JP2000238180A - 枠付き複合セラミックス板の製造法 - Google Patents

枠付き複合セラミックス板の製造法

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JP2000238180A
JP2000238180A JP4828799A JP4828799A JP2000238180A JP 2000238180 A JP2000238180 A JP 2000238180A JP 4828799 A JP4828799 A JP 4828799A JP 4828799 A JP4828799 A JP 4828799A JP 2000238180 A JP2000238180 A JP 2000238180A
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frame
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Kazuyuki Oya
和行 大矢
Norio Sayama
憲郎 佐山
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工工程に適用可能な枠を一体化した金属箔
張樹脂複合セラミックス板を提供する。 【解決手段】 真気孔率12〜50%、開気孔率10%以上の
無機連続気孔焼結体(I) からなる厚み0.15〜10mmの焼結
基板(II)に熱硬化性樹脂(R) を真空含浸した樹脂含浸焼
結基板(IIR) の周囲に額縁状の逆クッション枠(CF)を配
置し、両面に金属箔又は離型フィルムを重ね積層成形す
ることからなる複合セラミックス板の製造法において、
該逆クッション枠(CF)として、熱膨張率 4×10-6/℃〜
10×10-6/℃の範囲で該焼結基板(II)との熱膨張率の差
が 3×10-6/℃以下の材料からなるシート(S) を用い
て、逆クッション枠(CF)を硬化した樹脂含浸焼結基板(I
IR) の周囲に接着一体化してなる枠付き複合セラミック
ス板の製造法。 【効果】 複合セラミックス板の周囲に、プリント配線
網の形成、多層化積層成形など複合セラミックス板の加
工工程に適用可能な枠付きの金属箔張複合セラミックス
板が得られた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属箔張複合セラ
ミックス板の製造法に関する。詳しくは、積層成形用の
逆クッション枠の使用法に関し、特に、該逆クッション
枠を一体化し、該一体化した枠部分を、プリント配線網
の形成、多層化積層成形など複合セラミックス板の加工
工程のために使用する領域、例えば、治具固定部分など
として用いることによって、複合セラミックス板のより
多くの領域をプリント配線板などとして有効利用できる
とする枠付き複合セラミックス板の製造法である。
【0002】
【従来の技術】セラミックスは、低熱膨張率、高い熱放
散性、電気絶縁性、その他の優れた物性を有する。従っ
て、この優れた物性を利用してプリント配線板、その他
が種々製造され実用化されている。しかし、セラミック
スは一般的に、加工性に劣るために、所望の部品などと
して使用する場合、特殊な機器を用い、高度の加工技術
を駆使して製造を行うことが必須であり、極めて高価と
なることからその用途が大幅に限定されている。
【0003】この欠点を補うものとして、機械加工性を
持たせたマシンナブル・セラミックスが開発されてい
る。しかし、その機械加工性には限度があり、例えば、
厚さ 1mm程度の比較的広い板状に切断することなどは通
常困難であり、また、加工できた場合にも、脆く、その
ままでは用途が無かった。更に、このマシンナブル・セ
ラミックスは、通常、機械加工性を持たせるために複合
化され、気孔を有する。この結果、通常の環境下での使
用においては、吸湿などによる物性変化が大きい欠点が
あった。
【0004】他方、多孔質のセラミックス焼結基板を基
材として銅張板とする試みが種々ある(USP-4,882,455
、特開昭64-82689号(=特公平3-50429 号) 。しかしな
がら、これら従来技術は、ガラス布の併用などが必須で
あり、多孔質のセラミックス焼結基板に樹脂を含浸し、
これに直接金属箔を重ねて積層成形してなる金属箔張複
合セラミックス板の技術に関する記載はない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、先にセラミックスの有する低熱膨張率、高い熱放散
性、耐熱性などの優れた性質を生かし、寸法精度の高い
プリント配線用基板として無機連続気孔焼結体に熱硬化
性樹脂を含浸し硬化して樹脂複合セラミックスとした
後、薄板状にスライスすることによる方法 (特開平5-29
1706, 同6-152086他)した。さらに、樹脂複合セラミッ
クス層に、金属箔が実質的に識別できない最小限の接着
層を介して強固に接着された金属箔張複合セラミックス
板(特開平8-244163、他) を見出し、すでに、プリント
配線板として使用されている。
【0006】金属箔張複合セラミックス板に用いる薄板
としての無機連続気孔焼結体は、その厚みに略比例した
工業的に安定して量産可能な最大の大きさがある。この
大きさは技術の進歩により徐々に大きくできると思われ
るが、現在、例えば、厚みが0.5mmでは、5〜6インチ
角程度が略限界であり、これより薄い場合には、その製
造、取扱いが急激に困難となるものであった。また、金
属箔張複合セラミックス板を加工して使用する最終製品
サイズの大部分は 1×2 インチ程度以下であり、この程
度の大きさでも充分に製品に適用できるものであった。
本発明で得た金属箔張複合セラミックス板は、従来のガ
ラスエポキシ積層板を用いるプリント配線板の製造工程
用の機器を使用してプリント配線板を製造することが可
能である。このことから、この工程を用いて、プリント
配線板を製造すること、さらに、多層化積層成形などの
加工をしたいとの要求は極めて強い。
【0007】ところが、金属箔張複合セラミックス板の
サイズが小さいことから、工程適用のための枠に保持し
て用いる必要があった。しかし、工程を流れる途中に金
属箔張複合セラミックス板が枠から脱落するなどのトラ
ブルの発生が生じたり、また、枠に保持するために、プ
リント配線板として有効利用できる部分が制限され、さ
らに、薄く、小さいものでは、枠保持を考えると適用で
きない場合があった。また、多層化積層成形用のコア板
などとして使用する場合、積層成形時に局所的な圧力が
負荷されて割れる場合であった。試作の場合には問題と
ならないが、製品として多量に生産する場合、生産性を
上げることが困難であった。
【0008】一方、本発明者らは、先に、積層成形用の
枠を用いる方法(特開平9-314732号公報) を提案した。
この方法により、金属箔と樹脂複合セラミックス層との
間に識別可能な接着層を持たない金属箔張樹脂複合セラ
ミックス板を比較的容易に製造可能とする。しかしなが
ら、該枠は一回毎の使い捨てが前提であり、枠と樹脂複
合セラミックス板との離型性を確保する必要性から、一
つ一つの枠の内側に離型性を付与することが必須である
が、この作業の自動化は容易ではなかった。また、この
方法では、製造した金属箔張樹脂複合セラミックス板が
冷却時に枠の収縮によって割れる場合があり、冷却終了
前の熱いうちに、枠と金属箔張樹脂複合セラミックス板
とを分離することが必要であった。ゆえに、当然に枠付
きとしてプリント配線網の形成、さらに多層化積層成形
などすることは出来なかった。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、真
気孔率12〜50%、開気孔率10%以上の無機連続気孔焼結
体(I) からなる厚み 0.2〜10mmの焼結基板(II)に熱硬化
性樹脂(R) を真空含浸した樹脂含浸焼結基板(IIR) の周
囲に逆クッション枠(CF)を配置し、その両面に金属箔又
は離型フィルムを重ね積層成形することからなる複合セ
ラミックス板の製造法において、該逆クッション枠(CF)
として、熱膨張率 4×10-6/℃〜10×10 -6/℃の範囲
で、かつ、該焼結基板(II)との熱膨張率の差が 3×10-6
/℃以下の材料からなるシート(S) を用いたものであ
り、積層成形により該逆クッション枠(CF)と該焼結基板
(II)とが接着一体化されたものであることを特徴とする
枠付き複合セラミックス板の製造法である。
【0010】本発明においては、該逆クッション枠(CF)
が、該シート(S) とその両面に熱硬化性樹脂含浸基材(P
P)を重ねたものであること、該シート(S) が、幅 1〜7c
m の長方形の板材を組み合わせてなるものであること、
また、鉄/ニッケル/コバルトを主成分とする合金板で
あること、さらに、該シート(S) が、多数の孔、凹凸を
形成してなる加工板である枠付き複合セラミックス板の
製造法である。
【0011】以下、本発明の構成を説明する。本発明
は、プリント配線網の形成、多層化積層成形工程などに
使用可能な枠付き複合セラミックス板を提供する。本発
明の逆クッション枠(CF)は、この要求を満たす必要があ
る。まず、積層成形にあたって、逆クッション枠(CF)
は、(1).プレス圧力が均一負荷されるようにクッション
の役割を果たすこと、(2).金属箔の接着面に実質的に樹
脂層が確認できないように、樹脂含浸焼結基板(IIR) か
らの過剰の樹脂を吸収することが必要である (特開平9-
314732号公報参照のこと) 。また、得られた枠付き複合
セラミックス板は、プリント配線網の形成、多層化積層
成形工程などに支障となる(3).捩れや歪みが発生しない
こと、その他が必要である。
【0012】本発明の逆クッション枠(CF)は、厚みが該
焼結基板(II)以下、通常、該焼結基板(II)の厚みの90〜
30%程度、熱膨張率 4〜10×10-6/℃の範囲で、かつ、
該焼結基板(II)との熱膨張率の差が 3×10-6/℃以下の
材料からなるシート(S) を必須とする。そして、その両
面に好ましくは熱硬化性樹脂含浸基材(PP)を配置したも
のであり、また、特に該焼結基板(II)が薄い場合には、
シート(S) の両面に熱硬化性樹脂の予備反応層を形成し
たものでも使用可能である。ここで、本シート(S) は、
複合セラミックス板と逆クッション枠(CF)との熱膨張率
差を小さくして捩れ、歪みの発生を抑える役割を担う。
また、本熱硬化性樹脂含浸基材(PP)、または、薄板の場
合の熱硬化性樹脂の予備反応層は、上記した逆クッショ
ンの役割および過剰樹脂の吸収材の役割、さらに、プリ
ント配線網の形成、多層化積層成形工程などへの使用の
際に、一体化状態を保つための接着の役割を担う。
【0013】上記から、本シート(S) は、上記した熱膨
張率を満たし、さらに、積層成形にて熱硬化性樹脂含浸
基材(PP)と容易に接着一体化し、耐熱性が高く、積層成
形でその形状を変化させないものである。本シート(S)
の素材は、該熱膨張率を有する合金類から選択すること
が好ましく、特に、鉄/ニッケル/コバルトからなる合
金 (具体例、コバール (フェルニコ))が比較的小さい強
度と加工性面から好適である。この他にも、上記物性を
満足するものは使用可能であり、例えば、インバー、エ
リンバーなど低熱膨張合金や該合金に銅その他金属を接
合したもの (例えば、銅インバーなど) 、42アロイな
どの合金類がある。また、炭素繊維布、全芳香族ポリア
ミド繊維布、液晶ポリエステル繊維布、石英ガラス繊維
布などで強化した耐熱性の積層板など挙げられる。
【0014】また、その形は、一枚の該樹脂含浸焼結基
板(IIR) を配置するか、または二枚以上の該樹脂含浸焼
結基板(IIR) を辺で接触させて或いは個々に分離して配
置する孔を打ち抜いたシート、長方形のシートを組み合
わせて所望の枠形状とする方法、その他による。さら
に、これらに用いるシートとして、プレス加工などして
多数の孔を形成したもの (大きい貫通孔の場合には、適
宜、プリプレグ、積層板、耐熱性樹脂シート、その他で
穴埋めして用いることが好ましく、また、当該貫通孔部
分をプリント配線板製造工程時の治具固定用孔形成部と
なるようにして、該孔明け部として用いることができ
る。) 、薄いものを用いて凹凸などを付与することなど
の加工を行った加工品として適宜使用可能である。本合
金板を用いる場合、強度的には十分に余裕があるので、
加工品としての使用は好ましい。
【0015】本シート(S) と組み合わせる熱硬化性樹脂
含浸基材(PP)、または、薄板の場合の熱硬化性樹脂の予
備反応層は、複合セラミックス板の積層成形条件、通
常、圧力 0.2〜8MPa、好ましくは 0.4〜4MPa、特に 0.5
〜1.5MPaで良好な積層成形が可能なものである。厚み
は、積層成形後に、本シート(S) と一体化した状態で該
焼結基板(II)と実質的に同一となるように選択する。ま
た、該焼結基板(II)が本シート(S) よりも熱膨張率が小
さい場合には、熱硬化性樹脂含浸基材(PP)は、熱膨張率
のより小さいものを選択するのが好適であり、逆に、該
焼結基板(II)が本シート(S) よりも熱膨張率が大きい場
合には、熱硬化性樹脂含浸基材(PP)は通常のものでよ
い。
【0016】上記に説明した本発明を適用する複合セラ
ミックス板の材料としては、特願平7-310568 (国内優先
出願) 他) に詳細に説明したものが使用される。これら
を簡単に説明する。まず、無機連続気孔焼結体(I) は、
600℃以上、一般には 1,000℃以上で焼結させて製造し
たものである。そして、シュアー硬度(HS)45以下、ビッ
カース硬度(HV) 300以下で、曲げ強度は通常 40MPa以
上、好ましくは 50MPa以上である。真気孔率(vol/vol
%)が12〜50%、好ましくは15〜45%の範囲であり、開
気孔率(vol/vol%)が8%以上、好ましくは15%〜35
%、特に18%〜25%の範囲であり、閉気孔(閉気孔率=
真気孔率−開気孔率)は好ましくは 5%以下、特に 2%
以下であり、少ないものほど好ましい。また、平均気孔
径は 0.1〜10μmの範囲、特に 0.2〜6 μmの範囲が好
ましい。
【0017】本発明の焼結基板(II)は、上記の無機連続
気孔焼結体(I) からなる厚み 0.2〜10mmの薄板であり、
好ましくは距離 2mm〜50mmあたりの厚み精度が±30μm
以内、特に±20μm以内であり、また、10点平均表面粗
さRzも30μm以下、好ましくは20μm以下、特に10μm
以下である。
【0018】本発明の熱硬化性樹脂(R) は、副生物を生
成せずに硬化する付加重合型などの熱硬化性樹脂が好ま
しい。特に、耐熱性の熱硬化性樹脂が好ましく、エポキ
シ樹脂、シアナト樹脂が好ましい。シアナト樹脂として
はシアン酸エステル樹脂、シアン酸エステル−エポキシ
樹脂、シアン酸エステル−マレイミド樹脂、シアン酸エ
ステル−マレイミド−エポキシ樹脂などが挙げられ、さ
らに組み合わせるエポキシ樹脂としては、芳香族炭化水
素−ホルムアルデヒド樹脂変性ノボラック・エポキシ樹
脂、ジグリシドキシビフェニルなどが好適なものとして
挙げられる。
【0019】含浸することから常温液状或いは加熱する
ことにより溶融し、かつ、低粘度で含浸温度において粘
度変化の小さいもの、例えば、含浸温度におけるゲル化
時間が1時間以上、好ましくは2時間以上のものが好ま
しい。さらに、含浸後、室温程度まで冷却した場合に、
含浸操作条件によって予備反応などが生じない場合に
も、固体となるものが、保存安定性にすぐれ、特に銅張
板を製造する工程における取扱いが容易なことから好適
である。
【0020】本発明の樹脂含浸焼結基板(IIR) は、焼結
基板(II)へ熱硬化性樹脂(R) を圧力7kPa 以下、好まし
くは4kPa以下、特に0.7kPa以下の雰囲気下に、好ましく
は溶融させ真空脱気処理した熱硬化性樹脂(R) を注入
し、10分間〜10時間、好ましくは15分間〜2時間含浸処
理し、これを取り出し、好適には、冷却して含浸樹脂を
固化して製造する。焼結基板(II)は、充分に乾燥した
後、含浸に使用する。製造した樹脂含浸焼結基板(IIR)
の表面付着樹脂は、複合セラミックス板を製造するとき
にその殆どを樹脂含浸焼結基板(IIR) の周囲に排出させ
ることから必要最小限であることが好ましい。本発明の
樹脂含浸焼結基板(IIR) の含浸樹脂は、ガラスエポキシ
積層板の製造法などで必須である含浸樹脂の B-stage処
理の必要はなく、むしろ行わない。
【0021】本発明の金属箔は、銅箔、アルミニウム
箔、ニッケル箔、ニッケルメッキ銅箔、接着層ニッケル
メッキ銅箔、アルミニウム箔付の薄銅箔、金属シートコ
ア銅箔(厚み0.07〜0.7mm 程度のアルミニウム、鉄、ス
テンレスなどシートの片面或いは両面に銅箔を仮接着し
たもの)、その他、その目的に応じて適宜選択可能であ
る。金属箔の接着用表面処理としては表面凹凸の凹凸度
は小さいもの、例えば、10点平均表面凹凸(Rz)が 5μm
程度以下のものが好適であり、厚み 0.1〜0.6mm程度の
アルミニウム合金の片面或いは両面にロープロフィイル
銅箔を加熱剥離型の接着剤やセロハンテープなどで仮接
着したアルミコア銅箔などが好ましい。
【0022】焼結基板(II)は、厚み、サイズが一定であ
り、実質的に積層成形条件下において、熱膨張に基づく
変化以外の寸法変化はなく、また、脆く、衝撃により容
易にひび割れなどが発生する。従って、工業的に信頼性
良く製造するには、これらを考慮した積層成形用の副資
材が必須となる。これらは、上記した枠を必須とし、そ
の他に、より生産性などを向上させる点から、積層成形
用のセット複数を一括収納して成形を可能とする積層成
形用の枠(金型) 、加熱や冷却をより厳密に制御するた
めの補助とするプレートヒーター、応力集中を緩和する
耐熱性クッションなどが挙げられ、適宜併用する。
【0023】積層成形機としては、従来の減圧或いは真
空下に加熱加圧する減圧多段熱盤プレス(day-light pre
ss) 、オートクレーブ、真空バックパッキングプレス、
その他が使用可能である。ここで、金属箔張複合セラミ
ックス板を製造する前の焼結基板(II)は、脆く、衝撃や
過剰の曲げ応力により容易にひび割れが発生するもので
ある。上記した本発明の枠(CF)により応力集中は大幅に
緩和されるが、プレス熱盤による荷重の付加速度が早す
ぎないこと、プレス熱盤の平行度のづれによる不均一な
圧力負荷とならないこと等に細心の注意を払ってこれら
を使用することが必須である。
【0024】上記に説明した熱硬化性樹脂(R) を含浸し
た焼結基板(II)、すなわち、樹脂含浸焼結基板(IIR) の
周囲に本発明の枠(CF)を配置し、両面に金属箔或いは離
型シートを重ねたものを薄いステンレス板、鉄板などの
表面平滑な金属板を介して適宜複数組適宜重ね、この両
側に耐熱性クッションを挟み、熱盤間に置き、加熱加圧
(積層成形)し、含浸樹脂が硬化した後は、適宜、解圧
して、強制冷却或いは自然冷却して本発明の複合セラミ
ックス板を製造する。
【0025】好適な積層成形は、まず、昇温しつつ雰囲
気を減圧脱気し 20kPa以下、好ましくは7kPa以下を5分
間以上保った後、積層成形圧力として 0.2〜8MPa、好ま
しくは 0.4〜4MPa、特に 0.5〜1.5MPaを、適宜、連続或
いは多段回のステップとして負荷し、樹脂含浸焼結基板
(IIR) 表面の過剰の樹脂を熱硬化性樹脂含浸基材(PP)側
に排出し、該含浸樹脂(R) をゲル化、硬化させる。減圧
脱気は、樹脂含浸焼結基板(IIR) の含浸樹脂(R) が溶融
する前に最高の減圧度に到達するように行うことが好ま
しく、また、真空含浸と同等程度の真空度で同程度の温
度範囲を上限として行うことが好ましい。
【0026】含浸樹脂が溶融し、積層成形圧力を負荷し
た後は、減圧度を低下させて含浸樹脂の気化を抑制する
ようにし、適宜、減圧を中止する。減圧は、含浸樹脂の
気化が見られる場合には中止する。雰囲気の減圧の保持
は、通常、樹脂の硬化反応が実質的に始まる温度までに
中止するのが好ましい。硬化温度は、含浸した熱硬化性
樹脂(R) の種類に応じて適宜選択する。本発明では、真
空下に溶融含浸が可能な樹脂を選択することから、通
常、触媒を使用しないか又は微量の使用である。この点
から、最終の硬化温度としては、通常使用する温度より
も高めの温度を選択するのが好ましい。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。 実施例1 アルミナ−シリカ−窒化硼素系気孔焼結体(Al2O3 79wt
%,h-BN 13wt%,見かけ密度 2.323g/cm3,開気孔率24.4%)
の厚み 0.5mm,180mm×240mm の板 (以下、AL-1と記す)
を準備した。このAL-1をマッフル炉に入れ、 250℃で30
分間保持した後、最高温度 600℃まで 1時間で昇温し、
該温度で10分間保持した後、炉中で自然冷却した。次
に、熱処理したAL-1を減圧含浸機の含浸容器に入れ、室
温にて、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
の濃度 3.0%のイソプロピルアルコール(=IPA)溶液を雰
囲気圧力1.0kPa以下にて30分間含浸させた後、取り出し
て風乾した後、温度 120℃で30分間加熱処理し、表面処
理AL1(以下、AL-Tと記す) を得た。
【0028】熱硬化製樹脂組成物として、2,2-ビス(4−
シアナトフェニル)プロパン 72wt部とキシレン−ホル
ムアルデヒド樹脂変性ノボラック・エポキシ樹脂(エポ
キシ当量 259、軟化点 83℃、数平均分子量 1163 、商
品名;ディナコールT、長瀬化成 (株) 製) 15wt部およ
びビフェニル系エポキシ樹脂 (商品名;YX-4000HK 、油
化シェルエポキシ (株) 製) 10wt部、γ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン 3.0wt部およびイミダゾー
ル系触媒 (品名;C11Z-CN 、四国化成 (株) 製) 0.05wt
部を混合して熱硬化性樹脂組成物 (以下、樹脂R1と記
す) を調製した。
【0029】減圧含浸機の含浸容器に、AL-Tを入れ、雰
囲気圧力 0.66 kPa とした後、110℃に加温し、1時間
保持した。また、減圧含浸機の樹脂容器に上記で調製し
た樹脂R1を入れ、 110℃にて溶融し、10分間、減圧脱気
処理をした。減圧度を保って、該含浸容器に、上記で調
整した樹脂R1を 110℃にて容器の下部より徐々に注入
し、1時間含浸を行った。減圧含浸機から、樹脂R1を含
浸したAL-Tを取り出し、表面の樹脂を滴下させて除去す
ると共に、樹脂R1を冷却固化させて樹脂含浸焼結基板
(以下、R-ALT と記す) を得た。
【0030】別途、本発明の逆クッション枠を準備し
た。厚み 0.3mm,240mm×340mm のコバール板 (住友特殊
金属 (株) 製、品名:KV-2)の内部に 181mm×241mm の長
方形孔を切り抜いて額縁状とし、メチルエチルケトン(=
MEK)にて拭き取りし、風乾した。また、厚み 0.1mm,240
mm×340mm のFR-4積層板用のプリプレグの内部にも同様
の 181mm×241mm の長方形孔を切り抜いた。本発明の逆
クッション枠は、額縁状のコバール板の両面にプリプレ
グを 1枚づつ重ねた構成で用いる。
【0031】厚み 1.0mm,400mm×400mm の鉄板の上に、
厚み 0.5mmのステンレス板、ついで厚み 0.4mmのアルミ
ニウム合金板に厚み18μmの接着面ロープロファイル処
理の圧延仕様電解銅箔を接着面を外面として固定したも
の (以下、CA箔と記す) を重ねた。この上に、上記した
本発明の逆クッション枠を置き、内部に上記で製造した
R-ALT を配置し、その上にCA箔、ステンレス板、鉄板を
重ねた構成とし、その両外面に、耐熱性ポリアミドフェ
ルト (厚み 3mm、コーネックス (デュポン社製) のフェ
ルト、東京フェルト (株) 製) を配置した。
【0032】これをホットプレス熱盤間にセットし、該
熱盤の加熱および雰囲気の減圧を開始し、セットしたR-
ALT が温度 80℃の時点で 0.6MPa のプレス圧力を負荷
し、温度 110℃で減圧を停止し、1MPaのプレス圧力を負
荷し、そのまま温度 190℃まで昇温し、 3時間プレス成
形し銅張複合セラミックス板 (以下、C-ALと記す)を得
た。なお、減圧開始から 0.6MPa のプレス圧力を負荷ま
での時間は20分間、減圧停止までの時間は15分間であっ
た。冷却後に、銅張複合セラミックス板を取り出した。
得られた枠付き銅張樹脂複合セラミックス板は、反り、
捩れは観察されないものであり、また、コバール板とFR
-4プリプレグとの接着も良好であった。
【0033】実施例2 窒化アルミニウム−窒化硼素系気孔焼結体(h-BN 12.5wt
%,嵩密度 2.45g/cm3,開気孔率 20.6%、平均気孔径 0.6
μm) のブロックから薄板を切り出し、さらに厚み 0.1
8mm,60mm×60mmの板 (以下、AN-1と記す) に加工したも
のを 8枚準備した。このAN-1をマッフル炉に入れ、温度
700℃で 5分間、昇温、冷却に各 1時間の条件で焼成処
理した。これを減圧含浸機の含浸容器に入れ、室温 (20
℃),雰囲気圧力1.0kPa以下にて、アルミニウムトリス
(エチルアセチルアセトネート)(品名: ALCH-TR 、川崎
ファインケミカル (株) 製) の濃度 3.0wt%の IPA溶液
を30分間含浸させた後、取り出して、一昼夜風乾した。
これを温度 750℃で 5分間、昇温、冷却に各 1時間の条
件で焼成処理し、表面処理AN1(以下、AN-Tと記す) を得
た。
【0034】減圧含浸機の含浸容器に、AN-Tを入れ、雰
囲気圧力 0.66 kPa とした後、110℃に加温し、1時間
保持した。また、減圧含浸機の樹脂容器に実施例1と同
様の樹脂R1を入れ、 110℃にて溶融し、10分間、減圧脱
気処理をした。減圧度を保って、該含浸容器に、上記で
調整した樹脂R1を 110℃にて容器の下部より徐々に注入
し、1時間含浸を行った。減圧含浸機から、樹脂R1を含
浸したANT を取り出し、表面の樹脂を滴下させて除去す
ると共に、樹脂R1を冷却固化させて樹脂含浸焼結基板
(以下、R-ANT と記す) を得た。
【0035】逆クッション枠を下記のようにして作成し
た。厚み 0.15mm, 235mm×335mm のコバール板 (住友特
殊金属 (株) 製、品名:KV-2)の内部に 121mm×242mm の
長方形孔を切り抜いて額縁状とし、MEK にて拭き取り、
エポキシシラン系表面処理剤(A-187) の濃度 3.0wt%の
IPA溶液に侵漬し、風乾した。MEK/トルエン=7/3 の混
合溶媒に、樹脂R1を濃度30%で溶解したワニスを調製し
た。このワニスを上記額縁状コバール板の全面に塗布
し、温度 140℃で15分間乾燥して、逆クッション枠とし
た。
【0036】厚み 1.0mm,400mm×400mm の鉄板の上に、
厚み 0.5mmのステンレス板、ついで厚み 0.4mmのアルミ
ニウム合金板に厚み 9μmの接着面ロープロファイル処
理の圧延仕様電解銅箔を接着面を外面として固定したも
の (以下、CA9 箔と記す) を重ねた。この上に、上記し
た本発明の逆クッション枠を置き、内部に上記で製造し
たR-ANT 8枚を並べて配置し、その上にCA9 箔、ステン
レス板、鉄板を重ねた構成とし、その両外面に、耐熱性
ポリアミドフェルト (厚み 3mm、コーネックス (デュポ
ン社製) のフェルト、東京フェルト (株) 製) を配置し
た。
【0037】これをホットプレス熱盤間にセットし、該
熱盤の加熱および雰囲気の減圧を開始し、セットしたR-
ANT が温度 80℃の時点で 0.6MPa のプレス圧力を負荷
し、温度 110℃で減圧を停止し、1MPaのプレス圧力を負
荷し、そのまま温度 190℃まで昇温し、 3時間プレス成
形し銅張複合セラミックス板 (以下、C-ANと記す)を得
た。なお、減圧開始から 0.6MPa のプレス圧力を負荷ま
での時間は20分間、減圧停止までの時間は15分間であっ
た。冷却後に、銅張複合セラミックス板を取り出した。
得られた枠付き銅張樹脂複合セラミックス板は、反り、
捩れは観察されないものであり、また、コバール板の接
着も良好であった。
【0038】
【発明の効果】以上、本発明の複合セラミックス板の製
造法によれば、プリント配線網の形成、多層化積層成形
など複合セラミックス板の加工工程に適用可能な枠付き
の金属箔張樹脂複合セラミックス板が得られるものであ
り、その工業的意義は極めて高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // H05K 1/03 610 H05K 3/46 H 3/46 B28B 11/00 Fターム(参考) 4F100 AA01A AB33B AB33C AD00A AH06 AK01A AK33 AK53 AL06 BA03 BA06 BA10B BA10C CA02 DB17 DJ03A EJ20 EJ42 EJ48A EJ59A EJ82A GB43 JB13A JL02 4G026 BA01 BA21 BB01 BC02 BF35 BF42 BG06 BH07 4G054 AA11 AA19 AB01 4G055 AA07 AB01 AC01 BA22 5E346 AA02 AA25 BB01 CC08 CC17 CC31 CC37 GG02 HH11

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真気孔率12〜50%、開気孔率10%以上の
    無機連続気孔焼結体(I) からなる厚み 0.2〜10mmの焼結
    基板(II)に熱硬化性樹脂(R) を真空含浸した樹脂含浸焼
    結基板(IIR) の周囲に逆クッション枠(CF)を配置し、そ
    の両面に金属箔又は離型フィルムを重ね積層成形するこ
    とからなる複合セラミックス板の製造法において、該逆
    クッション枠(CF)として、熱膨張率 4×10-6/℃〜10×
    10-6/℃の範囲で、かつ、該焼結基板(II)との熱膨張率
    の差が 3×10-6/℃以下の材料からなるシート(S) を用
    いたものであり、積層成形により該逆クッション枠(CF)
    と該焼結基板(II)とが接着一体化されたものであること
    を特徴とする枠付き複合セラミックス板の製造法。
  2. 【請求項2】 該逆クッション枠(CF)が、該シート(S)
    とその両面に熱硬化性樹脂含浸基材(PP)を重ねたもので
    ある請求項1記載の枠付き複合セラミックス板の製造
    法。
  3. 【請求項3】 該シート(S) が、幅 1〜7cm の長方形の
    板材を組み合わせてなるものである請求項1記載の枠付
    き複合セラミックス板の製造法。
  4. 【請求項4】 該シート(S) が、鉄/ニッケル/コバル
    トを主成分とする合金板である請求項1記載の枠付き複
    合セラミックス板の製造法。
  5. 【請求項5】 該シート(S) が、多数の孔、凹凸を形成
    してなる加工板である請求項1記載の枠付き複合セラミ
    ックス板の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113954451A (zh) * 2021-11-08 2022-01-21 蒙娜丽莎集团股份有限公司 一种覆背网薄型陶瓷板及其制备方法

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