JP2000124514A - 強誘電体素子の製造方法 - Google Patents

強誘電体素子の製造方法

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JP2000124514A JP29322998A JP29322998A JP2000124514A JP 2000124514 A JP2000124514 A JP 2000124514A JP 29322998 A JP29322998 A JP 29322998A JP 29322998 A JP29322998 A JP 29322998A JP 2000124514 A JP2000124514 A JP 2000124514A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゾルゲル法を用いて強誘電体素子を形成する
とき、電気特性の良い膜を作ること。 【解決手段】 ゾル状PZT前駆体溶液を焼成して作製
したPZT微粒子を、アルコール溶媒に分散させ、分散
剤、可塑剤、及びバインダーを添加して十分に攪拌し、
さらにこの中へ酸化鉛微粒子を添加しPZTペーストを
作製する。このペーストを基板に塗布し、乾燥、焼成す
ることにより得たPZT膜は、従来よりも電気特性が良
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録装置等に圧電素子として用いられる圧電体、強誘電体
素子に関する。
【0002】
【従来の技術】強誘電体微粒子を用いて強誘電体ペース
トを作製し、スクリーン印刷やバーコーターなどで強誘
電体膜を作製する技術はよく知られている。固相法で作
製した強誘電体微粒子を用いてペーストを作製する技術
は従来からよく知られているが、最近になり、ゾルゲル
法で強誘電体微粒子を作製しペースト化する技術も知ら
れるようになった。ゾルゲル法による強誘電体微粒子を
用いたペーストにより強誘電体膜を作製する従来技術を
説明する。
【0003】2.67g(0.0094モル)のチタン
テトライソプロポキシドを100gのイソプロパノール
に溶解してチタン溶液とした。ついでチタンテトライソ
プロポキシドの高分子量化を進めるため、得られたチタ
ン溶液に0.001規定塩酸のイソプロパノール溶液1
00gを徐々に添加して加水分解を行った。イソプロパ
ノールの沸点である82.5℃の温度で8時間にわたっ
て還流を行った後、0.0188モルのエトキシエタノ
ールを添加した。その結果、チタン前駆体溶液が得られ
た。別に、4.06g(0.0106モル)のジルコニ
ウムテトラノルマルブトキシドを100gのイソプロパ
ノールに溶解してジルコニウム溶液とした。得られたジ
ルコニウム溶液に0.0212モルのエトキシエタノー
ルを添加し、さらに0.001規定の塩酸のイソプロパ
ノール溶液100gを徐々に添加して加水分解を行っ
た。82.4℃で8時間の還流の間にジルコニウムテト
ラノルマルブトキシドの高分子量化が進行し、ジルコニ
ウム前駆体溶液が得られた。上記のようにして別々に調
製したチタン前駆体溶液とジルコニウム前駆体溶液を混
合した後、さらに0.5時間にわたって還流を継続し
た。得られた混合物に5.94g(0.02モル)のジ
エトキシ鉛を添加し、82.4℃で0.5時間にわたっ
て還流を行った。その結果、ゾル状PZT前駆体溶液
(a)が得られた。ここで、PZT中のZrとTiの組
成比は得られる強誘電性と密接に関係するので、上記の
ようにイソプロパノール溶液を調製し、かつ、ここでそ
れらの溶液を混合するにあたってもこの点を配慮し、最
終的に得られるPZT薄膜に所望の組成比(Pb:Z
r:Ti:O=1:0.53:0.47:3)となるよ
うに調製及び混合を行った。
【0004】前記ゾル状PZT前駆体溶液(a)をるつ
ぼ等の所定の容器中に注ぎ、650℃で焼成することに
よって、PZT微粒子が得られる。本方式で合成された
PZT微粒子は、平均粒径が0.1μm以下と非常に小
さく、粒度分布におけるバラツキも少なくきわめて均一
性に優れた微粒子である。得られた微粒子に、溶媒、バ
インダー、分散剤、可塑剤などを添加して充分攪拌する
ことによりPZTペーストが得られた。このペーストを
スクリーン印刷で、Pt付きSi基板上に塗布し、80
0℃で30分焼成することにより20μm厚のPZTペ
ロブスカイト膜を得た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのよう
な方法で作製したPZT膜は、焼成過程でPZT膜中の
鉛成分が蒸発してしまい、電気特性が悪くなるという難
点があった。
【0006】[発明の目的]本発明の目的は、上記問題
を解決し、電気特性の優れた強誘電体膜を作製すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の強誘電体素子の製造方法は、下記記載の構
成を採用する。すなわち、本発明の強誘電体素子の製造
方法は、強誘電体微粒子を用いて強誘電体ペーストを作
製する過程において、強誘電体微粒子以外に酸化鉛の微
粒子を添加混合し、焼成過程で蒸発する鉛成分をあらか
じめ補う工程を有することを特徴とする。また、請求項
2に記載の強誘電体素子の製造方法は、請求項1に記載
の構成のうち、強誘電体ペーストを作製するための強誘
電体微粒子を、金属アルコキシドを加水分解して得た強
誘電体前駆体溶液を焼成することにより作製することを
特徴とする。また、請求項3に記載の強誘電体素子の製
造方法は、請求項1または請求項2に記載の構成のう
ち、強誘電体微粒子と同時に添加する酸化鉛微粒子の添
加量が、強誘電体微粒子に対して、10モル%〜30モ
ル%であることを特徴とする。また、請求項4に記載の
強誘電体素子の製造方法は、請求項1、請求項2または
請求項3に記載の構成のうち、金属アルコキシドを加水
分解してゾル状強誘電体前駆体溶液を得て、このゾル状
強誘電体前駆体溶液を焼成して作製した強誘電体微粒子
と、酸化鉛の微粒子を同時に添加混合して強誘電体ペー
ストを作製し、これを一定の基板上に塗布し、乾燥、焼
成する工程を経て製造することを特徴とする。すなわ
ち、金属アルコキシドを加水分解して得たゾル状強誘電
体前駆体溶液を焼成することにより作製した強誘電体微
粒子と、酸化鉛の微粒子を同時に添加混合し、十分攪拌
することにより強誘電体ペーストを作製し、このペース
トを基板に塗布し、乾燥、焼成することにより所望の強
誘電体素子を得ることができる。
【0008】(作用)上記目的を達成するために本発明
では、ゾル状強誘電体前駆体溶液を焼成して得た強誘電
体微粒子をアルコール溶媒に分散させ、分散剤、可塑剤
および高分子バインダーを添加し、さらに酸化鉛の微粒
子を混合して十分に攪拌し、強誘電体ペーストを作製す
る。このペーストを基板に塗布し、乾燥、焼成すること
により得た強誘電体素子は、従来よりも電気特性が良
い。すなわち、本発明では、強誘電体ペーストから強誘
電体素子を得る焼成工程において蒸発する鉛成分の量を
予測し、その量の鉛成分を多めに強誘電体ペーストに含
有させることによって、蒸発する鉛成分の量を補ってい
る。すなわち、その補う手段として、具体的には、強誘
電体微粒子から強誘電体ペーストを得る工程において、
酸化鉛の微粒子を添加することによって、蒸発する鉛成
分の量を補っている。
【0009】
【発明の実施の形態】図1を用いて、本発明を実施する
ための最良の形態におけるインクジェットヘッドの構成
について説明する。図1は、インクジェットヘッドの概
略図である。
【0010】インク室形成部材11には、インクをため
るインク室12が形成されており、インク室形成部材1
1とダイヤフラム13は接着、またはダイヤフラム−イ
ンク室一体形成法などで密接に接合している。
【0011】ダイヤフラム13のインク室12と反対側
の位置に、強誘電体素子15の下部電極14を、スパッ
タまたはスクリーン印刷またはゾルゲル法などで形成す
る。この上に強誘電体素子15をゾルゲル法で形成し、
最後に上部電極16をスパッタまたはスクリーン印刷ま
たはゾルゲル法などで形成する。
【0012】次に図1におけるインクジェットヘッドの
動作方法について説明する。強誘電体素子15を挟む、
上部電極14、下部電極16に電圧を印加することによ
り、強誘電体素子の圧電特性を利用して、強誘電体素子
を変位させ、ダイヤフラムをインク室側に押しだし、イ
ンク室内のインクを吐出する。
【0013】つぎに、強誘電体素子15の形成方法を説
明する。図2は、本発明における強誘電体素子の形成フ
ローチャートである。このフローチャートを用いて、本
発明における強誘電体素子の形成方法を、従来例と比較
しながら工程に沿って説明する。 工程1 金属アルコキシド溶液を加水分解し、強誘電体
微粒子を得るまで。 工程2 強誘電体微粒子と溶媒、バインダー、分散剤、
可塑剤を混合して、さらに酸化鉛の微粒子を添加し、攪
拌して強誘電体ペーストを得るまで。 工程3 強誘電体ペーストを基板に塗布し、乾燥、焼成
し、強誘電体素子を得るまで。
【0014】工程1〜3について、実施例により詳しく
説明する。以下の説明においてはその典型的な例である
チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)素子を参照して、強誘
電体素子とその製造に関して説明する。
【0015】
【実施例】(実施例1) (工程1)金属アルコキシドである、チタンテトライソ
プロポキシド2.67g(0.0094モル)を100
gのイソプロパノールに溶解したその溶液に、0.00
1規定塩酸のイソプロパノール溶液100gを徐々に加
えて、8時間還流、加水分解する。この反応により高分
子量化が進行するが、この反応後に0.0188モルの
エトキシエタノールを添加し、攪拌すると混合溶液が得
られる。この混合溶液をチタン前駆体溶液とする。同じ
く、金属アルコキシドのジルコニウムテトラノルマルブ
トキシド4.06g(0.0106モル)を100gの
イソプロパノールに溶解したその溶液に、0.0212
モルのエトキシエタノールを添加し、更に0.001規
定塩酸のイソプロパノール溶液100gを徐々に加え
て、8時間還流、加水分解する。この反応によりチタン
の場合と同様に高分子量化反応が進行し、混合溶液が得
られる。この混合溶液をジルコニウム前駆体溶液とす
る。
【0016】チタン前駆体溶液とジルコニウム前駆体溶
液を混合した後、0.5時間還流する。この混合溶液に
金属アルコキシドであるジエトキシ鉛5.94g(0.
02モル)を添加して、0.5時間還流するとゾル状強
誘電体前駆体溶液が得られる。このゾル状強誘電体前駆
体溶液をゾル状PZT前駆体溶液(a)とする。
【0017】ゾル状PZT前駆体溶液(a)をるつぼに
入れ、650℃で1時間焼成する。これにより、平均粒
径が0.1μmの強誘電体微粒子であるPZT微粒子が
形成された。
【0018】(工程2)n−ブタノール21.09g
(溶媒)、炭酸プロピレン12.6g(可塑剤)、エチ
レングリコール2.19g、エトキシエタノール1.2
4g、シクロヘキサノール0.32g(いずれも分散
剤)をそれぞれ計量しながら容器の中で混合する。この
中へポリビニルブチラール(以下、「PVB」とい
う。)分子量300のものを25%濃度で混合する。こ
の場合、12.5g混合する。このようにして得た溶液
をPVBバインダー溶液とする。
【0019】PVBバインダー溶液6gを取り出し、プ
ラスチック容器に入れる。この中へ工程1においてあら
かじめ作製しておいた平均粒径が0.1μmのPZT微
粒子15gを添加する。さらにこの中へ、酸化鉛の微粒
子を添加する。適量の酸化鉛をあらかじめ添加すること
により、焼成中に蒸発する鉛成分を補うことができる。
酸化鉛の添加量は、好ましくはPZT微粒子に対して1
0モル%〜30モル%が本発明の効果を得るのに適して
いる。しかしながら、酸化鉛の添加量をこの範囲より多
くすると、過剰な鉛が基板と相互作用を起こす可能性が
あるので好ましくない。本実施例では、PZT微粒子に
対して、酸化鉛を10モル%、20モル%,30モル
%,40モル%および50モル%それぞれ添加したもの
を5種類作製した。また、本実施例との比較のために、
従来例である酸化鉛を添加しないものも作製した。この
ように、酸化鉛の微粒子を添加後、攪拌脱泡装置を用
い、2000rpmで5分間攪拌する。その結果、強誘
電体ペーストである均質なPZTペーストが得られた。
【0020】(工程3)シリコン基板上に白金電極を形
成し、その上に工程2で作製したPZTペーストをバー
コータなどで塗布し、室温で30分間、50℃で30分
間、250℃で90分間乾燥させる。その後バインダー
を分解するために10℃/分の昇温速度で800℃まで
昇温し、そのまま1時間本焼成を行うことにより、膜厚
約30μmのペロブスカイトPZT膜を得る。すなわ
ち、強誘電体素子が製造される。
【0021】このようにして得たPZT膜の上部に金電
極を蒸着し、LCRメーターを用いて膜の電気的特性を
測定した。その結果を表1に示す。表1は、工程2で添
加する酸化鉛の量により、焼成後の膜の比誘電率値がど
のように変化するかを示している。
【0022】
【表1】
【0023】表1は、添加する酸化鉛の量を変えた場合
に、電気特性の一つを示す比誘電率がどのように変化す
るかを示している。これより、酸化鉛を10モル%から
30モル%の範囲で添加すると、酸化鉛を添加しないも
のに比べて、比誘電率値が増大している。しかしなが
ら、酸化鉛の添加量が30モル%を越えると、たとえ
ば、40モル%または50モル%では、10モル%から
30モル%の範囲での比誘電率値に比べて低下してい
る。したがって、酸化鉛の添加量は、好ましくは10モ
ル%から30モル%の範囲にするのがよい。
【0024】また、図3に酸化鉛微粒子を20モル%添
加した膜と、40モル%及び50モル%添加した膜のX
線回折パターンを示す。40モル%以上添加すると、P
ZTペロブスカイトの回折ピーク以外に、Pb2SiO
の回折ピークが見られる。酸化鉛を過剰に添加しす
ぎると膜中の鉛が基板のSiと反応して酸化物を形成
し、膜の電気特性を悪化させていることがわかった。
【0025】(実施例2)他の実施例を実施例2により
説明する。本実施例は、実施例1とは主に、工程1での
PZT前駆体溶液の製法が異なる。 (工程1)金属アルコキシドである、チタンテトライソ
プロポキシド2.67g(0.0094モル)を100
gのイソプロパノールに溶解したその溶液に、0.00
1規定塩酸のイソプロパノール溶液100gを徐々に加
えて、8時間還流、加水分解する。この反応により高分
子量化が進行するが、この反応後に0.0188モルの
エトキシエタノールを添加して0.5時間還流、加水分
解する。この溶液にジエトキシ鉛2.79g(0.00
94モル)を添加し、0.5時間還流、加水分解すると
混合溶液が得られる。この混合溶液をチタン鉛前駆体溶
液とする。
【0026】同じく、金属アルコキシドである、ジルコ
ニウムテトラノルマルブトキシド4.06g(0.01
06モル)を100gのイソプロパノールに溶解したそ
の溶液に、0.0212モルのエトキシエタノールを添
加し、更に0.001規定塩酸のイソプロパノール溶液
100gを徐々に加えて、8時間還流、加水分解する。
この反応によりチタンの場合と同様に高分子量化反応が
進行するが、この反応後にやはり金属アルコキシドであ
る、ジエトキシ鉛3.15g(0.0106モル)を加
えて0.5時間還流すると混合溶液が得られる。この混
合溶液をジルコニウム鉛前駆体溶液とする。
【0027】チタン鉛前駆体溶液とジルコニウム鉛前駆
体溶液を混合した後、0.5時間還流するとゾル状強誘
電体前駆体溶液が得られる。このゾル状強誘電体前駆体
溶液をゾル状PZT前駆体溶液(b)とする。
【0028】ゾル状PZT前駆体溶液(b)をるつぼに
入れ、650℃で1時間焼成する。これにより、平均粒
径が0.1μmの強誘電体微粒子であるPZT微粒子が
形成された。
【0029】(工程2)n−ブタノール21.09g
(溶媒)、炭酸プロピレン12.6g(可塑剤)、エチ
レングリコール2.19g、エトキシエタノール1.2
4g、シクロヘキサノール0.32g(すべて分散剤)
をそれぞれ計量しながら容器の中で混合する。この中へ
ポリビニルブチラール(以下、「PVB」という。)分
子量300のものを25%濃度で混合する。本実施例の
場合、12.5g混合する。このようにして得た溶液を
PVBバインダー溶液とする。
【0030】PVBバインダー溶液6gを取り出し、プ
ラスチック容器に入れる。この中へ工程1においてあら
かじめ作製しておいたPZT微粒子15gを添加し、さ
らにこの中へ、酸化鉛の微粒子を添加する。適量の酸化
鉛をあらかじめ添加することにより、焼成中に蒸発する
鉛成分を補うことができる。酸化鉛の添加量は、好まし
くはPZT微粒子に対して10モル%〜30モル%が本
発明の効果を得るのに適している。しかしながら、酸化
鉛の添加量をこの範囲より多くすると、過剰な鉛が基板
と相互作用を起こす可能性があるので好ましくない。本
実施例では、PZT微粒子に対して、酸化鉛を20モル
%添加したものを作製した。このように、酸化鉛の微粒
子を添加後、攪拌脱泡装置を用い、2000rpmで5
分間攪拌する。その結果、強誘電体ペーストである均質
なPZTペーストが得られた。
【0031】(工程3)シリコン基板上に白金電極を形
成し、その上に工程2で作製したPZTペーストをバー
コータなどで塗布し、室温で30分間、50℃で30分
間、250℃で90分間乾燥させる。その後、バインダ
ーを分解するために10℃/分の昇温速度で800℃ま
で昇温し、そのまま1時間本焼成を行うことにより、膜
厚約30μmのペロブスカイトPZT膜を得る。すなわ
ち、強誘電体素子が製造される。
【0032】
【発明の効果】本発明では、ゾル状強誘電体前駆体溶液
を焼成し、作製した強誘電体微粒子を、アルコール溶媒
に分散させ、分散剤、可塑剤およびバインダーを添加
し、さらにこの中へ酸化鉛の微粒子を添加して十分に攪
拌し、強誘電体ペーストを作製する。このペーストを基
板に塗布し、乾燥、焼成することにより得た強誘電体膜
は、従来よりも電気特性が良い。すなわち、本発明で
は、強誘電体微粒子から強誘電体ペーストを得る工程に
おいて、酸化鉛の微粒子を添加することによって、蒸発
する鉛成分の量を補っている。したがって、優れた電気
特性を有する強誘電体素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における強誘電体素子を用いたインクジ
ェットヘッドの斜視図である。
【図2】本発明における、実施例1,2におけるPZT
膜作製の流れを示す図である。
【図3】本発明における強誘電体素子の、添加する酸化
鉛量を変化させたときのX線回折パターンである。
【符号の説明】
11 インク室形成部材 12 インク室 13 ダイヤフラム 14 下部電極 15 強誘電体素子 16 上部電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 41/24 C04B 35/49 Y // C04B 35/49

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強誘電体微粒子から強誘電体ペーストを
    作製する過程において、酸化鉛の微粒子を添加混合する
    工程を有することを特徴とする強誘電体素子の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 強誘電体微粒子が、金属アルコキシドを
    加水分解して得られたゾル状強誘電体前駆体溶液を焼成
    して得られたものであることを特徴とする請求項1に記
    載の強誘電体素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 添加混合する酸化鉛の微粒子は、その添
    加量が強誘電体微粒子に対して、10モル%〜30モル
    %であることを特徴とする請求項1または請求項2に記
    載の強誘電体素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 酸化鉛の微粒子を混合添加して作製した
    強誘電体ペーストを、一定の基板上に塗布し、乾燥、焼
    成する工程を経て製造することを特徴とする請求項1,
    請求項2または請求項3に記載の強誘電体素子の製造方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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