JP2000241312A - ダストサンプラ及びダストモニタ - Google Patents

ダストサンプラ及びダストモニタ

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JP2000241312A
JP2000241312A JP4031499A JP4031499A JP2000241312A JP 2000241312 A JP2000241312 A JP 2000241312A JP 4031499 A JP4031499 A JP 4031499A JP 4031499 A JP4031499 A JP 4031499A JP 2000241312 A JP2000241312 A JP 2000241312A
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JP
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dust
lid
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filter paper
sample air
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JP4031499A
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Inventor
Tadao Hashimoto
忠雄 橋本
Hironobu Kobayashi
裕信 小林
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】濾紙通過試料空気量だけに相当する排気能力の
ポンプが使用でき、試料空気中の塵埃だけを正確に捕集
し、濾紙交換や保守点検が短時間で実施できるダストモ
ニタあるいはダストサンプラを提供する。 【解決手段】不図示の集塵ヘッド部や検出器部等を収納
する気密ボックス11a の気密シール部材114aは、凹形の
断面形状で排気孔1141を有し、凹形の開いた部分を上に
して筐体112aの側壁上端の溝内にセットされる。排気孔
1141には減圧用排気管117 の一端が接続され、その他端
はポンプ5に接続され、ポンプ5によって気密シール部
材114aと蓋111aとで形成する排気空間1142が減圧され、
蓋111aが大気圧で気密シール部材114aに押し付けられ、
気密シール状態になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、試料空気中に存
在する塵埃を濾紙上に捕集するダストサンプラ、及び試
料空気中に存在する塵埃を濾紙上に捕集して捕集した塵
埃から放射される放射線量を計測し、試料空気中に含ま
れている放射性塵埃密度を計測・監視するダストモニタ
に関する。
【0002】
【従来の技術】図3は従来技術によるダストモニタの一
100 の構成を示し、(a)は一部をブロック化し、モ
ニタ本体の蓋を外した状態の平面図、(b)はモニタ
本体の部分断面正面図である。
【0003】ダストモニタ100 は、試料空気採取場所20
0 の試料空気210 をモニタ本体へ送る第1配管2と、
試料空気210 中の塵埃を濾紙132 上に捕集し、捕集した
塵埃から放射される放射線量を計測する検出器141 等か
らなるモニタ本体と、モニタ本体を通過した試料空
気210 を排気する第2配管3と、第2配管3の途中に設
置されて試料空気210 の流量を計測する流量計4と、試
料空気採取場所200 の試料空気210 を第1配管2からモ
ニタ本体、第2配管3へと通して吸引するポンプ5と
で構成されている。
【0004】モニタ本体は、蓋111 と筺体112 とパッ
キン114 とからなる気密ボックス11と、その中に収納さ
れている、集塵ヘッド部12と濾紙駆動機構部13と検出器
部14とで構成されている。
【0005】気密ボックス11は、試料空気210 以外の空
気を濾紙132 に通さないために、十分な気密性を要求さ
れる。そのため、気密ボックス11の前後には、合計4つ
のキャッチクリップ115 が備えられていて、パッキン11
4 を挟んで蓋111 と筐体112とを十分な圧力で締め付
け、両者間の気密シールを確実なものにしている。更
に、その中に収納されている集塵ヘッド部12等が筺体11
2 の底板113 に取り付けられている部分にも、十分な気
密性を確保できる手段が採用されている。
【0006】集塵ヘッド部12は、試料空気210 を気密ボ
ックス11内に供給及び排出する部分であり、且つ試料空
気210 中の塵埃を捕集するための濾紙132 を保持する部
分である。集塵ヘッド部12について、図4及び図5を用
いて更に詳しく説明する。
【0007】図4及び図5は、集塵ヘッド部12の正面図
及び部分断面側面図である。集塵ヘッド部12は、試料空
気210 の通路となる貫通孔1212と連通孔1213と凹部1211
とが形成されているヘッドブロック121 と、凹部1211の
開口部1216を塞ぐように凹部1211の前面にパッキン123
を介してねじ124 で気密に取り付けられ、凹部1211に対
向する部分(小孔領域1222) には多数の小孔1221を有す
る多孔部材122 とで構成されている。
【0008】連通孔1213は、筺体112 の底板113 に開け
られた接続口1131によって第1配管2に接続されてい
て、ヘッドブロック121 の前面1214の開口部から気密ボ
ックス11内に試料空気210 を送り込む通路である。貫通
孔1212は、気密ボックス11内に送り込まれ濾紙132 を通
って凹部1211内に達した試料空気210 を、底板113 に開
けられた接続口1132から第2配管3に送り出す通路であ
る。多孔部材122 は、気密ボックス11内に送り込まれた
試料空気210 中の塵埃を捕集する濾紙134 を支える部材
であり、全部の試料空気210 が濾紙134 を通過するよう
にするために、その周辺部がパッキン123 によって気密
シールされており、且つ小孔領域1222の範囲も濾紙134
の大きさに合わせて限定されている。また、小孔領域12
22に開けられている多数の小孔1221は、濾紙134 での圧
力損失をできる限り少なくするために、可能な限り高密
度に形成されている。
【0009】濾紙駆動機構部13は、集塵ヘッド部12の多
孔部材122 に保持されて試料空気210 中に含まれている
塵埃を捕集する巻紙状の濾紙132 を、測定時間間隔毎に
集塵ヘッド部12に供給する機構であって、濾紙132 を供
給する供給スプール131 と、濾紙132 を集塵ヘッド部12
の多孔部材122 に位置決めするローラ136 及び137 と、
使用済みの濾紙132 を巻き取る巻取りスプール133 と、
巻取りスプール133 及びローラ137 を駆動するモータ13
4 等とで構成されている。
【0010】検出器部14は、濾紙132 上に捕集された塵
埃から放射される放射線量を計測するための放射線検出
器(図4では単に検出器)141 と、これを保持する支持
部材142 とで構成されている。放射線検出器141 は、塵
埃から放射される放射線をできるだけ効率よく高感度で
検出するために、その検出面が濾紙132 の塵埃捕集面に
できる限り近接するように設置されている。
【0011】このような構成のダストモニタ100 におい
て、ポンプ5を動作させると、試料空気採取場所200 の
試料空気210 が、第1配管2から接続口1131、連通管12
13を通って気密ボックス11内に入り、濾紙132 を通過し
て塵埃を捕集され、多孔部材122 の小孔領域1222の小孔
1221から凹部1211、貫通孔1212、接続口1132を経て第2
配管3に至り、流量計4で流量を計測された後、排気さ
れる。
【0012】濾紙132 に捕集された塵埃は、放射線検出
器141 によって、それから放射する放射線量を計測され
る。ダストモニタ100 の目的は、試料空気採取場所200
の単位容積当たりの放射性物質の量を求めることであ
る。したがって、放射線検出器141 の計測結果から単位
容積当たりの放射性物質の量を正確に求めるためには、
濾紙を通過させた試料空気210 の量が正確に把握される
ことが必要であり、そのために、流量計4が設置されて
いる。
【0013】以上に説明したダストモニタ100 から検出
器部14を除いて、試料空気210 中の塵埃を捕集すること
を目的とした装置がダストサンプラである。したがっ
て、ダストサンプラの場合には、塵埃を捕集した濾紙13
2 は、別の装置によって、塵埃から放射される放射線量
等の計測対象量を計測される。そのため、濾紙として
は、巻紙状の長い濾紙ではなく、小孔領域1222に対応し
た円形あるいは方形の濾紙が用いられ、測定時間間隔毎
に濾紙が交換・供給される場合も多い。この場合には、
濾紙駆動機構部13は不要である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述の説明から明らか
なように、ダストモニタあるいはダストサンプラには、
対象とする空間の空気中に含まれている塵埃だけを正確
に捕集することが要求されている。そのため、従来例と
して説明したダストモニタ100 の場合には、モニタ本体
が、蓋111 及び筺体112 をパッキン114 と4箇所のキ
ャッチクリップ115 とで十分な気密状態に密閉できる気
密ボックス11内に、集塵ヘッド部12と濾紙駆動機構部13
と検出器部14とを収納した構造となっている。
【0015】このような構造のモニタ本体において、
濾紙132 を交換する場合や、放射線検出器141 や濾紙駆
動機構部13等を保守点検する場合には、前面の2箇所の
キャッチクリップ114 及び後面の2箇所のキャッチクリ
ップ114 を外した後、蓋111を開くので、手間がかかる
し、蓋111 を閉める場合にも同様に手間がかかる。蓋11
1 を開いている間は監視動作ができないので、監視動作
の中断時間が長くなることがこのダストモニタの問題点
である。
【0016】上記の問題点は、交換を要する濾紙132 や
保守点検を要する濾紙駆動機構部13等がボックス11内に
収容されていることから発生するとして、図6における
多孔部材122 と放射線検出器141 との間を濾紙132 の通
過部を除いて気密構造にし、この部分に試料空気210 を
送り込む構造のダストモニタが、特開平5-142354に開示
されている。
【0017】このダストモニタは、濾紙の通過部から試
料空気でない外気を吸い込むことを防止するために、第
2の気密室を設け、吸い込んだ外気及び試料空気の一部
をこの気密室を通してポンプで直接排気し、濾紙及び流
量計を通過する空気は試料空気のみであるように構成し
ている。このダストモニタの場合には、濾紙を通過して
流量計で流量を計測される試料空気に加えて、第2の気
密室を通過する空気もポンプによって排気する必要があ
り、且つ外気を絶対に濾紙側に流入させないために、第
2の気密室が常に濾紙側より低圧になるように排気する
必要がある。したがって、このダストモニタの場合に
は、試料空気を全て濾紙に通す気密ボックス方式の場合
に比べて、排気能力がはるかに大きいポンプを必要とす
ることになる。
【0018】この発明の課題は、濾紙を通過させる試料
空気量に相当する排気能力のポンプが使用でき、試料空
気中の塵埃だけが正確に捕集され、且つ濾紙の交換や濾
紙駆動機構部等の保守点検が短時間で実施できるダスト
モニタあるいはダストサンプラを提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】この発明は、図3に示し
たような気密ボックス方式において、蓋を気密シール部
材に押し付ける力(以下では押力という)の発生源とし
て、ポンプ5の発生する負圧を利用するものである。
【0020】図6は、図3の構成でポンプ5を動作させ
た場合における各部の定常圧力をモデル的に示した線図
である。気密ボックス11内の濾紙132 の前面までは、第
1配管2等の小さな圧力損失のために、圧力は大気圧A
から緩やかに圧力Bまで減少する。気密ボックス11内の
圧力はほぼ圧力Bになっている。濾紙132 の裏面の圧
力、言い換えれば、凹部1211の圧力は、濾紙132 での大
きな圧力損失のために大幅に低下して、圧力Cとなって
いる。ポンプ5の位置での圧力は、第2配管3及び流量
計4の圧力損失によって更に幾らか低下し、圧力Dとな
っている。
【0021】蓋111 は、大気圧Aと気密ボックス11内圧
Bとの圧力差(A─B)によって、圧力差(A─B)と
パンキン114 の内側の面積との積で決まる押力F0 でパ
ンキン114 に押し付けられる。圧力差(A─B)は、第
1配管2及び連通孔1213の流体抵抗と試料空気210 の流
量との積で決まるので、例えば、第1配管2の長さや太
さが変わる等の状況変化で変化し、常に一定の値を確保
できるとは限らない。参考までに、押力F0 の一例を算
出すると、圧力差(A─B)が10mmHgであり、パンキン
114 の内側の面積が4800cm2 (60cm×80cm)である場合
には、押力F0は63kgf となり、気密を確保するために
は十分な押力である。
【0022】しかしながら、キャッチクリップ115 を締
めないでポンプ5を動作させると、蓋111 とパンキン11
4 との接触及びパンキン114 と筐体112 との接触状態が
悪くて相当な漏洩状態にある場合には、ポンプ5を動作
させても、漏洩空気のために濾紙132 を通過する空気量
が増大して、ポンプ5の発生する負圧の大部分が濾紙13
2 にかかり、気密ボックス11の内圧は圧力Aに近いまま
でそれ以下には下がらず、したがって、蓋111 にかかる
押力も小さくて、接触状態をよくするほどの押力を得ら
れないことがある。このような場合を避けるために、ポ
ンプ5を始動する時からある程度の負圧を得る目的でキ
ャッチクリップ115 が設けられているのである。
【0023】このように気密ボックス11内の負圧で気密
シール状態を得ようとすると、初期の漏洩状態によって
負圧不足となり、気密シール状態を得られないことがあ
る。この発明は、気密シール部材による気密シールのた
めの押力発生源として、ポンプの発生する負圧を直接利
用するものである。具体的には、気密シール部材と蓋と
で排気空間を構成し、ポンプによって気密ボックス内に
試料空気を吸引するのと並行して、前記排気空間をもポ
ンプで直接排気するものである。前記排気空間がポンプ
によって直接排気されるので、ある程度の漏洩状態にあ
っても、排気空間内は負圧状態となり、大気圧と排気空
間内圧との差圧によって蓋には押力がかかり、蓋と気密
シール部材と筐体とを密着させる。
【0024】以下に説明する課題を解決するための手段
の前の2つはダストサンプラに関するものであり、後の
2つはダストモニタに関するものであるが、ダストサン
プラに関する請求項1の発明とダストモニタに関する請
求項3の発明、及びダストサンプラに関する請求項2の
発明とダストモニタに関する請求項4の発明とは、それ
ぞれにその技術的内容は全く同じものである。
【0025】この発明においては、ポンプと配管等によ
って、筐体と蓋と気密シール部材とで構成された気密ボ
ックス内に収容されている集塵ヘッド部上の濾紙に、試
料空気採取場所の試料空気を通過させて、その試料空気
中に含まれる塵埃を濾紙上に捕集するダストサンプラに
おいて、気密シール部材が、蓋に接する側が開いている
凹字形あるいはU字形の断面形状をもち、且つ蓋と接触
しない部分に凹み部内に通ずる排気孔を備えており、蓋
で覆われた気密シール部材の凹み部が、前記ポンプによ
って前記排気孔を通して減圧される排気空間を形成して
いる(請求項1の発明)。
【0026】蓋で覆われた気密シール部材の凹み部が、
前記ポンプによって前記排気孔を通して減圧されるの
で、少なくとも、外気の圧力と凹み部内の圧力との圧力
差による押力によって、蓋が気密シール部材に押し付け
られ、気密ボックスの気密性が確保される。しかも、ポ
ンプを停止すれば、押力は零になるので、直ちに蓋を開
けることができる。
【0027】請求項1の発明において、前記気密シール
部材の蓋と接触する部分の断面形状が、1つあるいは複
数の山形形状である(請求項2の発明)。気密シール部
材の蓋と接触する部分の断面形状が山形形状であるの
で、接触部分の面積が小さく、単位面積当たりの押力が
高くなって、気密性をより確実に確保することができ
る。山の数が増えると、気密性を更により確実に確保す
ることができる。
【0028】また、ポンプと配管等によって、筐体と蓋
と気密シール部材とで構成された気密ボックス内に収容
されている集塵ヘッド部上の濾紙に、試料空気採取場所
の試料空気を通過させて、その試料空気中に含まれる塵
埃を濾紙上に捕集し、その捕集された塵埃から放射され
る放射線量を、同じ気密ボックス内に収容されている放
射線検出器で計測して、試料空気中に含まれている放射
性塵埃密度を計測するダストモニタにおいて、気密シー
ル部材が、蓋に接する側が開いている凹字形あるいはU
字形の断面形状をもち、且つ蓋と接触しない部分に凹み
部内に通ずる排気孔を備えており、蓋で覆われた気密シ
ール部材の凹み部が、前記ポンプによって前記排気孔を
通して減圧される排気空間を形成している(請求項3の
発明)。
【0029】蓋で覆われた気密シール部材の凹み部が、
前記ポンプによって前記排気孔を通して減圧されるの
で、少なくとも、外気の圧力と凹み部内の圧力との圧力
差による押力によって、蓋が気密シール部材に押し付け
られ、気密ボックスの気密性が確保される。しかも、ポ
ンプを停止すれば、押力は零になるので、直ちに蓋を開
けることができる。
【0030】請求項3の発明において、前記気密シール
部材の蓋と接触する部分の断面形状が、1つあるいは複
数の山形形状である(請求項4の発明)。気密シール部
材の蓋と接触する部分の断面形状が山形形状であるの
で、接触部分の面積が小さく、単位面積当たりの押力が
高くなって、気密性をより確実に確保することができ
る。山の数が増えると、気密性を更により確実に確保す
ることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態について実
施例を用いて説明する。なお、従来技術と同じ機能の部
分には同じ符号を付した。
【0032】〔第1の実施例〕図1はこの発明によるダ
ストモニタの第1の実施例の構造を示す気密ボックス11
a の断面図であり、図2(a)はその気密シール部材11
4aの形状を示す斜視断面図である。なお、気密ボックス
11a 内に収納されている集塵ヘッド部12等の部品は、従
来技術と同じであり、この発明を説明するためには必要
がないので、記入を省略した。
【0033】この実施例の気密ボックス11a の特徴は気
密シール部材114aにある。この気密シール部材114aの断
面形状は、図2(a)に示すように、外側接触面1143と
内側接触面1144とを備えた凹字形であり、凹字形の内側
側壁の一部には、図1に示すように排気孔1141が形成さ
れている。この気密シール部材114aは、図1及び図2
(a)に示すように、従来技術におけるパッキン114 の
位置(筐体112aの側壁の上面の溝内)に、凹字形の上が
開いた状態でセットされ、その排気孔1141には減圧用排
気管117 の先端が接続され、減圧用排気管117 の他端は
ポンプ5に接続されている。なお、排気孔1141の位置に
対応して、筐体114aにも減圧用排気管117の先端を通す
孔あるいは切り込みが形成されている。
【0034】この状態で筐体112a上に蓋111aを被せ、気
密シール部材114aの外側接触面1143及び内側接触面1144
に蓋111aを接触させて、ポンプ5を駆動すると、気密シ
ール部材114aの凹字形の凹み部である排気空間1142が排
気されて減圧状態となり、外部の圧力(大気圧)と排気
空間1142の圧力との圧力差と排気空間1142の面積との積
に相当する押力によって、蓋111aが気密シール部材114a
に押し付けられ、その結果として気密状態が更によい状
態になって、負圧が増大し押力も増加する。このように
して、気密シール状態が確保されて定常状態に至る。な
お、ポンプ5の駆動によって、気密ボックス11a 内も減
圧状態になるので、定常状態において蓋にかかる押力F
は、排気空間1142の定常時の負圧と排気空間1142の面積
との積で決まる押力F1 に、「課題を解決するための手
段」の項で説明した定常状態での押力F0 を加算した押
力となる。この押力(F1 +F0 )によって気密ボック
ス11a の定常時における十分な気密シールが確保され
る。。
【0035】以上の説明から明らかなように、排気空間
1142がポンプ5によって直接排気されることによって、
排気空間1142がある程度の負圧状態になり、この負圧に
よって蓋111aが気密シール部材114aに押圧されて、蓋11
1aと気密シール部材114aと筐体112aとの接触状態が改善
され、最終的に十分な気密シール状態に至る。このた
め、この気密ボックス11a にキャッチクリップを取り付
ける必要はなく、筐体112a上に蓋111aを被せてポンプ5
を駆動することによって気密ボックス11a の気密シール
が確保され、ポンプ5を止めることによって直ちに蓋11
1aを取り外すことができ、濾紙の交換や保守点検作業の
所要時間が短縮される。勿論、ポンプが吸引する試料空
気は全て濾紙を通過させることができるので、ポンプ5
の排気能力は濾紙に通す試料空気の量に見合うものでよ
い。
【0036】参考までに、ポンプ5始動時の押力の一例
を推定すると次のようになる。「課題を解決するための
手段」の項で説明したように、ポンプ5の負圧は定常状
態では少なくとも0.25気圧はある。一方、ポンプ5を始
動した初期段階では、気密シール状態は十分ではなく、
ある程度の漏洩もあるので、排気空間1142の負圧は定常
状態の負圧の1/3と設定し、排気空間1142の面積を28
0cm2とすると、この状態における押力は23kgf となる。
この値は漏洩を減らして排気空間1142の負圧を定常状態
の負圧に近づけ、気密状態を更によくしていくためには
十分な値であると考えられる。なお、280cm2は、「課題
を解決するための手段」の項で説明した定常状態での押
力F0 の計算の場合と同じ長さの気密シール部材114aに
幅10mmの凹み部を形成したものに相当する。
【0037】なお、図1においては、排気孔1141は、気
密シール部材114aの内側側壁に形成されているが、外側
側壁に形成されてもよい。また、気密シール部材114aと
して凹字形のものを説明したが、U字形のものでも同様
の機能を発揮させることができる。
【0038】〔第2の実施例〕この実施例の気密シール
部材114bは、気密ボックス11a の気密シール性を更に改
善した、より優れた気密性の得られる断面形状の気密シ
ール部材である。図2(b)は、この実施例の気密シー
ル部材114bの形状を示す斜視断面図である。
【0039】この気密シール部材114bの蓋111aと接触す
る部分は2つの山形形状に形成されており、排気空間11
42から離れた側の山形部の下面は筐体112aの上端部に載
せられている。
【0040】このような気密シール部材114bの場合に
は、蓋111aとの接触部が、山形の頂上近傍、すなわち外
側接触部1145及び内側接触部1146、に限定されるので、
接触面積が小さくなる。その結果として、押力が同じで
あっても単位面積当たりの押力が高くなり、気密シール
性が向上する。また、山形を2つにすることによって、
気密シールの確実性を向上させることができる。更に、
排気空間1142から離れた側の山形部の下面を筐体112aの
上端部に載せることによって、その部分の気密シール性
をより良くしている。この実施例においては、単位面積
当たりの押力が第1の実施例より高くなるので、第1の
実施例に比べて必要な押力を減らすことが可能となる。
すなわち、排気空間1142の面積を削減することが可能と
なる。
【0041】この実施例においては、山形を2つにして
いるが、第1の実施例において、外側接触面1143及び内
側接触面1144の上端を山形形状にするだけでも、その効
果は十分に期待できる。
【0042】
【発明の効果】この発明によれば、ポンプと配管等によ
って、筐体と蓋と気密シール部材とで構成された気密ボ
ックス内に収容されている集塵ヘッド部上の濾紙に、試
料空気採取場所の試料空気を通過させて、その試料空気
中に含まれる塵埃を濾紙上に捕集するダストサンプラに
おいて、気密シール部材が、蓋に接する側が開いている
凹字形あるいはU字形の断面形状をもち、且つ蓋と接触
しない部分に凹み部内に通ずる排気孔を備えており、蓋
で覆われた気密シール部材の凹み部が、前記ポンプによ
って前記排気孔を通して減圧される排気空間を形成して
いるので、少なくとも、外気の圧力と凹み部内の圧力と
の圧力差による押力によって、蓋が気密シール部材に押
し付けられ、気密ボックスの気密性が確保される。しか
も、ポンプを停止すれば、押力は零になるので、直ちに
蓋を開けることができる。したがって、濾紙を通過させ
る試料空気量に相当する排気能力のポンプが使用でき、
試料空気中の塵埃だけが正確に捕集され、且つ濾紙の交
換や濾紙駆動機構部等の保守点検が短時間で実施できる
ダストサンプラを提供することができる(請求項1の発
明)。
【0043】請求項1の発明において、前記気密シール
部材の蓋と接触する部分の断面形状が、1つあるいは複
数の山形形状であるので、接触部分の面積が小さく、単
位面積当たりの押力が高くなって、気密性をより確実に
確保することができる。山の数が増やすことにより、気
密性を更により確実に確保することができる。したがっ
て、濾紙を通過させる試料空気量に相当する排気能力の
ポンプが使用でき、試料空気中の塵埃だけがより正確に
捕集され、且つ濾紙の交換や濾紙駆動機構部等の保守点
検が短時間で実施できるダストサンプラを提供すること
ができる(請求項2の発明)。
【0044】また、ポンプと配管等によって、筐体と蓋
と気密シール部材とで構成された気密ボックス内に収容
されている集塵ヘッド部上の濾紙に、試料空気採取場所
の試料空気を通過させて、その試料空気中に含まれる塵
埃を濾紙上に捕集し、その捕集された塵埃から放射され
る放射線量を、同じ気密ボックス内に収容されている放
射線検出器で計測して、試料空気中に含まれている放射
性塵埃密度を計測するダストモニタにおいて、気密シー
ル部材が、蓋に接する側が開いている凹字形あるいはU
字形の断面形状をもち、且つ蓋と接触しない部分に凹み
部内に通ずる排気孔を備えており、蓋で覆われた気密シ
ール部材の凹み部が、前記ポンプによって前記排気孔を
通して減圧される排気空間を形成しているので、少なく
とも、外気の圧力と凹み部内の圧力との圧力差による押
力によって、蓋が気密シール部材に押し付けられ、気密
ボックスの気密性が確保される。しかも、ポンプを停止
すれば、押力は零になるので、直ちに蓋を開けることが
できる。したがって、濾紙を通過させる試料空気量に相
当する排気能力のポンプが使用でき、試料空気中の塵埃
だけが正確に捕集され、且つ濾紙の交換や濾紙駆動機構
等の保守点検が短時間で実施できるダストモニタを提供
することができる(請求項3の発明)。
【0045】請求項3の発明において、前記気密シール
部材の蓋と接触する部分の断面形状が、1つあるいは複
数の山形形状であるので、接触部分の面積が小さく、単
位面積当たりの押力が高くなって、気密性をより確実に
確保することができる。山の数が増すことにより、気密
性を更により確実に確保することができる。したがっ
て、濾紙を通過させる試料空気量に相当する排気能力の
ポンプが使用でき、試料空気中の塵埃だけがより正確に
捕集され、且つ濾紙の交換や濾紙駆動機構等の保守点検
が短時間で実施できるダストモニタを提供することがで
きる(請求項4の発明)。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるダストモニタの第1の実施例の
構造を示す気密ボックスの断面図
【図2】実施例の気密シール部材の形状を示し、(a)
は第1の実施例の斜視断面図、(b)は第2の実施例の
斜視断面図
【図3】従来技術によるダストモニタの一例の構成を示
し、(a)は一部をブロック化し、モニタ本体の蓋を外
した状態の平面図、(b)はモニタ本体の部分断面正面
【図4】従来例の集塵ヘッド部の正面図
【図5】従来例の集塵ヘッド部の側面図
【図6】装置の部分と圧力との関係を示すブロックダイ
アグラム及び線図
【符号の説明】 モニタ本体11 , 11a 気密ボックス 111, 111a 蓋 112, 112a 筐体 113 底板 1131, 1132 接続口 114 パッキン 114a, 114b 気密シール部材 1141 排気孔 1142 排気空間 1143 外側接触面 1144 内側接触面 1145 外側接触部 1146 内側接触部 115 キャッチクリップ 116 筐体内部 117 減圧用排気管 12 集塵ヘッド部 121 ヘッドブロック 1211 凹部 1212 貫通孔 1213 連通孔 1214 前面 1215 下面 1216 開口部 122 多孔部材 1221 小孔 1222 小孔領域 123 パッキン 124 ねじ 13 濾紙駆動機構部 131 供給スプール 132 濾紙 133 巻取りスプール 134 モータ 135 ベルト 136, 137, 138 ローラ 14 検出器部 141 検出器 142 支持部材 2 第1配管 3 第2配管 4 流量計 5 ポンプ100 ダストモニタ 200 試料空気採取場所 210 試料空気

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポンプと配管等によって、筐体と蓋と気密
    シール部材とで構成された気密ボックス内に収容されて
    いる集塵ヘッド部上の濾紙に、試料空気採取場所の試料
    空気を通過させて、その試料空気中に含まれる塵埃を濾
    紙上に捕集するダストサンプラにおいて、 気密シール部材が、蓋に接する側が開いている凹字形あ
    るいはU字形の断面形状をもち、且つ蓋と接触しない部
    分に凹み部内に通ずる排気孔を備えており、 蓋で覆われた気密シール部材の凹み部が、前記ポンプに
    よって前記排気孔を通して減圧される排気空間を形成し
    ていることを特徴とするダストサンプラ。
  2. 【請求項2】前記気密シール部材の蓋と接触する部分の
    断面形状が、1つあるいは複数の山形形状であることを
    特徴とする請求項1に記載のダストサンプラ。
  3. 【請求項3】ポンプと配管等によって、筐体と蓋と気密
    シール部材とで構成された気密ボックス内に収容されて
    いる集塵ヘッド部上の濾紙に、試料空気採取場所の試料
    空気を通過させて、その試料空気中に含まれる塵埃を濾
    紙上に捕集し、その捕集された塵埃から放射される放射
    線量を、同じ気密ボックス内に収容されている放射線検
    出器で計測して、試料空気中に含まれている放射性塵埃
    密度を計測するダストモニタにおいて、 気密シール部材が、蓋に接する側が開いている凹字形あ
    るいはU字形の断面形状をもち、且つ蓋と接触しない部
    分に凹み部内に通ずる排気孔を備えており、 蓋で覆われた気密シール部材の凹み部が、前記ポンプに
    よって前記排気孔を通して減圧される排気空間を形成し
    ていることを特徴とするダストモニタ。
  4. 【請求項4】前記気密シール部材の蓋と接触する部分の
    断面形状が、1つあるいは複数の山形形状であることを
    特徴とする請求項3に記載のダストモニタ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013019750A (ja) * 2011-07-11 2013-01-31 Toshiba Corp 放射線モニタ装置及びモニタ方法
CN106370481A (zh) * 2016-10-24 2017-02-01 张家港朗亿机电设备有限公司 一种远程滤膜自动采样装置及其粉尘浓度监控方法
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CN112764084A (zh) * 2020-12-08 2021-05-07 武汉第二船舶设计研究所(中国船舶重工集团公司第七一九研究所) 一种β+放射性气溶胶探测装置

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