JP2000239396A - 球状粉末、その製造法及びそれらを配合してなる化粧料 - Google Patents

球状粉末、その製造法及びそれらを配合してなる化粧料

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JP2000239396A JP4614899A JP4614899A JP2000239396A JP 2000239396 A JP2000239396 A JP 2000239396A JP 4614899 A JP4614899 A JP 4614899A JP 4614899 A JP4614899 A JP 4614899A JP 2000239396 A JP2000239396 A JP 2000239396A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種基材へ分散させる際、流動性が良好で、
均一に分散させることができる凝集性の低い球状合成樹
脂粉末。 【解決手段】 平均粒径 0.1〜 100μmの球状合成樹脂
粉末にポリオルガノシルセスキオキサンを主体とするオ
ルガノシロキサン樹脂を被覆してなる球状粉末。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は球状合成樹脂粉末を
ポリオルガノシルセスキオキサンを主体とするオルガノ
シロキサン樹脂で被覆してなる球状粉末、その製造方法
及びその球状粉末を配合してなる化粧料に関するもので
ある。球状粉末は塗料、合成樹脂、合成ゴム、天然ゴ
ム、艶出し剤、離型剤などへの添加剤として凝集が少な
く、分散性に優れ、かつ耐油性に優れるという特性を有
し、さらにこの球状粉末を配合してなる化粧料は、粉体
の沈降がなく、色ムラがなく仕上がりが美しいという優
れた特徴を有する。
【0002】
【従来の技術】従来から各種球状合成樹脂粉末が提案さ
れている。ポリエチレン、ポリスチレン、メチルメタク
リレート樹脂、ウレタン樹脂、6,6−ナイロンなどの
各種球状の合成樹脂粉末が提案されている。これらの球
状合成樹脂粉末の用途は、合成樹脂、インキ、塗料、化
粧料、トナー、顔料、コーティング剤等の添加剤や、液
晶スペーサーとして広く使用されている。しかし、これ
ら球状合成樹脂粉末の多くは流動性の乏しいため取り扱
いにくく、また、凝集性が強いため各種基材へ均一に分
散させることが困難であるという欠点を有していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】粉体の凝集性を低減す
る方法としては、例えば、ハイドロジェンポリシロキサ
ンによる処理や、オルガノシラザン化合物による処理が
知られている。しかし、ハイドロジェンポリシロキサン
による処理は300 ℃以上の高温を必要とするため、耐熱
性の不十分な球状合成樹脂粉末には適しておらず、さら
に凝集物が生成するといった問題点があった。オルガノ
シラザン化合物による処理は処理される粉末の表面に水
酸基等の反応基があることが必要で、無機シリカには適
用可能であるが、反応基がないか、もしくは少ない球状
合成樹脂粉末では十分な効果は得られなかった。さら
に、これらの球状合成樹脂粉末を化粧料に配合した場
合、凝集性が強いために、化粧料へ均一に分散させるこ
とが困難であるといった問題があり、そのため、粉体の
凝集物が残存する問題や、この化粧料を使用したとき、
化粧の色ムラが生じるという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】発明者らは、このような
問題点を解決するために種々検討し、その結果、平均粒
径 0.1〜 100μmの球状合成樹脂粉末にポリオルガノシ
ルセスキオキサンを主体とするオルガノシロキサン樹脂
を被覆した球状粉末が流動性、分散性に優れ且つ粉末と
基材との相溶性を向上させることを確認して本発明を完
成させた。さらに、この球状粉末を化粧料に配合する
と、その媒体への分散が容易で、得られた化粧料は粉体
の凝集や沈殿が起こらず、さらにこの化粧料を使用した
とき、化粧の色ムラがない美しい仕上がりとなるという
効果があることを見出し本発明を完成した。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明における球状合成樹脂粉末
は炭素、酸素、及び窒素原子を主骨格とする樹脂であ
り、具体的には、ポリエチレン、ポリスチレン、メチル
アクリレート樹脂、メチルメタクリレート樹脂、エチル
アクリレート樹脂、エチルメタクリレート樹脂、フェノ
ール樹脂、ウレタン樹脂、6−ナイロン、6,6−ナイ
ロンなどが挙げられる。本発明における球状合成樹脂粉
末の平均粒径が、 0.1μm未満であると、粒子の流動性
が低く凝集性が高くなるし、さらに 100μmを超えると
潤滑性向上の効果が低下するといった問題点があるの
で、 0.1〜 100μmの範囲にあることが好ましく、更に
好ましくは 0.5〜20μmである。
【0006】本発明の球状粉末はこれらの球状合成樹脂
粉末にポリオルガノシルセスキオキサンを主体とするオ
ルガノシロキサン樹脂を被覆することによって得ること
ができる。本発明におけるポリオルガノシルセスキオキ
サンは下記一般式(1)のオルガノシルセスキオキサン
単位を構成単位とする。 RSiO3/2・・・・・・(1) 式中のRはメチル、エチル、プロピル、ブチル基など
のアルキル基;フェニル、トリル等のアリール基、ビニ
ル、アリル等のアルケニル基;β−フェニルエチル基、
β−フェニルプロピル基のようなアラルキル基;クロロ
メチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基などの
ハロゲン化炭化水素基;さらにはエポキシ基、アミノ
基、メルカプト基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基
等の反応性基を有する有機基から選択される1種または
2種以上の、炭素数1〜20の1価の有機基である。な
お、Rはその50モル%以上がメチル基であることが好
ましいが、他の基が含有されると、本発明の球状粉末の
基材との相溶性、潤滑性などが更に改良される。また、
上記RSiO3/2単位の他にその被覆性を損なわない範
囲で R SiO2/2単位、R SiO1/2 単位、SiO
単位が含有されていてもよい。このような R SiO
2/2単位、R SiO1/2 単位、SiO単位はRSiO
3/2 100モルに対して0〜20モルが好ましく20モルを超える
とシルセスキオキサン表面被覆性や潤滑性を損なうので
好ましくない。(ここにRは上記と同じ1価の有機基
である)
【0007】本発明におけるポリオルガノシルセスキオ
キサンを主体とするオルガノシロキサン樹脂は球状合成
樹脂粉末の全表面を均一に被覆していてもよいし、表面
の一部を被覆していてもよい。このポリオルガノシルセ
スキオキサンを主体とするオルガノシロキサン樹脂の使
用量は、球状合成樹脂粉末の 100重量部に対し 0.5重量
部未満では得られる球状粉末の流動性、分散性及び基材
との相溶性が乏しくなるため、 0.5重量部以上が必要で
あるが、経済的な観点から、 0.5重量部から 100重量部
とすることが好ましい。
【0008】本発明の球状粉末の製造方法は、平均粒径
が 0.1〜 100μmの球状合成樹脂粉末の水性分散液に、
アルカリ性物質またはアルカリ性水溶液とオルガノトリ
アルコキシシランを主体とするオルガノアルコキシシラ
ンを添加し、加水分解、縮合反応させるものである。上
記製造に際しては球状合成樹脂粉末を水に分散させる
が、これは球状合成樹脂粉末をそのまま水中に分散させ
るか、適当な界面活性剤を溶解させた水溶液に、球状合
成樹脂粉末を分散させることにより、容易に行うことが
できる。
【0009】本発明で使用される界面活性剤については
特に制限はなく、例えば第4級アンモニウム塩、アルキ
ルアミン塩等の陽性イオン系界面活性剤、アルキルベタ
イン等の両性イオン系界面活性剤、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂
肪酸エステル等の非イオン系界面活性剤、有機スルホン
酸塩、アルキル硫酸塩エステル等の陰イオン系界面活性
剤が挙げられるが、これらの1種または2種以上を併用
することができる。
【0010】本発明における球状合成樹脂粉末の水分散
液 100重量部中における球状合成樹脂粉末の量は、これ
が1重量部未満では目的とする球状合成樹脂粉末の生産
効率が低くなるし、60重量部より多いとポリオルガノシ
ルセスキオキサンを主体とするオルガノシロキサン樹脂
を球状合成樹脂粉末に被覆させることが困難となり、粒
子の凝集、融着が生じることがあるので、1〜60重量部
の範囲が必要であり、好ましくは5〜40重量部である。
【0011】本発明における球状合成樹脂粉末の水分散
液にはアルカリ性物質または、アルカリ性水溶液が添加
されるが、このアルカリ性物質またはアルカリ性水溶液
は後述するオルガノアルコキシシランの加水分解及び縮
合を促進させるために使用するものであり、ここで反応
液のpHが10.0より低いと、オルガノアルコキシシランの
加水分解及び縮合反応が十分に進行せず、またそれに伴
って粒子相互の融着を生じる場合もあり、またpHが13.0
より高いと、オルガノアルコキシシランの加水分解速度
が大きくなるため、球状合成樹脂粉末表面以外の部分で
加水分解反応が生じ、球状合成樹脂粉末表面にポリオル
ガノシルセスキオキサンを主体とするオルガノシロキサ
ン樹脂を効率よく生成被覆させることが困難となるの
で、そのpHが10.0〜13.0、特に10.5〜12.5の範囲にある
ことが好適である。
【0012】本発明におけるアルカリ性物質またはアル
カリ性水溶液の種類は、オルガノアルコキシシランの加
水分解及び縮合反応の触媒作用を有するものであれば特
に制限はないが、通常、水酸化カリウム、水酸化ナトリ
ウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸
化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水
酸化物;炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ金
属炭酸塩;、アンモニアまたはモノメチルアミン、ジメ
チルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、エチ
レンジアミン等のアミン類;テトラメチルアンモニウム
ヒドロキシド等の4級アンモニウムヒドロキシドなどが
好ましく、これらの中では水への溶解性、触媒活性が優
れ、且つ揮発させることにより粉末から容易に除去可能
であることからアンモニアが最も好適であり、これは一
般に市販されているアンモニア水溶液(濃度28重量%)
を用いればよい。
【0013】本発明におけるオルガノアルコキシシラン
は加水分解、縮合反応して、球状合成樹脂粉末表面をポ
リオルガノシルセスキオキサンを主体とするオルガノシ
ロキサン樹脂で被覆するのであるが、このうちオルガノ
トリアルコキシシランとしては一般式(2) RSi(OR)・・・・・・(2) で示されるものが使用可能である(ここにRは前記と
同じ1価の有機基、Rはメチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基などの炭素数1〜6のアルキル基を示
す)。これらは例えばメチルトリメトキシシラン、メチ
ルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、
メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラ
ン、プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシ
シラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニル
トリメトキシシラン、γ−メタクリロキシトリメトキシ
シラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキシ
シラン、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフ
ロロヘキシルトリメトキシシランなどであり、単独ある
いは2種類以上の組み合わせで使用することができる。
本発明においては、これらオルガノトリアルコキシシラ
ンは特に50モル%以上がメチルトリメトキシシランであ
ることが好ましいが、これに上記他のオルガノトリアル
コキシシランを併用すれば、得られる球状合成樹脂粉末
の基材との相溶性、潤滑特性などを更に改良することが
期待される。
【0014】本発明におけるオルガノトリアルコキシシ
ランとともに一般式 R Si(OR) ,R SiOR,Si(OR) (Rは同一または異種の前記と同じ有機基、Rは前記
と同じ基を示す)で示されるオルガノモノアルコキシシ
ラン、オルガノジアルコキシシラン及びテトラアルコキ
シシランをポリオルガノシルセスキオキサンを主体とす
るオルガノシロキサン樹脂の表面被覆性を損なわない範
囲で使用することが可能である。上記オルガノアルコキ
シシランの添加量は、主成分としてのオルガノトリアル
コキシシラン100 重量部に対して20重量部以下が好まし
く、20重量部を超えるとトリアルコキシシランの表面被
覆性を損なうので好ましくない。
【0015】本発明におけるオルガノアルコキシシラン
の球状合成樹脂粉末に対する添加量は、球状合成樹脂粉
末の水分散液の水 100重量部に対して、これが多すぎる
と塊状物の発生する恐れがあるので、30重量部以下とす
ることがよい。
【0016】本発明における加水分解、縮合反応時に攪
拌回転数があまり大きいと、特にオルガノアルコキシシ
ランの使用量が多きときに、粒子同士の凝集あるいは融
着を生じる傾向があるので、出来るだけ穏やかな条件で
攪拌を行なうことが好ましい。用いる攪拌装置としては
一般にプロペラ翼、平板翼などが好適である。なお、本
発明における加水分解、縮合反応の反応温度は0℃未満
では液が凝固してしまい、また60℃より高くすると生成
したポリオルガノシルセスキオキサンを主体としたオル
ガノシロキサン樹脂のみからなる粒子が生成し、粒子相
互が凝集あるいは融着することがあるので、0℃〜60
℃、特に5〜20℃の範囲とすることが必要である。
【0017】本発明における加水分解、縮合反応のため
のアルカリ性物質またはアルカリ性水溶液の添加はオル
ガノアルコキシシランの添加と同時に行っても、オルガ
ノアルコキシシラン添加後に行ってもよいが、オルガノ
アルコキシシランの添加量が多い場合には、予め球状合
成樹脂粉末の水分散液に添加しておくのがよい。このオ
ルガノアルコキシシランはこの反応系に一度に添加して
もよいが、添加量が多いときにはこれを一度に添加する
と粒子相互に凝集あるいは融着が生ずることがあるの
で、時間をかけて徐々に少量ずつ添加することがよい。
【0018】本発明における加水分解、縮合反応中の攪
拌はオルガノアルコキシシラン添加終了後、加水分解、
縮合反応が完結するまではしばらく攪拌を継続する。ま
た、加水分解、縮合反応を短時間で完結させるためには
反応液を加熱してもよく、更に必要であれば酸性物質を
添加して中和してもよい。上記反応終了後は、例えば加
熱脱水、濾過、遠心分離、デカンテーションなどの方法
により分散液を濃縮した後、必要に応じて水洗を行い、
更に常圧もしくは減圧下での加熱乾燥、または加熱気流
中に分散液を噴霧するスプレードライ、流動熱媒体を使
用しての加熱乾燥などにより水分を除去すれば、球状合
成樹脂粉末表面をポリオルガノシルセスキオキサンを主
体とするオルガノシロキサン樹脂で被覆した目的とする
球状粉末が得られる。得られた球状粉末が若干凝集して
いる場合には、ジェットミル、ボールミル、ハンマーミ
ルなどの粉砕器を適宜使用して粉砕してもよい。
【0019】本発明の化粧料の製造においては、本発明
の球状粉末の他に、一般に化粧料に添加される粉体類、
結合油剤、界面活性剤、香料、防腐剤、溶剤などを任意
に配合することができる。
【0020】本発明の化粧料の製造方法は従来公知の方
法で行えばよい。例えば、本発明の球状粉末を他の粉体
類と共にヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、Vブ
レンダー、らいかい機、ナウターミキサーなどの混合機
を用いて混合し、更にこの混合物を別途溶解あるいは混
合、分散した結合油剤、界面活性剤などと、リボンブレ
ンダー、プラネタリーミキサーなどを用いて混合する。
次いで必要に応じてこれをプレス成形し化粧料を得るこ
とができる。
【0021】本発明の化粧料としては、ファンデーショ
ン類、各種クリーム類、防臭パウダー、プレストパウダ
ー、おしろいパウダー、ひげ剃りパウダー、ドライシャ
ンプーなどのパウダー製品類、口紅、アイシャドウ、マ
スカラ、アイライナーなどのメイクアップ化粧料、シャ
ンプー、リンス、ヘアコンディショナー、ヘアリンス、
ヘアクリーム、ヘアスプレー、ヘアセット剤、染毛剤な
どのヘアケア化粧料、化粧落としなどの洗浄料、ロール
オン、スプレーなどの各種制汗剤などが挙げられるが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
【0022】
【実施例】次に実施例により本発明を更に詳しく説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。本発
明の球状粉末の平均粒子径、形状、表面状態、流動性、
分散性の測定及び評価は下記の方法に従って行なった。 (平均粒径の測定)得られた球状粉末を界面活性剤を用
いて水に分散させ、その分散液を用いてマルチサイザー
II(米国コールターエレクトロニクス社製商品名)によ
り粒径(μm)を測定した。 (形状、表面状態の観察)得られた球状粉末の形状、表
面状態を電子顕微鏡により 2,000〜 8,000倍で観察し
た。 (分散性の評価)粉体特性測定装置・パウダーテスター
PT-E型[ホソカワミクロン(株)製商品名]を用いて、
振幅1mmの振動を与え、 200メッシュ、 100メッシュ、
60メッシュの篩分け性を測定した。(90秒間、試料量2
g ) (流動性の評価)排出口の内径が4mmのロートに試料 1
0gを入れ、粉体特性測定装置・パウダーテスターPT-E型
(前出)を用いてロートに振幅1mmの振動を与え、試料
がロートから全量排出されるまでの時間(秒)を測定し
た。
【0023】[実施例1]1リットルのガラスフラスコ
に水649.0g、平均粒径 6.0μmのポリスチレンパウダー
SBX-6 [積水化成品工業(株)製商品名]を 60.1g、ポ
リオキシエチレンラウリルエーテル・エマルゲン109 P
[花王(株)製商品名]0.3g、およびアンモニア水(濃
度28重量%)15.2g を仕込み、SBX−6の水分散溶液
を調製した。攪拌翼回転数200rpmの条件で錨型攪拌翼で
攪拌しながら、液温を8℃まで冷却した。この液にメチ
ルトリメトキシシラン8.2gを20分かけて滴下し、この間
液温を5〜10℃に保ち、更に室温で1時間攪拌し、55〜
60℃まで加熱し、引き続き1時間攪拌を行い、得られた
液を加圧濾過器を用いて水分約30重量%のケーキ状物と
した。このケーキ状物を 1,000mlの水で2回洗浄し、熱
風循環乾燥機中で 105℃の温度で12時間乾燥し、乾燥物
をジェットミルで解砕し、球状粉末を得た。これを光学
顕微鏡で観察したところ、シリコーンレジン層で均一に
被覆された平均粒径 6.2μmの球状粉末であることが確
認された。また、この球状粉末の分散性及び流動性を調
べたところ、表1に示したような良好な結果を得た。
【0024】[実施例2]実施例1において、合成樹脂
として平均粒径が 9.9μmのメチルメタクリレート樹脂
・MX-1000 [綜研化学(株)製商品名]を用いた以外は
実施例1と全く同様にして、球状粉末の製造を行い、得
られた球状粉末の形状、平均粒径、流動性、分散性を測
定し、評価し、表1に示したような良好な結果を得た。
【0025】[実施例3]実施例1において、合成樹脂
として平均粒径が 8.7μmのポリエチレン・フロービー
ズLE1080[住友精化(株)製商品名]を用い、熱風循環
乾燥の条件を70℃で24時間乾燥とした以外は実施例2と
全く同様にして、球状粉末を製造し、得られた球状粉末
の形状、平均粒径、流動性、分散性を測定し、表1に示
したような良好な結果を得た。平均粒径の低下は凝集粒
子が減少した結果である。
【0026】[比較例1〜3]実施例1〜3で使用した
スチレン樹脂粉末、メチルメタクリレート樹脂粉末、ポ
リエチレン粉末などのそのままのものについて、平均粒
径、形状、分散性、流動性を測定した。表1に示したよ
うな結果を得た。
【0027】
【表1】
【0028】以下で具体的な化粧料としてファンデーシ
ョン類、リンス、ヘアスプレーを製造してそれを評価し
た。 [実施例4] (ファンデーションの製造) 〈原料成分〉 1 酸化チタン 12.0重量% 2 酸化亜鉛 9.5重量% 3 カオリン 35.0重量% 4 タルク 20.0重量% 5 ベンガラ 0.8重量% 6 黄酸化鉄 2.5重量% 7 黒酸化鉄 0.2重量% 8 球状粉末(実施例1の製品) 7.0重量% 9 流動パラフィン 4.0重量% 10 オクタメチルシクロテトラシロキサン 5.0重量% 11 ジメチルポリシロキサン(粘度6cs) 5.0重量% 12 パルミチン酸イソプロピル 3.0重量% 13 グリセリン 3.0重量% 14 防腐剤 適量 15 香料 適量 〈製造方法〉 A:成分1〜10を均一に混合する。 B:成分11〜14を混合しAを加える。 Bに成分15を加えて、金型にプレス成形する。 上記製造方法により製造したファンデーションの使用感
及び使用性について、女性10名のパネラーにより評価し
ところ、10名とも従来品に比較して、使用時のマットや
スポンジへの取れ易さが良好で、ケーキングしにくく、
塗工時の伸展性、滑らかさ、さらさら感に優れていると
の評価であった。
【0029】 [実施例5] (リキッドファンデーションの製造) 〈原料成分〉 1 トリオクタン酸グリセリル 10.0重量% 2 ネオペンチルグリコールのイソオクタン酸ジエステル 7.0重量% 3 デキストリンの脂肪酸エステル 1.5重量% 4 12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル 0.5重量% 5 ホホバ油 5.0重量% 6 ポリオキシアルキレン変性シリコーンオイル・KF6026[信越化学工業(株) 製商品名] 1.0重量% 7 酸化チタン 8.0重量% 8 無機有色顔料 4.0重量% 9 マイカ 3.0重量% 10 タルク 3.0重量% 11 球状粉末(実施例2の製品) 2.0重量% 12 1,3−ブチレングリコール 7.0重量% 13 香料 適量 14 防腐剤 適量 15 精製水 残量 〈製造方法〉 A:成分1〜6を混合し加熱溶解する。これに成分7〜
11を均一に分散させる。 B:成分12、成分14〜15を混合し加温する。 C:AにBを加えて攪拌乳化する。 Cを冷却し、成分13を加えてリキッドファンデーション
を得る。 上記製造方法により製造したリキッドファンデーション
の使用感及び使用性について、女性10名のパネラーによ
り評価しところ、10名とも従来品に比較して、塗工時の
伸び、塗布後のさらさら感、滑らかさに優れているとの
評価であった。
【0030】 [実施例6] (リンスの製造) 〈原料成分〉 1 エチレングリコールのステアリン酸ジエステル 3.0重量% 2 セタノール 2.0重量% 3 プロピレングリコールのステアリン酸モノエステル 3.0重量% 4 ジメチルポリシロキサン(粘度100cs ) 3.0重量% 5 ステアリン酸モノグリセリル 4.0重量% 6 ポリオキシエチレン(EO付加モル=3)ステアレート 4.0重量% 7 塩化アセチルトリメチルアンモニウム 5.0重量% 8 ポリオキシエチレン(EO付加モル=20)セチルエーテル 2.0重量% 9 球状粉末(実施例2の製品) 2.0重量% 10 1,3−ブチレングリコール 5.0重量% 11 防腐剤 適量 12 香料 適量 13 精製水 残量 〈製造方法〉 A:成分1〜9を攪拌混合する。 B:成分10、11及び13を混合、加温する。 C:AにBを添加し混合した後、冷却し成分12を添加し
てリンスを得る。上記製造方法により製造したリンスの
使用感を女性10名のパネラーにより評価しところ、10名
とも従来品に比較して、使用時にべたつきや重さがな
く、毛髪に優れた艶を与え、さらさら感、櫛通りのよ
い、使用後もリンス効果の持続性も優れているとの評価
であった。
【0031】 [実施例7] (ヘアスプレーの製造) 〈原料成分〉 1 ジメチルポリシロキサン(粘度100 万cs) 3.0重量% 2 デカメチルシクロペンタシロキサン 75.0重量% 3 球状粉末(実施例2の製品) 7.0重量% 4 香料 適量 5 噴射剤 残量 〈製造方法〉 A:成分1〜4を混合する。 Aをエアゾール用缶に詰めた後、成分5を充填しエアス
プレーを得る。得られたヘアスプレーの使用感及び使用
性を女性10名のパネラーにより評価しところ、10名とも
従来品に比較して、使用時にべたつきや重さがなく、毛
髪に優れた光沢を与え、さらさら感、なめらかさ、しっ
とり感、櫛通りのよい、使用感も効果の持続性も優れて
いるとの評価であった。
【0032】
【発明の効果】本発明は球状合成樹脂粉末にポリオルガ
ノシルセスキオキサンを主体とするオルガノシロキサン
樹脂を被覆した球状粉末に関するもので、凝集が少なく
分散性に優れ、取り扱い易いという特徴を有し、さらに
得られた球状粉末を配合してなる化粧料は、分散性に優
れ、粉末の沈降がなく、さらに色ムラがなく、化粧仕上
がりが良好であるという特徴を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 83/00 C08L 83/00 83/04 83/04 (72)発明者 井口 良範 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 Fターム(参考) 4C083 AA122 AB212 AB232 AB242 AB432 AB442 AC022 AC072 AC122 AC182 AC352 AC392 AC402 AC422 AC692 AD151 AD152 AD161 AD162 AD172 AD242 AD492 BB26 CC01 CC12 CC33 CC39 DD08 DD17 DD21 DD23 EE06 EE07 FF01 FF05 4F070 AA00 AC52 AD06 DA33 DA48 DB03 DC02 DC07 DC11 4J002 AA00W CP03X FA08W FB09W GB00 HA08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径 0.1〜 100μmの球状合成樹脂
    粉末に、ポリオルガノシルセスキオキサンを主体とする
    オルガノシロキサン樹脂を被覆してなることを特徴とす
    る球状粉末。
  2. 【請求項2】 平均粒径 0.1〜 100μmの球状合成樹脂
    粉末の水分散液に、アルカリ性物質又はアルカリ性水溶
    液とオルガノトリアルコキシシランを主体とするオルガ
    ノアルコキシシランを添加し、加水分解、縮合反応させ
    ることを特徴とする請求項1に記載した球状粉末の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 請求項1あるいは請求項2に記載した球
    状粉末を配合してなる化粧料。
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