JP3562366B2 - ナイロン12組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は押出成形性に優れ、柔軟性、クリープ特性及び低温での衝撃強さに優れたナイロン12組成物に関する。該ナイロン12組成物は主としてチューブ状成形品、シート状成形品、モノフィラメントなどの押出成形品用途に利用されるが、特に、チューブ状成形品に適している。
【0002】
【従来の技術】
ナイロン12は耐薬品性、耐熱性及び吸水時の寸法安定性が優れ、従来、各種の産業分野でチューブ状成形品、シート状成形品などの押出成形品や自動車分野の射出成形品に使用されている。近年、燃料チューブ、各種工業用ホースやガスパイプなどチューブ状成形品の用途が拡大している。この用途範囲の拡大に伴い、温度変化が大きい環境や−40℃の様な低温度で使用できるナイロン12が求められている。しかし、従来のナイロン12は、このような厳しい環境で使用するには、柔軟性、低温での衝撃強さや耐久性に関係するクリープ特性などの性質が不十分であった。
【0003】
従来、ナイロン12の柔軟性や低温での衝撃性を改良する方法として、ナイロン12と相溶性が良好な可塑剤とからなる組成物やポリアミド樹脂、可塑剤、変性ポリオレフィン及び/又は熱可塑性エラストマーなどからなる組成物などが提案されている。
【0004】
ポリアミドと可塑剤とからなる組成物に関しては、例えば、特開昭62−283151号公報には、ナイロン12などと可塑剤の2−エチルヘキシル−p−ヒドロキシベンゾエートとからなる柔軟性を有するポリアミド樹脂成形品が開示されている。又、特開平1−185362号公報には、ポリアミド樹脂と可塑剤としてp−ヒドロキシ安息香酸と分岐を有する炭素数12〜22のアルコールから得られるエステルとからなる組成物が開示されている。
しかし、これらの提案は、柔軟性は改良されるが、低温、例えば、−30℃以下での衝撃強さは十分でなく、又、クリープ特性も不十分であった。
【0005】
又、ポリアミド樹脂、可塑剤、変性ポリオレフィンとからなる組成物としては、例えば、特開平5−320504号公報に、ナイロン12樹脂、エチレン及び/又はプロピレンを主とするオレフィンとα、β−不飽和カルボン酸またはその誘導体とからなる変性ポリオレフィン及びp−パラーヒドロキシ安息香酸などと分岐を有する炭素数12〜22のアルコールとから合成されるエステルなどの可塑剤とからなる組成物が開示されている。又、特開平8−325451号公報に、ナイロン12、エチレン及び/又はプロピレンを主とするオレフィンとα、β−不飽和カルボン酸またはその誘導体とからなる変性ポリオレフィン及び可塑剤とからなるチューブ状成形物が開示されている。これら提案の組成物は柔軟性や低温での衝撃強さは改良されているが、クリープ特性は不十分であった。
【0006】
一方、ナイロン12のクリープ特性改善に関する提案は見あたらない。一般に、ポリマーは高分子量になるほど、クリープ特性は良くなると言われている。通常、ナイロン12の場合、数平均分子量50,000以上のものを製造することは難しい。数平均分子量が50,000程度のナイロン12のクリープ特性はほとんど改善されないだけでなく、溶融流動性が著しく低下して、成形加工性が悪いという問題があった。そのため、ナイロン12を高分子量化してクリープ特性を改善することは難しい。
以上、従来法では、柔軟性、低温での衝撃強さ及びクリープ特性がともに優れたナイロン12材料は得られていない。
【0007】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明は柔軟性、低温での衝撃強さ及びクリープ特性に優れたナイロン12組成物の提供を課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ナイロン12の物性や可塑剤の種類がナイロン12の柔軟性、低温での衝撃強さ及びクリープ特性にどの様に影響するかを詳細に検討した結果、相対粘度(以下、「ηr」と記載する。)とメルトフローレート(以下、「MFR」と記載する。)とが特定の関係にあるナイロン12に特定の可塑剤及び必要により変性ポリオレフィンを加えた組成物は、柔軟性、低温での衝撃強さ及びクリープ特性が優れることを見いだし、本発明に到達した。
【0009】
即ち、本発明は、(A)98%硫酸中、濃度10g/dm3、25℃の条件で測定したηrが2.1〜3.3であり、かつ、235℃、荷重2160gの条件で測定したMFRが0.1g/10min以上であるナイロン12において、該ηrと該MFRとが数式(1)
【数2】
2.87×103exp(−3.48ηr)≦MFR
≦3.25×104exp(−3.48ηr) (1)
(ここで、ηrは相対粘度を、MFRはメルトフローレートである。)の関係にあるナイロン12が100重量部、(B)可塑剤が1〜25重量部及び(C)エチレン及び/又はプロピレンを主たる構成成分とするオレフィンとα、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体とから得られる変性ポリオレフィンが0〜30重量部とからなるナイロン12組成物である。
【0010】
ηrとMFRとが特定の関係にあるナイロン12と可塑剤とからなる組成物や該組成物に必要により変性ポリオレフィンを加えた組成物が柔軟性、低温での衝撃強さ及びクリープ特性が共に優れていることを見出したことは、本発明の特徴である。
ηrとMFRとが本発明の関係にあるナイロン12はクリープ特性には優れているが、柔軟性や低温での衝撃強さは不十分である。一方、ηrとMFRとが本発明の関係と異なるナイロン12と本発明の可塑剤や変性ポリオレフィンとからなる組成物は柔軟性や低温での衝撃強さには優れているが、クリープ特性は不十分である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、詳細に本発明を説明する。
本発明のナイロン12はω−ラウロラクタム及び/又は12−アミノドデカン酸を主成分として製造される。本発明のナイロン12はω−ラウロラクタム又は12−アミノドデカン酸単独でも製造できるが、ω−ラウロラクタム及び/又は12−アミノドデカン酸の30重量%以下であれば、他のラクタム、アミノカルボン酸やポリアミド形成可能なジアミンとジカルボン酸またはこれらからなるナイロン塩などと共重合させたものも、ηrとMFRとが上記の関係にあれば、本発明のナイロン12の範囲に含まれる。
【0012】
共重合する他のラクタムの具体例は、α−ピロリドン、ε−カプロラクタム、ω−エナントラクタム、α−ピペリドン、ω−ウンデカンラクタムなどが挙げられる。他のアミノカルボン酸の具体例は、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオクタン酸、9−アミノノナン酸、10−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸などが挙げられる。
【0013】
ポリアミド形成可能なジアミンの具体例は、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミンなどが挙げられる。
【0014】
また、ポリアミド形成可能なジカルボン酸の具体例は、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナンジオン酸、デカンジオン酸、ウンデカンジオン酸、ドデカンジオン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などが挙げられる。なお、上記のジアミン、ジカルボン酸はほぼ等モルで使用される。また、これらのジアミン、ジカルボン酸からなるナイロン塩は前記のジアミンとジカルボン酸との等モル塩である。
【0015】
共重合成分である他のラクタム、アミノカルボン酸やポリアミド形成可能なジアミンとジカルボン酸又はこれらからなるナイロン塩は、ω−ラウロラクタム及び/又はω−アミノドデカン酸の30重量%以下であれば、単独で使用しても良く、2種以上を併用することもできる。
【0016】
本発明の(A)ナイロン12は、98%硫酸中、濃度10g/dm3、25℃の条件で測定したηrが2.1〜3.3の範囲にあり、かつ、235℃、荷重2160gの条件で測定したMFRが0.1g/10min以上であって、該ηrと該MFRとが数式(1)
【数3】
2.87×103exp(−3.48ηr)≦MFR
≦3.25×104exp(−3.48ηr) (1)
(ここで、ηrは相対粘度を、MFRはメルトフローレートである。)の関係にあるものである。ηrが3.3を越えると溶融流動性が低下して、チューブなどの成形加工が難しくなり、得られるチューブ状成形品の形状が悪くなることがある。また、ηrが2.1より小さくなると、溶融流動性は良いが、チューブなどの成形の際、チューブ形状の保持が難しく、良好な形状のチューブを得ることが困難となる。
【0017】
MFRが0.1g/10minより小さくなると、溶融流動性が悪く、チューブなどの成形加工が難しくなり、得られるチューブ状成形品の形状が悪くなる。
【0018】
又、ナイロン12の相対粘度が2.1〜3.3の範囲内にあり、MFRが0.1g/10min以上であっても、ηrとMFRとの関係が数式(1)の範囲を外れた場合、クリ−プ特性が低下するようになる。通常、ηrが2.1〜3.3の範囲にある市販のナイロン12は、そのMFRが3.25×104exp(−3.48ηr)より大きい値であり、本発明のナイロン12と異なり、クリープ特性は不十分なものであった。
【0019】
本発明のナイロン12はηrとMFRとが上記の特定の関係にあれば、どのような製造法で製造されたものでも良く、回分式製造法、連続式製造法など公知のポリアミドの製造法により製造される。製造に使用できる装置は、例えば、バッチ式反応釜、一槽式ないし多槽式の連続反応装置、管状連続反応装置、混練反応押出機などが挙げられる。
【0020】
本発明のナイロン12は、モノマーとしてω−ラウロラクタム及び/又は12−アミノドデカン酸を使用し、必要により水、共重合成分や分子量調節剤などを加え、重合温度、重合系内の圧力及び重合時間を以下に説明する関係にして、溶融状態で開環反応や初期重縮合をさせる前重合工程と、これに続く、常圧下あるいは減圧下に、溶融状態で重縮合させて高分子量化する後重合工程とを行うことにより製造される。
【0021】
以下、本発明のナイロン12の製造例として、ω−ラウロラクタムを原料とする製造法を説明する。所定量のω−ラウロラクタムと水は加圧下に重合温度285〜310℃に加熱され、重合温度T、重合反応系内の圧力(以降、「系内圧力」と記載することがある。)Pと重合時間tとが数式(2)
【数4】
7.99×105exp(−2.19×10-2T)≧Pt
≧5.64×107exp(−4.24×10-2T) (2)
(ここで、重合温度Tの単位は℃、系内圧力Pの単位はkgf/cm2G、重合時間tの単位はhrである。)の関係にある条件で前重合工程は実施される。なお、系内圧力Pは主として重合反応系内での水蒸気の圧力である。水はω−ラウロラクタムに対して、0.5〜50重量%の範囲で適宜添加される。前重合工程で得られるナイロン12のηrは、1.01〜1.8、好ましくは、1.1〜1.6である。このηrが1.01より小さいと後重合工程での重合時間が長くなり、好ましくない。前重合工程の終了後、常圧下あるいは減圧下に、重合温度230〜350℃、好ましくは、240〜320℃で所定時間、後重合することにより本発明のηrとMFRの関係を有するナイロン12を製造することができる。後重合工程での系内圧力や重合時間は製造するナイロン12のηrにより適宜決められる。通常、後重合時の系内圧力は10Torr〜常圧、重合時間は5分以上である。
【0022】
前重合工程での重合温度が285℃より低い場合、ηrとMFRとが特定の関係にある本発明のナイロン12を製造することが難しくなったり、又、前重合の時間が長くなったりして、生産性が低下する。一方、310℃より高い場合、重合時に副反応や劣化反応が起こりやすくなり、製造されるナイロン12が着色したり、機械的性質が低下したりする。又、前重合工程で、系内圧力と重合時間との積と重合温度との関係が前記数式(2)を満足しない場合、ηrとMFRとが本発明の関係にあるナイロン12を得ることが難しくなる。
【0023】
後重合時の温度が230℃より低い場合、本発明の特定のηrとMFRを有するナイロン12を製造することが難しくなったり、また、後重合工程の時間が長くなったりする。一方、350℃より高くなると重合時に副反応や劣化反応が起こりやすくなり、製造されるナイロン12が着色したり、本発明の特定のηrとMFRを有するナイロン12を製造することが難しくなったりする。
【0024】
本発明のナイロン12製造の際、必要であれば重合促進や重合時の劣化防止のため、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸やこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩またはエステルなどのリン系化合物を添加することができる。これらのリン系化合物の添加量は製造するナイロン12に対して50〜3,000ppmの範囲である。
【0025】
本発明のナイロン12の分子量調節や溶融粘度の安定化を目的に、必要ならば、アミンやカルボン酸などを添加することができる。添加できるアミンやカルボン酸は一官能及び/又は二官能のものが使用できる。アミンの具体例は、ラウリルアミン、ステアリルアミン、ベンジルアミン、1,6−ジアミノヘキサン、1,9−ジアミノノナン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミンなどがある。
カルボン酸の具体例は、酢酸、安息香酸、ラウリン酸、ステアリン酸、ブタンジオン酸、ヘキサンジオン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸などがある。これらのアミン、カルボン酸の添加量は製造するナイロン12のηrにより適宜決められる。
【0026】
本発明のナイロン12組成物で使用される(B)可塑剤はエステル類及びアルキルアミド類から選ばれた1種類以上の化合物である。本発明で言うエステル類とは、フタル酸エステル類、脂肪酸エステル類、多価アルコールエステル類、燐酸エステル類、トリメリット酸エステル類及びヒドロキシ安息香酸エステル類である。フタル酸エステル類の具体例としては、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ2−エチルヘキシル、フタル酸ジn−オクチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジイソノニル、エチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、フタル酸ジウンデシル及びテトラヒドロフタル酸ジ2−エチルヘキシルなどが挙げられる。
【0027】
脂肪酸エステル類の具体例としては、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジブチルジグリコール、アジピン酸ジ2−エチルヘキシル、アジピン酸ジn−オクチル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジn−混合アルキルエステル、セバシン酸ジメチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ2−エチルヘキシル、アゼライン酸ジ2−エチルヘキシル、ジ2−エチルヘキシル混合酸エステル、ドデカ二酸ビス2−エチルヘキシルなどの二塩基性飽和カルボン酸エステル、フマル酸ジブチル、フマル酸ビス2−メチルプロピル、フマル酸ビス2−エチルヘキシル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ビス2−エチルヘキシルなどの二塩基性不飽和カルボン酸エステル、オレイン酸ブチル、オレイン酸イゾブチル、リシノール酸アセチルブチル、アセチルクエン酸トリブチル及び酢酸2−エチルヘキシルなどが挙げられる。
【0028】
多価アルコールエステル類の具体例としては、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレート、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ2−エチルブチラート、ペンタエリスリトールモノオレエート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールトリアルキルエステル、ベヘニン酸モノグリセライド、2−エチルヘキシルトリグリセライド、グリセリントリアセテート及びグリセリントリブチラートなどが挙げられる。
【0029】
燐酸エステル類の具体例としては、燐酸トリメチル、燐酸トリエチル、燐酸トリブチル、燐酸トリ2−エチルヘキシル、燐酸トリブトキシエチル、燐酸トリフェニル、燐酸n−オクチルジフェニル、燐酸クレジルジフェニル、燐酸トリクレジル、燐酸トリキシレニル及び燐酸2−エチルヘキシルジフェニルなどが挙げられる。
【0030】
トリメリット酸エステル類の具体例としては、トリメリット酸トリブチル、トリメリット酸トリ2−エチルヘキシル、トリメリット酸トリn−オクチル、トリメリット酸トリイソノニル、トリメリット酸トリイソデシル及びトリメリット酸トリ混合アルコールエステルなどが挙げられる。
【0031】
ヒドロキシ安息香酸エステル類の具体例としては、o−又はp−ヒドロキシ安息香酸エチルヘキシル、o−又はp−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルデシル、o−又はp−ヒドロキシ安息香酸エチルデシル、o−又はp−ヒドロキシ安息香酸オクチルオクチル、o−又はp−ヒドロキシ安息香酸デシルドデシル、o−又はp−ヒドロキシ安息香酸メチル、o−又はp−ヒドロキシ安息香酸ブチル、o−又はp−ヒドロキシ安息香酸ヘキシル、o−又はp−ヒドロキシ安息香酸n−オクチル、o−又はp−ヒドロキシ安息香酸デシル及びo−又はp−ヒドロキシ安息香酸ドデシルなどが挙げられる。
【0032】
又、アルキルアミド類は、トルエンスルホン酸アルキルアミド類やベンゼンスルホン酸アルキルアミド類である。トルエンスルホン酸アルキルアミド類の具体例としては、N−エチル−o−トルエンスルホン酸ブチルアミド、N−エチル−p−トルエンスルホン酸ブチルアミド、N−エチル−o−トルエンスルホン酸2−エチルヘキシルアミド、N−エチル−p−トルエンスルホン酸2−エチルヘキシルアミドなどが挙げられる。ベンゼンスルホン酸アルキルアミド類の具体例としては、ベンゼンスルホン酸プロピルアミド、ベンゼンスルホン酸ブチルアミド、ベンゼンスルホン酸2−エチルヘキシルアミドなどが挙げられる。以上に挙げた可塑剤は単独で使用しても良く、2種類以上を適宜組合せて使用しても良い。
【0033】
これらの可塑剤の中で、フタル酸ジブチル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジ2−エチルヘキシルなどのフタル酸エステル類、p−ヒドロキシ安息香酸エチルヘキシル、p−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルデシルなどのヒドロキシ安息香酸エステル類、ベンゼンスルホン酸ブチルアミド、ベンゼンスルホン酸2−エチルヘキシルアミドなどのアルキルアミド類が好ましく使用される。
【0034】
(A)ナイロン12と(B)可塑剤とからなるナイロン12組成物は、本発明の目的を達成する一つの組成物である。又、本発明の目的を達成する別の組成物として、(A)ナイロン12、(B)可塑剤及び(C)変性ポリオレフィンとからなる組成物がある。
【0035】
本発明のナイロン12組成物で必要により使用される(C)変性ポリオレフィンは、エチレン及び/又はプロピレンを主たる構成成分とするオレフィンとα、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体とを共重合させて得られるブロック共重合体、ランダム共重合体又はグラフト共重合体である。変性ポリオレフィンは、エチレン及び/又はプロピレンを主たる構成成分とするモノマーあるいはポリマーを使用して、合成される。エチレン及び/又はプロピレンを主たる構成成分とするオレフィンの共重合体(以降、「ポリオレフィン」と記載することがある。)の具体例としては、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・4−メチルペンテン−1共重合体、エチレン・1−デセン共重合体、エチレン・1−ドデセン共重合体などのエチレンと1種又は2種以上のα−オレフィンとの共重合体、エチレン・ブチレン・スチレン共重合体、エチレン・プロピレン・スチレン共重合体、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン共重合体、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレン共重合体などが挙げられる。これらのポリオレフィンの中では、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・ブチレン・スチレン共重合体、エチレン・プロピレン・スチレン共重合体、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン共重合体などが使用される。
【0036】
これらのポリオレフィンの中でも、エチレンを主たる構成成分とするものが好ましく使用でき、通常、エチレン含有率は、柔軟性や低温での衝撃強さの改良効果の点から、30〜90モル%の範囲、好ましくは40〜90モル%の範囲にあるものが使用される。これらポリオレフィンのエチレン含有率が30モル%未満の場合、ポリオレフィンのガラス転移温度が高くなり、低温での衝撃強さの改良効果が十分でなくなる。又、90モル%を越えると、これらポリオレフィンの結晶性が高くなりエラストマー的性質が失われ、柔軟性や低温での衝撃強さが低下する。
【0037】
又、エチレン及び/又はプロピレンを主たる構成成分とするポリオレフィンとの共重合に使用するα、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、メチルメタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸などの一塩基性不飽和カルボン酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、エンドシス−ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸などの二塩基性不飽和カルボン酸、又はこれら一塩基性もしくは二塩基性不飽和カルボン酸の誘導体である無水マレイン酸、無水ナジック酸、無水イタコン酸などの酸無水物や酸ハライド、アミド、イミド及びナトリウム塩、亜鉛塩などが挙げられる。
【0038】
エチレン及び/又はプロピレンを主たる構成成分とするポリオレフィンとα、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体とを共重合させて得られるブロック共重合体やランダム共重合体は、エチレン及び/又はプロピレンを主たる構成成分とするポリオレフィンとα、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体との混合物を原料として、公知のオレフィンの重合法により製造される。α、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体の使用量はポリオレフィンに対して0.01〜30モル%が好ましい。
【0039】
又、グラフト重合の場合は、例えば、前記のエチレン及び/又はプロピレンを主たる構成成分とするポリオレフィンを溶融するか、あるいは溶媒で溶解し、得られた溶融物あるいは溶液にα、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体とラジカル発生剤を添加し、加熱撹拌してグラフト重合するなどの公知の方法がある。この中では、押出機を用いて、ポリオレフィンの溶融物に前記α、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体をグラフト重合する方法が最も簡便で効率的である。グラフト重合の際、有機過酸化物、アゾ化合物などのラジカル発生剤を使用すると、効率よくグラフト重合体を製造できる。ラジカル発生剤としては、有機過酸化物、有機ペルオキシド、有機ペルエステルあるいはアゾ化合物がある。有機過酸化物、有機ペルオキシド、有機ペルエステルなどの具体例は、ベンゾイルペルオキシド、ジクロルベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ペルオキシドベンゾエート)ヘキシン−3、1,4−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチルペルアセテート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、tert−ブチルペルベンゾエート、tert−ブチルペルフェニルアセテート、tert−ブチルペルイソブチレート、tert−ブチルペル−sec−オクトエート、tert−ブチルペルピバレート、クミルペルピバレート及びtert−ブチルペルジエチルアセテートなどが挙げられる。又、アゾ化合物の具体例は、アゾビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾイソブチレートなどが挙げられる。
【0040】
グラフト重合に使用されるα、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体の量は、エチレン及び/又はプロピレンを主たる構成成分とするポリオレフィンに対して、通常、0.02〜6重量%の範囲である。この範囲以外ではナイロン12との相溶性が悪くなることが有り、低温での衝撃強さが不十分となることがある。
【0041】
本発明のナイロン12組成物が(A)ナイロン12と(B)可塑剤からなる場合、その配合割合は、(A)ナイロン12が100重量部、(B)可塑剤が1〜25重量部、好ましくは、3〜20重量部である。可塑剤の量が下限より少なくなると、柔軟性や低温での衝撃強さの改良効果が不十分となる。一方、上限より多くなるとクリープ特性や耐熱性が低下するようになる。
【0042】
本発明のナイロン12組成物が(A)ナイロン12、(B)可塑剤及び(C)変性ポリオレフィンからなる場合、その配合割合は、(A)ナイロン12が100重量部、(B)可塑剤が1〜25重量部、好ましくは、3〜20重量部、(C)変性ポリオレフィンが0より多く、30重量部以下、好ましくは、1〜25重量部、より好ましくは、3〜25重量部である。(C)変性ポリオレフィンの量が前記上限より多くなると、クリープ特性が低下するようになる。
【0043】
本発明のナイロン12組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、フェノール系、チオエーテル系、ホスファイト系、アミン系などの酸化防止剤、有機スズ系、鉛系、金属石ケン系などの耐熱安定剤、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、金属錯塩系などの紫外線吸収剤などの耐候性改良剤、アルキルアミン、アルキルアミド、アルキルエーテル、アルキルフェニルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アルキルスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルサルフェート、アルキルホスフェート、第4級アンモニウム塩、アルキルベタインなどの帯電防止剤、赤リン、酸化スズ、水酸化ジルコニウム、メタホウ酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの無機難燃化剤、ハロゲン系、燐酸エステル系、メラミンまたはシアヌル酸系の有機難燃化剤、三酸化アンチモンなどの難燃化助剤、その他核剤、油剤、顔料、染料などが配合されてもよい。
【0044】
本発明のナイロン12組成物を得る方法は、特に制限されるものではなく、それ自体公知の種々の方法を用いることができる。例えば、(A)ナイロン12、(B)可塑剤、必要に応じて(C)変性ポリオレフィンおよび各種の添加剤の所定量を、V型ブレンダー、タンブラーなどの低速回転混合機やヘンシェルミキサーなどの高速回転混合機を用いてあらかじめ混合した後、一軸押出機、二軸押出機、二軸混練機などで溶融混練後ペレット化する方法や(A)ナイロン12、必要に応じて、(C)変性ポリオレフィンの所定量を、前記低速回転混合機や高速回転混合機を用いてあらかじめ混合した後、一軸押出機、二軸押出機、二軸混練機などで溶融混練する際、これら溶融混練機のシリンダーの途中から(B)可塑剤を注入して、溶融混練後ペレット化する方法などが適用できる。なお、(B)可塑剤が常温で液体の場合、後者の方法を適用することが望ましい。
【0045】
本発明のナイロン12組成物は押出成形性に優れており、チューブ状成形品、フィルム、繊維、モノフィラメントなどの押出成形品に利用できるが、特に、燃料チューブ、車両のエンジンルーム内の各種チューブ、ガスパイプなどチューブ状成形品に適している。これらのチューブ状成形品は公知の一軸押出機にチューブ用ストレートダイ及びサイジングフォーマを取付けた装置を用い、シリンダー温度を本発明のナイロン12の融点以上、330℃以下の温度、好ましくは200〜280℃の温度範囲で押出し、水などで冷却して、製造される。
又、本発明のナイロン12組成物は押出成形だけでなく、公知の射出成形法、ブロー成形法、真空成形法などの成形法により、中空成形品や深絞りの箱状成形品の製造にも利用できる。
【0046】
【実施例】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をさらに詳しく説明する。但し、本発明はその要旨を越えない限り、これら実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例に示した特性の測定は以下に示す方法で行った。
【0047】
(1)相対粘度(ηr)の測定
JIS K6810に準じ、98%硫酸を溶媒として、ポリアミドを濃度10g/dmで完全に溶解した後、ウベローデ粘度計を用い、25℃で測定した。
【0048】
(2)メルトフローレート(MFR)の測定
JIS K 7210に準じ、235℃、荷重2160gの条件で測定した。単位はg/10minである。
【0049】
(3)曲げ弾性率の測定
ASTM D−790に準じ、測定した。曲げ弾性率は柔軟性の尺度で、値が小さいほど柔軟性に優れることを示す。なお、試験片はシリンダー温度210℃、金型温度60℃で、射出成形により成形した。
【0050】
(4)クリープ特性の測定
JIS1号引張試験片の両端を切り落し、中央平行部の80mmをテストピースとして、クリープテスター(安田精機製作所製)を使用し、以下の方法で測定した。テストピースを40mmのチャック間に挟み、試験温度75℃、荷重62kgの条件でクリープ試験を行った。試験開始時のチャック間距離と60時間試験した後のチャック間距離との差からクリープ歪を得た。クリープ歪の値が小さいほどクリープ特性は良いことを示す。JIS1号引張試験片はシリンダー温度210℃、金型温度60℃で、射出成形により成形した。
【0051】
(5)低温での衝撃強さの測定
ASTM D256に準じ、−40℃の冷却槽内に24時間保持した厚さ1/2インチ、ノッチ付の試験片を用い、−40℃で測定した。なお、試験片はシリンダー温度210℃、金型温度60℃で、射出成形により成形した。
【0052】
(6)ナイロン12の製造
(6)−1:ナイロン12の製造例−1
ωーラウロラクタムと水とを加圧下で加熱し開環反応及び初期重縮合させる前重合工程とそれに続く常圧下及び/又は減圧下で重縮合させる後重合工程とからなる2段階連続重合反応実験装置を用いた。この装置に、5wt%の水を含有するωーラウロラクタムを50kg/hrでフィードし、前重合工程は重合温度285℃、系内圧力33kgf/cmG、重合時間(滞留時間)14時間の条件で実施した。次いで、製造された前重合物に末端調節剤のステアリン酸をωーラウロラクタムの量に対し1/300モル添加し、後重合工程は重合温度265℃、系内圧力370Torr、重合時間(滞留時間)6時間の条件で実施し、ナイロン12を製造した。製造されたナイロン12のηrは2.44、MFRは3.5g/10minであった。本製造例で得られたナイロン12を以降、「PA12−1」と記載する。
【0053】
(6)−2:ナイロン12の製造例−2
内容量が70lのバッチ重合反応槽にωーラウロラクタム24.75kg、ε−カプロラクタム0.25kgと水5kgを仕込み、重合温度300℃、系内圧力30kgf/cmG、重合時間20時間の条件で、前重合を行った。次いで、重合温度を270℃に下げ、系内圧力を常圧にしてから、重合時間1時間で、後重合を実施した。この条件で製造ざれたナイロン12のηrは2.54、MFRは0.7g/10minであった。本製造例で得られたナイロン12を以降、「PA12−2」と記載する。
【0054】
(6)−3:ナイロン12の製造例−3
前重合の重合温度280℃、系内圧力33kgf/cmG、重合時間(滞留時間)10時間、末端調節剤のステアリン酸の添加量をωーラウロラクタムに対して1/1000モル、後重合工程の重合温度255℃、系内圧力230Torr、重合時間(滞留時間)4時間とした以外、上記の(6)−1のナイロン12の製造例−1と同一の装置を用い、同様の方法で実施した。製造されたナイロン12のηrは2.81、MFRは2.8g/10min(この値は3.25×10exp(−3.48ηr)より大で、式(1)の範囲を外れる。)であった。本製造例で得られたナイロン12を以降、「PA12−3」と記載する。
【0055】
(6)変性ポリオレフィンの製造例
エチレン含有率80mol%、230℃で測定したMFRが1.2g/10minのエチレン・プロピレンランダム共重合体100重量部、アセトン1重量部、無水マレイン酸0.8重量部及びα,α’−ビス−t−ブチルパーオキシージイソプロピルベンゼン0.025重量部をヘンシェルミキサーで混合した後、シリンダー径40mmの一軸押出機を用い、樹脂温度230〜240℃で溶融混練してペレット化した。得られたペレットの赤外線スペクトル分析から無水マレイン酸の反応量は0.6重量%であった。本製造例で得られた変性ポリオレフィンを以後、「m−EPR」と記載する。
【0056】
実施例1〜5、比較例1〜4
表1に示した割合のナイロン12、可塑剤及び変性ポリオレフィンからなる混合物を、シリンダー径40mmの二軸混練機を用い、230℃で溶融混練して、ストランド状で押出し、10℃の水槽で冷却した後、ペレタイザーを用い、ペレットを作成した。このペレットを用い、曲げ弾性率、低温での衝撃強さ及びクリープ特性測定用の試験片をそれぞれ射出成形により作成した。曲げ弾性率、低温での衝撃強さ及びクリープ特性を測定し、その結果を表1に示した。
但し、表1中、可塑剤の略語DOPはフタル酸ジ2−エチルヘキシルを、DIDPはフタル酸ジイソデシルを、BSBAはベンゼンスルホン酸ブチルアミドを示す。また、m−EPRは上記製造例で得られた変性ポリオレフィンを示す。
【0057】
【表1】
Figure 0003562366
【0058】
【発明の効果】
(A)相対粘度(ηr)が2.1〜3.3、かつ、メルトフローレート(MFR)が0.1g/10min以上のナイロン12において、該相対粘度と該メルトフローレートとが数式(1)
【数5】
2.87×103exp(−3.48ηr)≦MFR
≦3.25×104exp(−3.48ηr) (1)
(ここで、ηrは相対粘度、MFRはメルトフローレートである。)の関係にあるナイロン12が100重量部、(B)可塑剤が1〜25重量部及び(C)エチレン及び/又はプロピレンを主たる構成成分とするオレフィンとα、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体とからなる変性ポリオレフィンが0〜30重量部からなるナイロン12組成物は柔軟性、低温での衝撃強さ及びクリープ特性に優れ、チューブ状成形品に好適である。

Claims (3)

  1. (A)98%硫酸中、濃度10g/dm3、25℃の条件で測定した相対粘度が2.13.3であり、かつ、235℃、荷重2160gの条件で測定したメルトフローレートが0.1g/10min以上であるナイロン12において、該相対粘度と該メルトフローレートとが数式(1)
    Figure 0003562366
    (ここで、ηrは相対粘度、MFRはメルトフローレートである。)の関係にあるナイロン12が100重量部、(B)可塑剤が1〜25重量部及び、(C)エチレン及び/又はプロピレンを主たる構成成分とするオレフィンとα、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体とから得られる変性ポリオレフィンが0〜30重量部とからなることを特徴とするナイロン12組成物。
  2. 請求項1に記載の(B)可塑剤がエステル類及びアルキルアミド類から選ばれた1種類以上の化合物であることを特徴とする請求項1に記載のナイロン12組成物。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のナイロン12組成物のいずれかから製造されるチューブ状成形品。
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