JP2000238766A - 木製容器及びその製造方法 - Google Patents

木製容器及びその製造方法

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JP2000238766A
JP2000238766A JP11042375A JP4237599A JP2000238766A JP 2000238766 A JP2000238766 A JP 2000238766A JP 11042375 A JP11042375 A JP 11042375A JP 4237599 A JP4237599 A JP 4237599A JP 2000238766 A JP2000238766 A JP 2000238766A
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Shusaku Egashira
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Abstract

(57)【要約】 【課題】収容物の鮮度保持機能に優れ、自然な温かみと
感触を有し、使用後の処分のための焼却時に有毒物質が
発生しにくい木製容器を得る。 【解決手段】皿形容器C1は二価鉄塩及び三価鉄塩を含
む活性水を含浸させた突き板を積層して成形されてい
る。各突き板5、6、7、8は、繊維4の方向を順次交
差させて積層され、接着剤で相互に接着されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は木製容器及びその製
造方法に関するものである。更に詳しくは、収容物の鮮
度保持機能に優れ、衛生的に使用でき、使用時に自然物
としての温かみが感じられると共に焼却時に有害物質が
発生しにくいようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】食料品店等では、肉、魚、野菜あるいは
惣菜等の食品は、皿形容器(トレー)に入れてラップを
し、いわゆるパック詰めの形態で販売するのが主流であ
る。皿形容器は、軽量で安価な発泡プラスチック製のも
のが多く使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したよう
な従来の発泡プラスチック製の皿形容器には、次のよう
な課題があった。すなわち、手で触れたときに、自然物
が有するような自然な温かみや感触がなく、いかにも安
っぽい感じを受ける。また、使用後の処分は焼却に頼っ
ており、例えば、材料が熱硬化性プラスチックである場
合、焼却時に一酸化炭素、一酸化窒素、二酸化窒素等の
有毒物質が発生し易く環境を汚染するおそれがある。更
に、パック詰めに使用される皿形容器は、通常は大きな
合成樹脂フィルム製の袋に詰め込んだ状態で作業場に無
造作に置かれており、雑菌が付着しやすい。このため、
皿形容器に入れられた食品の傷みが早く、店や家庭での
鮮度管理に十分に注意する必要がある。
【0004】ところで、従来より、活性化された水、い
わゆる活性水(パイウォーターともいわれる)が各分野
で注目されているのは周知の通りである。この活性水
は、主に農作物等、植物の成長を促進させることを目的
として研究されてきたが、近年においては、活性水が持
つ優れた抗菌作用についても研究が進んでいる。本願発
明者は、この活性水を食品の鮮度保持のために生かす方
法がないか研究を重ね、この発明を完成するに到ったも
のである。
【0005】(目的)本発明は上記課題を解消するもの
で、食品等の収容物の鮮度保持機能に優れ、自然な温か
みと感触を有し、また、使用後の処分のための焼却時に
有毒物質が発生しにくい木製容器及びその製造方法を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に講じた本発明の手段は次のとおりである。第1の発明
にあっては、活性水が含浸させてある材料木により形成
されていることを特徴とする、木製容器である。
【0007】第2の発明にあっては、活性水が含浸させ
てある材料木を切削または剥いで得られた突き板が相互
の繊維方向を交差するようにして積層されており、当該
積層されている突き板は接着剤で相互に接着されて所要
形状に成形されていることを特徴とする、木製容器であ
る。
【0008】第3の発明にあっては、接着剤は硬化剤を
含んでいることを特徴とする、第2の発明に係る木製容
器である。
【0009】第4の発明にあっては、上面に積層されて
いる突き板は、年輪が表れるようにして切削または剥い
であることを特徴とする、第2または第3の発明に係る
木製容器である。
【0010】第5の発明にあっては、活性水の含浸が材
料木の導管を通して行われていることを特徴とする、第
1、第2、第3または第4の発明に係る木製容器であ
る。
【0011】第6の発明にあっては、材料木に活性水を
含浸させるステップ、当該活性水を含浸させた材料木を
切削または剥いで突き板を得るステップ、当該突き板を
相互の繊維方向が交差するようにして積層し、相互に接
着するステップ、当該積層し接着した突き板を所定温度
で加熱しながら押圧して所要形状に成形するステップ、
を含むことを特徴とする、木製容器の製造方法である。
【0012】使用される活性水は、活性化された水であ
れば、その製造方法や組成は特に限定されるものではな
い。例えば、パイウォーターセラミックスを使用して活
性化したもの、二価鉄塩及び三価鉄塩を含むパイウォー
ターセラミックスを使用して活性化したもの、鉄及び希
土類を含む鉱物やセラミックスを使用して活性化したも
の、磁気処理により活性化したもの等である。
【0013】突き板を接着する接着剤としては、例えば
ポリ酢酸ビニル、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリ
ウレタン等が使用されるが限定はされない。なお、ポリ
ウレタンを使用する場合は、作業性の向上や増量を目的
としてコーンスターチ等を混合することもできる。
【0014】接着剤に硬化剤を加える場合は、例えばエ
ポキシ系化合物、テルペン・フエノール樹脂、ロジン変
成キシレン樹脂、ブチルペルオキシド等を使用すること
ができる。なお、接着剤がポリウレタンの場合は、硬化
剤であるエポキシ系化合物は例えば0.5〜5重量%混
合される。エポキシ系化合物が5重量%を超えると硬く
なりすぎ脆くなり、外力により小さな亀裂が生じること
がある。
【0015】突き板は次のような処理を経た材料木を使
用して得られたものが好ましいが、これに限定はされな
い。例えば、通常使用されている材料木を二価鉄塩及び
三価鉄塩を含む55〜65℃の活性水に所定の時間浸漬
し、続いて35〜45℃の活性水に所定の時間浸漬し、
この工程を数回繰り返す。或いは、上記工程を数回繰り
返した後、75〜85℃の活性水に所定の時間浸漬す
る。これにより、材料木の内部には、導管等を通して、
優れた抗菌作用を持つ活性水が十分に含浸される。
【0016】この場合、材料木は、55〜65℃また7
5〜85℃の活性水に所定の時間浸漬することにより木
繊維に比較的強い収縮が起こり、また、35〜45℃の
活性水に所定の時間浸漬することにより木繊維の緩和が
起こり、この現象が数回繰り返される。このような現象
により、導管を含む木繊維に、いわば金属が疲労する場
合と同様な現象が起こるものと考えられる。すなわち、
木分子の分子間の結合力が弱まり、全体として柔らかく
なるので、例えば節の部分も容易に切削または剥ぐこと
ができるようになり、木材本来の自然な外観を備えると
共に、割れが少なく品質のよい突き板が得られる。この
ように、材料木を所定温度の活性水に浸漬して柔らかく
し、当該材料木を切削または剥いで突き板を得るように
すれば、突き板が柔らかく変形させやすいため、見た目
に美しく品質のよい木製容器を得ることができる。
【0017】表面層の突き板の厚みは特に限定するもの
ではないが、例えば0.18〜0.5mmが好ましい。
0.18mm未満であると、強度が小さくなり容器成形
時の押圧により破損するおそれがあり、0.5mmを超
えると、強度は大きくなるけれども押圧による角部等で
の比較的大きな変形に対応できず、皺が発生したり、所
望の形状に成形しにくくなる傾向がある。
【0018】突き板を積層して形成される木製容器の成
形は、通常、加熱したモールド中で押圧しながら行う。
加熱温度は特に限定はしないが、例えば75〜105℃
が好ましい。押圧時間は、通常、15〜30秒である。
なお、加熱温度が75℃未満であると、突き板の成形と
当該突き板間の接着が十分でなく、成形後形が崩れるお
それがあり、105℃を超えると突き板間に水蒸気が発
生するものと思われ、水蒸気が発生した部分が膨れて外
観が見苦しくなるおそれがある。
【0019】(作用)本発明に係る木製容器では、材料
木に優れた抗菌作用を有する活性水が含まれている。従
って、木製容器に雑菌が付着しても活性水が持つ抗菌作
用により繁殖しにくいので、例えば食品のパック詰めに
使用する場合、中に入れられる食品は長時間鮮度が保た
れ、店や家庭における鮮度管理がしやすい。また、木製
であるので、自然物が持つ自然な温かみと感触があり、
安っぽい感じもない。更に、使用後の処分のための焼却
時にも、一酸化炭素、一酸化窒素、二酸化窒素等の有毒
物質が発生しにくく、有毒物質による大気等の環境の汚
染を防ぐことができる。
【0020】突き板を積層して形成される木製容器で
は、繊維方向が交差するようにして突き板が積層されて
おり、突き板は、ポリウレタン系樹脂のような接着剤で
相互に接着され、例えば皿形に成形されている。従っ
て、成形された木製容器は強度に優れ、内部に歪みが生
じにくいので使用中変形しにくい。
【0021】接着剤に硬化剤が含まれているものは、強
度等の物性が補強されるので、使用中の変形や破損等の
少ない木製容器を得ることができる。また、容器全体と
しての強度が向上するため、それほど強度を要求されな
いパック詰め用の容器等ばかりでなく、例えば食器等、
更に用途を拡げることが可能になり、木製容器の付加価
値を高めることができる。
【0022】上面に積層されている突き板が年輪が表れ
るように切削または剥いであるものは、上面に年輪が表
れているので、あたかも自然木を輪切りにし、くり抜い
て成形したような趣のある外観を呈しており、商品とし
ての付加価値も高い。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
き更に詳細に説明する。図1は本発明に係る皿形容器の
第1の実施の形態を示す斜視図、図2は図1に示す皿形
容器の縁部分の拡大断面図、図3は皿形容器を形成する
突き板の構成を示す分解斜視図である。
【0024】符号C1は木製容器である皿形容器であ
る。皿形容器C1は積層体Lにより平面視でほぼ長方形
状に成形されている。皿形容器C1は、底部1と、底部
1の周縁に形成されている傾斜側部2と、傾斜側部2の
周縁にほぼ水平に形成されているフランジ部3により構
成されている。
【0025】積層体Lは、図1における平面視で、繊維
4が横方向(皿形容器C1の長手方向)に向いている突
き板5と、突き板5の下面に接着されており、繊維4が
縦方向に向いている突き板6と、突き板6の下面に接着
されており、繊維4が横方向に向いている突き板7と、
突き板7の下面に接着されており、繊維4が縦方向に向
いている突き板8により構成されている(図3参照)。
【0026】突き板5と突き板6は接着剤50により接
着され、突き板6と突き板7は接着剤60により接着さ
れ、更に突き板7と突き板8は接着剤70により接着さ
れている。なお、上記各接着剤には硬化剤が混合されて
いる。この硬化剤により、強度等の物性が補強され、使
用中の変形や破損等の少ない皿形容器を得ることができ
る。
【0027】表面層である上面側の突き板5と下面側の
突き板8の厚みは、約0.2mmであり、それらに内包
される突き板6と突き板7の厚みは、やや厚く約0.5
mmである。表面層の突き板5、8の厚みが、0.18
〜0.5mmの範囲内にあるので、押圧成形時に角部等
での比較的大きな変形に対応することができ、破損しに
くく、また皺になりにくく、見た目に美しい皿形容器を
得ることができる。なお、皿形容器C1の底部には、突
起やシート等の滑り止め手段を設けることもできる。
【0028】(作 用)図1ないし図3を参照して、皿
形容器C1の製造方法と作用を説明する。 (1)水槽に二価鉄塩及び三価鉄塩を含む活性水を所要
量入れておき、桧の材料木を活性水に浮かべるようにし
て入れる。活性水を2時間かけて60℃とし、その温度
で5時間浸漬する。 (2)5時間浸漬後、17時間かけて40℃まで下げ
る。その活性水を加温し、2時間かけて60℃とし、そ
の温度で材料木を5時間浸漬する。5時間浸漬後、17
時間かけて40℃まで下げる。
【0029】(3)その活性水を加温し2時間かけて6
0℃とし、材料木を5時間浸漬する。活性水の温度を1
7時間かけて40℃まで下げる。その活性水を2時間か
けて80℃とし、材料木を5時間浸漬する。更に、活性
水の温度を17時間かけて40℃まで下げ水槽から取り
出す。 (4)上記のように活性水中で浸漬処理した材料木をロ
ータリーレースにより剥いで、厚みが0.2mmと0.
5mmの突き板を作る。 (5)得られた突き板を乾燥し、含水率を12〜13%
にする。なお、含水率が14〜18%あるいはそれ以上
になると、突き板同士の接着を阻害するおそれがある。
【0030】(6)積層体Lを構成するための表面層の
突き板5、8用として、厚み0.2mmのものを用意
し、中間層の突き板6、7用として、厚み0.5mmの
ものを用意する。そして、突き板5、6、7、8の接面
部に接着剤50、60、70を塗布し、突き板5、6、
7、8を相互の繊維方向がほぼ直交するようにして積層
して板状体を形成した。なお、接着剤50、60、70
は硬化剤が10重量%混合されたものであり、接着剤と
してポリウレタン系接着剤(三木理研工業製;リケンボ
ンドT−70)を使用し、硬化剤としてエポキシ系硬化
剤(三木理研工業製;XT−112)を使用した。
【0031】(7)図1に示すような平面視ほぼ長方形
(長さ24.5cm、幅16cm、深さ2cm)の皿形
容器C1と、図示はしていないが平面視円形(直径2
1.5cm、深さ2cm)の皿形容器を成形することが
できるモールドを用意し、当該モールドにより上記積層
した板状体を使用し、表1に示す条件により、各皿形容
器を成形した。なお、硬化剤を混合した接着剤は、各突
き板5、6、7の接着面に、長方形または円形の面積に
対して片面当りで1.1〜1.4g塗布する。また、成
形温度は100℃、押圧力は19kg/cm2である。
また、表1において、(時間)とは押圧時間(秒)を示
し、(経日)とは接着剤を塗布してから押圧するまでに
経た日数を示す。
【0032】
【表1】
【0033】表1の条件により成形された皿形容器の物
性を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】表2において、(良好)とは水中に72時
間浸漬しても形崩れや積層体Lを構成している突き板間
の剥離がなかったことを示し、(不良)とは形崩れや突
き板間の剥離があったことを示す。引張り強さはJAS
の引張り強さ試験法に準じて行い、kg/cm2で示さ
れる。なお、「−」は測定値が目盛りの上限を外れて測
定できなかったものを示している。
【0036】表2より次のことが分かる。 耐水性について; (a)平面視でほぼ長方形のものは、底部においてN
O.6を除いて良好である。NO.6がNO.4とN
O.5に比べやや落ちたのは、押圧時間が少し不足し、
接着剤が十分に活性化しなかったものと考えられる。ま
た、側部において、NO.1〜3は良好であるが、N
O.4〜6は不良である。後者が不良であるのは、底部
に比べ、側部にかかる押圧が小さく接着剤が十分に働く
ことができなかったものと考えられる。従って、平面視
でほぼ長方形のものは、接着剤の塗布日に皿形容器を成
形するのが好ましい。 (b)平面視で円形のものは、底部及び側部において、
良好である。これは、成形時にモールドの全面で押圧が
十分で、熱も十分に伝わり、接着剤が活性化したものと
考えられる。
【0037】引張り強さについて; (a)平面視でほぼ長方形のものは、底部において、N
O.1〜3では押圧時間が短いほど引張り強さが大き
い。これは、塗布当日は接着剤は十分な活性を有する
が、押圧時間が短いほど硬化剤がより有効に働き接着剤
の活性を促進したものと考えられる。NO.4〜6では
押圧時間が短くなると引張り強さが低下している。塗布
3日後は接着剤の活性が低下しているため押圧時間が十
分必要であると考えられる。また、側部においても、接
着剤塗布後の経日と押圧時間とは引張り強さに影響を与
えている。その関係は側部における場合と同様である。
そして、側部の場合には、NO.4〜6では引張り強さ
が相当低下している。
【0038】(b)平面視で円形のものは、底部及び側
部において、引張り強さが大きい。これは、成形時にモ
ールドの全面で押圧が十分で、熱も十分に伝わり、接着
剤が全面で十分に活性化したものと考えられる。上記よ
り、耐水性と引張り強さとは相関性を有することが分か
る。即ち、引張り強さが大きいほど耐水性は良くなる
が、引張り強さは9.0kg/cm2必要であると考え
られる。
【0039】鮮度保持作用について;上記のようにして
つくられた本発明に係る皿形容器と、材料となる木に活
性水を含んでいない皿形容器をそれぞれ二枚用意した。
本発明に係る皿形容器の一方に新鮮なバナナを入れ、他
方には新鮮な茄子を入れてそれぞれラップをかけて容器
内部を密閉した。また、材料木に活性水を含んでいない
皿形容器も同様に、一方に新鮮なバナナを入れ、他方に
は新鮮な茄子を入れてそれぞれラップをかけて容器内部
を密閉した。そして、それらを五日間常温で放置した。
【0040】その結果、材料となる木に活性水を含まな
い皿形容器に収容していたものは、バナナ、茄子共に腐
敗が進んで崩れており、強い悪臭を発生していた。これ
に対し、本発明に係る皿形容器に収容していたものは、
バナナ、茄子共に多少表面が乾燥していただけで、腐敗
はしておらず、悪臭の発生もなかった。これは、バナナ
や茄子あるいは皿形容器内面に雑菌が付着していたにも
かかわらず、容器に含まれている活性水の優れた抗菌作
用によって雑菌の繁殖が抑えられたためであると考えら
れる。
【0041】図4は本発明に係る皿形容器の第2の実施
の形態を示す斜視図、図5は突き板の製造方法を示す説
明図である。なお、図4において上記皿形容器C1と同
等箇所には、同一の符号を付して示している。本実施の
形態の皿形容器C2は、平面視円形の容器である。皿形
容器C2は三枚の突き板5a、6a、7aを接着剤で接
着して積層されている。
【0042】下面側の突き板7aと中間部の突き板6a
は、上記皿形容器C1の各突き板と同様に繊維方向をほ
ぼ直交させて積層してある。また、上面側の突き板5a
は、材料木の年輪4aが表れるようにして切削したもの
が使用されている。なお、突き板5aは、図5に示すよ
うに材料木を四角柱状に製材し、側面を接着して複数本
を一体化し(図5(1)参照)、接着面と直交する方向へ
切削または剥いで突き板を形成し(図5(2)参照)、突
き板を適宜切断し(図5(3)参照)、円形に打ち抜きま
たは切り抜いて得られる(図5(4)参照)。これによれ
ば、一回の切削または剥ぎ作業で何枚もの突き板が得ら
れるので効率がよい。
【0043】表面層の突き板5a、7aの厚さが0.2
mmであり、中間層の突き板6aの厚さが0.5mmで
あるのは、皿形容器C1と同様である。また、製造方法
についても、上記とほぼ同様である。この皿形容器C2
は、年輪が上面に表れているので、あたかも自然木を輪
切りにし、くり抜いて成形したような趣のある外観を呈
しており、商品としての付加価値も高い。
【0044】なお、本明細書で使用している用語と表現
はあくまで説明上のものであって、限定的なものではな
く、上記用語、表現と等価の用語、表現を除外するもの
ではない。また、本発明は図示の実施の形態に限定され
るものではなく、特許請求の範囲の記載内において種々
の変形が可能である。
【0045】
【発明の効果】本発明は上記構成を備え、次の効果を有
する。 (a)本発明に係る木製容器では、材料木に優れた抗菌
作用を有する活性水が含まれている。従って、木製容器
に雑菌が付着しても活性水が持つ抗菌作用により繁殖し
にくいので、例えば食品のパック詰めに使用する場合、
中に入れられる食品は長時間鮮度が保たれ、店や家庭に
おける鮮度管理がしやすい。また、木製であるので、自
然物が持つ自然な温かみと感触があり、安っぽい感じも
ない。また、使用後の処分のための焼却時にも、一酸化
炭素、一酸化窒素、二酸化窒素等の有毒物質が発生しに
くく、有毒物質による大気等の環境の汚染を防ぐことが
できる。
【0046】(b)突き板を積層して形成される木製容
器では、繊維方向が交差するようにして突き板が積層さ
れており、突き板は、ポリウレタン系樹脂のような接着
剤で相互に接着され、例えば皿形に成形されている。従
って、成形された木製容器は強度に優れ、内部に歪みが
生じにくいので使用中変形しにくい。
【0047】(c)接着剤に硬化剤が含まれているもの
は、強度等の物性が補強されるので、使用中の変形や破
損等の少ない木製容器を得ることができる。また、容器
全体としての強度が向上するため、それほど強度を要求
されないパック詰め用の容器等ばかりでなく、例えば食
器等、更に用途を拡げることが可能になり、木製容器の
付加価値を高めることができる。
【0048】(d)上面に積層されている突き板が年輪
が表れるように切削または剥いであるものは、上面に年
輪が表れているので、あたかも自然木を輪切りにし、く
り抜いて成形したような趣のある外観を呈しており、商
品としての付加価値も高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る皿形容器の第1の実施の形態を示
す斜視図。
【図2】図1に示す皿形容器の縁部分の拡大断面図。
【図3】皿形容器を形成する突き板の構成を示す分解斜
視図。
【図4】本発明に係る皿形容器の第2の実施の形態を示
す斜視図。
【図5】突き板の製造方法を示す説明図。
【符号の説明】
C1 皿形容器 L 積層体 1 底部 2 傾斜側部 3 フランジ部 4 繊維 5 突き板 50 接着剤 6 突き板 60 接着剤 7 突き板 70 接着剤 8 突き板 C2 皿形容器 4a 年輪 5a 突き板 6a 突き板 7a 突き板

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性水が含浸させてある材料木により形
    成されていることを特徴とする、 木製容器。
  2. 【請求項2】 活性水が含浸させてある材料木を切削ま
    たは剥いで得られた突き板が相互の繊維方向を交差する
    ようにして積層されており、当該積層されている突き板
    は接着剤で相互に接着されて所要形状に成形されている
    ことを特徴とする、 木製容器。
  3. 【請求項3】 接着剤は硬化剤を含んでいることを特徴
    とする、 請求項2記載の木製容器。
  4. 【請求項4】 上面に積層されている突き板は、年輪が
    表れるようにして切削または剥いであることを特徴とす
    る、 請求項2または3記載の木製容器。
  5. 【請求項5】 活性水の含浸が材料木の導管を通して行
    われていることを特徴とする、 請求項1、2、3または4記載の木製容器。
  6. 【請求項6】 材料木に活性水を含浸させるステップ、 当該活性水を含浸させた材料木を切削または剥いで突き
    板を得るステップ、 当該突き板を相互の繊維方向が交差するようにして積層
    し、相互に接着するステップ、 当該積層し接着した突き板を所定温度で加熱しながら押
    圧して所要形状に成形するステップ、を含むことを特徴
    とする、 木製容器の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012099065A1 (ja) * 2011-01-19 2012-07-26 株式会社イマムラ・スマイル・コーポレーション 食品用木製積層板
JP2012202084A (ja) * 2011-03-24 2012-10-22 Wood One:Kk 木質積層体及びスラット
TWI687356B (zh) * 2019-02-01 2020-03-11 森欣實業股份有限公司 木製容器及其製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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