JP2000236834A - 味噌または味噌加工食品およびその製造方法 - Google Patents

味噌または味噌加工食品およびその製造方法

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JP2000236834A
JP2000236834A JP11043094A JP4309499A JP2000236834A JP 2000236834 A JP2000236834 A JP 2000236834A JP 11043094 A JP11043094 A JP 11043094A JP 4309499 A JP4309499 A JP 4309499A JP 2000236834 A JP2000236834 A JP 2000236834A
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miso
sulfur
processed food
compound
amount
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JP11043094A
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Takao Kida
隆生 木田
Hiroshi Kasai
博 笠井
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 味噌および味噌加工食品の褐変を製造から流
通にいたるまで抑制、防止あるいはコントロールするこ
とを目的とする。 【解決手段】 味噌または味噌加工食品に、含硫化合物
およびエンジオール構造を有する化合物からなる群から
選ばれる1種または2種以上の物質を配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、味噌または味噌加
工食品およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、
本発明は、製造中、製造後の保存中の褐変の進行を調節
できる味噌または味噌加工食品およびその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】味噌の褐色化(褐変)は、主として、熟
成の過程で生じるアミノ酸および糖類との間で引き起こ
され、非酵素的反応であるアミノカルボニル反応による
ものとされている。この褐色化は熟成の過程から出荷後
においても進行し、褐色の度合いは熟成条件(温度、塩
分濃度)や殺菌処理の加熱条件などによって異なり、ま
た、保存においては保存温度、期間、包装材料の種類、
製品中の種々の成分特に溶存酵素濃度に依存している。
すなわち、味噌や、味噌加工食品の色は、製造から出荷
前、出荷後から消費者の手にわたるまでの間、絶えず変
化しており、また、製造期間(季節)によって味噌の褐
色度が異なるなど、色調の調整が味噌製造業者にとって
大きな課題となっている。従来、このような色調を調整
するため、例えば、溶存酵素濃度要因を絶つために、流
通用包装の包材にガスバリア性のフィルムを使用した
り、なるべく低温で流通させることによって褐色化の進
行を遅延させる方法や、容器入り味噌においては、その
ヘッドスペースに脱酸素剤を封入する方法(特開昭58
−175464号、特開昭59−62470号)などが
一般に採用されている。また、アルミニウムフィテート
を味噌に添加する方法(特開昭50−89549号)、
プルラン単独またはプルランと縮合リン酸塩の混合物を
添加する方法(特開54−98395号)、ショ糖脂肪
酸エステルを添加する方法(特開昭60−176561
号)、L−グルタミン酸カリウムを添加する方法(特開
昭60−176561号)、リンゴ発酵物を添加する方
法(特開昭62−266824号)、塩化カルシウム、
リン酸カルシウム、炭酸カルシウムを添加する方法(特
開平07−75517号)などが提案されている。しか
しながら、これらは味噌の褐変の防止、抑制、調整とい
う点について必ずしも完全なものではなく、さらなる改
善が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、味噌および
味噌加工食品の褐変を製造から流通にいたるまで抑制、
防止あるいはコントロールすることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、味噌およ
び味噌加工食品の褐変を製造から流通にいたるまで抑
制、防止あるいはコントロールするために鋭意検討した
結果、構造中にSH基を有する含硫化合物、エンジオー
ル構造を有する化合物から選択される物質を単独で、あ
るいは組み合わせて、適宜含有せしめた後、ガスバリア
性のフィルムを使用した包材に封入することによって、
出荷前後から流通過程において、味噌の褐変防止、抑
制、さらには色調調整を可能にすることを見出し、本発
明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、含硫化合物およびエ
ンジオール構造を有する化合物からなる群から選ばれる
1種または2種以上の物質を配合してなることを特徴と
する味噌または味噌加工食品を提供するものである。ま
た、本発明は、含硫化合物およびエンジオール構造を有
する化合物からなる群から選ばれた物質を1種または2
種以上配合することを特徴とする味噌または味噌加工食
品の製造方法も提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】用いる含硫化合物としては、グル
タチオン、グルタチオン含有酵母、還元型グルタチオ
ン、システイン、シスチン等が挙げられ、これらは単独
でも、または2種以上併用してもよい。また、エンジオ
ール構造を有する化合物としては、アスコルビン酸、ア
スコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、
エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム等が挙げら
れ、これらも単独でも、または2種以上併用してもよ
い。さらに、本発明においては、含硫化合物とエンジオ
ール構造を有する化合物とを併用してもよい。これらの
物質は、味噌または味噌加工食品に複数添加することに
よって、単独添加に対して相加、相乗効果を発揮させる
ことができる。添加量は、用いる個々の物質によって異
なり、また、単に添加量を多くするにつれて効果が上が
るものではなく、通常、含硫化合物を用いる場合は、味
噌または味噌加工食品中に、0.001重量%〜5.0
重量%、好ましくは0.03重量%〜2.0重量%配合
する。エンジオール構造を有する化合物を用いる場合
は、味噌または味噌加工食品中に、0.5重量%〜5.
0重量%、好ましくは0.8重量%〜3.0重量%配合
する。含硫化合物とエンジオール構造を有する化合物を
併用する場合は、味噌または味噌加工食品中に、含硫化
合物を0.001重量%〜5.0重量%、好ましくは
0.03重量%〜3.0重量%、エンジオール構造を有
する化合物を0.5重量%〜5.0重量%、好ましくは
0.8重量%〜3.0重量%配合する。
【0007】本発明における味噌自体の種類は特に限定
されるもではない。上記の含硫化合物およびエンジオー
ル構造を有する化合物は米味噌、麦味噌、豆味噌やその
混合品の白味噌、赤味噌、減塩味噌、いずれの味噌に配
合してもよい。これらの生タイプまたは殺菌処理品いず
れでもよい。また、味噌加工食品としては、粉末味噌、
調味味噌、田楽味噌、かき鍋用味噌だし、味噌煮込みう
どん用スープ、インスタント乾燥および液状タイプ味
噌、味噌ラーメン用スープ、かきフライ用味噌味バッタ
ーミックスなどが挙げられる。
【0008】本発明の味噌および味噌加工食品は、自体
公知の方法で製造することができ、適宜の製造工程、例
えば、味噌の熟成工程や包装直前に、あるいは味噌加工
食品に添加する味噌に、含硫化合物およびエンジオール
構造を有する化合物からなる群から選ばれる1種または
2種以上の物質を添加、混合すればよい。特に限定する
ものではないが、得られた製品は、ガスバリア性のフィ
ルムの包材、例えば、ポリエチレンテレフタレート(P
ET)、エチレンビニルアルコール共重合体(エバール
TM)、低密度ポリエチレン(PE)などの包材に封入す
ることが好ましい。かくして、本発明によれば、味噌
や、味噌加工食品における褐変防止、抑制の改善が図れ
る。
【0009】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。なお、以下、「%」とあるは、いずれも重量%であ
る。 実施例1 味噌の褐変抑制物質のスクリーニング 上記のごとく、味噌の褐変はアミノカルボニル反応によ
るものと考えられているが、その反応経路は複雑で、そ
の反応を抑制や調節する物質としては、いろいろ考えら
れるが、以下の表1に示す物質を選択し、保存試験を行
い、色調の変化を調べた。
【0010】
【表1】
【0011】試験方法 市販の信州味噌100gに、所定量の所定の物質を添
加、混合後、50gを酸素不透過性フィルム(PET
12ミクロン/エバール15ミクロン/PE100ミク
ロン)を使用した包材に封入し、ヒートシールし、30
℃で10日間保存した。保存開始時および10日後に採
取した各試料の色調およびpHを測定した。色調の測定
は、色彩色差計(スガ試験機(株)製、SMカラーコン
ピューター)で試料のL、a、b値を測定した。pHは
2%水懸濁液として測定した。色彩色差計により測定し
たL、a、b値から、W(白色度=100−[(100
−L)2+a2+b21/2)、YI(黄色度={71.7
09×a+178.74×b)/L}+0.372)お
よび開始当初の色調に対するΔE(ΔE=[(ΔL)2
+(Δa)2+(Δb)21/2)を算出し、添加量との
関係を調べた。ΔEが低い程、褐変抑制効果が高いこと
を示す。 結果 各物質の添加量とΔEの関係を図1〜図9に示す。これ
らの図から明らかなごとく、含硫化合物およびエンジオ
ール構造を有する化合物、特に、グルタチオン、グルタ
チオン含有酵母エキス、還元型グルタチオン、システイ
ンおよびシスチンのような含硫化合物、アスコルビン
酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシ
ウム、エリソルビン酸およびエリソルビン酸ナトリウム
のようなエンジオール構造を有する化合物が優れた褐変
抑制効果を示すことが明らかとなった。なお、亜硫酸ナ
トリウムは添加量が増加するにつれて脱色が進行した。
【図面の簡単な説明】
【図1】 アスコルビン酸ナトリウムを添加した場合の
添加量と、ΔEとの関係を示すグラフである。
【図2】 L−システインを添加した場合の添加量と、
ΔEとの関係を示すグラフである。
【図3】 グルタチオン含有酵母エキスを添加した場合
の添加量と、ΔEとの関係を示すグラフである。
【図4】 還元型グルタチオンを添加した場合の添加量
と、ΔEとの関係を示すグラフである。
【図5】 ポリリン酸「タケダ」1−Bを添加した場合の
添加量と、ΔEとの関係を示すグラフである。
【図6】 亜硫酸ナトリウムを添加した場合の添加量
と、ΔEとの関係を示すグラフである。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含硫化合物およびエンジオール構造を有
    する化合物からなる群から選ばれる1種または2種以上
    の物質を配合してなることを特徴とする味噌または味噌
    加工食品。
  2. 【請求項2】 含硫化合物が、グルタチオン、グルタチ
    オン含有酵母、還元型グルタチオン、システインおよび
    シスチンからなる群から選ばれる1種または2種である
    請求項1記載の味噌または味噌加工食品。
  3. 【請求項3】 エンジオール構造を有する化合物が、ア
    スコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビ
    ン酸カルシウム、エリソルビン酸およびエリソルビン酸
    ナトリウムからなる群から選ばれる1種または2種であ
    る請求項1記載の味噌または味噌加工食品。
  4. 【請求項4】 含硫化合物とエンジオール構造を有する
    化合物とを併用した請求項1記載の味噌または味噌加工
    食品。
  5. 【請求項5】 含硫化合物を0.001重量%〜5.0
    重量%配合してなる請求項1記載の味噌または味噌加工
    食品。
  6. 【請求項6】 エンジオール構造を有する化合物を0.
    5重量%〜5.0重量%配合してなる請求項1記載の味
    噌または味噌加工食品。
  7. 【請求項7】 含硫化合物を0.001重量%〜5.0
    重量%、エンジオール構造を有する化合物を0.5重量
    %〜5.0重量%配合してなる請求項1記載の味噌また
    は味噌加工食品。
  8. 【請求項8】 ガスバリア性のフィルムの包材に封入し
    た請求項1記載の味噌または味噌加工食品。
  9. 【請求項9】含硫化合物およびエンジオール構造を有す
    る化合物からなる群から選ばれた物質を1種または2種
    以上配合することを特徴とする味噌または味噌加工食品
    の製造方法。
  10. 【請求項10】 得られた製品をガスバリア性のフィル
    ムの包材に封入する請求項9記載の製造方法。
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