JP2000239771A - Ni基超合金、その製造方法およびガスタービン部品 - Google Patents
Ni基超合金、その製造方法およびガスタービン部品Info
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Abstract
基超合金およびその製造方法を提供する。また、Ni基
超合金をガスタービン動翼および静翼などに適用するこ
とで、長寿命化を図ったガスタービン部品を得る。 【解決手段】重量%で、Co:10%〜14%、Cr:
1%〜4%、Mo:2.1%〜4.0%、W:4.5%
〜6.5%、Al:5%〜7%、Ti:1%以下、T
a:4%〜8%、Ru:0.5%〜2.5%、Re:4
%〜6%およびHf:0.05%〜0.15%を含有
し、残部がNiおよび不可避的不純物からなることを特
徴とする。
Description
び耐高温腐食性に優れたNi基超合金およびその製造方
法、また、このNi基超合金を適用したガスタービン部
品に関するものである。
温度の上昇により、タービン動静翼にはクリープ寿命の
向上が求められてきている。クリープ寿命の向上を図る
ために、タービン動静翼は、従来使用されてきた普通鋳
造翼から応力軸方向の結晶粒界を無くし高温強度を高め
た一方向凝固動翼、さらに結晶粒界を消失させることに
より、熱処理特性を低下させる原因であった粒界強化元
素を除去し、最適な熱処理によりγ′の析出率を高める
ことで、高温でのクリープ特性を更に向上させた単結晶
動翼へと変化してきた。また、単結晶動翼においてもR
eを含まないCMSX−2(米国特許第4,582,5
48号)、Rene’N4(米国特許第5,399,3
13号)、PWA1480(米国特許第4,209,3
48号)およびPWA1483(英国特許212812
A)などの第1世代の単結晶合金から、Reを3%程度
含むCMSX−4(米国特許第4,643,782
号)、PWA1484(米国特許第4,719,080
号)およびRene’N5(特開平5−59474)な
どの第2世代の単結晶合金、さらに、Reを5〜6%程
度含むCMSX−10(特開平7−138683)等の
第3世代の単結晶合金へと開発が行われてきた。これは
主として航空機用ジェットエンジン、小型ガスタービン
の分野で目ざましく進歩してきた技術であるが、産業用
の大型ガスタービンにおいても燃焼効率の向上を目的と
した高温化により、技術の転用が図られてきている。
には第2世代の単結晶合金が使用されており、さらに次
世代ガスタービンには第3世代の単結晶合金並の強度が
要求されると考えられる。しかしながら第3世代の単結
晶合金は、クリープ特性が向上した反面、相安定性が悪
く長時間の使用によりTCP(Topollogical ClosedPac
ked)相といわれる脆化相が析出し、急激に強度が低下
するという問題があった。これは点検期間が数百時間か
ら数千時間と、比較的点検期間が短い航空機用ジェット
エンジンでは問題が少ない。
間が数万時間と長い産業用ガスタービンでは問題を有し
ていた。
空機用ジェットエンジン、小型ガスタービンと異なり、
腐食性のつよい硫黄成分を多く含む燃料を使用する。こ
れより産業用ガスタービンでは優れた耐高温腐食性が要
求されるが、前述した航空機用ガスタービン翼材料とし
て開発されてきた合金では、要求される耐高温腐食性を
得ることができない。
めになされたものであり、クリープ強度および耐高温腐
食性に優れたNi基超合金およびその製造方法を提供す
ることを目的とする。
翼および静翼などに適用することで、長寿命化を図った
ガスタービン部品を得ることを目的とする。
合金は、重量%で、Co:10%〜14%、Cr:1%
〜4%、Mo:2.1%〜4.0%、W:4.5%〜
6.5%、Al:5%〜7%、Ti:1%以下、Ta:
4%〜8%、Ru:0.5%〜2.5%、Re:4%〜
6%およびHf:0.05%〜0.15%を含有し、残
部がNiおよび不可避的不純物からなることを特徴とす
る。
で、Co:11%〜13%、Cr:2.0%〜3.5
%、Mo:2.1%〜3.0%、W:5.5%〜6.5
%、Al:5.5%〜6.5%、Ti:1%以下、T
a:5%〜7%、Ru:1%〜2%、Re:4.5%〜
5.5%およびHf:0.05%〜0.15%を含有
し、残部がNiおよび不可避的不純物からなることを特
徴とする。
金組成における各添加元素の効果および組成限定理由を
述べる。
ケル)とAl(アルミニウム)との金属間化合物Ni3
Al)の固溶温度を低下させて溶体化温度幅を広くする
ために必要な元素である。その効果を十分に得るために
は、10%以上の添加が必要であるが、添加量が14%
を超えると高温域でのクリープ強度の低下を招く。従っ
て、Coの添加量を10%以上14%以下とした。な
お、添加量は、11%以上13%以下とするとさらに好
ましい。
向上させるために必要な元素である。その効果を十分得
るためには、本合金組成系では1%以上の添加が必要で
あるが、添加量が4%を超えるとシグマ相などの有害相
の析出傾向が強くなり、クリープ強度の低下を招く。従
って、Crの添加量は1%以上4%以下とすると良い。
なお、添加量は2.0%以上3.5%以下とするとさら
に好ましい。
および負の格子定数ミスフィットによる整合界面強化に
よるクリープ強度向上に必要な元素である。本発明にお
ける合金では、シグマ相の析出を抑制するためにCrの
添加量を1%〜4%と抑えており、耐高温腐食性を維持
するために耐高温腐食性を低下させる主原因であるWの
添加量を4.5〜6.5%としている。しかしながら、
Wの添加量はクリープ強度向上に効果がある。このため
Wの代用としてMoを2%以上添加して、高温強度の向
上を図った。しかしながら、Moの添加量が4%を超え
るとシグマ相など有害相の析出傾向が強くなりクリープ
強度の低下を招き、さらに耐高温腐食性も悪化する。従
って、Moの添加量は2%以上4%以下とすると良い。
なお、添加量は2%以上3%以下とするとさらに好まし
い。
よるクリープ強度向上に必要な元素である。その効果を
十分に得るには、4.5%以上の添加が必要であるが、
添加量が6.5%を超えるとシグマ相などの有害相の析
出傾向が強くなり、クリープ強度の低下を招くとともに
耐高温腐食性を低下させてしまう。従って、Wの添加量
は4%以上8%以下とすると良い。なお、添加量は5.
5%以上6.5%以下とするとさらに好ましい。
を増加させてクリープ強度を向上させるために必要な元
素である。その効果を十分得るためには、5%以上の添
加が必要であるが、添加量が7%を超えると高温域での
クリープ強度の低下を招くとともに、γ′固溶温度を上
昇させて熱処理特性を低下させてしまう。従って、Al
の添加量は5%以上7%以下とすると良い。なお、添加
量は5.5%以上6.5以下とするとさらに好ましい。
クリープ強度を向上させるとともに、耐高温腐食性を向
上させる元素である。本発明において、目的とする強度
を得るためにはTiの添加は必ずしも必要ではないが、
更なる耐高温腐食性の向上およびクリープ強度の向上を
図るためにTiを添加することが望ましい。しかしなが
ら、Tiの1%を超える添加は共晶γ′の生成を招き、
逆に強度低下の原因となるためその最大添加量を1%と
規定した。なお、0.5%以下とするとより好ましい。
クリープ強度を向上させるために必要な元素である。そ
の効果を十分得るためには、4%以上の添加が必要であ
るが、添加量が8%を超えると高温域でのクリープ強度
の低下を招く。従って、Taの添加量を4%以上8%以
下と規定した。なお、添加量は4.5%以上6.5%以
下とするとより好ましい。
クス)を固溶強化してクリープ強度を向上させるととも
に、耐高温腐食性を向上させる元素である。目的の強度
を得るためには4%以上の添加が必要である。しかしな
がら、本合金組成系において、Reを6%を超えて添加
するとRe−W相等のシグマ相を生成しクリープ強度の
低下を招くため、添加量を4%以上6%以下と規定し
た。なお、添加量は、4.5%以上5.5%以下とする
とさらに好ましい。
クリープ強度を向上させる元素である。しかしながら、
本発明の合金組成系においてはRuを2.5%を超えて
添加するとRu−W等のシグマ相を生成し、クリープ強
度の低下を招くため、Ruの添加量を0.5%以上2.
5%以下と規定した。なお、好ましい添加量は1%以上
2%以下である。
により熱処理特性が低下するため、従来のNi基単結晶
合金においては添加されないものであるが、単結晶ター
ビンブレード鋳造時に生成する異結晶や、その後の熱処
理と加工とにより生ずる再結晶の粒界を強化し、タービ
ン動静翼の歩留まりを向上させるため、本発明の合金で
は0.05%〜0.15%の範囲で添加している。
記載のNi基超合金において、重量%で、Cを0.1%
〜0.5%含有することを特徴とする。
でのいずれかに記載のNi基超合金において、重量%
で、Zrを0.1%〜0.5%含有することを特徴とす
る。
でのいずれかに記載のNi基超合金において、重量%
で、Bを0.1%〜0.5%含有することを特徴とす
る。
て、B(ホウ素)、C(炭素)およびZr(ジルコニウ
ム)は粒界強化元素である。しかし、これらの元素はH
fと同様に、添加により合金の融点を低下させ熱処理特
性を悪化させるため、従来のNi基超合金では全く添加
されていない。
する合金にBを0.1%〜0.5%、Cを0.1%〜
0.5%およびZrを0.1%〜0.5%の範囲で添加
することで、現在の一方向凝固合金のクリープ強度を超
える一方向凝固合金を得ることができる。
は、Ni、Co、Cr、Mo、W、Al、Ti、Ta、
Ru、ReおよびHfを含む合金材料を用いて、121
0℃以上1350℃以下の温度範囲において溶体化熱処
理を行った後、1050℃以上1200℃未満の温度範
囲において1段時効熱処理を行い、単結晶化することを
特徴とする。
は、Ni、Co、Cr、Mo、W、Al、Ti、Ta、
Ru、ReおよびHfを含有し、C、ZrまたはBのい
ずれか一種以上を含有する合金材料を用いて、1150
℃以上1250℃以下の温度範囲において溶体化熱処理
を行った後、1000℃以上1200℃未満の温度範囲
において1段時効熱処理を行い、一方向凝固することを
特徴とする。
項1または2記載のNi基超合金により構成される。
項6記載の製造方法で作製されたNi基超合金により構
成される。
求項3から5までのいずれかに記載のNi基超合金によ
り構成される。
求項7記載の製造方法で作製されたNi基超合金により
構成される。
図10および表1〜表7を用いて説明する。なお、以下
に示す実施例は本発明と他の超合金や物品との関係を例
示するものであり、いかなる意味においても本発明の範
囲が限定されるものではない。
晶化させたNi基超合金が優れたクリープ破断特性およ
び耐高温腐食性を有することを説明する。なお、本実施
形態においては、実施例、比較例および従来例を用い
た。
8の成分組成範囲のNi基超合金材料を用いた。
8のNi基超合金材料は、重量%で、Co:10%〜1
4%、Cr:1%〜4%、Mo:2.1%〜4.0%、
W:4.5%〜6.5%、Al:5%〜7%、Ti:1
%以下、Ta:4%〜8%、Ru:0.5%〜2.5
%、Re:4%〜6%およびHf:0.05%〜0.1
5%を含有し、残部がNiおよび不可避的不純物からな
る。
27の成分組成範囲のNi基超合金材料を用い、本発明
の成分組成範囲以外のNi基超合金材料を用いた。
4)) 本従来例においては、表1に示す試料No.28として
CMSX−4を用いた。表1に示すように、CMSX−
4の合金材料は、重量%で、Co:9.0%、Cr:
6.5%、Mo:0.6%、W:6.0%、Al:5.
6%、Ti:1.0%、Ta:6.5%、Re:3.0
%およびHf:0.1%を含有し、残部がNiおよび不
可避的不純物からなる。
金について、各試験片を作成するために、あらかじめ表
1に示す組成になるように、原材料を適当な割合として
真空溶解により精練を行った。その後、再溶解用インゴ
ットを作り、これを直径100×1000mm程度のメ
ルティングストックに鋳造した。このメルティングスト
ックを必要量に小割りにし、その後、引き抜き法により
直径9×100mmの丸棒形状の単結晶合金を鋳造し
た。
ける試料No.1から試料No.28までの組成からな
る各試験片について、塩酸と過酸化水素水とをグリセリ
ンで希釈した腐食液にてエッチングを行い、試験片全体
が単結晶化していること、ならびに成長方向が引き抜き
方向に対して10°以内になっていることを目視にて確
認した。
従来例における試料No.1から試料No.28までの
組成からなり、単結晶化させた各試験片について、図1
に示す溶体化処理および時効熱処理を以下のように施し
た。
ケンスを示す図である。
試料No.27までの各試験片を1280℃の温度で1
時間の予備加熱処理を施した。その後、1300℃の温
度で5時間の溶体化熱処理を施した後、室温にてガス冷
却(GFC;Gas fan Cooling)を行った。次に、110
0℃の温度で4時間の1段時効熱処理を行い、室温にて
ガス冷却(GFC)を行った後、続いて、780℃の温
度で20時間の2段時効熱処理を行い、室温にてガス冷
却(GFC)を行った。
分溶体化熱処理後、1080℃の温度で4時間の1段時
効熱処理を行い、室温にてガス冷却(GFC)を行った
後、続いて、870℃の温度で20時間の2段時効熱処
理を行い、室温にてガス冷却(GFC)を行った。
8までの各試験片について処理を施した後、試験片を直
径8×2mmの高温腐食試験用試験片に加工した。そし
て、大気中、温度1100℃および応力138MPaの
条件下にてクリープ破断試験を行い、クリープ破断寿命
を測定した。その結果を図2に示す。
である実施例の試料No.1〜試料No.8では、温度
1100℃および138MPaの試験条件下では、クリ
ープ破断寿命が198.1〜212.1時間となってお
り、従来例の試料No.28の合金CMSX−4と比較
すると、クリープ破断寿命の大幅な向上が見られた。こ
れに対し、本発明の合金組成範囲外である比較例の試料
No.9では、Co添加量が少ないため相安定性が低下
し、TCP相が析出することによりクリープ破断寿命が
低下した。試料No.10では、Coの過剰添加により
逆に相安定性が低下し、クリープ破断寿命が低下した。
また、試料No.13、No.15およびNo.20で
は、固溶強化元素であるMo、WおよびTaの添加量が
少なく、強度に有効に作用しないため破断寿命が低下し
た。試料No.18ではAlの添加量が少なく、析出強
化の主要因子であるγ′析出量が低下することによりク
リープ破断寿命が低下した。試料No.12、No.1
4、No.16、No.21、No.23およびNo.
25では、Cr、Mo、W、Ta、ReおよびRuの過
剰添加により、Re−W、Ru−W、α−Wおよびα−
Mo等のTCP相が析出しクリープ破断寿命が低下し
た。試料No.17およびNo.19では、Alおよび
Tiの過剰添加によりγ−γ′共晶が生成し、これがク
リープ時にクラックの生成箇所となることにより、クリ
ープ破断寿命が低下した。さらに、試料No.27で
は、Hfの過剰添加により、部分的に合金の融点が低下
してクリープ破断寿命が低下した。
mm、全長60mmのクリープ試験片に加工した。そし
て、耐高温腐食性を評価する目的で、90%Na2SO
4+10%NaClの組成を有する混合塩を試験片表面
積あたり40mg/cm2塗布し、850℃にて40時
間加熱保持し、腐食浸食量を測定した。その結果を図3
に示す。
内にある試料No.1〜試料No.8では、従来例の合
金CMSX−4に対し、良好な耐高温腐食性を示した。
ープ破断特性および耐高温腐食性を有するNi基超合金
を得ることができる。
化したNi基超合金を作製した。
組成になるように、原材料を適当な割合として真空溶解
により精練を行った。その後、再溶解用インゴットを作
り、これを直径100×1000mm程度のメルティン
グストックに鋳造した。このメルティングストックを必
要量に小割りにし、その後、引き抜き法により直径9×
100mmの丸棒形状の単結晶合金を鋳造した。これを
試料No.29とした。
合金組成を表2に示す。
基超合金の合金組成は、重量%で、Co:11.0%、
Cr:3.0%、Mo:2.1%、W:6.0%、A
l:5.8%、Ta:5.8%、Re:4.9%、R
u:1.5%およびHf:0.1%を含有し、残部がN
iおよび不可避的不純物からなる。
とをグリセリンで希釈した腐食液にてエッチングを行
い、試験片全体が単結晶化していること、ならびに成長
方向が引き抜き方向に対して10°以内になっているこ
とを目視にて確認した。
図4に示す熱処理シーケンスにより熱処理を施した。
溶融を防止するため、溶体化温度より20℃低い温度に
おいて1時間、予備熱処理を施した。その後、表3に示
す熱処理No.1から熱処理No.8までに示す温度に
おいて溶体化熱処理(I) を施し、室温にてガス冷却(G
FC)を行った。次に、表3に示す熱処理No.1から
熱処理No.8までの温度で4時間の1段時効熱処理(I
I)を行い、室温にてガス冷却(GFC)を行った後、続
いて、780℃の温度で20時間の2段時効熱処理を行
い、室温にてガス冷却(GFC)を行った。
×20mm、全長60mmのクリープ試験片に加工した
後、大気中、温度1100℃および応力138MPa条
件下においてクリープ試験を実施した。その結果を図5
に示す。
ある熱処理No.l〜熱処理No.4の温度で熱処理を
施した試験片では、クリープ破断寿命が151〜207
時間となり、本発明の熱処理範囲外である比較例の熱処
理No.5〜熱処理No.8の温度で熱処理を施した試
験片と比較して、良好なクリープ破断寿命を示した。
理および1段時効熱処理などの熱処理温度を最適とする
ことで、優れたクリープ破断特性を有するNi基超合金
を得ることができる。
C、ZrおよびBを添加し、一方向凝固化したNi基超
合金を用いた。
料No.1の合金組成を目標に、表4に示す組成のメル
ティングストックを作製した。
C、ZrおよびBを添加し、引き抜き法により直径9×
100mmの丸棒形状の一方向凝固試験片として、試料
No.30から試料No.40までの組成からなる各試
験片を得た。なお、試料No.30から試料No.36
までの各試験片は本発明の組成範囲内にある実施例であ
り、試料No.37から試料No.40までの各試験片
は、本発明の組成範囲外にある比較例である。
水素水とによりエッチングを行い、結晶成長方向が引き
抜き方向に対して10°以内になっていることを目視に
て確認した。
LC(試料No.41)を除く試料No.30から試料
No.40までの11種類の各試験片について、図6に
示す熱処理を施した。
1200℃の温度で4時間の溶体化熱処理を施した後、
室温にてガス冷却(GFC;Gas fan Cooling )を行っ
た。次に、1080℃の温度で4時間の1段時効熱処理
を行い、室温にてガス冷却(GFC)を行った後、続い
て、780℃の温度で20時間の2段時効熱処理を行
い、室温にてガス冷却(GFC)を行った。
LCは溶体化熱処理後、1080℃の温度で4時間の1
段時効熱処理を行い、室温にてガス冷却(GFC)を行
った。そして、続いて870℃の温度で20時間の2段
時効熱処理を施し、室温にてガス冷却(GFC)を行っ
た。
食試験用試験片および平行部の直径4mm×20mm、
全長60mmのクリープ試験片に加工した。そして、大
気中、温度1100℃および応力138MPaの条件下
にてクリープ破断試験を行い、クリープ破断寿命を測定
した。その結果を図7に示す。
は、比較合金および従来合金CM247LCに対し、ク
リープ破断寿命が向上した。
0%Na2SO4+10%NaClの組成を有する混合
塩を試験片表面積あたり40mg/cm2の量を塗布
し、温度850℃にて40時間加熱保持後、腐食浸食量
(mm)を測定した。その結果を図8に示す。
料No.36までの実施例の合金は、試料No.37か
ら試料No.40までの比較例およびCM247LCで
ある従来例の合金に比較して、良好な耐高温腐食性を示
した。
ープ破断特性および耐高温腐食性を有するNi基超合金
を得ることができる。
0) 本実施形態においては、熱処理温度を変化させて一方向
凝固化したNi基超合金を作製した。
金組成になるように、原材料を適当な割合として真空溶
解により精練を行った。その後、再溶解用インゴットを
作り、これを直径100×1000mm程度のメルティ
ングストックに鋳造した。このメルティングストックの
合金組成を表6の試料No.42に示す。
基超合金の合金組成は、重量%で、Co:11.2%、
Cr:3.2%、Mo:2.2%、W:6.1%、A
l:5.8%、Ta:5.9%、Re:4.9%、R
u:1.5%、Hf:0.1%およびC:0.1%を含
有し、残部がNiおよび不可避的不純物からなる。
りにし、その後、引き抜き法により直径9×100mm
の丸棒形状の一方向凝固試験片を鋳造した。
とによりエッチングを行い、結晶成長方向が引き抜き方
向に対して10°以内になっていることを目視にて確認
した。
図9に示す熱処理シーケンスにより熱処理を施した。
理No.9から熱処理No.15までに示す温度におい
て溶体化熱処理(I) を施し、室温にてガス冷却(GF
C)を行った。次に、表7に示す熱処理No.9から熱
処理No.15までの温度で4時間の1段時効熱処理(I
I)を行い、室温にてガス冷却(GFC)を行った後、続
いて、780℃の温度で20時間の2段時効熱処理を行
い、室温にてガス冷却(GFC)を行った。
処理No.11は溶体化熱処理の温度が1150℃以上
1200℃以下、1段時効熱処理の温度が1000℃以
上1200℃未満であり本発明の範囲内の処理条件で行
った実施例であり、熱処理No.12から熱処理No.
15は本発明の範囲外の処理条件により熱処理を行った
比較例である。
径4mm×20mm、全長60mmのクリープ試験片に
加工し、大気中、温度1100℃および応力138MP
a条件下にてクリープ試験を実施し、クリープ破断寿命
を測定した。その試験結果を図10に示す。
施例における熱処理では、クリープ破断寿命は50〜6
1時間となり、比較例における熱処理に対し、良好なク
リープ破断寿命を示した。
に粒界強化元素を添加して、一方向凝固合金とした場合
においても、優れたクリープ特性を有するNi基超合金
を得ることができる。
優れたクリープ破断寿命と耐高温腐食性とを有するNi
基超合金をガスタービン動翼および静翼などのガスター
ビン部品に適用することで、その効率向上に大きく寄与
できる。
比較例の熱処理シーケンスを示す図。
例および従来例のクリープ試験結果を示す図。
例および従来例の高温腐食試験結果を示す図。
ンスを示す図。
比較例のクリープ試験結果を示す図。
ンスを示す図。
例および従来例のクリープ試験結果を示す図。
例および従来例の高温腐食試験結果を示す図。
ンスを示す図。
び比較例のクリープ試験結果を示す図。
Claims (11)
- 【請求項1】 重量%で、Co:10%〜14%、C
r:1%〜4%、Mo:2.1%〜4.0%、W:4.
5%〜6.5%、Al:5%〜7%、Ti:1%以下、
Ta:4%〜8%、Ru:0.5%〜2.5%、Re:
4%〜6%およびHf:0.05%〜0.15%を含有
し、残部がNiおよび不可避的不純物からなることを特
徴とするNi基超合金。 - 【請求項2】 重量%で、Co:11%〜13%、C
r:2.0%〜3.5%、Mo:2.1%〜3.0%、
W:5.5%〜6.5%、Al:5.5%〜6.5%、
Ti:1%以下、Ta:5%〜7%、Ru:1%〜2
%、Re:4.5%〜5.5%およびHf:0.05%
〜0.15%を含有し、残部がNiおよび不可避的不純
物からなることを特徴とするNi基超合金。 - 【請求項3】 請求項1または2記載のNi基超合金に
おいて、重量%で、Cを0.1%〜0.5%含有するこ
とを特徴とするNi基超合金。 - 【請求項4】 請求項1から3までのいずれかに記載の
Ni基超合金において、重量%で、Zrを0.1%〜
0.5%含有することを特徴とするNi基超合金。 - 【請求項5】 請求項1から4までのいずれかに記載の
Ni基超合金において、重量%で、Bを0.1%〜0.
5%含有することを特徴とするNi基超合金。 - 【請求項6】 Ni、Co、Cr、Mo、W、Al、T
i、Ta、Ru、ReおよびHfを含む合金材料を用い
て、1210℃以上1350℃以下の温度範囲において
溶体化熱処理を行った後、1050℃以上1200℃未
満の温度範囲において1段時効熱処理を行い、単結晶化
することを特徴とするNi基超合金の製造方法。 - 【請求項7】 Ni、Co、Cr、Mo、W、Al、T
i、Ta、Ru、ReおよびHfを含有し、C、Zrま
たはBのいずれか一種以上を含有する合金材料を用い
て、1150℃以上1250℃以下の温度範囲において
溶体化熱処理を行った後、1000℃以上1200℃未
満の温度範囲において1段時効熱処理を行い、一方向凝
固することを特徴とするNi基超合金の製造方法。 - 【請求項8】 請求項1または2記載のNi基超合金に
より構成されたガスタービン部品。 - 【請求項9】 請求項6記載の製造方法で作製されたN
i基超合金により構成されたガスタービン部品。 - 【請求項10】 請求項3から5までのいずれかに記載
のNi基超合金により構成されたガスタービン部品。 - 【請求項11】 請求項7記載の製造方法で作製された
Ni基超合金により構成されたガスタービン部品。
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