JP2000237688A - 気流式分級装置及びトナー製造方法 - Google Patents

気流式分級装置及びトナー製造方法

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JP2000237688A
JP2000237688A JP4529799A JP4529799A JP2000237688A JP 2000237688 A JP2000237688 A JP 2000237688A JP 4529799 A JP4529799 A JP 4529799A JP 4529799 A JP4529799 A JP 4529799A JP 2000237688 A JP2000237688 A JP 2000237688A
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Toshinobu Onishi
俊暢 大西
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 静電荷像現像用トナーを製造し得る気流式分
級装置を提供すること。 【解決手段】 気流式分級装置において、分級エッジの
中心軸に対して一方の部分が複数の面から構成されてい
る分級エッジを有することを特徴とする気流式分級装
置、及び該装置を用いた分級工程を有するトナー製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コアンダ効果を利
用し、静電荷像現像用トナーを製造する際に用いられる
気流式分級装置に関する。更に詳しくは、本発明は、重
量平均粒子径20μm以下の粒子を50個数%以上含有
する粉体原料を効率よく安定的に分級する気流式分級装
置に関し、特に、重量平均粒子径が8μm以下の粉体原
料を効率よく分級し得、粉体を気流に乗せて運ぶと共
に、コアンダ効果、前記粉体中の各粒子の粒子径に応じ
た慣性力及び遠心力等の差に基づいて所定の粒度を有す
る粒子に分級し、静電荷像現像用トナーを効率よく安定
的に分級し得る気流式分級装置及び該装置を利用した静
電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、粉体の分級については様々な
方法の気流式分級装置が提案されているが、この中で回
転翼を用いた分級機と可動部分を有さない分級機が知ら
れている。可動部分を有さない分級機としては、固定壁
遠心式分級機と慣性力分級機があるが、慣性力を利用し
た分級機としては、Loffier.F.and K.Maly:Sympon Pow
der Techn D.2(1981)に例示され、日鉄鉱業製として商
品化されているエルボジェット分級機や、Okuda.S.and
Yasukuni.J.Proc.Inter.Symosium on Powder Techn '8
1、771(1981)で例示されている分級機が、微粉域で分級
することができる慣性力分級機として知られている。
【0003】これらの気流式分級装置では、図5及び図
6に示すように、分級機室132の分級域130に開口
部を有する供給ノズル116から高速で気流と共に分級
室132内へと粉体を噴出させ、分級室132内では、
分級域130でコアンダブロック126に沿って流れる
湾曲気流の遠心力によって、例えば、粉体を粗粉と中粉
と微粉の3種類の群に分離し、先端の細くなった分級エ
ッジ117及び118により、粗粉、中粉及び微粉の分
級品を得ている。しかしながら、近年、静電荷像現像用
トナーのニーズとしては、省エネルギーという観点か
ら、より低い温度で結着樹脂を溶融させることが近年特
に要求されているため、溶融温度の低い結着樹脂を使用
したものが使用されてきている。
【0004】又、複写機やプリンターにおける画質向上
のため、これに用いられるトナー粒子が徐々に微小化さ
れる傾向にある。トナー粒子が微小サイズになると粒子
同士の凝集性が大きくなってくる。このような樹脂が含
有された粉体原料を、上記したような気流分級装置に導
入して分級を行う場合、分級エッジ117及び118で
生じる微小の摩擦熱や衝突熱によって、これらの部分に
融着物や付着物を生じることになる。そして、連続運転
時に、これらの付着と剥離が繰り返されると、分級品の
中に粗粒子となって混入し、精度のよい分級品が得られ
ない場合が生じ、本来であれば大きさが均一でなければ
ならない粒子群の中に他の粒子群に入るべき大きさの粒
子が混入してしまうという場合があった。又、分級精度
も低下する等の改善すべき問題も生じる。
【0005】特に、分級する際にトナー製造用の粉体材
料が激しく接触する箇所である分級エッジ117及び1
18においてトナー融着の現象が起こり易い。そのよう
な場合、通常、分級エッジ117及び118の材質を滑
り性のよいもの、例えば、フッ素樹脂製にする、或いは
フッ素樹脂を表面にコーティングする等が検討されてき
た。
【0006】しかし、フッ素樹脂製の部材、或いはフッ
素樹脂を表面にコーティングした部材では耐摩耗性に劣
るため、分級エッジ117及び118全体を頻繁に交換
する必要があり、分級エッジ117及び118を交換す
るのに多くの時間を費やすため、生産設備の稼働率が減
少するという問題点があった。複写機やプリンター等に
用いられる静電荷像現像用トナーを製造するための分級
の際に、かかる問題が顕著であった。
【0007】特に、複写機及びプリンター等に用いられ
る静電荷像現像用トナーを製造する際に行われる、凝集
性の高いトナー微粒子を分級する分級工程において、か
かる問題が顕在化し易かった。以上の点に鑑み、特に、
トナーの如き微粉体原料を安定且つ効率的に精度よく、
分級装置の稼動率を下げることなく分級することができ
る気流式分級装置の開発が望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、上記した問題点が解決された静電荷像現像用トナー
を製造し得る気流式分級装置を提供することにある。即
ち、本発明の目的は、正確な分級点を設定し、これを保
持することにより、より高精度の分級を可能にし、精緻
な粒度分布を有する粉体を安定且つ効率よく生成し得る
静電荷像現像用トナーを製造する気流式分級装置、特
に、装置内で粉体原料の融着や部材の摩耗を有効に防止
することによって、装置内での分級点の変動を抑制し、
安定的に分級し得る気流式分級装置及びその装置を利用
した静電荷像現像用トナーの製造方法を提供することに
ある。
【0009】更に、本発明の他の目的は、長時間稼働し
ても分級装置内に付着物が発生することがない静電荷像
現像用トナーを製造するための気流式分級装置を提供す
ることにある。又、本発明の目的は、重量平均粒子径が
10μm以下のトナー製造用の粉体原料、特に重量平均
粒子径が8μm以下のトナー製造用の粉体原料からシャ
ープな粒度分布を有する静電荷像現像用トナーを安定且
つ効率よく稼働率を下げることなく得ることができる気
流式分級装置及びその装置を利用した静電荷像現像用ト
ナーの製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的は、以下の本発
明により達成される。即ち、本発明は、少なくともコア
ンダブロック、個壁ブロック及び複数の分級エッジによ
り形成された分級域が設けられており、該分級域に、分
級装置内に開口部を有する原料供給管中を流動する気流
によって粉体原料を噴出させ、噴出された気流中の粉体
原料を粒子の慣性力及びコアンダ効果による湾曲気流の
遠心力によって複数の粒子径の異なる粒体群に分級させ
る気流式分級装置において、該分級エッジの中心軸に対
して一方の部分が複数の面から構成されている分級エッ
ジを有することを特徴とする気流式分級装置、及び該装
置を用いた分級工程を有することを特徴とするトナー製
造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明のトナー製造用気
流式分級装置を添付図面に基づいて詳細に説明する。図
1に、本発明の気流式分級装置の一例として、3分割の
場合の分級装置の断面図を示し、図2に、その斜視図を
示す。これらの図からわかるように、本発明のトナー製
造用気流式分級装置は、基本的な構成は先に説明した従
来のものと同様である。
【0012】図1及び図2において、側壁は、22、2
3及び24で示される形状を有し、下部壁は25で示さ
れる形状を有し、側壁23と下部壁25にはそれぞれ中
心軸に対して一方の部分が複数の面からなる分級エッジ
17及び18を具備しており、この分級エッジ17及び
18よって分級室32の分級ゾーンは3分画されてい
る。側壁22の下の部分には、分級室32に開口部を有
する原料供給管16が設けられており、該原料供給管1
6の下部には、底部接線の延長方向に対して下方に折り
曲げて長楕円弧を描いたコアンダブロック26が設置さ
れている。
【0013】分級室32の上部にある上部ブロック27
には、分級室32の下部方向に向けてナイフエッジ型の
入気エッジ19が具備され、更に分級室32の上部に
は、分級室に開口する入気管14及び15を設けられて
いる。又、入気口14及び15には、ダンパーの如き第
1及び第2の気体導入調節手段20及び21と静圧計2
8及び29が設けられている。分級エッジ17及び18
の位置は、被分級処理原料である粉体原料の種類によ
り、又、所望する粒子径により、夫々のエッジの軸17
a及び18aを回動させることによって適宜に調節され
る。
【0014】分級室32の底面には、夫々の分画域に対
応させて、分級室32内に開口した排出口11、12及
び13が設けられている。排出口11、12及び13に
は、パイプの如き連通手段が接続されており、これらの
連通手段には、夫々にバルブ手段の如き開閉手段を設け
てもよい。上記のような本発明の気流式分級装置は、ト
ナー製造用の粉体原料を分級する場合においては、粉体
原料の重量粒子径は10μm以下の場合に効果的であ
り、特に、8μm以下の場合に一層効果的である。
【0015】図4に、図1の気流式分級装置の分級域部
の拡大図を示し、以下、好ましい実施の形態を挙げ、本
発明を更に詳細に説明する。即ち、分級エッジ17、1
8の先端形状を分級エッジ17、18の中心軸17b、
18bに対して上流側から第1の面(以下、第1の面と
称す。)17c、18cと第2番の面(以下、第2の面
と称す。)17d、18dにより構成することにより、
融着成長部分が第1の面17c、18cに限定される。
これは、第1の面17c、18cが第2の面17d、1
8dに比べて鈍角であるため、第1の面17c、18c
に沿って流れる慣性力を持つトナー粒子が第2の面に沿
うことなく流れることによる。このことにより融着発生
箇所は第1の面に限定される。
【0016】更に、分級エッジ17、18において分級
エッジ中心軸17b、18bと分級エッジの第1の面1
7c、18cがなす角度をα、分級エッジ17、18に
おいて分級エッジ中心軸17b、18bと分級エッジの
第2の面17d、18dがなす角度をβとしたとき、1
0<α<50、0<β<60及びα<βの関係を満足す
るとき、上記の効果が得られる。
【0017】0<α<10の時は、分級エッジ先端が鋭
角すぎ、第1の面と第2の面との角度差が小さくなり、
第2の面に融着物が発生するために好ましくない。又、
α>50の場合、トナー粒子が分級エッジに衝突する面
積が大きくなるため融着成長速度が速くなり、又、摩耗
時間が速くなるために好ましくない。β=0の場合、従
来例と同形状である。又、β>60の場合、排出口1
2、13の面積が減少し、効率良く分級することが不可
能であるので好ましくない。更に、α<βの場合、第2
の面で融着が発生してしまうため好ましくない。更に排
出口12、13が閉塞する場合もあるので好ましくな
い。又、第1の面17c、18cの分級エッジの中心軸
17b、18bに対しての距離は分級エッジ17、18
の全長に対し30%以下の時が好ましい。
【0018】更に、第1の面17c、18cをフッ素系
樹脂によりコーティングすることにより、第1の面17
c、18cの融着は防止できる。更に、斜線部分で示し
た第1の面17c、18cで囲まれる部分17e、18
eを第2の面17d、18dで囲まれる部分17f、1
8fと別部材にすることにより、交換部分が分級エッジ
先端のみになるので、分級エッジの交換時間が短縮で
き、該分級装置の稼働率を下げることなく生産すること
ができる。
【0019】更に、本発明においては、排出口11、1
2及び13を介しての減圧による吸引流の流量を調整す
ることで、粒子の飛翔速度を増加させて分級域での粉体
の分散をより向上させ、より高い粉塵濃度でも良好な分
級精度が得られ、製品の収率の低下を防止することがで
きるだけでなく、同じ粉塵濃度の場合に、より良好な分
級精度で、且つ製品の収率を向上させることが可能とな
る。
【0020】本発明の気流式分級装置は、上記の構成の
他、これを用いる装置システム等によって何ら限定され
るものではなく、処理される粉体原料の性状により適宜
に決定すればよい。又、本発明の気流式分級装置は、特
に、トナー製造用の粉体原料を分級する場合において、
粉体原料の重量粒子径が10μm以下の場合に効果的で
あり、更に、粉体原料の重量粒子径が8μm以下の場合
に一層効果的である。
【0021】本発明の気流式分級装置は、通常、相互の
機器をパイプの如き連通手段で連結して一体装置システ
ムとして使用する。そうした一体装置システムの好まし
い例を図3に示す。図3に示す一体装置システムは、本
発明の気流式分級装置の一例である3分割分級装置1
(図1及び2に示されるもの。詳細は既に説明の通りで
ある。)、定量供給機2、振動フィーダー3、捕集サイ
クロン4、5及び6を適当な連通手段で連結してなるも
のである。
【0022】この一体装置システムにおいて、先ず粉体
原料は、適宜の手段により定量供給機2に送り込まれ、
次いで振動フィーダー3を介して原料供給管16により
3分割分級装置1内へと導入される。このとき、粉体原
料は、50〜300m/秒程度の流速で3分割分級装置
1内に導入される。3分割分級装置1の分級室32の大
きさは、通常[10〜50cm]×[10〜50cm]
程度とされているので、粉体原料が0.1秒以下、或い
は0.01秒以下の瞬時に3種以上の粒子群に分割され
る。例えば、図3に示した例では、3分割分級装置1に
よって、大きい粒子(粗粒子)、中間の大きさの粒子
(規定内粒子径の粒子)、小さい粒子(規定粒子径以下
の粒子)に夫々分割される。
【0023】その後、大きい粒子は排出口11を介して
系外に排出され、捕集サイクロン6で粗粉体として回収
される。中間の大きさの粒子は排出口12を介して系外
に排出され、捕集サイクロン5で製品(トナー)になる
べく回収される。小さい粒子は排出口13を介して系外
に排出され、捕集サイクロン4で微粉体として回収され
る。上記で説明した例では、捕集サイクロン4、5及び
6は、粉体原料を原料供給管16を介して分級室32に
吸引導入するための吸引減圧手段としての働きをしてい
る。
【0024】本発明の気流式分級装置は、特に電子写真
法による画像形成に用いられるトナー、又は着色樹脂粉
体を分級する場合に有効に用いられる。特に、低融点、
低軟化点、或いは低いガラス転移点を有する結着樹脂か
らなるトナー組成物を分級する場合に有効である。この
ような樹脂が用いられているトナー製造用の粉体原料を
従来の分級装置にて分級すると、分級エッジ先端に融着
物が発生し易く、融着物の発生によって分級点が適切な
範囲から外れる傾向にある。この場合に、吸引減圧によ
る流量調節を行ったとしても要求される粉体の粒度分布
は得られにくく、分級効率が大幅に低下することが生じ
る。
【0025】又、分級した粉体の中に融着物が混入し、
品質のよい製品が得られなくなるという問題もあり、従
来の分級装置では、品質が一定の製品を得るために、長
時間安定的に稼動させることは難しかった。又、分級エ
ッジをフッ素系樹脂等のトナー粒子付着に対して剥離性
の良い材質で構成したり、分級エッジの表面をフッ素系
樹脂等のトナー粒子付着に対して剥離性の良い材質でコ
ーティングした場合、これらの物質は耐摩耗性に劣るた
め、分級エッジ全体を頻繁に交換する必要があり、多く
の交換時間を費やしていた。そのため、従来の分級装置
ではその稼働率を落としてしまっていた。
【0026】これに対し、本発明の気流式分級装置を用
いることによって、分級エッジ先端での融着発生場所が
限定され、且つ、この部分での融着発生が防止、又は抑
制されるため、分級収率が良好になり、且つ高精度な分
級ができる。又、本発明の気流式分級装置は、分級装置
内に融着物や付着物が殆ど発生しないため、長時間の稼
動が可能となり、分級処理を長時間にわたり安定的に行
うことができる。又、分級エッジ先端部のみを交換すれ
ばよいので、分級エッジ交換時間が少なくてすみ、分級
装置の稼働率を下げることなく生産が可能となる。
【0027】例えば、本発明の気流式分級装置を用いて
粉体原料を分級すれば、特に重量平均粒子径が10μm
以下のトナー製造用の粉体原料からシャープな粒度分布
を有するトナーを得ることができ、従来に比べ効率よく
分級を行うことが可能となる。特に、本発明の気流式分
級装置を用いれば、重量平均粒子径が8μm以下のトナ
ー製造用の粉体原料からシャープな粒度分布を有するト
ナーを得ることができる。このため、ジェット・ミルに
より粉砕する粉体原料の処理量を多くしようとする場合
や、粒子径の小さな粉砕品を得ようとする場合には著し
い効果が期待できる。
【0028】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。 <実施例1> ・不飽和ポリエステル樹脂 100重量部 ・銅フタロシアニン顔料(C.I.Pigment Blue 15) 4.5重量部 ・荷電制御剤 4.0重量部 上記の材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井
三池化工機(株)製)でよく混合した後、温度150℃
に設定した2軸混練機(PCM−30型、池貝鉄工
(株)製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハ
ンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、トナー製造用の
粗砕物を得た。この粗砕物を衝突式気流粉砕機で微粉砕
し、重量平均粒径6.2μm、密度1.1g/cm3
凝集度58%の粉砕原料を得た。
【0029】上記のようにして得たトナー原料を、図3
に示す装置システムで下記のようにして分級を行った。
先ず、上記で得られた粉体原料を定量供給機2を介し
て、振動フィーダー3及び原料供給管16を介して、コ
アンダ効果を利用して粗粉体、中粉体及び微粉体の3種
に分級すべく、図1に示す3分割分級装置1に導入し
た。導入に際しては、排出口11、12及び13に連通
している捕集サイクロン4、5及び6の吸引による系内
の減圧から派生する吸引力と、原料供給管16に取付け
たインジェクションフィーダー31からの圧縮空気を利
用した。
【0030】本実施例においては、分級エッジ17、1
8の第1の面で構成される部分をフッ素系樹脂成形品を
用い、第2の面から構成される部分をSUS304で形
成した装置を使用した。この時、分級エッジ17、18
の第1の面が分級エッジの中心軸となす角度αは30
°、第2の面と中心軸がなす角度βは10°であった。
又、第1の面の分級エッジの中心軸に対する長さは分級
エッジ17、18の全長に対して約4%であった(α=
30、β=10、α>β)。
【0031】上記の構成の装置システムを使用して1週
間連続運転を行った後、分級エッジ17、18先端を観
察したところ、第1の面で囲まれた部分に融着物はなか
った。又、第2の面で囲まれた部分にも融着物は発生し
ていなかった。しかし、第1の面で囲まれた部分は摩耗
していたため、この部分を交換した。交換に要した時間
は30分間程度であった。又、1週間の連続運転中に得
られた分級品の粒度は安定していた。
【0032】<実施例2>実施例1と同様のトナー製造
用の粉体原料を用い、図1に示す気流式分級機で分級し
た。該気流式分級機は、分級エッジ17、18の第1の
面で構成される部分をフッ素系樹脂成形品を用い、第2
の面から構成される部分をSUS304で形成した装置
を使用した。この時、分級エッジ17、18の第1の面
が分級エッジの中心軸となす角度αは5°、第2の面と
中心軸がなす角度βは3°であった。又、第1の面の分
級エッジの中心軸に対する長さは分級エッジ17、18
の全長に対して約5%であった(α=5、β=3、α>
β)。
【0033】上記の構成の装置システムを使用して連続
運転を行ったところ、4日後に分級品の粒度が粗くなっ
た。分級エッジ17、18先端を観察したところ第1の
面で囲まれた部分に融着物はなかった。しかし、第2の
面に少量の融着物が発生していた。第1の面で囲まれた
部分を交換し、第2の面に発生した融着物を剥ぎ取っ
た。交換に要した時間は45分間程度であった。
【0034】<比較例>実施例1と同じトナー製造用の
粉体原料を用いて、図7に示す従来の一体装置システム
で分級を行った。即ち、粉体原料を、定量供給機10
2、振動フィーダー103及び原料供給管116を介し
て導入し、コアンダ効果を利用して粗粉体、中粉体及び
微粉体の3種に分級すべく、図5に示した3分割分級装
置101に導入した。導入に際しては、実施例1と同様
に、排出口111、112及び113に連通している捕
集サイクロン104、105及び106の吸引による系
内の減圧から派生する吸引力と、原料供給管116に取
付けたインジェクションフィーダー131からの圧縮空
気を利用した。比較例においては、原料供給管116、
分級エッジ117及び118、更に入気エッジ119の
部材としてフッ素樹脂成形品を使用した。
【0035】実施例1と同様に、原料粉体を3つの粒子
群に分級するため、連続運転を行ったところ、2日後に
分級品の粒度が非常に粗くなった。そこで、気流式分級
装置101を分解し、分級エッジ117及び118の状
態を観察したところ、融着物は殆ど見られなかったが、
分級エッジ117及び118の先端が摩耗していた。こ
のため、運転を続けるには分級エッジ117及び118
の両部材を交換せざるを得なかった。その交換時間には
2時間を要した。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の静電荷像
用トナーの製造用気流式分級装置によれば、分級エッジ
先端の形状が分級エッジの中心軸に対し、一方の部分が
複数の面から構成され、分級エッジの上流から第1番の
面で囲まれる部分が第2番の面で囲まれた部分とは別部
材で、且つフッ素系樹脂により構成されることにより、
分級装置内へのトナー成分の融着が軽減されるため、様
々な粉体原料及び分級気流条件に応じて正確な分級点が
得られ、シャープな粒度分布のトナーが高い分級収率で
得られ、且つ連続して安定したトナー製品の生産を行う
ことが可能となる。更には、分級機内の分級エッジに融
着物が発生せず、分級エッジ先端の摩耗による分級エッ
ジの交換も短時間で済むため、分級装置の稼働率を下げ
ることなく生産できる。この結果、本発明によればコス
トダウンも可能となる。特に、本発明の気流式分級装置
によれば、重量平均粒子径10μm以下のトナー製造用
の粉体原料から、シャープな粒度分布を有するトナーを
効率よく得ることが可能であり、更には、重量平均粒子
径が8μm以下のトナー製造用の粉体原料からシャープ
な粒度分布を有するトナーを効率よく得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の気流式分級装置の一例を表す断面図で
ある。
【図2】図1の気流式分級装置の側面図及び斜視図であ
る。
【図3】図1に示す気流式分級装置を用いた装置システ
ムを表す図である。
【図4】図1の気流式分級装置の分級域部の拡大図であ
る。
【図5】従来の気流式分級装置の一例を表す断面図であ
る。
【図6】図5の気流式分級装置の側面図及び斜視図であ
る。
【図7】図5に示す気流式分級装置を用いた装置システ
ムを表す図である。
【符号の説明】
1、101:気流式3分割分級装置 2:定量供給機 3:振動フィーダー 4、5、6、104、105、106:捕集サイクロン 11、12、13、111、112、113:排出口 14、15、114、115:入気口 16、116:原料供給管 16a:原料供給管の開口部 17、117:中粉体群と微粉体群とを分画する分級エ
ッジ 18、118:粗粉体群と中粉体群とを分画する分級エ
ッジ 17a:分級エッジ17の軸 18a:分級エッジ18の軸 17b:分級エッジ17の中心軸 18b:分級エッジ18の中心軸 17c:分級エッジ17の中心軸に対する一方の面の上
流側から第1番の面(第1の面) 18c:分級エッジ18の中心軸に対する一方の面の上
流側から第1番の面(第1の面) 17d:分級エッジ17の中心軸に対する一方の面の上
流側から第2番の面(第2の面) 18d:分級エッジ18の中心軸に対する一方の面の上
流側から第2番の面(第2の面) 17e:分級エッジ17の中心軸に対する一方の面の上
流側から第1番の面により囲まれる部分 18e:分級エッジ18の中心軸に対する一方の面の上
流側から第1番の面により囲まれる部分 17f:分級エッジ17の中心軸に対する一方の面の上
流側から第2番の面により囲まれる部分 18f:分級エッジ18の中心軸に対する一方の面の上
流側から第2番の面により囲まれる部分 19、119:入気エッジ 19a:入気エッジの軸 20、120:第1気体導入調節手段 21、121:第2気体導入調節手段 22、122:入気側側壁 23、24、123、124:側壁 25、125:下部壁 26、126:コアンダブロック 27、127:上部壁 28、29、128、129:静圧計 30:粒子飛散軌跡(湾曲線) 31、131:インジェクションフィーダー 32、132:分級室

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともコアンダブロック、個壁ブロ
    ック及び複数の分級エッジにより形成された分級域が設
    けられており、該分級域に、分級装置内に開口部を有す
    る原料供給管中を流動する気流によって粉体原料を噴出
    させ、噴出された気流中の粉体原料を粒子の慣性力及び
    コアンダ効果による湾曲気流の遠心力によって複数の粒
    子径の異なる粒体群に分級させる気流式分級装置におい
    て、該分級エッジの中心軸に対して一方の部分が複数の
    面から構成されている分級エッジを有することを特徴と
    する気流式分級装置。
  2. 【請求項2】 複数の面から構成されている分級エッジ
    が、上流より第1の面の中心軸に対する角度をα、第2
    の面をβとしたとき、10<α<50、0<β<60及
    びα<βの関係を有する請求項1に記載の気流式分級装
    置。
  3. 【請求項3】 複数の面から構成されている分級エッジ
    が、上流より第1の面又は第1の面を含む部材がフッ素
    樹脂で構成されている請求項1又は請求項2に記載の気
    流式分級装置。
  4. 【請求項4】 電子写真法による画像形成に用いられる
    トナー用着色樹脂粉体を分級する分級工程を有するトナ
    ー製造方法において、請求項1、2又は3の何れかに記
    載の気流式分級装置を用いること特徴とするトナー製造
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006221026A (ja) * 2005-02-14 2006-08-24 Canon Inc トナー粒子の製造方法

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