JP2000240190A - 閉塞材支持具 - Google Patents

閉塞材支持具

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JP2000240190A
JP2000240190A JP11045049A JP4504999A JP2000240190A JP 2000240190 A JP2000240190 A JP 2000240190A JP 11045049 A JP11045049 A JP 11045049A JP 4504999 A JP4504999 A JP 4504999A JP 2000240190 A JP2000240190 A JP 2000240190A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 火災時における貫通孔の閉塞性能、及び、貫
通孔裏側への熱遮断性能を維持しながら、閉塞材の熱膨
張をより速やかに起こすことができるようにする。 【解決手段】 構造体Sの長尺体挿通用貫通孔H内で、
長尺体Pの挿通部分の周囲空間Vに装填される熱膨張性
を有する耐火材料からなる閉塞材1を支持自在な閉塞材
支持具において、貫通孔H内に装填される閉塞材1を支
持自在な金属製支持部7と、貫通孔Hの開口部8の周囲
に係止自在な金属製係止部9とを、支持具本体Gに設
け、開口部8からの熱を、閉塞材1の装填範囲における
貫通孔Hの軸芯方向での中間部に伝達促進する熱伝達促
進手段Qを設けてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、構造体(例えば、
床や壁や天井等)に設けられた長尺体挿通用貫通孔両側
の区画どうしの類焼防止を図るために、熱膨張性を有す
る耐火材料の閉塞材を貫通孔内で支持できるようにした
閉塞材支持具に関し、更に詳しくは、前記貫通孔内で、
長尺体(例えば、空調配管や給排水配管や電線等)の挿
通部分の周囲空間に装填される前記閉塞材を支持自在な
閉塞材支持具に関する。
【0002】
【従来の技術】類焼の防止を図るための好ましい耐火貫
通部とは、貫通孔を通した直接的な熱気や炎や煙の流通
を阻止できることと、貫通孔の表裏での温度差を維持し
易いことが挙げられる。従来、この種の閉塞材支持具と
しては、図9に示すように、前記貫通孔H内に装填され
る前記閉塞材1をその装填方向前方側で受止め自在な支
持部7と、前記貫通孔Hの開口部8の周囲に係止自在な
係止部9と、前記支持部7と係止部9とを一体につなぐ
連結部10とを備えた金属製の支持具本体Gによって構
成してあるものがあり、前記開口部8側で火災が発生し
た場合に、前記支持部7上に支持した閉塞材1が、火災
による熱を受けて膨張し、一方では貫通孔周壁に、他方
では挿通してある長尺体に強く密接し、仮に長尺体が焼
失しても前記閉塞材が貫通孔内に充満して貫通孔の閉塞
状態を維持し、類焼の防止を図れるようにしたものであ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】火災時には、前記貫通
孔に隙間を作らないために、前記閉塞材は速やかに膨張
することが望まれる。この意味から、従来の閉塞材支持
具を見た場合、支持具本体が金属によって形成してある
ことを考慮すると、一般的に金属は前記閉塞材よりも伝
熱性がよいから、閉塞材に対して支持具本体からも火災
の熱が伝わり、閉塞材の熱膨張を早めるのに多少は寄与
していることがわかる。しかしながら、従来の閉塞材支
持具によれば、特に閉塞材に積極的に火災時の熱を伝え
るための特別な構成はなかった。そこで、閉塞材に対す
る伝熱性をより向上することを考えると、図10に示す
ように、前記連結部10を円筒形状にして面積を増やす
ことで閉塞材1との接触面積を増加させて、閉塞材支持
具からの熱を閉塞材により多く伝えることが考えられ
る。この場合、閉塞材1と貫通孔H周壁との間に前記連
結部10が介在することで、閉塞材1と貫通孔H周壁と
が直接に密接する事が阻害され、貫通孔Hの閉塞性に劣
るという問題点がある。更には、前記開口部8側からの
熱が、前記連結部10・支持部7を経由して開口部8と
は反対側の空間の温度上昇をまねく問題点がある。
【0004】従って、本発明の目的は、上記問題点を解
消し、火災時における貫通孔の閉塞性能、及び、貫通孔
裏側への熱遮断性能を維持しながら、閉塞材の熱膨張を
より速やかに起こすことが可能な閉塞材支持具を提供す
るところにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の特徴構
成は、図3〜8に例示するごとく、構造体Sの長尺体挿
通用貫通孔H内で、長尺体Pの挿通部分の周囲空間Vに
装填される熱膨張性を有する耐火材料からなる閉塞材1
を支持自在な閉塞材支持具において、前記貫通孔H内に
装填される前記閉塞材1を支持自在な金属製支持部7
と、前記貫通孔Hの開口部8の周囲に係止自在な金属製
係止部9とを、支持具本体Gに設け、前記開口部8から
の熱を、前記閉塞材1の装填範囲における前記貫通孔H
の軸芯方向での中間部に伝達促進する熱伝達促進手段Q
を設けてあるところにある。請求項1の発明の特徴構成
によれば、前記閉塞材を前記貫通孔内の前記支持部によ
って受け止めることができると共に、その支持部を備え
た支持具本体は、前記係止部によって貫通孔の周囲に広
い範囲で係止する状態に設置することが可能となる。従
って、前記閉塞材の重量や、閉塞材を介して伝わる長尺
体の重量や長尺体への外力を、前記係止部による広い範
囲で構造体に伝え、安定した取付状態を維持して確実に
閉塞材を貫通孔内で支持することが可能となる。そし
て、前記支持具本体は、金属製であるから、開口部周り
の係止部の広い範囲が火災時の受熱部となり、前記閉塞
材に伝熱することが可能となる。更には、前記熱伝達促
進手段によって閉塞材の中間部に、より効率的に火災熱
を伝熱することによって、火災の初期に閉塞材の熱膨張
を速やかに起こすことが可能となる。また、前記熱伝達
促進手段による熱伝達は、閉塞材の中間部が主であるか
ら、貫通孔の裏側へ熱が多量に漏れない状態で集中的に
前記閉塞材を熱膨張させることが可能となる。その結
果、支持部と係止部とを繋ぐ連結部を上述のように筒形
状にする必要がないから、貫通孔周壁に閉塞材が直接に
接当する状態に支持でき、貫通孔の閉塞性能を良好に維
持することも可能となる。以上の結果、閉塞性能・熱遮
断性能共に優れた耐火貫通孔を形成することが可能とな
る。
【0006】請求項2の発明の特徴構成は、図3〜6・
8に例示するごとく、前記熱伝達促進手段Qは、前記装
填範囲を、周方向に複数に仕切る金属製仕切り板11・
14であるところにある。請求項2の発明の特徴構成に
よれば、請求項1の発明による作用効果を叶えることが
できるのに加えて、前記閉塞材に前記金属製仕切り板か
ら集中的に熱が伝達され、熱膨張を促進することが可能
となる他、前記閉塞材を収容する空間を、前記仕切り板
によって複数に分割できるから、閉塞材を装填する際
に、より偏りの少ない状態に装填することが可能とな
り、挿通させた長尺体の全周にわたって閉塞材を満遍な
く熱膨張させて火災時の貫通孔閉塞をより確実なものと
することが可能となる。また、閉塞材として、平板状に
成形された汎用品を用いる場合、前記閉塞材を湾曲状態
に弾性変形させながら、仕切り板間の収容空間に挿入す
るだけで、前記閉塞材の戻り力の作用で、平板状の閉塞
材の端面が前記仕切り板に押し当たった状態に固定さ
れ、特別な固定作業を実施する必要がなく、閉塞材の取
付作業を効率よく実施することが可能となる。
【0007】請求項3の発明の特徴構成は、図7に例示
するごとく、前記熱伝達促進手段Qは、前記開口部8側
から前記装填範囲の前記閉塞材1に貫入する金属製ビス
18であるところにある。請求項3の発明の特徴構成に
よれば、請求項1の発明による作用効果を叶えることが
できるのに加えて、前記閉塞材に前記金属製ビスから集
中的に熱が伝達され、熱膨張を促進することが可能とな
る他、前記ビスを閉塞材の固定用に兼用することが可能
となる。従って、閉塞材支持具を、より簡単な構造に形
成することが可能となり、それに伴って、閉塞材支持具
のコストダウンを図ることも可能となる。また、ビスの
長さや、使用本数を変えるだけで、色々な深さや径の貫
通孔に簡単に対応することが可能となり、汎用性を向上
させることが可能となる。
【0008】尚、上述のように、図面との対照を便利に
するために符号を記したが、該記入により本発明は添付
図面の構成に限定されるものではない。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。尚、図面において従来例と同一の
符号で表示した部分は、同一又は相当の部分を示してい
る。
【0010】本実施形態は、本発明の閉塞材支持具の一
実施形態で、図2に示すように、スラブ(構造体の一
例)Sの排水管挿通用貫通孔(長尺体挿通用貫通孔の一
例)H内で、排水管(長尺体の一例)Pの挿通部分の周
囲空間Vに装填される熱膨張性を有する耐火パテ(閉塞
材の一例)1を支持自在な閉塞材支持具2を、前記貫通
孔Hに設置して、耐火貫通部3を形成してある例を説明
する。
【0011】前記スラブSは、鉄筋コンクリートで形成
してあり、図1に示すように、スラブSの上方には、間
隔をあけて床板4を設置してある。そして、前記床板4
とスラブSとの間の床下空間5には、床板4上に設置し
た排水器具(例えば、洗面台や流し台等)6からの第一
排水管P1が排水管として必要な勾配となるように配置
してある。そして、前記第一排水管P1は、前記スラブ
Sの貫通孔H内を上下に貫通する第二排水管P2と、分
岐継手P3を介して連通接続してある。従って、前記貫
通孔H内には、分岐継手P3の一部と、第二排水管P2
の一部が位置している。また、分岐継手P3の第一排水
管P1側の外周面の内、下面は、前記スラブS上面に接
当する状態に配置されている。従って、前記床下空間5
の高さ設定は、前記第一排水管P1としての機能上必要
な最小の勾配を確保できる範囲での最小値となるように
設定されている。因みに、前記第一排水管P1・第二排
水管P2・分岐継手P3を含めて前記排水管Pという。
また、各排水管Pは、塩化ビニル製のパイプを使用して
あることから、スラブを挟んだ上下何れかの階で火災が
発生した場合に、パイプの焼け穴からの類焼が懸念され
るが、それを防止するために、前記周囲空間Vには熱膨
脹性を有する耐火パテ1が充填される。即ち、火災の熱
によって耐火パテ1が膨脹することによって前記パイプ
の焼け穴を閉塞し、類焼防止を図るものである。
【0012】前記閉塞材支持具2について説明する。閉
塞材支持具2は、図2〜6に示すように、前記貫通孔H
内に装填される前記耐火パテ1をその装填方向前方側で
受止め自在な支持部7と、前記貫通孔Hの開口部8の周
囲に係止自在な係止部9と、前記支持部7と係止部9と
を一体につなぐ連結部10とを備えた支持具本体Gによ
って構成してある。前記支持部7は、前記貫通孔H内に
配置した状態で、貫通孔H内周壁と排水管P外周との間
に位置するように板状部材で形成してあり、平面視形状
は、前記貫通孔周壁に沿う円弧板形状に形成してある。
前記連結部10は、貫通孔Hの周壁に沿う曲面形状に形
成してあり、複数の窓部10aを設けてある。この窓部
10aは、前記周囲空間Vに配置させた耐火パテ1が熱
膨張する際に窓部10aを通して貫通孔H周壁に直に接
当することによって貫通孔Hの密閉性を向上できるよう
に設けてある。そして、連結部10の下端部に一体的に
前記支持部7が設けてあると共に、連結部10の上端部
に前記係止部9が一体的に設けてある。前記係止部9
を、前記開口部8の周縁部に沿う鍔形状で、且つ、前記
開口部8周囲に沿う環状の一部を切り欠いたC環状に形
成して構成してある。
【0013】また、支持具本体Gは、図3・4に示すよ
うに、支持具本体Gの縦軸心周りに相対的にスライド自
在に嵌合した二つの第一本体G1と第二本体G2とから
構成してあり、それら第一本G1・第二本体G2それぞ
れに、前記支持部7・係止部9・連結部10が備えてあ
る。そして、前記第一本体G1上に前記第二本体G2が
重なる状態に組み付けてある。
【0014】前記第一本体G1は、前記支持部7の内、
支持具本体Gの縦軸心周りの約180度の範囲に設定さ
れた第一支持部7Aと、前記係止部9の内、前記縦軸心
周りの約140度の範囲に設定された第一係止部9A
と、それらをつなぐ第一連結部10Aとを備えて構成し
てある。また、前記第一支持部7Aは、第一連結部10
Aから前記縦軸心側へ突出した仕切面部(仕切り板に相
当)11によって、前記縦軸心周りの約50度の範囲に
設定された短支持部7Aaと、前記縦軸心周りの約13
0度の範囲に設定された長支持部7Abとに仕切られて
いる。前記第一連結部10Aは、上述の通り、前記短支
持部7Aaに該当する部分の左右両端部における上下中
間部を内側へ折り曲げて仕切面部11に形成してあり、
仕切面部11の下端部は、前記第一支持部7Aとは非接
触の状態に(隙間があくように)成形してある。前記第
一係止部9Aは、外周縁部を下方へ屈曲させてあり、当
該閉塞材支持具2を貫通孔Hに設置した状態においてこ
の屈曲部9aの下端部が前記スラブSの上面に接当して
係止するものである。また、第一係止部9Aの長手方向
の中間部には、拡径頭部を備えたビス12を取り付けて
ある。このビス12は、前記第一本体G1と第二本体G
2とが外れないように繋ぎ止めると共に、第一本体G1
と第二本体G2との相対的なスライド位置の始点と終点
とを規定する作用を備えている。また、第一係止部9A
の長手方向の中間部には、前記ボス12に間隔をあけ
て、当該閉塞材支持具2をスラブにビス固定するための
ビス挿通孔13を形成してあり、前記第一本体G1と第
二本体G2とを伸長方向に相対的にスライドさせた状態
で、このビス挿通孔13を使用してスラブにビス固定す
ることができるものである。
【0015】前記第二本体G2は、前記支持部7の内、
支持具本体Gの縦軸心周りの約130度の範囲に設定さ
れた第二支持部7Bと、前記係止部9の内、前記縦軸心
周りの約190度の範囲に設定された第二係止部9B
と、それらをつなぐ第二連結部10Bとを備えて構成し
てある。また、前記第二支持部7Bは、第二連結部10
Bの左右両端から前記縦軸心側へそれぞれ突出した仕切
面部(仕切り板に相当)14によって、一つの支持部に
形成してある。前記第二連結部10Bは、上述の通り、
前記第二支持部7Bの左右両端部における上下中間部を
内側へ折り曲げて仕切面部14に形成してあり、仕切面
部14の下端部は、前記第二支持部7Bとは非接触の状
態に(隙間があくように)成形してある。前記第二係止
部9Bは、前記第一係止部9Bと同様に、外周縁部を下
方へ屈曲させて屈曲部9bを設けてあり、第一係止部9
B上に重なった状態で、第一係止部9Bの屈曲部9aの
下端部と同じ高さとなり、前記スラブSの上面に接当し
て係止できるように構成してある。また、第一係止部9
Aには、長手方向に沿ってスリット15を形成してあ
り、前記第一係止部9Aのビス12のネジ部分が、この
スリット15を貫通する状態に設けられている。従っ
て、前記両係止部9A・9Bの各屈曲部9a・9bどう
しが接当することで互いのスライドガイドとなると共
に、前記スリット15内に前記ビス12が貫通している
ことによって互いがスライドガイトとなり、第一本体G
1と第二本体G2とを、長手方向に沿って所定の範囲内
で相対的にスライドすることが可能となる。前記各屈曲
部9a・9b、及び、前記スリット15とビス12とで
スライド機構Lが構成されている。尚、当該閉塞材支持
具は、耐火貫通部に設置されることから、焼失しないよ
うに金属によって形成してある。
【0016】ところで、前記周囲空間Vに配置される耐
火パテ1について説明する。前記耐火パテ1は、前述の
とおり、耐火物質(主成分は無機質充填剤・膨張剤)で
構成してあると共に、熱を受けると約3〜4倍の容積に
膨脹する性質を有し、火災時に前記排水管Pが消失して
も前記貫通孔H内に充満することで閉塞する効果があ
る。また、本実施形態においては、厚み寸法が概ね前記
支持部7の幅寸法と同寸法に形成したシート形状のもの
を使用する。そして、耐火パテ1は、各支持部に対応し
た形状のものが使用され、前記第一支持部7Aの短支持
部7Aaに嵌め込まれた状態で提供される第一耐火パテ
1Aと、前記第二支持部7Bに嵌め込まれた状態で提供
される第二耐火パテ1Bと、当該閉塞材支持具2を貫通
孔Hに設置してから長支持部7Ab上のパテ収容空間に
挿入される挿入耐火パテ1Cとから構成される(図4参
照)。前記第一耐火パテ1A・第二耐火パテ1Bは、シ
ート形状のものを前記一対の仕切面部11、前記一対の
仕切面部14それぞれの間に湾曲変形させながら挿入す
ると、パテの復元力によって左右端面部が前記仕切面部
11・14に押し当たって拘束され、湾曲形状を保持し
た状態に取り付けることができる(図3参照)。前記挿
入耐火パテ1Cは、図3・4に示すような金属フレーム
Fに予め嵌め込んであり、湾曲形状に保形されている。
そして、金属フレームFは、前記挿入耐火パテ1Cの下
端面部・両側縁部のほぼ全域と、外周部の一部とに面接
当する状態に形成してあり、前記金属フレームFの上縁
部分には前記連結部10に引っ掛けるための掛止部16
を複数設けてある。ところで、当該閉塞材支持具2に耐
火パテ1を装填して形成した耐火貫通部3においては、
開口部8側で火災が発生した場合、燃焼によって発生し
た熱で、耐火パテ1が熱膨張をして、例えば、排水管P
が焼失するような場合であっても、貫通孔H内に充満し
て閉塞状態を維持することができる。その際、火災によ
る熱は、耐火パテ1に対して開口部8から直接的に伝わ
るものの他、係止部9で受熱した閉塞支持具2からも伝
わる。そして、閉塞支持具2内においては、熱は、係止
部9から連結部10を経由して支持部7へと伝わる。そ
の伝熱経過において、前記仕切面部11・14は、耐火
パテ1の深さ方向中間部に密接していることから、耐火
パテ筒を中から加熱することになり、排水管P周りへの
熱膨張を初期の頃から促進することが可能となる。前記
仕切面部11・14によって熱伝達促進手段Qが構成さ
れている。そして、仕切面部11・14は、支持部7と
は不連続に形成してあるから、スラブSの下方側への熱
伝達には作用せず、スラブS下方空間の温度上昇を防止
することが可能となる。
【0017】次に、当該閉塞材支持具2を使用した耐火
貫通部3の形成手順を説明する。 [1] 貫通孔Hには、図1に示すように、排水管Pを
設置しておく。 [2] 閉塞材支持具2を用意する。その際、支持具本
体Gは、前記スライド機構Lによって前記第一本体G1
と第二本体G2との重なりが最大となるように位置させ
ておく。即ち、係止部9の端部間の切欠き寸法が最も大
きくなったコンパクトな状態にしておく。因みに、前記
第一支持部7Aの短支持部7Aaと、第二支持部7Bに
は、それぞれ第一耐火パテ1Aと第二耐火パテ1Bとが
取り付けてある(図4参照)。 [3] 最もコンパクトな状態にした閉塞材支持具2を
貫通孔H内に挿入する。即ち、前記支持部7と連結部1
0とが、貫通孔H周壁と排水管Pとの間に位置する状態
セットする。 [4] 第一本体G1と第二本体G2とを広がる方向に
相対的にスライドさせて(図5参照)、係止部9の端部
間の切欠き17に前記分岐継手P3が位置する状態に配
置する。このスライド移動によって、第二支持部7B上
の第二耐火パテ1Bが、排水管Pの分岐継手P3の下方
空間へ送り込まれる。即ち、前記分岐継手P3があるこ
とによってパテを詰め難い位置にもかかわらず、スムー
スに位置させることができる。 [5] 次に、前記長支持部7Abに、上方から前記挿
入耐火パテ1Cを挿入する。この状態では、長支持部7
Ab上に挿入耐火パテ1Cの金属フレームFが当接して
いると共に、第二連結部10Bには、金属フレームの掛
止部16が掛止している。そして、前記周囲空間Vに
は、全周にわたって耐火パテ1が装填された状態となる
(図6参照)。 [6] 前記ビス12を締め付けて第一本体G1と第二
本体G2とを固定すると共に、前記ビス挿通孔13を使
用して、スラブSにビス固定する(図6参照)。 [7] 必要に応じて、開口部8のへこんだ部分に目隠
し充填材を詰める(図2参照)。
【0018】以上の手順によって、分岐配管が存在する
ような場所であっても、簡単に効率よく耐火貫通部3を
構成することが可能となる。
【0019】〔別実施形態〕以下に他の実施の形態を説
明する。
【0020】〈1〉 閉塞材支持具は、先の実施形態で
説明したように、スラブの貫通孔に対して上方から設置
する使用形態に限るものではなく、例えば、下方側から
上方に向けて設置する使用形態をとったり、壁体に対し
て横向きに設置する使用形態をとることも可能である。
従って、前記構造体は、スラブに限るものではなく、壁
や天井であってもよい。また、長尺体は、先に説明した
排水管に限るものではなく、例えば、空調配管や給水管
や電線管等の配管や、電線等であってもよい。 〈2〉 支持具本体は、先の実施形態で説明した二つの
部品(第一本体G1と第二本体G2)から構成されるも
のに限るものではなく、例えば三つ以上の部材から構成
してあってもよい。更には、単独の部材によって構成し
てあってもよく、その場合は、構造が簡単で、製作手間
がかかり難いから、安価に形成することが可能となる。
また、必ずしもスライド機構Lを設ける必要はなく、更
には、係止部9が開口部8の全周にわたって設けてある
支持具本体であってもよい。 〈3〉 支持部・連結部・係止部の各部分は、その形状
や位置関係等を変更することも可能である。例えば、図
7に示すように、支持具本体Gを、周方向に3分割に構
成し、その内の第一本体G1に対して、支持具本体Gの
周方向に沿ってスライド自在に第二本体G2と第三本体
G3を取り付けた構成のものであってもよい。そして、
第一本体G1は、円弧板形状の板金部材で構成してあ
り、外周部分の屈曲部9aによって係止部9が構成さ
れ、その内側には、一体的に支持部7が形成してある。
具体的には、その支持部7下面に金属製ビス18で耐火
パテ1を固定してある。そして、第一本体G1の幅方向
中間部には、長手方向に沿って前記第二本体G2・第三
本体G3をスライド自在に連結するスリット15を各別
に形成してある。また、前記第二本体G2・第三本体G
3は、係止部9となる係止部材19と、支持部7となる
支持部材20とから夫々構成してある。この係止部材1
9と支持部材20とは、係止部材19に形成した係合穴
19aに、支持部材20に形成した係止爪20aを係入
させることで相対位置を固定できるように構成してあ
る。因みに、前記係止部材19は、その一端部が前記第
一本体G1に被さり、前記スリット15を貫通するリベ
ット21によって連結してあり、前記スリット15に沿
って第一本体G1と相対的にスライドできるように構成
してある。また、前記支持部材20には、前記第一本体
G1と同様に、下面に金属製ビス18で耐火パテ1を固
定してある。従って、貫通孔Hへの設置については、第
一本体G1をまず貫通孔Hへ挿入した後、両係止部材1
9を先端どうしが接当するまで伸長方向にスライドさ
せ、先端フランジどうしをビス固定する。そして、両係
止部材19と長尺体Pとの隙間に各係止部材19を挿入
し、係止部材19の各係合穴19aに支持部材20の係
止爪20aを係入させることで、簡単にスピーディーに
設置でき、手間をかけずに耐火貫通部3を構成すること
が可能となる。また、開口部8がわで火災が発生した場
合、それに伴う熱を前記金属製の第一本体G1・第二本
体G2・第三本体G3で受けて耐火パテ1に伝達すると
共に、前記金属製ビス18から耐火パテ1の中間部にも
効率的に熱が伝達される。従って、耐火パテ1は、火災
の初期から前記伝熱を受けて熱膨張し、耐火貫通部3を
より確実に閉塞することが可能となる。前記金属製ビス
18は、熱伝達促進手段Qに相当する。また、当該実施
形態の閉塞材支持具によれば、支持具本体の構成を簡単
なものにできるので、コストダウンを図り易い。 〈4〉 一方、前記スライド機構は、係止部のC環状の
長さ設定の機能を備えている他、支持部9上の閉塞材1
を、円周上の他の箇所へ送り込む機能をも備えているこ
と説明したが、この送り込み機構Rは、先の実施形態で
説明した係止部のスライド機構と切り離して実現するこ
とも可能で、例えば、図8に示すように、先の実施形態
で説明した仕切面部11(又は14)のみを貫通孔H内
で円周方向に沿って移動できるように構成するものであ
ってもよい。前記開口部9の一部が障害物で覆われて影
になっていて、閉塞材1を前記周囲空間Vに満遍なく入
れることが困難であるような場合であっても、入れられ
る箇所に閉塞材1を入れた後、前記送り込み機構Rによ
って前記影の部分に送り込むことで、前記周囲空間全域
に閉塞材を確実に装填することが可能となる。そして、
この送り込み機構Rが、前記熱伝達促進手段Qをも兼用
することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】排水管の設置状況を示す説明図
【図2】閉塞材支持具の設置状況を示す側面視説明図
【図3】閉塞材支持具を示す分解斜視図
【図4】閉塞材支持具を示す斜視図
【図5】閉塞材支持具を示す上面視説明図
【図6】閉塞材支持具の設置状況を示す上面視説明図
【図7】別実施形態の閉塞材支持具の要部を示す上面図
【図8】別実施形態の閉塞材支持具の要部を示す上面図
【図9】従来の閉塞材支持具の設置状況を示す一部切欠
き斜視図
【図10】参考として考えられる閉塞材支持具の設置状
況を示す一部切欠き斜視図
【符号の説明】
1 閉塞材 7 支持部 8 開口部 9 係止部 11 仕切り板 14 仕切り板 18 金属製ビス G 支持具本体 H 長尺体挿通用貫通孔 P 長尺体 Q 熱伝達促進手段 S 構造体 V 周囲空間

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造体の長尺体挿通用貫通孔内で、長尺
    体の挿通部分の周囲空間に装填される熱膨張性を有する
    耐火材料からなる閉塞材を支持自在な閉塞材支持具であ
    って、 前記貫通孔内に装填される前記閉塞材を支持自在な金属
    製支持部と、前記貫通孔の開口部の周囲に係止自在な金
    属製係止部とを、支持具本体に設け、前記開口部からの
    熱を、前記閉塞材の装填範囲における前記貫通孔の軸芯
    方向での中間部に伝達促進する熱伝達促進手段を設けて
    ある閉塞材支持具。
  2. 【請求項2】 前記熱伝達促進手段は、前記装填範囲
    を、周方向に複数に仕切る金属製仕切り板である請求項
    1に記載の閉塞材支持具。
  3. 【請求項3】 前記熱伝達促進手段は、前記開口部側か
    ら前記装填範囲の前記閉塞材に貫入する金属製ビスであ
    る請求項1に記載の閉塞材支持具。
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