JP2000248790A - 磁石構造ロック機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】収納家具等の引出しに取付けられる錠は、前板
に鍵穴を設けるが一般的である。これが盗難に際しては
泥棒に錠の位置をしらせることになったり、叉、いちい
ち鍵を掛けるのが面倒で鍵の掛け忘れを生じたりして盗
難防止面からは問題があった。 【解決手段】そこで本発明は、外観からは錠の位置が判
らず、しかも常に施錠が可能な新規な磁石構造ロック機
構を提供し、従来の家具や、または、新たに隠し収納部
を設けた新規な家具等に、該ロック機構を装着すること
にって、従来の問題を解消しょうとするものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、新規な磁石構造ロ
ック機構を提供し、更に、従来の収納家具や隠し収納部
を設けた特殊家具、又は、壁や押し入れ等の隠し収納部
に該ロック機構を取付けて、外観ではロックの位置が判
らないように構成した新規なロック機構に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】タンス、貴重品収納箱や机、その他多く
の家具等には錠が取付けられているが、従来の錠の構造
は、鍵穴が表面に装着されているのが主体で、一目で錠
の位置が判り、更に、その構造が簡単なため先端を曲げ
た針金等でも容易に解錠が可能であった。また、鍵を掛
けるのが面倒で掛け忘れするなど、盗難防止上完全なも
のとは言えなかったし、鍵穴がタンスの美観を損ねる要
素にもなっていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上述の様に、従来の錠
では、鍵穴によって錠の位置を知らせたり、施錠忘れと
いう盗難防止面の問題や、鍵穴が美観を損ねるという問
題があった。そこで本発明は、外観からは錠の位置が判
らず、しかも常に施錠が可能な新規なロック機構を提供
し、従来の家具や新たに隠し収納部を設けた家具、又
は、壁や押し入れの隠し収納部等に、該ロック機構を装
着することにって、従来の問題を解消しょうとするもの
である。

【０００４】

【課題を解決するための手段】１． 請求項１記載の
発明の磁石構造ロック機構は、一端を軸支して可動する
支持材（１）か、又は、摺動する支持材（１）に解錠磁
石（２）と係止具（３）を、又は、必要によっては係止
具を係合部（６）側に吸引される部品（磁石又は鉄片）
（４）を支持材に設けて成る係止装置（５）と，該係止
装置（５）の支持材（１）を吸引する部品（磁石又は鉄
片）（７）と支持材（１）に設けた係止具（３）と係合
する前記係合部（６）とから成る係合装置（８）と、前
記係止装置の解錠磁石（２）を外側から吸引して支持材
（１）を可動さす操作磁石（９）とから構成した磁石構
造ロック機構である。外側から吸引するとは、解錠磁石
に操作磁石を接触させるのではなく飾り板とか前板等の
表面に操作磁石を当て吸引することをいう。

【０００５】本発明の構成をより詳細に説明する。係止
装置（５）の構造は、図１．２．３．のように、支持材
（１）の上端を回動可能に軸支して垂下し、下端に三角
形状をした係止具（３）を係合側に設けた、更に、操作
磁石（９）で外側に吸引される解錠磁石（２）を支持材
に設けて該係止具が前後に動かす構造である。可動する
支持材とは、上述、図１．２．３のように前後に可動す
る構造とか、図４のように、支持材（１）一端を軸支し
他端に係止具（３）を設けて、外側からの操作磁力（磁
石）（９）と操作磁石（２）との吸引力によって上下に
回動する構造とか、図５のように、支持材（１）を左右
に摺動可能に取付けて一端を係止具（３）とし、外側か
らの操作磁力（磁石）（９）と操作磁石（２）との吸引
力によって左右に動はす構造をいう。

【０００６】必要によっては係止具（３）を係合部
（６）側に吸引される又はする部品とは、支持材に別の
磁石や鉄片を設けることをいう。どれを使用するかは係
合装置（８）の吸引部品（７）の吸引力によって適宜に
選択すればよい。支持材が樹脂の場合は鉄片か磁石を設
けることになる。図１では、支持材が鉄製のため特に吸
引部品を設けず、支持材が係合装置の磁石（７）の吸引
力だけで係止具が係合される構造になつている。叉、図
４の場合は、吸引力を増すように係止装置にも磁石
（４）を設けて、該係止装置の磁石（４）と係合装置の
磁石（７）とで強く吸引させる構造になっている。これ
らは、係止装置全体の大きさ形状等から適宜に選択すれ
ばよい。

【０００７】係合装置の係合部（６）とは、係止装置の
係止具（３）を止める構造であればよい。例えば、係止
具（３）の形状が図１．２．３のように三角形状の物で
あれば三角形状をした溝えあればよいし、図４のように
Ｉ型の突起部物であるれば、係合具は突起部物が挿入で
きる穴であればよい。更に係合装置には、係止具を係合
部に吸引する磁石か鉄片を設ける。図１．２．３．４．
５では磁石（７）を取付けたが、係止装置に強い磁石を
取付けて係合装置側には鉄片だけでもよい。

【０００８】２． 請求項２記載の発明の磁石構造ロ
ック機構は、図６のように、係止部兼用磁石の一端を軸
支して可動する係止装置と、該係止装置の係止部と係合
する係合部を設け、又は、必要によって前記磁石を係合
部側に吸引する部品を係合部に設けた係合装置と、前記
係止装置の磁石を外側から吸引して解錠する操作磁石と
から構成した磁石構造ロック機構だある。本発明の係止
具兼用磁石とは解錠用磁石と係止具とを一体化した物で
あって、係止部と軸支部とを一枚の磁石で構成してもよ
いし、又は、他のプレトに軸支部や磁石及び係止部を取
付けた物でもよい。図６は、該係止具兼用磁石（係止装
置）を固定部側（天板）に取付け、可動部側（引出し側
板上面）に係合部（係合装置）を取付けた構造を示す断
面図だある。尚、この構造は、係合部（係合装置）を取
付けた引出しを閉めると天板に取付けた係止具兼用磁石
（係止装置）が係合部に自然落下して係合してロックさ
れる構造である。落下を確実にするには、係合部に磁石
か鉄片を設けるとよい。解錠する時は、操作磁石を受板
の表面から係止装置の係止具兼用磁石部に当てると該係
止具兼用磁石が操作磁石に吸引（揚がる）されて該磁石
ロックが解錠され引出しが動く構造である。 ３． 請求項３記載の発明の磁石構造ロック機構は、
施錠と解錠とを外側から操作磁石で行なうもので、その
構造は、摺動する支持材の一端に磁石を他端に係止具を
設けた係止装置と、該係止装置の係止具と係合する係合
装置と、前記係止装置の磁石を吸引又は反発させて係止
具を前後に移動さす操作磁石とから構成した磁石構造ロ
ック機構である。

【０００９】請求項１．２．３記載の磁石には永久磁石
を使用することが簡便である、また、操作磁石は複数個
の磁石を適宜に極数を変えて配列して一体化した磁石が
防犯上最もよい。叉、操作磁石と支持材又は支持材と係
合部との間に隔間がある場合は解錠磁石や係止具を支持
材に直接取付けるのではなく、支持材に連結材を取付け
てその先端に磁石や係止具を取付けるとよい。然るに、
本発明の支持材とはリンク、カム、連結材等で構成した
一体物をいう。

【００１０】４． 請求項４記載は、請求項１記載の
磁石構造ロック機構を収納家具に用いた発明である。そ
の構成を詳細に説明する。引出し、引き戸等の収納部の
可動部材と天板、受板、飾り板、側板等の固定部材から
成る収納家具や、天板の下部、受板、飾り板、又は底板
等の固定部に隠し収納部を設けた隠し収納部付き収納家
具において、該可動部材又は固定部材の何れか一の部材
の内側に可動する支持材（１）に解錠磁石（２）と係止
具（３）を，又は、必要によっては係止具を係合部
（６）側に吸引される部品（磁石又は鉄片）（４）を前
記支持材に設けて成る係止装置（５）を取付け、他の部
材の内側に前記係止装置（５）の対向位置に係止装置
（５）の支持材（１）を吸引する部品（磁石又は鉄片）
（７）と前記支持材に設けた係止具（３）と係合する係
合部（６）とから成る係合装置（８）を取付け、収納家
具の外側表面から前記係止装置（５）の解錠磁石（２）
を吸引する操作磁石（９）とからなる磁石構造ロック機
構を設けた収納家具である。上述のように、本発明のロ
ック機構は係止装置（５）と係合装置（８）から構成さ
れるので、例えば、固定部に係止装置を可動部に係合装
置を取付けてもよいし、その逆でもよい、叉、適当な固
定部がない場合には特別に設けてもよい。請求項１．
２．３．記載の本発明品の他の用途として、壁や押し入
れ等に隠し収納部を設けた場合にも利用出来る。

【００１１】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図２．３に
基き使用方法と共に説明する。図２．３は、飾り板（１
０）の内側に隠し収納部（１１）を設けた収納家具に本
発明のロック機構を取付けた構造であって、係止装置を
飾り板の内側に、係合装置を隠し収納部の前板に取付け
た。尚、該隠し収納部は裏板に蝶番を付けて上下に開閉
できる構造になっている。図２はロックされている状態
を示す。隠し収納部（１１）を上に揚げると飾り板（１
０）に取付けた係止装置（５）の係止具（３）が隠し収
納部の前板（１２）に取付けた係合装置（８）の吸引部
品（磁石）（７）によつて係止装置の支持材（１）（鉄
製）を吸引して係止具（３）が係合部（６）の溝に勘合
されて降下（開放）しないようにロックが掛かった状態
になる。即ち、収納部を正規な位置にセットされれば自
然にロックされる。

【００１２】次にロックを解錠するには、図３のよう
に、飾り板の外側から操作磁石（９）を係止装置部の解
錠磁石（２）に当てると、該磁石（９）と係止装置の解
錠磁石（２）とが吸引して、該支持材が前方（外側）に
引かれ、係止具（３）が係合部（６）から離れて、解錠
されて収納部が開く。この場合、磁石（９）と係止装置
の解錠磁石（２）の極性が同一の場合は反発し合って支
持材が後方に押されて解錠出来ない。

【００１３】上述のことから、引出しや収納部に１個の
ロック機構を取付けてもよいが、解錠方法を複雑化する
には複数個のロック機構を取付けるとよい。更に、一個
の極性の磁石を使用するよりも、図４．５のように複数
の磁石を極を変えて配列して一体化した方が解錠はより
困難になる、それは、外側の磁石も係止装置の磁石と同
じ配列で同じ大きさの物でなければならないからであ
る。このように、本発明では、磁石の極数を変えたり、
大きさを変えることによって何種類もの磁石が作られ、
盗難防止上からも優れている。尚、本発明は、磁石の吸
引力を利用しているので、係合を引き離す磁石（２）
（９）は、係合さす磁石（４）または（７）より強く、
且つ、少なくとも数ミリ程度の木材等を透過する強力な
磁石が必要である。

【００１４】

【実施例】本発明の実施例を図面に基き説明する。図
２．３は、 飾り板の裏に隠し収納部を設けた収納家具
で、該収納部は蝶番によって上下に開放するようになっ
ている。係止具は三角形状し係合部も係止具と同じ形状
した溝になっている。詳細な事は、上記、「発明の実施
の形態」の項で述べたので省略するが、支持材は前後に
可動する構造である。図４は、引出しや引き戸、又は、
開き扉等に使用する状態を示す。引出しや引き戸、又
は、開き扉等の前板（１３）の内側（裏側）に係止装置
を取付け、その天板（１４）に係合装置を取付けたロッ
ク機構であって、支持材は上下に回動する構造である。
即ち、外側の操作磁石（９）を係止装置の解錠磁石
（２）に当て下向に動かせば、支持材が下向に回動し係
止具が係合部から外れる。外側の操作磁石（９）を外せ
ば、支持材に設けた吸引用磁石（４）と係合装置の磁石
（７）とで吸引し合い係止具を係合部（穴）に係合する
構造になっている。

【００１５】図５は、係止具が左右に動く構造を示す。
操作磁石（９）を係止装置の解錠磁石（２）に当て左に
摺動すれば係止具も左に摺動するので、係止具が係合装
置の係合部の穴に挿入され穴に装着されている磁石に吸
引されてロックが掛かる。解錠する場合は、外側から操
作磁石（９）を係止装置の解錠磁石（２）に当て、操作
磁石（９）を右に動かせば解錠磁石（２）も共に右に摺
動し係止具が係合具から外れる。この構造は、操作磁石
を左右に動かして開閉してもよいが、自然にロックさす
には係止部や係合部にやや強めの磁石を設けるとよい。

【００１６】図６は、請求項２記載の発明の実施例で係
止部兼用磁石が係合部に落下して係合する構造である。
詳細なことは「課題を解決するための手段」で説明した
ので省略する。図７は、請求項２記載発明の別の実施例
で係止装置（係止部兼用磁石）を収納家具等の側板（１
５）に取付け、該係止部兼用磁石を引出しの横板（１
６）側面の係合部に係合さす構造を示す実施例である。
この場合は、係合部に係止部兼用磁石を吸引する磁石
（７）が必要だある。この磁石の磁力は当然操作磁石よ
りも弱いものを使用する。

【００１７】図８は、請求項３記載の発明の実施例を示
す。数センチの飾り板の裏側に隠し収納部の取付け、飾
り板に係止装置を隠し収納部の前板に係合装置の係合部
である凹部取付けた。本ロック機構は操作磁石でロツク
と解錠を行なうので、係止装置の磁石を吸引や反発をす
る操作磁石が必要である。

【００１８】

【発明の効果】上述のように、本発明によって従来の問
題を次のように解消した。 １． 従来の錠は、家具等の表面に鍵穴を設けてあるの
で、泥捧は破壊してでも開けようとするが、本発明の場
合では、鍵の構造が一切表面に出ていないので、施錠の
有無が判らず、開けられない時は、単に引出しが不良品
かと思って放置することになる。 ２． 従来の錠では、いちいち鍵で施錠しなければなら
ないが、請求項３記載の発明以外の本発明では引出しを
閉めれば自然にロックされるので非常に便利で安全であ
る。 ３． 従来の錠では、鍵穴が家具等の表面に装着されて
いるので、美観上好ましくない場合があったが、本発明
品を使用した場合はこれらの問題もなくなった。 ４． 本発明品の用途は、家具以外に壁や押し入れ等、
如何なる場所でも外観を損ねることなく取付けることが
可能である。 上述のように、本発明は従来の諸問題を解消し盗難防止
上顕著な効果が生じる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 請求項１記載発明のロック機構の斜視図。

【図２】 請求項４記載発明で隠し収納部付き収納家具
にロック機構を装着した断面図であって、ロックされて
いる状態を示す。

【図３】 請求項４記載発明で隠し収納部付き収納家具
にロック機構を装着した断面図であって、ロックが解錠
さている状態を示す。

【図４】 請求項１記載発明のロック機構で係止装置の
係止具が上下に回動する断面図である。

【図５】 請求項１記載発明のロック機構で係止装置の
係止具が左右に動く断面図である。

【図６】 請求項２記載発明のロック機構で係止部兼用
磁石が自然落下して係合した状態を示す断面図である。

【図７】 請求項２記載発明のロック機構で係止部兼用
磁石が引き出しの横板側面に吸引された状態を示す断面
図だある。

【図８】 請求項３記載発明のロック機構で操作磁石で
係止具が前後に移動さす構造を示す断面図である。

【符号の説明】

１ 支持材 ２ 解錠磁石 ３
係止具 ４ 係止装置内に設けた吸引用部品（磁石または鉄片） ５ 係止装置 ６ 係合部 ７ 係合装置内に設けた吸引用部品（磁石または鉄片） ８ 係合装置 ９ 操作磁石 １０
飾り板 １１ 隠し収納部 １２隠し収納部の前板 １３開き扉等の前板 １４ 天板 １５ 側板 １６引き出しの横板 １７ 係止部兼用磁石

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】一端を軸支して可動する支持材か、又は、
   摺動する支持材に解錠磁石と係止具を，又は、必要によ
   っては係止具を係合部側に吸引される部品を支持材に設
   けて成る係止装置と、 該係止装置の支持材を吸引する部品と支持材に設けた係
   止具と係合する係合部とから成る係合装置と、 前記係止装置の解錠磁石を外側から吸引して支持材を可
   動さす操作磁石とから構成した磁石構造ロック機構。
2. 【請求項２】 係止部兼用磁石の一端を軸支して可動す
   る係止装置と、該係止装置の係止部と係合する係合部を
   設け、又は、必要によって前記係止部を係合部に吸引す
   る部品を係合部に設けた係合装置と、前記係止装置の係
   止部兼用磁石を外側から吸引する操作磁石とから構成し
   た磁石構造ロック機構。
3. 【請求項３】 摺動する支持材の一端に磁石を他端に係
   止具を設けた係止装置と、該係止装置の係止具と係合す
   る係合部を設けた係合装置と、前記係止装置の磁石を吸
   引して係止具を前後に移動さす操作磁石とから構成した
   磁石構造ロック機構。
4. 【請求項４】 引出し、引き戸又は隠し収納部等の可動
   部材と天板、受板、飾り板、側板等の固定部材から成る
   収納家具において、該可動部材又は固定部材の何れか一
   の部材の内側に可動する支持材に解錠磁石と係止具を，
   又は、必要によっては係止具を係合部側に吸引される部
   品を支持材に設けて成る係止装置を取付け、他の部材の
   内側に前記係止装置の対向位置に係止装置の支持材を吸
   引する部品と前記支持材に設けた係止具と係合する係合
   部とから成る係合装置を取付け、収納家具の外側表面か
   ら前記係止装置の解錠磁石を吸引さす操作磁石とから構
   成した収納家具の磁石構造ロック機構。
5. 【請求項５】 係止装置の磁石や操作磁石に用いる磁石
   が、複数個の磁石を適宜に極数を変えて配列して一体化
   した磁石であることを特徴とした請求項１乃至４いずれ
   かに記載の磁石構造ロック機構。