JP2000246987A - プリンタ - Google Patents

プリンタ

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JP2000246987A
JP2000246987A JP5340299A JP5340299A JP2000246987A JP 2000246987 A JP2000246987 A JP 2000246987A JP 5340299 A JP5340299 A JP 5340299A JP 5340299 A JP5340299 A JP 5340299A JP 2000246987 A JP2000246987 A JP 2000246987A
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Hiroshi Nishimura
弘 西村
Tetsuji Inoue
哲二 井上
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Ishida Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 計量皿を本体上方全面に備える構成のプリン
タにおいて、その高さを高くせず、且つラベル発行口を
操作面から突出させずに、該ラベル発行口をより上方に
開くことができるように構成することを課題とする。 【解決手段】 プリンタカバー24を内部の印字ヘッド
と共に上下に揺動可能且つ前後に移動可能に構成する。
ラベル発行口22を開くためプリンタカバー24を上動
するときは、カセット26の引き抜き動作に連動して該
カバー24が手前へ出てきてから上に揺動する。ラベル
発行口22を閉じるためプリンタカバー24を下動する
ときは、カセット26の挿入動作に連動して該カバー2
4が下に揺動してから奥方へ後退する。プリンタカバー
24の上方に計量皿12が位置していても該カバー24
を大きく上に開くことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプリンタ、より詳し
くは、ラベルロ−ルをカセットに収納した状態で本体に
対し出し入れするように構成されたプリンタの印字ヘッ
ドの動作の改良に関し、ラベルやレシ−ト等への文字等
の印刷を行うプリンタの技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】惣菜等の商品を計り売りする対面販売で
は、商品の計量と共にその計量結果に基づいて正味重量
や価格等のデータをラベルに印字するプリンタ付き電子
秤が用いられる。この種のプリンタ付き電子秤は、特開
平10−181113号公報又は特開平10−3243
20号公報に開示されるように、秤本体の上方に被計量
物を載置するための計量皿が配置されると共に、該本体
の操作面に販売員が商品呼出しあるいは単価入力等を行
なうための入力キーが設けられる。さらに、その本体の
側部には、ラベルロ−ルを収納したカセットの収納室が
配設される。
【0003】一般に、この種の電子秤に備えられるプリ
ンタは多数のラベルが剥離可能に貼着された帯状の台紙
を巻いた台紙ロール(ラベルロ−ル)をカセットに収容
する。該ロールから繰り出された台紙は相対接する印字
ヘッドと印字ローラとの間に挟み込まれ、この状態で印
字ヘッドによりラベルに印字が施される。印字ヘッドと
印字ローラとの間を通過した台紙はラベル発行口付近で
急角度に曲折され、ここで印字済みラベルが剥離されて
ラベル発行口から操作面に突き出され、販売員の手によ
り商品に貼付される。一方、ラベルが剥離された台紙は
巻取り用ボビンに巻き取られ回収される。
【0004】その場合に、ラベルがなくなって新しいも
のと交換するようなときには、操作面側からカセットを
引き出さねばならない。そのとき、手前側に位置する印
字ヘッドを上方に跳ね上げて、少なくとも新しい台紙ロ
ールが通過できるだけの空間を生成する必要が生じる。
そのため、印字ヘッドは一般に上下方向に揺動自在に備
えられ、通常使用時は下方向、つまり印字ローラと対接
する位置へ揺動され、ロール交換時には上方向、つまり
印字ローラから離反する位置へ揺動される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このとき、印字ヘッド
の下面にはサーマルヘッド部その他の周辺部材が配設さ
れているから、新しい台紙ロールが通過できるだけの空
間を生成するためには、該印字ヘッドをより上方にまで
揺動させる必要が生じる。しかし、計量皿をラベル発行
口ないし印字ヘッドの上方まで広げようとすると、印字
ヘッドと計量皿とが干渉するため、計量皿の位置を高く
しなければならないという問題が発生する。
【0006】この問題を回避するためには、ラベル発行
口ないし印字ヘッドを計量皿の下方から計量皿のない手
前側へ逸脱させて配置することが考えられるが、そうす
るとそれらの配設部分が操作面から前方へ突出し、商品
呼出しあるいは単価入力等のキー操作をする際の支障と
なるばかりか、デザイン的にもすっきりせず好ましくな
い。
【0007】本発明はこのような現状に鑑みてなされた
もので、特に、プリンタの背を低くして、電子秤と一体
に形成しても、計量皿の位置を高くすることなく、また
前方突出部を生成することなく、印字ヘッドを高く上動
することのできる新たなプリンタを提供することを課題
とする。
【0008】以下、その他の課題も含め、本発明を詳し
く説明する。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係るプリンタでは、印字ヘッドが、印字ロ
ーラに対接する対接位置と、印字ローラから離反する離
反位置との間で揺動自在に設けられると共に、カセット
の挿脱方向にスライド自在に設けられる。そして、この
印字ヘッドが計量皿の下方の位置へ移動するに伴って対
接位置へ揺動し、逆に計量皿の下方から逸脱する位置へ
移動するに伴って離反位置へ揺動するように該ヘッドを
駆動するヘッド駆動手段が備えられる。
【0010】これによれば、通常使用時には、印字ヘッ
ドは計量皿の下方に収まって、この状態で印字ローラと
対接して被印刷物を挟み込む一方、台紙ロール交換時等
には、計量皿の下方から計量皿のない外方向に逸脱して
きて、この状態で印字ローラから離反して被印刷物の挟
み込みを解除する。印字ヘッドは印字ローラに対する従
来の揺動動作と、カセットの挿脱に連動して進退する移
動動作との二段モーションを行ない、印字ローラから離
反する方向へ揺動するときにのみ計量皿の下方から外部
へ進出してくる。したがって、ここでは計量皿が存在し
ないからその離反距離、すなわち揺動量を大きくするこ
とができ、新しい台紙ロールが通過できるだけの空間を
充分に生成することができる。また、普段は印字ヘッド
は本来通りに計量皿の下方に収まっているから該ヘッド
配設部分が操作面から突出することがない。
【0011】その場合に、特に、印字ヘッドを開いた状
態から計量皿の下方位置へ移動させる際は、その開いた
状態の位置において離反位置まで揺動している該ヘッド
をまず対接位置方向に戻すようにしてから該ヘッドを計
量皿の下方向へ移動させるようにすることが好ましい。
離反位置まで大きく揺動している該ヘッドと計量皿との
衝突が回避される。
【0012】これにより、カセットをプリンタ本体から
取り外そうとすると同時に印字ヘッドが計量皿の下方か
ら進出して大きく開き、カセットをプリンタ本体へ取り
付けようとすると同時に印字ヘッドが閉じて計量皿の下
方へ退避する。カセットの着脱動作と印字ヘッドの駆動
とをそれぞれ別々に行なう必要がなくなり、ワンタッチ
で両動作を同時に行なうことが可能となる。
【0013】そのためには、例えば、プリンタ本体の側
にレールを、またカセットの側にカム溝を設けると共
に、印字ヘッドの側に上記レールと係合する第1ローラ
及び上記カム溝と係合する第2ローラを備え、印字ヘッ
ドが第1ローラを支点に揺動し、且つ該第1ローラがレ
ールに沿って移動することにより移動するように構成す
る。カセットをプリンタ本体へ取り付けるときには、そ
の取付け動作方向へカム溝もまた移動するから、このと
きの該カム溝の移動によって第2ローラを従動させ、こ
れにより印字ヘッドを計量皿の下方位置へ移動させ、且
つ印字ローラとの対接位置へ揺動させる。逆に、カセッ
トをプリンタ本体から取り外すときには、その取外し動
作方向へカム溝もまた移動するから、このときの該カム
溝の移動によって第2ローラを従動させ、これにより印
字ヘッドを計量皿からの逸脱位置へ移動させ、且つ印字
ローラからの離反位置へ揺動させる。
【0014】また、この種のプリンタでは、印字ヘッド
を印字ローラに対して正しく位置決めして対接させるこ
とがズレのない印字を実現するうえで重要である。した
がって、特に、印字ヘッドを計量皿の下方へ移動させつ
つ印字ローラと対接させていくときに、一気にその揺動
動作を行なうことをせず、徐々にその揺動動作を段階的
に行なって、印字ヘッドの位置決めが確実にそして最終
的にきっちりと行なわれるようにすることが好ましい。
【0015】そのためには、例えば、上記レールを印字
ローラとの距離が異なる三つの部分に分け、印字ローラ
から遠い順に、印字ヘッドが逸脱位置にあるときに第1
ローラが位置する第1部分、印字ヘッドが逸脱位置と下
方位置との間で移動中に第1ローラが位置する第2部
分、そして印字ヘッドが下方位置にあるときに第1ロー
ラが位置する第3部分とする。印字ヘッドは第1ローラ
を支点に揺動自在であることに加えて、該第1ローラが
これらの第1〜第3部分間で移動することにより第2ロ
ーラを支点にしてまた揺動自在でもある。印字ヘッド
は、第1ローラが第1部分、第2部分、第3部分と段々
に移動していくに伴って印字ローラに徐々に近接するよ
うに上記第2ローラを支点として揺動していき、最終的
に第1ローラが第3部分に移動したときに印字ローラと
しっかり対接して被印刷物を挟み込む。
【0016】さらに、印字ローラの側に凹部を、印字ヘ
ッドの側に該凹部と係合するピンを備え、第1ローラが
第1部分にあるときには印字ヘッドが印字ローラから大
きく離反しているから該凹部とピンとが係合せず、第1
ローラが第2部分にあるときには印字ヘッドが印字ロー
ラにやや近づくから該凹部とピンとが係合し、第1ロー
ラが第3部分にあるときには印字ヘッドが印字ローラに
最も近づくから該凹部とピンとが強固に係合するように
構成する。印字ヘッド側のピンと印字ローラ側の凹部と
の係合により印字ヘッドが印字ローラに対して正しく位
置決めされて対接する。また、第1ローラが第2部分に
ある印字ヘッドの移動中にも該ピンと凹部とが係合する
から、第2ローラとカム溝との係合に加えて、このピン
と凹部との係合によってもまた印字ヘッドにカセット側
からの押圧力が作用する。したがって印字ヘッドが複数
のポイントで押圧されてバランスよく円滑に移動する。
【0017】以下、発明の実施の形態を通して、本発明
をさらに詳しく説明する。
【0018】
【発明の実施の形態】図1に示すように、本実施の形態
においては、本発明に係るプリンタは、プリンタ付き電
子秤10に適用され、その本体14は、操作面16に向
って(以下同様)左側の秤本体と右側のプリンタ本体と
を含む。このプリンタ付き電子秤10は、計量皿12が
本体14の上方全面に渡って設けられた全面皿式のもの
である。秤側本体14の操作面16には、テンキー18
の他、タッチ式の商品呼出しキーや各種ファンクション
キーを内装する液晶ディスプレイ20が配設され、一
方、プリンタ側本体14の操作面16には、印字済みの
ラベルLを発行するラベル発行口22が配設されてい
る。
【0019】販売員は顧客から商品の求めがあったとき
にはその商品に対応する呼出しキーを操作して該商品に
ついて予め登録されている単価や消費期限等の商品デー
タを呼び出すと共にその商品を計量皿12に適量づつ載
置していく。載置された商品の計量値が呼び出されたデ
ータと共にディスプレイ20に表示される。販売員はそ
の計量値を見ながら商品を顧客の求める重量に計り取
り、計り終わったら印字キーを操作する。商品単価、正
味重量、販売価格等のデータがラベルLに印字され、該
ラベルLがラベル発行口22から発行される。販売員は
その印字済みのラベルLを計り取った商品に貼付し、顧
客に引き渡す。操作面16の反対側の面には、この間、
計量値やコマーシャルメッセージを顧客に提示するディ
スプレイが備えられている。
【0020】本体操作面16のうちラベル発行口22が
配設された部分は、プリンタカバー24と、台紙ロール
を収容するカセット26の前壁とで構成される。プリン
タカバー24は、後述するように、プリンタ本体14に
上下動自在かつ前後動自在に備えられた印字ヘッドユニ
ット28(図3参照)に組み付けられている。一方、カ
セット26は、図2に示すように、上記前壁29と底壁
30と左側壁32とを有する構成で、本体14に対して
着脱自在とされている。左側壁32の奥方には支軸34
が水平に突設され、該支軸34に台紙ロールRが回転自
在にセットされている。台紙ロールRは多数のラベルL
…Lが剥離可能に貼着された帯状の台紙Bを巻いたもの
で、該ロールRから台紙Bがラベル貼着面を上にして前
方へ繰り出される。なお、支軸34には台紙ロールRを
幅寄せしてセットするセッティングレバー36が摺動自
在に備えられている。
【0021】カセット26の前部には印字ローラユニッ
ト38が配設されている。該ユニット38は前壁29及
び左側壁32を介してカセット26に取り付けられ、印
字ヘッドユニット28のサーマル式印字ヘッド40(図
3参照)と相対接する印字ローラ(プラテンローラ)4
2を有する。前方へ繰り出された台紙Bはガイドバー4
4及び受けプレート46を経てこれらの印字ヘッド40
と印字ローラ42との間に挟み込まれ、この状態で印字
ヘッド40によりラベルLに印字が施される。
【0022】ローラユニット38にはさらに印字ローラ
42の直前方でラベル発行口22に近接して剥離棒48
が設けられている。印字ヘッド40と印字ローラ42と
の間を通過した台紙Bはこの剥離棒48により急角度に
曲折されて奥方へUターンする。このとき台紙B上の印
字済みラベルLが該台紙Bから剥離して発行口22から
操作面16に突き出される。Uターンした台紙Bは下側
のガイドバー50を経て巻取りボビン52に巻き取られ
回収される。なお、上下のガイドバー44,50には印
字ヘッド40と印字ローラ42との間を通過する直前の
台紙Bを幅寄せしてその姿勢を矯正するガイドレバー5
5が摺動自在に支持されている。
【0023】台紙Bは印字ローラ42と巻取りボビン5
2との回転により上記経路に沿って移送される。本体1
4側に据え付けられた駆動モータ54(図4参照)の出
力ギヤ56に、カセット左側壁32の外面に取り付けら
れた入力ギヤ58が噛み合い、この入力ギヤ58に、印
字ローラ42の中心軸に組み付けられたギヤ60、及び
巻取りボビン52の中心軸に組み付けられたギヤ62が
それぞれ噛み合って、上記モータ54の駆動により入力
ギヤ58を介して印字ローラ42及び巻取りボビン52
が同じ方向に回転する。
【0024】その場合に、使用済みの台紙Bが弛みなく
巻取りボビン52に巻き取られるようにするため、該ボ
ビン52の台紙巻取り速度は印字ローラ42の台紙送り
速度よりも幾分大きくされている。さらに、そのとき、
印字ローラ42と巻取りボビン52との間で台紙Bに作
用する張力が該ボビン52に巻き取られた台紙Bの径の
変化に拘らず一定となるように、該ボビン52側の部材
とそのギヤ62側の部材との間にスリップ用の摩擦板が
介装されている。
【0025】このプリンタ付き電子秤10において台紙
ロールRを新しいものに交換するときには、図1に矢印
aで示すように、まずカセット26を手前側へ水平に引
き抜いてプリンタ本体14から取り外し、ロールRの交
換作業を行なったのち、同図に矢印bで示すように、再
び該カセット26を手前側から水平に差し入れてプリン
タ本体14へ取り付ける。その場合に、カセット26に
新たに装着した新品で大きな径の台紙ロールRが、支障
なく、ラベル発行口22が設けられた操作面16の部分
を通過できるように、該操作面16近くに配置された印
字ヘッド40及び印字ヘッドユニット28ないしプリン
タカバー24がカセット26の上記取付け動作及び取外
し動作に連動して駆動される。
【0026】次に、本発明の特徴部分を構成するこのヘ
ッド駆動機構について説明する。このヘッド駆動機構
は、印字ヘッドユニット28側とプリンタ本体14側と
の協働関係、及び印字ヘッドユニット28側とカセット
26側との協働関係により達成される。
【0027】まず、印字ヘッドユニット28は、プリン
タ本体14に上下方向に揺動自在、且つ前後方向に移動
自在に備えられている。図3に示すように、該ユニット
28は、上下のフレーム64,66が合わせられてなる
フレーム本体(以下単に「フレーム」という)68を有
し、該フレーム68の上面にプリンタカバー24が組み
付けられている。また該フレーム68の前端部に印字ヘ
ッド40がスプリング69…69で下方へ付勢された状
態で取り付けられている。フレーム68の左右の側壁7
0,72は後方に延設され、各延設部74,76間に渡
ってローラ軸78が架設され、該ローラ軸78を介して
各延設部74,76の外面にそれぞれ第1のローラ8
0,82が回転自在に設けられている。両延設部74,
76のうち左側の延設部74は幾分長く延設され、その
後端部の内面に第2のローラ84が回転自在に設けられ
ている。また該左側延設部74の下縁部は外方に曲折さ
れ、該曲折部86に左側の第1ローラ80あるいはロー
ラ軸78に巻き掛けられたコイルバネ88の一端部が係
止されている。なお、コイルバネ88の他端部はプリン
タ本体14の天井面90(図4参照)に係止される(図
6以下参照)。
【0028】一方、図4に示すように、プリンタ本体1
4においてカセット26が内装される部分の左右の側壁
92,94には、前後方向に延びるレール96,98が
取り付けられている。各レール96,98には係合溝1
00,102が形成され、該係合溝100,102に上
記印字ヘッドユニット28の左右の第1ローラ80,8
2が摺動自在に係合する。これにより、印字ヘッドユニ
ット28ないし印字ヘッド40及びプリンタカバー24
は、この第1ローラ80,82とレール96,98との
係合点(あるいはローラ軸78)を支点として上下方向
に揺動自在、且つ、第1ローラ80,82がレール9
6,98に沿って摺動することにより前後方向に移動自
在にプリンタ本体14に備えられる。ここで、コイルバ
ネ88の弾性復元力により、印字ヘッド40は常に上方
向、つまり印字ローラ42から離反する方向に付勢さ
れ、またプリンタカバー24も常に上方向、つまりラベ
ル発行口22の開方向に付勢される。
【0029】そして、図2に示すように、カセット26
の左側壁32の外面には、該左側壁32の後縁部と上縁
部とを連絡するように水平部分と傾斜部分とを有するカ
ム溝104が形成され、このカム溝104に上記印字ヘ
ッドユニット28の第2ローラ84が摺動自在に係合す
る。これにより、カセット26をプリンタ本体14から
取り外そうとして前方aへ引き抜いたときには、その取
外し動作に連動して、印字ヘッドユニット28が同じく
前方aへ進出してくると共に、印字ヘッド40及びプリ
ンタカバー24がコイルバネ88の付勢力によって上方
に跳ね上がり、逆に、カセット26をプリンタ本体14
へ取り付けようとして奥方bへ差し入れたときには、そ
の取付け動作に連動して、印字ヘッド40及びプリンタ
カバー24がコイルバネ88の付勢力に抗して下方に閉
じると共に、印字ヘッドユニット28が同じく奥方bへ
退避していく。
【0030】さらに、第1ローラ80,82が係合する
レール96,98の係合溝100,102は、図5に拡
大して示すように、前後方向において三つの部分10
6,108,110に分かれた三段構造とされ、最前方
の第1部分106が最も高い位置にあり、最後方の第3
部分110が最も低い位置にあり、これらの中間の第2
部分108がこれらの中間の高さの位置にある。これに
より、印字ヘッドユニット28は、この第1ローラ8
0,82とレール96,98との係合点を支点として揺
動自在であると共に、該係合点が高さの異なる上記第1
〜第3部分106,108,110間を移動することに
よって、後方の第2ローラ84とカセットカム溝104
との係合点を支点としてまた上下方向に揺動自在とな
る。
【0031】次に、カセット26をプリンタ本体14へ
取り付ける場合を例に、該カセット26の着脱動作と印
字ヘッドユニット28の駆動との関係を図6以下の図面
を参照しながら各段階に分けて説明する。なお、図6以
下の図面においては、ヘッドユニット28とプリンタ本
体14とカセット26との協働関係を明示することを目
的としてその説明に必要な主要構成要素のみ図示した。
【0032】まず、図6に示すように、プリンタ本体1
4からカセット26が引き抜かれている状態では、印字
ヘッドユニット28は最前方の位置に移動し、且つ最上
方の位置に揺動している。このとき、第1ローラ80,
82はレール96,98の最前方、且つ最上方の第1部
分106,106に位置している。プリンタカバー24
は最も大きく開き、印字ヘッド40ないしヘッドユニッ
ト28の下端部は、第1ローラ80,82よりもさらに
上方にまで跳ね上がっている。したがって、新品で厚み
の大きい(高さの高い)台紙ロールRでも支障なくカセ
ット26に装着されて通過できる。
【0033】ここで、コイルバネ88の一端部が係止さ
れたヘッドユニット28の左側外方曲折部86の底面
が、左側レール96の下縁部から内方に曲折された第1
突起112に当接している。これにより、ヘッドユニッ
ト28のこれ以上の揺動が阻止されている。また、上記
左側外方曲折部86の後端部が、同じく左側レール96
の下縁部から内方に曲折された第2突起114に当接し
ている。これにより、ヘッドユニット28のこの大きく
開いた状態のままでの奥方への後退が阻止され、ヘッド
ユニット28と計量皿12との衝突が回避される。
【0034】この状態で、図7に示すように、新しい台
紙ロールRに交換されたカセット26を水平に差し入れ
ていく。該カセット左側壁32の上縁部がローラ軸78
の直下を通過していき、第2ローラ84がカム溝104
の後ろの開端部から中へ滑り込んで係合する。同図に示
すように、第2ローラ84がカム溝104の水平部分を
すべて通過し終わり、傾斜部分に差し掛かるまでの間
に、カセット26に装着された台紙ローラRが印字ヘッ
ド40及びローラ軸78の直下を通過する。この間、第
2ローラ84はカム溝104の水平部分を通過するだけ
であるから上下方向にも前後方向にも従動されず、した
がって印字ヘッドユニット28は依然として最前方位置
で大きく開いた状態のままである。
【0035】なお、カセット左側壁32の上縁部は、台
紙ローラRの頂点がローラ軸78の直下を通過するまで
は、該ローラ軸78との間にある程度の隙間をあけて非
接触状態とされる。そして、それ以降は、左側壁32の
上縁部が幾分高くなり、該上縁部とローラ軸78とが接
触しながらカセット26が移動していく。
【0036】そして、この図7の状態から、図8に示す
ように第2ローラ84がカム溝104の上開端部に至る
までの間に、該第2ローラ84はカム溝104の傾斜部
分で従動され、該傾斜部分に沿って上動する。これによ
り、印字ヘッドユニット28において、この第2ローラ
84よりも、ローラ軸78ないし第1ローラ80,82
を挟んで前方に位置する部分が下方へ揺動し、プリンタ
カバー24が閉じかかると共に、印字ヘッドユニット2
8がカセット26側の印字ローラユニット38の直上方
まで降りてきて近接する。
【0037】図7の状態から図8の状態に移る過程で、
第2ローラ84にはカム溝104の傾斜部分によって上
下方向の分力(特にこのカセット取付け動作の場合は上
方向への分力)が作用する他、前後方向の分力(同じく
特にこの場合は後方向への分力)もまた作用する。しか
し、当初は、ヘッドユニット28の左側曲折部86と左
側レール96の第2突起114とが当接しているから、
該ヘッドユニット28はこの段階ではまだ奥方へは後退
しない。さらに、ヘッドユニット28が揺動するに伴っ
て上記の当接が解除されたのちにおいても、図5に符号
116で示したように、左右両レール96,98の第1
部分106において左右両第1ローラ80,82が位置
している直後方の上の部分が下方に突出し、該第1ロー
ラ80,82の後退が阻止されているから、やはりヘッ
ドユニット28はその段階においても依然としてまだ奥
方へは後退しない。
【0038】なお、この段階では、ローラ軸78がカセ
ット左側壁32の上縁部と接触しており、第1ローラ8
0,82は該カセット左側壁32とレール96,98と
で挟み込まれた状態となって、そのカセット左側壁32
の引き摺り力や上記後方向への分力により該第1ローラ
80,82は後方に移動しようとする。このとき、上記
のような下方突出部116がなければ、該ローラ80,
82はレール96,98の上縁部とカセット左側壁32
の上縁部との間でこじれを起こし、カセット26の差し
入れ動作が円滑に行なわれなくなる。それゆえ、上記レ
ール96,98の下方突出部116,116は、このよ
うな問題もまた回避している。
【0039】そして、図8に示すように、第2ローラ8
4がカム溝104の上開端部に至ったとき、ローラ軸7
8の直下方を通過していたカセット左側壁32の上縁部
の高さが低くなり、該上縁部とローラ軸78とは再び非
接触状態となる。また、第2ローラ84はカム溝104
の上開端部に形成された凹部118(図2参照)に嵌ま
り込む。ここにおいて、印字ヘッドユニット28は、大
きく一回下方へ揺動された状態で、第2ローラ84が上
記カセットカム溝凹部118で押圧されることにより、
カセット26と一緒になって奥方への移動を開始する。
【0040】図9に示すように、印字ヘッドユニット2
8の奥方への移動開始と共に第1ローラ80,82がレ
ール第1部分106,106から次の第2部分108,
108へと移り、該第1ローラ80,82の高さが一段
低くなる。その結果、印字ヘッドユニット28は、これ
以降高さの変わらない第2ローラ84と上記カム溝凹部
118との係合点を支点としてさらにやや下方へ揺動
し、印字ローラユニット38とほとんど対接すると共
に、プリンタカバー24がほとんど閉じかかる。
【0041】ここで、図2に示すように、印字ローラユ
ニット38のフレーム120の左右両側壁122,12
4には凹部126,126が形成され、図3に示すよう
に、印字ヘッドユニット28のフレーム68の左右両側
壁70,72にはこれに対応して該凹部126,126
と係合し得るピン128,128が突設されている。そ
して、第1ローラ80,82がレール第2部分108,
108へ移動し、印字ヘッドユニット28が奥方へ移動
を開始した時点で、これらの凹部126,126とピン
128,128とが係合する。これにより、印字ヘッド
ユニット28は、上記の第2ローラ84とカム溝凹部1
18との後方の左側一点の係合と、上記のローラユニッ
ト38の凹部126,126とヘッドユニット28のピ
ン128,128との前方の左右両側二点の係合との複
数のポイントでバランスよくカセット26側から押圧さ
れることになり、傾いたりこじれたりせず円滑に奥方へ
移動する。
【0042】そして、図10に示すように、最終的にカ
セット26がプリンタ本体14に奥まで差し入れられ
る。このとき、カセット26の左側壁32の外面に形成
されたオス爪130(図2参照)が、プリンタ本体14
の左側壁92の奥方に設けられた所謂キャッチ部材13
2(図4参照)に突入し、これにより、カセット26は
奥方へ引っ張られる状態となる。また、カセット前壁2
9の下方張り出し部分134(図2参照)がカセット位
置決め面となり、プリンタ本体14側の前端面136
(図4参照)に対接する。
【0043】そして、この最終段階において、図10に
示すように、印字ヘッドユニット28の第1ローラ8
0,82がレール第2部分108,108から最後の第
3部分110,110へと移り、該第1ローラ80,8
2の高さが最も低くなる。その結果、印字ヘッドユニッ
ト28は、第2ローラ84とカム溝凹部118との係合
点を支点としてさらに下方へ揺動し、プリンタカバー2
4が完全に閉じると共に、印字ヘッド40が印字ローラ
42と対接し、スプリング69…69による所定の圧力
で台紙Bを挟み込む。このとき、上記のローラユニット
38の凹部126,126とヘッドユニット28のピン
128,128とがより強固に係合し、印字ヘッド40
が正しく確実に位置決めされて印字ローラ42と対接す
る。
【0044】カセット26をプリンタ本体14から取り
外す場合は、ほぼこれと逆の動作が行なわれる。すなわ
ち、カセット26を引き抜くに従って、印字ヘッドユニ
ット28が前方へ移動すると共に上方へ揺動する。この
とき、第2ローラ84はコイルバネ88の付勢力により
カム溝凹部118に押え付けられており、カセット26
の前方移動により該第2ローラ84はカム溝104の傾
斜部分に落ちずに上記凹部118に嵌まり込んだままの
状態で、カセット26と一緒に前方移動する。その結
果、印字ヘッドユニット28が同じくカセット26と共
に前方移動する。
【0045】そして、第1ローラ80,82がレール9
6,98の最前方且つ最上方の第1部分106,106
まで移動して突き当たった時点で、第2ローラ84がカ
ム溝凹部118から外れて該カム溝104の傾斜部分に
落ち、それ以降のカセット26の前方移動により該傾斜
部分で従動されて、印字ヘッドユニット28が上方へ揺
動する。つまり、印字ヘッドユニット28が計量皿12
の下方から最も抜け出てから、プリンタカバー24が本
格的に開き始め、印字ヘッド40が本格的に上動する。
これにより、印字ヘッドユニット28が開きながらプリ
ンタ本体14から出てくることによる該ヘッドユニット
28と計量皿12との衝突が回避される。
【0046】そして、最終的に、図6に示したように、
コイルバネ88の付勢力によって、プリンタカバー24
が最大限に開き、印字ヘッド40ないし印字ヘッドユニ
ット28が最大限に上方に跳ね上がる。
【0047】以上説明したように、本発明に係るプリン
タが適用されたこのプリンタ付き電子秤10において
は、通常使用時には、印字ヘッド40ないし印字ヘッド
ユニット28及びプリンタカバー24が計量皿12の下
方に収まって、この状態で印字ヘッド40が印字ローラ
42と対接して台紙Bを挟み込む一方、台紙ロールR交
換時等には、計量皿12の下方から計量皿12のない外
方向に進出してきて、この状態で印字ヘッド40が印字
ローラ42から離反して台紙Bの挟み込みを解除する。
印字ヘッド40は印字ローラ42に対する近接離反揺動
動作と計量皿12に対する進出後退移動動作との二段モ
ーションを行ない、印字ローラ42から離反する方向へ
揺動するときにのみ計量皿12の下方から外方向へ進出
してくる。したがって、たとえ計量皿12がプリンタ本
体14の上方全面に渡って配置されていても、この計量
皿12の外方向位置では該計量皿12が存在しないか
ら、印字ヘッド40を大きく揺動させることができ、新
しい台紙ロールRが支障なく通過できるだけの通路を充
分に開くことが可能となる。そして、普段は印字ヘッド
40は本来通りに計量皿12の下方に収まっているか
ら、この印字ヘッド40ないし印字ヘッドユニット28
及びプリンタカバー24の配設部分が操作面16から前
方に突出することがなく、該操作面16上での販売員の
キー操作の邪魔になることがない。
【0048】その場合に、上記のような印字ヘッド40
の移動動作及び揺動動作をカセット26の取付け動作及
び取外し動作に連動させたから、カセット26の着脱動
作と印字ヘッド40の駆動とをそれぞれ別々に行なう必
要がなくなり、ワンタッチで両動作を同時に行なうこと
が可能となった。
【0049】さらに、印字ヘッド40を計量皿12の下
方へ移動させつつ印字ローラ42と対接させていくとき
に、一気にそのための揺動動作を行なうことをせず、レ
ール96,98を三つの部分に分けて徐々にその揺動動
作を段階的に行ない、印字ヘッド40を印字ローラ42
に対して確実に、そして最終的に凹部126,126と
ピン128,128との係合できっちりと位置決めさせ
て対接させるようにしたから、印字にズレの生じること
が回避される。
【0050】
【発明の効果】以上具体例を挙げて詳しく説明したよう
に、本発明によれば、計量皿が本体の上方全面に渡って
設けられた全面皿式のプリンタにおいて、計量皿の位置
を高くすることなく、また前方突出部を生成することな
く、印字ヘッドを高く上動させることができるから、販
売員と顧客とのコミュニケーションを阻害せず、且つキ
ー操作が支障なく行なえ、デザイン的にもすっきりした
プリンタが提供される。本発明は、計量機能を備えたプ
リンタ、特に、商品を計り売りする対面販売方式で用い
られるプリンタ付き電子秤等に好ましく適用可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るプリンタ付き電子秤
の外観を示す斜視図である。
【図2】同プリンタ付き電子秤に備えられる着脱自在式
カセットの一部切欠き側面図であって、図1に示すA方
向から見たものである。
【図3】同じく印字ヘッドユニット単品の一部切欠き拡
大側面図である。
【図4】同じくプリンタ本体において上記カセットを内
装する部分の側断面図である。
【図5】同プリンタ本体に取り付けられるレールの詳細
構成を示す拡大図である。
【図6】カセットが取り外されたプリンタ本体側の状態
図である。
【図7】印字ヘッドユニットが下方揺動し始める時点の
状態図である。
【図8】印字ヘッドユニットが奥方移動し始める時点の
状態図である。
【図9】印字ヘッドユニットが奥方移動している期間中
の状態図である。
【図10】カセットが取り付けられたプリンタ本体側の
状態図である。
【符号の説明】
10 プリンタ付き電子秤 12 計量皿 14 本体 26 カセット 28 印字ヘッドユニット 38 印字ローラユニット 40 印字ヘッド 42 印字ローラ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カセットに組み込まれた印字ローラに対
    接して被印刷物に印字を施す印字ヘッドを本体側に有す
    るプリンタであって、上記印字ヘッドが印字ローラに対
    接する位置と印字ローラから離反する位置との間で揺動
    自在、且つカセットの挿脱に連動してカセットの挿脱方
    向に移動自在に設けられていると共に、上記印字ヘッド
    をカセットの挿脱方向にスライドさせながら対接位置へ
    揺動させたり離反位置へ揺動させるヘッド駆動手段が備
    えられていることを特徴とするプリンタ。
  2. 【請求項2】 印字ローラは、プリンタ本体に対して着
    脱自在のカセットに設けられ、ヘッド駆動手段は、該カ
    セットのプリンタ本体への挿入動作に連動して印字ヘッ
    ドを対接位置へ揺動させ、プリンタ本体からの取外し動
    作に連動して離反位置へ揺動させることを特徴とする請
    求項1に記載のプリンタ。
  3. 【請求項3】 印字ヘッドは、プリンタ本体に設けられ
    たレールと係合する第1のローラ、及びカセットに設け
    られたカム溝と係合する第2のローラを備え、第1のロ
    ーラを支点に揺動自在、且つ第1のローラがレールに沿
    って移動することにより移動自在とされていると共に、
    ヘッド駆動手段は、第2のローラをカセットの挿入動作
    中に該挿入動作方向へ移動するカム溝で従動させること
    により印字ヘッドを計量皿の下方の位置へ移動させなが
    ら対接位置へ揺動させ、第2のローラをカセットの取外
    し動作中に該取外し動作方向へ移動するカム溝で従動さ
    せることにより印字ヘッドを計量皿の下方から逸脱する
    位置へ移動させながら離反位置へ揺動させるものである
    ことを特徴とする請求項2に記載のプリンタ。
  4. 【請求項4】 レールは、印字ヘッドが逸脱位置にある
    ときに第1のローラが位置する第1の部分と、印字ヘッ
    ドが逸脱位置と下方位置との間で移動中に第1のローラ
    が位置する第2の部分と、印字ヘッドが下方位置にある
    ときに第1のローラが位置する第3の部分とを有し、こ
    れらの部分がこの順に印字ローラに対して近接して設け
    られて、印字ヘッドは、第1のローラがこれらの部分間
    で移動することにより第2のローラを支点に揺動自在と
    されていると共に、印字ヘッドは、印字ローラに設けら
    れた凹部と係合するピンを備え、ヘッド駆動手段は、第
    1のローラが第1の部分にあるときに印字ヘッドを離反
    位置へ揺動させ、且つ上記凹部とピンとを係合解除状態
    とし、第2の部分にあるときに印字ヘッドを離反位置と
    対接位置との間の位置へ揺動させ、且つ上記凹部とピン
    とを係合状態とし、第3の部分にあるときに印字ヘッド
    を対接位置へ揺動させ、且つ上記凹部とピンとをより強
    固な係合状態とするものであることを特徴とする請求項
    3に記載の計量プリンタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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