JP2000243384A - ポリマーリチウム二次電池用正極素材の製造方法 - Google Patents

ポリマーリチウム二次電池用正極素材の製造方法

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JP2000243384A
JP2000243384A JP11042689A JP4268999A JP2000243384A JP 2000243384 A JP2000243384 A JP 2000243384A JP 11042689 A JP11042689 A JP 11042689A JP 4268999 A JP4268999 A JP 4268999A JP 2000243384 A JP2000243384 A JP 2000243384A
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positive electrode
polymer
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secondary battery
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Katsuya Kumagai
勝哉 熊谷
Hideki Kaido
英樹 海藤
Aiichiro Fujiwara
愛一郎 藤原
Koji Kano
幸司 加納
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Toshiba Battery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ペーストを集電体あるいは製膜用シートに長
期間に亘り均一に塗布することができ、量産性が向上さ
れたポリマーリチウム二次電池用正極素材の製造方法を
提供することを目的とする。 【解決手段】 活物質及び非水電解液を保持する機能を
有するポリマーを含む非水電解液未含浸の正極層が集電
体に担持された構造のポリマーリチウム二次電池用正極
素材の製造方法において、前記活物質及び前記ポリマー
を含むペーストを集電体あるいは製膜用シートに塗布す
るための塗工手段に前記ペーストを攪拌しながら供給す
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリマーリチウム
二次電池用正極素材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の発達にともない、小型
で軽量、かつエネルギー密度が高く、更に繰り返し充放
電が可能な非水電解液二次電池の開発が要望されてい
る。このような二次電池としては、リチウムまたはリチ
ウム合金を活物質とする負極と、モリブデン、バナジウ
ム、チタンあるいはニオブなどの酸化物、硫化物もしく
はセレン化物を活物質として含む正極と、非水電解液と
を具備したリチウム二次電池が知られている。
【0003】また、最近では負極に例えばコークス、黒
鉛、炭素繊維、樹脂焼成体、熱分解気相炭素のようなリ
チウムイオンを吸蔵放出する炭素質材料を含むものを用
い、正極としてリチウムコバルト酸化物やリチウムマン
ガン酸化物を含むものを用いるリチウムイオン二次電池
の開発、商品化が活発に行われている。
【0004】ところで、二次電池のさらなる軽量化及び
小型化を目的として、例えば米国特許公報第5,29
6,318号に開示されているように、ポリマーリチウ
ム二次電池が開発されている。ポリマーリチウム二次電
池は、例えば、以下に説明する方法で製造される。すな
わち、活物質、可塑剤及び非水電解液を保持する機能を
有するポリマーを含む非水電解液未含浸の正極層が集電
体に担持された構造の正極素材と、活物質、可塑剤及び
非水電解液を保持する機能を有するポリマーを含む非水
電解液未含浸の負極層が集電体に担持された構造の負極
素材との間に、可塑剤及び非水電解液を保持する機能を
有するポリマーを含む非水電解液未含浸の電解質層素材
を配置し、これらを一体化し、非水電解液未含浸の発電
要素を作製する。次いで、前記発電要素から前記可塑剤
を除去し、非水電解液を含浸させた後、例えば水分に対
してバリア機能を有するフィルム材料からなる外装材で
密封することによりポリマーリチウム二次電池を得る。
このポリマーリチウム二次電池は、非水電解液がポリマ
ーに保持されていることから実質的に液体成分を含ま
ず、かつ正負極及び電解質層が一体化されているため、
外装材にフィルム材料のような簡易なものを用いること
ができる。このため、前記二次電池は、薄形、軽量で、
かつ安全性に優れるという特長を有する。
【0005】ところで、前記正極素材は、活物質、可塑
剤及び非水電解液を保持する機能を有するポリマーを有
機溶媒の存在下で混練することによりペーストを調製
し、前記ペーストを集電体に塗布することにより作製さ
れるか、あるいは前記ペーストを製膜して非水電解液未
含浸の正極層を形成し、前記正極層を集電体に加熱融着
することにより作製される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな方法によると、塗布・製膜工程の待機中に前記ペー
ストの粘度が上昇してゲル化し、均一な厚さに塗布する
ことができないという問題点を生じる。正極層の厚さが
不均一であると、充放電反応が発電要素において不均一
に生じるため、サイクル寿命のような電池特性が低下す
る。ペーストのゲル化は、二次電池の高容量化を図るた
めにペースト中の活物質量を多くすると顕著に生じる。
また、ペースト調製後、ゲル化する前に直ちに塗布・製
膜を行う方法も考えられるものの、このような方法は量
産性に劣る。
【0007】本発明は、ペーストを集電体あるいは製膜
用シートに長期間に亘り均一に塗布することができ、量
産性が向上されたポリマーリチウム二次電池用正極素材
の製造方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係るポリマーリ
チウム二次電池用正極素材の製造方法は、活物質及び非
水電解液を保持する機能を有するポリマーを含む非水電
解液未含浸の正極層が集電体に担持された構造のポリマ
ーリチウム二次電池用正極素材の製造方法において、前
記活物質及び前記ポリマーを含むペーストを集電体ある
いは製膜用シートに塗布するための塗工手段に前記ペー
ストを攪拌しながら供給することを特徴とするものであ
る。
【0009】本発明に係るポリマーリチウム二次電池用
正極素材の製造方法は、活物質及び非水電解液を保持す
る機能を有するポリマーを含む非水電解液未含浸の正極
層が集電体に担持された構造のポリマーリチウム二次電
池用正極素材の製造方法において、前記活物質及び前記
ポリマーを含むペーストを調製する工程と、前記ペース
トを攪拌しながらペースト収容容器に供給する工程と、
前記容器内のペーストを前記集電体あるいは製膜用シー
トに付着させ、前記ペーストが付着された集電体あるい
は製膜用シートをスリットに通過させることにより前記
ペーストを集電体あるいは製膜用シートに塗布する工程
とを具備することを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】まず、本発明に係る方法で製造さ
れる正極素材が用いられるポリマーリチウム二次電池を
図1を参照して説明する。
【0011】すなわち、ポリマーリチウム二次電池は、
正極1と、負極2と、前記正極1及び前記負極2の間に
配置される電解質層3とが一体化されたものを主体とす
る発電要素を備える。前記正極1は、多孔質集電体4
と、前記集電体4の両面に接着された正極層5とからな
る。一方、前記負極2は、多孔質集電体6と、前記集電
体6の両面に接着された負極層7とからなる。帯状の正
極端子8は、前記各正極1の集電体4を帯状に延出した
ものである。一方、帯状の負極端子9は、前記負極2の
集電体6を帯状に延出したものである。例えば帯状アル
ミニウム板からなる正極リード10は、前記2つの正極
端子8と接続されている。例えば帯状銅板からなる負極
リード(図示しない)は、前記負極端子9と接続されて
いる。このような構成の発電要素は、水分に対してバリ
ア機能を有する外装材11内に前記正極リード10及び
前記負極リードが前記外装材11から延出した状態で密
封されている。
【0012】この二次電池は、以下に説明する方法によ
り製造される。
【0013】(第1工程)正極素材、負極素材及び電解
質層素材を作製する。
【0014】<正極素材>この正極素材は、活物質及び
非水電解液を保持する機能を有するポリマーを含む非水
電解液未含浸の正極層が多孔質集電体に担持された構造
を有する。
【0015】以下に正極素材の作製方法を説明する。
【0016】(1)活物質、非水電解液を保持する機能
を有するポリマー及び可塑剤からなる正極材料を溶媒中
で混合することによりペーストを調製する。
【0017】前記活物質としては、種々の酸化物(例え
ばLiMn2 4 などのリチウムマンガン複合酸化物、
二酸化マンガン、例えばLiNiO2 などのリチウム含
有ニッケル酸化物、例えばLiCoO2 などのリチウム
含有コバルト酸化物、リチウム含有ニッケルコバルト酸
化物、リチウムを含む非晶質五酸化バナジウムなど)
や、カルコゲン化合物(例えば、二硫化チタン、二硫化
モリブテンなど)等を挙げることができる。中でも、リ
チウムマンガン複合酸化物、リチウム含有コバルト酸化
物、リチウム含有ニッケル酸化物を用いるのが好まし
い。
【0018】前記ポリマーは、非水電解液を保持する機
能の他に結着機能を有していることが望ましい。かかる
ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキサイド誘
導体、ポリプロピレンオキサイド誘導体、前記誘導体を
含むポリマー、ポリテトラフルオロプロピレン、ビニリ
デンフロライド(VdF)とヘキサフルオロプロピレン
(HFP)との共重合体、ポリビニリデンフロライド
(PVdF)等を用いることができる。中でも、VdF
―HFP共重合体が好ましい。
【0019】前記可塑剤としては、例えば、ジブチルフ
タレート(DBP)やジオクチルフタレート(DOP)
のようなフタル酸系、トリクレジルホスフェート(TC
P)やトリオクチルホスフェート(TOP)のような燐
酸系等を挙げることができる。特に、溶媒抽出で除去さ
れやすく、かつ発電要素への非水電解液の含浸が容易に
なることからフタル酸系が好ましい。
【0020】正極の導電性を向上させる観点から前記正
極材料に導電性材料を添加しても良い。前記導電性材料
としては、例えば、人造黒鉛、カーボンブラック(例え
ば、アセチレンブラック、ファーネスブラック、ケッチ
ェンブラックなど)、ニッケル粉末等を挙げることがで
きる。
【0021】前記溶媒としては、前記ポリマーの溶解度
が高い有機溶媒が好ましい。具体的には、アセトン、メ
チルエチルケトンなどのケトン類、N−メチルピロリド
ンなどのアミド類等を挙げることができる。特に、沸点
や乾燥温度の点からアセトン、N−メチルピロリドンが
好ましい。
【0022】前記活物質の配合量は、35〜46重量%
の範囲にすることが好ましい。これは次のような理由に
よるものである。配合量を35重量%未満にすると、高
い正極容量を得られなくなる恐れがある。一方、配合量
が46重量%を超えると、塗布中にペースト粘度が上昇
するのを十分に抑制することが困難になる恐れがある。
配合量のより好ましい範囲は、38〜44重量%であ
る。
【0023】前記活物質の配合量を35〜46重量%の
範囲にする際、前記溶媒の配合量は35〜55重量%の
範囲にすることが望ましい。これは次のような理由によ
るものである。前記溶媒の配合量を35重量%未満にす
ると、塗布中にペースト粘度が上昇するのを十分に抑制
することが困難になる恐れがある。一方、前記溶媒の配
合量が55重量%を超えると、ペーストの粘度が低くな
るため、塗布の際にペーストがだれてしまい、ペースト
を均一に塗布することが困難になる恐れがある。配合量
のより好ましい範囲は、40〜50重量%である。
【0024】製造コストの削減を図る観点から、前記ペ
ーストの調製は空気中で行うことが望ましい。空気中で
行う場合、湿度(相対湿度)は、60%以下にすること
が好ましい。湿度が60%を超えると、塗布中にペース
ト粘度が上昇するのを十分に抑制することが困難になる
恐れがある。
【0025】前記ペーストを調製する際、正極材料の一
部が凝集し、ペースト中に凝集物が含まれることがあ
る。このようなペーストを用いた正極素材から作製され
たポリマーリチウム二次電池は、反応不良を生じること
がある。このため、前記ペーストは、前記凝集物を除去
するための濾過処理が施されていることが望ましい。
【0026】(2) まず、この工程で用いる塗工装置
を説明する。図2に示すように、ペースト貯蔵タンク1
2内には、前述した(1)の工程で調製されたペースト
13が収容されている。例えば攪拌羽根からなる攪拌機
14は、前記貯蔵タンク12内に配置されている。ポン
プ15は、前記貯蔵タンク12に接続されている。塗工
手段としてのナイフコーターは、バックロール17との
ギャップ調整可能な上下制御のドクターブレード18を
有する。巻きだし側及び巻き取り側に数個のフリーロー
ラを介し、走行を安定させ、巻き取り側駆動部で走行速
度を調整するペースト収容容器16は、前記バックロー
ル17の手前にバックロール17と近接するように配置
されている。前記ドクターブレード18は、前記バック
ロール17の上方に配置されている。前記ドクターブレ
ード18と前記バックロール17間の距離を変えること
により帯状基材22に塗布されるペーストの厚さを調節
することができる。また、この塗布装置は、バックロー
ル17と巻き取り側フリーローラ20との間に乾燥機
(ドライヤーゾーン23)を具備している。ペーストが
塗布された帯状基材22が前記ドライヤーゾーン23を
通過すると、塗布されたペースト中の溶剤は除去され、
乾燥膜を得ることができる。
【0027】このような装置において、攪拌羽根14を
回転させることによりペースト貯蔵タンク12内に収容
されたペースト13を攪拌する。一方、例えば多孔質集
電体からなる帯状基材22を巻きだし側ローラ19から
バックロール17を介し巻き取り側に搬送する。攪拌羽
根14による攪拌を続行させながらタンク12内のペー
ストをポンプ15を用いてペースト収容容器17内に供
給する。帯状基材22がバックロール17まで搬送され
ると、前記帯状基材22に前記ペースト13が付着す
る。前記ペースト13が付着した帯状基材22がバック
ロール17とドクターブレード18とにより形成された
スリットを通過すると、前記帯状基材22にペースト1
3が所望の厚さで塗布される。ペースト13が所望厚さ
に塗布された帯状基材22は、巻き取り側フリーローラ
20に到達するまでの間にドライヤーゾーン23におい
て乾燥される。
【0028】前記多孔質集電体には、例えば、アルミニ
ウムまたはアルミニウム合金からなるメッシュ、エキス
パンドメタル、パンチドメタル等を用いることができ
る。前記多孔質集電体は、ペーストとの密着性を向上さ
せるため、予めアンカー処理が施されていてもよい。
【0029】製造コストの削減を図る観点から、前記塗
布工程は空気中で行うことが望ましい。空気中で行う場
合、湿度(相対湿度)は、前述した(1)工程で説明し
たのと同様な理由により60%以下にすることが好まし
い。
【0030】(3)前記ペーストが塗布された多孔質集
電体を加熱ローラプレスなどで加熱加圧を施すことによ
り前記正極素材を得る。
【0031】前述した方法では、帯状基材として多孔質
集電体を用いたが、帯状基材としてポリエチレンテレフ
タレート(PET)シートのような製膜用シートを用い
ても良い。この場合、前記製膜用シートに前述した塗工
装置を用いてペーストを塗布し、乾燥した後、得られた
非水電解液未含浸の正極層を前記製膜用シートから剥が
し、前記正極層を多孔質集電体の両面に配置し、これら
に加熱ローラプレスなどの加熱加圧を施すことにより加
熱融着させ、前記正極素材を得る。前記多孔質集電体
は、正極層との密着性を向上させるため、予めアンカー
処理が施されていてもよい。
【0032】<負極素材>負極素材は、活物質、非水電
解液を保持する機能を有するポリマー及び可塑剤を含む
非水電解液未含浸の負極層が多孔質集電体に担持された
構造を有する。
【0033】前記活物質としては、リチウムイオンを吸
蔵・放出する炭素質材料を挙げることができる。かかる
炭素質材料としては、例えば、有機高分子化合物(例え
ば、フェノール樹脂、ポリアクリロニトリル、セルロー
ス等)を焼成することにより得られるもの、コークス
や、メソフェーズピッチを焼成することにより得られる
もの、人造グラファイト、天然グラファイト等に代表さ
れる炭素質材料を挙げることができる。中でも、アルゴ
ンガスや窒素ガスのような不活性ガス雰囲気において、
500℃〜3000℃の温度で、常圧または減圧下にて
前記メソフェーズピッチを焼成して得られる炭素質材料
を用いるのが好ましい。
【0034】前記ポリマーは、非水電解液を保持する機
能の他に結着機能を有していることが望ましい。かかる
ポリマーとしては、前述した正極素材で説明したものと
同様な種類のポリマーを用いることができる。
【0035】前記可塑剤としては、前述した正極素材で
説明したものと同様なものを用いることができる。
【0036】前記多孔質集電体には、例えば、銅または
銅合金からなるメッシュ、エキスパンドメタル、パンチ
ドメタル等を用いることができる。
【0037】<電解質層素材>電解質層素材は、非水電
解液を保持する機能を有するポリマー、可塑剤及び補強
材を含み、非水電解液未含浸のシートである。
【0038】前記ポリマーは、非水電解液を保持する機
能の他に結着機能を有していることが望ましい。かかる
ポリマーとしては、前述した正極素材で説明したものと
同様な種類のポリマーを用いることができる。
【0039】前記可塑剤としては、前述した正極素材で
説明したものと同様なものが用いられる。
【0040】前記補強材としては、例えば、シリカ、ア
ルミナ等の粉末を用いることができる。かかる粉末は、
繊維状のものを包含する。
【0041】(第2工程)負極素材の両面に電解質層素
材を積層した後、前記各電解質層素材に正極素材を積層
し、積層物を作製する。得られた積層物を加熱融着によ
り一体化する。
【0042】(第3工程)前記積層物から前記可塑剤を
例えば溶媒抽出により除去した後、非水電解液を含浸さ
せ、外装材で密封することによりポリマーリチウム二次
電池が得られる。
【0043】前記非水電解液は、非水溶媒に電解質を溶
解することにより調製される。
【0044】前記非水溶媒としては、エチレンカーボネ
ート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチ
レンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(D
MC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチ
ルカーボネート(EMC)、γ−ブチロラクトン(γ−
BL)、スルホラン、アセトニトリル、1,2−ジメト
キシエタン、1,3−ジメトキシプロパン、ジメチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテ
トラヒドロフラン等を挙げることができる。前記非水溶
媒は、単独で使用しても、2種以上混合して使用しても
良い。
【0045】前記電解質としては、例えば、過塩素酸リ
チウム(LiClO4 )、六フッ化リン酸リチウム(L
iPF6 )、ホウ四フッ化リチウム(LiBF4 )、六
フッ化砒素リチウム(LiAsF6 )、トリフルオロメ
タンスルホン酸リチウム(LiCF3 SO3 )等のリチ
ウム塩を挙げることができる。
【0046】なお、前述した図1においては、正極素材
の集電体として多孔質構造のものを用いる例を説明した
が、本発明に係る方法は、アルミニウムもしくはアルミ
ニウム合金からなる金属薄膜の片面に非水電解液未含浸
の正極層が担持された構造の正極素材にも適用すること
ができる。
【0047】以上詳述したように本発明に係わるポリマ
ーリチウム二次電池用正極素材の製造方法によれば、活
物質及び非水電解液を保持する機能を有するポリマーを
含むペーストを集電体あるいは製膜用シートに塗布する
ための塗工手段に前記ペーストを攪拌しながら供給する
ことによって、塗布中に前記ペーストの粘度が上昇する
のを抑制することができる。その結果、長期間に亘って
連続的にペーストを集電体もしくは製膜用シートに均一
に塗布することができるため、ロスを削減することがで
きると共に、正極素材の品質及び歩留まりを向上するこ
とができ、品質の優れた正極素材を量産性良く製造する
ことができる。
【0048】また、本願発明の方法によると、前記ペー
スト中の活物質量を35〜46重量%と多くした際にも
塗布中にペースト粘度が上昇するのを抑制することがで
きるため、高容量な正極素材を量産性良く製造すること
ができる。
【0049】さらに、前記ペースト中の活物質量を35
〜46重量%とした際に、前記ペーストに含まれる溶媒
の量を35〜55重量%にすることによって、塗布中に
ペーストの粘度上昇を大幅に抑えることができるため、
高容量な正極素材を製造する際の量産性を更に向上する
ことができる。
【0050】ところで、ポリマーリチウム二次電池は、
薄形化及び軽量化を図ることができるという特長を有す
る。ペーストを集電体もしくは製膜用シートに塗布する
方法として、ペースト収容容器内のペーストを集電体あ
るいは製膜用シートに付着させ、前記ペーストが付着さ
れた集電体あるいは製膜用シートをスリットに通過させ
る方法がある。この方法は、比較的簡単で、ペーストを
薄く塗布しても高精度で塗れるため、厚さの薄い非水電
解液未含浸の正極層を形成するのに好適である。しかし
ながら、ペースト収容容器内のペーストに加わる振動を
小さくする程、塗布厚さの精度が高くなるため、経時増
粘するペーストを未攪拌供給で行う塗布方法では不安定
をもたらすものである。
【0051】本願発明のように、活物質及び非水電解液
を保持する機能を有するポリマーを含むペーストを調製
した後、前記ペーストを攪拌しながら前記ペースト収容
容器に供給し、前記容器内のペーストを集電体あるいは
製膜用シートに付着させ、前記ペーストが付着された集
電体あるいは製膜用シートをギャップを制御したスリッ
トに通過させることによって、前記容器内のペーストに
加わる振動を最小限に抑えつつ、塗布中にペースト粘度
が上昇するのを抑制することができるため、長期間に亘
って連続的にペーストを集電体もしくは製膜用シートに
均一に、かつ高い精度で塗布することができる。その結
果、高品質な正極素材を高い量産性で製造することがで
きる。
【0052】
【実施例】以下、本発明に係わる実施例を図面を参照し
て詳細に説明する。
【0053】(実施例1)湿度が50%で、温度が25
℃の空気中において、有機溶媒としてのアセトン39重
量部に可塑剤としてのジブチルフタレート(DBP)
9.2重量部を溶解させた後、さらにVdF―HFP共
重合体粉末(共重合比VdF:HFPは88:12)
5.4重量部を溶解させ、このアセトン溶液に活物質と
して組成式がLiCoO2 で表されるリチウム含有コバ
ルト酸化物42重量部及び導電性材料としてアセチレン
ブラック1.7重量部を添加し、混合攪拌して均一分散
後、40メッシュのフィルターで濾過することにより凝
集物を除去し、ペーストを調製した。
【0054】前記ペーストを前述した図2に示す塗工装
置のペースト貯蔵タンク12内に収容し、攪拌羽根14
によりペースト13を攪拌した。一方、PETシートか
らなる帯状基材22を巻きだし側フリーローラ19、バ
ックロール17及び巻き取り側フリーローラ20を介
し、搬送した。攪拌羽根14による攪拌を続行させなが
らタンク12内のペーストをポンプ15を用いてペース
ト収容容器16内に供給し、前記帯状基材22に前記ペ
ースト13を付着させた。帯状基板22に付着されたペ
ースト13はバックロール17とドクターブレード18
とにより形成されたスリットを通過後、ドライヤーゾー
ン23を通過させることにより塗布ペーストの溶剤を除
去し、重量が162g/m2(厚さ127μm)の非水
電解液未含浸の正極層を得た。なお、帯状基板の搬送速
度は、巻き取り側駆動制御で1m/minに設定した。
【0055】引き続き、得られた正極層を集電体に配置
し、これらに加熱ロールプレスを施すことにより加熱融
着させ、正極素材を作製した。
【0056】(実施例2)ペースト中のアセトンの量を
48重量部にすること以外は、前述した実施例1と同様
にして正極素材を作製した。
【0057】(比較例1)PETシートからなる帯状基
材22を巻きだし側フリーローラ19、バックロール1
7及び巻き取り側フリーローラ20を介し、搬送した。
前述した実施例1で説明したのと同様なペーストを攪拌
せずにポンプ15を用いてペースト収容容器16内に供
給し、前記帯状基材22に前記ペースト13を付着させ
た。帯状基板22に付着されたペースト13はバックロ
ール17とドクターブレード18とにより形成されたス
リットを通過後、ドライヤーゾーン23を通過させるこ
とにより塗布ペーストの溶剤を除去し、重量が162g
/m2(厚さ127μm)の非水電解液未含浸の正極層
を得た。なお、帯状基板の搬送速度は、巻き取り側駆動
制御で1m/minに設定した。
【0058】引き続き、得られた正極層を集電体に配置
し、これらに加熱ロールプレスを施すことにより加熱融
着させ、正極素材を作製した。
【0059】(比較例2)ペーストとして実施例2で説
明したのと同様なものを用いること以外は、前述した比
較例1と同様にして正極素材を作製した。
【0060】実施例1〜2及び比較例1〜2の正極素材
について、塗工を5時間を行った際のペースト貯蔵タン
ク内のペースト粘度をB型粘度計で測定すると共に、塗
工重量を測定した。0.5,1,2,3,4,5時間後
のペースト粘度を表1に、ペースト粘度変化率を図3に
示す。また、0.5,1,2,3,4,5時間後の塗工
重量変化率(目標塗工重量162g/m2を基準とす
る)を図4に示す。
【0061】
【表1】
【0062】表1及び図3から明らかなように、ペース
トを攪拌しながら塗工手段に供給する方法により得られ
る実施例1〜2の正極素材は、待機中のペースト粘度上
昇を12%以内に抑制することができることがわかる。
これに対し、ペーストを攪拌せずに塗工手段に供給する
方法により得られる比較例1の正極素材は、0.5時間
後にペースト粘度が測定限界よりも高くなり、測定不可
になった。また、ペースト中の溶媒量を比較例1に比べ
て多くするものの、ペーストを攪拌せずに塗工装置に供
給する方法により得られる比較例2の正極素材は、2時
間後にペースト粘度が測定限界よりも高くなり、測定不
可になった。
【0063】また、図4から明らかなように、実施例1
〜2の正極素材は、塗工重量の変化率を±1.5%以内
に抑えられることがわかる。これに対し、比較例1〜2
の正極素材は、塗工が進行するに従って塗工重量が増加
することがわかる。
【0064】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、塗
布中のペーストの粘度上昇が抑制され、量産性に優れる
ポリマーリチウム二次電池用正極の製造方法を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る方法で製造される正極素材が用い
られるポリマーリチウム二次電池を示す断面図。
【図2】本発明に係る方法で用いられる塗工装置の一例
を示す概略図。
【図3】実施例1〜2及び比較例1〜2における待機時
間とペースト粘度変化率との関係を示す特性図。
【図4】実施例1〜2及び比較例1〜2における塗工時
間と塗工重量変化率との関係を示す特性図。
【符号の説明】
12…ペースト貯蔵タンク、 13…ペースト、 14…攪拌機、 15…供給ポンプ、 16…ペースト収容容器、 17…バックロール、 18…ドクターブレード、 19…巻きだし側フリーローラ、 20…巻き取り側フリーローラ。
フロントページの続き (72)発明者 藤原 愛一郎 東京都品川区南品川3丁目4番10号 東芝 電池株式会社内 (72)発明者 加納 幸司 東京都品川区南品川3丁目4番10号 東芝 電池株式会社内 Fターム(参考) 5H003 AA08 BA03 BB04 BB05 BB11 BB14 5H014 AA04 BB06 BB08 EE01 EE05 EE08 EE10 5H029 AJ14 AK02 AK03 AK05 AL06 AL07 AL08 AM03 AM04 AM05 AM07 BJ04 BJ12 CJ08 CJ22 DJ07 EJ01 EJ12

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活物質及び非水電解液を保持する機能を
    有するポリマーを含む非水電解液未含浸の正極層が集電
    体に担持された構造のポリマーリチウム二次電池用正極
    素材の製造方法において、 前記活物質及び前記ポリマーを含むペーストを集電体あ
    るいは製膜用シートに塗布するための塗工手段に前記ペ
    ーストを攪拌しながら供給することを特徴とするポリマ
    ーリチウム二次電池用正極素材の製造方法。
  2. 【請求項2】 活物質及び非水電解液を保持する機能を
    有するポリマーを含む非水電解液未含浸の正極層が集電
    体に担持された構造のポリマーリチウム二次電池用正極
    素材の製造方法において、 前記活物質及び前記ポリマーを含むペーストを調製する
    工程と、 前記ペーストを攪拌しながらペースト収容容器に供給す
    る工程と、 前記容器内のペーストを前記集電体あるいは製膜用シー
    トに付着させ、前記ペーストが付着された集電体あるい
    は製膜用シートをスリットに通過させることにより前記
    ペーストを集電体あるいは製膜用シートに塗布する工程
    とを具備することを特徴とするポリマーリチウム二次電
    池用正極素材の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002190319A (ja) * 2000-12-19 2002-07-05 Furukawa Electric Co Ltd:The 固体状電解質およびそれを用いた電池
JP2010171366A (ja) * 2008-12-25 2010-08-05 Nippon Zeon Co Ltd 支持体付電極組成物層及び電気化学素子用電極の製造方法
JP2011077070A (ja) * 2009-09-29 2011-04-14 Nippon Zeon Co Ltd 支持体付電極活物質シート及び電気化学素子用電極の製造方法
US8163334B2 (en) 2005-05-09 2012-04-24 Panasonic Corporation Method and apparatus for applying electrode mixture paste

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