JP2000246619A - 加工工具および加工方法 - Google Patents

加工工具および加工方法

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JP2000246619A
JP2000246619A JP4774599A JP4774599A JP2000246619A JP 2000246619 A JP2000246619 A JP 2000246619A JP 4774599 A JP4774599 A JP 4774599A JP 4774599 A JP4774599 A JP 4774599A JP 2000246619 A JP2000246619 A JP 2000246619A
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Eishiro Uchishiba
栄士郎 内芝
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Nikon Corp
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 被加工物の被加工面を短時間のうちに精度よ
く所望の面形状に加工する。 【解決手段】 本体10の底面10bに、3本のリング
状の砥石25、26および27が同心円状に配設され
る。これらの砥石25、26および27は、エアシリン
ダ41A、42A、…によりロッド31A、32A、…
を介して被加工面に加圧される。砥石25、26および
27それぞれの被加工面に対する加圧力は、被加工面を
どのような面形状に加工するかに応じて制御回路60お
よび圧力制御弁61A、61Bおよび61Cによって独
立して制御される。砥石25、26および27によって
所望の面形状に近い加工面が得られた後、砥石25、2
6および27を引き上げ、ラップ剤を供給しながら本体
10の底部10bと被加工面とを摺動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は平面または球面形状
を創成する加工工具および加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光学部品および光学機器に用いられる構
造部材等には高い面精度が求められることが多い。特に
短波長領域で用いられ、あるいは基準面として用いられ
るミラー等には比較的高い面精度が求められる。上記光
学部品や構造部材等の仕上げ加工に際しては一般的に研
磨が行われる。そして被加工物の面形状が平面である場
合にはラップ盤が用いられる。
【0003】ラップ盤で平面加工を行う場合、被加工物
の被加工面とラップ定盤との間に遊離砥粒を介在させて
被加工物およびラップ定盤のそれぞれを回転させて摺動
させることにより平滑な面を得る。被加工物の面形状が
平面の場合には、平面のラップ定盤を回転させ、このラ
ップ定盤上に被加工物を載置して摺動させることにより
研磨加工を行う。
【0004】上述した被加工物の中で、特に半導体製造
機器や天文観測装置等に関連する部品の大きさは年々大
型化してきている。被加工物の大型化に対応してラップ
定盤も大型化が進み、数メートルの大きさを有するもの
もある。
【0005】被加工物の高い面精度を得るためには、ラ
ップ定盤の面精度を高い精度に維持することが必要であ
る。ラップ定盤上で被加工物を研磨するうちに、ラップ
定盤が偏摩耗してラップ定盤自体の面精度が低下する場
合がある。そこで、ラップ定盤の面精度を維持するため
に修正皿を用いてラップ定盤自体を修正研磨する。すな
わち、被加工物に代えて修正皿をラップ定盤上に載置
し、修正皿およびラップ定盤のそれぞれを回転させてこ
れら修正皿とラップ定盤とを摺動させる。
【0006】上述した修正研磨に際して用いられる修正
皿の大きさは、ラップ定盤の偏摩耗状態に応じて異な
る。その一例について説明すると、凹面のラップ定盤を
平面ないしは凸面にする場合、径の比較的大きな修正皿
を用いる。逆に、凸面のラップ定盤を平面ないしは凹面
にする場合、径の比較的小さな修正皿を用いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ラップ
定盤の大型化が進むにつれてラップ定盤の上記修正研磨
に用いる修正皿の大きさも大きくなり、修正皿の交換や
修正研磨に要する時間が増すとともに修正皿の保管スペ
ースが増すという問題を生じている。
【0008】また、ラップ定盤の修正量が大きい場合に
は切削加工などを行い、その後に修正皿を用いて研磨を
行う必要があり、段取りに要する時間が増してラップ盤
の稼働率を低下させていた。
【0009】本発明の目的は、短時間で高い加工精度を
得ることのできる加工工具および加工方法を提供するこ
とにある。
【課題を解決するための手段】一実施の形態を示す図1
に対応付けて以下の発明を説明する。 (1) 請求項1に記載の発明に係る加工工具は、被加
工物の被加工面と接して摺動する複数の摺動部材25、
26および27と;複数の摺動部材25、26および2
7それぞれの被加工面に対する加圧力を独立して制御す
る加圧力制御手段60、61A、61B、61C、41
A、41B、41C、42A、42B、42C、43
A、43Bおよび43Cとを有するものである。 (2) 請求項2に記載の発明に係る加工工具は、被加
工物の被加工面と接して摺動し、被加工面との単位摺動
量に対して第1の加工量が得られる第1の摺動部材10
と;第1の摺動部材10に対し、被加工物の被加工面の
法線方向と略平行な方向に相対移動可能に設けられ、上
記単位摺動量に対して第1の加工量よりも大きい第2の
加工量が得られる第2の摺動部材25、26および27
と;第1の摺動部材10および第2の摺動部材25、2
6および27のうち、被加工面に加圧されて摺動してい
るいずれかの部材を、他の部材に切り換える切換手段6
0、61A、61B、61C、41A、41B、41
C、42A、42B、42C、43A、43Bおよび4
3Cとを有するものである。 (3) 請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発
明に係る加工工具を用いる加工方法に適用される。そし
て、被加工面の面精度を計測する手順と;上記手順に基
づく面精度の計測結果に基づき、複数の摺動部材25、
26および27それぞれの加圧力を定める手順とを有す
るものである。 (4) 請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の加
工工具を用いる加工方法に適用される。そして、被加工
物の面精度を計測する手順と;上記面精度の計測結果に
基づき、第1の摺動部材10を被加工面に加圧して加工
する際の第1の加工時間を定める手順と;上記面精度の
計測結果に基づき、第2の部材25、26および27を
被加工面に加圧して加工する際の第2の加工時間を定め
る手順とを有するものである。
【0010】なお、本発明の構成を説明する上記課題を
解決するための手段の項では、本発明を分かり易くする
ために発明の実施の形態の図を用いたが、これにより本
発明が実施の形態に限定されるものではない。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の形態に係る
加工工具80の一例の概略的構成を説明する図であり、
加工工具80の回転軸Axを含む面での断面が示されて
いる。加工工具80は、ラップ定盤のみならず、光学部
品等の被加工物を加工する際に用いられる。
【0012】被加工面と対向する面である本体10の底
面10bには、同心円状に3本の溝11a、11bおよ
び11cが設けられ、これらの溝のそれぞれにリング状
の砥石25、26、および27が装着される。砥石2
5、26および27の砥粒は、#80〜#1000程度
の、比較的粗いものが好ましく、材質はGC(緑色炭化
ケイ素質)やWA(白色溶融アルミナ質)等、一般的に
用いられるものでよい。
【0013】図2は、本体10を底面10b側から見た
様子を示している。本体10には、9つの貫通穴12
a、12b、12c、13a、13b、13c、14
a、14bおよび14cが明けられている。これらの穴
の明けられる位置について説明すると、穴12a、12
bおよび12cは溝11aの円周を3等分する位置に設
けられる。穴13a、13bおよび13cは、溝11b
の円周を3等分する位置に設けられる。そして、穴14
a、14bおよび14cは、溝11cの円周を3等分す
る位置に設けられる。
【0014】本体10の底部10bと対向する上面には
9つのエアシリンダ41A、41B41C、42A、4
2B、42C、43A、43Bおよび43Cが固定され
ている。図1においては、これら9つのエアシリンダの
うち6つのエアシリンダ41A、42A、43A、41
B、42Bおよび43Bのみが図示されている。
【0015】上述した9つの貫通穴12a、12b、1
2c、13a、13b、13c、14a、14bおよび
14cのそれぞれには、ロッド31A、31B、31
C、32A、32B、32C、33A、33Bおよび3
3Cがそれぞれの穴内を移動自在に組み込まれている。
ロッド31Aの一端はエアシリンダ41Aに固定され、
他端は砥石25に固定される。残りの8つのロッドも同
様に固定される。
【0016】本体10の上面には中継パイプ15が固設
され、中継パイプ15に自在継ぎ手50が装着される。
中継パイプ15と自在継ぎ手50とは、本体10の回転
中心軸Axまわりに相対回転可能となっている。中継パ
イプ15と9つのエアシリンダ41A、41B、41
C、42A、42B、42C、43A、43Bおよび4
3Cとの間は、9本のチューブ51A、51B、51
C、52A、52B、52C、53A、53Bおよび5
3Cでそれぞれ接続されている。
【0017】自在継ぎ手50には3本のチューブ54、
55および56の一端が接続され、これら3本のチュー
ブの他端は圧力制御弁61A、61Bおよび61Cのそ
れぞれに接続される。
【0018】上述した3つの圧力制御弁61A、61B
および61Cは、3本のチューブ57、58、59を介
して空圧源70と接続される。圧力制御弁61A、61
Bおよび61Cと制御回路60とは電気的に接続されて
いる。これらの圧力制御弁61A、61Bおよび61C
は、電磁比例型の圧力制御弁であり、空圧源70から出
力される空圧を所望の空圧に減じてそれぞれチューブ5
4、55および56に導くものである。圧力制御弁61
A、61Bおよび61Cのそれぞれの圧力は、制御回路
60により独立して制御される。
【0019】ここで、中継パイプ15および自在継ぎ手
50について説明する。自在継ぎ手50の内部には、チ
ューブ54、55および56のそれぞれと連通する第
1、第2および第3の管路(不図示)が設けられてい
る。中継パイプ15の内部には、チューブ51A、51
Bおよび51Cと連通する第1の管路と、チューブ52
A、52Bおよび52Cと連通する第2の管路と、チュ
ーブ53A、53Bおよび53Cと連通する第3の管路
とが設けられている(いずれの管路も不図示)。自在継
ぎ手50の内部に設けられる管路と、中継パイプ15の
内部に設けられる管路とは、第1の管路同士、第2の管
路同士そして第3の管路同士が連通している。これらの
連通状態は、自在継ぎ手50と中継パイプ15とが相対
回転しているときも、常に保たれている。すなわち、圧
力制御弁61Aの吐出圧力はエアシリンダ41A、41
Bおよび41Cに伝達され、圧力制御弁61Bの吐出圧
力はエアシリンダ42A、42Bおよび42Cに伝達さ
れ、圧力制御弁61Cの吐出圧はエアシリンダ43A、
43Bおよび43Cに伝達される。
【0020】以上のように、制御回路60が圧力制御弁
61A、61Bおよび61Cの圧力を独立して制御する
ことにより、砥石25、26および27のそれぞれの被
加工面に対する加圧力を独立して制御することができ
る。また、空圧源70の圧力を負圧に設定することによ
り、砥石25、26および27のそれぞれを引き上げる
こともできる。この場合、本体10の底部10bと被加
工面とが接する。
【0021】上述のように砥石25、26および27に
加圧力を加える際に、径のより大きな砥石(たとえば砥
石25)に対してより大きな加圧力を与えて加工を行う
と、被加工面の中心近くよりも周辺近くの加工量を増す
ことができる。つまり、凹面の被加工面を平面にする加
工、平面の被加工面を凸面にする加工、あるいは凸面の
被加工面の凸量をさらに増す加工ができる。逆に、径の
より小さな砥石(たとえば砥石27)に対してより大き
な加圧力を与えて加工を行うと、被加工面の中心近くの
加工量を周辺近くの加工量に比して増すことができる。
つまり、凸面の被加工面を平面にする加工、平面の被加
工面を凹面にする加工、あるいは凹面の被加工面の凹量
をさらに増す加工ができる。
【0022】図3は、本発明の実施の形態に係る加工工
具を用いてラップ盤100のラップ定盤102を加工す
る様子を示す図である。被加工物であるラップ定盤10
2の上に加工工具80は載置される。加工工具80は、
先端に回転自在のローラ105Aおよび105Bが設け
られる揺動アーム103によって加工工具80の外周で
保持される。揺動アーム103は、揺動装置104によ
って図3の矢印Aに沿う方向に揺動運動可能である。
【0023】ラップ定盤102を図3の矢印Bで示され
る方向に回転させると、加工工具80とラップ定盤10
2との間に生じる摩擦力の分布によって加工工具80に
は回転力が生じ、図3の矢印Cで示される方向に連れ回
される。あるいは、不図示の駆動装置によって工具80
を強制的に回転させるものであってもよい。このとき、
揺動アーム103を揺動するかしないかについては任意
に設定可能である。また、揺動アーム103を揺動させ
るときのストロークも任意に設定可能である。
【0024】砥石25、26および27に所望の加圧力
を与えて加工を行うと、これら砥石25、26および2
7の固定砥粒による加工が行われる。つまり、比較的メ
ッシュの粗い砥石により研削加工が行われるため、ラッ
プ定盤102と加工工具80との間の単位摺動量に対し
てより多くの加工量を得ることができる。別の表現をす
るならば、より速い加工速度を得ることができる。
【0025】一方、砥石25、26および27を引き上
げた状態で不図示のラップ剤供給装置からスラリー状の
ラップ剤を供給し、加工を行うと、ラップ剤中の遊離砥
粒による加工が行われる。すなわち、研磨加工が行われ
るため、ラップ定盤102と加工工具80との間の単位
摺動量に対してより少ない加工量で加工が行われる。別
の表現をするならば、より低い加工速度で加工可能であ
るため、より精密な加工精度を得ることができる。
【0026】以下、ラップ定盤102の被加工面を加工
する際の手順について図1および図3〜図5を参照して
説明する。
【0027】− 被加工物の被加工面の面精度計測 − ラップ定盤102の加工前に、ラップ定盤102の面精
度を計測して面形状を求める。なお、本明細書中では、
計測して求められる被加工面の形状を「測定面形状」と
称する。以上の計測結果に基づき、ラップ定盤102の
測定面形状と理想面形状との差を求める。
【0028】− 加工条件の設定 − ラップ定盤102の測定面形状と理想面形状との差に基
づいて、加工工具80の設定条件を以下に説明するよう
に決める。なお、以下ではラップ定盤の理想面形状が平
面であるものとして説明するが、この理想面形状は凸面
であっても凹面であってもよい。要は、これから行おう
とする加工によって被加工面の中心部付近の加工量およ
び周辺部付近の加工量のうち、どちらの加工量をより多
くするか、そしてどのような加工量の分布で被加工面を
加工するかを決定する。
【0029】ラップ定盤102の測定面形状が理想面形
状から大きく乖離していない場合、空圧源70を負圧に
設定する。そして、上記理想形状からの乖離状態やラッ
プ定盤102の材質に応じてラップ剤の種類、揺動アー
ム103の停止/作動、揺動アーム103を揺動させる
場合においては揺動ストローク、ラップ定盤102の回
転速度、そして研磨時間などを決定する。これらの条件
は、不図示のコンピュータにより自動的に求められるも
のであっても、作業者が決定するものであってもよい。
【0030】空圧源70を負圧に設定すると、図4
(c)に示されるように砥石25、26および27はい
ずれも引き上げられ、本体10の底面10bとラップ定
盤102とが接する。この状態でラップ盤100に設け
られている不図示のラップ剤供給装置からラップ剤を供
給し、ラップ定盤102を回転させる。ラップ定盤10
2の回転に伴い、ラップ定盤102はラップ剤中の遊離
砥粒によって研磨される。以上のようにして、ラップ定
盤102の被加工面は比較的ゆっくりとした加工速度で
加工されるため、高い面精度を得ることが容易である。
【0031】一方、ラップ定盤102の測定面形状が理
想面形状から比較的大きく乖離している場合は以下のよ
うに加工条件を定める。
【0032】(a) 凸面形状の場合 ラップ定盤102の測定面形状が凸面形状になっている
場合、以下で説明するように2種類の加工条件を設定す
る。すなわち、砥石25、26および27を用いて比較
的速い加工速度で加工を行うときの加工条件と、本体1
0とラップ定盤102とを接触させ、ラップ剤中の遊離
砥粒によって比較的遅い加工速度で加工を行うときの加
工条件とを設定する。
【0033】砥石25、26および27を用いて加工を
行うときに設定される条件は、以下のとおりである。す
なわち、空圧源70を加圧状態に設定し、測定面形状と
理想形状との乖離状態やラップ定盤102の材質に応じ
て圧力制御弁61A、61Bおよび61Cそれぞれの設
定圧を設定する。同様に、研削液の種類、揺動アーム1
03の停止/作動、揺動アーム103を揺動する場合に
おいては揺動ストローク、そして砥石25、26および
27を加圧した状態での加工時間およびこのときのラッ
プ定盤102の回転速度などを決定する。
【0034】砥石25、26および27を加圧しない状
態で加工を行うときに設定される条件は以下のとおりで
ある。すなわち、空圧源70を負圧に設定し、上述した
砥石25、26および27を用いての加工終了時点にお
ける被加工面の予想面形状と理想形状との乖離状態やラ
ップ定盤102の材質に応じてラップ剤の種類、揺動ア
ーム103の停止/作動、揺動アーム103を揺動させ
る場合においては揺動ストローク、ラップ定盤102の
回転速度、そして研磨時間などを決定する。上述した条
件は、先に説明したのと同様、不図示のコンピュータに
より自動的に求められるものであっても、作業者が決定
するものであってもよい。
【0035】ここで、砥石25、26および27を用い
て加工を行う場合の圧力制御弁61A、61Bおよび6
1Cそれぞれの設定圧について説明する。圧力制御弁6
1A、61Bおよび61Cそれぞれの設定圧は、図4
(a)で矢印A1、A2およびA3により視覚的に示さ
れるように、砥石27に対する加圧力>砥石26に対す
る加圧力>砥石25に対する加圧力となるように設定圧
をそれぞれ定める。つまり、径のより小さい砥石(本実
施例においては砥石27)に対する加圧力を、径のより
大きい砥石(本実施例においては砥石25および26)
に対する加圧力よりも大きくなるように設定し、ラップ
定盤102を予め定められた回転速度で回転させて加工
を始める。そして予め定められた加工時間が経過するの
にともない、ラップ定盤102の被加工面は図4(b)
に示されるようにその中央部が大きく加工される。
【0036】砥石25、26および27の加圧力を、以
上のように設定して加工することにより、図4(b)に
示されるように径のより小さい砥石によるラップ定盤1
02の加工効果が増し、ラップ定盤102の中央部近辺
の加工量を周辺部の加工量に比して増すことができる。
【0037】砥石25、26および27をラップ定盤1
02に加圧した状態での上記加工を終えた後、空圧源7
0を負圧状態に設定する。すると、砥石25、26およ
び27はいずれも引き上げられて本体10の底面10b
がラップ定盤102の被加工面と接する。この状態でラ
ップ盤100に設けられている不図示のラップ剤供給装
置からラップ剤を供給し、ラップ定盤102を予め定め
られた回転速度で回転させる。ラップ定盤102の回転
に伴い、ラップ定盤102はラップ剤中の遊離砥粒によ
って研磨される。そして、加工開始前に予め定められた
加工時間が経過すると、ラップ定盤102の被加工面は
図4(c)に示されるように研磨加工される。
【0038】(b) 凹面形状の場合 ラップ定盤102の測定面形状が凹面形状になっている
場合にも、以下で説明するように2種類の加工条件を設
定する。すなわち、砥石25、26および27を用いて
比較的速い加工速度で加工を行うときの加工条件と、本
体10とラップ定盤102とを接触させ、ラップ剤中の
遊離砥粒によって比較的遅い加工速度で加工を行うとき
の加工条件とを設定する。なお、以下の説明では、ラッ
プ定盤102の測定面形状が凸面形状になっている場合
の上記説明と異なる部分を中心に説明する。
【0039】砥石25、26および27を用いて加工を
行う場合の圧力制御弁61A、61Bおよび61Cそれ
ぞれの設定圧について説明する。圧力制御弁61A、6
1Bおよび61Cそれぞれの設定圧は、図5(a)で矢
印B1、B2およびB3により視覚的に示されるよう
に、砥石25に対する加圧力>砥石26に対する加圧力
>砥石27に対する加圧力となるように設定圧をそれぞ
れ定める。つまり、径のより大きい砥石(本実施例にお
いては砥石25)に対する加圧力を、径のより小さい砥
石(本実施例においては砥石26および27)に対する
加圧力よりも大きくなるように設定し、ラップ定盤10
2を予め定められた回転速度で回転させて加工を始め
る。そして予め定められた加工時間が経過するのにとも
ない、ラップ定盤102の被加工面は図5(b)に示さ
れるようにその周辺部が大きく加工される。
【0040】砥石25、26および27の加圧力を、以
上のように設定して加工することにより、図5(b)に
示されるように径のより大きい砥石によるラップ定盤1
02の加工効果が増し、ラップ定盤102の周辺部の加
工量を中央部近辺の加工量に比して増すことができる。
【0041】砥石25、26および27をラップ定盤1
02に加圧した状態での上記加工を終えた後、空圧源7
0を負圧状態に設定する。すると、砥石25、26およ
び27はいずれも引き上げられて本体10の底面10b
がラップ定盤102の被加工面と接する。この状態でラ
ップ盤100に設けられている不図示のラップ剤供給装
置からラップ剤を供給し、ラップ定盤102を予め定め
られた回転速度で回転させる。ラップ定盤102の回転
に伴い、ラップ定盤102はラップ剤中の遊離砥粒によ
って研磨される。そして予め定められた加工時間が経過
すると、ラップ定盤102の被加工面は図5(c)に示
されるように研磨加工される。
【0042】以上のようにして、加工途中で加工工具8
0を他の加工工具に載せ変えることなく、ラップ定盤1
02の被加工面を複数の加工速度で加工することが可能
となる。このとき、測定面形状と理想面形状との乖離量
が多い状態では比較的速い加工速度で加工を行い、被加
工面の形状が理想面形状に近づいた状態では比較的遅い
加工速度で加工を行う。したがって、加工途中での工具
交換に要していた時間が不要になり、加工時間が大幅に
短縮される。また、加工速度と加工精度との両立が可能
となるのに加え、被加工面の面形状等に応じて沢山の種
類の工具を用意する必要もなく、工具の保管スペースを
従来のものに比して少なくすることができる。
【0043】以上に説明した加工工具80において、リ
ング状の砥石25、26および27は同じメッシュの砥
粒のものが用いられるものであった。しかし、本発明は
この例に限られるものではない。たとえば、図1および
図2に示される本体10で3本設けられている同心円状
の溝数を増し、その溝にメッシュの異なる複数種類の砥
石を配設するものであってもよい。この場合、たとえば
本体10に設けられる溝数をたとえば6本に増し、その
6本の溝の内側から順に#150の砥石、#300の砥
石、#150の砥石、…と、メッシュの異なる砥石を交
互に配列させる。そして砥石の数を増すのに対応して、
これらの砥石に加圧力を加えるエアシリンダの数も増
す。被加工物を加工する際には、#150の砥石による
加工、#300の砥石による加工、本体10とラップ剤
とによる加工と、順次切り換える。このように加工を行
うことにより、加工速度に主眼をおいた加工から、加工
精度に主眼をおいた加工へと、円滑に切り換えることが
できる。
【0044】あるいは、上述した溝に配列するものとし
て、砥石以外の部材であってもよい。この場合、部材の
材質としては、たとえば鋳鉄等、ラッピングに適したも
のであれば何を用いてもよい。このように、砥石に代え
てラッピング加工に適した他の部材を配列するものでは
加工速度を増すことは難しい。しかし、被加工物の測定
形状と理想形状との乖離状態に応じてこれら複数の部材
のうち、所望の部材の加圧力を相対的に増すことによ
り、被加工面の中心部から周辺部にわたって所望の加工
量の分布を得ることができる。つまり、被加工物の被加
工面を所望の加工形状に仕上げることができる。
【0045】また、本体10に配列される砥石の数は3
つ、あるいは3の倍数に限定されるものではない。さら
に、本体10の溝部に配列される砥石あるいは部材の形
状はリング状に限られるものではない。この例につい
て、図6を参照して説明する。なお、図6において図1
に示される加工工具と同様の構成要素には同じ符号を付
してその説明を省略する。
【0046】図6(a)は、加工工具80Aの一部を図
1と同様の断面で示し、図6(b)は加工工具80Aを
本体10Aの底側から見た様子を示す。図6(b)に示
されるように、本体10Aの底部には3つの同心円のそ
れぞれに沿って円弧状の溝が複数形成される。そしてこ
れらの円弧状の溝のそれぞれに、円弧状に分割された砥
石225、226および227が配列される。このよう
に、砥石225、226および227のそれぞれを円弧
形状を有する複数の砥石の複合体として形成すると、大
きな径のリング状砥石を製作するのに比べてその制作費
を低減できる。また、いずれかの砥石に欠損を生じた場
合であっても、その部分の砥石のみを交換すればよく、
保守性にも優れる。
【0047】上述のように、砥石225、226および
227のそれぞれは複数の円弧に分割されたものとなっ
てる。そのため、図6(a)に示されるように各砥石2
25、226および227とロッド31A、32A、3
3A、31B、32B、33B、31C、32Cおよび
33C(図6でロッド31C、32Cおよび33Cは図
示されず)との間には、リング状の部材291、29
2、および293がそれぞれ介装される。これらの部材
291、292および293により、エアシリンダ41
A、42A、43A、41B、42B、43B、41
C、42Cおよび43C(図6でエアシリンダ41C、
42Cおよび43Cは図示されず)のそれぞれから発せ
られる加圧力は各砥石225、226および227のそ
れぞれにほぼ均一に伝達される。
【0048】あるいは、上述したリング状の部材29
1、292および293を用いず、各砥石225、22
6および227のそれぞれを構成する円弧状の砥石の数
に対応してエアシリンダを増設し、これら円弧状の砥石
の被加工面に対する加圧力を独立して制御可能としても
よい。
【0049】以上では、砥石または部材に加圧力を印加
するための装置として空圧装置を用いるものについて説
明したが、油圧装置、油圧および空圧の複合装置、モー
タあるいはプランジャなどの電磁駆動装置等、他のもの
を用いることもできる。
【0050】
【実施例】以上に説明した加工工具および加工方法によ
って、実際にラップ定盤の修正加工を行った結果を以下
に示す。
【0051】直径2,000 mmのラップ定盤に対し
て直径1,200 mmの加工工具を用いて修正加工を
行った。円弧形状に形成された#200GC砥石を図6
に示されるように3重のリング状に配置した。そして、
外側に配設される砥石225の内径および外形をそれぞ
れ1,000 mm、1,050 mmとし、中間に配設
される砥石226の内径および外形をそれぞれ550
mm、600 mmとし、内側に配設される砥石227
の内径および外形をそれぞれ200 mm、250mm
とした。砥石225、226および227に対する加圧
力はそれぞれ50N、200N、500Nに設定し、ラ
ップ定盤と加工工具とを摺動させて加工を行った。この
とき、20μm程度の加工量を得るのに要した加工時間
は、従来のラッピング加工、すなわちラップ剤中の遊離
砥粒のみによる加工に要する時間に比しておよそ半分に
することができた。
【0052】以上では、ラップ盤のラップ定盤を修正研
磨する際に本発明の実施の形態に係る加工工具を適用す
る例について説明したが、被加工物はこれに限られるも
のではない。すなわち、本発明に係る加工工具は、光学
部品や光学機器に用いられる構造部材等、高い加工精度
が要求される部品等の加工を行うこともできる。
【0053】以上の発明の実施の形態と請求項との対応
において、本体10および10Aが第1の摺動部材を、
砥石25、26、27、225、226および227が
摺動部材および第2の摺動部材を、制御回路60、圧力
制御弁61A、61Bおよび61C、エアシリンダ41
A、42A、43A、41B、42B、43B、41
C、42Cおよび43Cが加圧力制御手段および切換手
段をそれぞれ構成する。
【0054】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれば
以下の効果を奏する。 (1) 請求項1または3に記載の発明によれば、複数
の摺動部材それぞれの被加工面に対する加圧力を独立し
て制御することにより、同一の加工工具で被加工面を凸
面にも平面にも凹面にも加工することができる。したが
って、被加工面の所望加工形状に応じて加工工具を複数
用意する必要がなく、加工工具の保管場所をコンパクト
にすることができるのに加えて、加工中に加工工具の交
換をする必要がないので段取り替えの時間が省略でき、
加工時間を短縮することができる。 (2) 請求項2または4に記載の発明によれば、被加
工物との間で生じる単位摺動量に対して異なる加工量が
得られる第1の摺動部材および第2の摺動部材を切り換
えることにより、同一の加工工具で高い加工速度が得ら
れる加工と高い加工精度が得られる加工とを連続して行
うことができる。このため、加工時間の短縮と加工精度
の維持とが両立可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る加工工具の一例を概
略的に示す図である。
【図2】加工工具本体を底面側より見た様子を示す図で
ある。
【図3】本発明の実施の形態に係る加工工具をラップ盤
のラップ定盤を修正研磨するために用いる例を説明する
図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る加工工具により、凸
型の面形状を有する被加工物を加工して平面に仕上げる
までの過程を説明する図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る加工工具により、凹
型の面形状を有する被加工物を加工して平面に仕上げる
までの過程を説明する図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る加工工具の別の例を
概略的に示す図である。
【符号の説明】
10、10A 本体 25、26、27、225、226、227 砥石 41A、42A、43A、41B、42B、43B、 41C、42C、43C エアシ
リンダ 50 自在継ぎ手 60 制御回路 61A、61B、61C 圧力制御弁 70 空圧源 102 ラップ定盤(被加工物)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加工物の被加工面と接して摺動する複
    数の摺動部材と、 前記複数の摺動部材それぞれの前記被加工面に対する加
    圧力を独立して制御する加圧力制御手段とを有すること
    を特徴とする加工工具。
  2. 【請求項2】 被加工物の被加工面と接して摺動し、前
    記被加工面との単位摺動量に対して第1の加工量が得ら
    れる第1の摺動部材と、 前記第1の摺動部材に対し、前記被加工物の被加工面の
    法線方向と略平行な方向に相対移動可能に設けられ、前
    記単位摺動量に対して前記第1の加工量よりも大きい第
    2の加工量が得られる第2の摺動部材と、 前記第1の摺動部材および前記第2の摺動部材のうち、
    前記被加工面に加圧されて摺動しているいずれかの部材
    を他の部材に切り換える切換手段とを有することを特徴
    とする加工工具。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の加工工具を用いる加工
    方法であって、 前記被加工面の面精度を計測する手順と、 前記面精度の計測結果に基づき、前記複数の摺動部材そ
    れぞれの加圧力を定める手順とを有することを特徴とす
    る加工方法。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の加工工具を用いる加工
    方法であって、 前記被加工物の面精度を計測する手順と、 前記面精度の計測結果に基づき、前記第1の摺動部材を
    前記被加工面に加圧して加工する際の第1の加工時間を
    定める手順と、 前記面精度の計測結果に基づき、前記第2の摺動部材を
    前記被加工面に加圧して加工する際の第2の加工時間を
    定める手順とを有することを特徴とする加工方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003136395A (ja) * 2001-11-02 2003-05-14 Nikon Corp 研磨装置、研磨方法、半導体デバイス及び半導体デバイス製造方法
WO2007063795A1 (ja) * 2005-11-29 2007-06-07 Unitika Ltd. 樹脂組成物及びそれを成形してなる成形品
JP2013237151A (ja) * 2013-07-30 2013-11-28 Nitta Haas Inc 研磨パッドのコンディショナー

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