信号の
値が予め定められた上限値を超えあるいは下限値を下回
った場合に同定を中止する技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述したよう
に予め定められた所定の信号を実際に制御対象に投入し
て制御対象の特性を推定する場合、(1)想定していた
制御対象の特性と実際の特性が大きく異なる、または、
(2)制御対象に想定していない外乱が入力される、な
どの要因により、制御対象の状態あるいは出力が、予め
定められた制約(出力上下限・出力変化量[ΔY]上限
など)に違反することがある。この場合、特開平1−1
06101号公報の方法では、同定を中止することにな
る。また、通常は、制御対象の安全を考えて、オペレー
タの手により手動で信号を変更したり、制御対象への信
号の投入を中止せざるを得なかった。同定を中止した場
合は、改めて入力用同定信号を作成し直して始めから同
定をやり直さなければならず面倒であった。また、やり
直しを行わない場合でも、とりあえず異常が発生してい
なかったときのデータに基づいて制御対象の特性を推定
しモデルを作成することはできるが、精度が悪いモデル
になってしまうという不都合があった。
【0006】本発明の目的は、上述の従来技術における
問題点に鑑み、所定の信号を制御対象に入力し、該入力
信号に対して制御対象から出力される出力信号を取得
し、該入力信号と出力信号とから制御対象モデルを推定
する制御対象同定方法において、できる限り予め定めら
れた制約に違反しないような入力信号を投入して、同定
を中止することなく、結果として精度のよい制御対象モ
デルを作成することができるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る発明は、予め定められた所定の同定
用入力信号を制御対象に投入し、該同定用入力信号に対
する制御対象の出力信号を検出し、該入出力信号から制
御対象の特性を推定する制御対象同定方法において、投
入開始時刻から現時点までに制御対象に投入された同定
用入力信号と、該同定用入力信号に対して制御対象から
出力された出力信号とを用いて、制御対象の特性を推定
する特性推定ステップと、前記特性推定ステップで得ら
れた制御対象の特性および現時点から投入終了時刻まで
の同定用入力信号から、現時点以降の未来の制御対象の
状態および出力信号を予測する出力予測ステップと、前
記予測された状態および出力信号が、予め定められた制
約を満足するか否かを判定する制約判定ステップと、前
記制約が満足されていないと判定されたとき、現時点以
降に制御対象に入力する予定であった前記同定用入力信
号を、前記制約が満足されるように修正する入力信号修
正ステップとを備えたことを特徴とする。
【0008】請求項2に係る発明は、請求項1におい
て、前記特性推定ステップが、現時点までの制御対象の
特性の推定時に、推定結果のバラツキ範囲を計算し、該
バラツキ範囲を考慮した制御対象のモデルを推定するも
のであり、前記出力予測ステップが、前記バラツキ範囲
を考慮した制御対象のモデルを用いて、未来の制御対象
の状態および出力信号を予測するものであることを特徴
とする。
【0009】請求項3に係る発明は、請求項1におい
て、前記出力予測ステップが、前記特性推定ステップで
得られた制御対象の特性および現時点から投入終了時刻
までの同定用入力信号に加えて、予め保持してある外乱
入力端に対する制御対象の特性および外乱入力端に投入
される前記外乱信号を用いて、現時点以降の未来の制御
対象の状態および出力信号を予測するものであることを
特徴とする。
【0010】請求項4に係る発明は、請求項1から3に
おいて、前記制約判定ステップが、未来の制御対象の出
力信号が所定の上下限制約を満足するか否かを判定する
ものであり、前記入力信号修正ステップが、前記制約が
満足されていないと判定されたとき、現時点以降に制御
対象に入力する予定であった上記同定用入力信号の振幅
をより小さな振幅に修正するものであることを特徴とす
る。
【0011】請求項5に係る発明は、請求項4におい
て、前記入力信号修正ステップが、前記制約が満足され
ていないと判定されたとき、現時点以降に制御対象に入
力する予定であった上記同定用入力信号の振幅を一定値
間隔に分割した各振幅をもつ同定用入力信号を新たに生
成し、現時点までに得られた制御対象の特性および新た
に生成した同定用入力信号を用いて未来の制御対象の状
態および出力信号を予測し、該予測出力が前記制約を満
足するような同定用入力信号のうちで最も振幅の大きな
同定用入力信号を選択し、現時点以後に制御対象に入力
する予定であった同定用入力信号を該選択した同定用入
力信号に修正するものであることを特徴とする。
【0012】請求項6に係る発明は、予め定められた所
定の同定用入力信号を制御対象に投入し、該同定用入力
信号に対する制御対象の出力信号を検出し、該入出力信
号から制御対象の特性を推定する制御対象同定方法にお
いて、予め把握されている制御対象の特性を表すパラメ
ータに基づいて同定用入力信号を生成し、制御対象に投
入する同定用入力信号生成ステップと、投入開始時刻か
ら現時点までに制御対象に投入された同定用入力信号
と、該同定用入力信号に対して制御対象から出力された
出力信号とを用いて、制御対象の特性を推定し、該推定
された制御対象の特性を表すパラメータを出力する特性
推定ステップと、前記特性推定ステップにより現時点ま
でに得られた制御対象の特性を表すパラメータと、前記
同定用入力信号生成ステップにより同定用入力信号を生
成する際に使用された制御対象の特性を表すパラメータ
との差が、一定の閾値を超えるか否かを判定する特性変
更判定ステップと、前記特性変更判定ステップにより前
記パラメータの差が一定の閾値を超えると判定された場
合、前記同定用入力信号生成ステップで生成し現時点以
後に制御対象に入力する予定であった前記同定用入力信
号を、前記パラメータの差が小さくなるように、修正す
る修正ステップとを備えたことを特徴とする。
【0013】請求項7に係る発明は、請求項6におい
て、前記特性変更判定ステップが、現時点までに得られ
た制御対象の整定時間と前記同定用入力信号を生成する
際に使用された制御対象の整定時間との差が、一定の閾
値を超えるか否かを判定するものであり、前記修正ステ
ップが、前記差が一定の閾値を超え、かつ、同定用入力
信号を生成する際に使用された制御対象の整定時間より
も現時点までに得られた制御対象の整定時間が小さい場
合は、現時点以後に制御対象に入力する予定であった前
記同定用入力信号の持続時間を短くし、前記差が一定の
閾値を超え、かつ、同定用入力信号を生成する際に使用
された制御対象の整定時間よりも現時点までに得られた
制御対象の整定時間が大きい場合は、現時点以後に制御
対象に入力する予定であった前記同定用入力信号の持続
時間を長くするものであることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態を詳細に説明する。
【0015】図2は、本発明に係る同定方法を実現する
実施の形態の一構成例を示す。
【0016】図2において、同定用入力信号生成部1
は、後述する制約判定部5またはプラント特性変更判定
部6より修正命令および修正時には修正内容(入力信号
の振幅の大きさなど)を受け取り、その修正命令に従っ
て同定用入力信号(例えばM系列信号)の修正を行い、
プラント2にその同定用入力信号を投入する。なお、同
定用入力信号生成部1は、初期状態では、大まかに把握
した制御対象の特性に基づいて生成した同定用入力信号
を出力する。
【0017】同定実験を開始し、同定用入力信号生成部
1で生成した同定用入力信号をプラント2に加える。プ
ラント2が、その特性を推定してプラントモデルを推定
する対象である。プラント2に対しては、同定用入力信
号以外に、外乱が加わる場合もある。プラント2はこれ
らの入力に対応して動作し、プラント2の出力に変化が
現れる。以後、プラント2からの出力をプラント出力信
号と呼ぶ。
【0018】プラント特性推定部3は、投入開始時刻か
ら現時刻までにプラント2に投入された同定用入力信号
と、投入開始時刻から現時刻までにプラント2から出力
されたプラント出力信号とを用いて、プラント2の同定
用入力信号が投入された入力端の現時刻までのプラント
モデル(以降、単にプラントモデルと呼ぶ)を推定す
る。「入力端の」プラントモデルといっているのは、外
乱を除いてプラント2の入力信号と出力信号のみに着目
して推定するという意味である。プラント特性推定部3
で推定したプラントモデルのモデルパラメータは、未来
プラント出力予測部4に入力する。
【0019】未来プラント出力予測部4は、投入開始時
刻から現時刻までにプラント2に投入された同定用入力
信号および外乱入力信号と、将来投入する予定である残
りの同定用入力信号とから、現時刻までのプラントモデ
ル(プラント特性推定部3で推定したプラントモデル)
および予め持っている外乱入力端に対するプラントモデ
ルを用いて、プラント2の現時刻から同定用入力信号投
入終了時までの未来の出力を予測する。なお、未来プラ
ント出力予測部4は、同定用入力信号生成部1から投入
する同定用入力信号の全データを予め同定用入力信号生
成部1から取得しているので、現時刻から「将来投入す
る予定である残りの同定用入力信号」は分かる。未来プ
ラント出力予測部4により予測したプラント2の現時刻
から同定用入力信号投入終了時までの未来の出力(以
下、予測出力と呼ぶ)は、制約判定部5に入力する。
【0020】制約判定部5は、予め設定されているプラ
ント2の出力の上下限制約と、未来プラント出力予測部
4から出力されたプラント2の予測出力とを比較する。
予測出力が上下限制約の範囲内に入っている場合は、同
定用入力信号の修正は不要と判定する。また、予測出力
が上下限制約の範囲内を外れている場合は、同定用入力
信号の修正が必要と判定する。その判定結果は、同定用
入力信号生成部1に入力する。修正が必要の場合は、同
定用入力信号生成部1に、修正命令とともに修正内容を
渡す。
【0021】プラント特性変更判定部6は、予め大まか
に把握したプラント2の特性と、プラント特性推定部3
から受取ったプラントモデルのモデルパラメータとか
ら、同定用入力信号の修正・非修正の判定を行い、修正
要の場合は同定用入力信号生成部1に修正命令を出し修
正内容を渡す。詳しくは、プラント特性変更判定部6
は、プラントの整定時間(後述する)に関して、予め大
まかに把握したプラント2の整定時間とプラント特性推
定部3で推定したモデルパラメータの整定時間とを比較
し、それらがずれていた場合に、同定用入力信号の修正
命令を出すものである。
【0022】次に、図2の構成により本発明に係る同定
方法を実行する際の詳細な手順を説明する。図1は、処
理手順を示すフローチャートである。この図1の処理
は、例えば本発明に係る同定方法を実現するために用い
る制御装置を構成するディジタル計算機内で、一定周期
で繰り返し実行される。その周期、すなわち図1のフロ
ーチャートのループ処理(ステップ11〜19)が1回
実行される周期をΔtとし、ここではΔt=1分である
ものとする。この図1の処理を行う前に、図10に示す
ようにしてプラントの大まかな特性を把握する。
【0023】まず、図10のプラントの大まかな特性を
把握する処理について説明する。ここでは、把握するプ
ラントの特性として、プラントの整定時間TCと定常ゲ
インSGに着目するものとする。これらの特性を予め大
まかに把握するために、図10の左側に示すような一定
の高さを持つステップ変化を与える入力をプラントに投
入する。ここでは、高さが0から1に変化する入力デー
タを与える場合を示す。プラントは、この入力データに
応じて動作し、出力データを出力する。図10の右側に
出力データを示す。この出力データから、出力値が定常
状態に至ったときの値である定常ゲインSGと、出力値
が0から立ち上がってから定常ゲインSGの95%に至
るまでの時間である整定時間TCとを求める。なお、T
CはΔtの整数倍の値とする。
【0024】以上により、プラントの特性である整定時
間TCと定常ゲインSGとを大まかに把握することがで
きる。この大まかに把握したプラントの整定時間TCと
定常ゲインSG、およびプラント特有でオペレータによ
り予め入力されたプラントの出力の上限制約CTLと下
限制約CBLから、初期の同定用入力信号を生成する。
ここでは図3のようなM系列信号を使用して同定用入力
信号を生成するものとする(図3でa=1とする)。図
3のようなM系列信号は、下記の数1に基づいて計算さ
れる。
【0025】
【数1】
【0026】予め任意に決定したシフトレジスタ数n
(nを大きくすると精度はよくなる)に対し、数1をk
=1からNm=(2のn乗)×n回まで繰り返し計算す
ることにより、M系列と呼ばれる数列{Xk;k=1,
…,Nm}を生成する。ここではn=4を使用する。D
1,D2,D3,…は1または0の値を取るが、これらの
値はnにより決まる。n=4のときは、D1=D4=1,
D2=D3=0である。(+)は排他的論理和を表わす。
また、Xk-1,…,Xk-Nmは繰り返し計算時には1また
は0の値を取るが、繰り返し計算後の数列{Xk}にお
いて、1は1に、0は−1に、それぞれ変換される。
【0027】以上の方法で求められる1または−1の2
値を取る数列{Xk;k=1,…,Nm}から、同定用入
力信号{UN(k);k=1,…,Nm}を下記の数2
に基づいて計算する。
【0028】
【数2】
【0029】数2において、aは入力信号の振幅を表わ
し(図3のaに相当する)、a<min(|CTL|,
|CBL|)/SGによって与えられる。ここでは、a
=0.9min(|CTL|,|CBL|)/SGを用
いる。kは時刻を表わし、1時刻は最小持続時間Tとし
て与えられ、そのTはT>TC/nによって与えられ
る。ここでは、T=1.2TC/nとする。但し、Tは
最も近いΔtの整数倍に近似した値とする。
【0030】以上のようにして、図3に示すような同定
用入力信号(周期Δtごとの信号値)が生成される。同
定用入力信号の持続時間とは、信号値が同じまま持続す
る時間をいう。持続時間のうち、最小の値を、最小持続
時間という。生成した同定用入力信号は、同定入力信号
生成部1内に設けられたテーブルに格納しておく。な
お、上述したM系列信号の生成方法や同定用入力信号の
作成方法は従来より知られている方法である。
【0031】次に、図1の処理を開始する。まず、ステ
ップ11では、同定用入力信号生成部1に設けられた同
定用入力信号を格納したテーブルから、現時刻に対応す
る入力信号値を取り出してプラント2に投入する。プラ
ント2は、その入力信号(詳しくは、投入開始時刻から
現時刻までの入力信号)に応じて動作し、出力信号を出
力する。
【0032】次に、ステップ12では、プラント特性推
定部3において、投入開始時刻TOから現時刻TNまで
に同定用入力信号生成部1からプラント2に投入された
同定用入力信号{UN(i);i=TO/Δt,…,T
N/Δt}、およびプラント2から出力されたプラント
出力信号{YN(i);i=TO/Δt,…,TN/Δ
t}を用いて、現時点でのプラントモデルの推定を行
う。但し、TOとTNはΔtの整数倍であり、TO<T
Nが成り立つ。ここでは、下記の数3によって表わされ
る式誤差モデルをプラントモデルとして用いる。
【0033】
【数3】
【0034】数3において、maはパラメータA(A
1,A2,…をまとめてパラメータAと呼ぶ)の次数、m
bはパラメータB(B1,B2,…をまとめてパラメータ
Bと呼ぶ)の次数を示し、ここではma=3,mb=3
とする。この数3が、どのような入力に対してどのよう
な出力があるかを表すモデル式であり、この式のパラメ
ータA1,A2,…,B1,B2,…を決定することが、プ
ラントモデルを求めることである。
【0035】数3のモデルパラメータTHは、数4のよ
うに、最小2乗法により推定される。ここで、Rは(m
a+mb)×(ma+mb)の行列となる。
【0036】
【数4】
【0037】次に、ステップ13では、新たに推定され
たプラントモデルから、整定時間TC’を推定する。す
なわち、同定対象であるプラントの特性を示すプラント
モデルが推定されているので、このプラントにステップ
入力信号が入力した場合の出力を該プラントモデルに基
づいて計算し、予測される出力データを取得し、該予測
される出力データから整定時間TC’を求めればよい。
具体的には、まず図5のように表わされるステップ入力
信号{US(i);i<0→US(i)=0,i≧1→
US(i)=1}がプラントに入力した場合を想定し、
該ステップ入力信号と、数4において推定されたモデル
パラメータとを用いて、推定されたプラントモデル式で
ある数5を繰り返し計算することにより、予測されるス
テップ応答出力信号{YS(i)}を求める。図6に、
求めたステップ応答出力信号{YS}の一例を示す。
【0038】
【数5】
【0039】そして、i=1から順に数5によりYS
(i)を繰り返し計算する際に、下記の数6が初めて満
たされたときのiの値をkとすると、整定時間TC’は
TC’=k*Δtと推定される。なお、数6では、ステ
ップ応答出力信号が定常値の95%まで立ち上がる時間
を判定している。
【0040】
【数6】
【0041】次に、ステップ14では、プラント特性変
更判定部6により、プラント特性推定部3で新たに推定
されたプラントモデルから上記整定時間TC’の情報を
受け取り、予め把握していた整定時間TCとの差の絶対
値が一定閾値以下か否かを判定する。ここでは、下記の
数7に示すように、新たに得られた整定時間TC’が予
め把握していた整定時間TCと10%以上の差があるか
否かを判定し、10%以上の差がある場合にはステップ
15に進み、10%以上の差がない場合にはステップ1
6に進む。
【0042】
【数7】
【0043】ステップ15では、プラント特性変更判定
部6から同定用入力信号生成部1に、修正命令および修
正内容を出力する。ここでは、TC’とTCに10%以
上の差があったということであるから、最小持続時間
を、予測される整定時間TC’に見合うように修正す
る。具体的には、下記の数8により求めたT’を新たな
最小持続時間とし、最小持続時間をT’(但し、T’は
Δtの整数倍に近似)に修正するという修正内容を同定
用入力信号生成部1に渡す。
【0044】
【数8】
【0045】さらにステップ15で、同定用入力信号生
成部1は、上述したようにプラント特性変更判定部6か
ら送られてきた修正命令および修正内容に従い、現時点
以降の同定用入力信号を最小持続時間T’となるように
修正する。図7は、この修正前と修正後の同定用入力信
号を示す。数8のように最小持続時間を修正することに
より、修正前の持続時間Wが、W:W’=T:T’を満
たすW’に変更される。
【0046】次に、ステップ16では、未来プラント出
力予測部4により、同定用入力信号生成部1からの投入
開始時刻TOから同定入力信号投入終了時刻TEまでの
すべての同定用入力信号{UI(i);TO/Δt,
…,TE/Δt}と、予期せずプラントに投入された外
乱入力信号{DI(i);i=TO/Δt,…,TE/
Δt}と、投入開始時刻から現時刻の1つ前(TN−Δ
t)までのプラント出力信号{YI(i);i=TO/
Δt,…,TN/Δt−1}とから、プラント特性推定
部3により新たに推定されたプラントモデル、および予
め持っている外乱入力端に対するプラントモデルを用い
て、現時刻から同定入力信号投入終了時刻までのプラン
ト出力信号{YI(i);i=TN/Δt,…,TE/
Δt}を予測する。なお、TOとTEはΔtの整数倍で
あり、TO<TEが成り立つ。
【0047】図8に、現時刻以降のプラント出力を予測
する処理の一例を示す。図8を参照して、ステップ16
の処理の詳細を説明する。まず、現時刻において既に獲
得している情報は、同定用入力信号{UI(i);TO
/Δt,…,TE/Δt}と、外乱入力信号{DI
(i);i=TO/Δt,…,TE/Δt}と、投入開
始時刻から現時刻の1つ前(TN−Δt)までのプラン
ト出力信号{YI(i);i=TO/Δt,…,TN/
Δt−1}である。なお、外乱入力信号については、現
時刻から投入終了時刻までは、一定値ホールドおよび定
常外乱入力(投入開始時刻の入力)値に戻してホールド
の2通りを考える。また、外乱入力端に対するプラント
モデル(以下、外乱モデルという)は、予め、前述した
図10のように簡単な実験によって得られた入出力デー
タから生成したり、本実施の形態の方法を用いて本実験
とは別に行った同定実験により生成しておく。プラント
モデルは、ステップ12において推定されている。
【0048】まず図8のに示すように、外乱モデルを
用いて、外乱入力信号のみが入力した場合のプラント出
力を予測する。ここでは、外乱モデルは、数3と同様な
式誤差モデルで表すものとし、モデルパラメータTH^
={A1^,A2^,…Amm^,B1^,B2^,…,Bnn^}と
与えられているとする。但し、mmはA^パラメータ(A1
^,A2^,…をまとめてパラメータA^と呼ぶ)の次数、
nnはB^パラメータ(B1^,B2^,…をまとめてパラメ
ータB^と呼ぶ)の次数であり、mm=3、nn=3とす
る。
【0049】次に、図8のに示すように、現時刻まで
のプラント出力と外乱によるプラント出力との差を取
り、投入開始時刻から現時刻までの同定用入力信号のみ
によるプラント出力を求める。なお、本例では、プラン
ト出力{YI(i);i=TO/Δt,…,TE/Δ
t}は、同定用入力信号による出力{YI1(t);t
=TN,…,TE}と外乱入力信号による出力{YI2
(t);t=TN,…,TE}との和によって求まるも
のとする。従って、現時刻までのプラント出力から外乱
によるプラント出力を引くことにより、同定用入力信号
によるプラント出力が求められる。さらに、図8のお
よびに示すように、現時刻から投入終了時刻までの同
定用入力信号にプラントモデルを適用して同定用入力信
号によるプラント出力を予測し、その結果と外乱による
プラント出力との和を求めてプラント出力を予測する。
【0050】下記の数9は、上述したステップ16の処
理を数式表現したものである。数9を、k=TN/Δt
から順にTE/Δtまで繰り返し計算することにより、
プラント出力信号{YI(i);i=TN/Δt,…,
TE/Δt}を予測する。
【0051】
【数9】
【0052】数9において、現時刻以前の外乱出力{Y
I2(i);t=TO/Δt,…,TN/Δt−1}
は、現時刻までの外乱入力信号{DI(i);i=TO
/Δt,…,TN/Δt}を用いて繰り返し計算を行い
求めている。また、現時刻以前の同定用入力信号による
出力{YI1(i);t=TO/Δt,…,TN/Δt
−1}は、プラント出力信号{YI(i);i=TO/
Δt,…,TN/Δt−1}と外乱出力{YI2
(i);i=TO/Δt,…,TN/Δt−1}との差
を{YI1(i)=YI(i)−YI2(i);i=T
O/Δt,…,TN/Δt−1}のように取り、求めて
いる。
【0053】次に、ステップ17では、制約判定部5に
おいて、未来プラント出力予測部4により予測された現
時刻から同定用出力信号投入終了時刻までの予測プラン
ト出力信号{YI(i);i=TN/Δt,…,TE/
Δt}が、予め与えられたプラントの出力の上限制約C
TLおよび下限制約CBLとの間の値であるか否かを、
判定する。ここでは、数9で表わされる予測プラント出
力信号が、k=TN/Δtから順にTE/Δtまでの時
間範囲で、数10のような上下限制約を満足しなくなる
場合にはステップ18に進み、満足する場合にはステッ
プ19に進む。
【0054】
【数10】
【0055】ステップ18では、上下限制約を満足して
いないということだから、制約判定部5は、同定用入力
信号生成部1に修正命令および修正内容を出力する。修
正内容は、具体的には以下のような内容である。
【0056】まず図9のように、現時刻から同定用入力
信号投入終了時刻までの同定用入力信号の振幅を、現時
刻で使用していた同定用入力信号の振幅の9/10倍、
8/10倍、…、および1/10倍にした9通りの同定
用入力信号を生成する。その9通りの同定用入力信号
を、{UI1(i),…,UI9(i);i=TO/Δ
t,…,TE/Δt}で表す。UI1(i)からUI9
(i)までの同定用入力信号と数9から、図8で説明し
た方法で、それぞれの同定用入力信号に対する予測プラ
ント出力{YI1(i),…,YI9(i);t=TN
n/Δt,…Δ,TE/Δt}を計算する。次に、それ
らの9通りの予測プラント出力のうち、予測プラント出
力のすべての値が数10を満たすものを選び、それらの
中で、最も大きな振幅を新たな振幅a’とする。但し、
9通りの予測プラント出力のすべてが数10を満たさな
い場合は、最も小さな振幅を新たな振幅a’とする。以
上のようにして新たな振幅a’を求め、修正内容とし
て、現在の同定用入力信号の振幅aを新たな振幅a’に
修正するという修正内容を、制約判定部5から同定用入
力信号生成部1に出力する。同定用入力信号生成部1
は、制約判定部5より送られてきた修正・非修正命令
(ステップ17の判別で、上下限制約を満足していたと
きは、同定用入力信号生成部1に非修正命令が送られ
る)および修正内容に従い、修正が必要な場合は現時刻
以降の同定用入力信号の振幅をa’に修正する。
【0057】次に、ステップ19で、同定用入力信号生
成部1から、すべての同定用入力信号が投入されたか否
かを判定する。すべての同定用入力信号が投入されてい
る場合は、同定用入力信号の投入を終了する。投入され
ていない場合は、ステップ12に戻って、処理を続行す
る。
【0058】以上で、図1の処理の説明を終了する。
【0059】次に、上記実施の形態の変形例を説明す
る。この変形例は、上記実施の形態で推定プラントモデ
ルのバラツキを考慮するようにした例である。上記実施
の形態によりプラントモデル(数3)を作成することが
できるが、作成したプラントモデルによるシミュレーシ
ョン値と実際の出力データ値とにずれがある場合があ
る。そのずれ方を「バラツキ」と呼ぶ。推定プラントモ
デルと実際のプラントにずれがある場合には、上記実施
の形態に対し以下のようにバラツキを考慮したモデルを
作成する。なお、以下では、上記実施の形態と異なる部
分のみ説明する。
【0060】バラツキを表現するものとして、モデルパ
ラメータの推定分散値TH’={A1’,A2’,…,A
ma’,B1’,B2’,…,Bmb’}を使用する。これら
のパラメータの値は、以下のようにして求める。まずス
テップ12のプラントモデル推定において、数4により
推定されたパラメータ{A1,A2,…,Ama,B1,B
2,…,Bmb}と、投入開始時刻TOから現時刻TNま
での入力{UN(i);i=TO/Δt,…,TNΔ
t}を用いて、数3のモデル式をi=TO/ΔtからT
N/Δtまで繰り返し計算することにより、出力{Y
N’(i);i=TO/Δt…,TN/Δt}を求め
る。次に、数11のように、実際の出力{YN(i);
i=TO/Δt,…,TN/Δt}とこの計算された出
力{YN’}との差からなる予測誤差{EN(i);i
=TO/Δt,…,TN/Δt}を求める。
【0061】
【数11】
【0062】次に、数12のように、予測誤差{EN
(i)}の値の2乗の和の平均である損失関数Vを求め
る。
【0063】
【数12】
【0064】次に、数13のように、この損失関数V
に、数4で求めたRの逆行列を掛けることにより、パラ
メータTHの分散行列Cを求める。
【0065】
【数13】
【0066】Cは、(ma+mb)×(ma+mb)の
行列となる。さらに数14により、この分散行列Cの対
角要素{Cjj}から推定分散値TH’={A1’,A
2’,…,Ama’,B1’,B2’,…,Bmb’}を求め
る。
【0067】
【数14】
【0068】この推定分散値を用いて、数15のよう
に、バラツキを含んだプラントモデルを導出する。な
お、ここではバラツキの分布が正規分布である場合の9
0%信頼区間を考えて、1.65という値を使用した。
【0069】
【数15】
【0070】各推定分散値に掛けられた係数{Gk}が
−1か1の2値を取るとすると、数15からは2の(m
a+mb)乗個のモデルが生成されるが、ここではその
中で定常ゲインの絶対値が最小および最大となる2つモ
デルを導出して使用する。この2つのモデルの導出は、
以下のように行う。
【0071】まず、数15のモデルの定常ゲインの絶対
値|Gain|を考えると数16が与えられる。
【0072】
【数16】
【0073】この数16の|Gain|の式の分母分子
は相関を持たないため、数17の関係が成り立つ。
【0074】
【数17】
【0075】また、係数{Gk}は−1か1の2値を取
ることから、数16の sum Aj’および sum Bj’に関
して、数18が与えられる。
【0076】
【数18】
【0077】数18より、sum Aj’(sum Bj’も同
様)が最大値を取る場合、係数{Gk}はGj・Aj’
(Gma+j・Bj’も同様)の値が正になるように決定さ
れる。すなわち、Aj’≧0のときはGj=1、Aj’<
0のときはGj=−1、つまりAj’の正負により一意
に決定される。同様に、sum Aj’(sum Bj’も同様)
が最小値を取る場合、係数{Gk}はGj・Aj’(Gma+
j・Bj’も同様)の値が負になるように決定される。す
なわち、Aj’≧0のときはGj=−1、Aj’<0のと
きはGj=1、つまりAj’の正負により一意に決定さ
れる。
【0078】ここで、数16の|Gain|の式の分母
分子に関しては、数19の関係が成り立つ。
【0079】
【数19】
【0080】従って、数16から数19により、定常ゲ
インの絶対値|Gain|が最小および最大となる2つ
のモデルを生成するための係数{Gk;k=1,…,
(ma+mb)}の組み合わせ2つは一意に決定され
る。この決定された2つの係数組み合わせを数15に用
いて、定常ゲインの絶対値を最小にするモデルおよび定
常ゲインの絶対値を最大にするモデルを導出する。
【0081】導出されたモデルは、下記のように使用す
る。まずステップ16の未来プラント出力予測において
は、数4で推定されたパラメータを用いた数3のモデル
と共に本変形例の2つのモデルを用いて、計3つのモデ
ルについての現時刻から終了時刻までの予測出力を計算
する。図11に、3つのモデルから生成される予測出力
の例を示す。図11において、太線のグラフがバラツキ
を考慮しないで推定されたモデルを用いた予測出力であ
り、これに対して、バラツキを考慮したモデルを用いる
と細い実線あるいは点線のグラフのように予測出力が得
られる。そして、ステップ17の制約条件の判定におい
て、この3つのモデルについての予算出力を上下限制約
の判定に使用する。3つのモデルによる予測出力の何れ
かが、上下限の制約に違反した場合は、ステップ18の
同定用入力信号の修正を行う。
【0082】本変形例によれば、推定プラントモデルと
共にバラツキを表現したプラントモデルを使用すること
により、プラントモデル推定時に使用した入出力データ
に乗っているノイズ等の影響によって生じるモデル誤差
を考慮することができるので、推定プラントモデルのみ
を用いる場合よりも、より安全な方向でプラントの上下
限の制約違反を判定することができる。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
現時点以後に制御対象に入力する予定であった同定用入
力信号を所定の制約条件を満足するように自動的に修正
するようにしているので、各種のプラントなどの制御対
象の特性を同定する際に、制約違反が起きないようにす
ることができるという効果がある。これにより同定実験
の中止を防止でき、同定実験を再度行う必要がなく、モ
デル構築の工数を大幅に低減でき、結果として精度のよ
い制御対象モデルを作成できるという効果がある。
【0084】また、推定結果のバラツキを考慮したモデ
ルを用いることにより、より安全な方向で制約条件違反
による同定実験の中止を防止できる。さらに、外乱を考
慮することにより、予期しない外乱が加わった場合で
も、同定実験の中止を防止できる。出力信号が所定の上
下限制約を満足するか否かを判定することにより、制御
対象の上下限制約違反による同定実験の中止を防止でき
る。特に、同定用入力信号の振幅を一定値間隔に分割し
たものを作成して、そのうち制約条件を満足しかつ振幅
の最も大きな同定用入力信号に修正することにより、極
力、同定用入力信号の特性を変えずにすみ、例えばノイ
ズに対して十分に大きい出力振幅であるなど、制御対象
からの望ましい出力が得られる。
【0085】また、同定用入力信号を生成する際に用い
る制御対象の特性を表すパラメータと制御対象の特性を
推定した結果得られる制御対象の特性を表すパラメータ
との差が小さくなるように同定用入力信号を修正するよ
うにしているので、制御対象の特性が予め把握したもの
と異なった場合であっても、同定用入力信号を現時刻ま
でに得られた特性により修正することができ、例えば必
要最小限の出力振幅であるなど、制御対象からの望まし
い出力が得られる。さらに、制御対象の特性に合わせた
必要最小の実験時間での同定実験を行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る同定方法の処理手順の一実施の形
態を示すフローチャート図である。
【図2】本発明に係る同定方法を実現する構成を示すブ
ロック図である。
【図3】予め生成された定められた同定用入力信号を示
す図である。
【図4】同定用入力信号が入力されたときの制御対象の
出力と出力上下限の一例を示す図である。
【図5】高さ1のステップ入力信号を示す図である。
【図6】ステップ入力信号が入力されたときの制御対象
の応答と整定時間・定常ゲインの一例を示した図であ
る。
【図7】現時刻で推定したモデルから所定の信号の持続
時間を修正する一例を示した図である。
【図8】推定したプラントモデルと外乱モデルを用いて
未来のプラント出力を予測する処理の一例を示した図で
ある。
【図9】推定したモデルを用いた予測出力が上下限制約
を満たさない場合、所定の信号の振幅を修正することを
示す図である。
【図10】図1のフローチャートの処理を行う前に制御
対象の特性を大まかに把握する為に行う処理を示した図
である。
【図11】バラツキを持ったモデルを用いて予測した時
の予測出力の一例を示した図である。
【符号の説明】
1…同定用入力信号生成部、2…プラント、3…プラン
ト特性推定部、4…未来プラント出力予測部、5…制約
判定部、6…プラント特性変更判定部。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】予め定められた所定の同定用入力信号を制
    御対象に投入し、該同定用入力信号に対する制御対象の
    出力信号を検出し、該入出力信号から制御対象の特性を
    推定する制御対象同定方法において、 投入開始時刻から現時点までに制御対象に投入された同
    定用入力信号と、該同定用入力信号に対して制御対象か
    ら出力された出力信号とを用いて、制御対象の特性を推
    定する特性推定ステップと、 前記特性推定ステップで得られた制御対象の特性および
    現時点から投入終了時刻までの同定用入力信号から、現
    時点以降の未来の制御対象の状態および出力信号を予測
    する出力予測ステップと、 前記予測された状態および出力信号が、予め定められた
    制約を満足するか否かを判定する制約判定ステップと、 前記制約が満足されていないと判定されたとき、現時点
    以降に制御対象に入力する予定であった前記同定用入力
    信号を、前記制約が満足されるように修正する入力信号
    修正ステップとを備えたことを特徴とする制御対象同定
    方法。
  2. 【請求項2】前記特性推定ステップは、現時点までの制
    御対象の特性の推定時に、推定結果のバラツキ範囲を計
    算し、該バラツキ範囲を考慮した制御対象のモデルを推
    定するものであり、 前記出力予測ステップは、前記バラツキ範囲を考慮した
    制御対象のモデルを用いて、未来の制御対象の状態およ
    び出力信号を予測するものである請求項1に記載の制御
    対象同定方法。
  3. 【請求項3】前記出力予測ステップは、前記特性推定ス
    テップで得られた制御対象の特性および現時点から投入
    終了時刻までの同定用入力信号に加えて、予め保持して
    ある外乱入力端に対する制御対象の特性および外乱入力
    端に投入される外乱信号を用いて、現時点以降の未来の
    制御対象の状態および出力信号を予測するものである請
    求項1に記載の制御対象同定方法。
  4. 【請求項4】前記制約判定ステップは、未来の制御対象
    の出力信号が所定の上下限制約を満足するか否かを判定
    するものであり、 前記入力信号修正ステップは、前記制約が満足されてい
    ないと判定されたとき、現時点以降に制御対象に入力す
    る予定であった上記同定用入力信号の振幅をより小さな
    振幅に修正するものである請求項1から3の何れか1つ
    に記載の制御対象同定方法。
  5. 【請求項5】前記入力信号修正ステップは、前記制約が
    満足されていないと判定されたとき、現時点以降に制御
    対象に入力する予定であった上記同定用入力信号の振幅
    を一定値間隔に分割した各振幅をもつ同定用入力信号を
    新たに生成し、現時点までに得られた制御対象の特性お
    よび新たに生成した同定用入力信号を用いて未来の制御
    対象の状態および出力信号を予測し、該予測出力が前記
    制約を満足するような同定用入力信号のうちで最も振幅
    の大きな同定用入力信号を選択し、現時点以後に制御対
    象に入力する予定であった同定用入力信号を該選択した
    同定用入力信号に修正するものである請求項4に記載の
    制御対象同定方法。
  6. 【請求項6】予め定められた所定の同定用入力信号を制
    御対象に投入し、該同定用入力信号に対する制御対象の
    出力信号を検出し、該入出力信号から制御対象の特性を
    推定する制御対象同定方法において、 予め把握されている制御対象の特性を表すパラメータに
    基づいて同定用入力信号を生成し、制御対象に投入する
    同定用入力信号生成ステップと、 投入開始時刻から現時点までに制御対象に投入された同
    定用入力信号と、該同定用入力信号に対して制御対象か
    ら出力された出力信号とを用いて、制御対象の特性を推
    定し、該推定された制御対象の特性を表すパラメータを
    出力する特性推定ステップと、 前記特性推定ステップにより現時点までに得られた制御
    対象の特性を表すパラメータと、前記同定用入力信号生
    成ステップにより同定用入力信号を生成する際に使用さ
    れた制御対象の特性を表すパラメータとの差が、一定の
    閾値を超えるか否かを判定する特性変更判定ステップ
    と、 前記特性変更判定ステップにより前記パラメータの差が
    一定の閾値を超えると判定された場合、前記同定用入力
    信号生成ステップで生成し現時点以後に制御対象に入力
    する予定であった前記同定用入力信号を、前記パラメー
    タの差が小さくなるように、修正する修正ステップとを
    備えたことを特徴とする制御対象同定方法。
  7. 【請求項7】前記特性変更判定ステップは、現時点まで
    に得られた制御対象の整定時間と前記同定用入力信号を
    生成する際に使用された制御対象の整定時間との差が、
    一定の閾値を超えるか否かを判定するものであり、 前記修正ステップは、 前記差が一定の閾値を超え、かつ、同定用入力信号を生
    成する際に使用された制御対象の整定時間よりも現時点
    までに得られた制御対象の整定時間が小さい場合は、現
    時点以後に制御対象に入力する予定であった前記同定用
    入力信号の持続時間を短くし、 前記差が一定の閾値を超え、かつ、同定用入力信号を生
    成する際に使用された制御対象の整定時間よりも現時点
    までに得られた制御対象の整定時間が大きい場合は、現
    時点以後に制御対象に入力する予定であった前記同定用
    入力信号の持続時間を長くするものである請求項6に記
    載の制御対象同定方法。
JP11910298A 1998-04-28 1998-04-28 制御対象同定方法 Expired - Fee Related JP3498894B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11910298A JP3498894B2 (ja) 1998-04-28 1998-04-28 制御対象同定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11910298A JP3498894B2 (ja) 1998-04-28 1998-04-28 制御対象同定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11312003A true JPH11312003A (ja) 1999-11-09
JP3498894B2 JP3498894B2 (ja) 2004-02-23

Family

ID=14752966

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11910298A Expired - Fee Related JP3498894B2 (ja) 1998-04-28 1998-04-28 制御対象同定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3498894B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001209405A (ja) * 2000-01-24 2001-08-03 Hitachi Ltd プラントの制御方法および装置
JP2008009682A (ja) * 2006-06-29 2008-01-17 Toyota Central Res & Dev Lab Inc シミュレーションモデルの同定方法およびそのプログラム
US8032237B2 (en) * 2001-06-05 2011-10-04 Elverson Hopewell Llc Correction signal capable of diminishing a future change to an output signal
JP2013080437A (ja) * 2011-10-05 2013-05-02 Toyota Motor Corp 制御対象の同定装置
JP2016170753A (ja) * 2015-03-16 2016-09-23 株式会社日立製作所 プラント制御用のデータ処理装置、プラント制御用のデータ処理装置を備えるプラント、およびプラントの制御パラメータの自動調整方法
JP2018120327A (ja) * 2017-01-24 2018-08-02 オムロン株式会社 制御装置、制御プログラムおよび制御システム
JP2020194365A (ja) * 2019-05-28 2020-12-03 オムロン株式会社 異常検知装置、異常検知方法およびプログラム

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001209405A (ja) * 2000-01-24 2001-08-03 Hitachi Ltd プラントの制御方法および装置
US8032237B2 (en) * 2001-06-05 2011-10-04 Elverson Hopewell Llc Correction signal capable of diminishing a future change to an output signal
JP2008009682A (ja) * 2006-06-29 2008-01-17 Toyota Central Res & Dev Lab Inc シミュレーションモデルの同定方法およびそのプログラム
JP2013080437A (ja) * 2011-10-05 2013-05-02 Toyota Motor Corp 制御対象の同定装置
JP2016170753A (ja) * 2015-03-16 2016-09-23 株式会社日立製作所 プラント制御用のデータ処理装置、プラント制御用のデータ処理装置を備えるプラント、およびプラントの制御パラメータの自動調整方法
JP2018120327A (ja) * 2017-01-24 2018-08-02 オムロン株式会社 制御装置、制御プログラムおよび制御システム
JP2020194365A (ja) * 2019-05-28 2020-12-03 オムロン株式会社 異常検知装置、異常検知方法およびプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP3498894B2 (ja) 2004-02-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4331210B2 (ja) 神経網を用いたバッテリ残存量推定装置及び方法
KR900005546B1 (ko) 적응프로세스 제어장치
US10281897B2 (en) Model predictive control with uncertainties
EP3379349B1 (en) Control device, control program, and control system
JP6232258B2 (ja) 予測装置、予測方法、及びプログラム
US6711531B1 (en) Temperature control simulation method and apparatus
JP7090734B2 (ja) 制御システム、制御方法及び記憶媒体
JP3498894B2 (ja) 制御対象同定方法
JP2012118718A (ja) スライディング・モード制御方式において、制御器を構成する方法、プログラム及びシステム
CN114256832A (zh) 配电网电压的区域协调控制方法、装置与电子设备
WO2022192352A9 (en) Multi-critic based enhanced vector control optimization with multi-q learning for motor control
JP5581528B1 (ja) 制御パラメータ決定装置、方法、及びプログラム、並びに、制御器及び最適化制御システム
JP2013061768A (ja) 最適モデル推定装置、方法、及びプログラム
JP2004010349A (ja) 自動倉庫システムの搬送時間予測方法
JPH0651805A (ja) プラントの適応制御方法およびそれを実現する装置
JP2019003465A (ja) プラント制御調整装置及び方法
JP2013149203A (ja) 最適モデル推定装置、方法、及びプログラム
CN112682392A (zh) 液压控制方法和装置
JPH0778034A (ja) 帰還制御装置
Alanqar et al. Practice-oriented system identification strategies for MPC of building thermal and HVAC dynamics
JP7443933B2 (ja) モータ制御装置
CN117389160B (zh) 一种遗传算法辅助的电力系统有限时间分散滑模控制方法
CN116015119B (zh) 永磁同步电机电流控制方法及装置、存储介质及电子设备
Gliga et al. Real Time & Power Efficient Adaptive-Robust Control
Holtorf et al. Adaptive scenario generation for multistage NMPC with shrinking horizons

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071205

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081205

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081205

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091205

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees