JP2000241672A - 双方向光通信器および双方向光通信装置 - Google Patents
双方向光通信器および双方向光通信装置Info
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Abstract
り、送信・受信共に損失が少なく、POFのように大口
径の光ファイバとも高効率で結合させることができる双
方向光通信器、および、それを用いた双方向光通信装置
を提供する。 【解決手段】 発光素子5から放射された送信光は、立
ち上げミラー7により基板6と略垂直方向に曲げられ、
曲面形状の集光ミラー3により、光ファイバ2の端面に
集光され光ファイバ2と結合する。一方、光ファイバ2
を伝搬してきた受信光は、集光ミラー3により反射され
て、受光素子4上に集光する。
Description
送受信することのできる双方向光通信器に関し、より詳
しくはプラスチック光ファイバ等のマルチモード光ファ
イバを伝送媒体として、家庭内通信や電子機器間通信、
LAN(Local Area Network)等に
使用することのできる双方向光通信器およびそれを用い
た双方向光通信装置に関するものである。
光の送受信を行う光通信器においては、光ファイバと発
光素子、および、受光素子とを結合させる方法が数多く
提案されている。
を、凹面鏡を用いて結合させる方式が特開昭62ー22
2211号公報や特開平1ー108511号公報に開示
されている。図9を基にこの方式を説明する。
3へと放射される。凹面鏡103は回転楕円面に形成さ
れており、その焦点位置に発光素子105と光ファイバ
102の端面が配置されている。このため、凹面鏡10
3に入射した上記送信光は、そこで反射されて、光ファ
イバ102の端面に集光され、光ファイバ102に結合
される。
11号公報や特開平1ー108511号公報に記載の方
式は、発光素子からの送信光を光ファイバに結合するだ
けの発光モジュールに関するものであり、双方向に送受
信する場合には、送信光と受信光のそれぞれで別々の結
合光学系が必要となり、2本の光ファイバが必要とな
る。
めに、1本の光ファイバにより送受信を行うことが望ま
れているが、この1本の光ファイバによる双方向光通信
器においては、送信光と受信光を分離して光ファイバと
結合させる方法が課題となっている。従来より提案され
ている方式としては、ホログラム(特開平3ー2439
05号公報)やハーフミラー(特開平10ー11573
2号公報)を用いたもの等がある。
と受信光の分離を行うために約3dBの損失が生じてし
まうという問題があった。また、送受信光の分離素子が
必要であり、コストが高く、小型化が困難であった。
受光素子と発光素子の両方を光ファイバの光軸近傍に配
置して、レンズを用いてそれぞれを結合させる方式が特
開平9ー251119号公報に開示されている。この方
式について、図10を基に説明する。
光素子205が配置され、光ファイバ202と発光素子
205とを結ぶ基線に側面が接近するように受光素子2
04が配置されている。光ファイバ202を伝搬してき
た受信光はレンズ210により屈折されて、受光素子2
04に結合される。一方、発光素子205から放射され
た送信光はレンズ210により屈折されて、光ファイバ
202に結合される。この方式では、送受信光の分離を
行っていないため、低コストで小型の双方向光通信装置
を得ることができる。
うな方式では、発光素子205と受光素子204の光軸
を近づけているために、送信光が受光素子基板206に
より蹴られたり、光ファイバ202からの受信光の約半
分が受光素子204に結合しなくなり、損失が大きくな
るという問題があった。
ック光ファイバ(以後POFと記載)のように大口径の
光ファイバを用いる場合、レンズ210では十分に集光
できないという問題もある。特に、高速での通信を行う
場合には、静電容量の問題から、受光素子の面積を小さ
くする必要があるが、この場合、1mm程度のコア系を
持つPOFから放射されたマルチモードの受信光をレン
ズにより屈折させて高い結合効率を得ることは困難であ
る。
ものであり、一本の光ファイバにより送受信が可能であ
り、送信・受信共に損失が少なく、POFのように大口
径の光ファイバとも高効率で結合させることができ、送
受信の分離素子が不必要で、安価で小型の双方向光通信
器、および、それを用いた双方向光通信装置を提供する
ものである。
光通信器は、一本の光ファイバにより送受信を行う双方
向光通信器において、発光素子からの送信光を反射して
前記光ファイバの一端面に結合させるととともに、前記
光ファイバの前記一端面から放射される受信光を反射し
て受光素子に入射させる集光ミラーを有することを特徴
とする。
て、光ファイバから放射される受信光を集光して、受光
素子に結合させているため、集光ミラーの曲率を変化さ
せることにより、集光状態を容易に変化させることが可
能であり、例えばPOFのような大口径の光ファイバを
用いても、高効率で受光素子に結合させることが可能と
なる。また、送信光を同一の集光ミラーにより、光ファ
イバに結合させているため、一本の光ファイバでの送受
信が可能であり、送信光と受信光を分離する必要がな
く、低コストで小型の双方向光通信器を得ることができ
る。
項1に記載の双方向光通信器において、前記集光ミラー
における、前記送信光を反射する領域と、前記受信光を
反射する領域が少なくとも一部重複していることを特徴
とする。
光通信器の小型化を実現できるとともに、光ファイバの
光軸に対して略平行に送信光を送ることができ、高効率
化を実現できる。
項1または請求項2に記載の双方向光通信器において、
前記集光ミラーは、入射してきた前記送信光を、開口数
を減少させて前記光ファイバへと導くことを特徴とす
る。
い程、光ファイバとの結合効率が高く、また、光ファイ
バを伝搬した後のモード分散が小さくなる。このため、
集光ミラーにより送信光のNAを小さくなるように変換
することにより、より高効率な双方向光通信器を得るこ
とができる。
項1乃至請求項3のいずれかに記載の双方向光通信器に
おいて、前記発光素子からの送信光を、開口数を減少さ
せて前記集光ミラーへと導く光学部材を有していること
を特徴とする。
された送信光の広がりを少なくすることができるため、
送信光の光ファイバへの集光をより行いやすくすること
ができる。また、光ファイバへの送信光の結合,受光素
子への受信光の入射を高効率に行うことが可能となる。
項1乃至請求項4のいずれかに記載の双方向光通信器に
おいて、前記発光素子は端面発光型からなり、前記受光
素子が搭載された基板上に配置されており、前記発光素
子からの送信光を前記集光ミラーへと導く立ち上げミラ
ーを有してなることを特徴とする。
製ができ、低コストで信頼性の高い双方向光通信器を得
ることができる。また、立ち上げミラーを受光素子の近
傍に配置することにより、受光素子と送信光の立ち上げ
位置を近づけることができ、より高効率で送受信光を光
ファイバと結合させることができる。
項5に記載の双方向光通信器において、前記立ち上げミ
ラーは、前記発光素子からの送信光の開口数を減少させ
るように、凹曲面形状を有していることを特徴とする。
された送信光の広がりを少なくすることができるため、
送信光の光ファイバへの集光をより行いやすくすること
ができる。また、光ファイバへの送信光の結合,受光素
子への受信光の入射を高効率に行うことが可能となる。
項1乃至請求項6のいずれかに記載の双方向光通信器に
おいて、前記基板と前記光ファイバの光軸が平行に配置
されていることを特徴とする。
光通信器を平面実装することが可能であり、素子基板の
組み立てを容易に行うことができ、また、小型化が容易
となる。
ファイバの各端に、それぞれ光学的に結合されている複
数の双方向光通信器を有して、双方向光通信を行うため
の双方向光通信装置であって、上記複数の双方向光通信
器の少なくとも一つは、請求項1乃至請求項7のいずれ
か一つに記載の双方向光通信器であることを特徴とす
る。
て、光ファイバから放射される受信光を集光して、受光
素子に結合させているため、集光ミラーの曲率を変化さ
せることにより、集光状態を容易に変化させることが可
能であり、例えばPOFのような大口径の光ファイバを
用いても、高効率で受光素子に結合させることが可能と
なる。また、送信光を同一の集光ミラーにより、光ファ
イバに結合させているため、一本の光ファイバでの送受
信が可能であり、送信光と受信光を分離する必要がな
く、低コストで小型の双方向光通信装置を得ることがで
きる。
施の形態1について、図1〜図3に基づいて説明すれ
ば、以下の通りである。
信リンク(双方向光通信装置)の構成を示す概略図であ
る。本双方向光通信リンク10は、伝達するデータ信号
に基づく、伝送に適した変調光を双方向に伝送するため
の光ファイバ2と、光ファイバ2の両端に光学的に結合
するように、それぞれ接続された各双方向光通信器1と
を備えている。
表す概略図である。図3は図1の双方向光通信器におけ
る発光素子5,受光素子4の配置を説明する平面図であ
る。図1,3を基に本発明の一例を説明する。
変調光を生成する発光素子5と、光ファイバ2からの変
調光を受光してデータ信号を生成するための受光素子4
と、光ファイバ2と発光素子5、受光素子4とを光学的
に結合させる、曲面形状の集光ミラー3とを有してい
る。発光素子5は受光素子4がモノリシックに形成され
た基板6の側面に、ハイブリットに形成されている。
放射された送信光は、集光ミラー3により光ファイバ2
の端面方向に光路が曲げられると共に、集光ミラー3の
曲面により、発散して広がった光が、光ファイバ2の端
面に向けて集光される。一方、光ファイバ2から放射さ
れた受信光は、光ファイバ2のNA(開口数)に従って
広がっていくが、集光ミラー3により、受光素子4に向
けて曲げられるとともに集光されて、集光スポットS
(図3参照)として受光素子4に入射する。
うな曲面形状からなる。この集光ミラー3については後
述する。
マルチモード光ファイバを用いることが好ましい。PO
FはコアがPMMA(PolyMethylMethA
crylate)やポリカーボネート等の光透過性に優
れたプラスチックからなり、クラッドは上記のコアより
屈折率の低いプラスチックで構成されている。このよう
な光ファイバ2では、石英光ファイバに比べそのコアの
径を約200μmから約1mmと大きくすることが容易
であることから、双方向光通信器1との結合調整が容易
であり、安価な双方向光通信リンク10を得ることがで
きる。
ガラスよりなり、クラッドがポリマーで構成されたPC
Fを用いてもよい。PCFはコア径が200μm程度で
あり、POFに比べると価格が高いが、伝送損失が小さ
く、伝送帯域が広いという特徴がある。このため、PC
Fを伝送媒体とすることにより長距離での通信やより高
速での通信を行うことができる双方向光通信リンク10
を得ることができる。
sやGaInAlP等を材料とする半導体レーザや、発
光ダイオード(LED)が用いられる。LED等の面発
光型の発光素子5を用いる場合は、図1で示した端面発
光型の発光素子5とは光軸が90度回転するため、基板
6上の受光素子4の隣に配置される。
弱を電気信号に変換し、発光素子5の波長域で感度の高
いフォトダイオードを使用し、例えば、シリコンを材料
とするPINフォトダイオードや、アバランシェフォト
ダイオード等を用いる。また、受光素子4は基板6上に
ハイブリッドに形成されたものでもよい。
について説明したが、ここでは、集光ミラー3に、発
光素子5からの送信光を光ファイバ2に結合させる機能
と、光ファイバ2からの受信光を受光素子4に結合さ
せる機能を持たせている。
明する。
は、送信光が光ファイバ2の端面の中心にその光軸に平
行に入射する場合に、その効率が最も高くなり、一方、
上記の受信光の受光素子4への入射は、受信光が受光
素子4の受光領域の中心に集光される場合に、最も大き
な受光量が得られ効率が良くなる。しかしながら、単一
の集光ミラー3を用いて、両方を満足することは不可能
である。
る送信光を反射する領域と、受信光を反射する領域とを
少なくとも一部重複させている。これにより、集光ミラ
ー3は、光ファイバ2から光軸に平行に送られてくる受
信光を受けるとともに、光ファイバ2の光軸に対して略
平行に送信光を送出することができ、高効率化を実現で
きる。また、双方向光通信器を小型化できる。
通信器の用途等を考慮して、送信光の光ファイバ2への
結合効率,受信光の受光素子4への入射効率の双方が目
的値以上となるように、発光素子5,受光素子4,光フ
ァイバ2の形状や特性,配置等に合わせて反射面形状を
調整する必要がある。
面を用いる場合は、その焦点の一つを、発光素子5の出
射点5A及び受光素子4の受光領域中心の近傍に配置す
ることが、送信光,受信光を効率的に使用でき好まし
い。なお、この場合、光ファイバ2の端面は、集光ミラ
ー3の反射面と回転楕円面のもう一つの焦点とを結ぶ直
線上に配置することが望ましい。
例について説明する。
する光束は、NAが小さい程モード分散が少なくなるた
め、特に高速での光伝送を行う際に有利となり、一方、
NAが大きい場合には光ファイバ2との結合ができず損
失となる。このため、通常は、発光素子からの送信光の
NAをレンズ等で変換してNAを小さくして光ファイバ
に結合させている。
NAを変換する役割をも担うことが可能である。図4は
本変形例1の集光ミラー3を説明する断面概略図であ
る。
5Aと集光ミラー3との間隔d1に比べ、集光ミラー3
と光ファイバ2の端面との間隔d2の方が大きくなるよ
うに配置している。そして、集光ミラー3の曲面形状
を、光ファイバ2に送信光が集光されるように最適化し
ている。このようにすれば、送信光のNAをNA変換用
のレンズなしで小さくして、光ファイバ2へと導くこと
ができ、高効率であるとともに簡単な構成で安価な双方
向光通信器を実現できる。
5,受光素子4,集光スポットSを図3に示すように配
置した例を示したが、本発明はこれに限るものではな
い。例えば、図5に示すように、受光素子4を半円状に
構成すれば、集光スポットSをスポット径の小さな略円
状のものとすることができ、高効率化を実現できる。
ー3の反射面を連続した滑らかな曲面で形成したが、不
連続な曲面で形成しても構わない。例えば、反射面の内
の一部を送信光を光ファイバに結合するのに適した曲面
で形成し、残りを受信光を受光素子に入射させるに適し
た曲面で形成すれば、双方の光利用効率を高めることが
できる。
光が集光ミラー3に入射する領域の面積を小さくするこ
とが、集光ミラーの反射面形状の設計を行う上で有利で
ある。これは、例えば、発光素子と集光ミラーとの間に
レンズ等の光学部品を配置することで実現できる。この
ようにすれば、集光ミラー3方向に反射された送信光の
広がりを少なくすることができるため、送信光の光ファ
イバ2への集光をより行いやすくすることができる。ま
た、光ファイバ2への送信光の結合,受光素子5への受
信光の入射を高効率に行うことが可能となる。
〜4)の双方向光通信器、および双方向光通信リンクで
は、一つの集光ミラーにより、送信光と受信光を光ファ
イバと結合させているため、送信光と受信光の分離素子
が必要なく、一本の光ファイバにより送信・受信が可能
となる。また、レンズを用いず、集光ミラーにより光フ
ァイバと受光素子4とを光学的に結合させているため、
集光ミラーの曲率を最適化することにより、POF等の
大口径の光ファイバを用いても、受信光を効率良く受光
素子に結合させることができる。更にまた、集光ミラー
により発光素子から放射された送信光のNAをより小さ
く変換して、光ファイバに結合させることが可能であ
り、より効率良く送信光を光ファイバに結合させること
ができる。
6,図7に基づいて説明すれば以下の通りである。図6
は本実施の形態の双方向光通信器を説明する概略断面図
であり、図7はその平面図である。但し、ここでは、実
施の形態1にて説明した部分と同様の機能を有する部材
については、同一の部材番号を付与して、その説明を省
略する。
ン等を材料とした基板6に各光学部品、制御部品が集積
化された形となっている。基板6にはモノシリックにP
INフォトダイオード等からなる受光素子4が形成され
ており、半導体レーザや端面発光型のLED等の発光素
子5が同一基板上にハイブリッドに配置されている。ま
た、発光素子5の光軸上で受光素子4の近傍に、発光素
子5から放射された送信光の光軸を集光ミラー3の方向
に変換するための、立ち上げミラー7が形成されてい
る。その他に、基板6には、発光素子5からの放射光の
一部を受光して、送信光強度を検知するための、モニタ
用フォトダイオード8、および、発光素子5、受光素子
4の動作を制御する制御装置9が配置されている。
上げミラー7で基板6に垂直方向に光路が曲げられて、
集光ミラー3に到達する。その後、集光ミラー3で集光
されて光ファイバ2に結合される。光ファイバ2から放
射された受信光は、集光ミラー3により、向きを変える
と共に、集光されて、受光素子4に結合される。
モニタ用フォトダイオード8で受光されモニタされる。
そのモニタ結果に基づいて、発光素子5からの光の出射
強度が一定となるように、フィードバック制御により、
発光素子5の出力が調整される。モニタ用フォトダイオ
ード8としては、例えばシリコンを材料とするPINフ
ォトダイオード等を用いることができる。モニタ用フォ
トダイオード8は、基板6に埋め込んで設けてもよい。
光からの電気信号を、データ信号に復調したり、発光素
子5の出力を制御したり、モニタ用フォトダイオード8
で受光したモニタ光から発光素子5の出力を制御したり
する。
等の樹脂を切削やレーザーアブレーション等によりテー
パー形状に加工して、表面にアルミニウムや金等の反射
膜を形成したものを用いる。あるいは、基板6を異方性
エッチングにより加工した面を用いてもよい。ミラー面
の角度は基板6に対して、45度程度がよいが、任意に
選択することによって、配置の自由度を大きくすること
ができる。
発光素子5として、半導体レーザ等の端面発光型のもの
を用いても、一つの基板6上にすべての光学素子を集積
して配置することが容易となる。また、一つの集光ミラ
ー3により送信光と受信光の両方を効率良く集光して、
光ファイバ2と結合させるためには、受光素子4と発光
素子5の出射位置は近い方が有利となる。実施の形態1
のように、基板6の側面に発光素子5を配置する場合、
受光素子4のパッシベーションの関係等から、受光素子
4の端部と発光素子5の出射位置とを100μm程度以
下に近づけることは困難である。しかし、立ち上げミラ
ー7の位置を受光素子4の近傍に形成することは、比較
的容易であり、発光素子5と受光素子4を近づけるのと
同様の効果があるため、立ち上げミラー7を用いること
により、より効率良く送信光と受信光の光ファイバ2と
の結合が行えるという効果がある。
明する。
三角形状の立ち上げ立ち上げミラー7、図8(b)は本
変形例の反射面形状が凹曲面状に形成した立ち上げミラ
ー7’を示している。また、ともに発光素子5から放射
された光ビームの光路を矢印で示している。
面状の反射面が、発光素子5からの送信光の集光ミラー
3に到達したときのビーム径が小さくなるように設定さ
れている。すなわち、送信光のNAを減少させるように
設定されている。このため、集光ミラー3による光ファ
イバ2への送信光の集光を小さなNAで行うことが可能
となり、設計が容易となる。また、NAが小さいため、
図中X方向(集光ミラー3から光ファイバー2へと向か
う方向)に対する集光ミラー3の設置ずれ等にも強くな
る。特に、発光素子5として半導体レーザを用いる場
合、基板6に対して垂直方向には放射角が比較的大きく
なるため、図8(b)に示すように、立ち上げミラー
7’は凹形状となるように曲率を与えることが好まし
い。
ルチモード光ファイバ2を用い、基板上に発光素子(半
導体レーザ)5、受光素子4を搭載する場合を考える。
一般的な半導体レーザ5では基板に垂直方向の放射角
(半値幅)は30度程度であり、図8(a)の構成の場
合、半導体レーザ5の端面から集光ミラー3までの距離
a+bは短くしなければ、送信光の集光ミラー3への入
射面積S1が大きくなり、その結果、集光ミラー3の曲
面形状設計が困難になるばかりでなく、反射後のNAを
小さくすることが困難となり、ファイバ2との結合効率
が悪くなる。また、上記に記述したように、X方向に対
する設計ずれに対し弱くなる。図8(b)の場合、NA
を小さくする、すなわち、半導体レーザ5による送信光
の放射を抑制できる機能を立ち上げミラー7’に具備す
ることで、送信光の集光ミラー3による照射面積S2を
小さくでき、その結果、集光ミラー3の設計に余裕を持
たせることができ、またNAが小さいため、送信光を集
光させる能力に優れ、光ファイバ2を集光ミラー3に近
づけることが可能になる。そのため、光ファイバ2から
出射してきた受信光の広がりを抑えることができ、効率
よく受光素子4に結合できる。
光素子(半導体レーザ)5の端面から立ち上げミラー
7,7’までの距離をa、立ち上げミラー7,7’から
集光ミラー3までの距離をb、集光ミラー3から光ファ
イバ2端面までの距離をcとすると、c>b>aとなる
ように配置するのが好ましい。c>bの配置が好ましい
理由は、光ファイバ2は、そのNAが小さい程、モード
分散が少なくなり、特に高速での光伝送を行う場合有利
となり、発光素子5からの出射光の方がNAが大きい場
合は光ファイバ2と結合せずに、損失となってしまうか
らである。b>aの配置が好ましい理由は、一つの基板
に発光素子5、受光素子4を形成し、光ファイバ2との
結合効率を高めるために必要であり、距離aが大きい
と、発光素子(半導体レーザ)5の放射角により、一層
大きな立ち上げミラー7,7’が必要になり、同一基板
上に発光素子5、受光素子4を形成することは困難にな
る。一例としてaの距離としては、数十ミクロン程度、
立ち上げミラー7,7’の高さとしては100μm以
下、bの距離としては1mm程度に構成するのが好まし
い。距離aを長くしなければならない場合は、発光素子
5と立ち上げミラー7,7’の間に導波路を挿入する構
成としても良い。以上説明したように、c>b>aを満
足する構成とすることでより一層コンパクトな双方向光
通信器が実現できる。
は平行に配置することが好ましい。このような配置とす
ることにより、光ファイバと双方向光通信器を平面実装
することが可能となり、回路基板の組み込みを行うスペ
ースが取り易く、組み立ても容易となり、装置の小型化
が可能となる。
向光通信器1では、一つの基板6上に光学素子を集積化
しているため、小型で、信頼性が高く、高性能な双方向
光通信器1、および、双方向光通信リンク10を得るこ
とができる。
反射面を連続した滑らかな曲面で形成したが、不連続な
曲面で形成しても構わない。例えば、反射面の内の一部
を送信光が光ファイバに結合するのに適した曲面で形成
し、残りを受信光が受光素子に入射するに適した曲面で
形成すれば、双方の光利用効率を高めることができる。
特に、図8(b)で示した凹面状の立ち上げミラー7’
を用いる場合、集光ミラー3における送信光を受ける領
域の面積S2が小さくなるため、この部分を送信光が光
ファイバに結合するのに適した曲面で形成し、他の部分
を受信光が受光素子に入射するに適した曲面で形成すれ
ば、光の利用効率を高めることができる。
であり、もちろんその一部を変更した構成によっても同
様の効果を得ることが可能である。
光ファイバから放射される受信光を集光して、受光素子
に結合させているため、集光ミラーの曲率を変化させる
ことにより、集光状態を容易に変化させることが可能で
あり、例えばPOFのような大口径の光ファイバを用い
ても、高効率で受光素子に結合させることが可能とな
る。また、送信光を同一の集光ミラーにより、光ファイ
バに結合させているため、一本の光ファイバでの送受信
が可能であり、送信光と受信光を分離する必要がなく、
低コストで小型の双方向光通信器及び双方向光通信装置
を得ることができる。
を説明する概略断面図である。
略図である。
る。
る。
を説明する概略断面図である。
模式図である。
ある。
Claims (8)
- 【請求項1】 一本の光ファイバにより送受信を行う双
方向光通信器において、 発光素子からの送信光を反射して前記光ファイバの一端
面に結合させるととともに、前記光ファイバの前記一端
面から放射される受信光を反射して受光素子に入射させ
る集光ミラーを有することを特徴とする双方向光通信
器。 - 【請求項2】 請求項1に記載の双方向光通信器におい
て、 前記集光ミラーにおける、前記送信光を反射する領域
と、前記受信光を反射する領域が少なくとも一部重複し
ていることを特徴とする双方向光通信器。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の双方向
光通信器において、 前記集光ミラーは、入射してきた前記送信光を、開口数
を減少させて前記光ファイバへと導くことを特徴とする
双方向光通信器。 - 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
の双方向光通信器において、 前記発光素子からの送信光を、開口数を減少させて前記
集光ミラーへと導く光学部材を有していることを特徴と
する双方向光通信器。 - 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載
の双方向光通信器において、 前記発光素子は端面発光型からなり、前記受光素子が搭
載された基板上に配置されており、 前記発光素子からの送信光を前記集光ミラーへと導く立
ち上げミラーを有してなることを特徴とする双方向光通
信器。 - 【請求項6】 請求項5に記載の双方向光通信器におい
て、 前記立ち上げミラーは、前記発光素子からの送信光の開
口数を減少させるように、凹曲面形状を有していること
を特徴とする双方向光通信器。 - 【請求項7】 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載
の双方向光通信器において、 前記基板と前記光ファイバの光軸が平行に配置されてい
ることを特徴とする双方向光通信器。 - 【請求項8】 光ファイバの各端に、それぞれ光学的に
結合されている複数の双方向光通信器を有して、双方向
光通信を行うための双方向光通信装置であって、 上記複数の双方向光通信器の少なくとも一つは、請求項
1乃至請求項7のいずれか一つに記載の双方向光通信器
であることを特徴とする双方向光通信装置。
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