JP2000243540A - 面状発熱体およびその製造方法 - Google Patents

面状発熱体およびその製造方法

Info

Publication number
JP2000243540A
JP2000243540A JP4376799A JP4376799A JP2000243540A JP 2000243540 A JP2000243540 A JP 2000243540A JP 4376799 A JP4376799 A JP 4376799A JP 4376799 A JP4376799 A JP 4376799A JP 2000243540 A JP2000243540 A JP 2000243540A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heating element
heat
resin layer
insulating resin
resistant insulating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4376799A
Other languages
English (en)
Inventor
Takayuki Yoshida
高幸 吉田
Isao Kameno
功 亀野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bando Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bando Chemical Industries Ltd filed Critical Bando Chemical Industries Ltd
Priority to JP4376799A priority Critical patent/JP2000243540A/ja
Publication of JP2000243540A publication Critical patent/JP2000243540A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 そり量の少ない面状発熱体およびその面状発
熱体を製造する方法を提供する。 【解決手段】 抵抗発熱体回路層2と、前記抵抗発熱体
回路層2の線膨張係数の差が1.0×10-5cm/cm
/℃以下の線膨張係数を有する耐熱絶縁樹脂層3とを積
層した面状発熱体、および抵抗発熱体回路層2を構成す
る金属箔に、前記耐熱絶縁樹脂の前駆体を塗布し、乾燥
焼成して前記金属箔上に耐熱絶縁樹脂層3を積層し、前
記金属箔を発熱パターンに加工する面状発熱体の製造方
法。なお抵抗発熱体回路層2を構成する金属箔としては
ステンレス鋼箔が適度な発熱をし耐久性に優れていて好
ましく、耐熱絶縁性樹脂層3としては、ポリイミド樹脂
層が、耐熱性絶縁性が優れ、かつ前駆体の取扱いが容易
で好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式を用
いた複写機、プリンタ、FAXなどの定着装置の加熱定
着ローラを加熱する面状発熱体およびこの面状発熱体の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】面状発熱体は、抵抗発熱回路(金属箔)
層と耐熱絶縁樹脂層とを積層した構成である。従来、こ
のような面状発熱体は、金属箔層と耐熱絶縁樹脂層とを
接着剤を用いて、または加熱圧着によって貼合わせて製
造されている。しかしこの方法では完全な貼合わせに手
間がかかり、貼合わせた金属箔層は、エッチングによっ
て所定の回路を得ているが、貼合わせが不完全な場合、
エッチング液が貼合わせ面に浸透し、両層が剥離する恐
れがある。
【0003】このような接着・貼合わせを改良した耐熱
絶縁性樹脂フィルム上に金属を蒸着して金属箔層を形成
するか、または金属箔上に耐熱絶縁性樹脂前駆体液を塗
布し、これを乾燥、焼成して金属箔と耐熱絶縁性樹脂層
を形成し、金属箔層をエッチング処理によって所定の回
路とする方法がある。
【0004】従来の面状発熱体は、耐熱絶縁樹脂層に、
一般のポリイミド樹脂が用いられており、この線膨張係
数は、金属箔、特にステンレス鋼箔(以下、SUS箔と
いう)の線膨張係数よりも相当に大きく、面状発熱体の
製造時の温度(約350℃)と室温との温度差が、また
使用時の温度(約270℃)と不使用時の温度(常温)
との温度差で屈曲収縮し、そり量の少ない面状発熱体が
得られない。特に円筒状の加熱ローラ本体の内面に面状
発熱体を貼付ける構成では、そりのため加熱ローラ本体
から離れた場所と接触した場所とができ、加熱ローラ全
体が均一に加熱されないという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、そり
量の少ない面状発熱体、およびその面状発熱体を製造す
る方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、抵抗発熱回路
層と、前記抵抗発熱回路の回路パターンを保持する耐熱
絶縁樹脂層とを積層した面状発熱体であって、抵抗発熱
回路層と耐熱絶縁樹脂層との線膨張係数の差が1.0×
10-5cm/cm/℃以下であることを特徴とする面状
発熱体である。
【0007】本発明に従えば、抵抗発熱回路層と耐熱絶
縁体樹脂層との線膨張係数の差が1.0×10-5cm/
cm/℃以下であるので、製造時の温度と常温との温度
差で、また使用時の温度と不使用時の温度との温度差で
屈曲収縮が起こらない。この差がないことが理想的であ
るが、前記範囲以下であれば特に問題はない。樹脂類の
線膨張係数は、一般に金属(ステンレス鋼)より大きい
が無機質の熱膨張調整剤を添加することによって、また
は樹脂にポリイミド樹脂を用いるとき組成中に多フェニ
ル構造を入れることによって分子量を大きくして、線膨
張係数を小さくすることが可能である。
【0008】また本発明は、前記抵抗発熱回路層がステ
ンレス鋼箔で構成され、かつ耐熱絶縁樹脂層がポリイミ
ド樹脂で構成されることを特徴とする。
【0009】本発明に従えば、抵抗発熱回路層にSUS
箔が用いられる。SUS箔は適度な電気抵抗を有し、長
期の使用に耐えるので好ましい。また耐熱絶縁樹脂層に
ポリイミド樹脂が用いられる。ポリイミド樹脂は、耐熱
性が350℃程度あり、電気絶縁性に優れ、線膨張係数
の調整が容易であり、その前駆体は溶剤に溶かしてポリ
イミドワニスとして液状で得られ、取扱いが容易であ
る。
【0010】また本発明は、抵抗発熱回路層の線膨張係
数が耐熱絶縁樹脂層の線膨張係数より大きいことを特徴
とする。
【0011】本発明に従えば、温度上昇によって、耐熱
絶縁樹脂層側に凸になるように膨張する。これによって
面状発熱体を加熱ローラ本体内に装着したとき、面状発
熱体が加熱定着ローラ本体内面に接触する状態となる。
【0012】また本発明は、抵抗発熱回路層を構成する
金属箔に、前記金属箔の線膨張係数との差が1.0×1
-5cm/cm/℃以下の線膨張係数を有するように調
整された耐熱絶縁樹脂の前駆体を溶剤で溶かした溶液を
塗布する工程と、前記金属箔に塗布された前記溶液中の
溶剤を乾燥し、焼成して前記耐熱絶縁樹脂層を金属箔上
に形成する工程と、前記金属箔を発熱パターンに加工す
る工程とを含む面状発熱体の製造方法である。
【0013】本発明に従えば、抵抗発熱回路層を構成す
る金属箔上に前記金属箔の線膨張係数との差が1.0×
10-5cm/cm/℃以下の線膨張係数を有する耐熱絶
縁性樹脂の前駆体を溶剤に溶かした溶液が塗布され、こ
の溶剤が乾燥され、前駆体が焼成することによって、金
属箔上に前記性状の電気絶縁性樹脂層が形成される。こ
れによって金属箔と耐熱絶縁性樹脂層を貼合わすという
手間のかかる工程がなく、積層された両層はそり量が少
なく接着が完全に行われる。
【0014】また本発明は、ブレードを有するポリイミ
ドワニス液溜め中に帯状ステンレス鋼箔を導入して、帯
状ステンレス鋼箔上に一定膜厚のポリイミドワニス液を
塗布し、前記帯状ステンレス鋼箔を乾燥室および焼成室
に導入して、帯状ステンレス鋼箔上に一定の層厚のポリ
イミド樹脂層を積層し、前記帯状ステンレス鋼箔を所定
の長さに切断し、所定の長さに切断されたステンレス鋼
箔とポリイミド樹脂層の積層体のステンレス鋼箔上に、
エッチングレジストによって回路パターンを保護印刷
し、エッチング液によってエッチングすることを特徴と
する。
【0015】本発明に従えば、SUS箔上に自動で連続
的にポリイミド樹脂層が形成され、これを所定の長さに
切断して、エッチングするという簡単な工程で面状発熱
体が得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の第1の形
態の面状発熱体1の平面図であり、図2はその切断線I
I−IIによる断面図である。面状発熱体1は、たとえ
ばステンレス鋼SUS304の厚さ30μmの箔から構
成される抵抗発熱回路層2と、厚さ25μmのポリイミ
ド樹脂から構成される耐熱絶縁樹脂層3とから成り、さ
らに抵抗発熱回路層2は、両端にある受電部4と中央部
の発熱回路5とに分かれ、受電部4から電力が供給され
ると発熱回路5に電流が流れ、その電気抵抗によって面
状発熱体1全体が加熱される。耐熱絶縁樹脂層3には、
350℃程度に繰返し加熱されても変質しないポリイミ
ド樹脂が用いられる。またポリイミド樹脂の線膨張係数
は、SUS304の線膨張係数(1.8×10-5cm/
cm/℃)との差が1.0×10-5cm/cm/℃以
下、具体的には(0.8〜2.8)×10-5cm/cm
/℃に球状溶融シリカなどの無機質の熱膨張調整剤を添
加することによって、および/またはポリイミド樹脂の
組成中に多フェニル構造を入れることによって分子量を
大きくして調整される。これによって面状発熱体は屈曲
収縮が起こらず、そり量が少ない。
【0017】ポリイミド樹脂は、次の一般式(化1)で
示される。
【0018】
【化1】
【0019】耐熱性のあるポリイミドとして、Rがビフ
ェニル構造のものが用いられているが、このものは線膨
張係数が3〜5×10-5cm/cm/℃と大きい。これ
に対しRが多フェニル構造のもの
【0020】
【化2】
【0021】は、線膨張係数が3〜5×10-6cm/c
m/℃と小さい。したがって、Rがビフェニル構造のも
のと多フェニル構造のものを適宜混合し、さらに必要が
あれば、球状溶融シリカなどの無機充填剤を加えて、前
記線膨張係数の範囲のものを得る。
【0022】図3は、本発明の実施の一形態のSUS箔
上にポリイミド樹脂層を積層する装置10の概略の断面
図である。厚さ30μm、幅300mmのSUS箔12
は、巻出しローラ11に帯状に巻取られている。SUS
箔12の一端は引出され、バックアップローラ13、乾
燥炉14、焼成炉15、テンションローラ16を経て巻
取りローラ17に巻取られる。SUS箔12の材料とし
てはSUS304が適している。
【0023】バックアップローラ13の上側には、ポリ
イミドワニス液溜め18が設けられ、液溜め18のSU
S箔12の出口には、ブレード式またはナイフ式のコー
タ19が設けられる。バックアップローラ13とコータ
19との間隔はSUS箔12上に塗布されるポリイミド
ワニス液の厚さによって調整されるが、0.3〜0.5
mmが好ましい。ポリイミドワニス液は、多フェニル構
造をもつポリイミド樹脂の前駆体とアミック酸、必要に
よって熱膨張調整剤とを約10倍量の溶媒N−メチルピ
ロリドンに溶解し、液状としたものである。20〜30
μmのポリイミド樹脂層をSUS箔12上に得るには、
ポリイミドワニス液を200〜300μmに塗布する必
要があり、このためにSUS箔の引出し速度は0.1〜
5m/minが最適である。引出し速度を大きくするた
めには、バックアップローラ13とコータ19との間隔
を大きくすればよいが、引出し速度が5m/min以上
ではワニス液中の気泡が擦抜け、樹脂膜3に気泡跡が残
り好ましくない。
【0024】SUS箔12上に塗布されたポリイミドワ
ニス液は、乾燥炉で約80℃の熱風と赤外線によって加
熱乾燥される。赤外線は、ポリイミドワニス液層全体を
加熱するので、ワニス液表面の溶媒が蒸発し表面が固化
するのを防ぐ。熱風は、溶媒蒸気を外部に排出するもの
で、ワニス液表面に直接当てない。焼成炉15では、赤
外線によって表面温度を350℃に加熱し、イミド単量
体を線膨張調整剤とともに樹脂化する。乾燥炉14およ
び焼成炉15内の滞留時間は8〜12分が好ましく、こ
のため乾燥炉14および焼成炉15の引出す方向の長さ
は約1mとされる。
【0025】焼成が終わりポリイミド樹脂層3が積層さ
れたSUS箔12は、常温まで冷却され、巻取りローラ
17に巻取られる。巻取られたSUS箔12は一定の長
さ、たとえば500mmに切断され、同時に5〜7枚の
発熱回路パターンが加工される。図4は、発熱回路パタ
ーンの加工工程を示す断面図である。図4(1)は、ポ
リイミド樹脂層3とSUS箔12とが積層された状態の
断面図である。SUS箔12上に回路パターンがエッチ
ングレジスト20によってスクリーン印刷、焼成され、
エッチングレジスト20がSUS箔12上に積層され
(図4(2))、エッチング液(塩化第2鉄溶液)でエ
ッチングレジスト20が印刷されていない部分がエッチ
ングされる。エッチング液温が42℃の場合エッチング
時間は約10分である(図4(3))。最後に水酸化ナ
トリウム溶液によってエッチングレジスト20を除去
(図4(4))して、発熱回路5がポリイミド樹脂層3
上に構成される。なお受電部4上にもエッチングレジス
ト20が印刷される。
【0026】図5は、本発明の実施の第2の形態の面状
発熱体30の平面図である。本面状発熱体30は、一方
の端部にのみ受電部31,32,33が設けられてお
り、受電部31から電流が面状発熱体30の両端部W2
の抵抗発熱回路36,37に、また受電部33から中央
部W1の抵抗発熱回路35にそれぞれ流れ、さらにこれ
らの発熱回路35,36,37から共通の受電部32へ
流れる。これによって面状発熱体30の中央部W1だ
け、面状発熱体全体(W1+W2)に分けて加熱するこ
とができる。なお本形態の面状発熱体30も、SUS箔
12上に、ポリイミド樹脂層3を積層する方法は先の形
態と同じであり、回路パターンの形状が異なるのでそれ
に合わせて、SUS箔12をエッチングすればよい。
【0027】図6は、本発明の実施の第1の形態の面状
発熱体1を用いた定着装置41の断面図である。定着装
置41は、加熱定着ローラ51と加圧ローラ42とから
構成され、2つのローラ42,51の間に紙などのトナ
ー支持体を通過させ、トナーによって形成された像を加
熱定着する。2つのローラ42,51は絶縁性の2つに
分割できるケース43a,43bによって覆われてい
る。加圧ローラ42は、軸44によって図示しない駆動
手段によって回転駆動される。軸44は、端部を軸受4
5,46によって支持される。
【0028】加熱定着ローラ51は、金属パイプ52と
その内面に圧接された本発明の面状発熱体1とから構成
される。面状発熱体1を金属パイプ52に圧接するため
に、その内部には、弾性体、たとえば螺線ばね54が設
けられる。加熱定着ローラ21は、端部が外面から、加
圧ローラ41と共用される軸受45,46によって支持
される。一方の軸受45の外方には、駆動歯車47が設
けられ、図示しない駆動手段から伝達歯車48を介して
回転駆動される。面状発熱体1は、耐熱絶縁樹脂層3を
外面にして丸めて円筒状にされ金属パイプ52内に挿入
される。このため平面状に形成されることが必要であ
り、屈曲収縮したものは円筒状に丸め難い。
【0029】線膨張係数の異なるポリイミド樹脂3とS
US箔12とを積層して面状発熱体を前記方法で製造し
たとき、そのそり量は表1に示す通りであった。
【0030】
【表1】
【0031】(注)SUS箔は、日新製鋼製SUS40
3 ポリイミドAは、ユニチカ製U−イミドA(商品名) ポリイミドBは、I.S.T製RC−5057(商品名) ポリイミドCは、ユニチカ製U−イミドB(商品名) そり量は、幅100mmの積層体を前記方法で製造した ときのその高さ、ポリイミド側凹を正、凸を負で表す。
【0032】本発明者らの実験によれば、前記そり量が
15mmを超えると、丸めて加熱定着ローラ51に内装
するのが困難であった。なおそり量が負である場合、実
装着方向の屈曲であるため、これが正のものより装着は
容易であった。
【0033】次にこの面状発熱体1に電力を供給する給
電部55の構成を説明する。給電部55は、ケース43
bの外部に突出した接続端子57と、弾性導体、たとえ
ば燐青銅で構成され、金属パイプ52の内面に圧着され
る接触片56と、面状発熱体1の集電部4に密着する円
筒状のキャップ53とから成る。図6の部分拡大図に示
すように接触片56には銀接点59が設けられている。
【0034】図7は、本発明の実施の第2の形態の面状
発熱体30を用いた加熱定着ローラ60の断面図であ
る。本実施の形態の面状発熱体30は、一方の端部に3
分割された集電部分31,32,33があるため、第1
の形態の加熱定着ローラ51とは給電部61の構成が異
なるが、その他の構成は、第1の形態と同様である。ま
た給電部61が加熱定着ローラ60の一方の端部にのみ
設けられ、他方の端部には駆動用歯車62が設けられ
る。さらに使用する紙の大きさに従って、面状発熱体3
0の中央部W1のみの加熱と、全体(W1+W2)の加
熱とができ、小さい紙(たとえばA4版)を使用すると
き、電力を無駄に使わず両端部W2が過熱されるのを防
げる。
【0035】図8は、加熱定着ローラ60の一方の端部
の側面図であり、図9は給電部61の断面図であり、図
10は図9の切断線X−Xによる断面図である。これら
の図と後述する図11とを参照にして給電部61の概略
の構成を説明する。図示しないケースには絶縁性の取付
部材63が設けられ、これに3つの接続端子64a,6
4b,64c(総称するときは64)が取付けられ、こ
こから電力が供給される。接続端子64の加熱定着ロー
ラ60側には、弾性導体で構成され、金属パイプ52の
一方の端面に圧着される接触片65a,65b,65c
(総称するときは65)が設けられる。金属パイプ52
の一方の端部には、円筒状の第1保持部材71が挿入さ
れ、セットボルト70で金属パイプ52に固定される。
【0036】図11は、第1保持部材71の分解斜視図
である。第1保持部材71は、絶縁性樹脂に導体である
金属片が埋込まれた構成であり、一方の端面74には、
円板状の中央集電片67aと環状の内環集電片67b、
外環集電片67c(総称するときは集電片67)とが、
金属パイプ52の軸線75と同心状に形成される。各集
電片67には軸線75に平行に金属パイプ52の内方に
延びる脚部68a,68b,68c(総称するときは6
8)が絶縁性樹脂を貫通して形成され、第1保持部材7
1の他方端面76に達している。たとえば中央集電片6
7aに形成される脚部68aは、2つ設けられ、内環集
電片67b,外環集電片67cに形成される脚部68
b,68cは、3つ設けられる。脚部68の先端は、各
々連絡片69a,69b,69c(総称するときは6
9)に接触する。連絡片69は、金属パイプ52の内面
方向に延び、垂直に屈曲して面状発熱体30の集電部3
1,32,33にそれぞれ接触する。脚部68の先端に
は、内方にわずかに屈曲した屈曲部78a,78b,7
8cが形成され、これが連絡片69の嵌合凹所79aお
よび嵌合孔79b,79cに嵌合し、脚部68と連絡片
69との接触を完全なものにしている。これによって外
部電源からの電力は、接続端子64から接触片65、銀
接点66を介して、中央集電片67a,内環集電片67
b,外環集電片67cに供給され、さらに脚部68と連
絡片69とを介して集電部31〜33から抵抗発熱回路
35〜38に供給され、抵抗発熱回路35〜38を発熱
させる。なお金属パイプ52の他方の端部には、面状発
熱体30を固定するため合成樹脂で構成された第2保持
部材72が挿入され、セットボルト70で金属パイプ5
2に固定される。
【0037】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載の本発明に
よれば、抵抗発熱回路層と耐熱絶縁樹脂層との線膨張係
数の差が1.0×10-5cm/cm/℃以下にされるの
で、両者を積層した場合、そり量が15mm以下にで
き、丸めて加熱定着ローラに容易に内装できる。
【0038】また請求項2に記載の本発明によれば、S
US箔は適度な電気抵抗を有し、長期の使用に耐える。
またポリイミド樹脂は耐熱温度が350℃と高く、電気
絶縁性に優れ、その前駆体はポリイミドワニスとして液
状であり、SUS箔上に塗布するのが容易である。
【0039】また請求項3に記載の本発明によれば、加
熱時に耐熱絶縁層側に凸になるように膨張する。これに
よって加熱定着ローラに内装したとき、その内面により
よく接触する状態となる。
【0040】また請求項4に記載の本発明によれば、抵
抗発熱回路層を構成する金属箔と耐熱絶縁樹脂層との接
着が完全に行われる。
【0041】また請求項5に記載の本発明によれば、自
動で連続的に帯状SUS箔上にポリイミド樹脂層が形成
され、これを所定の長さに切断して、エッチングすると
いう簡単な工程で面状発熱体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1の形態の面状発熱体1の平
面図である。
【図2】図1の切断線II−IIによる断面図である。
【図3】SUS箔上にポリイミド樹脂層を積層する装置
10の断面図である。
【図4】SUS箔12とポリイミド樹脂層3との積層体
から面状発熱体1を製造する工程を示す断面図である。
【図5】本発明の実施の第2の形態の面状発熱体30の
平面図である。
【図6】本発明の実施の第1の形態の面状発熱体1を用
いた定着装置の断面図である。
【図7】本発明の実施の第2の形態の面状発熱体30を
用いた加熱定着ローラ60の断面図である。
【図8】加熱定着ローラ60の一方の端部の側面図であ
る。
【図9】給電部の断面図である。
【図10】図9の切断線X−Xによる断面図である。
【図11】第1保持部材71の分解斜視図である。
【符号の説明】
1,30 面状発熱体 2 抵抗発熱回路層 3,38 耐熱絶縁樹脂層(ポリイミド樹脂層) 4,31,32,33 集電部 5,35,36,37 発熱回路 12 SUS箔 41 定着装置 42 加圧ローラ 51,60 加熱定着ローラ 52 金属パイプ 54 弾性体 55,61 給電部 71,72 保持部材
フロントページの続き Fターム(参考) 2H033 BB19 BB26 3K034 AA02 AA15 AA22 AA33 AA34 BB08 BB13 BC01 BC04 BC12 CA32 GA02 GA10 HA01 HA10 JA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抵抗発熱回路層と、前記抵抗発熱回路の
    回路パターンを保持する耐熱絶縁樹脂層とを積層した面
    状発熱体であって、 抵抗発熱回路層と耐熱絶縁樹脂層との線膨張係数の差が
    1.0×10-5cm/cm/℃以下であることを特徴と
    する面状発熱体。
  2. 【請求項2】 前記抵抗発熱回路層がステンレス鋼箔で
    構成され、かつ耐熱絶縁樹脂層がポリイミド樹脂で構成
    されることを特徴とする請求項1記載の面状発熱体。
  3. 【請求項3】 抵抗発熱回路層の線膨張係数が耐熱絶縁
    樹脂層の線膨張係数より大きいことを特徴とする請求項
    1記載の面状発熱体。
  4. 【請求項4】 抵抗発熱回路層を構成する金属箔に、前
    記金属箔の線膨張係数との差が1.0×10-5cm/c
    m/℃以下の線膨張係数を有するように調整された耐熱
    絶縁樹脂の前駆体を溶剤で溶かした溶液を塗布する工程
    と、 前記金属箔に塗布された前記溶液中の溶剤を乾燥し、焼
    成して前記耐熱絶縁樹脂層を金属箔上に形成する工程
    と、 前記金属箔を発熱パターンに加工する工程とを含む面状
    発熱体の製造方法。
  5. 【請求項5】 ブレードを有するポリイミドワニス液溜
    め中に帯状ステンレス鋼箔を導入して、帯状ステンレス
    鋼箔上に一定膜厚のポリイミドワニス液を塗布し、 前記帯状ステンレス鋼箔を乾燥室および焼成室に導入し
    て、帯状ステンレス鋼箔上に一定の層厚のポリイミド樹
    脂層を積層し、 前記帯状ステンレス鋼箔を所定の長さに切断し、 所定の長さに切断されたステンレス鋼箔とポリイミド樹
    脂層の積層体のステンレス鋼箔上に、エッチングレジス
    トによって回路パターンを保護印刷し、エッチング液に
    よってエッチングすることを特徴とする請求項4記載の
    面状発熱体の製造方法。
JP4376799A 1999-02-22 1999-02-22 面状発熱体およびその製造方法 Pending JP2000243540A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4376799A JP2000243540A (ja) 1999-02-22 1999-02-22 面状発熱体およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4376799A JP2000243540A (ja) 1999-02-22 1999-02-22 面状発熱体およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000243540A true JP2000243540A (ja) 2000-09-08

Family

ID=12672914

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4376799A Pending JP2000243540A (ja) 1999-02-22 1999-02-22 面状発熱体およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000243540A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010003487A (ja) * 2008-06-19 2010-01-07 Chugoku Kogyo Co Ltd 長尺帯状抵抗発熱体および面状ヒーター
JP2010217362A (ja) * 2009-03-16 2010-09-30 Murata Machinery Ltd ヒートローラの製造方法、及び該製造方法によって製造されたヒートローラを備えた定着装置
KR101564685B1 (ko) * 2013-03-08 2015-11-02 조병석 소형 온열치료기

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010003487A (ja) * 2008-06-19 2010-01-07 Chugoku Kogyo Co Ltd 長尺帯状抵抗発熱体および面状ヒーター
JP2010217362A (ja) * 2009-03-16 2010-09-30 Murata Machinery Ltd ヒートローラの製造方法、及び該製造方法によって製造されたヒートローラを備えた定着装置
KR101564685B1 (ko) * 2013-03-08 2015-11-02 조병석 소형 온열치료기

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3373973B2 (ja) 定着用加熱ローラ
EP2701460B1 (en) Spiral tube-like heater
US6958645B2 (en) Belt type fixing device
JPH08194401A (ja) 定着用加熱ローラ
JPH09319246A (ja) 定着用加熱ローラ
WO2003102699A1 (fr) Rouleau chauffant
JP2000243540A (ja) 面状発熱体およびその製造方法
JPH10142991A (ja) 定着用加熱ローラ
US7263324B2 (en) Heat roller, fixing apparatus
US6940045B2 (en) Heat roller and method of fabricating the same
JP2006344532A (ja) 加熱ロール
JPH10301417A (ja) 定着装置
JP2000223244A (ja) 加熱体及び定着装置
CN111308872A (zh) 定影辊、定影装置、定影辊的制作方法
JP2000065042A (ja) 発熱ローラ及びその製造方法
JPH07201455A (ja) セラミックヒータ
JPH10213983A (ja) 加熱定着ローラ
CN211786601U (zh) 定影辊、定影装置
JPH08305197A (ja) 定着用加熱ローラ
JPH08292674A (ja) 加熱ローラの製造方法
JPH08314309A (ja) 定着用加熱ローラ
JPH07271239A (ja) トナー定着用ヒートローラ
JP2000181260A (ja) 加熱ローラ
JPH09197878A (ja) 定着用ヒートローラ
KR101038216B1 (ko) 발열 정착 롤러