JP2000247148A - バックドア構造 - Google Patents

バックドア構造

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JP2000247148A
JP2000247148A JP11051167A JP5116799A JP2000247148A JP 2000247148 A JP2000247148 A JP 2000247148A JP 11051167 A JP11051167 A JP 11051167A JP 5116799 A JP5116799 A JP 5116799A JP 2000247148 A JP2000247148 A JP 2000247148A
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back door
door structure
reinforcing member
rib
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JP11051167A
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Hideji Saeki
秀司 佐伯
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アウターパネルを樹脂部材などにすることが
できながら、部品点数の増加、重量の増加を抑制するこ
とを可能とする。 【解決手段】 軽合金鋳物製のインナー本体9の窓枠部
11に軽合金押し出し材製の閉断面形状の補強材13が
鋳造によって一体化されたインナー部材7と、リヤウイ
ンドウパネル8を装着した窓部10を有しインナー部材
7に組み付けられる樹脂製のアウターパネル1とからな
るバックドア構造であって、補強材13は、窓枠部11
の上部から下部に渡って配され、補強材13とインナー
本体9とには、相互に嵌合して結合される嵌合部17,
19と被嵌合部21,23とを各別に設け、補強材13
に、その閉断面形状を車幅方向に分割する縦リブ15を
形成したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のバックド
ア構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の自動車のバックドア構造として
は、例えば図24に示すものがある(特開平6−219
157号公報)。すなわち、この図24ではバックドア
のインナーパネル1の裾部をレインフォース3で補強す
るようにしたものである。従って、インナーパネル1に
対し図示しないアウターパネルを結合することにより、
インナーパネル1とアウターパネルとがなす閉断面構造
に加え、レインフォース3が裾部を補強することによ
り、バックドアの十分な剛性を確保することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
バックドア構造にあっては、アウターパネルをインナー
パネル1に結合することによって、閉断面構造をなすこ
とを前提としており、アウターパネルを耐デント性(へ
こまなように耐える性質)や張り剛性などの外板性能の
みを満足させた樹脂部材とした場合には、レインフォー
ス3による裾部のみの補強では、全体的な剛性維持が困
難となり、レインフォースを更に増加し、あるいはイン
ナーパネル1の板厚増加などが必要となり、部品点数や
重量の増加を招く恐れがある。
【0004】本発明は、アウターパネルを樹脂製とする
ことができながら、部品点数や重量の増加を抑制しつつ
全体的な剛性向上を図ることのできるバックドア構造の
提供を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、軽合
金鋳物製のインナー本体の窓枠部に軽合金押し出し材製
の閉断面形状の補強材が鋳造によって一体化されたイン
ナー部材と、リヤウインドウパネルを装着した窓部を有
し前記インナー部材に組み付けられる樹脂製のアウター
パネルとからなるバックドア構造であって、前記補強材
は、前記窓枠部の上部から下部に渡って配され、前記補
強材とインナー本体とには、相互に嵌合して結合される
嵌合部と被嵌合部とを各別に設け、前記補強材に、その
閉断面形状を車幅方向に分割する縦リブを形成したこと
を特徴とする。
【0006】請求項2の発明は、請求項1記載のバック
ドア構造であって、前記補強材の両端部には、該両端部
を閉塞する金属製の蓋部材が取り付けられ、該蓋部材
に、補強材外へ突出する突起部を設けたことを特徴とす
る。
【0007】請求項3の発明は、請求項1又は2記載の
バックドア構造であって、前記インナー本体の外郭内側
全周に、周リブを連続して設けたことを特徴とする。
【0008】請求項4の発明は、請求項3記載のバック
ドア構造であって、前記周リブの一部を、前記補強材の
縦リブとしたことを特徴とする。
【0009】請求項5の発明は、請求項3又は4記載の
バックドア構造であって、前記周リブに直交する補強リ
ブを、前記インナー本体の鋳造と共に一体成形したこと
を特徴とする。
【0010】請求項6の発明は、請求項5記載のバック
ドア構造であって、前記補強リブを、前記インナー本体
のバックドア上部ヒンジ取付点近傍となる位置に設けた
ことを特徴とする。
【0011】請求項7の発明は、請求項1〜6の何れか
に記載のバックドア構造であって、前記窓枠部の上端部
又は下端部の少なくとも一方に、前記補強材端部からイ
ンナー本体の内壁面に渡る連結リブを、インナー本体の
鋳造と共に一体成形したことを特徴とする。
【0012】請求項8の発明は、請求項7記載のバック
ドア構造であって、前記連結リブは、前記補強材端部か
らインナー本体の内壁面に渡り漸減する三角形状に形成
されていることを特徴とする。
【0013】請求項9の発明は、請求項3記載のバック
ドア構造であって、前記周リブは、車体側のウエザース
トリップを取り付けたフランジ部に対し、バックドア全
閉時に直線的に並ぶ位置関係に設定されたことを特徴と
する。
【0014】請求項10の発明は、請求項4記載のバッ
クドア構造であって、前記縦リブは、車体側のウエザー
ストリップを取り付けたフランジ部に対し、バックドア
全閉時に直線的に並ぶ位置関係に設定され、前記嵌合部
を、前記縦リブの前記フランジ部側の付け根部に設定し
たことを特徴とする。
【0015】請求項11の発明は、請求項10記載のバ
ックドア構造であって、前記縦リブには、前記フランジ
部側の付け根部に前記嵌合部として線状凹部が設けら
れ、前記インナー本体の鋳造により前記線状凹部にイン
ナー本体の一部が内包形成されて前記被嵌合部が形成さ
れたことを特徴とする。
【0016】請求項12の発明は、請求項1〜11の何
れかに記載のバックドア構造であって、前記インナー本
体下部に、他の個所に比べて相対的に厚肉のロック部品
取付壁部を有し、前記ロック部品取付壁部とインナー本
体内壁面との間に渡るリブ、又はインナー本体内壁面か
らロック部品取付壁部を経てインナー本体下端部に渡る
リブの少なくとも一方を設けたことを特徴とする。
【0017】請求項13の発明は、請求項1〜12の何
れかに記載のバックドア構造であって、前記補強材は、
角形断面を呈し、前記嵌合部を前記補強材の各角部に設
けたことを特徴とする。
【0018】請求項14の発明は、請求項1〜13の何
れかに記載のバックドア構造であって、前記補強材に、
ガススティ取付部を有するガススティ支持部材を貫通形
成し、前記ガススティ支持部材は、前記補強材の断面内
に係合する係合部を有すると共に、該ガススティ支持部
材の両端部には係合部を有さず端面のみがインナー本体
外面に露出していることを特徴とする。
【0019】
【発明の効果】請求項1の発明では、補強材が窓枠部の
上部から下部に渡って配されて一体化されることによ
り、窓枠部の上部から下部に渡って閉断面化が図られ、
剛性を確保することができる。また、補強材とインナー
本体との間では、嵌合部と被嵌合部との嵌合による結合
で両者間に作用する力を確実に伝達することができ、荷
重伝達を確実に行うことができ、かかる点からも確実に
剛性向上を図ることができる。その結果、アウターパネ
ルを耐デント性や張り剛性などの外板性能のみを満足さ
せた樹脂部材とした場合においても窓枠部の裾部及び窓
枠部全域に渡り剛性を確保することができ、補強材の板
厚アップや補強材の増加などによる部品点数の増加、重
量増加を抑制することができる。また、アウターパネル
をボルト結合などによりインナー本体に組付けるように
した場合には、アウターパネルの取外しが容易であり、
修理性を向上させることができる。
【0020】請求項2の発明では、請求項1の発明の効
果に加え、金属板材製の蓋部材によって、鋳造時におけ
る溶湯の補強材内部への流れ込みを防止することができ
る。また蓋部材の補強材外へ突出する突起部を鋳造時に
鋳造型に対する位置決めとして利用することができ、補
強材のインナー本体に対する確実な位置決めを行うこと
ができる。
【0021】請求項3の発明では、請求項1又は2の発
明の効果に加え、バックドア全閉時におけるウエザース
トリップ反力による分布荷重入力を、インナー本体の外
郭内側全周に連続する周リブによりインナー本体全域に
分散することができ、前記分布荷重入力に対する剛性の
向上を図ることができる。
【0022】請求項4の発明では、請求項3の発明の効
果に加え、周リブの一部を補強材の縦リブとすることに
よって、インナー本体側の周リブの一部を省くことがで
き、その分軽量化を図ることができる。
【0023】請求項5の発明では、請求項3又は4の発
明の効果に加え、周リブに直交する補強リブによって周
リブの倒れを抑制することができ、周リブの効果をより
安定して発揮することができる。
【0024】請求項6の発明では、請求項5の発明の効
果に加え、補強リブによってバックドア上部ヒンジ取付
点への入力による同部位の局部変形を抑制することがで
き、バックドア上部ヒンジ取付点の剛性を確保すること
ができる。
【0025】請求項7の発明では、請求項1〜6のいず
れかの発明の効果に加え、補強材端部からインナー本体
の内壁面に渡る連結リブが、補強材からの入力をインナ
ー本体の補強材端部周辺部位に伝達分散することにより
補強材端部における局部的な変形を抑制することがで
き、より剛性向上を図ることができる。
【0026】請求項8の発明では、請求項7の発明の効
果に加え、連結リブを三角形状とすることによって補強
材端部からインナー本体内壁面へ緩やかな力の伝達が行
われ、同部位における局部的な変形をより一層抑制する
ことができる。
【0027】請求項9の発明では、請求項3の発明の効
果に加え、バックドア全閉時において車体側のウエザー
ストリップを取り付けたフランジ部とインナー本体の周
リブとが一直線となるため、ウエザーストリップからの
入力を周リブの面内力として効率良く受け止めることが
でき、より効率的に荷重伝達を図ることができ、全体的
な剛性向上をよりかつ実に図ることができる。
【0028】請求項10の発明では、請求項4の発明の
効果に加え、ウエザーストリップからインナー本体に作
用する入力を、補強材の縦リブに、嵌合部、被嵌合部を
介して直接的に伝達することができ、補強材縦リブの機
能を最大限に発揮させ、荷重伝達をより確実に図ること
ができる。
【0029】請求項11の発明では、請求項10の発明
の効果に加え、インナー本体の鋳造により縦リブの線状
凹部内にインナー本体の一部が内包形成されて嵌合部及
び被嵌合部が形成されることにより、同部位が幅広い形
状となり、ウエザーストリップからの入力をより安定し
て受け止めることができる。
【0030】請求項12の発明では、請求項1〜11の
発明の効果に加え、インナー本体下部のロック部品取付
壁部を他の個所に比べて相対的に厚肉にすることにより
ロック部品取付壁部の局部変形を防止することができ
る。また、ロック部品取付壁部とインナー本体内壁面と
の間に渡るリブ又はインナー本体内壁面からロック部品
取付壁部を経て、インナー本体下端部に渡るリブの少な
くとも一方によってロック部品取付壁部への入力を周辺
部位に伝達、分散することができる。従って、バックド
アのロック機構からの入力に対するロック部品取付壁部
周辺の剛性を向上することができる。
【0031】請求項13の発明では、請求項1〜12の
いずれかの発明の効果に加え、捩じり入力に対する寄与
度が高い各角部で補強材をインナー本体に結合すること
ができる。これにより補強材とインナー本体との間の力
の伝達効率をより向上することができる。
【0032】請求項14の発明では、請求項1〜13の
いずれかの発明の効果に加え、ガススティからガスステ
ィ取付部への入力をガススティ支持部材係合部を介し、
補強材の断面全体へ伝達することができ、ガススティ取
付部周辺の局部的な変形による剛性低下を防止すること
ができる。また、ガススティ支持部材には補強材に対す
る係合部を有しているため、ガススティ取付部に対する
ガススティの締結時におけるガススティ支持部材の空転
を防止することができる。また、ガススティ支持部材の
両端部には係合部を有さず、端面のみがインナー本体外
面に露出し、インナー本体の一部がガススティ支持部材
の両端部周囲を包囲する形態となるため、ガススティ支
持部材の抜け防止を行うことができる。また、インナー
本体の成形時にガススティ支持部材の端面が鋳造型に面
接触することができ、ガススティ取付部に対する溶湯の
影響を防止することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施形態にかか
るバックドア構造の分解図であり、本実施形態のバック
ドア構造は、アウターパネル5とインナー部材7とから
なっている。前記アウターパネル5は着色あるいは未着
色の樹脂材料からなり、リヤウインドウパネル8を装着
した窓部10を有している。前記インナー部材7は、ア
ルミ軽合金などの軽合金鋳物製のインナー本体9の窓枠
部11の左右に軽合金押し出し材製の補強材13が鋳造
によって一体化されている。かかるインナー部材7に対
し、アウターパネル5はボルト締結によって結合されて
いる。
【0034】前記補強材13は、前記窓枠部11の上部
から下部に渡って配されている。前記補強材13は、図
1、及び図1のA−A矢視における図2の断面図、図1
のB−B矢視における図3の断面図のようになってい
る。すなわち、補強材13は窓枠部11に沿ってその中
間部で湾曲し、閉断面形状に形成されている。補強材1
3の内部には、図2にように内部を左右方向に区画する
縦リブ15が中央に設けられている。
【0035】前記補強材13は、角型断面を呈し、各角
部に嵌合部である線状凹部17が設けられている。前記
縦リブ15の一方の付け根部にも嵌合部としての線条凹
部19が設けられている。これら各線条凹部17,19
は、補強材13に沿って長く形成されている。かかる補
強材13がインナー本体9の鋳造と共に一体成形され、
インナー本体9の一部が線条凹部17,19に内包形成
され、被嵌合部として線条凸部21,23となる。
【0036】そして、図2のように、前記縦リブ15は
車体25側のウエザーストリップ27を取り付けたフラ
ンジ部29に対し、バックドア全閉時に直線的に並ぶ位
置関係に設定されている。また、前記補強材13の上下
両端部には、図4のように蓋部材31が設けられてい
る。蓋部材31は前記補強材13の端面を閉塞する形状
に設定され、一側面に設けられた係合爪31aが補強材
13の内面に摩擦係合することによって固定されてい
る。また、蓋部材31の上下両端縁には突起部31b,
31cが設けられ、補強材13外へ突出している。
【0037】なお、窓枠部11においてそのフランジ部
11aに前記アウターパネル5の窓部10がボルト33
によって締結されている。図示はしないが他の個所にお
いても同様な構造によってアウターパネル5はインナー
部材7に締結固定されている。また、アウターパネル5
側においては、ウインドウパネル8は接着剤35を介し
て固着されている。
【0038】前記インナー部材9には補強材13の部分
において、図5、図6、図7のようにガススティ支持部
材が取り付けられている。図5は、側面から見た概略
図、図6は、側面から見た要部拡大図、図7は断面図で
あり、ガススティ37はその一端である上端37aが車
体側に取り付けられ、下端37bがバックドアのインナ
ー部材7の窓枠部11に取り付けられている。窓枠部1
1への取り付けはガススティ支持部材39によって行わ
れている。ガススティ支持部材39は、該端部にガスス
ティ取付部として雌ネジ部39aを有し、外端面39b
は垂直に切断されて、インナー本体9の窓枠部11の外
面と面一に設定されている。ガススティ支持部材39の
内端面39cは、斜めに切断されており、この個所にお
いてもインナー本体9の窓枠部11の外面と面一に設定
されている。
【0039】前記ガススティ支持部材39には、図8の
(a),(b)のように外周面の4個所に係合部として
突条39dが設けられている。また、ガススティ支持部
材39の両端部には、突条39dは形成されていない。
そして、かかるガススティ支持部材39は前記補強材1
3を貫通して形成され、突条39dが補強材13の側壁
13a,13b及び縦リブ15に回転方向に係合する構
成となっている。また、ガススティ支持部材39の両端
部周囲にはインナー本体9の窓枠部11が包囲してお
り、端面39b,39cのみがインナー本体9外面に露
出している。
【0040】更に前記インナー本体9には各種のリブが
設けられている。これを概略的に示したのが図9であ
り、一部を拡大して示したのが図10〜図13である。
まず図9,図10のように、インナー本体9には外郭内
側全周に連続する周リブ41が設けられている。なお、
周リブ41は全周連続する構成にすることもできるが、
本実施形態においては、周リブ41と前記補強材13の
縦リブ15が連続する構成となっており、周リブ41の
一部を補強材13の縦リブ15で構成している。従っ
て、その分、周リブ41の長さを省くことができ、軽量
化を図ることもできる。
【0041】また、前記周リブ41に対し、これと直交
する補強リブ43が複数設けられている。前記補強リブ
43は、前記窓枠部11の上部側においてバックドア上
部ヒンジ取付点45の近傍となる位置に設けられてい
る。すなわち、本実施形態においては、バックドア上部
ヒンジ取付点45を挾む形態に補強リブ43が配置され
ている。
【0042】前記、窓枠部11の上端部及び下端部にお
いては補強材13端部からインナー本体9の内壁面に渡
る複数の連結リブ47がインナー本体9の鋳造と共に一
体成形されている。そして窓枠部11の下端部側におけ
る連結リブ47は、図10のように補強材13端部から
インナー本体9内壁面に渡り漸減する三角形状に形成さ
れている。
【0043】また、前記周リブ41は図1のC−C矢視
における図11の断面同D−D矢視における図12の断
面図で示すように、車体25側のウエザーストリップ2
7を取り付けたフランジ部29に対しバックドア全閉時
に直線的に並ぶ位置関係に設定されている。
【0044】更に、図1、及び図1のE−E矢視におけ
る図13の断面図のように前記インナー本体9の下部に
ロック部品取付壁49が設けられている。ロック部品取
付壁49にはロック部品取付用の開口51が設けられ、
図示しないロック部品が取り付けられている。そしてロ
ック部品取付壁49は、図13の断面図で示すように他
の個所に比べて相対的に厚肉に形成されている。また、
図1,図13のように、ロック部品取付壁部49とイン
ナー本体9内壁面9aとの間に渡るリブ53及びインナ
ー本体内壁面9aからロック部品取付壁部49を経てイ
ンナー本体9下端部に渡るリブ55が設けられている。
これらリブ53,55は、いずれか一方のみ設ける構成
にすることもできる。リブ53は、インナー本体内壁面
9aからロック部品取付壁部49に渡って漸減する三角
形状に形成されている。
【0045】ここで、成形時においては、図14のよう
に、鋳造型57に対して図14のようにセットされる。
すなわち、蓋部材31は補強材13の端面に取り付けら
れて、該端面を閉塞し、一方の凸部31bは鋳造型57
の内面57aに接触し、他方の凸部31cは鋳造型57
の挿入孔57b内に挿入される。また、該凸部31cは
挿入孔57b内でその端面が挿入孔57b底面に接触し
ている。これにより、鋳造型57の中で補強材13の車
体前後方向の位置決めと、車体上下方向の移動の拘束が
行われる。従って、補強材13を窓枠部11に対し、正
確に鋳造によって一体化することができる。
【0046】次に、バックドアにはウエザーストリップ
27,ガススティ37及び図示しないロックから、図1
5に示すように同時に入力FW ,Fg ,FL が作用す
る。特にウエザーストリップ27とガススティ37とか
らの入力FW ,Fg に対しては、バックドアに車幅方向
を軸とした曲げモーメントが発生すると考えられ、同曲
げモーメントの分布は図15(b)に示すようになると
考えられる。バックドアにおいては、これらの曲げモー
メントに対して剛性を確保することが重要な課題の一つ
である。
【0047】従って、上記の構成とすることにより、か
かる課題を満たすことができる。すなわち、窓枠部11
の上部から下部に渡って補強材13をインナー本体9に
線条凹部17,19を介して鋳込むことにより、窓枠部
11及びその上下部が閉断面化され、同部位の剛性を確
保することができる。
【0048】線条凹部17,19は、図2のように補強
材13の外面側で幅が狭まった形状をなし、鋳造時に溶
湯が線条凹部17,19に流れ込み、冷却後は首部を有
した線条凸部21,23が形成され、窓枠部11におい
て、インナー本体9と補強材13との結合が行われる。
これによって、補強材13とインナー本体9との間の力
伝達を確実に行わせることができる。
【0049】また、前記補強材13の縦リブ15とイン
ナー本体9の外郭内側に連続する周リブ41とはバック
ドア全閉時においてウエザーストリップ27の取り付け
フランジ部29と一直線となるように設定されているた
め、ウエザーストリップ27からの入力FW を縦リブ1
5及び周リブ41の面内力として効率良く受け止め、バ
ックドア全域で同入力に対する剛性を向上させることが
できる。
【0050】また、周リブ41と直角に交わる補強リブ
43が周リブ41の倒れを抑制し、周リブ41の作用を
より安定して行わせることができる。
【0051】更に、バックドア上部のヒンジ取付点45
の近傍に設定した補強リブ43は上記作用に加えて、ヒ
ンジからの入力による同部位の局部変形を抑制すること
ができる。
【0052】縦リブ15の部分においては、ウエザース
トリップ27からインナー本体9の窓枠部11に作用す
る入力FW を線状凸部23及び線条凹部19を返して縦
リブ15に直接伝達することができ、縦リブ15の補強
効果を最大限に発揮させることができる。また、同部位
には線条凹部19が形成される構造となっているため幅
広い形状となり、ウエザーストリップ27からの入力F
W を安定して受け止めることができる。
【0053】線条凹部17は補強材13の各角部に形成
され、一方においてはインナー本体9の窓枠部11にお
いてフランジ部11a側の開口側において結合がなさ
れ、窓枠部11と補強材13との接触領域において広範
囲で両者を接触結合させることができ、かつフランジ部
29側の角部に線状凹部17を形成することで、曲げ捩
じり入力に対する寄与度が高く、窓枠部11と補強材1
3とを確実に結合させることができる。これにより、窓
枠部11と補強材13との間における力の伝達効率の向
上を図ることができる。
【0054】補強材13の端部とインナー本体9の内壁
面9aとを連結する連結リブ47は、補強材13からの
入力を補強材13端部周辺においてインナー本体9に伝
達、分散する。
【0055】更に、下部側の連結リブ47はほぼ三角形
状に形成されているため、補強材13からインナー本体
9へ緩やかな力の伝達がなされ、補強材13端部におけ
る局部的な変形を抑制することができる。
【0056】ガススティ37からの入力Fg を縦リブ1
5及び側壁13a,13bに伝達し、補強材13の断面
全体で受け止めることができ、ガススティ37取付点近
傍の局部的な変形による剛性低下を防止することができ
る。
【0057】また、ガススティ支持部材39の突条39
dは補強材13の縦リブ15側壁13a,13bに係合
して廻り止めが図られているため、雌ネジ部39aにガ
ススティ37をボルト締めする時にガススティ支持部材
39の空転を防止することができる。
【0058】ガススティ支持部材39の両端部では突条
39dが存在しないため、インナー本体9の窓枠部11
が包囲し、ガススティ支持部材39の抜け止めを図るこ
とができる。
【0059】ガススティ支持部材39の端面39b,3
9cは鋳造型57にセットした際に、鋳造型57と端面
全体で面接触することができ、鋳造時に雌ネジ部39a
への溶湯の流入を防止することができる。
【0060】ロック部品取付壁部49は他の部分に比べ
厚肉に形成されているため、ロック部品取付壁部49の
局部変形を防止し、部品取付剛性を確保することができ
る。リブ53,55がロック部への入力を周辺のインナ
ー本体内面9aに伝達、分散することができ、ロック部
からの入力に対する剛性を向上することができる。
【0061】図16から図21は他の実施形態を示して
いる。なお、第1実施形態と同一構成部品には同符号を
付して説明し、重複した説明は省略する。
【0062】(第2実施形態)図16は、第2実施形態
における補強材13と窓枠部11との結合の断面であ
る。この実施形態においては、補強材13と窓枠部11
との嵌合部、被嵌合部の凹凸関係を逆にしたものであ
る。すなわち、補強材13の各角部と縦リブ15の付け
根部とに嵌合部としての線条凸部57,59が設けら
れ、かかる補強材13を鋳造によって一体化することに
よって被嵌合部としての線条凹部61,63が形成され
ることになる。
【0063】かかる第2実施形態においても第1実施形
態と同様にインナー本体9の窓枠部11と補強材13と
の間の線条凸部57,59とを線条凹部61,63とに
よって力を伝達、分散することができ、ほぼ同様な作用
効果を奏することができる。
【0064】(第3実施形態)図17は第3実施形態に
かかり、インナー本体9の概略背面図である。本実施形
態においてはバックドア形状が窓枠部11の裾部で車幅
方向に狭くなっており、バルジ加工もしくは三次元曲げ
加工などにより湾曲させた中空状の補強材65がインナ
ー本体9に鋳造によって一体に形成されたものである。
また、補強材65には同様にして湾曲形成された縦リブ
67が備えられ、インナー本体9の周リブ41と連続す
る構成となっている。従って、本実施形態においても第
1実施形態とほぼ同様の作用効果を奏することができ
る。
【0065】(第4実施形態)図18は第4実施形態に
かかるインナー本体9の斜視図であり、図19は図18
のG−G矢視における断面図、図20は補強材と蓋部材
との関係との斜視図、図21は鋳造時の状況を示す断面
図である。本実施形態においては、軽合金鋳物製のイン
ナー本体9の窓枠部11に補強材69が包囲されるよう
に鋳込まれている。補強材19には縦リブ15が備えら
れ、その両付け根部に嵌合部としての線条凹部71が設
けられている。
【0066】そして、窓枠部11の鋳造によって被嵌合
部としての線条凸部73が形成されることになる。ま
た、補強材69の端面を閉塞する蓋部材75は板材をプ
レス成形したもので、突起部75aが、図21のように
縦リブ15にかしめ結合されることにより取付けられ
る。かかる実施形態においても、窓枠部11及びその上
下部が閉断面化され、同部位の剛性を確保することがで
きる。
【0067】また、補強材69端部に取り付けられる蓋
部材75は鋳造時における溶湯の流れ込みを防止するこ
とができる。蓋部材75の一方側の凸部75aは鋳造時
に鋳造型77の内面77aに接触し、他方側の凸部75
aは鋳造型77の挿入孔77bに挿入され、該挿入孔7
7b内において凸部75aの先端が挿入孔77bの底部
に接触する。これにより、鋳造該77の中での補強材6
9の車体前後方向の位置決めと車体上下方向の移動の拘
束が行われる。
【0068】前記補強材69は窓枠部11の断面全てに
おいて鋳込まれ、且つ首部を有した線条凹部71と線条
凸部73との嵌合により、補強材69と窓枠部11との
間に作用する力をより確実に伝達することができる。前
記ウエザーストリップからの入力FW を線条凸部73、
線条凹部71を介して縦リブ15に直接伝達することが
でき、また、縦リブ15の付け根部の幅広い形状によっ
て入力FW を安定して受け止めることができる。また、
その他の作用効果も第1実施形態と同様の作用効果を奏
することができる。
【0069】なお、蓋部材75はリブ15の一側の空間
のみを閉塞する形状のものを示しているが、図示はしな
いが右側の空間を閉塞する蓋部材も同様に形成している
ものである。
【0070】(第5実施形態)図22は第5実施形態に
かかり、インナー本体9のリブ配置概略図である。かか
る実施形態においては補強材13の下部からインナー本
体9の内面9aに向かう連結リブ47が斜め下方に向か
うように形成されている。かかる実施形態においても、
第1実施形態とほぼ同様の作用効果を奏する他、斜め下
方に向くように形成された連結リブ47が車幅方向を軸
とした曲げ入力に対する変形を抑制することができる。
【0071】(第6実施形態)図23は第6実施形態に
かかり、ガススティ支持部材を示すもので、(a)はバ
ックドアとの関係における概略断面図、(b)は斜視図
である。本実施形態においては、ガススティ支持部材7
9の係合部79aが、長さの長い一対のフィン形状を成
し、係合部79aはバックドア全閉時におけるガスステ
ィからの入力Fg の入力軸と一直線になるように補強材
13に貫通形成されている。かかる実施形態において
も、第1実施形態とほぼ同様の作用効果を奏する他、係
合部79aがガススティからの入力を面内力で受けるこ
とができ、同入力に対するリブとして機能し、剛性の向
上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかりバックドアの分
解斜視図である。
【図2】図1のA−A線矢視における断面図である。
【図3】図1のB−B線矢視における断面図である。
【図4】補強材と蓋部材との関係の斜視図である。
【図5】ガススティとの関係のバックドアの概略側面図
である。
【図6】ガススティ支持部材が示す要部の拡大側面図で
ある。
【図7】図5のF−F線矢視における拡大断面図であ
る。
【図8】ガススティ支持部材を示し、(a)は側面図、
(b)は斜視図である。
【図9】リブの配置を示すインナー本体の一部省略した
概略背面図である。
【図10】補強材の下部側におけるインナー本体を示す
拡大斜視図である。
【図11】ウエザーストリップとの関係を示す断面図で
ある。
【図12】ウエザーストリップとの関係を示す断面図で
ある。
【図13】図1のE−E線矢視における断面図である。
【図14】製造状況を示す断面図である。
【図15】バックドアに対する入力及び応力を示すもの
で、(a)は入力を示し、(b)は入力及びモーメント
を示している。
【図16】第2実施形態にかかり、窓枠部における断面
図である。
【図17】第3実施形態にかかり、リブの配置を示すイ
ンナー本体の一部省略した概略背面図である。
【図18】第4実施形態にかかるインナー本体の斜視図
である。
【図19】図18のG−G線矢視における断面図であ
る。
【図20】第4実施形態にかかり、補強材と蓋部材との
関係の斜視図である。
【図21】第4実施形態にかかる製造状況を示す断面図
である。
【図22】第5実施形態にかかるリブの配置状況を示す
インナー本体の一部省略背面図である。
【図23】第6実施形態にかかり、(a)はバックドア
を側方部から見た概略図、(b)はガススティ支持部材
の一部省略斜視図である。
【図24】従来例の斜視図である。
【符号の説明】
5 アウターパネル 7 インナー部材 8 リヤウインドウパネル 9 インナー本体 10 窓部 11 窓枠部 13,65 補強材 15,67 縦リブ 17,19,61,63,71 線条凹部(嵌合部) 21,23,57,59,73 線条凸部(被嵌合部) 25 車体 27 ウエザーストリップ 29 フランジ部 31,75 蓋部材 31b,31c,75a,75b 突起部 39,79 ガススティ支持部材 39d,79a 係合部 41 周リブ 43 補強リブ 47 連結リブ

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軽合金鋳物製のインナー本体の窓枠部に
    軽合金押し出し材製の閉断面形状の補強材が鋳造によっ
    て一体化されたインナー部材と、 リヤウインドウパネルを装着した窓部を有し前記インナ
    ー部材に組み付けられる樹脂製のアウターパネルとから
    なるバックドア構造であって、 前記補強材は、前記窓枠部の上部から下部に渡って配さ
    れ、 前記補強材とインナー本体とには、相互に嵌合して結合
    される嵌合部と被嵌合部とを各別に設け、 前記補強材に、その閉断面形状を車幅方向に分割する縦
    リブを形成したことを特徴とするバックドア構造。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のバックドア構造であっ
    て、 前記補強材の両端部には、該両端部を閉塞する金属製の
    蓋部材が取り付けられ、 該蓋部材に、補強材外へ突出する突起部を設けたことを
    特徴とするバックドア構造。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のバックドア構造で
    あって、 前記インナー本体の外郭内側全周に、周リブを連続して
    設けたことを特徴とするバックドア構造。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のバックドア構造であっ
    て、 前記周リブの一部を、前記補強材の縦リブとしたことを
    特徴とするバックドア構造。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4記載のバックドア構造で
    あって、 前記周リブに直交する補強リブを、前記インナー本体の
    鋳造と共に一体成形したことを特徴とするバックドア構
    造。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のバックドア構造であっ
    て、 前記補強リブを、前記インナー本体のバックドア上部ヒ
    ンジ取付点近傍となる位置に設けたことを特徴とするバ
    ックドア構造。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の何れかに記載のバックド
    ア構造であって、 前記窓枠部の上端部又は下端部の少なくとも一方に、前
    記補強材端部からインナー本体の内壁面に渡る連結リブ
    を、インナー本体の鋳造と共に一体成形したことを特徴
    とするバックドア構造。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のバックドア構造であっ
    て、 前記連結リブは、前記補強材端部からインナー本体の内
    壁面に渡り漸減する三角形状に形成されていることを特
    徴とするバックドア構造。
  9. 【請求項9】 請求項3記載のバックドア構造であっ
    て、 前記周リブは、車体側のウエザーストリップを取り付け
    たフランジ部に対し、バックドア全閉時に直線的に並ぶ
    位置関係に設定されたことを特徴とするバックドア構
    造。
  10. 【請求項10】 請求項4記載のバックドア構造であっ
    て、 前記縦リブは、車体側のウエザーストリップを取り付け
    たフランジ部に対し、バックドア全閉時に直線的に並ぶ
    位置関係に設定され、 前記嵌合部を、前記縦リブの前記フランジ部側の付け根
    部に設定したことを特徴とするバックドア構造。
  11. 【請求項11】 請求項10記載のバックドア構造であ
    って、 前記縦リブには、前記フランジ部側の付け根部に前記嵌
    合部として線状凹部が設けられ、 前記インナー本体の鋳造により前記線状凹部にインナー
    本体の一部が内包形成されて前記被嵌合部が形成された
    ことを特徴とするバックドア構造。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11の何れかに記載のバッ
    クドア構造であって、 前記インナー本体下部に、他の個所に比べて相対的に厚
    肉のロック部品取付壁部を有し、 前記ロック部品取付壁部とインナー本体内壁面との間に
    渡るリブ、又はインナー本体内壁面からロック部品取付
    壁部を経てインナー本体下端部に渡るリブの少なくとも
    一方を設けたことを特徴とするバックドア構造。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12の何れかに記載のバッ
    クドア構造であって、 前記補強材は、角形断面を呈し、前記嵌合部を前記補強
    材の各角部に設けたことを特徴とするバックドア構造。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13の何れかに記載のバッ
    クドア構造であって、 前記補強材に、ガススティ取付部を有するガススティ支
    持部材を貫通形成し、 前記ガススティ支持部材は、前記補強材の断面内に係合
    する係合部を有すると共に、該ガススティ支持部材の両
    端部には係合部を有さず端面のみがインナー本体外面に
    露出していることを特徴とするバックドア構造。
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