JP2000239151A - 両親媒性脂質分散液 - Google Patents

両親媒性脂質分散液

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JP2000239151A
JP2000239151A JP36390999A JP36390999A JP2000239151A JP 2000239151 A JP2000239151 A JP 2000239151A JP 36390999 A JP36390999 A JP 36390999A JP 36390999 A JP36390999 A JP 36390999A JP 2000239151 A JP2000239151 A JP 2000239151A
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珠里 佐多
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康裕 土井
Tatsunori Tamura
辰仙 田村
Masaki Inoue
雅喜 井上
Hiroshi Sonohara
浩史 園原
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 分散質として(a)分子中に1以上のヒド
ロキシ基及びアミド基を有する両親媒性脂質5〜40重量
%並びに(b)界面活性剤2〜55重量%を水性媒体中に含
有する分散液、並びにこれを配合してなる洗い流し型化
粧料、並びに(A)平均粒径が0.5〜150μmであり、分子
中に1以上のヒドロキシ基及びアミド基を有する融点30
℃以上の両親媒性脂質0.01〜10重量%並びに(B)界面活
性剤5〜95重量%を含有する洗い流し型化粧料。 【効果】 本分散液は、乳濁又はパール様の外観と皮膚
に対する温和性とを併せ持つ洗い流し型化粧料の配合成
分として有用である。また本洗い流し型化粧料は、乳濁
又はパール様の外観を有し、含有する界面活性剤の皮膚
への吸着が少なく、皮膚に対して温和である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、両親媒性脂質を分
散質とする分散液、及びそれを配合してなる乳濁又はパ
ール様外観を有し皮膚に対して温和な洗い流し型化粧
料、並びに一定の平均粒径の両親媒性脂質を含有する、
乳濁又はパール様外観を有し、皮膚に対して温和な洗い
流し型化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、皮膚や毛髪に適用後、洗い流すボ
ディーシャンプー、シャンプー、リンス等の洗い流し型
化粧料の美観を高める目的で、これらに乳濁又はパール
様の外観を付与するための乳濁剤又はパール剤の分散液
が用いられている。
【0003】一方、これらの洗い流し型化粧料では界面
活性剤が用いられ、皮膚の乾燥や炎症の原因となる場合
があり、皮膚に対して温和な界面活性剤の開発が行われ
てきている。しかし、新規な低刺激性界面活性剤の開発
は、膨大な時間とコストを必要とする。
【0004】ところで、セラミド等の両親媒性脂質を、
洗い流し型化粧料に配合して皮膚や毛髪を保護しようと
する試みもいくつかなされている。すなわち、セラミド
類縁体であるアミド誘導体を含有する毛髪化粧料(特開
昭64−9913号)、グリコセラミド類とカチオン界
面活性剤を含有する毛髪化粧料(特開平6−50266
0号)、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、カチオ
ンポリマー及びセラミド又はグリコセラミドを含有する
頭髪又は皮膚洗浄及び処理用組成物(特開平8−594
43号)が報告されている。しかしながら、これらの化
粧料においては、セラミド類は室温で固体であるため、
少量(上限で2重量%程度)しか安定に配合できなかっ
た。また、セラミド類を他の媒体に溶解して液状にして
エマルジョン状にした場合には、その効果が十分に得ら
れないという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、室温で固体の両親媒性脂質の性質を十分に発揮した
洗い流し型化粧料、及びこれに用いる分散液を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、次の成分(a)
及び(b) (a) 分散質として分子中に1以上のヒドロキシ基及び
アミド基を有する両親媒性脂質:5〜40重量% (b) 界面活性剤:2〜55重量% を水性媒体中に含有する分散液及びこれを配合してなる
洗い流し型化粧料を提供するものである。更に本発明
は、次の成分(A)及び(B) (A) 平均粒径が0.5〜150μmであり、分子中に1以上
のヒドロキシ基及びアミド基を有する両親媒性脂質:0.
01〜10重量% (B) 界面活性剤:5〜95重量% を含有する洗い流し型化粧料を提供するものである。
【0007】本発明の分散液は、固体粒子の両親媒性脂
質が分散質として水性媒体中に分散しており、洗い流し
型化粧料に乳濁又はパール様の外観を付与することがで
き、皮膚に温和な洗い流し型化粧料の調製に有用であ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明における分散液に使用され
る(a) 成分の分子中に1以上のヒドロキシ基及びアミド
基を有する両親媒性脂質とは、天然セラミド類、合成セ
ラミド類及び合成等により得られるそれらの類縁体(擬
セラミド)であって室温(25℃)で固体状のものをい
う。かかる両親媒性脂質としては、Ceramide H03(Seder
ma) 、CeramideII(Sederma)、Questamide H(Quest)、Ce
ramide TIC-001(高砂香料)、ソフケアセラミドSL-E
(花王)等が挙げられる。ここで、分散液等とした場合
の安定性から、融点30℃以上であるものが好ましく、融
点40℃以上であるものがより好ましい。合成により得ら
れるセラミド類縁体の特に好ましい例としては、上記ソ
フケアセラミドSL-Eを含む次の一般式(1)で表されるア
ミド誘導体が挙げられる。
【0009】
【化1】
【0010】〔式中、R1及びR2は同一又は異なって、
1以上のヒドロキシ基が置換していてもよい炭素数7〜
39の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示
し、R 3及びR4は同一又は異なって、水素原子、リン酸
塩残基、硫酸塩残基又は糖残基を示す。ただし、1分子
中に1以上のヒドロキシ基を有する。〕
【0011】一般式(1)において、R1の炭化水素基とし
ては、炭素数9〜25の直鎖又は分岐鎖の飽和若しくは不
飽和の炭化水素基が好ましく、R2の炭化水素基として
は、炭素数10〜26の直鎖又は分岐鎖の飽和若しくは不飽
和の炭化水素基が好ましく、R3及びR4としては、水素
原子が好ましい。
【0012】上記アミド誘導体(1)の製造法については
特開昭62-228048号公報、特開昭63-216852号公報等に詳
述されている。
【0013】(a)成分の両親媒性脂質は、いずれかを単
独で又は二種以上を組み合わせて使用することができ、
本発明分散液中に5〜40重量%、好ましくは10〜30重量
%配合される。
【0014】本発明の分散液に使用される(b)成分の界
面活性剤としては、一般に化粧品用として用いられるも
の、例えば非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤及
び両性界面活性剤から選ばれる1種以上が挙げられる。
このうち、非イオン界面活性剤としては、アルキルポリ
グリコシド、ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケ
ニルエーテル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸
エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアル
キレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキ
レングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸
エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリエチレングリコ
ール脂肪酸エステル及び脂肪酸アルカノールアミド等が
挙げられる。また、陰イオン界面活性剤としては、ポリ
オキシアルキレンアルキルエーテル酢酸又はその塩、N
−アシルアミノ酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエ
ーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル
リン酸塩、アルキルリン酸塩、N−アシルメチルタウリ
ン塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシアルキレ
ンアルキルスルホコハク酸塩、脂肪酸塩等が挙げられ
る。両性界面活性剤としては、アルキルアミノ酢酸ベタ
イン、アルキルアミンオキサイド、アルキルアミドプロ
ピルベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン及び
アミドアミノ酸(イミダゾリン系ベタイン)等が挙げら
れる。
【0015】中でも好ましいものとして、非イオン界面
活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸又は
その塩が挙げられる。非イオン界面活性剤としては、ア
ルキルポリグリコシド、ポリオキシアルキレンアルキル
又はアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレンソルビ
タン脂肪酸エステル及びソルビタン脂肪酸エステルから
選ばれるものが好ましい。
【0016】特に好ましい非イオン界面活性剤として
は、アルキルポリグリコシド、例えばアルキル基の炭素
数8〜14で糖(グルコース)の縮合度1〜2のもの;ポ
リオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル、
例えばアルキル基又はアルケニル基の炭素数8〜18でエ
チレンオキシドの平均付加モル数4〜25、好ましくは4
〜15のもの;ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エ
ステル、例えば脂肪酸の炭素数8〜20でエチレンオキシ
ドの平均付加モル数5〜25のもの;ソルビタン脂肪酸エ
ステル、例えば炭素数8〜20の脂肪酸のモノエステル等
が特に好ましい。また、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル酢酸又はその塩としては、炭素数8〜20でエチレ
ンオキシド平均付加モル数3〜15の酸そのもの又はその
アルカリ金属等の塩が挙げられる。すなわち、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル酢酸は、中和せず、そのま
ま用いてもよいし、適宜中和して用いてもよい。またカ
チオン界面活性剤を更に添加することにより、皮膚、毛
髪への両親媒性脂質の吸着性を上げることができる。
【0017】(b)成分の界面活性剤は、いずれかを単独
で又は二種以上を組み合わせて使用することができ、本
発明分散液中に2〜55重量%、好ましくは5〜40重量%
配合される。
【0018】ここで、(a)成分の両親媒性脂質と(b)成分
の界面活性剤の配合比率は、重量比(a)/(b)が90/10〜2
5/75、更に80/20〜30/70、特に70/30〜40/60が好まし
い。
【0019】本発明の分散液は、例えば、(a)成分の両
親媒性脂質、(b)成分の界面活性剤及び水の混合物を両
親媒性脂質の融点以上(融点〜融点+10℃程度)まで攪
拌しながら加熱・融解し、均一状態になった後、攪拌し
ながら冷却し、(a)成分を晶析させることにより製造す
ることができる。
【0020】ここで、界面活性剤の種類及び量、冷却速
度、攪拌速度等を調整することにより、(a)成分の粒径
を制御することができる。(a)成分の平均粒径は、後述
の方法による測定値で、0.5〜150μm、更に1〜150μ
m、特に1〜80μmにするのが好ましい。また、本発明
の分散液には、上記加熱・融解・冷却の前又は後におい
て、エチレングリコールジステアレート、エチレングリ
コールモノステアレート等、他のパール化剤、乳濁剤、
pH調整剤、防腐剤等を添加することもできる。
【0021】上記のようにして得られた本発明の分散液
は、乳濁又はパール様の外観を有するものであり、これ
を洗い流し型化粧料に配合することにより、各化粧料を
乳濁又はパール様の外観にすることができ、しかも洗い
流し型化粧料中の界面活性剤の皮膚への吸着量を低減さ
せ、界面活性剤の刺激性を低減させることができる。こ
こで、本発明の洗い流し型化粧料としては、シャンプ
ー、リンス等の毛髪用のもの、洗顔料、洗顔パック等の
顔用のもの、あるいはマッサージ剤、ボディーシャンプ
ー等の全身用のものが挙げられる。本発明の分散液は、
特に、全身洗浄料、手指洗浄料、洗顔料等の界面活性剤
を洗浄基剤とする洗浄剤の配合成分として有用である。
【0022】本発明の分散液の洗い流し型化粧料中への
配合量は、化粧料の種類や分散液の濃度によって適宜調
整すればよく、両親媒性脂質濃度として、一般に0.01〜
10重量%、特に0.1〜5重量%が好ましい。
【0023】本発明の分散液を用いて、洗い流し型化粧
料を調製する際は、前記分散液以外の化粧料成分を混合
しておき、当該混合物と前記分散液とを50℃以下で混合
して製造するのが好ましい。かくすることにより前記分
散液中の両親媒性脂質が、化粧料中に安定に配合され
る。
【0024】また、分散液を用いた洗い流し型化粧料に
使用する界面活性剤としては後述の(B)成分の界面活性
剤と同様のものが挙げられる。分散液を用いた洗い流し
型化粧料に使用する界面活性剤の配合量は分散液の調製
に用いる界面活性剤及び洗い流し型化粧料の調製に用い
る界面活性剤の総量で、本発明洗い流し型化粧料の5〜
95重量%、好ましくは10〜50重量%、より好ましくは10
〜35重量%である。
【0025】本発明の洗い流し型化粧料に使用する(A)
成分の両親媒性脂質としては、前記分散液における(a)
成分と同様、アミド誘導体(1)が特に好ましく、またい
ずれかを単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる
が、その平均粒径は、刺激低減効果及び洗い流し型化粧
料中での安定性の点から、0.5〜150μmであるのが好ま
しく、より好ましくは1〜150μmであるのが、さらに
好ましくは1〜80μm、特に好ましくは1〜50μmであ
る。なお、ここでいう平均粒径は、光学顕微鏡で透過光
下で写真撮影した後、写真上で任意に粒子を30個選び、
各粒子について、直線距離で最長の部分を計測した際の
算術平均値である。(A)成分の両親媒性脂質は、本発明
の洗い流し型化粧料中に0.01〜10重量%、好ましくは0.
1〜5重量%配合される。
【0026】また(B)成分の界面活性剤としては、前記
分散液における(b)成分の界面活性剤、及び一般に洗い
流し型化粧料に洗浄や毛髪柔軟化の目的で使用される界
面活性剤が挙げられる。用いられる界面活性剤として
は、アルキルポリグリコシド、脂肪酸アルカノールアミ
ド、アミドアミノ酸系界面活性剤(イミダゾリン系ベタ
イン)、アルキルアミノ酢酸ベタイン、アルキルアミン
オキサイド、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキ
ルヒドロキシスルホベタイン、陰イオン界面活性剤が好
ましく、アルキルポリグリコシド、アミドアミノ酸系界
面活性剤(イミダゾリン系ベタイン)、陰イオン界面活
性剤がより好ましい。陰イオン界面活性剤としては、ポ
リオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、例えばア
ルキル基の炭素数が12〜18で、エチレンオキサイド平均
付加モル数2〜4のもの;脂肪酸塩、例えば脂肪酸の炭
素数が12〜18のもの;アルキルリン酸塩、例えばアルキ
ル基の炭素数が12〜18のもの;ポリオキシアルキレンア
ルキルエーテルリン酸塩、例えばアルキル基の炭素数が
12〜18で、エチレンオキサイド平均付加モル数1〜5の
もの;ポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸塩、
例えばアルキル基の炭素数が12〜18で、エチレンオキサ
イド平均付加モル数3〜12のもの;アシル化アミノ酸
塩、例えばアシル基の炭素数が12〜18で、アラニン、サ
ルコシン、グリシン、グルタミン酸の誘導体であるも
の;アルキル基の炭素数12〜18のアルキル硫酸塩、アル
キルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルス
ルホコハク酸塩;アシル基の炭素数が12〜18のアシル化
イセチオン酸塩、N−アシルメチルタウリン塩が更に好
ましい。塩としては、水溶液となる塩、すなわちアルカ
リ金属塩やアルカノールアミン塩が好ましい。(B)成分
の界面活性剤の配合量は、本発明洗い流し型化粧料の5
〜95重量%、好ましくは10〜50重量%、より好ましくは
10〜35重量%である。
【0027】本発明の洗い流し型化粧料には、高級アル
コール、ラノリン、スクワラン、炭化水素、シリコーン
類等の油剤;カチオン化セルロース、カチオン化グアガ
ム、マーコート550(メルク)等のカチオン化ポリマー;
メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カル
ボキシビニルポリマー、多糖類(キサンタンガム等)等
の水溶性高分子;ポリオキシアルキレンソルビタンエス
テル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、エタノー
ル、グリセリン、ソルビトール等の粘度調整剤や溶解助
剤;エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ホスホン酸塩類
等のキレート剤;メチルパラベン、ブチルパラベン等の
防腐剤;ビタミン類又はその前駆体等の栄養成分;レシ
チン、ゼラチン等の動植物抽出物又はその誘導体;ナイ
ロン、ポリエチレン等のポリマー微粉体;グリチルリチ
ン酸ジカリウム、アラントイン等の消炎剤;塩化ベンザ
ルコニウム、セチルリン酸ベンザルコニウム(花王,サ
ニゾールP)、トリクロサン、トリクロロカルバン、オ
クトピロックス、ジンクピリチオン等の殺菌剤や抗フケ
剤;ジブチルヒドロキシトルエン等の酸化防止剤;その
他紫外線吸収剤、pH調整剤、色素、香料等を、適宜配合
することができる。
【0028】本発明の洗い流し型化粧料を調製する際、
両親媒性脂質は、あらかじめ分散液として用いても、あ
るいはそのまま用いてもよいが、あらかじめ分散液とし
て用いるのが好ましい。両親媒性脂質をそのまま用いる
場合には、他の化粧料成分と共に加温して溶解させ、又
は均一に分散させ、その後配合系全体を冷却して両親媒
性脂質を晶析させるのが好ましい。
【0029】また、本発明の洗い流し型化粧料は、固
形、ペースト状、液状等いずれの剤形にすることもでき
る。
【0030】
【実施例】実施例1 両親媒性脂質〔一般式(1)においてR1=C15H31,R2=C
16H33,R3=H,R4=Hで融点74〜76℃のもの〕15重
量部、マイドール10〔有効分40重量%,デシルポリグル
コシド(縮合度1〜1.35);花王〕25重量部及び水60重
量部を80〜85℃に昇温した後、攪拌しながら冷却して両
親媒性脂質を晶析させ、更に攪拌しながら室温まで冷却
し、両親媒性脂質分散液を調製した。得られた分散液は
パール様外観を有しており、この分散液中の両親媒性脂
質の粒子は、平均粒径15.1μmの針状結晶であった。
【0031】実施例2〜7 実施例1と同様にして、表1に示す両親媒性脂質分散液
を調製し、目的とするパール状の分散液を得た。
【0032】
【表1】
【0033】実施例9 全身洗浄料1 以下に示す組成のパール状全身洗浄料1を常法により製
造した。ただし、両親媒性脂質は、あらかじめパール状
に晶析させた分散液(実施例1)を、40℃にて後添加し
た。
【0034】 *1:実施例1のパール光沢分散液としての添加量(以
下同様)
【0035】実施例10 全身洗浄料2 以下に示す組成のパール状全身洗浄料2を常法により製
造した。ただし、両親媒性脂質は、あらかじめパール状
に晶析させた分散液(実施例2)を、40℃にて後添加し
た。
【0036】 (重量部) ポリオキシエチレンココエーテルサルフェート ナトリウム塩(EO=3) 16.0 ラウリン酸ジエタノールアミド 1.0 ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 3.0 ソディウムココアンフォアセテート 1.5 両親媒性脂質(実施例2) 7.5 水 バランス 計 100.0
【0037】試験例1 界面活性剤吸着量 男女各3名の被験者に、実施例9の全身洗浄料1を1週
間使用させた後、上腕部よりテープストリッピング法に
より、角質層の採取を行った。採取したテープを細断
し、メタノールにて抽出し、液体クロマトグラフィーに
付すことにより、全身洗浄料の主界面活性剤であるラウ
リルリン酸の皮膚への吸着量を、定量した。また、比較
のため、実施例9の全身洗浄料1から両親媒性脂質を除
き、水でバランスさせた比較全身洗浄料1を用いて、同
様の試験を行った。この結果を表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】この結果から、本発明品は、比較品に比べ
有意に界面活性剤の皮膚への吸着を低減できることがわ
かった。 試験例2 かゆみ・かさつき改善効果試験
【0040】冬季、乾燥時、身体にかゆみ・かさつきを
自覚している被験者男女各5名を一群として抽出し、1
ヶ月間実施例9又は10の全身洗浄剤を使用した後のか
ゆみ・かさつきについて、以下に示す基準にて評価を行
った。なお、評価は自己申告形式である。また、比較の
ため、実施例9及び10の全身洗浄料から両親媒性脂質
を除き、水でバランスさせた比較全身洗浄料1及び2に
ついても、それぞれ同様の試験を行った。
【0041】(評価基準) なくなった(改善) :0 ほとんどなくなった(ほぼ改善):1 少しなくなった(やや改善) :2 変わらない :3 強くなった(悪化) :4 (結果)結果は、表3に10名の平均評点で示した。
【0042】
【表3】
【0043】この結果から、本発明品は比較品に比べ
て、有意にかゆみ、かさつきが改善されることがわかっ
た。
【0044】試験例3 起泡力試験 全身洗浄料1及び比較全身洗浄料1の各5重量%溶液10
0mLを試料とする。希釈には、4度硬水を用い、ラノリ
ン0.5重量%を添加し、反転攪拌法(油化学,22(4), 21
1, 1973)により40℃にて泡量(mL)の測定を行った。
測定は30秒間攪拌して10秒後、及び5分間攪拌して30秒
後に行った。この結果を表4に示す。
【0045】
【表4】
【0046】この結果から、本発明の両親媒性脂質分散
液を添加しても、洗浄料の起泡力は低下しないことがわ
かった。
【0047】実施例11 洗顔料1 以下に示す組成のパール状洗顔料1を常法により製造し
た。ただし、両親媒性脂質は、あらかじめパール状に晶
析させた分散液(実施例3)を、40℃にて後添加した。
【0048】 (重量部) ステアリン酸 20.0 ミリスチン酸 12.0 ラウリン酸 4.0 水酸化カリウム 6.5 ラウリン酸アミドプロピルベタイン 3.0 グリセリン 4.0 ポリエチレングリコール6000 5.0 プロピレングリコール 10.0 両親媒性脂質(実施例3) 2.2 水 バランス 計 100.0
【0049】実施例12 手指洗浄料1以下に示す組成の
パール状手指洗浄料1を常法により製造した。ただし、
両親媒性脂質は、あらかじめパール状に晶析させた分散
液(実施例1)を、40℃にて後添加した。
【0050】 (重量部) マイドール10 30.0 グリセリン 3.0 レオドールTW-IS399C*1 0.5 ベンザルコニウムクロライド 0.8 EDTA・2Na 0.3 両親媒性脂質(実施例1) 10.0 水 バランス 計 100.0 *1:ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(花王)
【0051】実施例13 全身洗浄料3 以下に示す組成のパール状全身洗浄料3を常法により製
造した。ただし、両親媒性脂質は、あらかじめパール状
に晶析させた分散液(実施例4)を、40℃にて後添加し
た。
【0052】 (重量部) ポリオキシエチレン(4.5)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム 6.0 ポリオキシエチレン(10)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム 5.0 マイドール10 10.0 ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 3.0 ポリオキシエチレン(2)ラウリン酸モノエタノールアミド 1.0 カチオン化セルロース 0.1 グリセリン 3.0 両親媒性脂質(実施例4) 7.0 水 バランス 計 100.0
【0053】実施例14 全身洗浄剤4(デオドラントタ
イプ) 以下に示す組成のデオドラントタイプのパール状全身洗
浄料4を常法により製造した。ただし、両親媒性脂質
は、あらかじめパール状に晶析させた分散液(実施例
1)を、40℃にて後添加した。
【0054】 (重量部) ポリオキシエチレン(4.5)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム 5.0 ポリオキシエチレン(10)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム 6.0 マイドール10 5.0 ラウリン酸アミドプロピルベタイン 2.0 ラウリン酸ジエタノールアミド 2.0 ソルビトール 1.0 グリチルリチン酸ジカリウム 0.1 トリクロサン 0.2 両親媒性脂質(実施例1) 5.0 水 バランス 計 100.0
【0055】実施例15 全身洗浄料5 以下に示す組成のパール状全身洗浄料6を常法により製
造した。ただし、両親媒性脂質は、あらかじめパール状
に晶析させた分散液(実施例8)を、40℃にて後添加し
た。
【0056】 (重量部) ラウロイル−β−アラニン 15.0 トリエタノールアミン(89%) 13.0 ラウリン酸アミドプロピルベタイン 1.5 ラウリン酸ジエタノールアミド 1.5 1,3−ブタンジオール 2.0 両親媒性脂質(実施例8) 5.0 水 バランス 計 100.0
【0057】実施例16 全身洗浄料6 以下に示す組成のパール状全身洗浄料6を常法により製
造した。ただし、両親媒性脂質は、あらかじめパール状
に晶析させた分散液(実施例2)を、エチレングリコー
ルジステアレートの晶析を確認したのち、35℃にて添加
した。
【0058】 (重量部) N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸カリウム 12.0 ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド 2.0 ラウリン酸アミドプロピルベタイン 1.5 グリセリン 3.0 エチレングリコールジステアレート 1.0 両親媒性脂質(実施例2) 4.0 水 バランス 計 100.0
【0059】実施例9〜16で得られた各洗い流し型化粧
料は、パール様外観を有し、洗浄時の刺激感がなく、す
すぎ時、ドライ後の感触にも優れ、毎日の又は頻繁な使
用においても肌に温和なものであった。
【0060】
【発明の効果】本発明の分散液は、乳濁又はパール様の
良好な外観と皮膚に対する温和性とを併せ持った洗い流
し型化粧料の配合成分として有用である。また、本発明
の洗い流し型化粧料は、乳濁又はパール様の良好な外観
を有すると共に、含有する界面活性剤の皮膚への吸着が
少なく、皮膚に対して温和なものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C11D 1/94 C11D 1/94 17/08 17/08 (72)発明者 土井 康裕 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研 究所内 (72)発明者 田村 辰仙 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研 究所内 (72)発明者 井上 雅喜 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研 究所内 (72)発明者 園原 浩史 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研 究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の成分(a)及び(b) (a) 分散質として分子中に1以上のヒドロキシ基及び
    アミド基を有する両親媒性脂質:5〜40重量% (b) 界面活性剤:2〜55重量% を水性媒体中に含有する分散液。
  2. 【請求項2】 成分(a)、成分(b)及び水を、成分(a)の
    融点以上に加熱し、融解させた後冷却し、成分(a)を晶
    析させる請求項1記載の分散液の製造法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の分散液を配合してなる洗
    い流し型化粧料。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の分散液と、該分散液以外
    の化粧料成分とを50℃以下で混合する請求項3記載の化
    粧料の製造法。
  5. 【請求項5】 次の成分(A)及び(B) (A) 平均粒径が0.5〜150μmであり、分子中に1以上
    のヒドロキシ基及びアミド基を有する両親媒性脂質:0.
    01〜10重量% (B) 界面活性剤:5〜95重量% を含有する洗い流し型化粧料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005082484A (ja) * 2003-09-04 2005-03-31 Kao Corp 化粧料
JP2006248925A (ja) * 2005-03-08 2006-09-21 Kose Corp パール剤組成物及びそれを含有する化粧料

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