JP2000248174A - ナイロン12組成物 - Google Patents

ナイロン12組成物

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JP2000248174A
JP2000248174A JP3394299A JP3394299A JP2000248174A JP 2000248174 A JP2000248174 A JP 2000248174A JP 3394299 A JP3394299 A JP 3394299A JP 3394299 A JP3394299 A JP 3394299A JP 2000248174 A JP2000248174 A JP 2000248174A
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典之 礒部
Koichiro Kurachi
幸一郎 倉知
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Abstract

(57)【要約】 【課題】柔軟性、低温での衝撃強さ及びクリープ特性に
優れたナイロン12組成物の提供 【解決手段】(A)相対粘度1.9〜3.5、かつ、メ
ルトフローレイト0.1g/10min以上のナイロン
12において、相対粘度とメルトフローレートとが数式
(1) 2.87×103exp(−3.48ηr)≦MFR ≦3.25×104exp(−3.48ηr) (1) (ここで、ηrは相対粘度、MFRはメルトフローレー
トである。)の関係にあるナイロン12が100重量
部、(B)可塑剤が1〜25重量部及び(C)エチレン
及び/又はプロピレンを主たる構成成分とするオレフィ
ンとα、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体とからな
る変性ポリオレフィンが0〜30重量部からなるナイロ
ン12組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は押出成形性に優れ、
柔軟性、クリープ特性及び低温での衝撃強さに優れたナ
イロン12組成物に関する。該ナイロン12組成物は主
としてチューブ状成形品、シート状成形品、モノフィラ
メントなどの押出成形品用途に利用されるが、特に、チ
ューブ状成形品に適している。
【0002】
【従来の技術】ナイロン12は耐薬品性、耐熱性及び吸
水時の寸法安定性が優れ、従来、各種の産業分野でチュ
ーブ状成形品、シート状成形品などの押出成形品や自動
車分野の射出成形品に使用されている。近年、燃料チュ
ーブ、各種工業用ホースやガスパイプなどチューブ状成
形品の用途が拡大している。この用途範囲の拡大に伴
い、温度変化が大きい環境や−40℃の様な低温度で使
用できるナイロン12が求められている。しかし、従来
のナイロン12は、このような厳しい環境で使用するに
は、柔軟性、低温での衝撃強さや耐久性に関係するクリ
ープ特性などの性質が不十分であった。
【0003】従来、ナイロン12の柔軟性や低温での衝
撃性を改良する方法として、ナイロン12と相溶性が良
好な可塑剤とからなる組成物やポリアミド樹脂、可塑
剤、変性ポリオレフィン及び/又は熱可塑性エラストマ
ーなどからなる組成物などが提案されている。
【0004】ポリアミドと可塑剤とからなる組成物に関
しては、例えば、特開昭62−283151号公報に
は、ナイロン12などと可塑剤の2−エチルヘキシル-p
-ヒドロキシベンゾエートとからなる柔軟性を有するポ
リアミド樹脂成形品が開示されている。又、特開平1−
185362号公報には、ポリアミド樹脂と可塑剤とし
てp−ヒドロキシ安息香酸と分岐を有する炭素数12〜
22のアルコールから得られるエステルとからなる組成
物が開示されている。しかし、これらの提案は、柔軟性
は改良されるが、低温、例えば、−30℃以下での衝撃
強さは十分でなく、又、クリープ特性も不十分であっ
た。
【0005】又、ポリアミド樹脂、可塑剤、変性ポリオ
レフィンとからなる組成物としては、例えば、特開平5
−320504号公報に、ナイロン12樹脂、エチレン
及び/又はプロピレンを主とするオレフィンとα、β−
不飽和カルボン酸またはその誘導体とからなる変性ポリ
オレフィン及びp−パラーヒドロキシ安息香酸などと分
岐を有する炭素数12〜22のアルコールとから合成さ
れるエステルなどの可塑剤とからなる組成物が開示され
ている。又、特開平8−325451号公報に、ナイロ
ン12、エチレン及び/又はプロピレンを主とするオレ
フィンとα、β−不飽和カルボン酸またはその誘導体と
からなる変性ポリオレフィン及び可塑剤とからなるチュ
ーブ状成形物が開示されている。これら提案の組成物は
柔軟性や低温での衝撃強さは改良されているが、クリー
プ特性は不十分であった。
【0006】一方、ナイロン12のクリープ特性改善に
関する提案は見あたらない。一般に、ポリマーは高分子
量になるほど、クリープ特性は良くなると言われてい
る。通常、ナイロン12の場合、数平均分子量50,0
00以上のものを製造することは難しい。数平均分子量
が50,000程度のナイロン12のクリープ特性はほ
とんど改善されないだけでなく、溶融流動性が著しく低
下して、成形加工性が悪いという問題があった。そのた
め、ナイロン12を高分子量化してクリープ特性を改善
することは難しい。以上、従来法では、柔軟性、低温で
の衝撃強さ及びクリープ特性がともに優れたナイロン1
2材料は得られていない。
【0007】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は柔軟性、低
温での衝撃強さ及びクリープ特性に優れたナイロン12
組成物の提供を課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ナイロン
12の物性や可塑剤の種類がナイロン12の柔軟性、低
温での衝撃強さ及びクリープ特性にどの様に影響するか
を詳細に検討した結果、相対粘度(以下、「ηr」と記
載する。)とメルトフローレート(以下、「MFR」と
記載する。)とが特定の関係にあるナイロン12に特定
の可塑剤及び必要により変性ポリオレフィンを加えた組
成物は、柔軟性、低温での衝撃強さ及びクリープ特性が
優れることを見いだし、本発明に到達した。
【0009】即ち、本発明は、(A)98%硫酸中、濃
度10g/dm3、25℃の条件で測定したηrが1.
9〜3.5であり、かつ、235℃、荷重2160gの
条件で測定したMFRが0.1g/10min以上であ
るナイロン12において、該ηrと該MFRとが数式
(1)
【数2】 2.87×103exp(−3.48ηr)≦MFR ≦3.25×104exp(−3.48ηr) (1) (ここで、ηrは相対粘度を、MFRはメルトフローレ
ートである。)の関係にあるナイロン12が100重量
部、(B)可塑剤が1〜25重量部及び(C)エチレン
及び/又はプロピレンを主たる構成成分とするオレフィ
ンとα、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体とから得
られる変性ポリオレフィンが0〜30重量部とからなる
ナイロン12組成物である。
【0010】ηrとMFRとが特定の関係にあるナイロ
ン12と可塑剤とからなる組成物や該組成物に必要によ
り変性ポリオレフィンを加えた組成物が柔軟性、低温で
の衝撃強さ及びクリープ特性が共に優れていることを見
出したことは、本発明の特徴である。ηrとMFRとが
本発明の関係にあるナイロン12はクリープ特性には優
れているが、柔軟性や低温での衝撃強さは不十分であ
る。一方、ηrとMFRとが本発明の関係と異なるナイ
ロン12と本発明の可塑剤や変性ポリオレフィンとから
なる組成物は柔軟性や低温での衝撃強さには優れている
が、クリープ特性は不十分である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、詳細に本発明を説明する。
本発明のナイロン12はω−ラウロラクタム及び/又は
12−アミノドデカン酸を主成分として製造される。本
発明のナイロン12はω−ラウロラクタム又は12−ア
ミノドデカン酸単独でも製造できるが、ω−ラウロラク
タム及び/又は12−アミノドデカン酸の30重量%以
下であれば、他のラクタム、アミノカルボン酸やポリア
ミド形成可能なジアミンとジカルボン酸またはこれらか
らなるナイロン塩などと共重合させたものも、ηrとM
FRとが上記の関係にあれば、本発明のナイロン12の
範囲に含まれる。
【0012】共重合する他のラクタムの具体例は、α−
ピロリドン、ε−カプロラクタム、ω−エナントラクタ
ム、α−ピペリドン、ω−ウンデカンラクタムなどが挙
げられる。他のアミノカルボン酸の具体例は、6−アミ
ノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオク
タン酸、9−アミノノナン酸、10−アミノカプリン
酸、11−アミノウンデカン酸などが挙げられる。
【0013】ポリアミド形成可能なジアミンの具体例
は、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミ
ン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミ
ン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、
デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ド
デカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサ
メチレンジアミン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、
m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミンなど
が挙げられる。
【0014】また、ポリアミド形成可能なジカルボン酸
の具体例は、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、
セバシン酸、ノナンジオン酸、デカンジオン酸、ウンデ
カンジオン酸、ドデカンジオン酸、1,2−シクロヘキ
サンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフ
タレンジカルボン酸などが挙げられる。なお、上記のジ
アミン、ジカルボン酸はほぼ等モルで使用される。ま
た、これらのジアミン、ジカルボン酸からなるナイロン
塩は前記のジアミンとジカルボン酸との等モル塩であ
る。
【0015】共重合成分である他のラクタム、アミノカ
ルボン酸やポリアミド形成可能なジアミンとジカルボン
酸又はこれらからなるナイロン塩は、ω−ラウロラクタ
ム及び/又はω−アミノドデカン酸の30重量%以下で
あれば、単独で使用しても良く、2種以上を併用するこ
ともできる。
【0016】本発明の(A)ナイロン12は、98%硫
酸中、濃度10g/dm3、25℃の条件で測定したη
rが1.9〜3.5、好ましくは2.1〜3.3の範囲
にあり、かつ、235℃、荷重2160gの条件で測定
したMFRが0.1g/10min以上であって、該η
rと該MFRとが数式(1)
【数3】 2.87×103exp(−3.48ηr)≦MFR ≦3.25×104exp(−3.48ηr) (1) (ここで、ηrは相対粘度を、MFRはメルトフローレ
ートである。)の関係にあるものである。ηrが3.5
を越えると溶融流動性が低下して、チューブなどの成形
加工が難しくなり、得られるチューブ状成形品の形状が
悪くなることがある。また、ηrが1.9より小さくな
ると、溶融流動性は良いが、チューブなどの成形の際、
チューブ形状の保持が難しく、良好な形状のチューブを
得ることが困難となる。
【0017】MFRが0.1g/10minより小さく
なると、溶融流動性が悪く、チューブなどの成形加工が
難しくなり、得られるチューブ状成形品の形状が悪くな
る。
【0018】又、ナイロン12の相対粘度が1.9〜
3.5の範囲内にあり、MFRが0.1g/10min
以上であっても、ηrとMFRとの関係が数式(1)の
範囲を外れた場合、クリ−プ特性が低下するようにな
る。通常、ηrが1.9〜3.5の範囲にある市販のナ
イロン12は、そのMFRが3.25×104exp
(−3.48ηr)より大きい値であり、本発明のナイ
ロン12と異なり、クリープ特性は不十分なものであつ
た。
【0019】本発明のナイロン12はηrとMFRとが
上記の特定の関係にあれば、どのような製造法で製造さ
れたものでも良く、回分式製造法、連続式製造法など公
知のポリアミドの製造法により製造される。製造に使用
できる装置は、例えば、バッチ式反応釜、一槽式ないし
多槽式の連続反応装置、管状連続反応装置、混練反応押
出機などが挙げられる。
【0020】本発明のナイロン12は、モノマーとして
ω−ラウロラクタム及び/又は12−アミノドデカン酸
を使用し、必要により水、共重合成分や分子量調節剤な
どを加え、重合温度、重合系内の圧力及び重合時間を以
下に説明する関係にして、溶融状態で開環反応や初期重
縮合をさせる前重合工程と、これに続く、常圧下あるい
は減圧下に、溶融状態で重縮合させて高分子量化する後
重合工程とを行うことにより製造される。
【0021】以下、本発明のナイロン12の製造例とし
て、ω−ラウロラクタムを原料とする製造法を説明す
る。所定量のω−ラウロラクタムと水は加圧下に重合温
度の270〜320℃、好ましくは、280〜310℃
に加熱され、重合温度T、重合反応系内の圧力(以降、
「系内圧力」と記載することがある。)Pと重合時間t
とが数式(2)
【数4】 7.99×105exp(−2.19×10-2T)≧Pt ≧5.64×107exp(−4.24×10-2T) (2) (ここで、重合温度Tの単位は℃、系内圧力Pの単位は
kgf/cm2G、重合時間tの単位はhrである。)
の関係にある条件で前重合工程は実施される。なお、系
内圧力Pは主として重合反応系内での水蒸気の圧力であ
る。水はω−ラウロラクタムに対して、0.5〜50重
量%の範囲で適宜添加される。前重合工程で得られるナ
イロン12のηrは、1.01〜1.8、好ましくは、
1.1〜1.6である。このηrが1.01より小さい
と後重合工程での重合時間が長くなり、好ましくない。
前重合工程の終了後、常圧下あるいは減圧下に、重合温
度230〜350℃、好ましくは、240〜320℃で
所定時間、後重合することにより本発明のηrとMFR
の関係を有するナイロン12を製造することができる。
後重合工程での系内圧力や重合時間は製造するナイロン
12のηrにより適宜決められる。通常、後重合時の系
内圧力は10Torr〜常圧、重合時間は5分以上であ
る。
【0022】前重合工程での重合温度が270℃より低
い場合、ηrとMFRとが特定の関係にある本発明のナ
イロン12を製造することが難しくなったり、又、前重
合の時間が長くなったりして、生産性が低下する。一
方、320℃より高い場合、重合時に副反応や劣化反応
が起こりやすくなり、製造されるナイロン12が着色し
たり、機械的性質が低下したりする。又、前重合工程
で、系内圧力と重合時間との積と重合温度との関係が前
記数式(2)を満足しない場合、ηrとMFRとが本発
明の関係にあるナイロン12を得ることが難しくなる。
【0023】後重合時の温度が230℃より低い場合、
本発明の特定のηrとMFRを有するナイロン12を製
造することが難しくなったり、また、後重合工程の時間
が長くなったりする。一方、350℃より高くなると重
合時に副反応や劣化反応が起こりやすくなり、製造され
るナイロン12が着色したり、本発明の特定のηrとM
FRを有するナイロン12を製造することが難しくなっ
たりする。
【0024】本発明のナイロン12製造の際、必要であ
れば重合促進や重合時の劣化防止のため、リン酸、亜リ
ン酸、次亜リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸やこれらの
アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩またはエステルな
どのリン系化合物を添加することができる。これらのリ
ン系化合物の添加量は製造するナイロン12に対して5
0〜3,000ppmの範囲である。
【0025】本発明のナイロン12の分子量調節や溶融
粘度の安定化を目的に、必要ならば、アミンやカルボン
酸などを添加することができる。添加できるアミンやカ
ルボン酸は一官能及び/又は二官能のものが使用でき
る。アミンの具体例は、ラウリルアミン、ステアリルア
ミン、ベンジルアミン、1,6−ジアミノヘキサン、
1,9−ジアミノノナン、1,11−ジアミノウンデカ
ン、1,12−ジアミノドデカン、m−キシリレンジア
ミン、p−キシリレンジアミンなどがある。カルボン酸
の具体例は、酢酸、安息香酸、ラウリン酸、ステアリン
酸、ブタンジオン酸、ヘキサンジオン酸、イソフタル
酸、テレフタル酸、イソフタル酸などがある。これらの
アミン、カルボン酸の添加量は製造するナイロン12の
ηrにより適宜決められる。
【0026】本発明のナイロン12組成物で使用される
(B)可塑剤はエステル類及びアルキルアミド類から選
ばれた1種類以上の化合物である。本発明で言うエステ
ル類とは、フタル酸エステル類、脂肪酸エステル類、多
価アルコールエステル類、燐酸エステル類、トリメリッ
ト酸エステル類及びヒドロキシ安息香酸エステル類であ
る。フタル酸エステル類の具体例としては、フタル酸ジ
メチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル
酸ジヘプチル、フタル酸ジ2−エチルヘキシル、フタル
酸ジn−オクチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジ
トリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチ
ルベンジル、フタル酸ジイソノニル、エチルフタリルエ
チルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレー
ト、フタル酸ジウンデシル及びテトラヒドロフタル酸ジ
2−エチルヘキシルなどが挙げられる。
【0027】脂肪酸エステル類の具体例としては、アジ
ピン酸ジメチル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジイ
ソブチル、アジピン酸ジブチルジグリコール、アジピン
酸ジ2−エチルヘキシル、アジピン酸ジn−オクチル、
アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジイソノニル、ア
ジピン酸ジn−混合アルキルエステル、セバシン酸ジメ
チル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ2−エチルヘ
キシル、アゼライン酸ジ2−エチルヘキシル、ジ2−エ
チルヘキシル混合酸エステル、ドデカ二酸ビス2−エチ
ルヘキシルなどの二塩基性飽和カルボン酸エステル、フ
マル酸ジブチル、フマル酸ビス2−メチルプロピル、フ
マル酸ビス2−エチルヘキシル、マレイン酸ジメチル、
マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸
ビス2−エチルヘキシルなどの二塩基性不飽和カルボン
酸エステル、オレイン酸ブチル、オレイン酸イゾブチ
ル、リシノール酸アセチルブチル、アセチルクエン酸ト
リブチル及び酢酸2−エチルヘキシルなどが挙げられ
る。
【0028】多価アルコールエステル類の具体例として
は、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオー
ルモノイソブチレート、2,2,4−トリメチル−1,
3−ペンタンジオールジイソブチレート、ジエチレング
リコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ2
−エチルブチラート、ペンタエリスリトールモノオレエ
ート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタ
エリスリトールトリアルキルエステル、ベヘニン酸モノ
グリセライド、2−エチルヘキシルトリグリセライド、
グリセリントリアセテート及びグリセリントリブチラー
トなどが挙げられる。
【0029】燐酸エステル類の具体例としては、燐酸ト
リメチル、燐酸トリエチル、燐酸トリブチル、燐酸トリ
2−エチルヘキシル、燐酸トリブトキシエチル、燐酸ト
リフェニル、燐酸n−オクチルジフェニル、燐酸クレジ
ルジフェニル、燐酸トリクレジル、燐酸トリキシレニル
及び燐酸2−エチルヘキシルジフェニルなどが挙げられ
る。
【0030】トリメリット酸エステル類の具体例として
は、トリメリット酸トリブチル、トリメリット酸トリ2
−エチルヘキシル、トリメリット酸トリn−オクチル、
トリメリット酸トリイソノニル、トリメリット酸トリイ
ソデシル及びトリメリット酸トリ混合アルコールエステ
ルなどが挙げられる。
【0031】ヒドロキシ安息香酸エステル類の具体例と
しては、o−又はp−ヒドロキシ安息香酸エチルヘキシ
ル、o−又はp−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルデシル、
o−又はp−ヒドロキシ安息香酸エチルデシル、o−又
はp−ヒドロキシ安息香酸オクチルオクチル、o−又は
p−ヒドロキシ安息香酸デシルドデシル、o−又はp−
ヒドロキシ安息香酸メチル、o−又はp−ヒドロキシ安
息香酸ブチル、o−又はp−ヒドロキシ安息香酸ヘキシ
ル、o−又はp−ヒドロキシ安息香酸n−オクチル、o
−又はp−ヒドロキシ安息香酸デシル及びo−又はp−
ヒドロキシ安息香酸ドデシルなどが挙げられる。
【0032】又、アルキルアミド類は、トルエンスルホ
ン酸アルキルアミド類やベンゼンスルホン酸アルキルア
ミド類である。トルエンスルホン酸アルキルアミド類の
具体例としては、N−エチル−o−トルエンスルホン酸
ブチルアミド、N−エチル−p−トルエンスルホン酸ブ
チルアミド、N−エチル−o−トルエンスルホン酸2−
エチルヘキシルアミド、N−エチル−p−トルエンスル
ホン酸2−エチルヘキシルアミドなどが挙げられる。ベ
ンゼンスルホン酸アルキルアミド類の具体例としては、
ベンゼンスルホン酸プロピルアミド、ベンゼンスルホン
酸ブチルアミド、ベンゼンスルホン酸2−エチルヘキシ
ルアミドなどが挙げられる。以上に挙げた可塑剤は単独
で使用しても良く、2種類以上を適宜組合せて使用して
も良い。
【0033】これらの可塑剤の中で、フタル酸ジブチ
ル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジ2−エチルヘキ
シルなどのフタル酸エステル類、p−ヒドロキシ安息香
酸エチルヘキシル、p−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルデ
シルなどのヒドロキシ安息香酸エステル類、ベンゼンス
ルホン酸ブチルアミド、ベンゼンスルホン酸2−エチル
ヘキシルアミドなどのアルキルアミド類が好ましく使用
される。
【0034】(A)ナイロン12と(B)可塑剤とから
なるナイロン12組成物は、本発明の目的を達成する一
つの組成物である。又、本発明の目的を達成する別の組
成物として、(A)ナイロン12、(B)可塑剤及び
(C)変性ポリオレフィンとからなる組成物がある。
【0035】本発明のナイロン12組成物で必要により
使用される(C)変性ポリオレフィンは、エチレン及び
/又はプロピレンを主たる構成成分とするオレフィンと
α、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体とを共重合さ
せて得られるブロック共重合体、ランダム共重合体又は
グラフト共重合体である。変性ポリオレフィンは、エチ
レン及び/又はプロピレンを主たる構成成分とするモノ
マーあるいはポリマーを使用して、合成される。エチレ
ン及び/又はプロピレンを主たる構成成分とするオレフ
ィンの共重合体(以降、「ポリオレフィン」と記載する
ことがある。)の具体例としては、エチレン・プロピレ
ン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン
・1−ヘキセン共重合体、エチレン・4−メチルペンテ
ン−1共重合体、エチレン・1−デセン共重合体、エチ
レン・1−ドデセン共重合体などのエチレンと1種又は
2種以上のα−オレフィンとの共重合体、エチレン・ブ
チレン・スチレン共重合体、エチレン・プロピレン・ス
チレン共重合体、スチレン・エチレン・ブチレン・スチ
レン共重合体、スチレン・エチレン・プロピレン・スチ
レン共重合体などが挙げられる。これらのポリオレフィ
ンの中では、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン
・ブチレン・スチレン共重合体、エチレン・プロピレン
・スチレン共重合体、スチレン・エチレン・ブチレン・
スチレン共重合体などが使用される。
【0036】これらのポリオレフィンの中でも、エチレ
ンを主たる構成成分とするものが好ましく使用でき、通
常、エチレン含有率は、柔軟性や低温での衝撃強さの改
良効果の点から、30〜90モル%の範囲、好ましくは
40〜90モル%の範囲にあるものが使用される。これ
らポリオレフィンのエチレン含有率が30モル%未満の
場合、ポリオレフィンのガラス転移温度が高くなり、低
温での衝撃強さの改良効果が十分でなくなる。又、90
モル%を越えると、これらポリオレフィンの結晶性が高
くなりエラストマー的性質が失われ、柔軟性や低温での
衝撃強さが低下する。
【0037】又、エチレン及び/又はプロピレンを主た
る構成成分とするポリオレフィンとの共重合に使用する
α、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体の具体例とし
ては、アクリル酸、メタクリル酸、メチルメタクリル
酸、クロトン酸、イソクロトン酸などの一塩基性不飽和
カルボン酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタ
ル酸、イタコン酸、シトラコン酸、エンドシス−ビシク
ロ〔2,2,1〕ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボ
ン酸などの二塩基性不飽和カルボン酸、又はこれら一塩
基性もしくは二塩基性不飽和カルボン酸の誘導体である
無水マレイン酸、無水ナジック酸、無水イタコン酸など
の酸無水物や酸ハライド、アミド、イミド及びナトリウ
ム塩、亜鉛塩などが挙げられる。
【0038】エチレン及び/又はプロピレンを主たる構
成成分とするポリオレフィンとα、β−不飽和カルボン
酸又はその誘導体とを共重合させて得られるブロック共
重合体やランダム共重合体は、エチレン及び/又はプロ
ピレンを主たる構成成分とするポリオレフィンとα、β
−不飽和カルボン酸又はその誘導体との混合物を原料と
して、公知のオレフィンの重合法により製造される。
α、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体の使用量はポ
リオレフィンに対して0.01〜30モル%が好まし
い。
【0039】又、グラフト重合の場合は、例えば、前記
のエチレン及び/又はプロピレンを主たる構成成分とす
るポリオレフィンを溶融するか、あるいは溶媒で溶解
し、得られた溶融物あるいは溶液にα、β−不飽和カル
ボン酸又はその誘導体とラジカル発生剤を添加し、加熱
撹拌してグラフト重合するなどの公知の方法がある。こ
の中では、押出機を用いて、ポリオレフィンの溶融物に
前記α、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体をグラフ
ト重合する方法が最も簡便で効率的である。グラフト重
合の際、有機過酸化物、アゾ化合物などのラジカル発生
剤を使用すると、効率よくグラフト重合体を製造でき
る。ラジカル発生剤としては、有機過酸化物、有機ペル
オキシド、有機ペルエステルあるいはアゾ化合物があ
る。有機過酸化物、有機ペルオキシド、有機ペルエステ
ルなどの具体例は、ベンゾイルペルオキシド、ジクロル
ベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、シク
ロヘキサノンペルオキシド、ジ−tert−ブチルペル
オキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ペルオキシ
ドベンゾエート)ヘキシン−3、1,4−ビス(ter
t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ラウロ
イルペルオキシド、tert−ブチルペルアセテート、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペル
オキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、tert−
ブチルペルベンゾエート、tert−ブチルペルフェニ
ルアセテート、tert−ブチルペルイソブチレート、
tert−ブチルペル−sec−オクトエート、ter
t−ブチルペルピバレート、クミルペルピバレート及び
tert−ブチルペルジエチルアセテートなどが挙げら
れる。又、アゾ化合物の具体例は、アゾビスイソブチロ
ニトリル、ジメチルアゾイソブチレートなどが挙げられ
る。
【0040】グラフト重合に使用されるα、β−不飽和
カルボン酸又はその誘導体の量は、エチレン及び/又は
プロピレンを主たる構成成分とするポリオレフィンに対
して、通常、0.02〜6重量%の範囲である。この範
囲以外ではナイロン12との相溶性が悪くなることが有
り、低温での衝撃強さが不十分となることがある。
【0041】本発明のナイロン12組成物が(A)ナイ
ロン12と(B)可塑剤からなる場合、その配合割合
は、(A)ナイロン12が100重量部、(B)可塑剤
が1〜25重量部、好ましくは、3〜20重量部であ
る。可塑剤の量が下限より少なくなると、柔軟性や低温
での衝撃強さの改良効果が不十分となる。一方、上限よ
り多くなるとクリープ特性や耐熱性が低下するようにな
る。
【0042】本発明のナイロン12組成物が(A)ナイ
ロン12、(B)可塑剤及び(C)変性ポリオレフィン
からなる場合、その配合割合は、(A)ナイロン12が
100重量部、(B)可塑剤が1〜25重量部、好まし
くは、3〜20重量部、(C)変性ポリオレフィンが0
より多く、30重量部以下、好ましくは、1〜25重量
部、より好ましくは、3〜25重量部である。(C)変
性ポリオレフィンの量が前記上限より多くなると、クリ
ープ特性が低下するようになる。
【0043】本発明のナイロン12組成物には、本発明
の目的を損なわない範囲で、フェノール系、チオエーテ
ル系、ホスファイト系、アミン系などの酸化防止剤、有
機スズ系、鉛系、金属石ケン系などの耐熱安定剤、サリ
シレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール
系、シアノアクリレート系、金属錯塩系などの紫外線吸
収剤などの耐候性改良剤、アルキルアミン、アルキルア
ミド、アルキルエーテル、アルキルフェニルエーテル、
グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、アルキルスルホネート、アルキルベンゼンスルホネ
ート、アルキルサルフェート、アルキルホスフェート、
第4級アンモニウム塩、アルキルベタインなどの帯電防
止剤、赤リン、酸化スズ、水酸化ジルコニウム、メタホ
ウ酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ムなどの無機難燃化剤、ハロゲン系、燐酸エステル系、
メラミンまたはシアヌル酸系の有機難燃化剤、三酸化ア
ンチモンなどの難燃化助剤、その他核剤、油剤、顔料、
染料などが配合されてもよい。
【0044】本発明のナイロン12組成物を得る方法
は、特に制限されるものではなく、それ自体公知の種々
の方法を用いることができる。例えば、(A)ナイロン
12、(B)可塑剤、必要に応じて(C)変性ポリオレ
フィンおよび各種の添加剤の所定量を、V型ブレンダ
ー、タンブラーなどの低速回転混合機やヘンシェルミキ
サーなどの高速回転混合機を用いてあらかじめ混合した
後、一軸押出機、二軸押出機、二軸混練機などで溶融混
練後ペレット化する方法や(A)ナイロン12、必要に
応じて、(C)変性ポリオレフィンの所定量を、前記低
速回転混合機や高速回転混合機を用いてあらかじめ混合
した後、一軸押出機、二軸押出機、二軸混練機などで溶
融混練する際、これら溶融混練機のシリンダーの途中か
ら(B)可塑剤を注入して、溶融混練後ペレット化する
方法などが適用できる。なお、(B)可塑剤が常温で液
体の場合、後者の方法を適用することが望ましい。
【0045】本発明のナイロン12組成物は押出成形性
に優れており、チューブ状成形品、フィルム、繊維、モ
ノフィラメントなどの押出成形品に利用できるが、特
に、燃料チューブ、車両のエンジンルーム内の各種チュ
ーブ、ガスパイプなどチューブ状成形品に適している。
これらのチューブ状成形品は公知の一軸押出機にチュー
ブ用ストレートダイ及びサイジングフォーマを取付けた
装置を用い、シリンダー温度を本発明のナイロン12の
融点以上、330℃以下の温度、好ましくは200〜2
80℃の温度範囲で押出し、水などで冷却して、製造さ
れる。又、本発明のナイロン12組成物は押出成形だけ
でなく、公知の射出成形法、ブロー成形法、真空成形法
などの成形法により、中空成形品や深絞りの箱状成形品
の製造にも利用できる。
【0046】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を
さらに詳しく説明する。但し、本発明はその要旨を越え
ない限り、これら実施例に限定されるものではない。な
お、実施例および比較例に示した特性の測定は以下に示
す方法で行った。
【0047】(1)相対粘度(ηr)の測定 JIS K6810に準じ、98%硫酸を溶媒として、
ポリアミドを濃度10g/dm3で完全に溶解した後、
ウベローデ粘度計を用い、25℃で測定した。
【0048】(2)メルトフローレート(MFR)の測
定 JIS K 7210に準じ、235℃、荷重2160
gの条件で測定した。単位はg/10minである。
【0049】(3)曲げ弾性率の測定 ASTM D−790に準じ、測定した。曲げ弾性率は
柔軟性の尺度で、値が小さいほど柔軟性に優れることを
示す。なお、試験片はシリンダー温度210℃、金型温
度60℃で、射出成形により成形した。
【0050】(4)クリープ特性の測定 JIS1号引張試験片の両端を切り落し、中央平行部の
80mmをテストピースとして、クリープテスター(安
田精機製作所製)を使用し、以下の方法で測定した。テ
ストピースを40mmのチャック間に挟み、試験温度7
5℃、荷重62kgの条件でクリープ試験を行った。試
験開始時のチャック間距離と60時間試験した後のチャ
ック間距離との差からクリープ歪を得た。クリープ歪の
値が小さいほどクリープ特性は良いことを示す。JIS
1号引張試験片はシリンダー温度210℃、金型温度6
0℃で、射出成形により成形した。
【0051】(5)低温での衝撃強さの測定 ASTM D256に準じ、−40℃の冷却槽内に24
時間保持した厚さ1/2インチ、ノッチ付の試験片を用
い、−40℃で測定した。なお、試験片はシリンダー温
度210℃、金型温度60℃で、射出成形により成形し
た。
【0052】(6)ナイロン12の製造 (6)−1:ナイロン12の製造例−1 ωーラウロラクタムと水とを加圧下で加熱し開環反応及
び初期重縮合させる前重合工程とそれに続く常圧下及び
/又は減圧下で重縮合させる後重合工程とからなる2段
階連続重合反応実験装置を用いた。この装置に、5wt
%の水を含有するωーラウロラクタムを50kg/hr
でフィードし、前重合工程は重合温度285℃、系内圧
力33kgf/cm2G、重合時間(滞留時間)14時
間の条件で実施した。次いで、製造された前重合物に末
端調節剤のステアリン酸をωーラウロラクタムの量に対
し1/300モル添加し、後重合工程は重合温度265
℃、系内圧力370Torr、重合時間(滞留時間)6
時間の条件で実施し、ナイロン12を製造した。製造さ
れたナイロン12のηrは2.44、MFRは3.5g
/10minであった。本製造例で得られたナイロン1
2を以降、「PA12−1」と記載する。
【0053】(6)−2:ナイロン12の製造例−2 内容量が70lのバッチ重合反応槽にωーラウロラクタ
ム24.75kg、ε−カプロラクタム0.25kgと
水5kgを仕込み、重合温度300℃、系内圧力30k
gf/cm2G、重合時間20時間の条件で、前重合を
行った。次いで、重合温度を270℃に下げ、系内圧力
を常圧にしてから、重合時間1時間で、後重合を実施し
た。この条件で製造ざれたナイロン12のηrは2.5
4、MFRは0.7g/10minであった。本製造例
で得られたナイロン12を以降、「PA12−2」と記
載する。
【0054】(6)−3:ナイロン12の製造例−3 前重合の重合温度280℃、系内圧力33kgf/cm
2G、重合時間(滞留時間)10時間、末端調節剤のス
テアリン酸の添加量をωーラウロラクタムに対して1/
1000モル、後重合工程の重合温度255℃、系内圧
力230Torr、重合時間(滞留時間)4時間とした
以外、上記の(6)−1のナイロン12の製造例−1と
同一の装置を用い、同様の方法で実施した。製造された
ナイロン12のηrは2.81、MFRは2.8g/1
0min(この値は3.25×104exp(−3.48η
r)より大で、式(1)の範囲を外れる。)であった。
本製造例で得られたナイロン12を以降、「PA12−
3」と記載する。
【0055】(6)変性ポリオレフィンの製造例 エチレン含有率80mol%、230℃で測定したMF
Rが1.2g/10minのエチレン・プロピレンラン
ダム共重合体100重量部、アセトン1重量部、無水マ
レイン酸0.8重量部及びα,α’−ビス−t−ブチル
パーオキシージイソプロピルベンゼン0.025重量部
をヘンシェルミキサーで混合した後、シリンダー径40
mmの一軸押出機を用い、樹脂温度230〜240℃で
溶融混練してペレット化した。得られたペレットの赤外
線スペクトル分析から無水マレイン酸の反応量は0.6
重量%であった。本製造例で得られた変性ポリオレフィ
ンを以後、「m−EPR」と記載する。
【0056】実施例1〜5、比較例1〜4 表1に示した割合のナイロン12、可塑剤及び変性ポリ
オレフィンからなる混合物を、シリンダー径40mmの
二軸混練機を用い、230℃で溶融混練して、ストラン
ド状で押出し、10℃の水槽で冷却した後、ペレタイザ
ーを用い、ペレットを作成した。このペレットを用い、
曲げ弾性率、低温での衝撃強さ及びクリープ特性測定用
の試験片をそれぞれ射出成形により作成した。曲げ弾性
率、低温での衝撃強さ及びクリープ特性を測定し、その
結果を表1に示した。但し、表1中、可塑剤の略語DO
Pはフタル酸ジ2−エチルヘキシルを、DIDPはフタ
ル酸ジイソデシルを、BSBAはベンゼンスルホン酸ブ
チルアミドを示す。また、m−EPRは上記製造例で得
られた変性ポリオレフィンを示す。
【0057】
【表1】
【0058】
【発明の効果】(A)相対粘度(ηr)が1.9〜3.
5、かつ、メルトフローレート(MFR)が0.1g/
10min以上のナイロン12において、該相対粘度と
該メルトフローレートとが数式(1)
【数5】 2.87×103exp(−3.48ηr)≦MFR ≦3.25×104exp(−3.48ηr) (1) (ここで、ηrは相対粘度、MFRはメルトフローレー
トである。)の関係にあるナイロン12が100重量
部、(B)可塑剤が1〜25重量部及び(C)エチレン
及び/又はプロピレンを主たる構成成分とするオレフィ
ンとα、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体とからな
る変性ポリオレフィンが0〜30重量部からなるナイロ
ン12組成物は柔軟性、低温での衝撃強さ及びクリープ
特性に優れ、チューブ状成形品に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 77:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)98%硫酸中、濃度10g/d
    3、25℃の条件で測定した相対粘度が1.9〜3.
    5であり、かつ、235℃、荷重2160gの条件で測
    定したメルトフローレートが0.1g/10min以上
    であるナイロン12において、該相対粘度と該メルトフ
    ローレートとが数式(1) 【数1】 2.87×103exp(−3.48ηr)≦MFR ≦3.25×104exp(−3.48ηr) (1) (ここで、ηrは相対粘度、MFRはメルトフローレー
    トである。)の関係にあるナイロン12が100重量
    部、(B)可塑剤が1〜25重量部及び、(C)エチレ
    ン及び/又はプロピレンを主たる構成成分とするオレフ
    ィンとα、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体とから
    得られる変性ポリオレフィンが0〜30重量部とからな
    ることを特徴とするナイロン12組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の(B)可塑剤がエステ
    ル類及びアルキルアミド類から選ばれた1種類以上の化
    合物であることを特徴とする請求項1に記載のナイロン
    12組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載のナイロン
    12組成物のいずれかから製造されるチューブ状成形
    品。
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