JP2000249282A - 樹脂管の接続構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 クランプ治具がなくても樹脂管同士を接続で
き、かつ、異物が付着せず、電気融着継手のサイズの種
類が少なくて済む、樹脂管の接続構造を提供する。 【解決手段】 樹脂管１、２同士を接続する接続構造で
あって、貫通孔７を有する２つの継手部材３ａ、３ｂか
らなり、接続するべき樹脂管１、２の内面形状と、継手
部材３ａ、３ｂの貫通孔の内面形状とが、互いに熱融着
可能な形状となされ、少なくとも一方の継手部材の貫通
孔方向一側端に電熱線が配設されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂管の接続構造
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、ガス管、水道管、下水道管及
び給湯管等の配管に、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等からなる樹脂
管が使用されている。これらの樹脂管の配管工事におい
て、図４に示すように樹脂管ａ、ｂを接合する継手内に
電熱線ｄを埋め込み、電熱線ｄに接続される端子ｅに電
圧を印加して電熱線ｄを加熱することにより、樹脂管
ａ、ｂと継手とを融着させる継手電気融着継手ｃが開発
され、多用されている。このような電気融着継手ｃの融
着作業において、電気融着継手ｃから樹脂管ａ、ｂが抜
け出さないようにするために、電気融着継手ｃに対応し
た、夫々形状の異なる専用のクランプ治具ｆが用いられ
てきた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記クランプ治具ｆを
使用することにより、電気融着継手ｃと樹脂管ａ、ｂと
が確実に接合できるが、以下のような問題点がある。 １）クランプ治具ｆは、継手の冷却が完了するまで（通
常５〜１０分）取り付けておく必要があり、施工後すぐ
に埋め戻すことができず、施工に待ち時間が生じる。 ２）上記クランプ治具ｆは一般的に金属で作られている
ので、持ち運びが不便なうえ、締付部材と、挟持部材が
別体になっているため、部品数が増加する。などの欠点
があった。

【０００４】また、樹脂管ａ、ｂを電気融着継手ｃに挿
入する際、樹脂管ａ、ｂに付着した土などの異物が樹脂
管ａ、ｂと電気融着継手ｃの間に巻き込まれ、十分な融
着強度が得られないなどの欠点があった。

【０００５】さらに、樹脂管ａ、ｂを電気融着継手ｃに
挿入するため、樹脂管ａ、ｂのサイズ毎に異なったサイ
ズの電気融着継手が必要であった。

【０００６】本発明は上記の課題を解決し、クランプ治
具がなくても樹脂管同士を接続でき、かつ、異物が付着
せず、電気融着継手のサイズの種類が少なくて済む、樹
脂管の接続構造を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の樹脂管の接続構
造は、樹脂管同士を接続する接続構造であって、貫通孔
を有する２つの継手部材からなり、接続するべき樹脂管
の内面形状と、継手部材の貫通孔の内面形状とが、互い
に熱融着可能な形状となされ、少なくとも一方の継手部
材の貫通孔方向一側端に電熱線が配設されているもので
ある。

【０００８】本発明において、接続するべき樹脂管の内
面形状と、継手部材の貫通孔の内面形状とは、互いにバ
ット融着可能となされている。従って、多少の形状の差
異は許容できるが、樹脂管内部と継手部材の貫通孔の内
部を流体が通過する際、所謂「デッドスペース」が生じ
ないためには、樹脂管内面形状と継手部材の貫通孔の内
面形状は、略等しくなされているのが好ましい。

【０００９】本発明において、上記継手部材の材質は、
樹脂管とバット融着可能なものであれば特に限定され
ず、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、
ポリフッ化ビニリデン等の熱可塑性樹脂が使用できる
が、融着時の接着強度の面で、樹脂管と同種類のものが
好ましい。

【００１０】本発明において、熱融着とは、被接続部の
少なくも一方を加熱することにより接合するもので、例
えばバット融着、被接続部の少なくも一方を他方に突き
合わせた状態で回転させ、摩擦熱により融着する方法、
被接続部の少なくも一方を他方に嵌着した状態で回転さ
せ、摩擦熱により融着する方法などがあげられる。

【００１１】（作用）本発明の樹脂管の接続構造は、樹
脂管同士を接続する接続構造であって、貫通孔を有する
２つの継手部材からなり、接続するべき樹脂管の内面形
状と、継手部材の貫通孔の内面形状とが、互いに熱融着
可能な形状となされ、少なくとも一方の継手部材の貫通
孔方向一側端に電熱線が配設されているものであるか
ら、クランプ治具がなくても樹脂管同士を接続でき、か
つ、異物が付着せず、また、樹脂管の内面形状と継手部
材の貫通孔の内面形状とが、互いにバット融着可能な程
度に異なっていてもよいので、継手部材のサイズの種類
が少なくて済む。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を、
図面を参照しつつ詳しく説明する。図１は、本発明の樹
脂管の接続構造の一例を示す断面図であり、図２、３
は、図１の継手を分割し、拡大して示す斜視図である。
図１に示すように、本発明の樹脂管の接続構造は、樹脂
管１、２を接合する継手３内に電熱線４が埋め込まれて
いる。

【００１３】継手３には貫通孔７が設けられ、図２に示
すように、一方の継手部材３ａには、電熱線４に接続さ
れる端子５、ボルト穴６、貫通孔７ａが設けられてい
る。また、他方の継手部材３ｂにも、図３に示すよう
に、ボルト穴６、貫通孔７ｂが設けられている。

【００１４】樹脂管１は、一方の継手部材３ａの電熱線
４と反対側に、樹脂管２は、他方の継手部材３ｂに、そ
れぞれバット融着された後、一方の継手部材３ａと他方
の継手部材３ｂとは、ボルト６２により固定されてい
る。なお、図１において８は、バット融着の際のビート
を示す。

【００１５】この状態で、電熱線４に所定の電圧を印加
することにより、一方の継手３ａと他方の継手３ｂとが
一体化され、樹脂管１、２が接合される。

【００１６】なお、本実施の形態においては、樹脂管
１、２、及び継手３の内面形状が等しい場合について説
明したが、上述した通り、樹脂管１、２が、それぞれ継
手部材３ａ、３ｂとが接合可能な程度に異なっていても
よい。

【００１７】また、本実施の形態においては、ボルト６
２により固定された後、電熱線４に所定の電圧を印加す
る場合について説明したが、先に電熱線４に所定の電圧
を印加し、一方の継手３ａと他方の継手３ｂとを一体化
した後、ボルト６２により固定してもよい。

【００１８】

【発明の効果】本発明の樹脂管の接続構造は、上述の如
きものであるから、クランプ治具がなくても樹脂管同士
を接続でき、かつ、異物が付着せず、電気融着継手のサ
イズの種類が少なくて済む。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の樹脂管の接続構造の一例を示す断面図
である。

【図２】図１の継手を分割し、一方の継手を拡大して示
す斜視図である。

【図３】図１の継手を分割し、他方の継手を拡大して示
す斜視図である。

【図４】従来の樹脂管の接続構造を示す断面図である。

【符号の説明】

１、２ 樹脂管 ３ 継手 ４ 電熱線 ７ 貫通孔

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】樹脂管同士を接続する接続構造であって、
   貫通孔を有する２つの継手部材からなり、接続するべき
   樹脂管の内面形状と、継手部材の貫通孔の内面形状と
   が、互いに熱融着可能な形状となされ、少なくとも一方
   の継手部材の貫通孔方向一側端に電熱線が配設されてい
   ることを特徴とする樹脂管の接続構造。