JP2000248184A - 強誘電体酸化物前駆体組成物、その製造方法及び強誘電体薄膜 - Google Patents

強誘電体酸化物前駆体組成物、その製造方法及び強誘電体薄膜

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JP2000248184A
JP2000248184A JP5357499A JP5357499A JP2000248184A JP 2000248184 A JP2000248184 A JP 2000248184A JP 5357499 A JP5357499 A JP 5357499A JP 5357499 A JP5357499 A JP 5357499A JP 2000248184 A JP2000248184 A JP 2000248184A
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alkoxide
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Mamoru Aizawa
守 會澤
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Kansai Research Institute KRI Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構成金属元素としてTi、Zr及びPbを含
む高分子量の強誘電体酸化物前駆体組成物及びその製造
方法を提供する。さらに、前記前駆体を用いて、より厚
膜化されたPZT強誘電体薄膜を製造する方法を提供す
る。 【解決手段】 炭素数4以上のアルコキシ基を有するチ
タンアルコキシドを、炭素数4以上のアルコールを含む
溶媒中で加水分解・重縮合して、ポリチタノキサン中間
体を得る。このポリチタノキサン中間体を、ポリジルコ
ノキサンと反応させ、次に鉛アルコキシド原料と反応さ
せて、数平均分子量963以上の前駆体とする。前記強
誘電体酸化物前駆体を基板上に塗布し、基板上にゲル膜
を形成し、その後、焼成して、厚膜化された強誘電体薄
膜を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強誘電体酸化物を
得るための強誘電体酸化物前駆体組成物及びその製造方
法に関する。さらに、本発明は、前記前駆体組成物を用
いた強誘電体薄膜の製造方法にも関する。特に本発明
は、高分子量の強誘電体酸化物前駆体組成物及びその製
造方法、並びに高分子量前駆体を用いたより厚膜化され
たチタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする強誘電体薄膜の
製造方法に関する。この強誘電体薄膜は、例えば、イン
クジェット記録装置の圧電素子として利用価値が高いも
のである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置のピエゾヘッド
の圧電素子として、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)か
らなる強誘電体薄膜が用いられている。この強誘電体薄
膜は、ゾル−ゲル法、スクリーン印刷法、スパッタ法、
CVD法、レーザアブレーション法等の方法により形成
することができる。これらのうち、ゾル−ゲル法によれ
ば、強誘電体薄膜は、原料の金属アルコキシドを加水分
解・重合させて得られる金属酸化物前駆体ゾルを基板上
に塗布し、ゲル化させて、その後、ペロブスカイト構造
を得るために、通常、300〜1400℃程度の温度で
焼成することにより形成される。
【0003】ところで、強誘電体薄膜を、インクジェッ
ト記録装置のピエゾヘッドの圧電素子として用いるため
には、通常、1μm〜10μm程度の膜厚が必要であ
る。このような厚膜化された強誘電体薄膜は、単純なゾ
ル−ゲル法操作では得ることが困難である。
【0004】そのため、成膜操作を複数回繰り返した
り、例えば、特開平6−112550号公報に記載のよ
うに、多孔質ゲル薄膜を形成した後、さらにゾルを塗布
することが行われている。しかしながら、このような操
作は煩雑であり、製造上好ましくなく、また、再度の加
熱により、薄膜の周辺部材にも熱的悪影響を及ぼすとい
う問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、上記従来技術の問題を解決するため、構成金属元素
として、チタン、ジルコニウム及び鉛を含む、高分子量
の強誘電体酸化物前駆体組成物及びその製造方法を提供
することにある。さらに、本発明の目的は、前記高分子
量の前駆体を用いて、より厚膜化されたチタン酸ジルコ
ン酸鉛を主成分とする強誘電体薄膜を製造する方法を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意研究した
結果、ブトキシ基のような炭素数4以上のアルコキシ基
を有するチタンアルコキシドを、ブタノールのような炭
素数4以上のアルコール溶媒中で加水分解・重縮合する
ことにより、高分子量のポリチタノキサン中間体が得ら
れ、このポリチタノキサン中間体を強誘電体酸化物前駆
体合成に用いることによって、高分子量の前駆体が得ら
れることを見い出し、本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、強誘電体酸化物を得
るための前駆体組成物であって、前記前駆体は、構成金
属元素として、チタン、ジルコニウム及び鉛を含み、数
平均分子量が963以上である、強誘電体酸化物前駆体
組成物である。本発明において、強誘電体酸化物を得る
ための「前駆体」とは、ゾル−ゲル法によって原料の金
属種含有化合物(例えば金属アルコキシド)を重合させ
て得られるものであり、実質的に完全な金属酸化物形態
に移行させるための前駆体を指す。
【0008】本発明において、前記前駆体の数平均分子
量が963〜100000であることが好ましい。ま
た、前記前駆体の数平均分子量が5000〜10000
0であることがより好ましい。前記前駆体の数平均分子
量が10000〜100000であることがさらに好ま
しい。数平均分子量は、凝固点降下法で測定される。
【0009】また、前記前駆体は、例えば、ポリチタノ
キサン主鎖にジルコノキサン単位及び鉛オキシド単位が
側鎖として付加されたグラフトコポリマーである。ある
いは、前記前駆体は、例えば、ポリジルコノキサン主鎖
にチタノキサン単位及び鉛オキシド単位が側鎖として付
加されたグラフトコポリマーの場合もある。以下の製造
方法によれば、前者のタイプのグラフトコポリマーが得
られやすい。
【0010】本発明は、構成金属元素として、チタン、
ジルコニウム及び鉛を含む強誘電体酸化物前駆体組成物
の製造方法であって、炭素数4以上のアルコキシ基を有
するチタンアルコキシドを、炭素数4以上のアルコール
を含む溶媒中で加水分解・重縮合して、ポリチタノキサ
ン中間体を得る工程(a)と、このポリチタノキサン中
間体を、ポリジルコノキサン及び鉛アルコキシド原料と
反応させて、数平均分子量963以上の前駆体とする工
程(b)とを含む、強誘電体酸化物前駆体組成物の製造
方法である。
【0011】前記工程(a)を、炭素数4以上のアルコ
キシ基を有するチタンアルコキシドを、炭素数4以上の
アルコールを含む溶媒中で加水分解・重縮合して、ポリ
チタノキサンを得て、前記ポリチタノキサンを部分加水
分解して、ポリチタノキサン中間体を得ることにより行
ってもよい。
【0012】前記工程(b)を、工程(a)で得られた
前記ポリチタノキサン中間体をポリジルコノキサンと反
応させて、Ti−O−Zr中間体を得て、前記Ti−O
−Zr中間体を鉛アルコキシド原料と反応させることに
より行ってもよい。
【0013】前記工程(a)で得られる前記ポリチタノ
キサン中間体は、中間体1分子中に含まれるTi原子の
数が3以上であり、数平均分子量が294以上であるこ
とが好ましい。工程(a)のチタンアルコキシドの加水
分解・重縮合において、前記チタンアルコキシド1モル
に対して、0.67〜4モルの加水分解水を用いること
が好ましい。
【0014】工程(a)のチタンアルコキシドの加水分
解・重縮合において、反応溶媒として、炭素数4以上の
アルコール1重量%以上と、ベンゼン、トルエン及びキ
シレンから選ばれる非極性溶媒99重量%以下とを含む
混合溶媒を用いることもできる。前記混合溶媒は、炭素
数4以上のアルコール30重量%以上と、ベンゼン、ト
ルエン及びキシレンから選ばれる非極性溶媒70重量%
以下とを含むものでもよい。また、前記混合溶媒は、炭
素数4以上のアルコール50重量%以上と、ベンゼン、
トルエン及びキシレンから選ばれる非極性溶媒50重量
%以下とを含むものでもよい。
【0015】工程(a)のチタンアルコキシドの加水分
解・重縮合において、安定化配位子を用いないことが好
ましい。
【0016】工程(b)で用いるポリジルコノキサン
を、炭素数4以上のアルコキシ基を有するジルコニウム
アルコキシドを、炭素数4以上のアルコールを含む溶媒
中で加水分解・重縮合することにより得ることが好まし
い。前記ジルコニウムアルコキシドの加水分解・重縮合
において、安定化配位子を用いないことが好ましい。
【0017】さらに、本発明は、上記の強誘電体酸化物
前駆体組成物又は上記の方法により製造された強誘電体
酸化物前駆体組成物を基板上に塗布し、基板上にゲル膜
を形成し、その後、焼成することを含む、チタン酸ジル
コン酸鉛を主成分とする強誘電体薄膜の製造方法であ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明において、構成金属元素と
してチタン、ジルコニウム及び鉛を含む強誘電体酸化物
前駆体の数平均分子量は963以上であり、好ましくは
963〜100000であり、より好ましくは5000
〜100000であり、さらに好ましくは10000〜
100000である。数平均分子量が963以上の強誘
電体酸化物前駆体ゾルを強誘電体薄膜の製造に用いるこ
とにより、強固な無機ポリマーネットワークが形成さ
れ、より厚膜化された強誘電体薄膜が得られる。数平均
分子量の上限は特に限定されるものではないが、数平均
分子量100000の前駆体ゾルを用いると、十分に厚
膜化された強誘電体薄膜が得られる。
【0019】前記前駆体の構造としては、典型的には、
例えば、ポリチタノキサン主鎖にジルコノキサン単位及
び鉛オキシド単位が側鎖として付加されたグラフトコポ
リマー(タイプI)と、ポリジルコノキサン主鎖にチタ
ノキサン単位及び鉛オキシド単位が側鎖として付加され
たグラフトコポリマー(タイプII)が挙げられる。いず
れのタイプの前駆体であってもよいが、以下の製造方法
によれば、タイプIのグラフトコポリマーが得られやす
い。
【0020】本発明の製造方法では、まず、工程(a)
において、炭素数4以上のアルコキシ基を有するチタン
アルコキシドを、炭素数4以上のアルコールを含む溶媒
中で加水分解・重縮合して、ポリチタノキサン中間体を
得る。高分子量のポリチタノキサン中間体が得られる。
【0021】炭素数4以上のアルコキシ基を有するチタ
ンアルコキシドとしては、例えば、テトラノルマルブト
キシチタン、テトライソブトキシチタン、テトラ-sec-
ブトキシチタン、テトラ-tert-ブトキシチタン、テトラ
ペントキシチタン、テトラヘキソキシチタン等が挙げら
れる。これらのうち、テトラノルマルブトキシチタン
が、反応性、溶解性に優れ、会合度も低く一次元的重合
が起こりやすく好ましい。
【0022】前記工程(a)を、炭素数4以上のアルコ
キシ基を有するチタンアルコキシドを、炭素数4以上の
アルコールを含む溶媒中で加水分解・重縮合して、ポリ
チタノキサンを得て、前記ポリチタノキサンを部分加水
分解して、ポリチタノキサン中間体を得る2ステップの
工程で行うことが好ましい。部分加水分解することによ
り、工程(b)において、反応性が向上する。
【0023】前記工程(a)で得られる前記ポリチタノ
キサン中間体は、中間体1分子中に含まれるTi原子の
数が3以上であり、数平均分子量が294以上であるこ
とが好ましい。このようなポリチタノキサン中間体とす
ることにより、工程(b)において、数平均分子量のよ
り高い前駆体を得ることができる。
【0024】加水分解・重縮合の反応溶媒としては、炭
素数4以上のアルコールを含む溶媒を用いる。このよう
なアルコールとしては、ノルマルブタノール、イソブタ
ノール、sec-ブタノール、tert- ブタノール、ペンタノ
ール、ヘキサノール等が挙げられる。これらのうち、ノ
ルマルブタノールが溶解性、極性の点から好ましい。
【0025】また、反応溶媒として、上記炭素数4以上
のアルコールと、ベンゼン、トルエン及びキシレンから
選ばれる非極性溶媒とを含む極性/非極性混合溶媒を用
いることも好ましい。例えば、アルコール1重量%以上
と非極性溶媒99重量%以下とを含む混合溶媒、アルコ
ール30重量%以上と非極性溶媒70重量%以下とを含
む混合溶媒、アルコール50重量%以上と非極性溶媒5
0重量%以下とを含む混合溶媒を用いることができる。
このような混合溶媒とすることによって、反応溶媒の極
性が変化し、溶解する金属アルコキシドの会合度を変化
させ、加水分解・重縮合を制御して、ポリチタノキサン
の重合度を高めることができる。すなわち、非極性溶媒
量を増すことによって、金属アルコキシドの会合度が小
さくなる傾向にあり、ポリチタノキサンの重合度が大き
くなる傾向がある。非極性溶媒としては、通常、トルエ
ンを用いるとよい。
【0026】また、反応溶媒の量は任意であるが、例え
ば、原料のチタンアルコキシドに対して、1〜100重
量部程度用いることが可能である。
【0027】工程(a)のチタンアルコキシドの加水分
解・重縮合において、加水分解水の量は、前記チタンア
ルコキシド1モルに対して、0.67〜4モル程度とす
ることが好ましく、1〜1.7モル程度とすることがよ
り好ましい。0.67モル未満では、加水分解が十分進
行しにくく、4モルを超えると、ゲル化しやすくなる傾
向がある。
【0028】また、工程(a)を2ステップ工程で行う
場合において、ポリチタノキサンの部分加水分解に用い
る水の量は、例えば、チタンアルコキシド1モルに対し
て、0.1〜1.7モル程度とするとよい。
【0029】工程(a)のチタンアルコキシドの加水分
解・重縮合は、−100〜300℃程度、例えば反応溶
媒の還流温度で、0.5〜24時間程度の反応時間で行
うことができる。また、ポリチタノキサンの部分加水分
解は、−100〜300℃程度、例えば室温で、0.5
〜24時間程度の反応時間で行うことができる。
【0030】また、工程(a)のチタンアルコキシドの
加水分解・重縮合において、安定化配位子を用いないこ
とが好ましい。金属アルコキシドの加水分解における安
定化配位子としては、β−ジケトンやグリコール等の多
座配位化合物が通常用いられるが、このような安定化配
位子は、強誘電体の焼結の際に、残留炭素が結晶化した
り、強誘電体の結晶性などに悪影響を及ぼすことが懸念
される。本発明の方法においては、炭素数4以上のアル
コキシ基を有するチタンアルコキシドを原料として用い
て、炭素数4以上のアルコールを含む溶媒中で加水分解
・重縮合を行うので、高分子量化が理想的に進行し、高
分子量化による安定性向上が大きくなるので、安定化配
位子を用いる必要がない。安定化配位子を用いると、高
分子量化が阻害されるので、むしろ安定性に劣る結果と
なることがある。
【0031】このようにして得られたポリチタノキサン
中間体は、高分子量のものであり、例えば、数平均分子
量294以上、より好ましくは1500以上、さらに好
ましくは4500以上である。
【0032】次に、工程(b)において、このポリチタ
ノキサン中間体を、ポリジルコノキサン及び鉛アルコキ
シド原料と反応させて、数平均分子量963以上の前駆
体とする。
【0033】工程(b)で用いるポリジルコノキサン
は、炭素数4以上のアルコキシ基を有するジルコニウム
アルコキシドを、炭素数4以上のアルコールを含む溶媒
中で加水分解・重縮合することにより得ることが好まし
い。前記ジルコニウムアルコキシドの加水分解・重縮合
において、安定化配位子を用いないことが好ましい。
【0034】炭素数4以上のアルコキシ基を有するジル
コニウムアルコキシドとしては、例えば、テトラノルマ
ルブトキシジルコニウム、テトライソブトキシジルコニ
ウム、テトラ-sec- ブトキシジルコニウム、テトラ-ter
t-ブトキシジルコニウム等が挙げられる。これらのう
ち、テトラノルマルブトキシジルコニウム、反応性、溶
解性、会合度等の点から好ましい。
【0035】加水分解・重縮合の反応溶媒としては、上
述のチタンアルコキシドの加水分解・重縮合の場合と同
様に、炭素数4以上のアルコールを含む溶媒を用いると
よい。これらのうち、ノルマルブタノールが溶解性、極
性の点から好ましい。
【0036】また、反応溶媒として、上述のチタンアル
コキシドの加水分解・重縮合の場合と同様に、上記炭素
数4以上のアルコールと、ベンゼン、トルエン及びキシ
レンから選ばれる非極性溶媒とを含む極性/非極性混合
溶媒を用いることも好ましい。例えば、アルコールと非
極性溶媒との重量混合比も、上述の場合と同様である。
このような混合溶媒とすることによって、反応溶媒の極
性が変化し、溶解する金属アルコキシドの会合度を変化
させ、加水分解・重縮合を制御して、ポリシジルコノキ
サンの重合度を高めることができる。
【0037】また、反応溶媒の量は任意であるが、例え
ば、原料のジルコニウムアルコキシドに対して、1〜1
00重量部程度用いることが可能である。ジルコニウム
アルコキシドの加水分解・重縮合において、加水分解水
の量は、特に限定されないが、前記ジルコニウムアルコ
キシド1モルに対して、0.5〜4モル程度とすること
が好ましく、1〜1.5モル程度とすることがより好ま
しい。また、ジルコニウムアルコキシドの加水分解・重
縮合は、−100〜300℃程度、例えば−10℃以下
の温度で、0.5〜24時間程度の反応時間で行うこと
ができる。
【0038】また、ジルコニウムアルコキシドの加水分
解・重縮合において、安定化配位子を用いないことが好
ましい。炭素数4以上のアルコキシ基を有するジルコニ
ウムアルコキシドを原料として用いて、炭素数4以上の
アルコールを含む溶媒中で、反応温度−10℃以下で加
水分解・重縮合を行うことにより、安定化配位子を用い
ずに均一な反応が実現できる。このようにして得られた
ポリジルコノキサンは、高分子量のものであり、例え
ば、数平均分子量424以上、より好ましくは1020
以上である。
【0039】鉛アルコキシド原料としては、例えば、ジ
ノルマルプロポキ鉛、ジイソプロポキシ鉛、鉛2-アミノ
エトキシ−アセテート〔Pb(NH2 CH2 CH2 O)
(CH3 COO)〕、鉛2-アミノプロポキシ−アセテー
ト〔Pb(NH2 3 7 O)(CH3 COO)〕等が
挙げられる。もちろん、これらのみに限定されるもので
はなく、他のアルコキシドを用いることもできる。これ
らのうち、鉛2-アミノエトキシ−アセテート、鉛2-アミ
ノプロポキシ−アセテート等が好ましく用いられる。
【0040】工程(b)は、工程(a)で得られた前記
ポリチタノキサン中間体にポリジルコノキサン及び鉛原
料を順次添加して行ってもよい。あるいは、前記ポリチ
タノキサン中間体をポリジルコノキサンと反応させて、
Ti−O−Zr中間体を得て、前記Ti−O−Zr中間
体を鉛アルコキシド原料と反応させる、2ステップの工
程で行ってもよい。反応は、−100〜300℃程度
で、0.5〜24時間程度の時間で行うことができる。
【0041】また、この反応で用いるポリチタノキサン
中間体、ポリジルコノキサン及び鉛アルコキシド原料の
量は、目的とするチタン酸ジルコン酸鉛の組成に応じて
決定するとよい。
【0042】高分子量のポリチタノキサン中間体を用い
るので、数平均分子量963以上、好ましくは5000
〜100000、より好ましくは10000〜1000
00のチタン酸ジルコン酸鉛前駆体が得られる。この高
分子量のチタン酸ジルコン酸鉛前駆体溶液は、30〜6
0重量%程度の高濃度に濃縮しても、透明均質な状態を
保つことができる。従って、高濃度の塗布液を調製可能
である。
【0043】また、本発明は、この高分子量の強誘電体
酸化物前駆体組成物を塗布液として用いた強誘電体薄膜
の製造方法にも関する。この薄膜製造方法において、強
誘電体酸化物前駆体組成物には、必要に応じて、適切な
有機ポリマーを含ませることができる。
【0044】有機ポリマーとしては、特に限定されない
が、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセ
ルロース、ナイロン又はポリアミド系重合体、ポリウレ
タン、ポリ尿素、アクリロニトリル系重合体、(メタ)
アクリレート系重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニ
ル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニリデン
系ポリマー、塩素化ポリプロピレン、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、カルボキシル変性ポリオレフィンなどの
ポリオレフィン系、ポリスチレン、スチレン−アクリロ
ニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブダジエン−ス
チレンブロック共重合体などのスチレン系樹脂、ポリエ
ステル樹脂等が挙げられる。これらの有機ポリマーのう
ち、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、ナイロン又はポリアミド系重合体等が好ましい。ま
た、有機ポリマーを用いる場合の配合量は、特に限定さ
れるものではなく、例えば、強誘電体酸化物前駆体の酸
化物換算の重量100重量部に対して、0.01〜10
0重量部、好ましくは0.1〜10重量部程度の範囲か
ら選択できる。
【0045】また、この塗布液には、必要によりさら
に、重合促進剤、溶解促進剤、酸化防止剤、染料、顔料
などの公知の各種添加剤を適宜配合することもできる。
さらに、必要に応じて溶剤と共に混合して、塗布液を調
製する。溶剤は、メタノール、エタノール、プロパノー
ル等のアルコールや、その他の溶剤から適宜選択すれば
良い。
【0046】得られた塗布液を、基板上に塗布し、ゲル
膜を形成する。基板としては、所望の用途に応じて、金
属、ガラス、セラミックス、プラスチックなどから適宜
選択でき、シリコンウェハーなどの基板であってもよ
い。インクジェット記録装置のピエゾヘッドの場合は、
通常、Ti、Pt等がコーティングされたジルニニア基
板である。基板は、予め適当な表面処理が成されていて
もよい。例えば、シランカップリング剤などにより表面
処理が成されていてもよい。
【0047】塗布方法は、特に限定されるものではな
く、慣用のコーティング方法、例えば、スピンコーティ
ング法、ディッピング法、キャスト法、スクリーン印刷
法、ドクターブレード法などにより行うことができる。
塗膜形成の際のゲル化は、室温で実施してもよいが、5
0〜400℃程度に加熱して行ってもよい。
【0048】その後、ゲル膜を焼成する。焼成温度は、
300〜1400℃の温度範囲が好ましく、600〜1
000℃の温度範囲がより好ましい。また、焼成は、不
活性ガス雰囲気、または酸素含有雰囲気(空気など)な
ど任意の雰囲気下で行えばよく、常圧又は減圧下で行う
ことができる。通常は、空気下で、室温から300〜1
400℃程度まで、2〜24時間かけて焼成するとよ
い。また、段階的な昇温を行ってもよい。このような焼
成により、有機成分がほぼ消失して、緻密な強誘電体薄
膜が得られる。
【0049】本発明では、高分子量の強誘電体酸化物前
駆体組成物を塗布液として用いるので、従来のゾル−ゲ
ル法塗布液に比べ無機ポリマーネットワークが強化され
る。そのため、高濃度の、すなわち基板面積当たりより
多量(固形分重量)の塗布液を塗布することが可能にな
り、1回の膜形成操作で、インクジェット記録装置のピ
エゾヘッドの圧電素子として必要とされる1μm〜10
μm程度の膜厚のチタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする
薄膜が得られる。
【0050】また、高濃度の塗布液を調製可能なことか
ら、塗布液中の無機成分に対する有機ポリマーの重量比
を小さくできる。そのため、焼成時の有機ポリマー消失
体積をできるだけ小さくでき、より緻密な強誘電体薄膜
が得られる。
【0051】
【実施例】以下に、実施例により本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 [実施例1] (Tiアルコキシドの加水分解・重縮合)乾燥管、ジム
ロート冷却管、温度計及びシリコンゴム製セプタムを装
着した2リットル四つ口丸底フラスコにマグネチックス
ターラー用攪拌子を入れた。フラスコ中に0.1モルの
テトラ−n−ブトキシチタンを入れ、それを500ml
の脱水n−ブタノールに溶解させた。別の容器に0.0
01Nの塩酸水0.10モルを入れ、それを500ml
の脱水n−ブタノールで希釈し、得られた溶液をマイク
ロチューブポンプを用いてフラスコ内へ滴下した。フラ
スコ内の溶液を混合させた後、オイルバスを用いた加熱
により混合溶液を8時間還流させ、還流後に溶液を自然
冷却した。得られた溶液をA1液とする。
【0052】(Zrアルコキシドの加水分解・重縮合)
乾燥管、ジムロート冷却管、温度計及びシリコンゴム製
セプタムを装着した2リットル四つ口丸底フラスコにマ
グネチックスターラー用攪拌子を入れた。フラスコ中に
0.1モルのテトラ−n−ブトキシジルコニウムを入
れ、それを500mlの脱水n−ブタノールに溶解させ
た。これをドライアイス/メタノールのクールバスに浸
漬し、溶液を−50℃以下に冷却した。別の容器に0.
001Nの塩酸水0.1モルを入れ、それを500ml
の脱水n−ブタノールで希釈し、得られた溶液をマイク
ロチューブポンプを用いてフラスコ内へ滴下した。フラ
スコ内の溶液を混合させた後、クールバスから外して室
温まで自然昇温した。オイルバスを用いた加熱により混
合溶液を8時間還流させ、還流後に溶液を自然冷却し
た。得られた溶液をB1液とする。
【0053】(Tiアルコキシドポリマー(A1液)の
部分加水分解)0.001Nの塩酸水0.033モルを
150mlの脱水n−ブタノールで希釈し、得られた溶
液を、マイクロチューブポンプを用いてA1液に滴下し
た。この際の滴下速度は、4ml/minとした。混合
溶液を室温で30分間攪拌した。得られた溶液をC1液
とする。
【0054】(Ti−O−Zr中間体の調製)B1液を
C1液に添加し、オイルバスを用いた加熱により、混合
溶液を2時間還流させ、還流後に溶液を自然冷却した。
得られた溶液をD1液とする。
【0055】(Pbアルコキシド原料の添加)Pb−2
−アミノイソプロポキシ−アセテート〔Pb(NH2
3 7 O)(CH3 COO)〕0.2モルを、200m
lの脱水n−ブタノールに溶解させ、得られた溶液をD
1液に添加した。オイルバスを用いた加熱により、混合
溶液を2時間還流させ、還流後に溶液を自然冷却した。
このPZT前駆体溶液をE1液とする。
【0056】[実施例2] (Tiアルコキシドの加水分解・重縮合)加水分解に用
いた0.001Nの塩酸水を0.13モルとした以外
は、実施例1と同様にして、ポリチタノキサン溶液(A
2)を得た。 (Zrアルコキシドの加水分解・重縮合)実施例1と同
様にして、ポリジルコノキサン溶液(B1)を得た。 (Tiアルコキシドポリマー(A2)の部分加水分解)
実施例1と同様にして、ポリチタノキサン溶液(A2)
の部分加水分解を行い、ポリチタノキサン中間体溶液
(C2)を得た。 (Ti−O−Zr中間体の調製)実施例1と同様にし
て、B1液をC2液に添加し、Ti−O−Zr中間体溶
液(D2)を得た。 (Pbアルコキシド原料の添加)実施例1と同様にし
て、Pb−2−アミノイソプロポキシ−アセテートのn
−ブタノール溶液をD2液に添加反応させ、PZT前駆
体溶液(E2)を得た。
【0057】[実施例3] (Tiアルコキシドの加水分解・重縮合)加水分解に用
いた0.001Nの塩酸水を0.15モルとした以外
は、実施例1と同様にして、ポリチタノキサン溶液(A
3)を得た。 (Zrアルコキシドの加水分解・重縮合)実施例1と同
様にして、ポリジルコノキサン溶液(B1)を得た。 (Tiアルコキシドポリマー(A3)の部分加水分解)
実施例1と同様にして、ポリチタノキサン溶液(A3)
の部分加水分解を行い、ポリチタノキサン中間体溶液
(C3)を得た。 (Ti−O−Zr中間体の調製)実施例1と同様にし
て、B1液をC3液に添加し、Ti−O−Zr中間体溶
液(D3)を得た。 (Pbアルコキシド原料の添加)実施例1と同様にし
て、Pb−2−アミノイソプロポキシ−アセテートのn
−ブタノール溶液をD3液に添加反応させ、PZT前駆
体溶液(E3)を得た。
【0058】[実施例4] (Tiアルコキシドの加水分解・重縮合)加水分解に用
いた0.001Nの塩酸水を0.17モルとした以外
は、実施例1と同様にして、ポリチタノキサン溶液(A
4)を得た。 (Zrアルコキシドの加水分解・重縮合)実施例1と同
様にして、ポリジルコノキサン溶液(B1)を得た。 (Tiアルコキシドポリマー(A4)の部分加水分解)
実施例1と同様にして、ポリチタノキサン溶液(A4)
の部分加水分解を行い、ポリチタノキサン中間体溶液
(C4)を得た。 (Ti−O−Zr中間体の調製)実施例1と同様にし
て、B1液をC4液に添加し、Ti−O−Zr中間体溶
液(D4)を得た。 (Pbアルコキシド原料の添加)実施例1と同様にし
て、Pb−2−アミノイソプロポキシ−アセテートのn
−ブタノール溶液をD4液に添加反応させ、PZT前駆
体溶液(E4)を得た。
【0059】[実施例5] (Tiアルコキシドの加水分解・重縮合)乾燥管、ジム
ロート冷却管、温度計及びシリコンゴム製セプタムを装
着した2リットル四つ口丸底フラスコにマグネチックス
ターラー用攪拌子を入れた。フラスコ中に0.1モルの
テトラ−n−ブトキシチタンを入れ、それを250ml
の脱水n−ブタノールと250mlの脱水トルエンの混
合液に溶解させた。別の容器に0.001Nの塩酸水
0.10モルを入れ、それを250mlの脱水n−ブタ
ノールと250mlの脱水トルエンの混合液で希釈し、
得られた溶液をマイクロチューブポンプを用いてフラス
コ内へ滴下した。フラスコ内の溶液を混合させた後、オ
イルバスを用いた加熱により混合溶液を8時間還流さ
せ、還流後に溶液を自然冷却した。得られた溶液をA5
液とする。
【0060】(Zrアルコキシドの加水分解・重縮合)
乾燥管、ジムロート冷却管、温度計及びシリコンゴム製
セプタムを装着した2リットル四つ口丸底フラスコにマ
グネチックスターラー用攪拌子を入れた。フラスコ中に
0.1モルのテトラ−n−ブトキシジルコニウムを入
れ、それを250mlの脱水n−ブタノールと250m
lの脱水トルエンの混合液に溶解させた。これをドライ
アイス/メタノールのクールバスに浸漬し、溶液を−5
0℃以下に冷却した。別の容器に0.001Nの塩酸水
0.1モルを入れ、それを250mlの脱水n−ブタノ
ールと250mlの脱水トルエンの混合液で希釈し、得
られた溶液をマイクロチューブポンプを用いてフラスコ
内へ滴下した。フラスコ内の溶液を混合させた後、クー
ルバスから外して室温まで自然昇温した。オイルバスを
用いた加熱により混合溶液を8時間還流させ、還流後に
溶液を自然冷却した。得られた溶液をB5液とする。
【0061】(Tiアルコキシドポリマー(A5液)の
部分加水分解)0.001Nの塩酸水0.033モルを
75mlの脱水n−ブタノールと75mlの脱水トルエ
ンの混合液で希釈し、得られた溶液を、マイクロチュー
ブポンプを用いてA5液に滴下した。この際の滴下速度
は、4ml/minとした。混合溶液を室温で30分間
攪拌した。得られた溶液をC5液とする。
【0062】(Ti−O−Zr中間体の調製)B5液を
C5液に添加し、オイルバスを用いた加熱により、混合
溶液を2時間還流させ、還流後に溶液を自然冷却した。
得られた溶液をD5液とする。
【0063】(Pbアルコキシド原料の添加)Pb−2
−アミノイソプロポキシ−アセテート0.2モルを、1
00mlの脱水n−ブタノールと100mlの脱水トル
エンの混合液に溶解させ、得られた溶液をD5液に添加
した。オイルバスを用いた加熱により、混合溶液を2時
間還流させ、還流後に溶液を自然冷却した。このPZT
前駆体溶液をE5液とする。
【0064】[比較例1] (Tiアルコキシドの加水分解・重縮合)乾燥管、ジム
ロート冷却管、温度計及びシリコンゴム製セプタムを装
着した2リットル四つ口丸底フラスコにマグネチックス
ターラー用攪拌子を入れた。フラスコ中に0.10モル
のテトラ−n−ブトキシチタンを入れ、それを500m
lの脱水n−ブタノールに溶解させた。別の容器に0.
001Nの塩酸水0.05モルを入れ、それを500m
lの脱水n−ブタノールで希釈し、得られた溶液をマイ
クロチューブポンプを用いてフラスコ内へ滴下した。フ
ラスコ内の溶液を混合させた後、オイルバスを用いた加
熱により混合溶液を8時間還流させ、還流後に溶液を自
然冷却した。得られた溶液をA6液とする。
【0065】(Zrアルコキシドの加水分解・重縮合)
実施例1と同様にして、ポリジルコノキサン溶液(B
1)を得た。 (Tiアルコキシドポリマー(A6)の部分加水分解)
実施例1と同様にして、ポリチタノキサン溶液(A6)
の部分加水分解を行い、ポリチタノキサン中間体溶液
(C6)を得た。 (Ti−O−Zr中間体の調製)実施例1と同様にし
て、B1液をC6液に添加し、Ti−O−Zr中間体溶
液(D6)を得た。 (Pbアルコキシド原料の添加)実施例1と同様にし
て、Pb−2−アミノイソプロポキシ−アセテートのn
−ブタノール溶液をD6液に添加反応させ、PZT前駆
体溶液(E6)を得た。
【0066】[比較例2] (Tiアルコキシドの加水分解・重縮合)乾燥管、ジム
ロート冷却管、温度計及びシリコンゴム製セプタムを装
着した2リットル四つ口丸底フラスコにマグネチックス
ターラー用攪拌子を入れた。フラスコ中に0.1モルの
テトラ−n−ブトキシチタンを入れ、それを500ml
の脱水エタノールに溶解させた。別の容器に0.001
Nの塩酸水0.10モルを入れ、それを500mlの脱
水エタノールで希釈し、得られた溶液をマイクロチュー
ブポンプを用いてフラスコ内へ滴下した。フラスコ内の
溶液を混合させた後、オイルバスを用いた加熱により混
合溶液を8時間還流させ、還流後に溶液を自然冷却し
た。得られた溶液をA7液とする。
【0067】(Zrアルコキシドの加水分解・重縮合)
乾燥管、ジムロート冷却管、温度計及びシリコンゴム製
セプタムを装着した2リットル四つ口丸底フラスコにマ
グネチックスターラー用攪拌子を入れた。フラスコ中に
0.1モルのテトラ−n−ブトキシジルコニウムを入
れ、それを500mlの脱水エタノールに溶解させた。
これをドライアイス/メタノールのクールバスに浸漬
し、溶液を−50℃以下に冷却した。別の容器に0.0
01Nの塩酸水0.1モルを入れ、それを500mlの
脱水エタノールで希釈し、得られた溶液をマイクロチュ
ーブポンプを用いてフラスコ内へ滴下した。フラスコ内
の溶液を混合させた後、クールバスから外して室温まで
自然昇温した。オイルバスを用いた加熱により混合溶液
を8時間還流させ、還流後に溶液を自然冷却した。得ら
れた溶液をB7液とする。
【0068】(Tiアルコキシドポリマー(A7液)の
部分加水分解)0.001Nの塩酸水0.033モルを
150mlの脱水エタノールで希釈し、得られた溶液
を、マイクロチューブポンプを用いてA1液に滴下し
た。この際の滴下速度は、4ml/minとした。混合
溶液を室温で30分間攪拌した。得られた溶液をC7液
とする。
【0069】(Ti−O−Zr中間体の調製)B7液を
C7液に添加し、オイルバスを用いた加熱により、混合
溶液を2時間還流させ、還流後に溶液を自然冷却した。
得られた溶液をD7液とする。
【0070】(Pbアルコキシド原料の添加)Pb−2
−アミノイソプロポキシ−アセテート0.2モルを、2
00mlの脱水エタノールに溶解させ、得られた溶液を
D7液に添加した。オイルバスを用いた加熱により、混
合溶液を2時間還流させ、還流後に溶液を自然冷却した
ところ、沈殿物の析出が見られた。このPZT前駆体を
E7液とする。
【0071】[比較例3] (Tiアルコキシドの加水分解・重縮合)乾燥管、ジム
ロート冷却管、温度計及びシリコンゴム製セプタムを装
着した2リットル四つ口丸底フラスコにマグネチックス
ターラー用攪拌子を入れた。フラスコ中に0.1モルの
テトラ−n−ブトキシチタンを入れ、それを500ml
の脱水n−ブタノールに溶解させた。アセチルアセトン
0.2モルを100mlの脱水n−ブタノールに溶解
し、フラスコに添加して溶液を混合させた後、オイルバ
スを用いた加熱により混合溶液を1時間還流させ、還流
後に溶液を自然冷却した。別の容器に0.001Nの塩
酸水0.10モルを入れ、それを500mlの脱水n−
ブタノールで希釈し、得られた溶液をマイクロチューブ
ポンプを用いてフラスコ内へ滴下した。フラスコ内の溶
液を混合させた後、オイルバスを用いた加熱により混合
溶液を8時間還流させ、還流後に溶液を自然冷却した。
得られた溶液をA8液とする。
【0072】(Zrアルコキシドの加水分解・重縮合)
乾燥管、ジムロート冷却管、温度計及びシリコンゴム製
セプタムを装着した2リットル四つ口丸底フラスコにマ
グネチックスターラー用攪拌子を入れた。フラスコ中に
0.1モルのテトラ−n−ブトキシジルコニウムを入
れ、それを500mlの脱水n−ブタノールに溶解させ
た。アセチルアセトン0.2モルを100mlの脱水n
−ブタノールに溶解し、フラスコに添加して溶液を混合
させた後、オイルバスを用いた加熱により混合溶液を1
時間還流させ、還流後に溶液を自然冷却した。これをド
ライアイス/メタノールのクールバスに浸漬し、溶液を
−50℃以下に冷却した。別の容器に0.001Nの塩
酸水0.1モルを入れ、それを500mlの脱水n−ブ
タノールで希釈し、得られた溶液をマイクロチューブポ
ンプを用いてフラスコ内へ滴下した。フラスコ内の溶液
を混合させた後、クールバスから外して室温まで自然昇
温した。オイルバスを用いた加熱により混合溶液を8時
間還流させ、還流後に溶液を自然冷却した。得られた溶
液をB8液とする。
【0073】(Tiアルコキシドオリゴマー(A8液)
の部分加水分解)0.001Nの塩酸水0.033モル
を150mlの脱水n−ブタノールで希釈し、得られた
溶液を、マイクロチューブポンプを用いてA8液に滴下
した。この際の滴下速度は、4ml/minとした。混
合溶液を室温で30分間攪拌した。得られた溶液をC8
液とする。
【0074】(Ti−O−Zr中間体の調整)B8液を
C8液に添加し、オイルバスを用いた加熱により、混合
溶液を2時間還流させ、還流後に溶液を自然冷却した。
得られた溶液をD8液とする。
【0075】(Pbアルコキシド原料の添加)Pb−2
−アミノイソプロポキシ−アセテート0.2モルを、2
00mlの脱水n−ブタノールに溶解させ、得られた溶
液をD8液に添加した。オイルバスを用いた加熱によ
り、混合溶液を2時間還流させ、還流後に溶液を自然冷
却した。このPZT前駆体溶液をE8液とする。
【0076】[比較例4]乾燥管、ジムロート冷却管、
温度計及びシリコンゴム製セプタムを装着した2リット
ル四つ口丸底フラスコにマグネチックスターラー用攪拌
子を入れた。酢酸鉛三水和物[Pb(CH3 CH2 CO
O)2 ・2H2 O]0.2モルと、2−エトキシエタノ
ール1.0モルをフラスコに入れ、70℃で溶解し、そ
の後室温まで自然冷却した。これにチタンイソプロポキ
シドとジルコニウムn−プロポキシドをそれぞれ0.1
モルずつ加えた後に、125℃まで加熱し、攪拌しなが
ら4時間反応させた。0.001Nの塩酸水0.2モル
を1.8モルの2−エトキシエタノールに希釈し、攪拌
下フラスコに滴下し、125℃で2時間反応させた。得
られた溶液(E9)のPZT前駆体濃度は、およそ0.
5Mであった。
【0077】[溶液の濃縮試験]実施例1〜5でそれぞ
れ得られたPZT前駆体溶液(E1〜E5)を、ロータ
リーエバポレーターを用いて80℃以下の温度で、蒸発
成分が出なくなるまで濃縮し、濃縮後のPZT前駆体の
状態と濃度(重量%)を調べた。これらの結果を表1に
示す。同様にして、比較例1、3、4でそれぞれ得られ
たPZT前駆体溶液(E6、E8、E9)を、ロータリ
ーエバポレーターを用いて80℃以下の温度で濃縮した
ところ、濃縮中に不溶成分の析出が見られた。その時の
PZT前駆体濃度(重量%)を調べた。これらの結果を
表1に示す。
【0078】[分子量の測定]実施例1〜5及び比較例
1〜3のポリチタノキサン中間体(C1〜C8)、及び
実施例1〜5及び比較例1、3、4のPZT前駆体の数
平均分子量を凝固点降下法により測定した。これらの結
果を表1に示す。
【0079】
【表1】
【0080】表1より、実施例1〜5のPZT前駆体溶
液では、いずれも、蒸発成分が出なくなるまで高濃度に
濃縮しても、透明な状態を保っていた。従って、高濃度
の塗布液を調製可能であることが分かる。一方、比較例
1、3、4のPZT前駆体溶液では、濃縮中に不溶成分
の析出が見られ、高濃度に濃縮することができなかっ
た。
【0081】[成膜試験]実施例1〜5及び比較例1、
3、4でそれぞれ得られたPZT前駆体溶液(E1〜E
5、E6、E8、E9)を、メトキシエタノールと混合
して塗布液を作製した。また、別途各前駆体溶液を、ヒ
ドロキシプロピルセルロースHPC−SL(日本曹達
製)/メトキシエタノール=15/85(重量比)混合
液と混合して塗布液を作製した。いずれの塗布液におい
てもPZTとしての金属酸化物濃度が、15重量%とな
るようにした。なお、比較例2のものからは、塗布液を
調製できなかった。ジルコニア基板にTi及びPtをこ
の順でスパッタした基板を用意し、この上に、塗布液を
150μmのアプリケーターで成膜した後、室温で30
分間、80℃で30分間乾燥した後、いったん室温まで
自然冷却した。その後、320℃まで30分間で昇温し
た後、600℃まで5分間で昇温し3分間保持してから
室温まで自然冷却した。得られた膜について、SEMに
より膜の状態を観察し、SEM及び段差計により膜厚を
求めた。また、XRDにより結晶状態を観察した。これ
らの結果を表2に示す。
【0082】
【表2】
【0083】表2より、実施例1〜5ではいずれも、ペ
ロブスカイト構造のクラックのない緻密なPZT薄膜が
得られた。一方、比較例1では、HPCなしの塗布液の
場合、クラックがあり、HPCありの塗布液の場合、ク
ラックはないが、膜厚は薄いものであった。比較例3、
4では、クラックはないが、膜厚は薄く、パイロクロア
残存が観察された。
【0084】
【発明の効果】本発明によれば、構成金属元素として、
チタン、ジルコニウム及び鉛を含む、高分子量の均一な
強誘電体酸化物前駆体組成物及びその製造方法が提供さ
れる。また、本発明の強誘電体薄膜の製造方法によれ
ば、この高分子量前駆体を用いて、1回の膜形成操作
で、より厚膜化された緻密なチタン酸ジルコン酸鉛を主
成分とする強誘電体薄膜が得られる。従って、本発明
は、インクジェット記録装置のピエゾヘッドの圧電素子
の製造に非常に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 41/09 H01L 41/08 C 41/187 41/18 101D 41/24 41/22 A Fターム(参考) 4G031 AA11 AA12 AA32 BA09 CA08 GA01 GA02 GA05 4H049 VN04 VN05 VN06 VP01 VP10 VQ21 VQ79 VR43 VS21 VT32 VT33 VU24 VU31 VU36 VV05 VW02 VW33 4J002 CQ031 EC076 GQ04 4J030 CA01 CC15 CC21 CD11 CE02 CF02 CG02 CG04

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強誘電体酸化物を得るための前駆体組成
    物であって、前記前駆体は、構成金属元素として、チタ
    ン、ジルコニウム及び鉛を含み、数平均分子量が963
    以上である、強誘電体酸化物前駆体組成物。
  2. 【請求項2】 前記前駆体の数平均分子量が963〜1
    00000である、請求項1に記載の強誘電体酸化物前
    駆体組成物。
  3. 【請求項3】 前記前駆体の数平均分子量が5000〜
    100000である、請求項1に記載の強誘電体酸化物
    前駆体組成物。
  4. 【請求項4】 前記前駆体の数平均分子量が10000
    〜100000である、請求項1に記載の強誘電体酸化
    物前駆体組成物。
  5. 【請求項5】 前記前駆体は、ポリチタノキサン主鎖に
    ジルコノキサン単位及び鉛オキシド単位が側鎖として付
    加されたグラフトコポリマーである、請求項1〜4のう
    ちのいずれか1項に記載の強誘電体酸化物前駆体組成
    物。
  6. 【請求項6】 構成金属元素として、チタン、ジルコニ
    ウム及び鉛を含む強誘電体酸化物前駆体組成物の製造方
    法であって、 炭素数4以上のアルコキシ基を有するチタンアルコキシ
    ドを、炭素数4以上のアルコールを含む溶媒中で加水分
    解・重縮合して、ポリチタノキサン中間体を得る工程
    (a)と、 このポリチタノキサン中間体を、ポリジルコノキサン及
    び鉛アルコキシド原料と反応させて、数平均分子量96
    3以上の前駆体とする工程(b)とを含む、強誘電体酸
    化物前駆体組成物の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記工程(a)を、炭素数4以上のアル
    コキシ基を有するチタンアルコキシドを、炭素数4以上
    のアルコールを含む溶媒中で加水分解・重縮合して、ポ
    リチタノキサンを得て、 前記ポリチタノキサンを部分加水分解して、ポリチタノ
    キサン中間体を得ることにより行う、請求項6に記載の
    強誘電体酸化物前駆体組成物の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記工程(b)を、工程(a)で得られ
    た前記ポリチタノキサン中間体をポリジルコノキサンと
    反応させて、Ti−O−Zr中間体を得て、前記Ti−
    O−Zr中間体を鉛アルコキシド原料と反応させること
    により行う、請求項6又は7に記載の強誘電体酸化物前
    駆体組成物の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記工程(a)で得られる前記ポリチタ
    ノキサン中間体は、中間体1分子中に含まれるTi原子
    の数が3以上であり、数平均分子量が294以上であ
    る、請求項6〜8のうちのいずれか1項に記載の強誘電
    体酸化物前駆体組成物の製造方法。
  10. 【請求項10】 工程(a)のチタンアルコキシドの加
    水分解・重縮合において、前記チタンアルコキシド1モ
    ルに対して、0.67〜4モルの加水分解水を用いる、
    請求項6〜9のうちのいずれか1項に記載の強誘電体酸
    化物前駆体組成物の製造方法。
  11. 【請求項11】 工程(a)のチタンアルコキシドの加
    水分解・重縮合において、反応溶媒として、炭素数4以
    上のアルコール1重量%以上と、ベンゼン、トルエン及
    びキシレンから選ばれる非極性溶媒99重量%以下とを
    含む混合溶媒を用いる、請求項6〜10のうちのいずれ
    か1項に記載の強誘電体酸化物前駆体組成物の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 工程(a)のチタンアルコキシドの加
    水分解・重縮合において、反応溶媒として、炭素数4以
    上のアルコール30重量%以上と、ベンゼン、トルエン
    及びキシレンから選ばれる非極性溶媒70重量%以下と
    を含む混合溶媒を用いる、請求項6〜10のうちのいず
    れか1項に記載の強誘電体酸化物前駆体組成物の製造方
    法。
  13. 【請求項13】 工程(a)のチタンアルコキシドの加
    水分解・重縮合において、反応溶媒として、炭素数4以
    上のアルコール50重量%以上と、ベンゼン、トルエン
    及びキシレンから選ばれる非極性溶媒50重量%以下と
    を含む混合溶媒を用いる、請求項6〜10のうちのいず
    れか1項に記載の強誘電体酸化物前駆体組成物の製造方
    法。
  14. 【請求項14】 工程(a)のチタンアルコキシドの加
    水分解・重縮合において、安定化配位子を用いない、請
    求項6〜13のうちのいずれか1項に記載の強誘電体酸
    化物前駆体組成物の製造方法。
  15. 【請求項15】 工程(b)で用いるポリジルコノキサ
    ンを、炭素数4以上のアルコキシ基を有するジルコニウ
    ムアルコキシドを、炭素数4以上のアルコールを含む溶
    媒中で加水分解・重縮合することにより得る、請求項6
    〜14のうちのいずれか1項に記載の強誘電体酸化物前
    駆体組成物の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記ジルコニウムアルコキシドの加水
    分解・重縮合において、安定化配位子を用いない、請求
    項15に記載の強誘電体酸化物前駆体組成物の製造方
    法。
  17. 【請求項17】 請求項1〜5項のうちのいずれか1項
    に記載の強誘電体酸化物前駆体組成物又は請求項6〜1
    6項のうちのいずれか1項に記載の方法により製造され
    た強誘電体酸化物前駆体組成物を基板上に塗布し、基板
    上にゲル膜を形成し、 その後、焼成することを含む、チタン酸ジルコン酸鉛を
    主成分とする強誘電体薄膜の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016177556A (ja) * 2015-03-20 2016-10-06 富士フイルム株式会社 タッチパネル部材、タッチパネル及びタッチパネル表示装置

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