JP2000241849A - シャッタ速度補正方法及びシャッタ速度制御装置 - Google Patents

シャッタ速度補正方法及びシャッタ速度制御装置

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JP2000241849A
JP2000241849A JP11041485A JP4148599A JP2000241849A JP 2000241849 A JP2000241849 A JP 2000241849A JP 11041485 A JP11041485 A JP 11041485A JP 4148599 A JP4148599 A JP 4148599A JP 2000241849 A JP2000241849 A JP 2000241849A
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shutter
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Hiroyuki Takahashi
宏之 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カメラに組み込まれる電磁シャッタ機構のシ
ャッタ速度補正方法であって、カメラの調整検査工程を
簡略化し得る新規なシャッタ速度補正方法を提供する。 【解決手段】 シャッタ速度誤差が像面露光量測定器
(図2)によって露光値として計測され、シャッタ速度
誤差としての露光値がカメラのメモリ手段に格納され、
撮影動作時に得られるシャッタ速度がシャッタ速度誤差
としての露光値に基づいて補正される。シャッタ速度誤
差が露出不足として計測されたとき、その露光値は正の
値として取り扱われ、シャッタ速度誤差が露出過剰とし
て計測されたとき、その露出値は負の値として取り扱わ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカメラに組み込まれ
る電磁シャッタ機構のシャッタ速度補正方法及びその補
正方法に基づくシャッタ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、例えば、一眼レフカメラ
では、フォーカル・プレーン・シャッタ機構が使用さ
れ、このフォーカル・プレーン・シャッタ機構は弾性駆
動ばね手段によってそれぞれ走行させられるようになっ
た先幕及び後幕から成る。先幕及び後幕はそれぞれ弾性
駆動ばね手段によってばね付勢されたチャージ位置に機
械的に係止され、撮影動作時、即ちレリーズ釦の全押し
時、先ず先幕の機械的係止が解除されて先幕が走行させ
られ、次いで所定時経過後に後幕の機械的係止が解除さ
れて後幕が走行させられる。即ち、先幕の走行によりフ
ィルムに対する露光が開始され、後幕の走行によりその
露光が停止され、先幕の走行に対する後幕の走行の遅れ
時間が露光時間即ちシャッタ速度に対応する。なお、撮
影動作が完了すると、先幕及び後幕はフィルムの一フレ
ーム分の巻上げ時にばね付勢位置即ちチャージ位置まで
戻されて機械的に係止され、これによりシャッタ機構は
次の撮影動作に備えることになる。
【0003】正確なシャッタ速度を得るためには、先幕
/後幕の走行開始タイミングを適正に制御することが必
要であり、このため先幕及び後幕の機械的係止機構に電
磁石を組み合わせて、先幕/後幕の走行開始タイミング
を電磁石の通電によって正確に制御するようになったフ
ォーカル・プレーン・シャッタ機構が知られており、こ
のようなフォーカル・プレーン・シャッタ機構について
は一般的に電磁シャッタ機構と呼ばれている。
【0004】以上で述べたような電磁シャッタ機構で
は、シャッタ速度が低速側に設定されている場合には、
正確なシャッタ速度が得られるが、しかしシャッタ速度
が高速側に設定された場合には、たとえ先幕/後幕の走
行開始タイミングが正確であったとしても、正確なシャ
ッタ速度が得られるとは限らない。というのは、電磁シ
ャッタ機構が同一製造条件下で組み立てられたとして
も、個々の電磁シャッタ機構の先幕/後幕の走行速度に
は数十ないし数百マイクロ秒のオーダの走行誤差が伴
い、シャッタ速度の低速側設定時には先幕/後幕の走行
誤差は無視し得たとしても、シャッタ速度の高速側設定
時にはたとえ先幕/後幕の走行開始タイミングの正確で
あったとしても、先幕/後幕の走行誤差は無視し得ない
ものとなるからである。例えば、シャッタ速度が1/8000
秒に設定されているとき、そのシャッタ速度は122 μse
c に相当し、このような高速のシャッタ速度に対して数
十ないし数百マイクロ秒のオーダの先幕/後幕の走行誤
差が無視し得ないことは明らかであろう。
【0005】そこで、従来では、電磁シャッタ機構がカ
メラに組み込まれた後に実際のシャッタ速度がシャッタ
速度計測器によって計測され、その誤差データがカメラ
の制御回路のメモリ内に格納され、その誤差データに基
づいて先幕/後幕の走行タイミングをずらすことにより
適正なシャッタ速度が得られるようにしている。なお、
場合によっては、後幕が先幕よりも先行して走行させら
れるということもあり得る。
【0006】ところで、カメラの製造には大きく分けて
カメラの組立工程及びカメラの調整検査工程が含まれ、
カメラの製造コストを下げるためには、組立工程だけで
なく調整検査工程でも効率化を図ることが必要である。
カメラの調整検査工程には上述したようにシャッタ速度
計測器によるシャッタ速度の調整検査が含まれ、またそ
の他の検査としては、カメラに搭載された測光センサの
測光調整検査も含まれる。従来の調整検査工程にあって
は、シャッタ速度の調整検査ラインと測光センサの調整
検査ラインとは互いに独立したものとなっている。
【0007】測光センサの測光調整検査では、基準光源
と像面露光量計測センサとを持つ像面露光量測定器が用
いられ、カメラは像面露光量測定器に設置され、このと
きカメラのレンズに対して基準光源が位置すると共にカ
メラの結像面には該像面露光量計測センサが配置され
る。カメラはその測光センサで測光値を求め、この測光
値に基づく露光量制御値でカメラがレリーズされると、
そのときの露光量が像面露光量計測センサによって測定
され、その測定値が適正露光量からどの程度外れている
かが測定され、これに基づいて露光量制御値の調整が行
われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者はシャッタ速
度と露光値との間には密接な関係があることに着目し、
測光センサの検査ラインでシャッタ速度の検査をも行
い、カメラの製造コストの低減化に寄与しようとするも
のである。
【0009】従って、本発明の目的は、カメラに組み込
まれる電磁シャッタ機構のシャッタ速度補正方法であっ
て、カメラの検査工程を簡略化し得る新規なシャッタ速
度補正方法を提供することである。
【0010】また、本発明の別の目的は、上述のシャッ
タ速度補正方法に基づくシャッタ速度制御装置を提供す
ることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によるシャッタ速
度補正方法によれば、シャッタ速度誤差が露光値として
計測され、シャッタ速度誤差としての露光値がカメラの
メモリ手段に格納され、撮影動作時に得られるシャッタ
速度がシャッタ速度誤差としての露光値に基づいて補正
される。好ましくは、シャッタ速度誤差を露光値として
計測するために像面露光量測定器が使用され得る。
【0012】本発明による好ましいシャッタ速度補正方
法においては、シャッタ速度誤差が露出不足として計測
されたとき、その露光値は負の値として取り扱われ、シ
ャッタ速度誤差が露出過剰として計測されたとき、その
露出値は正の値として取り扱われる。このようなシャッ
タ速度誤差としての露光値については、所定ビット数の
データとして上述のメモリ手段に格納される。この場
合、シャッタ速度誤差としての露光値の正負を表すため
に所定ビット数のうちの1ビットを利用することができ
る。
【0013】本発明によるシャッタ速度制御装置はカメ
ラに組み込まれる電磁シャッタ機構に用いられるもので
あって、シャッタ速度誤差を露光値として格納するメモ
リ手段と、撮影動作時に得られるシャッタ速度をシャッ
タ速度誤差としての露光値に基づいて補正する補正演算
手段とを具備して成るものである。シャッタ速度誤差と
しての露光値が正であるとき、補正演算手段によるシャ
ッタ速度補正については露光値に対応する露光時間をシ
ャッタ時間から減算することによって行われ、シャッタ
速度誤差としての露光値が負であるとき、補正演算手段
によるシャッタ速度補正については露光値に対応する露
光時間をシャッタ時間に換算することによって行われ
る。
【0014】好ましくは、本発明によるシャッタ速度補
正装置においては、補正演算手段によるシャッタ速度補
正が露光値に対応する露光時間をシャッタ時間から減算
することによって行われた際にその減算シャッタ時間の
正負を判別する判別手段が設けられ、この判別手段によ
って減算シャッタ時間が正であると判別されたとき、電
磁シャッタ機構の先幕走行タイミングはその後幕走行タ
イミングよりも先行させられ、判別手段によって減算シ
ャッタ時間が負であると判別されたとき、電磁シャッタ
機構の後幕走行タイミングはその先幕走行タイミングよ
りも先行させられる。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、添付図面を参照して、本発
明によるシャッタ速度補正方法及びその補正方法に基づ
くシャッタ制御装置の実施形態について以下に説明す
る。
【0016】図1を参照すると、本発明を実施した一眼
レフカメラの制御ブロック図が示され、同図から明らか
なように、この一眼レフカメラには制御回路10が設け
られる。制御回路10はマイクロコンピュータから構成
され、そこには中央処理ユニット(CPU)、種々のル
ーチンを実行するためのプログラム、定数等を格納する
読出し専用メモリ(ROM)、データ等を一時的に格納
する書込み/読出し自在なメモリ(RAM)、入出力イ
ンターフェース(I/O)等が内蔵される。また、かか
るマイクロコンピュータには種々のタイマ機能も含ま
れ、本実施形態では、そのようなタイマ機能が後述する
ように減算カウンタとして利用される。カメラにはバッ
テリ12が装填され、制御回路10はバッテリ12から
電圧レギュレータ12を介して種々の所定電圧で給電を
受ける。また、制御回路10は発振子16を具備し、こ
の発振子16から出力される所定周波数のクロックパル
スは適当に分周されて種々の制御クロックパルスが生成
される。
【0017】図1において、参照符号18及び20はそ
れぞれ測光スイッチ及びレリーズスイッチを示し、これ
ら測光スイッチ18及びレリーズスイッチ20はカメラ
ボディに設けられたレリーズ釦(図示されない)によっ
て操作されるようになっている。即ち、レリーズ釦が半
押しされると、測光スイッチ18がオンされて、そのオ
ン信号が制御回路10に出力され、またレリーズ釦が全
押しされると、レリーズスイッチ20がオンされて、そ
のオン信号が制御回路10に出力される。
【0018】参照符号22は測光回路を示し、この測光
回路22には測光センサが内蔵される。測光回路22は
制御回路10に内蔵されたアナログ/デジタル(A/
D)変換回路24に接続され、測光回路22自体はカメ
ラの電源スイッチのオンにより駆動され、これにより測
光センサはオン状態となって測光を開始し、その測光信
号はA/D変換回路24に対して出力される。一方、レ
リーズ釦の半押しにより測光スイッチ18がオンされる
と、制御回路10はA/D変換回路24から測光信号を
デジタル信号として取り込む。
【0019】参照符号26及び28はそれぞれ絞り制御
回路及びシャッタ制御回路を示し、これら制御回路26
及び28はレリーズスイッチ20のオンにより所定のシ
ーケンスに従って駆動させられる。絞り制御回路26が
駆動されると、絞りは全開状態から所定の絞り口径まで
絞り込まれ、またシャッタ制御回路28が駆動される
と、電磁シャッタ機構(図示されない)が作動させら
れ、これにより所定のシャッタ時間即ち露光時間が得ら
れるように先幕及び後幕が順次走行させられる。
【0020】参照符号30は電気的に消去可能でしかも
プログラム可能な読出し専用メモリ(EEPROM)を
示し、このEEPROM30にはカメラの動作上に必要
とされるデータや必要に応じて書き換えられるべき種々
の調整(補正)データが格納される。それらデータのう
ちで特に本発明に関連するデータとしては、後述するよ
うなシャッタ速度の補正データが挙げられる。
【0021】参照符号32はインターフェース回路を示
し、EEPROM30へのデータの書込み時、制御回路
10はインターフェース回路32を介して外部コンピュ
ータ(図1では示されない)に接続される。即ち、EE
PROM30へのデータの書込みについては外部コンピ
ュータの制御下で行われる。
【0022】図2を参照すると、像面露光量測定器が概
略ブロック図として示され、そこでは本発明を実施した
一眼レフカメラが参照符号Cで示される。本来、像面露
光量測定器自体は測光センサの調整検査のために使用さ
れるものであるが、しかし本発明によるシャッタ速度補
正方法にあっては、かかる像面露光量測定器がシャッタ
速度の誤差計測に流用され、これにより従来必要とされ
たシャッタ速度計測器は不要となる。
【0023】図2に示すように、像面露光量測定器は制
御回路34を具備し、この制御回路34もカメラCの制
御回路10と同様にマイクロコンピュータから構成され
る。即ち、マイクロコンピュータには、中央処理ユニッ
ト(CPU)、種々のルーチンを実行するためのプログ
ラム、定数等を格納する読出し専用メモリ(ROM)、
データ等を一時的に格納する書込み/読出し自在なメモ
リ(RAM)、入出力インターフェース(I/O)等が
内蔵される。
【0024】図2に示すように、像面露光量測定器は更
に光源36及び像面露光量計測センサ38から成り、光
源36及び像面露光量計測センサ38は互いに整列して
隔設され、その間にはカメラCが着脱自在に設置させら
れる。詳述すると、カメラCはそこに適当な交換レンズ
Lを装着しかつそのボディから裏蓋を外した状態で光源
36と像面露光量計測センサ38との間に設置され、こ
のとき像面露光量計測センサ38の計測面がカメラCの
像面に一致させられる。
【0025】光源36の発光は制御回路34によって制
御され、しかもその発光輝度については適宜調節され得
るようになっている。カメラCのシャッタが切られたと
き、即ち像面露光量計測センサ38の計測面が光源36
からの光によって露光され、その露光量は絞り及びシャ
ッタ速度に応じたものとなる。像面露光量計測センサ3
8はその計測面の露光量に応じた露光量信号を制御回路
34に出力し、制御回路34は露光量信号をデジタル露
光量データとして取り込む。本実施形態では、カメラC
の絞りが固定され、シャッタ速度誤差データがデジタル
露光量データに基づいて露光値として演算され、その露
光値は液晶表示(LCD)パネル40に表示される。
【0026】一方、像面露光量測定器の制御回路34は
インターフェース回路42を介して外部コンピュータ4
4に接続され、またカメラCの制御回路10もインター
フェース42を介して外部コンピュータ44に接続され
る。なお、外部コンピュータ44は所望のデータ処理プ
ログラムがインストールされたパーソナルコンピュータ
であってよい。シャッタ速度誤差データ(露光値)は像
面露光量測定器の制御回路34から外部コンピュータ4
4に送信され、次いでシャッタ速度誤差データは外部コ
ンピュータ44で適宜処理された後にカメラCの制御回
路10にインターフェース回路42を介して送信され、
次いでシャッタ速度誤差データはEEPROM30の所
定アドレスに書き込まれて格納される。
【0027】図3にはシャッタ速度誤差計測手順のフロ
ーチャートが示され、このフローチャートを参照して、
図2の像面露光量測定器によってシャッタ速度誤差計測
手順について具体的に説明する。なお、ここでは、シャ
ッタ速度誤差計測の対象となるカメラの設定可能な最大
シャッタ速度は1/8000秒(122μsec)とされる。
【0028】先ず、ステップ301では、カメラCに例
えばF1.4/50mm の交換レンズLが装着される。なお、F
1.4/50mm の交換レンズLの絞り値AVについては例えば
アペックス値として1が設定される。次いで、ステップ
302では、カメラCのシャッタ速度TVとして最大シャ
ッタ速度1/8000秒が設定され、この最大シャッタ速度TV
はアペックス値では13となる。
【0029】ステップ303では、像面露光量測定器の
光源36の輝度値LVがアペックス値として14に設定さ
れ、次いでステップ304でカメラCが像面露光量測定
器に設置される。勿論、このとき上述したようにカメラ
Cのボディからは裏蓋が外され、像面露光量計測センサ
38の計測面がカメラCの像面に一致させられ、またレ
ンズLは光源36に対して対峙させられる。
【0030】ステップ305では、カメラCのシャッタ
が切られて、シャッタ速度誤差値が像面露光量測定器に
よって露光値(EV 値) として計測され、その計測値がL
CDパネル40に表示される。ステップ302での最大
シャッタ速度1/8000秒の設定にも拘らず、もし実際のシ
ャッタ速度が1/8000秒よりも早ければ、露出不足となる
ので、シャッタ速度誤差値としてその差分がマイナスの
露光値としてLCDパネル40に表示され、また実際の
シャッタ速度が1/8000秒よりも遅ければ、露出過剰とな
るので、シャッタ速度誤差値としてその差分がプラスの
露光値としてLCDパネル40に表示される。なお、言
うまでもなく、実際のシャッタ速度が最大シャッタ速度
1/8000秒に適正に一致していれば、LCDパネル40の
表示は零となる。
【0031】詳述すると、カメラのシャッタを切るべく
レリーズ釦が全押しされると、レリーズスイッチ20が
オンされ、これによりシャッタ制御回路28が電磁シャ
ッタ機構を動作すべく駆動され、これにより電磁シャッ
タ機構の先幕及び後幕が順次走行させられる。このとき
ステップ302でのシャッタ速度の設定により最大シャ
ッタ速度1/8000秒が得られるように後幕の走行開始タイ
ミングは先幕の走行開始タイミングよりも1/8000秒だけ
遅らされる。ところが、先にも述べたように、個々のカ
メラに搭載された電磁シャッタ機構の先幕/後幕の機械
的走行特性の相違のために、たとえ後幕の走行開始タイ
ミングが先幕の走行開始タイミングよりも1/8000秒だけ
遅らされたとしても、最大シャッタ速度即ち露光時間1/
8000秒が必ずしも得られるわけではない。かくして、像
面露光量計測センサ38の計測面は電磁シャッタ機構の
先幕/後幕の機械的走行特性に従った実際のシャッタ速
度即ち露光時間で露光され、像面露光量計測センサ38
はその計測面の露光量に応じた露光量信号を制御回路3
4に出力する。制御回路34では、像面露光量計測セン
サ38からの露光量信号がデジタル露光量データとして
取り込まれ、このデジタル露光量データは所定の閾値デ
ータ(適正な露光時間1/8000秒で得られるべき露光量デ
ータ)と比較され、これによりシャッタ速度誤差値が露
光値(EV 値)として得られることになる。
【0032】ステップ306では、シャッタ速度誤差値
データ即ち露光値(EV 値) データが外部コンピュータ4
4に送信され、そこで露光値(EV 値) データは図4の表
に示すよう9-ビット補正データdTVDに変換され、次いで
ステップ307では、9-ビット補正データdTVDは外部コ
ンピュータ44からカメラCの制御回路10に送信さ
れ、そこで9-ビット補正データdTVDはカメラCのEEP
ROM30の所定アドレスに格納される。
【0033】図4の表から明らかなように、9-ビット補
正データdTVDの8-位ビットのデータはシャッタ速度誤差
値データの正負を表し、その下位の7-位ビットから0-位
ビットまではシャッタ速度誤差値データの大きさを表
す。例えば、シャッタ速度誤差値データが-3/128EVであ
るとき、計測シャッタ速度はシャッタ速度1/8000秒のと
きに得られるべき露光値よりも露光値-3/128EVに対応す
る不足分だけシャッタ速度1/8000秒よりも早いことを示
し、またシャッタ速度誤差値データが+1/128EVであると
き、計測シャッタ速度はシャッタ速度1/8000秒のときに
得られるべき露光値よりも露光値+1/128EVに対応する過
剰分だけシャッタ速度1/8000秒よりも遅いことを示す。
また、図4の表中、 dTVTIMEはシャッタ速度誤差値デー
タ即ち露光値(EV 値) データに対応した時間が示され、
例えば露光値-3/128EVは+2μsec に対応し、露光値+1/1
28EVは-1μsec に対応する。要するに、シャッタ速度誤
差値データが-3/128EVであるということはシャッタ速度
1/8000秒に対して+2μsec だけ早いことを示し、シャッ
タ速度誤差値データが+1/128EVであるということはシャ
ッタ速度1/8000秒に対して-1μsec だけ遅いことを示
す。
【0034】本発明によるシャッタ速度補正方法によれ
ば、シャッタ速度の演算時に上述のシャッタ速度誤差値
が加味され、これにより適正なシャッタ速度が求められ
ることになる。周知のように、シャッタ速度演算はアペ
ックスユニットに基づくものであり、このため実際のシ
ャッタ速度を効率的にかつ速やかに演算するためにはデ
ータに適宜加工を施して、シャッタ速度演算を工夫する
ことが必要であり、これについて以下に説明する。
【0035】図5の表1に示すように、シャッタ速度は
露光値TVで表され、例えばシャッタ優先モードでシャッ
タ速度として1/8000秒が設定されたとき、そのシャッタ
速度を表すデータとしては露光値TV=13 が設定される。
本発明によれば、先ず、シャッタ速度データとしての露
光値TV=13 に対して7 が加算され、これにより露光値TV
=13 は露光値TVD=20とされる。この演算は露光値TVから
負の値を除くためであり、最長シャッタ速度(120秒) と
しての露光値TV=-7 を零とするための処理である。ま
た、実際には、シャッタ速度の演算時にはTVD 値は16進
数(H) として処理される。なお、図5の表1には、シャ
ッタ優先モードで設定されるシャッタ速度(1/8000, 1/6
000,…, 80", 120")の代表的な露光値が示されている
が、しかし実際にはシャッタ速度データとしての露光値
TVD は更に細分化されており、例えば絞り優先モードや
自動露出モードの選択時にはシャッタ速度データとして
露光値TVD は測光データに基づいて決められ、その測光
値TVD は図5の表2に示すように代表的な測光値の間の
数値(例えば、TVD=15 O/8とTVD=14 4/8との間の数値)
を取り得る。
【0036】シャッタ速度データとしての露光値TVD は
8-ビットデータとして取り扱われ、例えばシャッタ速度
データとしての露光値TVD=(18 4/8)については図6
(1)で示すように表すことができる。即ち、露光値TV
D=(18 4/8)の小数部は下位3-ビットで表され、露光値TV
D=11.5の整数部は上位5-ビットで表される。
【0037】詳述すると、図6(1)から明らかなよう
に、下位3-ビットの0-位ビット、1-位ビット及び2-位ビ
ットはそれぞれ数値1/8 、2/8 及び4/8 を表し、小数部
はそれら数値の組合せによって示される。露光値TVD=(1
8 4/8)の場合には、小数部は4/8 であるので、2-位ビッ
トに“1”が与えられ、その他の0-位ビット及び1-位ビ
ットには“0”が与えられる。別の例として、もし小数
部が3/8 であれば、2-位ビットに“0”が与えられ、そ
の他の0-位ビット及び1-位ビットには“1”が与えられ
る。上位5-ビットの3-位ビット、4-位ビット、5-位ビッ
ト、6-位ビット及び7-位ビットはそれぞれ数値01、02、
04、08及び16を表し、整数部はそれらそれら数値の組合
せによって示される。露光値TVD=(18 4/8)の場合には、
整数部は18であるので、4-位ビット及び7-位ビットには
“1”が与えられる。別の例として、もし整数部が15で
あれば、3-位ビット、4-位ビット、5-位ビット及び6-位
ビットに“1”が与えられ、その他の7-位ビットには
“0”が与えられる。
【0038】次いで、シャッタ速度データとしての露光
値TVD=(18 4/8)は図6(2)及び図6(3)に示すよう
に整数部TVDIと小数部TVDFとに分けられてそれぞれ独立
して処理された後にそれら整数部TVDIと小数部TVDFとに
基づいて実際のシャッタ時間が演算される。図7の表を
参照すると、個々のシャッタ速度データとしての露光値
TVD に対する整数部TVDIと小数部TVDFとを処理した後の
数値データが16進数で示されている。即ち、TVDI(H) は
個々のシャッタ速度データとしての露光値TVDの整数部T
VDIを16進数で示したものであり、TVDF(H) は個々のシ
ャッタ速度データとしての露光値TVD の小数部3ビット
の2の補数をとったものである。要するに、図7の表か
ら明らかなように、整数部TVDI(H) には8つの連続した
同じ数値(例えば14H 、13H 、12H 等)が与えられ、か
つそれら8つの連続した同じ数値に対しては00H から07
H までの小数部TVDF(H) が循環するように与えられる。
このようにシャッタ速度データとしての露光値TVD の処
理により、シャッタ速度演算を効率的にかつ速やかに行
うことが可能となる。
【0039】図8を参照すると、カメラCの制御回路1
0で実行されるメイン処理ルーチンのフローチャートが
示される。このメイン処理ルーチンについては、何等の
動作も行っていないカメラの待機状態では低消費電力化
のために所定の時間間隔例えば200ms 毎に一ループが実
行されるエンドレスルーチンとされ、その実行はバッテ
リ12の装填或いは交換により開始される。一方、いず
れかのスイッチ操作がされたときは、スイッチ変化によ
る割込みが発生し、上述の所定の時間間隔とは無関係に
メイン処理ルーチンが一ループだけ実行される。
【0040】先ず、ステップ801では、カメラの初期
化が実行され、このとき例えば制御回路10のRAM、
種々のカウンタ及びフラグ等の初期化が行われる。次い
で、ステップ802では、EEPROM30からの必要
なデータの読出しが行われ、そのデータの中には9-ビッ
ト補正データdTVDが含まれる(図4)。続いて、ステッ
プ803では、測光スイッチ18及びレリーズスイッチ
20を除く全てのスイッチに基づく処理が実行される。
例えば、巻戻しスイッチ(図示されない)がオンされれ
ば、フィルムの強制巻戻し処理が実行され、また裏蓋ス
イッチ(図示されない)の変化があれば、それに応じた
処理が実行され、更には電源スイッチの変化があれば、
それに応じた処理が実行される。
【0041】ステップ804では、測光スイッチ18が
オンされたか否かが、即ちレリーズ釦が半押しされたか
否かが監視される。もしステップ804で測光スイッチ
18のオンが確認されると、ステップ804からステッ
プ806に進み、そこで被写体の測光値が測光センサに
より検出され、その検出信号が測光回路22で処理した
後に測光値データとして制御回路10に取り込まれる。
なお、レリーズ釦が全く操作されないとき、即ち測光ス
イッチ18もレリーズスイッチ20もオフのときは、ス
テップ804及び805を経た後にステップ803に戻
る。
【0042】ステップ807では、測光値データ及びフ
ィルム感度に基づいて測光演算が行われ、絞り値及びシ
ャッタ時間が決定される。詳述すると、絞り優先モード
が選択されているときには、絞り値は手動で設定され、
その設定絞り値に対してシャッタ速度が求められ、また
シャッタ速度優先モードが選択されているときには、シ
ャッタ速度は手動で設定され、その設定シャッタ速度に
基づいて絞り値が求められる。一方、自動露出モードが
選択されているときには、絞り値及びシャッタ速度は測
光演算により適宜求められる。なお、既に述べたよう
に、測光演算で取り扱われるシャッタ速度は露光値(TV)
として得られるものであって、シャッタ速度自体は後述
するように該露光値(TV)を対数伸張演算処理することに
より得られるものである。
【0043】ステップ808では、自動焦点(AF)処
理が行われ、被写体像が自動的に合焦させられる。次い
で、ステップ809では、レリーズスイッチ20がオン
されたか否かが判断され、レリーズスイッチ20がオフ
であれば、ステップ811に進み、そこで測光スイッチ
64がオンであるかオフであるかが、即ちレリーズ釦の
半押し状態が継続されているか否かが判断される。もし
測光スイッチ18がオフとされた場合、即ちレリーズ釦
の先の半押し状態が解消された場合には、ステップ80
3に戻り、もしレリーズ釦の半押し状態が継続されてい
れば、ステップ806に戻る。
【0044】ステップ809でレリーズスイッチ20の
オンが確認されると、ステップ812に進み、そこでレ
リーズ処理即ち撮影処理が実行される。なお、レリーズ
処理については、図9に示すレリーズ処理ルーチンのフ
ローチャートを参照して後で詳しく説明する。
【0045】一方、レリーズ釦が半押し状態に止められ
ることなく一気に全押しされたときには、測光スイッチ
18のオフからオンの切換時にステップ804からステ
ップ806、807及び808を経てステップ809ま
で一旦進むことになる。ステップ809まで進んだ時点
でもしレリーズスイッチ20がオンされていれば、ステ
ップ809からステップ811に進み、そこでレリーズ
処理即ち撮影処理が実行される。
【0046】一方、レリーズ釦の全押しが比較的ゆっく
り行われ、このためステップ809まで進んだ時点でレ
リーズスイッチ20が未だオンされていない場合には、
ステップ809からステップ810に進み、そこで測光
スイッチ18のオン/オフが判断される。レリーズ釦の
半押し状態が持続しているときには、ステップ806な
いしステップ810のルーチンが繰り返され、レリーズ
釦の全押し即ちレリーズスイッチ20のオンにより、ス
テップ809からステップ811に進み、そこでレリー
ズ処理即ち撮影処理が行われ得る。
【0047】以上のようにカメラにバッテリ12が装填
され、測光スイッチ18もレリーズスイッチ20もオン
されない限り、以上で述べたようなメイン処理ルーチン
が所定の時間間隔(200ms) で繰り返し実行される。
【0048】図9には図8のステップ811で実行され
るレリーズ処理ルーチンのフローチャートが示され、こ
のフローチャートを参照してレリーズ処理ルーチンにつ
いて以下に説明する。
【0049】ステップ901では、一眼レフカメラのク
イック・リターン・ミラーがダウン位置からアップ位置
に向かって回動させられる。なお、周知のように、一眼
レフカメラでは、撮影レンズと絞りとの間にクイック・
リターン・ミラーが介在し、このクイック・リターン・
ミラーはダウン位置とアップ位置との間で回動自在とな
っている。クイック・リターン・ミラーはダウン位置で
は撮影レンズの光軸に対して45度の角度で傾斜させら
れ、このとき被写体像をファインダ光学系に導くように
なっており、撮影動作の開始時にクイック・リターン・
ミラーはダウン位置からアップ位置に弾性ばね力でもっ
て回動させられ、これにより被写体像はクイック・リタ
ーン・ミラーに邪魔されることなく絞りを通してフィル
ム記録面側に導かれる。クイック・リターン・ミラーは
弾性ばね力でもってダウン位置からアップ位置に向かっ
て弾性的に偏倚させられるが、通常は機械的係止手段に
よりダウン位置で係止させられてそこに止められる。要
するに、ステップ901では、クイック・リターン・ミ
ラーが機械的係止から釈放されて開放されてダウン位置
からアップ位置に向かって回動させられる。
【0050】ステップ902では、絞り制御回路26が
動作させられ、これにより絞りが全開状態から所定の絞
り値まで絞り込まれる。なお、その所定の絞り値とは図
8のメイン処理ルーチンのステップ807で設定或いは
演算されたものである。次いで、ステップ903では、
シャッタ速度としての露光値(TV)が対数伸張演算処理を
受け、これによりシャッタ速度としての露光値(TV)から
実際のシャッタ速度が求められる。なお、対数伸張演算
処理については、図10に示すTV対数伸張処理ルーチン
のフローチャートを参照して後で詳しく説明する。
【0051】ステップ904では、クイック・リターン
・ミラーがアップ位置に到達したか否かが判断され、ク
イック・リターン・ミラーのアップ位置への到達が確認
されると、ステップ905に進み、そこで露光処理が実
行される。即ち、ステップ905ではシャッタ制御回路
28が動作させられ、これにより電磁シャッタ機構が駆
動させられ、その先幕及び後幕が所定のタイミングで走
行させられる。なお、露光処理については、図11に示
す露光処理ルーチンのフローチャートを参照して後で詳
しく説明する。
【0052】露光処理の完了後、ステップ906に進
み、そこでフィルム巻上げ処理が実行される。即ち、フ
ィルムが一フレーム分だけ巻き上げられ、次のフレーム
が撮影位置まで引き出される。なお、周知のように、フ
ィルム巻上げは一眼レフカメラに内蔵されたフィルム給
送モータの駆動により行われ、このときクイック・リタ
ーン・ミラーがアップ位置からダウン位置に戻されると
共に電磁シャッタ機構の先幕及び後幕も元の位置まで戻
される。次いで、ステップ907では、フィルムの所定
フレーム枚数が撮影されたか否かが判断され、もし所定
フレーム枚数の撮影が完了した場合には、ステップ90
8に進み、そこでフィルム自動巻戻し処理が実行され、
これによりフィルムはパトローネに巻き戻される。な
お、所定のフィルム枚数の撮影が完了していない場合に
は、図8のメイン処理ルーチンに直ちに戻る。
【0053】図10には図9に示すレリーズ処理ルーチ
ンのステップ903で実行されるTV対数伸張処理ルーチ
ンのフローチャートが示され、このフローチャートを参
照してTV対数伸張処理ルーチンについて以下に説明す
る。
【0054】ステップ1001では、以下の演算が実行
される。 TVD ← TV + 07H 即ち、図8のステップ807で設定或いは演算されたシ
ャッタ速度としての露光値TVに07H(16進数)を加算して
TVD を得る。図5の表1を参照して先に説明したよう
に、この加算演算は露光値TVから負の値を除くためであ
り、最小シャッタ速度(120秒) としての露光値TV=-7 を
零とするための処理である。
【0055】ステップ1002では、露光値TVD の整数
部TVDIが以下の論理演算により求められる。 TVDI ← (TVD & F8H)/8 なお、上記論理演算式において、(TVD & F8H) は露光値
TVD(8-ビットデータ) の下位3-ビット(小数部) をマス
クする処理である(図6(1))。
【0056】ステップ1003では、露光値TVD の小数
部TVDFが以下の論理演算により求められる。 TVDF ← (TVD & 07H)^07H なお、上記論理演算式において、(TVD & F7H) は露光値
TVD(8-ビットデータ) の上位5-ビット(整数部) をマス
クする処理であり(図6(1))、“^”は排他的論理
和を示し、小数部の2の補数をとる処理であり、これに
より小数部TVDFには整数部TVDIの8つの連続した同じ数
値に対して00H から07H までの循環する数値が与えられ
る(図7)。
【0057】ステップ1004では、以下の論理演算に
より、小数部TVDF(露光値)に対するシャッタ時間の換
算が行われる。 TVTIME ← INT[122*2(TVDF/8) + 0.5] なお、数値122 は最大シャッタ時間1/8000秒をμsec で
換算した換算値であり、TVTIMEは換算シャッタ時間の整
数部を示し、小数部は演算結果に0.5 を加えることによ
り四捨五入される。
【0058】ステップ1005では、以下の論理演算に
より、整数部TVDI(露光値)に対するシャッタ時間の換
算が行われる。 TVTIME ← TVTIME*2(20-TVDI)
【0059】かくして、図8のステップ807で設定或
いは演算されたシャッタ速度としての露光値TVから実際
のシャッタ時間が求められたことになる。なお、このシ
ャッタ時間にはシャッタ速度誤差データdTVD(露光値)
が考慮されていないので、かかるシャッタ時間によって
電磁シャッタ機構の先幕及び後幕の走行タイミングを制
御したとしても、正確なシャッタ時間は得られない。
【0060】ステップ1006では、メイン処理ルーチ
ン(図8)のステップ802でEEPROM30から制
御回路10のRAMに前もって読み出されたシャッタ速
度誤差dTVD(露光値)に対する対数伸張処理が以下の論
理演算によって行われる。 dTVTIME ← 122 - INT[122*2(dTVD/128) + 0.5] 即ち、シャッタ速度誤差データとしての露光値dTVDから
実際のシャッタ速度誤差時間 dTVTIME(図4)が求めら
れる。
【0061】ステップ1007では、以下の演算を行う
ことにより、シャッタ時間TVTIMEの補正が行われる。 TVTIME ← TVTIME + dTVTIME
【0062】ステップ1008では、補正後のシャッタ
速度TVTIMEの正負が判断され、もしTVTIME≧0であれ
ば、ステップ1009に進み、そこでマイナス指示フラ
グMFが“0”とされる。一方、TVTIME<0であれば、
ステップ1010に進み、そこでマイナス指示フラグM
Fが“1”とされ、次いでステップ1011でシャッタ
速度TVTIMEが絶対値とされる。
【0063】図11には図9に示すレリーズ処理ルーチ
ンのステップ906で実行される露光処理ルーチンのフ
ローチャートが示され、このフローチャートを参照して
露光処理ルーチンについて以下に説明する。
【0064】ステップ1101では、マイナス指示フラ
グMFが“0”であるか“1”であるかが判断される。
もしMF=0であるとき、即ち補正後のシャッタ速度TV
TIMEが正の値を持つとき、ステップ1102に進み、そ
こでタイマに初期設定値としてシャッタ速度TVTIMEに対
応する数値が設定される。なお、タイマは制御回路10
のマイクロコンピュータに内蔵されたタイマ機能を利用
するものであって、減算カウンタとして機能するもので
ある。
【0065】ステップ1103では、上述のタイマが始
動され、次いでステップ1104で電磁シャッタ機構の
先幕の走行が開始される。ステップ1105では、上述
のタイマがタイムアップしたか否か、即ちタイマの設定
数値が零に到達したか否かが判断される。タイマの設定
数値が零に到達すると、ステップ1106に進み、そこ
で後幕の走行が開始される。
【0066】一方、ステップ1101でもしMF=1で
あるとき、即ち補正後のシャッタ速度TVTIMEが負の値を
持つとき、ステップ1101からステップ1107に進
み、そこでタイマに初期設定値としてシャッタ速度TV
TIMEの絶対値に対応する数値が設定される。
【0067】ステップ1108では、上記タイマが始動
され、次いでステップ1109で電磁シャッタ機構の後
幕の走行が開始される。ステップ1110では、上述の
タイマがタイムアップしたか否か、即ちタイマの設定数
値が零に到達したか否かが判断される。タイマの設定数
値が零に到達すると、ステップ1106に進み、そこで
先幕の走行が開始される。
【0068】なお、本実施形態においは、TVTIME=0の
ときは、マイナス指示フラグMFが“0”とされ、この
とき上述のタイマには零が設定されるので、先幕及び後
幕は実質的に同時に走行させられることになる。勿論、
TVTIME=0のとき、マイナス指示フラグMFを“1”と
してもよく、この場合にも先幕及び後幕は実質的に同時
に走行させられることになる。
【0069】図12及び図13を参照すると、シャッタ
速度を1/8000(122μsec)秒に設定した際にシャッタ速度
誤差が例えば-64/128EV だけ露出不足となるような場合
の先幕及び後幕の走行タイミングチャートが示され、図
12のタイミングチャートはシャッタ速度誤差が考慮さ
れていない場合のものであり、図13のタイミングチャ
ートは本発明に従ってシャッタ速度誤差が考慮された場
合のものである。
【0070】シャッタ速度誤差が-64/128(-0.5)EV であ
るとき、 dTVTIME値は以下の計算によって求められる
(ステップ1006)。
【0071】従って、図12のタイミングチャートから
明らかなように、シャッタ速度誤差-64/128(-0.5)EV が
加味されない場合には、先幕制御信号の立下がりで先幕
の走行が開始されてから122 μsec の経過後に後幕制御
信号の立下がりで後幕の走行が開始されたとしても、シ
ャッタ速度即ち露光時間は86μsec だけしか得られず、
36μsec(-64/128EV)分だけ露光不足となる。
【0072】ところが、本発明によれば、シャッタ速度
誤差-64/128EV がシャッタ速度に加味され、補正後のシ
ャッタ時間TVTIMEは158 μsec(122+36) とされ(ステッ
プ1007)、図13のタイミングチャートから明らか
なように、先幕制御信号の立下がりで先幕の走行が開始
されてから(ステップ1104)、158 μsec が経過し
た後(ステップ1105)に後幕制御信号の立下がりで
後幕の走行が開始されるので(ステップ1106)、適
正なシャッタ速度即ち露光時間122 μsec が得られる。
【0073】図14及び図15を参照すると、シャッタ
速度を1/8000(122μsec)秒に設定した際にシャッタ速度
誤差が例えば192/128EV だけ露出過剰となるような場合
の先幕及び後幕の走行タイミングチャートが示され、図
14のタイミングチャートはシャッタ速度誤差が考慮さ
れていない場合のものであり、図15のタイミングチャ
ートは本発明に従ってシャッタ速度誤差が考慮された場
合のものである。
【0074】シャッタ速度誤差が192/128(1.5)EVである
とき、 dTVTIME値は以下の計算によって求められる(ス
テップ1006)。
【0075】従って、図14のタイミングチャートから
明らかなように、シャッタ速度誤差192/128(1.5)EVが加
味されない場合には、先幕制御信号の立下がりで先幕の
走行が開始されてから122 μsec の経過後に後幕制御信
号の立下がりで後幕の走行が開始されると、シャッタ速
度即ち露光時間は345 μsec となり、適正なシャッタ速
度122 μsec に対して大幅に露光過剰となる。
【0076】ところが、本発明によれば、シャッタ速度
誤差192/128(1.5)EVがシャッタ速度に加味され、補正後
のシャッタ時間TVTIMEは-101μsec(122-223)とされ(ス
テップ1007)、図15のタイミングチャートから明
らかなように、後幕制御信号の立下がりで後幕の走行が
開始されてから(ステップ1109)、101 μsec が経
過した後(ステップ1110)に先幕制御信号の立下が
りで先幕の走行が開始されるので(ステップ111
1)、適正なシャッタ速度即ち露光時間122 μsecが得
られる。
【0077】
【発明の効果】以上の記載から明らかなように、本発明
によれば、測光センサの調整検査ラインでシャッタ速度
の調整検査を行うだけでなく、露出制御処理を利用して
シャッタ速度誤差補正を行うことも可能となり、かくし
てカメラの製造コストを大幅に低減し得るという効果が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるシャッタ速度補正方法及びその補
正方法に基づくシャッタ制御装置を実施した一眼レフカ
メラの制御ブロック図である。
【図2】図1の一眼レフカメラを設置した像面露光量測
定器の概略ブロック図である。
【図3】図2に示す像面露光量測定器によって図1の一
眼レフカメラのシャッタ速度誤差を露光値として計測す
る際の手順を示すフローチャートである。
【図4】図2に示す像面露光量測定器によって計測され
たシャッタ速度誤差としての露光値を9-ビット補正デー
タとして示す表である。
【図5】実際のシャッタ速度と露光値との関係を示す表
であって、シャッタ速度としての露光値から実際のシャ
ッタ速度を求める際の演算を容易に行うために該露光値
のデータ処理を説明する表である。
【図6】シャッタ速度としての露光値を8-ビットデータ
として取り扱う際のデータ構成を概念的に示す表であ
る。
【図7】シャッタ速度としての露光値を整数部と小数部
とに分けて示す表である。
【図8】図1に示す一眼レフカメラの制御回路で実行さ
れるメイン処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図9】図8のメイン処理ルーチンのサブルーチンとし
て実行されるレリーズ処理ルーチンを示すフローチャー
トである。
【図10】図9のレリーズ処理ルーチンのサブルーチン
として実行されるTV対数伸張処理ルーチンを示すフロー
チャートである。
【図11】図9のレリーズ処理ルーチンのサブルーチン
として実行される露光処理ルーチンを示すフローチャー
トである。
【図12】シャッタ速度を1/8000秒に設定した際にシャ
ッタ速度誤差が-64/128EV だけ露出不足となるような場
合の先幕及び後幕の走行タイミングチャートであって、
シャッタ速度誤差を考慮していないときのタイミングチ
ャートである。
【図13】シャッタ速度を1/8000秒に設定した際にシャ
ッタ速度誤差が-64/128EV だけ露出不足となるような場
合の先幕及び後幕の走行タイミングチャートであって、
本発明に従ってシャッタ速度誤差を考慮したときのタイ
ミングチャートである。
【図14】シャッタ速度を1/8000秒に設定した際にシャ
ッタ速度誤差が192/128EV だけ露出不足となるような場
合の先幕及び後幕の走行タイミングチャートであって、
シャッタ速度誤差を考慮していないときのタイミングチ
ャートある。
【図15】シャッタ速度を1/8000秒に設定した際にシャ
ッタ速度誤差が192/128EV だけ露出不足となるような場
合の先幕及び後幕の走行タイミングチャートであって、
本発明に従ってシャッタ速度誤差を考慮したときのタイ
ミングチャートである。
【符号の説明】
10 制御回路 12 バッテリ 14 電圧レギュレータ 16 発振子 18 測光スイッチ 20 レリーズスイッチ 22 測光回路 24 A/D変換回路 26 絞り制御回路 28 シャッタ制御回路 30 EEPROM 32 インターフェース回路 34 制御回路 36 光源 40 LCDパネル 42 インターフェース回路 44 外部コンピュータ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カメラに組み込まれる電磁シャッタ機構
    のシャッタ速度補正方法であって、 シャッタ速度誤差を露光値として計測し、 シャッタ速度誤差としての露光値をカメラのメモリ手段
    に格納し、 カメラの撮影動作時に得られるシャッタ速度をシャッタ
    速度誤差としての露光値に基づいて補正することから成
    るシャッタ速度補正方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のシャッタ速度補正方法
    において、前記シャッタ速度誤差を露光値として計測す
    るために像面露光量測定器が使用されることを特徴とす
    るシャッタ速度補正方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のシャッタ速度補
    正方法において、前記シャッタ速度誤差が露出不足とし
    て計測されたとき、その露光値が負の値として取り扱わ
    れ、前記シャッタ速度誤差が露出過剰として計測された
    とき、その露出値が正の値として取り扱われることを特
    徴とするシャッタ速度補正方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のシャッタ速度補正方法
    において、前記シャッタ速度誤差としての露光値を所定
    ビット数のデータとして前記メモリ手段に格納されるこ
    とを特徴とするシャッタ速度補正方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のシャッタ速度補正方法
    において、前記シャッタ速度誤差としての露光値の正負
    を表すために前記所定ビット数のうちの1ビットが利用
    されることを特徴とするシャッタ速度補正方法。
  6. 【請求項6】 カメラに組み込まれる電磁シャッタ機構
    のシャッタ速度制御装置であって、 シャッタ速度誤差を露光値として格納するメモリ手段
    と、 前記カメラの撮影動作時に得られるシャッタ速度を前記
    シャッタ速度誤差としての露光値に基づいて補正する補
    正演算手段とを具備して成るシャッタ速度制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のシャッタ速度補正装置
    において、前記シャッタ速度誤差としての露光値が正で
    あるとき、前記補正演算手段によるシャッタ速度補正が
    前記露光値に対応する露光時間を前記シャッタ時間から
    減算することによって行われ、前記シャッタ速度誤差と
    しての露光値が負であるとき、前記補正演算手段による
    シャッタ速度補正が前記露光値に対応する露光時間を前
    記シャッタ時間に加算することによって行われることを
    特徴とするシャッタ速度制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載のシャッタ速度補正装置
    において、前記補正演算手段によるシャッタ速度補正が
    前記露光値に対応する露光時間を前記シャッタ時間から
    減算することによって行われた際にその減算シャッタ時
    間の正負を判別する判別手段が設けられ、前記判別手段
    によって前記減算シャッタ時間が正であると判別された
    とき、前記電磁シャッタ機構の先幕走行タイミングがそ
    の後幕走行タイミングよりも先行させられ、前記判別手
    段によって前記減算シャッタ時間が負であると判別され
    たとき、前記電磁シャッタ機構の後幕走行タイミングが
    その先幕走行タイミングよりも先行させられることを特
    徴とするシャッタ速度制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009092889A (ja) * 2007-10-05 2009-04-30 Canon Inc 撮像装置及びその制御方法
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