JP2000234962A - 温度センサ及びその製造方法 - Google Patents

温度センサ及びその製造方法

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JP2000234962A JP3730099A JP3730099A JP2000234962A JP 2000234962 A JP2000234962 A JP 2000234962A JP 3730099 A JP3730099 A JP 3730099A JP 3730099 A JP3730099 A JP 3730099A JP 2000234962 A JP2000234962 A JP 2000234962A
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雅樹 岩谷
Masaru Hayakawa
賢 早川
Takaaki Chiyousokabe
孝昭 長曽我部
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高温使用時にサーミスタ素子雰囲気中の酸素濃
度を安定に保ち、サーミスタ素子の特性変化を抑えて温
度センサの検出精度の低下を抑えること。 【解決手段】温度センサ1を構成する金属チューブ3の
先端側には、サーミスタよりなるサーミスタ素子2が密
閉収容される。サーミスタ素子2に近接する金属チュー
ブ3、フランジ4及びシース8の表面には、0.5〜
5.0μmの膜厚を有する酸化クロムからなる酸化被膜
が設けられる。酸化被膜には、酸化クロムのみよりなる
被膜、酸化クロムを主体とする被膜が含まれる。サーミ
スタ素子2に近接する金属包囲部材3,4,8をクロム
元素を含有する耐熱合金(SUS309S,SUS31
0S)により形成し、それら金属包囲部材3,4,8を
水素−水蒸気雰囲気中で加熱処理することにより、各金
属包囲部材3,4,8の表面に酸化クロムが選択的に生
成されて酸化被膜が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、高温酸化雰囲気
下で使用される温度センサに係り、特に詳しくは、サー
ミスタ素子を有する温度センサ及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、負の温度係数を持つサーミスタ素
子を有する温度センサとして、サーミスタ素子がステン
レス合金製の金属チューブに収容され、そのチューブの
基部フランジに締付ナット及び継手等の金属部品が組み
付けられたものがある。この種の温度センサは、例え
ば、自動車の排気温度等を検出するために200〜10
00℃程度の高温雰囲気下で使用されることにより、金
属チューブの外面はもとより内面が急速に酸化すること
から、チューブ内部の酸素が著しく減少することにな
る。このように、金属チューブ内部の酸素が減少するこ
とにより、同チューブに収容されたサーミスタ素子の表
面が還元され、同素子に特性変化が生じて温度センサと
しての検出精度が低下するおそれがあった。
【0003】そこで、上記不具合に対処するために、金
属チューブの内側に通じる通気孔を設けたり、サーミス
タ素子周辺に位置する金属部品の表面にサーミスタ素子
を構成する金属酸化物より酸化物の平衡酸素分圧が高い
酸化被膜を生成したりしている。これにより、サーミス
タ素子周辺の酸欠時には、通気孔から金属チューブ内部
に酸素を取り入れたり、金属チューブ内部において酸化
被膜から酸素を放出させたりする等の措置がとられてい
る。
【0004】前者の対処手段として、例えば、温度セン
サの継手部分にゴアテックス製蓋により金属チューブ内
部に通じる通気孔を設けたものがある。後者の対処手段
として、例えば、特開昭50−11478号公報に開示
された「熱電対劣化防止用保護管」がある。この公報の
保護管(金属チューブ)は、一端が閉塞しており、高温
使用時に、内面の酸化を実質的に防ぐに十分な酸化被膜
が内面に形成されている。これにより、高温使用時に
は、保護管内面の酸化をそれ以上進まないように抑え、
保護管内の酸素濃度を一定に保つようにしている。この
公報の保護管内面の酸化処理の一例として、材質を現在
のSUS310Sに該当するSUS42(ニッケル、ク
ロムを含む)とし、所定寸法を有する一端閉管型の保護
管の最深部に酸素又は空気を毎分所定量吹き込みながら
その保護管を900℃の温度に保持する。そして、3時
間後に保護管内面の酸化が殆ど進行しなくなった時点で
酸化処理を終えるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記通気孔
による対処手段では、温度センサが自動車の排気温度を
検出するために使用された場合、オイルや泥等により通
気孔が塞がれるおそれがあった。又、保護管の中の酸素
分圧が低下しても通気孔により常に呼吸があるのではな
く、保護管が冷却され気体が収縮するときに通気孔から
保護管の中に外気が流入すると考えられる。従って、保
護管が加熱されている状態では、酸素分圧が低い状態に
なることから、通気孔を設けたとしても酸化被膜が必要
になると考えられる。
【0006】一方、酸化被膜による対処手段では、酸化
被膜の組成の点で問題があった。即ち、酸素分圧の高い
空気中(大気雰囲気中)で保護管の内面に酸化被膜を形
成した場合、保護管の金属を構成する全ての元素が酸化
されてしまい、各元素よりなる酸化被膜が複数層状に形
成されることになり、酸化被膜が非常に粗なものとなっ
てしまう。粗な酸化被膜では、その内側に存在する保護
管の金属表面を完全に保護することができず、金属表面
が露出した状態、或いは、金属表面と酸化被膜の界面に
空気層を巻き込んだ状態となる。このような状態では、
温度センサが使用される高温雰囲気下で、事前に形成さ
れた酸化被膜を剥離させながら新たな酸化が進行するこ
とになり、結果として、サーミスタ素子雰囲気の酸素濃
度を変化させてしまうことになる。
【0007】この発明は上記事情に鑑みてなされたもの
であって、その目的は、高温使用時にサーミスタ素子雰
囲気中の酸素濃度を安定に保ち、同素子の特性変化を抑
えて検出精度の低下を抑えることを可能にした温度セン
サ及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、サーミスタ素子を一又は
複数の包囲部材で形成される密閉空間内に収容した温度
センサにおいて、一又は複数の包囲部材のうち少なくと
も密閉空間内に露出しサーミスタ素子に近接して配置さ
れた金属部分の表面に実質的に酸化クロムからなる酸化
被膜を設けたことを趣旨としている。ここで、実質的に
酸化クロムからなる酸化被膜とは、例えば、金属部分が
耐熱合金を母材とした場合、酸化クロムのみよりなる被
膜、或いは、酸化クロムを主体として、例えば、酸化珪
素、酸化マンガン等を含み得る被膜を意味するものとす
る。
【0009】上記発明の構成によれば、包囲部材のうち
少なくとも密閉空間内に露出しサーミスタ素子に近接し
て配置された金属部分の表面が実質的に酸化クロムから
なる緻密な酸化被膜により覆われることになる。従っ
て、高温下で温度センサが使用されるときには、金属部
分の表面の酸化の進行が抑えられ、サーミスタ素子の周
囲の酸素濃度の低下が抑えられる。
【0010】上記目的を達成するために、請求項2に記
載の発明は、請求項1に記載の発明の温度センサにおい
て、酸化被膜の膜厚を0.5〜5.0μmにしたことを
趣旨とする。
【0011】ここで、酸化被膜の膜厚が0.5μm未満
の場合には、酸化被膜が不連続被膜となり金属部分の未
酸化表面の露出が多くなる。これに対して、上記発明の
構成によれば、酸化被膜を0.5μm以上の膜厚とした
ので、酸化被膜が連続被膜となり金属部分の未酸化表面
の露出がなくなる。一方、膜厚が5.0μmを越える
と、酸化被膜の内部応力が増大することにより、被膜に
ひび割れが生じて緻密さが失われ、被膜が剥離する傾向
を示すようになる。従って、膜厚を0.5〜5.0μm
の範囲に特定することにより、緻密で連続的な酸化被膜
が得られ、金属部品の前記部分の表面の酸化の進行が有
効に抑えられ、サーミスタ素子の周囲の酸素濃度の低下
が有効に抑えられる。
【0012】上記目的を達成するために、請求項3に記
載の発明は、サーミスタ素子を一又は複数の包囲部材で
形成される密閉空間内に収容した温度センサの製造方法
において、一又は複数の包囲部材のうち少なくとも密閉
空間内に露出しサーミスタ素子に近接して配置された金
属部分をクロム元素を含有する耐熱合金により形成し、
金属部分を水素−水蒸気雰囲気中で加熱処理することに
より、金属部分の表面に酸化クロムを選択的に生成させ
て酸化被膜を形成したことを趣旨とする。
【0013】上記発明の構成によれば、包囲部材のうち
少なくとも密閉空間においてサーミスタ素子に近接して
配置された金属部分の表面に実質的に酸化クロムからな
る緻密な酸化被膜が形成される。従って、高温下で温度
センサが使用されるときには、金属部分の表面の酸化の
進行が抑えられ、サーミスタ素子の周囲の酸素濃度の低
下が抑えられる。
【0014】上記目的を達成するために、請求項4に記
載の発明は、請求項3に記載の発明の温度センサの製造
方法において、金属部分を水素−水蒸気雰囲気中で加熱
処理するために、その金属部分を含む包囲部材を処理炉
に収容し、その処理炉には、20〜50℃に保たれた水
中を通して水分を含ませた水素ガスよりなるウエットガ
スと、ドライ水素よりなるドライガスとを1対1〜3の
割合で投入し、金属部分を1000〜1200℃の処理
温度で加熱処理したことを趣旨とする。
【0015】上記発明の構成によれば、請求項3の発明
における包囲部材の金属部分に、実質的に酸化クロムか
らなる酸化被膜が効率良く最適な厚さだけ形成される。
即ち、最適量の水蒸気を含む水素ガス中で、金属部分を
1000℃以上に加熱することにより、酸化被膜が効率
良く形成される。一方、金属部分を1200℃を越えて
加熱することにより、金属部分に変質が生じたり、酸化
被膜が急速に形成されたりして、被膜の緻密さが失われ
る。このため、処理温度は1200℃以下にするのが好
ましい。
【0016】上記目的を達成するために、請求項5に記
載の発明は、請求項4に記載の発明の温度センサの製造
方法において、金属部分を、1100〜1200℃の処
理温度で加熱処理したことを趣旨とする。
【0017】上記発明の構成によれば、金属部分を12
00℃を越えて加熱することにより、金属部分に変質が
生じたり、酸化被膜が急速に形成されたりして、被膜の
緻密さが失われるため、処理温度は1200℃以下にす
るのが好ましい。一方、処理温度を1100℃以上にす
ることにより、酸化被膜が更に効率良く生成されること
から、処理時間が数10分〜数時間程度に抑えられる。
【0018】上記目的を達成するために、請求項6に記
載の発明は、請求項3乃至請求項5のいずれかに記載の
温度センサの製造方法において、前記金属部分に、クロ
ム元素を少なくとも18重量%含有する耐熱合金を使用
したことを趣旨とする。
【0019】上記発明の構成によれば、請求項3乃至請
求項5の一つに記載の温度センサの製造方法の作用に加
え、耐熱合金中のクロム元素の含有率を少なくとも18
重量%にすることにより、実質的に酸化クロムからなる
酸化被膜が更に効率良く形成される。
【0020】
【発明の実施の形態】[第1の実施の形態]以下、この
発明の温度センサ及びその製造方法を具体化した第1の
実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0021】図1に温度センサ1の部分破断側面図を示
す。この温度センサ1は、自動車の排気通路に設けられ
て排気温度を検出するためのものである。温度センサ1
は、サーミスタ素子2を金属チューブ3の中に収容した
ものである。金属チューブ3は、その先端側3aが閉塞
し、基端側3bが開放される。金属チューブ3の基端側
3bには、フランジ4がアルゴン溶接される。フランジ
4の周囲には、六角ナット部5a及びネジ部5bを有す
るナット5が回動自在に挿入される。フランジ4の基端
側4aには、継手6がアルゴン溶接される。
【0022】金属チューブ3、フランジ4及び継手6の
内部には、一対のシース芯線7を内包するシース8が配
置される。金属チューブ3の内部においてシース8の先
端側8aから突出するシース芯線7には、サーミスタ素
子2がPt/Rh合金線9を介して接続される。この合
金線9は、サーミスタ素子2と同時に焼成されるもので
ある。合金線9及びシース芯線7は互いに抵抗溶接され
る。
【0023】金属チューブ3、シース芯線7及びシース
8は、SUS310S(Fe(鉄)以外に、C(炭
素),Si(ケイ素),Mn(マンガン),P(リ
ン),S(イオウ),Ni(ニッケル),Cr(クロ
ム)を含有する耐熱合金であって、24.00〜26.
00重量%でCrを含有する。)を材質とする。フラン
ジ4は、SUS309S(Fe以外に、C,Si,M
n,P,S,Ni,Crを含有する耐熱合金であって、
22.00〜24.00重量%でCrを含有する。)を
材質とする。継手6は、SUS304(Fe以外に、
C,Si,Mn,P,S,Ni,Crを含有する耐熱合
金であって、18.00〜20.00重量%でCrを含
有する。)を材質とする。
【0024】金属チューブ3の先端側3aの内部には、
酸化ニッケル製のペレット10が配置される。このペレ
ット10は、万一、金属チューブ3の内部の酸素濃度が
低下したときに、そのペレット10から酸素を放出させ
て酸素濃度の低下を抑えるためのものである。金属チュ
ーブ3の先端側3aの内部であってサーミスタ素子2及
びペレット10等の周囲にはセメント11が充填され
る。
【0025】継手6の内部においてシース8の基端側8
bへ突出すシース芯線7には、かしめ端子12を介して
一対のリード線13が接続される。これらリード線13
は、耐熱ゴム製の補助リング14に内包される。シース
芯線7及びリード線13は互いにかしめ端子12により
接続される。補助リング14が継手6の上から丸かしめ
又は六角かしめされることにより、両者14,6が気密
性を保ちながら互いに接合される。これにより、金属チ
ューブ3、フランジ4及び継手6の内部が密閉空間とな
る。即ち、サーミスタ素子2が、金属チューブ3、フラ
ンジ4及び継手6を金属包囲部材として形成される密閉
空間に収容されることになる。
【0026】この温度センサ1で特徴的なことは、金属
チューブ3、シース8及びフランジ4のうち少なくとも
前記密閉空間内に露出しサーミスタ素子2に近接して配
置された金属部分の表面に実質的に酸化クロム(Cr2
3)からなる酸化被膜(図示略)が設けられることで
ある。即ち、金属チューブ3及びフランジ4の少なくと
も内面、並びにシース8の外面には、それぞれ上記の酸
化被膜が設けられる。この実施の形態では、酸化被膜と
して、膜厚0.5〜5.0μmの連続被膜が上記金属包
囲部材3,4,8の表面に設けられる。ここで、実質的
に酸化クロムからなる酸化被膜は、各金属包囲部材3,
4,8がそれぞれ耐熱合金としてSUS310S,SU
S309Sから形成されることから、酸化クロムを主体
として、更に、後述する加熱処理においてクロム元素よ
りも平衡酸素分圧の低い、即ち酸化し易い添加元素の酸
化物である酸化珪素、酸化マンガン等を若干含むもので
ある。
【0027】この温度センサ1を製造するには、耐熱合
金としてのそれぞれSUS309S,SUS310Sよ
り形成された金属チューブ3、シース8及びフランジ4
を予め形成する。その他の部品2,5〜7,10〜14
も予め形成する。次に、各金属包囲部材3,4,8を、
水素−水蒸気雰囲気中で加熱処理することにより、これ
ら金属包囲部材3,4,8の表面に酸化クロムを選択的
に生成させて酸化被膜を形成する。この実施の形態で
は、各金属包囲部材3,4,8を水素−水蒸気雰囲気中
で加熱処理するために、各金属包囲部材3,4,8を処
理炉に収容して加熱処理することにより酸化被膜を形成
する。その後、上記酸化被膜が形成された各金属包囲部
材3,4,8と、その他の部品2,5〜7,10〜14
を互いに組み付けることにより、温度センサ1の製造を
完了する。
【0028】上記加熱処理に際して、処理炉には、20
〜50℃に保たれた水中を通して水分を含有させた水素
ガスよりなるウエットガスと、ドライ水素よりなるドラ
イガスとを1対1〜3の割合で投入し、各金属包囲部材
3,4,8を1000〜1200℃、望ましくは110
0〜1200℃の処理温度で0.5〜2.0時間ほど加
熱する。例えば、耐熱合金において主に用いられる鉄、
ニッケル、クロムの三つの元素について考えた場合、1
000〜1200℃の温度範囲では、クロムの酸化物の
平衡酸素分圧は、鉄及びニッケルのそれよりも低い。こ
こで、上記雰囲気中の酸素分圧が平衡酸素分圧以上であ
れば各金属元素の酸化物は安定に存在することができ
る。即ち、各金属元素が酸化されることになる。100
0〜1200℃の温度雰囲気でクロム元素のみを酸化さ
せようとした場合、その温度での酸化クロムの平衡酸素
分圧以上、酸化鉄及び酸化ニッケルの平衡酸素分圧以下
の雰囲気で処理することにより、クロム元素を選択的に
酸化させて酸化クロムを生成し酸化被膜を形成すること
ができる。
【0029】この実施の形態において、処理温度が10
00〜1200℃の範囲に設定されるのは、温度センサ
1が1000℃前後の高温条件下で使用されることか
ら、少なくともその使用温度に耐えられることが必要だ
からである。処理温度の下限を1000℃としたのは、
それより低い温度では、酸化被膜の生成速度が遅く効率
的でないからであり、クロム元素を選択的に酸化させる
のに必要な酸素分圧が低くなり過ぎて酸素分圧のコント
ロールが難しいからである。一方、処理温度の上限を1
200℃としたのは、それより高い温度では、耐熱合金
に変質を生じるおそれがあり、クロム元素の酸化が急激
に進行して酸化被膜の緻密さが失われるおそれがあるか
らである。
【0030】ここで、酸化クロムよりなる酸化被膜とし
て有効な膜厚は0.5〜5.0μmであった。そして、
上記範囲の膜厚を得るのに必要な温度が1000〜12
00℃であり、その温度範囲において酸化クロムよりな
る酸化被膜を得るのに必要な酸素分圧は、酸化鉄及び酸
化ニッケルを得るのに必要な酸素分圧よりも低いものと
考えられる。つまり、鉄元素及びニッケル元素が酸化し
ない酸素分圧で耐熱合金を酸化させることにより、クロ
ム元素のみを選択的に酸化させて酸化被膜を生成するこ
とができるのである。
【0031】上記のように構成した温度センサ1によれ
ば、サーミスタ素子2が金属チューブ3、フランジ4及
び継手6により形成される密閉空間に収容されるものに
おいて、金属チューブ3、シース8及びフランジ4のう
ち少なくとも密閉空間内に露出しサーミスタ素子2に近
接して配置された金属部分の表面が実質的に酸化クロム
からなる緻密な酸化被膜により覆われる。従って、温度
センサ1が1000℃前後の高温下で使用され、サーミ
スタ素子2に近接して配置された金属チューブ3、シー
ス8及びフランジ4等の金属包囲部材が酸化しようとし
ても、既にこれらの金属包囲部材3,4,8の表面に酸
化被膜が形成されているため、金属チューブ3等の金属
包囲部材の表面の酸化の進行が抑えられ、サーミスタ素
子2の周囲の酸素濃度の低下が抑えられる。この結果、
サーミスタ素子2の特性変化を抑えることができ、温度
センサ1による温度検出の精度低下を抑えることができ
るようになる。
【0032】特に、この実施の形態の温度センサ1で
は、酸化被膜が実質的に酸化クロムより形成されること
から、被膜が緻密になる。従って、この温度センサ1に
よれば、金属チューブ3等の金属包囲部材を構成する耐
熱合金中の複数の金属元素を酸化させることにより生成
される粗な酸化被膜とは異なり、各金属包囲部材3,
4,8の表面に形成された酸化被膜を剥離させながら新
たな酸化が進行することはない。このため、高温時に生
じる各金属包囲部材3,4,8の酸化の進行を抑えるこ
とができ、金属チューブ3等より形成される密閉空間内
に露出したサーミスタ素子2の周囲、即ち素子雰囲気中
の酸素濃度を安定的に保つことができるようになる。
【0033】[実施例1]ここで、膜厚の薄い(約0.
3〜0.4μm)酸化被膜(不連続被膜)を形成した各
金属包囲部材3,4,8(酸化皮膜薄品)を使用して製
造されたこの実施の形態の温度センサ1につき、サーミ
スタ素子2を加熱したときの抵抗値の変化を評価した。
この実施例1では、処理温度を1040℃とし、水温3
0℃の水中を通したウエット水素ガスとドライ水素ガス
の比を1:1とした水素−水蒸気雰囲気中で1時間だけ
加熱処理することにより、各金属包囲部材3,4,8の
表面に選択的に生成された酸化クロムよりなる酸化皮膜
を形成し、それらの金属包囲部材3,4,8を使用して
温度センサ1を製造した。
【0034】この温度センサ1につき、初期の900℃
の抵抗値(Rb900)を測定した。その後、測定され
たサーミスタ素子2を1000℃の温度条件下で150
時間ほど連続放置し、放置後(耐久後)の900℃の抵
抗値(Ra900)を測定した。そして、それら測定値
から次式(1)に基づいて加熱による抵抗値の変化率を
得た。 変化率=(Ra900−Rb900)/Rb900*100 …(1) 表1にその評価結果を示す。
【0035】
【表1】
【0036】[比較例]これに対し、金属チューブを処
理温度1050℃の大気雰囲気中で、即ち、実施例1の
場合よりも高い酸素分圧下で1時間だけ加熱処理するこ
とにより、クロムの他、鉄、ニッケル等の金属元素も酸
化させてなる酸化被膜を形成した。そして、その金属チ
ューブを使用した温度センサにつき、上記と同様に耐久
後の抵抗値の変化を評価した。表2にその評価結果を示
す。
【0037】
【表2】
【0038】表1及び表2の対比により明なように、実
施例1の温度センサ1の方が、比較例の温度センサより
も抵抗値の変化率が相対的に小さいことが分かる。即
ち、酸化クロムを選択的に生成させて酸化被膜を形成し
た金属包囲部材を使用した実施例1の温度センサ1は、
鉄、ニッケル等の酸化物も含む酸化被膜を形成した金属
チューブを使用した比較例の温度センサに比べ、サーミ
スタ素子の抵抗値の変化率が半分程度まで抑えられ、抵
抗値が相対的に安定していることが分かる。
【0039】[実施例2]次に、膜厚の厚い(約1〜2
μm)酸化被膜(連続被膜)を形成した各金属部品3,
4,8(酸化皮膜厚品)を使用してなる本実施の形態の
温度センサ1につき、サーミスタ素子2を加熱したとき
の抵抗値の変化を上記実施例1と同様に評価した。本実
施例2では、処理温度を1150℃とし、35℃の水中
を通したウェット水素とドライ水素の比を1:2.2と
した水素−水蒸気雰囲気中で1時間だけ加熱処理するこ
とにより、各金属包囲部材3,4,8の表面に選択的に
生成された酸化クロムよりなる酸化皮膜を形成し、それ
らを使用して温度センサ1を製造した。表3にその評価
結果を示す。
【0040】
【表3】
【0041】表1及び表3の対比から明なように、酸化
皮膜厚品を使用した実施例2の温度センサ1の方が、酸
化皮膜薄品を使用した実施例1の温度センサ1よりも抵
抗値の変化率が極めて小さいことが分かる。即ち、酸化
クロムを選択的に生成させて酸化被膜を形成した金属包
囲部材を使用した温度センサ1につき、酸化皮膜(連続
皮膜)の膜厚が1〜2μm程度のものの方が、酸化皮膜
(不連続皮膜)の膜厚が0.3〜0.4μm程度のもの
よりも、サーミスタ素子の抵抗値の変化率が一桁前後の
違いで低く、抵抗値が極めて安定していることが分か
る。
【0042】ここで、酸化被膜薄品では連続被膜の酸化
被膜厚品よりも被膜が不連続である分だけ金属表面の露
出が多いことから、加熱耐久試験の過程で、サーミスタ
素子2の周辺の金属包囲部材3,4,8の酸化が進行し
て酸素が奪われることになり、同素子2を囲む雰囲気の
酸素分圧が低下する傾向があり、この結果として、サー
ミスタ素子2の特性変化が相対的に大きいと考えられ
る。この現象を裏付けるために、上記加熱耐久試験後の
金属チューブ3の内側の酸化皮膜の状態を確認したとこ
ろ、実施例1の酸化皮膜薄品では、20μm程度まで酸
化皮膜が成長し、皮膜は不連続な塊となっていることが
確認できた。一方で、実施例2の酸化皮膜厚品では、酸
化が進行しているものの、酸化皮膜の成長は最大でも1
0μm程度に止まり、酸化の進行が抑えられていること
が確認できた。
【0043】以上説明したように、この実施の形態の温
度センサ1によれば、金属チューブ3、フランジ4及び
シース8のうち少なくとも密閉空間内に露出しサーミス
タ素子2に近接して配置された金属部分の表面、即ち、
金属チューブ3の内面、フランジ4の内面及びシース8
の外面が酸化クロムからなる緻密な酸化被膜により覆わ
れる。従って、高温下で温度センサ1が使用されるとき
には、各金属包囲部材3,4,8の表面の酸化の進行が
抑えられ、サーミスタ素子2の周囲の酸素濃度の低下が
抑えられる。この結果、温度センサ1が高温で使用され
るときに、密閉空間においてサーミスタ素子2を囲む雰
囲気中の酸素濃度を安定に保つことができ、サーミスタ
素子2の特性変化を抑えて温度センサ1の検出精度の低
下を抑えることができるという効果が得られる。即ち、
高温下でも安定した動作特性を示す温度センサ1を得る
ことができるようになった。
【0044】この実施の形態の温度センサ1によれば、
金属チューブ3、フランジ4及びシース8の表面に形成
された酸化被膜の膜厚が0.5μm未満では、酸化被膜
が不連続被膜となり各金属包囲部材3,4,8の表面の
露出が多くなる。0.5〜5.0μmの膜厚では酸化被
膜が連続被膜となり、各金属包囲部材3,4,8の表面
の露出がなくなる。一方で、膜厚が5.0μmを越える
と、酸化被膜の内部応力が増大し、ひび割れを生ずるな
どして被膜の緻密さが失われ、被膜が剥離する傾向を示
すようになる。従って、各金属包囲部材3,4,8の表
面に形成される酸化被膜の膜厚が0.5〜5.0μmの
範囲に特定されることにより、緻密で連続的な酸化被膜
が得られ、各金属包囲部材3,4,8の少なくともサー
ミスタ素子2に近接する金属部分の表面の酸化の進行が
有効に抑えられ、サーミスタ素子2を囲む雰囲気中の酸
素濃度の低下が有効に抑えられる。これにより、上記し
た酸化被膜の効果を高めることができるようになる。
【0045】この実施の形態の温度センサ1の製造方法
では、密閉空間内に露出しサーミスタ素子2に近接して
配置される金属チューブ3、フランジ4及びシース8を
クロム元素を含有する耐熱合金(SUS309S,SU
S310S)により形成している。そして、それら各金
属包囲部材3,4,8を水素−水蒸気雰囲気中で加熱処
理することにより、各金属包囲部材3,4,8の表面に
酸化クロムを選択的に生成させて酸化被膜を形成するよ
うにしている。従って、密閉空間内に露出しサーミスタ
素子2に近接して配置された各金属包囲部材3,4,8
の表面に実質的に酸化クロムからなる緻密な酸化被膜が
形成される。これにより、前述した効果を有する温度セ
ンサ1を得ることができる。
【0046】この実施の形態では、上記製造方法におけ
る加熱処理方法を具体化するために、各金属包囲部材
3,4,8を処理炉に収容し、その処理炉には、20〜
50℃に保たれた水中を通して水分を含ませた水素ガス
よりなるウエットガスと、ドライ水素よりなるドライガ
スとを1対1〜3の割合で投入し、各金属包囲部材3,
4,8を1000〜1200℃、望ましくは1100〜
1200℃の処理温度で加熱処理するようにしている。
従って、1000℃以上で加熱処理したので、各金属包
囲部材3,4,8の表面に酸化被膜が効率良く生成され
る。特に、処理温度を1100℃以上にすることによ
り、酸化被膜が更に効率良く生成されることになる。一
方、1200℃以下で加熱処理したので、各金属包囲部
材3,4,8に変質が生じることがなく、酸化被膜が急
速に生成されることがなく、緻密な被膜が生成される。
この結果として、各金属包囲部材3,4,8の表面に緻
密な酸化被膜を形成するための時間を短縮することがで
き、温度センサ1の製造時間の短縮化を図ることができ
る。
【0047】この実施の形態の温度センサ1の製造方法
では、各金属包囲部材3,4,8として、クロム元素を
少なくとも18重量%含有する耐熱合金、即ちSUS3
09S及びSUS310Sを使用している。従って、ク
ロム元素の含有率が少なくとも18重量%に特定される
ことにより、緻密な酸化被膜が効率良く形成される。こ
れによっても、酸化被膜の形成時間を短縮し、温度セン
サ1の製造時間の短縮化を図ることができる。
【0048】[第2の実施の形態]次に、本発明の温度
センサを具体化した第2の実施の形態を図面に従って説
明する。尚、本実施の形態を含む以下の各実施の形態に
おいて、前記第1の実施の形態の温度センサ1と同一構
成については同一符号を付して説明を省略し、異なった
点を中心に説明する。
【0049】図2に本実施の形態の温度センサ21の断
面図を示す。この温度センサ21では、金属チューブ3
そのものが省略され、シース8とキャップ22とにより
金属チューブが代用される点で前記温度センサ1と構成
が異なる。シース8とキャップ22はシース先端部8a
においてカシメにより仮固定され、円周溶接される。キ
ャップ22の内部には、酸化ニッケルからなるペレット
10及びセメント11が埋設され、先端が盛り材23に
より封止される。シース8、キャップ22及び盛り材2
3はそれぞれSUS310Sを材質とする。本実施の形
態では、シース8とキャップ22、又は、キャップ22
の表面(少なくとも内面又は外面)に、それ以上酸化を
進行し難くしてサーミスタ素子2の雰囲気中の酸素分圧
を安定させるために、選択的に生成された酸化クロムよ
りなる厚さ約1μmの酸化被膜が予め形成される。この
酸化被膜は、シース8及びキャップ22を、水温35℃
の水中を通したウェット水素ガスとドライ水素ガスを
1:2.2の比で加えた水素−水蒸気雰囲気中で115
0℃の温度で加熱処理することにより得られたものであ
る。
【0050】従って、本実施の形態の温度センサ21に
よれば、サーミスタ素子2に近接するキャップ22、シ
ース8の表面に酸化クロムよりなる緻密な酸化被膜が形
成されることから、第1の実施の形態と同様の作用及び
効果を得ることができる。
【0051】[第3の実施の形態]次に、本発明の温度
センサを具体化した第3の実施の形態を図面に従って説
明する。
【0052】図3に本実施の形態の温度センサ31の断
面図を示す。この温度センサ31でも金属チューブその
ものが省略され、シース8とキャップ22とにより金属
チューブが代用される点で前記温度センサ1と構成が異
なる。シース8とキャップ22とは外形が等しく形成さ
れ、シース先端部8aとキャップ基端部22aの端面が
突き合わせ溶接される。キャップ22の内部には、ペレ
ット10及びセメント11が埋設され、先端が盛り材2
3により封止される。シース8、キャップ22及び盛り
材23はそれぞれSUS310Sを材質としている。本
実施の形態では、シース8とキャップ22、又は、キャ
ップ22の表面(少なくとも内面又は外面)に、それ以
上酸化を進行し難くしてサーミスタ素子2の雰囲気中の
酸素分圧を安定させるために、選択的に生成された酸化
クロムよりなる厚さ約1μmの酸化被膜が予め形成され
る。この酸化被膜は、シース8及びキャップ22を、水
温35℃の水中を通したウェット水素ガスとドライ水素
ガスを1:2.2の比で加えた水素−水蒸気雰囲気中で
1150℃の温度で加熱処理することにより得られたも
のである。
【0053】従って、本実施の形態の温度センサ31に
よれば、サーミスタ素子2に近接するキャップ22、シ
ース8の表面に酸化クロムよりなる緻密な酸化被膜が形
成されていることから、第1の実施の形態と同様の作用
及び効果を得ることができる。
【0054】尚、この発明は前記各実施の形態に限定さ
れるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範
囲で適宜に変更して実施することもできる。
【0055】例えば、前記第1の実施の形態では、酸化
被膜が予め形成される各金属包囲部材3,4,8の材質
に、耐熱合金としてのSUS309S、SUS310S
を使用した。これに対して、クロム元素を少なくとも1
8重量%含む耐熱合金として、例えば、SUS304、
SUS304L、SUS304N1、SUS304J
3、SUS305、SUS305J1を使用することも
できる。
【0056】
【発明の効果】請求項1に記載の発明の構成によれば、
温度センサ1が高温で使用されるときに、密閉空間に露
出しサーミスタ素子に近接して配置された金属部分の表
面の酸化の進行が抑えられ、密閉空間におけるサーミス
タ素子を囲む雰囲気中の酸素濃度の低下が抑えられる。
このため、高温使用時に密閉空間におけるサーミスタ素
子を囲む雰囲気中の酸素濃度を安定に保つことができ、
サーミスタ素子の特性変化を抑えて温度センサの検出精
度の低下を抑えることができる。
【0057】請求項2に記載の発明の構成によれば、金
属部分の表面に形成される酸化被膜の膜厚が0.5〜
5.0μmの範囲に特定されることにより、緻密で連続
的な酸化被膜が得られ、少なくともサーミスタ素子に近
接する金属部分の表面の酸化の進行が有効に抑えられ、
サーミスタ素子を囲む雰囲気中の酸素濃度の低下が有効
に抑えられる。このため、請求項1に記載した発明の酸
化被膜の効果を高めることができる。
【0058】請求項3に記載の発明の構成によれば、密
閉空間内に露出しサーミスタ素子に近接して配置された
金属部分の表面に実質的に酸化クロムからなる緻密な酸
化被膜が形成される。このため、高温使用時にサーミス
タ素子を囲む雰囲気中の酸素濃度を安定に保ち、サーミ
スタ素子の特性変化を抑えて検出精度の低下を抑えるこ
とのできる温度センサを得ることができる。
【0059】請求項4に記載の発明の構成によれば、金
属部分の表面に緻密な酸化被膜が効率良く形成される。
このため、酸化被膜の形成時間を短縮することができ、
温度センサの製造時間の短縮化を図ることができる。
【0060】請求項5に記載の発明の構成によれば、金
属部分の表面に緻密な酸化被膜が皿に効率良く形成され
る。このため、酸化被膜の形成時間を短縮することがで
き、温度センサの製造時間の短縮化を図ることができ
る。
【0061】請求項6に記載の発明の構成によれば、請
求項3乃至請求項5の一つに記載の発明の作用・効果に
加え、クロム元素の含有率が少なくとも18重量%に特
定されることにより、緻密な酸化被膜が効率良く形成さ
れる。このため、酸化被膜の形成時間を短縮することが
でき、温度センサの製造時間の短縮化を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係り、温度センサを示す部
分破断側面図である。
【図2】第2の実施の形態に係り、温度センサを示す側
断面図である。
【図3】第3の実施の形態に係り、温度センサを示す側
断面図である。
【符号の説明】
1 温度センサ 2 サーミスタ素子 3 金属チューブ(包囲部材) 4 フランジ(包囲部材) 8 シース(包囲部材) 21 温度センサ 22 キャップ(包囲部材) 31 温度センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長曽我部 孝昭 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 Fターム(参考) 2F056 QC01 QC04 QC10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サーミスタ素子を一又は複数の包囲部材
    で形成される密閉空間内に収容した温度センサにおい
    て、 前記一又は複数の包囲部材のうち少なくとも前記密閉空
    間内に露出し前記サーミスタ素子に近接して配置された
    金属部分の表面に実質的に酸化クロムからなる酸化被膜
    を設けたことを特徴とする温度センサ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の温度センサにおいて、 前記酸化被膜の膜厚を0.5〜5.0μmにしたことを
    特徴とする温度センサ。
  3. 【請求項3】 サーミスタ素子を一又は複数の包囲部材
    で形成される密閉空間内に収容した温度センサの製造方
    法において、 前記一又は複数の包囲部材のうち少なくとも前記密閉空
    間内に露出し前記サーミスタ素子に近接して配置された
    金属部分をクロム元素を含有する耐熱合金により形成
    し、 前記金属部分を水素−水蒸気雰囲気中で加熱処理するこ
    とにより、前記金属部分の表面に酸化クロムを選択的に
    生成させて酸化被膜を形成したことを特徴とする温度セ
    ンサの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の温度センサの製造方法
    において、 前記金属部分を水素−水蒸気雰囲気中で加熱処理するた
    めに、前記金属部分を含む前記包囲部材を処理炉に収容
    し、その処理炉には、20〜50℃に保たれた水中を通
    して水分を含ませた水素ガスよりなるウエットガスと、
    ドライ水素よりなるドライガスとを1対1〜3の割合で
    投入し、前記金属部分を1000〜1200℃の処理温
    度で加熱処理したことを特徴とする温度センサの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の温度センサの製造方法
    において、 前記金属部分を、1100〜1200℃の処理温度で加
    熱処理したことを特徴とする温度センサの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項3乃至請求項5のいずれかに記載
    の温度センサの製造方法において、 前記金属部分に、クロム元素を少なくとも18重量%含
    有する耐熱合金を使用したことを特徴とする温度センサ
    の製造方法。
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