JP2000238301A - 縦配列ヘッドを用いたカラー印刷装置及び印刷方法、並びに、そのための印刷ヘッド - Google Patents

縦配列ヘッドを用いたカラー印刷装置及び印刷方法、並びに、そのための印刷ヘッド

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JP2000238301A
JP2000238301A JP11341881A JP34188199A JP2000238301A JP 2000238301 A JP2000238301 A JP 2000238301A JP 11341881 A JP11341881 A JP 11341881A JP 34188199 A JP34188199 A JP 34188199A JP 2000238301 A JP2000238301 A JP 2000238301A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特定の印刷ヘッドに関して高画質が得られる
技術を提供する。 【解決手段】 比較的高い精度で副走査送りを行う第1
の副走査駆動機構と、比較的低い精度で副走査送りを行
う第2の副走査駆動機構と、を用いて副走査送りを実行
する。印刷ヘッド36のアクチュエータ40は、カラー
ノズル列とブラックノズル列40Kとを備えている。カ
ラーノズル列は、印刷領域内の任意の位置において、イ
エロードットが他のドットよりも後に形成されるよう
に、各インク用のノズル群の配列順序が決定されてい
る。カラー印刷の際には、印刷用紙の後端近傍において
比較的低精度で副走査送りが実行されるときに、イエロ
ー用のノズルのみを用いて印刷を実行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数色のドット
を形成するための印刷ヘッドを用いてカラー印刷を行う
技術に関する。
【0002】
【従来の技術】印刷ヘッドが主走査方向と副走査方向に
走査しながらドットの記録を行う印刷装置としては、シ
リアルスキャン型プリンタやドラムスキャン型プリンタ
等がある。この種のプリンタ、特にインクジェットプリ
ンタ、における画質向上のための技術の一つとして、米
国特許第4,198,642号や特開昭53−2040
号公報等に開示されている「インターレース方式」と呼
ばれる技術がある。
【0003】図27は、インターレース方式の一例を示
す説明図である。この明細書では、印刷方式を規定する
パラメータとして、以下のものを用いている。
【0004】 N:ノズル個数[個], k:ノズルピッチ[ドット], s:スキャン繰り返し数, D:ノズル密度[個/インチ], L:副走査送り量[ドット]または[インチ], w:ドットピッチ[インチ]。
【0005】ノズル個数N[個]は、ドットの形成に使
用されるノズルの個数である。図27の例ではN=3で
ある。ノズルピッチk[ドット]は、印刷ヘッドにおけ
るノズルの中心点間隔が、印刷画像のピッチ(ドットピ
ッチw)の何個分であるかを示している。図27の例で
は、k=2である。スキャン繰り返し回数s[回]は、
何回の主走査で各主走査ラインをドットで埋めつくす
か、を示す回数である。なお、以下では主走査ラインを
「ラスタ」と呼ぶ。図27の例では、1回の主走査で各
ラスタが埋めつくされているので、s=1である。後述
するように、sが2以上の時には、主走査方向に沿って
間欠的にドットが形成される。ノズル密度D[個/イン
チ]は、印刷ヘッドのノズルアレイにおいて、1インチ
当たり何個のノズルが配列されているかを示している。
副走査送り量L[ドット]または[インチ]は、1回の
副走査で移動する距離を示している。ドットピッチw
[インチ]は、印刷画像におけるドットのピッチであ
る。なお、一般に、w=1/(D・k)、k=1/(D
・w)が成立する。
【0006】図27において、2桁の数字を含む丸は、
それぞれドットの記録位置を示している。図27左下の
凡例に示されているように、丸の中の2桁の数字の中
で、左側の数字はノズル番号を示しており、右側の数字
は記録順番(何回目の主走査で記録されたか)を示して
いる。
【0007】図27に示すインターレース方式は、印刷
ヘッドのノズルアレイの構成と、副走査の方法とに特徴
がある。即ち、インターレース方式では、隣り合うノズ
ルの中心点間隔を示すノズルピッチkは2以上の整数に
設定され、かつ、ノズル個数Nとノズルピッチkとが互
いに素の関係にある整数に選ばれる。また、副走査送り
量Lは、N/(D・k)で与えられる一定の値に設定さ
れる。
【0008】このインターレース方式には、ノズルのピ
ッチやインク吐出特性等のばらつきを、印刷画像上で分
散させることができるという利点がある。従って、ノズ
ルのピッチや吐出特性にばらつきがあっても、これらの
影響を緩和して画質を向上させることができるという効
果を奏する。
【0009】カラーインクジェットプリンタにおける画
質改善を目指した別の技術として、特開平3−2076
65号公報や特公平4−19030号公報等に開示され
た「オーバーラップ方式」又は「マルチスキャン方式」
と呼ばれる技術がある。
【0010】図28は、オーバーラップ方式の一例を示
す説明図である。このオーバーラップ方式では、8個の
ノズルを2組のノズル群に分類している。1組目のノズ
ル群は、ノズル番号(丸の中の左側の数字)が偶数であ
る4個のノズルで構成されており、2組目のノズル群
は、ノズル番号が奇数である4個のノズルで構成されて
いる。1回の主走査では、各組のノズル群をそれぞれ間
欠的タイミングで駆動することにより、主走査方向に
(s−1)ドットおきにドットを形成する。図28の例
では、s=2なので、1ドットおきにドットが形成され
る。また、各組のノズル群は、主走査方向にそれぞれ異
なる位置にドット形成するように、それぞれの駆動タイ
ミングが制御されている。すなわち、図28に示すよう
に、第1のノズル群のノズル(ノズル番号8,6,4,
2)と、第2のノズル群のノズル(ノズル番号7,5,
3,1)とは、記録位置が主走査方向に1ドットピッチ
分だけずれている。そして、このような主走査を複数回
行い、その都度各ノズル群の駆動タイミングをずらすこ
とにより、ラスタ上の全ドットの形成を完成させる。
【0011】オーバーラップ方式においても、インター
レース方式と同様に、ノズルピッチkは2以上の整数に
設定される。ただし、ノズル個数Nとノズルピッチkと
は互いに素の関係には無く、この代わりに、ノズル個数
Nをスキャン繰り返し数sで割った値N/sと、ノズル
ピッチkとが互いに素の関係にある整数に選ばれる。ま
た、副走査送り量Lは、N/(s・D・k)で与えられ
る一定の値に設定される。なお、「整数A,Bが互いに
素」とは、整数A,Bが1以外の公約数を有さないこと
を意味している。
【0012】このオーバーラップ方式では、各ラスタ上
のドットが同一のノズルで記録されず、複数のノズルを
用いて記録される。従って、ノズルの特性(ピッチや吐
出特性等)にばらつきがある場合にも、特定のノズルの
特性の影響が1つのラスタの全体に及ぶことを防止で
き、この結果、画質を向上させることができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、画質を向上
させる点で好ましい印刷方式は、印刷ヘッドにおけるノ
ズルアレイの配列に応じて異なる。従って、特定の印刷
ヘッドに関して、画質を向上させるための印刷方式を設
定することは容易でない場合がある。
【0014】この発明は、従来技術における上述の課題
を解決するためになされたものであり、特定の印刷ヘッ
ドに関して高画質が得られる技術を提供することを目的
とする。
【0015】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明で
は、比較的高い精度で副走査送りを行う第1の副走査駆
動機構と、少なくとも第1の副走査駆動機構による副走
査送りが終了した後に、比較的低い精度で副走査送りを
行う第2の副走査駆動機構と、を備えた副走査駆動部を
用いる。また、印刷ヘッドとしては、イエロードットを
形成するためのイエロードット形成要素群を少なくとも
含む複数のドット形成要素群が、副走査方向に沿って所
定の順序で配列された第1のドット形成要素アレイを備
えたものを用いる。この第1のドット形成要素アレイに
おいては、印刷媒体上の任意の位置において、イエロー
ドットが他のドットよりも後に形成されるように複数の
ドット形成要素群の配列順序が決定されている。また、
複数のドット形成要素群は、互いに等しい数のドット形
成要素をそれぞれ備えている。カラー印刷の際には、印
刷媒体の後端近傍において第1の副走査駆動機構による
副走査送りが実行されずに第2の副走査駆動機構によっ
て副走査送りが実行されるときに、第1のドット形成要
素アレイに含まれるドット形成要素の中ではイエロード
ット形成要素群に含まれるドット形成要素のみを用いて
印刷を実行する。
【0016】上記本発明では、印刷媒体の後端近傍にお
いては、第1のドット形成要素アレイの中ではイエロー
ドット用のドット形成要素のみが使用される。印刷媒体
の後端近傍においては、第1の副走査駆動機構による副
走査送りが行われず、第2の副走査駆動機構によって副
走査送りが行われるので、送り精度は比較的低くなる。
しかし、イエロードットは、比較的目立ち難いので、副
走査の送り精度が低くでも、あまり画質を劣化させるこ
とが無い。このように、本発明では、特定の印刷ヘッド
に関して高画質が得られる印刷を実行することができ
る。
【0017】なお、印刷媒体の後端近傍において第1の
副走査駆動機構による副走査送りが実行されずに第2の
副走査駆動機構によって副走査送りが実行されるとき
に、印刷媒体の後端近傍以前の位置において第1の副走
査駆動機構による副走査送りが実行されるときと同じ送
り量で、第2の副走査駆動機構に副走査送りを実行させ
るようにしてもよい。
【0018】こうすれば、副走査送りを変えずに印刷処
理を継続することができるので、走査のための制御を簡
単化することができる。
【0019】印刷ヘッドは、さらに、ブラックドットを
形成するためのブラックドット形成要素群を含み、第1
のドット形成要素アレイと並列に形成されているととも
に、前記第1のドット形成要素アレイよりも先行して前
記印刷媒体上にドットを形成可能な第2のドット形成要
素アレイを備えるようにしてもよい。このブラックドッ
ト形成要素群は、第1のドット形成要素アレイ内の複数
のドット形成要素群に含まれるドット形成要素と同じ副
走査位置に配置された複数のドット形成要素を少なくと
も有するようにしてもよい。カラー印刷の際に、ブラッ
クドットに関しては、第1のドット形成要素アレイ内の
前記複数のドット形成要素群の中で最も早く印刷媒体上
でのドット形成が実行可能となる特定の有彩色ドット形
成要素群において使用されるドット形成要素と同じ副走
査位置に存在するドット形成要素のみを用いてブラック
ドットを形成する。
【0020】こうすれば、印刷媒体上の各位置におい
て、ブラックドットが他の色のドットよりも早い時期に
形成されるので、ブラックドットの滲みを防止して、彩
度の高いカラー画像を得ることができる。
【0021】なお、第1と第2のドット形成要素アレイ
は、同一のアクチュエータ内に形成されていることが好
ましい。
【0022】こうすれば、ドット形成要素同士を精度良
く配置することが可能なので、画質を向上させることが
できる。
【0023】本発明による印刷ヘッドは、イエロードッ
トを形成するためのイエロードット形成要素群を少なく
とも含む複数のドット形成要素群が、所定の副走査方向
に沿って所定の順序で配列された第1のドット形成要素
アレイを備えている。これらの複数のドット形成要素群
は互いに等しい数のドット形成要素をそれぞれ備えてお
り、イエロードット形成要素群は第1のドット形成要素
アレイの端部に配置されている。
【0024】このような印刷ヘッドを用いると、印刷媒
体の端部近傍において、他のドットが形成された後にイ
エロードットを形成することができる。イエロードット
は目立ち難いので、印刷媒体の端部近傍において副走査
送り精度が低い場合にも、画質をあまり劣化させること
が無い。
【0025】なお、第1と第2のドット形成要素アレイ
は、互いに異なる色のドットを形成するための同一数の
ドット形成要素群をそれぞれ含んでいるようにしてもよ
い。
【0026】こうすれば、少ない数のアレイで、多数色
のドットを形成することが可能である。
【0027】あるいは、第2のドット形成要素アレイ
は、前記第1のドット形成要素アレイに含まれるドット
形成要素と同じ副走査位置に配置されたブラックドット
形成要素を含んでいるようにしてもよい。
【0028】こうすれば、モノクロ印刷時に、多数のブ
ラックドット形成要素を用いて高速に印刷を行うことが
可能である。
【0029】本発明の具体的な態様としては、印刷装
置、印刷方法、記録媒体、印刷ヘッド等の種々の態様を
取りうる。
【0030】
【発明の実施の形態】A.装置の全体構成:次に、本発
明の実施の形態を実施例に基づき説明する。図1は、本
発明の一実施例としてのカラーインクジェットプリンタ
20の主要な構成を示す概略斜視図である。このプリン
タ20は、用紙スタッカ22と、図示しないステップモ
ータで駆動される紙送りローラ24と、プラテン板26
と、キャリッジ28と、ステップモータ30と、ステッ
プモータ30によって駆動される牽引ベルト32と、キ
ャリッジ28のためのガイドレール34とを備えてい
る。キャリッジ28には、多数のノズルを備えた印刷ヘ
ッド36が搭載されている。
【0031】印刷用紙Pは、用紙スタッカ22から紙送
りローラ24によって巻き取られて、プラテン板26の
表面上を副走査方向へ送られる。キャリッジ28は、ス
テップモータ30により駆動される牽引ベルト32に牽
引されて、ガイドレール34に沿って主走査方向に移動
する。主走査方向は、副走査方向に垂直である。
【0032】図2は、プリンタ20の電気的な構成を示
すブロック図である。プリンタ20は、ホストコンピュ
ータ100から供給された信号を受信する受信バッファ
メモリ50と、印刷データを格納するイメージバッファ
52と、プリンタ20全体の動作を制御するシステムコ
ントローラ54とを備えている。システムコントローラ
54には、キャリッジモータ30を駆動する主走査駆動
ドライバ61と、紙送りモータ31を駆動する副走査駆
動ドライバ62と、印刷ヘッド36を駆動するヘッド駆
動ドライバ63とが接続されている。
【0033】ホストコンピュータ100のプリンタドラ
イバ(図示せず)は、ユーザの指定した印刷方式(後述
する)に基づいて、印刷動作を規定する各種のパラメー
タ値を決定する。このプリンタドライバは、さらに、こ
れらのパラメータ値に基づいて、その印刷方式で印刷を
行うための印刷データを生成して、プリンタ20に転送
する。転送された印刷データは、一旦、受信バッファメ
モリ50に蓄えられる。プリンタ20内では、システム
コントローラ54が、受信バッファメモリ50から印刷
データの中から必要な情報を読取り、これに基づいて、
各ドライバ61,62,63に対して制御信号を送る。
【0034】イメージバッファ52には、受信バッファ
メモリ50で受信された印刷データを色成分毎に分解し
て得られた複数の色成分のイメージデータが格納され
る。ヘッド駆動ドライバ63は、システムコントローラ
54からの制御信号に従って、イメージバッファ52か
ら各色成分のイメージデータを読出し、これに応じて印
刷ヘッド36に設けられた各色のノズルアレイを駆動す
る。
【0035】B.印刷ヘッドの構成:図3は、印刷ヘッ
ド36の下部に設けられたアクチュエータ40の底面に
形成されたノズルの配列を示す説明図である。アクチュ
エータ40の底面には、それぞれ副走査方向に沿った一
直線上に配列されたカラーノズル列とブラックノズル列
とが形成されている。なお、「アクチュエータ」とは、
ノズルと、インク吐出のための駆動素子(例えばピエゾ
素子やヒータ)とを含むインク吐出機構を意味する。通
常、1つのアクチュエータのノズル部分は、セラミック
ス成形によって一体として形成される。1つのアクチュ
エータ内に2列のノズル列を形成するようにすれば、ノ
ズル同士を精度良く配置することが可能なので、画質を
向上させることができる。なお、本明細書においては、
「ノズル列」を「ノズルアレイ」とも呼ぶ。
【0036】ブラックノズル列は、48個のノズル#K
1〜#K48を有している。これらのノズル#K1〜#
K48は、副走査方向に沿って一定のノズルピッチkで
配置されている。このノズルピッチkは、6ドットであ
る。但し、ノズルピッチkは、印刷媒体P上のドットピ
ッチに、2以上の任意の整数を乗じた値に設定すること
ができる。
【0037】カラーノズル列は、イエロー用ノズル群4
0Yと、マゼンタ用ノズル群40Mと、シアン用ノズル
群40Cとを含んでいる。なお、この明細書では、有彩
色インク用のノズル群を「有彩色ノズル群」とも呼ぶ。
イエロー用ノズル群40Yは、15個のノズル#Y1〜
#Y15を有しており、これらの15個のノズルのピッ
チは、ブラックノズル列のノズルピッチkと同じであ
る。これは、マゼンタ用ノズル群40Mやシアン用ノズ
ル群40Cも同じである。なお、イエロー用ノズル群4
0Yの下端のノズル#Y15と、マゼンタ用ノズル群4
0Mの上端のノズル#M1との間の「×」マークは、そ
の位置にノズルが形成されていないことを示してしてい
る。従って、イエロー用ノズル群40Yの下端のノズル
#Y15と、マゼンタ用ノズル群40Mの上端のノズル
#M1との間隔は、ノズルピッチkの2倍である。これ
は、マゼンタ用ノズル群40Mの下端のノズル#M15
と、シアン用ノズル群40Cの上端のノズル#C1との
間隔についても同様である。換言すれば、イエロー用と
マゼンタ用とシアン用の各ノズル群同士の間隔は、ノズ
ルピッチkの2倍の値に設定されている。
【0038】カラーノズル群40Y、40M、40Cの
ノズルは、ブラックノズル列40Kのノズルと同じ副走
査位置に配置されている。但し、ブラックノズル列40
Kの48個のノズル#K1〜#K48の中で、16番目
と32番目と48番目のノズル#K16,#K32,#
K48に対しては、対応する位置に有彩色インク用のノ
ズルが設けられていない。
【0039】印刷時には、キャリッジ28(図1)とと
もに印刷ヘッド36が主走査方向に移動している間に、
各ノズルからインク滴が吐出される。但し、印刷方式に
よっては、すべてのノズルが常に使用されるとは限ら
ず、一部のノズルのみが使用される場合もある。
【0040】C.副走査駆動機構の構成:図4は、印刷
用紙Pを搬送する副走査駆動部を示す概念図である。副
走査駆動部は、給紙側に備えられた第1の副走査駆動機
構25と、排紙側に備えられた第2の副走査駆動機構2
7とを有している。第1の副走査駆動機構25は、給紙
ローラ25aと従動ローラ25bとで構成されている。
第2の副走査駆動機構27は、排紙ローラ27aとギザ
ローラ27bとで構成される。これらのローラ25a,
25b,27a,27bは、紙送りモータ31(図2)
の回転が、図示しないギヤトレインを介して伝達される
ことによって駆動される。印刷の開始時には、印刷用紙
Pは給紙側(図4の右側)から第1の副走査駆動機構2
5のローラ25a,25bに挟持されて、両ローラの回
転により搬送される。印刷用紙Pの先端が第2の副走査
駆動機構27のローラ27a,27bに挟持されると、
これらのローラによっても排紙側に送られるようにな
る。また、印刷用紙Pの後端が第1の副走査駆動機構2
5の挟持点(ローラ25a,25bによって挟持される
点)を通過した後は、第2の副走査駆動機構27のみに
よって印刷用紙Pが搬送される。印刷用紙Pには、プラ
テン26上で印刷ヘッド36により画像が記録される。
【0041】なお、このプリンタにおいては、紙送りの
精度は、給紙側の第1の副走査駆動機構25の方が、排
紙側の第2の副走査駆動機構27よりも高い。従って、
印刷用紙Pの後端が第1の副走査駆動機構25の挟持点
を通過した後に、第2の副走査駆動機構27のみによっ
て紙送りが行われる場合には、送り量の精度が第1の副
走査駆動機構25によって搬送される場合に比べて低く
なる。
【0042】図4において、符号「40W」は、副走査
方向に沿ったノズル列の全幅を示しており、符号「WL
P」は、イエロー用ノズル群40Yの幅を示している。
なお、この幅WLPは、後述する低精度領域の幅に相当
する。符号「WB」は、第1の副走査駆動機構25の挟
持点から、ノズル列の後端までの距離を示している。な
お、本明細書において、印刷用紙やノズル列の先端と後
端は、紙送り方向(副走査方向)に従って定義されてい
る。また、紙送り方向や副走査方向は、副走査時に、印
刷用紙Pがプリンタ20に対して相対的に移動してゆく
方向として定義されている。なお、「先端」を「上端」
と呼び、また、「後端」を「下端」と呼ぶこともある。
【0043】D.一般的な印刷方式の基本的条件:本発
明の実施例における印刷方式を説明する前に、以下では
まず、一般的な印刷方式に要求される基本的な条件につ
いて説明する。なお、以下の説明においては、「印刷方
式」のことを「ドット記録方式」と呼んでいる。
【0044】図5は、スキャン繰り返し数sが1のとき
の一般的なドット記録方式の基本的条件を示すための説
明図である。図5(A)は、4個のノズルを用いた場合
の副走査送りの一例を示しており、図5(B)はそのド
ット記録方式のパラメータを示している。図5(A)に
おいて、数字を含む実線の丸は、各副走査送り後の4個
のノズルの副走査方向の位置を示している。丸の中の数
字0〜3は、ノズル番号を意味している。4個のノズル
の位置は、1回の主走査が終了する度に副走査方向に送
られる。但し、実際には、副走査方向の送りは紙送りモ
ータ31(図2)によって用紙を移動させることによっ
て実現されている。
【0045】図5(A)の左端に示すように、この例で
は副走査送り量Lは4ドットの一定値である。従って、
副走査送りが行われる度に、4個のノズルの位置が4ド
ットずつ副走査方向にずれてゆく。スキャン繰り返し数
sが1の場合には、各ノズルは、それぞれのラスタ上の
すべてのドット(「画素」とも呼ぶ)を記録可能であ
る。図5(A)の右端には、各ラスタ上のドットを記録
するノズルの番号が示されている。なお、ノズルの副走
査方向位置を示す丸印から右方向(主走査方向)に伸び
る破線で描かれたラスタでは、その上下のラスタの少な
くとも一方が記録できないので、実際にはドットの記録
が禁止される。一方、主走査方向に伸びる実線で描かれ
たラスタは、その前後のラスタがともにドットで記録さ
れ得る範囲である。このように実際に記録を行える範囲
を、以下では有効記録範囲(有効印刷範囲)または「印
刷領域」と呼ぶ。
【0046】図5(B)には、このドット記録方式に関
する種々のパラメータが示されている。ドット記録方式
のパラメータには、ノズルピッチk[ドット]と、使用
ノズル個数N[個]と、スキャン繰り返し数sと、実効
ノズル個数Neff [個]と、副走査送り量L[ドット]
とが含まれている。
【0047】図5の例では、ノズルピッチkは3ドット
である。使用ノズル個数Nは4個である。なお、使用ノ
ズル個数Nは、実装されている複数個のノズルの中で実
際に使用されるノズルの個数である。スキャン繰り返し
数sは、一回の主走査において(s−1)ドットおきに
間欠的にドットを形成することを意味している。従っ
て、スキャン繰り返し数sは、各ラスタ上のすべてのド
ットを記録するために使用されるノズルの数にも等し
い。図5の場合には、スキャン繰り返し数sは1であ
る。実効ノズル個数Neff は、使用ノズル個数Nをスキ
ャン繰り返し数sで割った値である。この実効ノズル個
数Neff は、一回の主走査で記録され得るラスタの正味
の本数を示しているものと考えることができる。実効ノ
ズル数Neff の意味についてはさらに後述する。
【0048】図5(B)の表には、各副走査送り毎に、
副走査送り量Lと、その累計値ΣLと、各副走査送り後
のノズルのオフセットFとが示されている。ここで、オ
フセットFとは、副走査送りが行われていない最初のノ
ズルの周期的な位置(図5では4ドットおきの位置)を
オフセット0の基準位置と仮定した時に、副走査送り後
のノズルの位置が基準位置から副走査方向に何ドット離
れているかを示す値である。例えば、図5(A)に示す
ように、1回目の副走査送りによって、ノズルの位置は
副走査送り量L(4ドット)だけ副走査方向に移動す
る。一方、ノズルピッチkは3ドットである。従って、
1回目の副走査送り後のノズルのオフセットFは1であ
る(図5(A)参照)。同様にして、2回目の副走査送
り後のノズルの位置は、初期位置からΣL=8ドット移
動しており、そのオフセットFは2である。3回目の副
走査送り後のノズルの位置は、初期位置からΣL=12
ドット移動しており、そのオフセットFは0である。3
回の副走査送りによってノズルのオフセットFは0に戻
るので、3回の副走査を1サイクルとして、このサイク
ルを繰り返すことによって、有効記録範囲のラスタ上の
すべてのドットを記録することができる。
【0049】上記の例からも解るように、ノズルの位置
が初期位置からノズルピッチkの整数倍だけ離れた位置
にある時には、オフセットFはゼロである。また、オフ
セットFは、副走査送り量Lの累計値ΣLをノズルピッ
チkで割った余り(ΣL)%kで与えられる。ここで、
「%」は、除算の余りをとることを示す演算子である。
なお、ノズルの初期位置を周期的な位置と考えれば、オ
フセットFは、ノズルの初期位置からの位相のずれ量を
示しているものと考えることもできる。
【0050】スキャン繰り返し数sが1の場合には、有
効記録範囲においてラスタの抜けや重複が無いようにす
るためには、以下のような条件を満たすことが必要であ
る。
【0051】条件c1:1サイクルの副走査送り回数
は、ノズルピッチkに等しい。
【0052】条件c2:1サイクル中の各回の副走査送
り後のノズルのオフセットFは、0〜(k−1)の範囲
のそれぞれ異なる値となる。
【0053】条件c3:副走査の平均送り量(ΣL/
k)は、使用ノズル数Nに等しい。換言すれば、1サイ
クル当たりの副走査送り量Lの累計値ΣLは、使用ノズ
ル数Nとノズルピッチkとを乗算した値(N×k)に等
しい。
【0054】上記の各条件は、次のように考えることに
よって理解できる。隣接するノズルの間には(k−1)
本のラスタが存在するので、1サイクルでこれら(k−
1)本のラスタ上で記録を行ってノズルの基準位置(オ
フセットFがゼロの位置)に戻るためには、1サイクル
の副走査送りの回数はk回となる。1サイクルの副走査
送りがk回未満であれば、記録されるラスタに抜けが生
じ、一方、1サイクルの副走査送りがk回より多けれ
ば、記録されるラスタに重複が生じる。従って、上記の
第1の条件c1が成立する。
【0055】1サイクルの副走査送りがk回の時には、
各回の副走査送りの後のオフセットFの値が0〜(k−
1)の範囲の互いに異なる値の時にのみ、記録されるラ
スタに抜けや重複が無くなる。従って、上記の第2の条
件c2が成立する。
【0056】上記の第1と第2の条件を満足すれば、1
サイクルの間に、N個の各ノズルがそれぞれk本のラス
タの記録を行うことになる。従って、1サイクルではN
×k本のラスタの記録が行われる。一方、上記の第3の
条件c3を満足すれば、図5(A)に示すように、1サ
イクル後(k回の副走査送り後)のノズルの位置が、初
期のノズル位置からN×kラスタ離れた位置に来る。従
って、上記第1ないし第3の条件c1〜c3を満足する
ことによって、これらのN×k本のラスタの範囲におい
て、記録されるラスタに抜けや重複を無くすることがで
きる。
【0057】図6は、スキャン繰り返し数sが2以上の
場合の一般的なドット記録方式の基本的条件を示すため
の説明図である。スキャン繰り返し数sが2以上の場合
には、同一のラスタがs本の異なるノズルで記録され
る。以下では、スキャン繰り返し数sが2以上のドット
記録方式を「オーバーラップ方式」と呼ぶ。
【0058】図6に示すドット記録方式は、図5(B)
に示すドット記録方式のパラメータの中で、スキャン繰
り返し数sと副走査送り量Lとを変更したものである。
図6(A)からも解るように、図6のドット記録方式に
おける副走査送り量Lは2ドットの一定値である。但
し、図6(A)においては、奇数回目の副走査送りの後
のノズルの位置を、菱形で示している。図6(A)の右
端に示すように、奇数回目の副走査送りの後に記録され
る画素位置は、偶数回目の副走査送りの後に記録される
画素位置と、主走査方向に1ドット分だけずれている。
従って、同一のラスタ上の複数のドットは、異なる2つ
のノズルによってそれぞれ間欠的に記録されることにな
る。例えば、有効記録範囲内の最上端のラスタは、1回
目の副走査送り後に2番のノズルで1ドットおきに間欠
的に記録された後に、4回目の副走査送り後に0番のノ
ズルで1ドットおきに間欠的に記録される。一般に、オ
ーバーラップ方式では、各ノズルは、1回の主走査中に
1ドット記録した後に(s−1)ドット記録を禁止する
ように、間欠的なタイミングでノズルが駆動される。
【0059】なお、オーバーラップ方式では、同一ラス
タを記録する複数のノズルの主走査方向の位置が互いに
ずれていればよいので、各主走査時における実際の主走
査方向のずらし量は、図6(A)に示すもの以外にも種
々のものが考えられる。例えば、1回目の副走査送りの
後には主走査方向のずらしを行わずに丸で示す位置のド
ットを記録し、4回目の副走査送りの後に主走査方向の
ずらしを行なって菱形で示す位置のドットを記録するよ
うにすることも可能である。
【0060】図6(B)の表の最下段には、1サイクル
中の各回の副走査後のオフセットFの値が示されてい
る。1サイクルは6回の副走査送りを含んでおり、1回
目から6回目までの各回の副走査送りの後のオフセット
Fは、0〜2の範囲の値を2回ずつ含んでいる。また、
1回目から3回目までの3回の副走査送りの後のオフセ
ットFの変化は、4回目から6回目までの3回の副走査
送りの後のオフセットFの変化と等しい。図6(A)の
左端に示すように、1サイクルの6回の副走査送りは、
3回ずつの2組の小サイクルに区分することができる。
このとき、副走査送りの1サイクルは、小サイクルをs
回繰り返すことによって完了する。
【0061】一般に、スキャン繰り返し数sが2以上の
整数の場合には、上述した第1ないし第3の条件c1〜
c3は、以下の条件c1’〜c3’のように書き換えら
れる。
【0062】条件c1’:1サイクルの副走査送り回数
は、ノズルピッチkとスキャン繰り返し数sとを乗じた
値(k×s)に等しい。
【0063】条件c2’:1サイクル中の各回の副走査
送り後のノズルのオフセットFは、0〜(k−1)の範
囲の値であって、それぞれの値がs回ずつ繰り返され
る。
【0064】条件c3’:副走査の平均送り量{ΣL/
(k×s)}は、実効ノズル数Neff (=N/s)に等
しい。換言すれば、1サイクル当たりの副走査送り量L
の累計値ΣLは、実効ノズル数Neff と副走査送り回数
(k×s)とを乗算した値{Neff ×(k×s)}に等
しい。
【0065】上記の条件c1’〜c3’は、スキャン繰
り返し数sが1の場合にも成立する。従って、条件c
1’〜c3’は、スキャン繰り返し数sの値に係わら
ず、ドット記録方式に関して一般的に成立する条件であ
る。すなわち、上記の3つの条件c1’〜c3’を満足
すれば、有効記録範囲において、記録されるドットに抜
けや重複が無いようにすることができる。但し、オーバ
ーラップ方式(スキャン繰り返し数sが2以上の場合)
を採用する場合には、同じラスタを記録するノズルの記
録位置を互いに主走査方向にずらすという条件も必要で
ある。
【0066】なお、記録方式によっては、部分的なオー
バーラップが行われる場合もある。「部分的なオーバー
ラップ」とは、1つのノズルで記録されるラスタと、複
数のノズルで記録されるラスタとが混在しているような
記録方式のことを言う。このような部分的なオーバーラ
ップを用いた記録方式においても、実効ノズル数Neff
を定義することができる。例えば、4個のノズルのうち
で、2個のノズルが協力して同一のラスタを記録し、残
りの2個のノズルはそれぞれ1本のラスタを記録するよ
うな部分的なオーバーラップ方式では、実効ノズル数N
eff は3個である。このような部分的なオーバーラップ
方式の場合にも、上述した3つの条件c1’〜c3’が
成立する。
【0067】なお、実効ノズル数Neff は、一回の主走
査で記録され得るラスタの正味の本数を示しているもの
と考えることもできる。例えば、スキャン繰り返し数s
が2の場合には、2回の主走査で使用ノズル数Nと等し
い本数のラスタを記録することができるので、一回の主
走査で記録することができるラスタの正味の本数は、N
/s(すなわちNeff )に等しい。
【0068】E.印刷方式の第1実施例:図7は、本発
明の第1実施例の印刷方式における走査パラメータを示
す説明図である。第1実施例では、ノズルピッチkが6
ドット、スキャン繰り返し数sが1、使用ノズル個数N
が13、実効ノズル個数Neff が13である。
【0069】図7の下部の表には、1回目から7回目ま
での各パスに関するパラメータが示されている。なお、
本明細書では、1回の主走査のことを「パス」とも呼ん
でいる。この表では、各パスに関して、そのパスの直前
に実行される副走査の送り量Lと、その累積値ΣLと、
オフセットFと、が示されている。副走査送り量Lは1
3ドットの一定値である。このように、副走査送り量L
が一定値である印刷方式(走査方式)を「定則送り」と
呼ぶ。なお、第1実施例の走査パラメータは、上述した
条件c1’〜c3’を満足している。
【0070】図8は、第1実施例において使用されるノ
ズルを示す説明図である。図8のアクチュエータ40は
図3に示すものと同じであるが、第1実施例では一部の
ノズルのみが使用される。図8において、第1実施例で
使用されるノズルは白丸で示されており、一方、使用さ
れないノズルは黒丸で示されている。すなわち、有彩色
インクについては、各色の15個のノズルのうちの最初
の13個のノズルがそれぞれ使用される。また、ブラッ
クインクについては、シアン用の使用ノズル#C1〜#
C13と同じ副走査位置にある13個のノズルのみが使
用される。このように、4つのインクについて、それぞ
れ同じ数のノズルを使用すれば、各用のノズルに共通す
る走査パラメータに従って走査を実行することによっ
て、各インクのドットを、抜けや重複無く形成すること
ができる。
【0071】なお、本明細書では、使用されるノズルで
構成される各インク用のノズル群を「使用ノズル群」と
も呼ぶ。また、アクチュエータ40に設けられている各
インク用のノズル群を「実装ノズル群」とも呼ぶ。
【0072】各インクの使用ノズルとしては、ノズルピ
ッチkで連続して並んでいるものが選択される。また、
イエロー用の使用ノズル群の下端のノズル#Y13と、
マゼンタ用の使用ノズル群の上端のノズル#M1との間
隔は、4k(すなわち24ドット)である。同様に、マ
ゼンタ用の使用ノズル群の下端のノズル#M13と、シ
アン用の使用ノズル群の上端のノズル#C1との間隔
も、4kである。
【0073】図9は、第1実施例の各パスにおいて有効
記録範囲内の各ラスタラインを記録するノズルを示す説
明図である。パス1では、シアン用の3つのノズル#C
11〜#C13が、1番目と7番目と13番目の有効ラ
スタライン上のドット記録をそれぞれ実行する。なお、
「有効ラスタライン」とは、有効記録範囲内のラスタラ
インのことを意味する。なお、図9では、ノズル番号の
先頭の符号「#」が省略されている。また、斜線が付さ
れているノズルは不使用ノズルを示している。符号
「×」は、隣接する実装ノズル群の中間のノズルの存在
しない位置を示している。
【0074】パス2では、印刷用紙上におけるアクチュ
エータ40の記録対象位置が、パス1から副走査方向に
13ドット分移動する。本実施例ではノズルピッチkは
6なので、この副走査送り後のノズル位置のオフセット
F(送り量Lの累積値ΣLをkで除した余り)は1ドッ
トである。従って、パス2においては、見かけ上、パス
1で記録対象となったラスタラインよりも1本下のラス
タラインが記録対象となるように見える。もちろん、実
際には、13本下のラスタラインが記録対象となってい
る。なお、第1実施例では、副走査送り量Lが13ドッ
トの一定値なので、副走査送りが1回行われる毎に、記
録対象となるラスタラインの位置が1本ずつ下に移動す
るように見える。
【0075】シアンインクに関しては、以下に説明する
ように、6番目と7番目のラスタラインの間の位置Cmi
s において副走査送り誤差の累積値が最も大きくなる。
6番目のラスタラインはパス6において記録され、一
方、7番目のラスタラインはパス1において記録され
る。従って、7番目のラスタラインを記録するパス1
と、6番目のラスタラインを記録するパス6との間に
は、副走査送りが5回行われる。従って、6番目と7番
目のラスタラインの間には、5回分の副走査送り誤差が
累積される。同様に、12番目と13番目のラスタライ
ンの間にも、シアンインクに関して5回分の副走査送り
誤差が累積される。
【0076】上述と同様な考察により、マゼンタインク
に関しては、7番目と8番目のラスタラインの間の位置
Mmis において、副走査送り誤差の累積値が比較的大き
くなることが解る。また、イエローインクに関しては、
9番目と10番目のラスタラインの間の位置Ymis にお
いて、副走査送り誤差の累積値が比較的大きくなる。な
お、以下では、副走査送り誤差の累積値が比較的大きな
位置を、「誤差累積位置」と呼ぶ。
【0077】以上の説明から理解できるように、第1実
施例では、誤差累積位置が各有彩色インク毎に異なり、
一致することが無い。誤差累積位置では、バンディング
(主走査方向に伸びる筋状の画質劣化部分)が発生しや
すい傾向にある。しかし、本実施例によれば、誤差累積
位置が各有彩色インク毎に異なっているので、これらの
位置におけるバンディングを目立たなくすることができ
る。
【0078】図10は、第1比較例において使用される
アクチュエータを示す説明図である。このアクチュエー
タ40’は、各有彩色ノズル群40Y’,40M’,4
0C’をそれぞれ13個のノズルで構成している。ま
た、各有彩色ノズル群40Y’,40M’,40C’の
端部のノズル同士の間隔は、ノズルピッチkと等しい。
すなわち、図10のアクチュエータ40’では、第1実
施例で使用されていた各有彩色インク用の13個のノズ
ルが、ノズルピッチkで連続して配列されている。ブラ
ック用ノズル群40K’も、ノズルピッチkで配列され
た39個のノズルで構成されている。第1比較例では、
このようなアクチュエータ40’を用い、図7に示した
第1実施例の走査パラメータと同じ走査パラメータに従
って印刷を実行する。
【0079】図11は、第1比較例の各パスにおいて有
効記録範囲内の各ラスタラインを記録するノズルを示す
説明図である。第1比較例では、3色の有彩色インクに
関する誤差累積位置Cmis ,Mmis ,Ymis が、6番目
と7番目のラスタラインの間の位置、および、12番目
と13番目のラスタラインの間の位置で一致している。
このような場合には、バンディングが目立ちやすく、画
質が劣化する可能性が高い。
【0080】図8と図10に示す使用ノズルを比較すれ
ば解るように、第1実施例と第1比較例の違いは、各使
用ノズル群の間隔だけである。すなわち、第1実施例で
は、使用色ノズル群の間の間隔が、ノズルピッチkの4
倍の値4kに設定されており、一方、第1比較例では使
用ノズル群の間の間隔が、ノズルピッチkと同じ値に設
定されている。このような使用ノズル群の間の間隔の違
いが、図9と図11に示すような誤差累積位置Cmis ,
Mmis ,Ymis の発生位置の違いとして現れていること
が理解できる。
【0081】副走査方向に沿って隣接するノズル群に関
して誤差累積位置がなるべく一致しないようにするため
には、一般に、隣接する使用ノズル群の間の間隔が、ノ
ズルピッチkのM倍(Mは2以上の整数)となるよう
に、使用ノズルを選択することが好ましい。
【0082】但し、副走査方向に沿って隣接する使用ノ
ズル群の間の間隔は、更に、以下のように設定すること
が好ましい。図12は、図5に示した印刷方式における
等価的なノズル位置を示す説明図である。図5でも説明
したように、スキャン繰り返し数sが1の時には、1サ
イクルの走査はk回の副走査送りを含む。従って、1サ
イクル分の副走査送りにおけるノズル群の移動量はN×
kラスタである。図12には、1サイクル目から3サイ
クル目までの各サイクルにおけるノズル群の初期位置が
示されている。これらの3つのノズル群位置からは、同
じ記録動作が実行されるので、これらの位置は互いに等
価である。1サイクル目の初期位置における下端のノズ
ルと、2サイクル目の初期位置における上端のノズルと
の間隔は、kドットである。また、1サイクル目の初期
位置における下端のノズルと、3サイクル目の初期位置
における上端のノズルとの間隔は、(N×k+k)ドッ
トである。図示は省略されているが、1サイクル目の初
期位置における下端のノズルと、4サイクル目の初期位
置における上端のノズルとの間隔は、(2×N×k+
k)ドットであることが解る。一般には、1サイクル目
の初期位置のノズル群の下端のノズルと、他の等価なノ
ズル群の上端のノズルとの間の間隔は、(N×n+1)
kドットと書き表せる。ここで、nは0以上の任意の整
数である。
【0083】図12に示すような等価的なノズル群位置
に、異なるインクの使用ノズル群を配置してしまうと、
それらのインクに関する誤差累積位置は互いに一致す
る。このような場合を避けるために、隣接する使用ノズ
ル群の間の間隔は、(N×n+1)kドット以外の値
(Nは使用ノズル数、nは1以上の任意の整数)に設定
することが好ましい。ここで、nを0以上ではなく1以
上としたのは、上述したように隣接する使用ノズル群の
間の間隔をノズルピッチkのM倍(Mは2以上の整数)
に設定すると、n=0の場合が除外されるからである。
【0084】上述した第1実施例は、さらに以下のよう
な特徴も有している。前述した図8から解るように、ブ
ラックノズル列40Kは、主走査時にカラーノズル列に
先行するので、カラー印刷の際には、ブラックドットが
他のインクのドットよりも先に印刷用紙上に形成され
る。また、カラーノズル列に関しては、副走査方向に沿
って、シアン用ノズル群40C,マゼンタ用ノズル群4
0M,イエロー用ノズル群40Yの順に配列されてお
り、有彩色のドットはこの順序で形成される。さらに、
ブラック用の使用ノズル群としては、副走査方向の後端
に存在するシアン用の使用ノズル群と同じ副走査位置に
存在するノズルのみが使用される。
【0085】以上のようなアクチュエータ40の特徴か
ら、第1実施例のカラー印刷においては、次のような種
々の利点が生じる。第1の利点は、ブラックドットが、
他のインクのドットよりも先に形成される点である。仮
に他のインクのドットの後にブラックドットを形成する
と、ブラックインクが滲んでしまい、カラー画像の彩度
が低下してしまう傾向にある。特に、ブラックインクと
イエローインクとが互いに滲むと、再度が顕著に低下す
る傾向にある。そこで、図8のように使用ノズル群を選
択することによって、印刷領域内の任意の位置におい
て、ブラックドットを他のインクのドットよりも先に形
成するようにすれば、カラー画像の彩度を向上させるこ
とができる。
【0086】第2の利点は、印刷領域内の任意の位置に
おいて、イエロードットが他のインクのドットの後に形
成される点である。図8から理解できるように、印刷用
紙Pが副走査方向に搬送されると、印刷領域PA内の任
意の位置においては、まず、ブラックドットとシアンド
ットがこの順に形成され、次に、マゼンタドットが形成
され、最後に、イエロードットが形成される。ところ
で、図4に示したように、印刷用紙Pの後端が第1の副
走査駆動機構25の挟持点(ローラ25a,25bの接
点)を通過した後では、副走査送りは比較的低精度の第
2の副走査駆動機構27のみで行われる。この結果、以
下に説明するように、イエロー用ノズル群40Yの幅W
LPと同じ幅を有する低精度領域においてイエロードッ
トを形成する際には、副走査送りが比較的低精度で行わ
れることにある。
【0087】図13は、印刷用紙Pの後端に存在する低
精度領域LPAとアクチュエータ40との関係を示す説
明図である。印刷領域PAの後端に存在する低精度領域
LPAにおいてイエロードットが形成されるときには、
第2の副走査駆動機構27によって比較的低い精度で副
走査送りが行われる。ここで、「低精度領域LPA」と
は、副走査送り精度が低い領域、という意味である。な
お、低精度領域LPAの幅は、副走査方向に沿って測っ
たイエロー用ノズル群40Yの幅に等しい。
【0088】図13の時点では、低精度領域LPA内に
おけるブラックドットとマゼンタドットとシアンドット
の形成は終了している。従って、図13の時点以降で
は、低精度領域LPAにおいてイエロードットのみが形
成される。しかし、一般に、イエロードットは、他の3
色のドットよりも目立たないという性質がある。このた
め、副走査送り精度が低く、イエロードットの位置が多
少ずれても、画質をあまり劣化させることはない。すな
わち、本実施例では、第2の副走査駆動機構27のみに
よって副走査送りが行われるときに、低精度領域LPA
においてイエロードットのみを形成するので、低精度領
域LPAにおいても画質があまり劣化しないという利点
がある。
【0089】ところで、印刷用紙の先端近傍や後端近傍
では、印刷領域の中間部分とは異なる印刷方式で印刷が
実行されるのが普通である。この明細書では、印刷領域
の後端近傍における印刷処理を「後端処理」または「下
端処理」と呼ぶ。また、印刷領域の中間部分における印
刷処理を「中間処理」と呼ぶ。下端処理では、副走査送
り精度を過度に低下させないようにするために、印刷領
域の中間部分よりも少ない送り量で副走査送りが実行さ
れる。下端処理としては、例えば、本出願人により開示
された特開平7−242025号公報に記載された技術
がある。この公報の図9には、印刷領域の中間部分にお
いてインターレース方式による印刷が行われ、印刷領域
の下端近傍においては「微小送り」(1ドットの副走査
送り)による下端処理が行われることが示されている。
【0090】本実施例では、低精度領域LPAにおいて
イエロードットを形成する際には、下端処理を行わず
に、中間処理と同じ送り量で副走査送りを実行する。具
体的には、図7に示した副走査送り量をそのまま用いて
低精度領域LPAにおけるイエロードットの形成を行
う。換言すれば、第2の副走査駆動機構27のみで副走
査送りが実行されるときにも、第1の副走査駆動機構2
5による副走査送りが実行されるときと同じ送り量で副
走査送りを実行する。こうすれば、副走査送りの制御が
簡単になるという利点がある。なお、イエロードットは
他のドットに比べて目立たないので、下端処理を行わな
くても、あまり画質を低下させることは無い。
【0091】F.印刷方式の第2実施例:図14は、本
発明の第2実施例の印刷方式における走査パラメータを
示す説明図である。第2実施例では、ノズルピッチkが
6ドット、スキャン繰り返し数sが1、使用ノズル個数
Nが15、実効ノズル個数Neff が15である。
【0092】図14の下部の表には、1回目から7回目
までの各パスに関するパラメータが示されている。副走
査送り量Lとしては、14,15,16ドットの3種類
の異なる値の配列が使用されている。このように、副走
査送り量Lとして異なる複数の値の配列を用いる印刷方
式(走査方式)を「変則送り」と呼ぶ。なお、第2実施
例の走査パラメータも、上述した条件c1’〜c3’を
満足している。
【0093】図15は、第2実施例において使用される
ノズルを示す説明図である。図15のアクチュエータ4
0は図3に示すものと同じである。有彩色インクについ
ては、各色の15個のノズルのすべてが使用される。ま
た、ブラックインクについては、シアン用の使用ノズル
#C1〜#C15と同じ副走査方向位置にある15個の
ノズルのみが使用される。従って、イエロー用の使用ノ
ズル群の下端のノズル#Y15と、マゼンタ用の使用ノ
ズル群の上端のノズル#M1との間隔は、2kである。
同様に、マゼンタ用の使用ノズル群の下端のノズル#M
15と、シアン用の使用ノズル群の上端のノズル#C1
との間隔も、2kである。
【0094】第2実施例も、前述した第1実施例と同様
に、カラー印刷において次のような種々の利点を有して
いる。第1の利点は、ブラックドットが他のインクのド
ットよりも先に形成されるので、彩度の高いカラー画像
を印刷できる点である。第2の利点は、低精度領域LP
A(図13)においてイエロードットのみが形成される
ので、副走査送り精度が低下しても画質があまり劣化し
ない点である。なお、第1実施例と同様に、第2の副走
査駆動機構27のみで副走査送りが実行されるときに、
第1の副走査駆動機構25による副走査送りが実行され
るときと同じ送り量(すなわち図14に示す送り量)で
副走査送りを実行するようにしてもよい。
【0095】図16は、第2実施例の各パスにおいて有
効記録範囲内の各ラスタラインを記録するノズルを示す
説明図である。第2実施例では変則送りを利用している
ので、パス毎のノズル群の位置は第1実施例ほどの規則
性は無い。従って、副走査送り累積誤差は、第1実施例
よりも少ないという利点がある。
【0096】第2実施例は、さらに以下に説明するよう
に、副走査送りの誤差累積位置が、各使用ノズル群同士
で常時一致することはない、という利点も有している。
シアンに関しては、副走査送り回数の差が最も大きいの
は2番目と3番目のラスタラインの間であり、これらの
副走査送り回数の差は4である。すなわち、シアンに関
しては、2番目と3番目のラスタラインの間に誤差累積
位置Cmis が存在する。マゼンタとイエローについて
も、2番目と3番目のラスタラインの間に誤差累積位置
Mmis ,Ymis が存在する。ところで、シアンとマゼン
タに関しては、その次の累積誤差位置Cmis ,Mmis
は、8番目と9番目のラスタラインの間に存在する。一
方、イエローに関しては、その次の累積誤差位置Ymis
は、7番目と8番目のラスタラインの間に存在する。
【0097】このように、第2実施例では、3つの使用
ノズル群に関する累積誤差位置Cmis ,Mmis ,Ymis
が、常時一致することは無い。このため、3つの使用ノ
ズル群に関する累積誤差位置Cmis ,Mmis ,Ymis が
常時一致するような場合に比べて、副走査送りの累積誤
差によるバンディングの発生を緩和することができる。
【0098】図17は、第2比較例において使用される
アクチュエータを示す説明図である。図17のアクチュ
エータ40”は、各有彩色ノズル群40Y”,40
M”,40C”をそれぞれ15個のノズルで構成してい
る。また、各有彩色ノズル群40Y”,40M”,40
C”の端部のノズル同士の間隔は、ノズルピッチkと等
しい。また、ブラック用ノズル群40”は、45個のノ
ズルで構成されている。第2比較例では、このようなア
クチュエータ40”を用い、図14に示した第2実施例
の走査パラメータと同じ走査パラメータに従って印刷を
実行する。
【0099】図18は、第2比較例の各パスにおいて有
効記録範囲内の各ラスタラインを記録するノズルを示す
説明図である。第2比較例では、3色の有彩色インクに
関する誤差累積位置Cmis ,Mmis ,Ymis が、2番目
と3番目のラスタラインの間と、8番目と9番目のラス
タラインの間と、14番目と15番目のラスタラインの
間との間に存在する。すなわち、第2実施例では、3色
のインクに関する誤差累積位置Cmis ,Mmis ,Ymis
が常に一致しており、6ドットの間隔で(すなわちノズ
ルピッチkの間隔で)、誤差累積位置Cmis ,Mmis ,
Ymis が繰り返し現れる。このように、各有彩色ノズル
群に関する誤差累積位置Cmis ,Mmis,Ymis が常に
一致していると、バンディングが目立ち易い。
【0100】図15と図17とを比較すれば解るよう
に、第2実施例と第2比較例の違いは、各使用ノズル群
の間隔だけである。すなわち、第2実施例では、使用ノ
ズル群同士の間隔が、ノズルピッチkの2倍の値2kに
設定されており、一方、第2比較例では使用ノズル群同
士の間隔が、ノズルピッチkと同じ値に設定されてい
る。このような使用ノズル群の間の間隔の違いが、図1
5と図17に示すような誤差累積位置Cmis ,Mmis ,
Ymis の発生位置の違いとして現れている。
【0101】これから解るように、第2実施例も第1実
施例と同様に、隣接する使用ノズル群の間の間隔がノズ
ルピッチkのM倍(Mは2以上の整数)となるように、
使用ノズルが選択されている。また、隣接する使用ノズ
ル群の間の間隔は、(N×n+1)kドット以外の値
(Nは使用ノズル数、nは1以上の任意の整数)に設定
されている。
【0102】なお、図15から理解できるように、第2
実施例では、アクチュエータ40に設けられているすべ
ての有彩色インク用ノズルを使用している。本実施例に
使用したアクチュエータ40では、各インクの実装ノズ
ル群の間隔をノズルピッチkの2倍の値に設定している
ので、すべての有彩色インク用ノズルを用いても、副走
査送りの誤差累積位置が、各有彩色ノズル群同士で常時
一致することはない。従って、アクチュエータ40に設
けられているノズルの中の可能な限り多数の有彩色イン
ク用ノズルを用いて、高画質な印刷を行うことができる
という利点がある。
【0103】なお、一般には、副走査方向に沿って配列
されている実装ノズル群同士の間隔(すなわち、各イン
ク用の実装ノズル群の端部のノズル同士の間隔)は、ノ
ズルピッチkのm倍(mは2以上の整数)となるように
設定されていることが好ましい。こうすれば、上述した
理由により、可能な限り多数のノズルを用いて高画質な
印刷を行うことが可能である。
【0104】なお、副走査方向に沿って配列されている
実装ノズル群同士の間隔が、ノズルピッチkに等しく設
定されていてもよい。この場合には、各実装ノズル群の
中のいくつかのノズルが不使用とすれば、第1実施例や
第2実施例と同様の使用ノズル群を構成することが可能
である。
【0105】G.アクチュエータの変形例:図19は、
アクチュエータの第1の変形例を示す説明図である。こ
のアクチュエータ41の左側のノズル列は、図3に示す
実施例のアクチュエータ40の左側のノズル列と同じで
ある。図19のアクチュエータ41の右側のノズル列
は、淡マゼンタ用ノズル群40LMと、淡シアン用ノズ
ル群40LCと、ブラック用ノズル群40Kとを含んで
いる。各インクの実装ノズル群は、それぞれ15個のノ
ズルを含んでいる。また、副走査方向に一直線上に配列
された3色分の実装ノズル群同士の間隔は、それぞれ2
kとなっている。
【0106】なお、淡マゼンタインクは、通常のマゼン
タインクとほぼ同じ色相を有し、通常のマゼンタインク
よりも濃度が低いインクである。淡シアンインクも同様
である。なお、通常のマゼンタインクおよび通常のシア
ンインクを、「濃マゼンタインク」および「濃シアンイ
ンク」と呼ぶこともある。
【0107】図19に示すアクチュエータ41を用いた
場合にも、図3に示すアクチュエータ40を用いた場合
と同じ走査パラメータに従ってカラー印刷を実行するこ
とができる。また、第1実施例や第2実施例と同じ印刷
方式を採用すると、図19の右側の3つのノズル群40
LM,40LC,40Kについても、各ノズル群に関す
る誤差累積位置があまり一致しないという効果が得られ
る。
【0108】なお、図19に示すアクチュエータ41を
用いると、淡色のインクを用いて6色印刷ができるの
で、図3に示すアクチュエータ40に比べてカラー画像
の画質を向上させることができるという利点がある。一
方、図3に示すアクチュエータ40を用いた場合には、
モノクロ印刷の際に、図19に示すアクチュエータ41
の約3倍の数のブラックインク用ノズルを使用すること
ができるので、モノクロ印刷を高速化できるという利点
がある。
【0109】図19のアクチュエータ41を用いる場合
には、図13に示す時点以降(すなわち第2の副走査駆
動機構27のみで副走査送りが行われるとき)に、低精
度領域LPA内においてイエロードットと淡マゼンタド
ットとが形成される。しかし、淡マゼンタドットも、イ
エロードットと同様に比較的目立ち難いので、副走査送
りの精度が低くても画質があまり低下することは無い。
従って、図19に示すアクチュエータ41を用いる場合
にも、第2の副走査駆動機構27のみで副走査送りが実
行されるときに、第1の副走査駆動機構25による副走
査送りが実行されるときと同じ送り量で副走査送りを実
行するようにしてもよい。
【0110】なお、図19の例から理解できるように、
第2の副走査駆動機構27のみで副走査送りが行われる
際には、低精度領域LPAにおいて比較的濃度の低いイ
ンクのドットのみが形成されるようにすることが好まし
い。ここで、「比較的濃度の低いインク」とは、CMY
Kの4色のインクのみを利用可能な場合にはイエローイ
ンクを意味しており、また、濃インクと淡インクとが利
用可能な場合には、淡インク(例えば淡シアンや淡マゼ
ンタ)と、イエローインクとを意味している。
【0111】図20は、アクチュエータの第2の変形例
を示す説明図である。このアクチュエータ42は、図1
9に示した第1の変形例のアクチュエータ41の濃マゼ
ンタ用ノズル群40Mと淡マゼンタ用ノズル群40LM
の位置を交換し、また、濃シアン用ノズル群40Cと淡
シアン用ノズル群40LCの位置を交換したものであ
る。このアクチュエータ42も、図19に示したアクチ
ュエータ41とほぼ同様の利点を有している。
【0112】但し、図20のアクチュエータ42を用い
る場合には、図13に示す時点以降において、低精度領
域LPA内にイエロードットと濃マゼンタドットとが形
成される。従って、低精度領域LPA内の画質の点から
は、図20に示すアクチュエータ42よりも、図19に
示すアクチュエータ41の方が好ましい。
【0113】図21は、アクチュエータの第3の変形例
を示す説明図である。このアクチュエータ43は、図3
に示す実施例のアクチュエータ40のカラーノズル列と
ブラックノズル列40Kとを、それぞれ千鳥状に2列に
配列したものである。例えば、ブラックノズル列40K
では、奇数番目のノズル#K1,#K3…#K47が左
側の列に配置され、偶数番目のノズル#K2,#K4…
#K48は右側の列に配置されている。3つの有彩色ノ
ズル群40Y,40M,40Cにおいても同様に、それ
ぞれ千鳥状にノズルが配列されている。このように、千
鳥状にノズルが配列されている場合にも、3つの有彩色
ノズル群40Y,40M,40Cが、副走査方向に沿っ
て一直線上に配列されていることには変わりはない。す
なわち、この明細書では、「複数のノズル群が副走査方
向に沿って一直線上に配列されている」という文言は、
ノズル群同士が全体として一直線上に沿って配列されて
いればよく、各ノズル群を構成する複数のノズルは必ず
しも一直線上に配列されている必要は無い。
【0114】上記の各種の実施例や変形例で示したアク
チュエータでは、4色または6色分のノズルが2列に配
列されていたが、これらが1列に配列されるようにして
もよく、また、3列以上の複数列に配列されるようにし
てもよい。例えば、図3のカラーノズル群の下に、2k
の間隔を空けて15個のブラックノズルを設けることに
よって、4色分のノズル群を1列に配列するようにして
もよい。
【0115】また、各色のノズル群の間隔をノズルピッ
チkと同じ値に設定した印刷ヘッドを用いることも可能
である。
【0116】図22は、アクチュエータの第4変形例を
示す説明図である。この第4変形例では、カラーノズル
列のみを含む第1のアクチュエータ44aと、ブラック
ノズル列40Kのみを含む第2のアクチュエータ44b
と、の2つのアクチュエータが用いられる。各色のノズ
ル群は、図21と同様に、千鳥状に配列されている。図
21と実質的に異なる点は、カラーインク用ノズル群が
それぞれ16個のノズルを有しており、各カラーインク
用ノズル群の間隔がノズルピッチkに等しい、という点
だけである。
【0117】図23は、アクチュエータの第5変形例を
示す説明図である。このアクチュエータ45は、3つの
カラーノズル列と、1つのブラックノズル列とを含んで
いる。第1のカラーノズル列は、イエロー用ノズル群4
0Yとマゼンタ用ノズル群40Mとで構成されている。
第2のカラーノズル列は、淡マゼンタ用ノズル群40L
Mとシアン用ノズル群40Cとで構成されている。第3
のカラーノズル列は、淡シアン用ノズル群40LCと淡
ブラック用ノズル群40LKとで構成されている。
【0118】各ノズル群は、副走査方向に沿って一直線
状に配列されているが、図21や図22のように千鳥状
に配列することも可能である。ブラックノズル列40K
は、48個のノズルを有している。また、ブラックノズ
ル列40K以外の各ノズル群は、24個のノズルをそれ
ぞれ有している。このアクチュエータ45を用いた場合
にも、低精度領域LPAにおいて比較的濃度の低いイン
ク(イエロー、淡マゼンタ、および、淡シアン)のドッ
トのみが形成されるように印刷を行うことができるの
で、画質があまり低下することが無い。
【0119】図24は、アクチュエータの第6変形例を
示す説明図である。このアクチュエータ46も、3つの
カラーノズル列と、1つのブラックノズル列とを含んで
いる。このアクチュエータ46と、図21に示すアクチ
ュエータ45との差違は、ブラックノズル列40Kとイ
エロー用ノズル群40Y以外のノズル群の位置だけなの
で、詳細な説明は省略する。
【0120】図25は、アクチュエータの第7変形例を
示す説明図である。このアクチュエータ47は、3つの
ノズル列を有している。第1のノズル列は、イエロー用
ノズル群40Yと、マゼンタ用ノズル群40Mとで構成
されている。第2のノズル列は、淡マゼンタ用ノズル群
40LMと、シアン用ノズル群40Cとで構成されてい
る。第3のノズル列は、淡シアン用ノズル群40LC
と、ブラック用ノズル群40Kとで構成されている。こ
のアクチュエータ46を用いた場合にも、図23の場合
と同様に、低精度領域LPAにおいて比較的濃度の低い
インクのドットのみが形成されるように印刷を行うこと
ができるので、画質があまり低下することが無い。
【0121】図26は、アクチュエータの第8変形例を
示す説明図である。このアクチュエータ48は、6色分
のノズル群を副走査方向に一列に配列したものである。
各ノズル群は、8個のノズルをそれぞれ有している。な
お、各インク用のノズル群をそれぞれ千鳥状に配列する
ことも可能である。このアクチュエータ47を用いた場
合にも、低精度領域LPAにおいてイエローインクのド
ットのみが形成されるように印刷を行うことができるの
で、画質があまり低下することが無い。
【0122】なお、この発明は上記の実施例や実施形態
に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲に
おいて種々の態様において実施することが可能であり、
例えば次のような変形も可能である。
【0123】(1)上記実施例では、スキャン繰り返し
数sが1である場合のみを説明したが、スキャン繰り返
し数sが1を超える値である場合にも、本発明を適用す
ることが可能である。
【0124】(2)印刷装置によっては、主走査方向の
ドットピッチ(記録解像度)と、副走査方向のドットピ
ッチとを異なる値に設定できるものがある。この場合に
は、主走査方向に関係するパラメータ(例えばラスタラ
イン上の画素ピッチ)は、主走査方向のドットピッチに
よって定義され、一方、副走査方向に関係するパラメー
タ(例えばノズルピッチkや副走査送り量L)は、副走
査方向のドットピッチによって定義される。
【0125】(3)この発明はドラムスキャンプリンタ
にも適用可能である。尚、ドラムスキャンプリンタで
は、ドラム回転方向が主走査方向、キャリッジ走行方向
が副走査方向となる。また、この発明は、インクジェッ
トプリンタのみでなく、一般に、複数のドット形成要素
アレイを有する印刷ヘッドを用いて印刷媒体の表面に記
録を行う印刷装置に適用することができる。ここで、
「ドット形成要素」とは、インクジェットプリンタにお
けるインクノズルのように、ドットを形成するための構
成要素を意味する。このような印刷装置としては、例え
ばファクシミリ装置や、コピー装置などがある。
【0126】(4)上記実施例において、ハードウェア
によって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置
き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによっ
て実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換え
るようにしてもよい。例えば、システムコントローラ5
4(図2)の機能の一部をホストコンピュータ100が
実行するようにすることもできる。
【0127】このような機能を実現するコンピュータプ
ログラムは、フロッピディスクやCD−ROM等の、コ
ンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で
提供される。ホストコンピュータ100は、その記録媒
体からコンピュータプログラムを読み取って内部記憶装
置または外部記憶装置に転送する。あるいは、通信経路
を介してプログラム供給装置からホストコンピュータ1
00にコンピュータプログラムを供給するようにしても
よい。コンピュータプログラムの機能を実現する時に
は、内部記憶装置に格納されたコンピュータプログラム
がホストコンピュータ100のマイクロプロセッサによ
って実行される。また、記録媒体に記録されたコンピュ
ータプログラムをホストコンピュータ100が直接実行
するようにしてもよい。
【0128】この明細書において、ホストコンピュータ
100とは、ハードウェア装置とオペレーションシステ
ムとを含む概念であり、オペレーションシステムの制御
の下で動作するハードウェア装置を意味している。コン
ピュータプログラムは、このようなホストコンピュータ
100に、上述の各部の機能を実現させる。なお、上述
の機能の一部は、アプリケーションプログラムでなく、
オペレーションシステムによって実現されていても良
い。
【0129】なお、この発明において、「コンピュータ
読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク
やCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各
種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置
や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている
外部記憶装置も含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのカラーインクジェッ
トプリンタ20の主要な構成を示す概略斜視図。
【図2】プリンタ20の電気的な構成を示すブロック
図。
【図3】アクチュエータ40の底面に形成されたノズル
の配列を示す説明図。
【図4】印刷用紙Pを搬送する副走査駆動機構を示す側
断面図。
【図5】スキャン繰り返し数sが1のときの一般的なド
ット記録方式の基本的条件を示すための説明図。
【図6】スキャン繰り返し数sが2以上のときの一般的
なドット記録方式の基本的条件を示すための説明図。
【図7】本発明の第1実施例の印刷方式における走査パ
ラメータを示す説明図。
【図8】第1実施例において使用されるノズルを示す説
明図。
【図9】第1実施例の各パスにおいて有効記録範囲内の
各ラスタラインを記録するノズルを示す説明図。
【図10】第1比較例において使用されるノズルを示す
説明図。
【図11】第1比較例の各パスにおいて有効記録範囲内
の各ラスタラインを記録するノズルを示す説明図。
【図12】等価的なノズル位置を示す説明図。
【図13】印刷用紙Pの後端に存在する低精度領域LP
Aとアクチュエータ40との関係を示す説明図。
【図14】本発明の第2実施例の印刷方式における走査
パラメータを示す説明図。
【図15】第2実施例において使用されるノズルを示す
説明図。
【図16】第2実施例の各パスにおいて有効記録範囲内
の各ラスタラインを記録するノズルを示す説明図。
【図17】第2比較例において使用されるノズルを示す
説明図。
【図18】第2比較例の各パスにおいて有効記録範囲内
の各ラスタラインを記録するノズルを示す説明図。
【図19】アクチュエータの第1の変形例を示す説明
図。
【図20】アクチュエータの第2の変形例を示す説明
図。
【図21】アクチュエータの第3の変形例を示す説明
図。
【図22】アクチュエータの第4の変形例を示す説明
図。
【図23】アクチュエータの第5の変形例を示す説明
図。
【図24】アクチュエータの第6の変形例を示す説明
図。
【図25】アクチュエータの第7の変形例を示す説明
図。
【図26】アクチュエータの第8の変形例を示す説明
図。
【図27】インターレース記録方式の一例を示す説明
図。
【図28】オーバーラップ記録方式の一例を示す説明
図。
【符号の説明】
20…カラーインクジェットプリンタ 22…用紙スタッカ 24…紙送りローラ 25…第1の副走査駆動機構 25a…給紙ローラ 25b…従動ローラ 26…プラテン板 27…第1の副走査駆動機構 27a…排紙ローラ 27b…ギザローラ 28…キャリッジ 30…キャリッジモータ 31…紙送りモータ 32…牽引ベルト 34…ガイドレール 36…印刷ヘッド 40…アクチュエータ 50…受信バッファメモリ 52…イメージバッファ 54…システムコントローラ 61…主走査駆動ドライバ 62…副走査駆動ドライバ 63…ヘッド駆動ドライバ 100…ホストコンピュータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA04 EA11 EC07 EC12 EC28 EC34 EC74 FA10 FA14 HA22 2C057 DA06 DB01 DB03 DC08 DE10 2C062 KA03 2C262 AA02 AA18 AA19 AA24 AA26 AA27 AB03 AB13 EA10 GA29 GA45 GA46

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印刷媒体の表面にドットを記録すること
    によって画像を印刷する印刷装置であって、 前記印刷媒体上にドットを形成するための複数のドット
    形成要素を含む印刷ヘッドと、 前記印刷ヘッドと前記印刷媒体の少なくとも一方を駆動
    して主走査を行う主走査駆動部と、 前記主走査の最中に前記各ドット形成要素アレイに含ま
    れる複数のドット形成要素のうちの少なくとも一部を駆
    動してドットの形成を行わせるヘッド駆動部と、 前記主走査が終わる度に前記印刷ヘッドと前記印刷媒体
    の少なくとも一方を駆動して副走査を行う副走査駆動部
    と、 前記各部を制御するための制御部と、を備え、 前記副走査駆動部は、 比較的高い精度で副走査送りを行う第1の副走査駆動機
    構と、 少なくとも前記第1の副走査駆動機構による副走査送り
    が終了した後に、比較的低い精度で副走査送りを行う第
    2の副走査駆動機構と、を備えており、 前記印刷ヘッドは、イエロードットを形成するためのイ
    エロードット形成要素群を少なくとも含む複数のドット
    形成要素群が、副走査方向に沿って所定の順序で配列さ
    れた第1のドット形成要素アレイを備え、 前記第1のドット形成要素アレイにおいては、前記印刷
    媒体上の任意の位置において、イエロードットが他のド
    ットよりも後に形成されるように前記複数のドット形成
    要素群の配列順序が決定されているとともに、前記複数
    のドット形成要素群は互いに等しい数のドット形成要素
    をそれぞれ備えており、 前記制御部は、 カラー印刷の際に、前記印刷媒体の後端近傍において前
    記第1の副走査駆動機構による副走査送りが実行されず
    に前記第2の副走査駆動機構によって副走査送りが実行
    されるときに、前記第1のドット形成要素アレイに含ま
    れるドット形成要素の中では前記イエロードット形成要
    素群に含まれるドット形成要素のみを用いて印刷を実行
    することを特徴とする印刷装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の印刷装置であって、 前記制御部は、 前記印刷媒体の後端近傍において前記第1の副走査駆動
    機構による副走査送りが実行されずに前記第2の副走査
    駆動機構によって副走査送りが実行されるときに、前記
    印刷媒体の後端近傍以前の位置において前記第1の副走
    査駆動機構による副走査送りが実行されるときと同じ送
    り量で、前記第2の副走査駆動機構に副走査送りを実行
    させる、印刷装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の印刷装置であっ
    て、 前記印刷ヘッドは、さらに、 ブラックドットを形成するためのブラックドット形成要
    素群を含み、前記第1のドット形成要素アレイと並列に
    形成されているとともに、前記第1のドット形成要素ア
    レイよりも先行して前記印刷媒体上にドットを形成可能
    な第2のドット形成要素アレイを備えており、 前記ブラックドット形成要素群は、前記第1のドット形
    成要素アレイ内の前記複数のドット形成要素群に含まれ
    るドット形成要素と同じ副走査位置に配置された複数の
    ドット形成要素を少なくとも有しており、 前記制御部は、 カラー印刷の際に、ブラックドットに関しては、前記第
    1のドット形成要素アレイ内の前記複数のドット形成要
    素群の中で最も早く前記印刷媒体上でのドット形成が実
    行可能となる特定の有彩色ドット形成要素群において使
    用されるドット形成要素と同じ副走査位置に存在するド
    ット形成要素のみを用いてブラックドットを形成する、
    印刷装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の印
    刷装置であって、 前記第1と第2のドット形成要素アレイは、同一のアク
    チュエータ内に形成されている、印刷装置。
  5. 【請求項5】 印刷装置を用いて印刷媒体の表面にドッ
    トを記録することによって画像を印刷する印刷方法であ
    って、(a)印刷装置として、 比較的高い精度で副走査送りを行う第1の副走査駆動機
    構と、 少なくとも前記第1の副走査駆動機構による副走査送り
    が終了した後に、比較的低い精度で副走査送りを行う第
    2の副走査駆動機構と、 印刷ヘッドと、を備えた印刷装置を準備する工程と、
    (b)前記印刷装置を用いてカラー印刷を行う工程と、
    を備え、 前記印刷ヘッドは、イエロードットを形成するためのイ
    エロードット形成要素群を少なくとも含む複数のドット
    形成要素群が、副走査方向に沿って所定の順序で配列さ
    れた第1のドット形成要素アレイを備え、 前記第1のドット形成要素アレイにおいては、前記印刷
    媒体上の任意の位置において、イエロードットが他のド
    ットよりも後に形成されるように前記複数のドット形成
    要素群の配列順序が決定されているとともに、前記複数
    のドット形成要素群は互いに等しい数のドット形成要素
    をそれぞれ備えており、 前記工程(b)のカラー印刷の際に、前記印刷媒体の後
    端近傍において前記第1の副走査駆動機構による副走査
    送りが実行されずに前記第2の副走査駆動機構によって
    副走査送りが実行されるときに、前記第1のドット形成
    要素アレイに含まれるドット形成要素の中では前記イエ
    ロードット形成要素群に含まれるドット形成要素のみを
    用いて印刷が実行されることを特徴とする印刷方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の印刷方法であって、 前記工程(b)は、 前記印刷媒体の後端近傍において前記第1の副走査駆動
    機構による副走査送りが実行されずに前記第2の副走査
    駆動機構によって副走査送りが実行されるときに、前記
    印刷媒体の後端近傍以前の位置において前記第1の副走
    査駆動機構による副走査送りが実行されるときと同じ送
    り量で副走査送りを実行する、印刷方法。
  7. 【請求項7】 請求項5または6記載の印刷方法であっ
    て、 前記印刷ヘッドは、さらに、 ブラックドットを形成するためのブラックドット形成要
    素群を含み、前記第1のドット形成要素アレイと並列に
    形成されているとともに、前記第1のドット形成要素ア
    レイよりも先行して前記印刷媒体上にドットを形成可能
    な第2のドット形成要素アレイを備えており、 前記ブラックドット形成要素群は、前記第1のドット形
    成要素アレイ内の前記複数のドット形成要素群に含まれ
    るドット形成要素と同じ副走査位置に配置された複数の
    ドット形成要素を少なくとも有しており、 前記工程(b)は、 ブラックドットに関しては、前記第1のドット形成要素
    アレイ内の前記複数のドット形成要素群の中で最も早く
    前記印刷媒体上でのドット形成が実行可能となる特定の
    有彩色ドット形成要素群において使用されるドット形成
    要素と同じ副走査位置に存在するドット形成要素のみを
    用いてブラックドットが形成される、印刷方法。
  8. 【請求項8】 印刷媒体の表面にドットを記録すること
    によって画像を印刷する印刷装置に用いられる印刷ヘッ
    ドであって、 イエロードットを形成するためのイエロードット形成要
    素群を少なくとも含む複数のドット形成要素群が、所定
    の副走査方向に沿って所定の順序で配列された第1のド
    ット形成要素アレイを備え、 前記第1のドット形成要素アレイ内の前記複数のドット
    形成要素群は互いに等しい数のドット形成要素をそれぞ
    れ備えており、 前記イエロードット形成要素群は、前記第1のドット形
    成要素アレイの端部に配置されていることを特徴とする
    印刷ヘッド。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の印刷ヘッドであって、さ
    らに、 前記第1のドット形成要素アレイと並列に配列され、ブ
    ラックドットを形成するためのブラックドット形成要素
    群を含む第2のドット形成要素アレイを備えており、 前記ブラックドット形成要素群は、前記イエロードット
    形成要素群が配置されている端部とは反対側の端部に配
    置されている、印刷ヘッド。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の印刷ヘッドであって、 前記第1と第2のドット形成要素アレイは、互いに異な
    る色のドットを形成するための同一数のドット形成要素
    群をそれぞれ含んでいる、印刷ヘッド。
  11. 【請求項11】 請求項9記載の印刷ヘッドであって、 前記第2のドット形成要素アレイは、前記第1のドット
    形成要素アレイに含まれるドット形成要素と同じ副走査
    位置に配置されたブラックドット形成要素を含んでい
    る、印刷ヘッド。
  12. 【請求項12】 請求項9ないし11のいずれかに記載
    の印刷ヘッドであって、 前記第1と第2のドット形成要素アレイは、同一のアク
    チュエータ内に形成されている、印刷ヘッド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH05246048A (ja) * 1992-03-03 1993-09-24 Seiko Epson Corp カラーインクジェット記録装置の印字方法
JPH07323622A (ja) * 1994-04-05 1995-12-12 Canon Inc インクジェット記録装置
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