JP2017015504A - 温度センサ - Google Patents

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Yasuhisa Kuzutani
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Abstract

【課題】高温環境下での使用時間の経過に伴う温度検出精度の変化が生じがたい温度センサを提供する。【解決手段】温度センサ1は、金属チューブ9(内筒9)と同軸に配置され、金属チューブ9を覆う筒状の外筒120を備えている。外筒120は、その表面に酸化被膜を備えるとともに、放射率εが0.43以上となるように構成されている。このように、外筒120の放射率εが0.43以上である場合には、図3の測定結果に示すように、高温環境下での温度センサ1の使用時間の経過に対する、感温素子3による検出温度の変化量(温度変化量)を一定範囲内に抑制することができる。よって、温度センサ1によれば、高温環境下での使用時間の経過に伴う温度検出精度の変化が生じがたくなる。【選択図】 図3

Description

本発明は、感温素子を備える温度センサに関する。
サーミスタ素子やPt抵抗体素子などの感温素子を備える温度センサは、測定対象流体(気体、液体など)の温度を検出する用途に用いることができる。なお、測定対象流体としては、例えば、自動車の排気ガスなどの気体や、内燃機関の冷却水温度や潤滑油温度などの液体が挙げられる。
そして、このような温度センサとして、感温素子を収容する内筒と、その内筒を覆う外筒と、を備える温度センサが知られている(特許文献1)。
このような温度センサに備えられる外筒は、内筒に測定対象流体(気体、液体など)が直接触れるのを抑制して、内筒の急激な温度変化を抑制するために備えられる。つまり、外筒は、急激な温度変化を抑制して、温度変化に起因する応力の発生を抑制することで、感温素子と他部材(例えば、シース部材のシース芯線)との電気的な接続経路に断線が発生するのを低減できる。
特許第5155246号公報 特許第5198934号公報
しかし、温度センサが高温環境下で使用されると、外筒に酸化被膜が形成されてしまい、酸化被膜の形成に伴い外筒の放射率が変化することにより、温度センサの温度検出精度が変化する虞がある。
つまり、高温環境下での温度センサの使用時間の経過に伴い、外筒の全体に酸化被膜が形成されると、その後は、外筒の放射率は一定値となり安定するが、酸化被膜が形成されるまでの間は、酸化被膜の形成状態の進行状況によって外筒の放射率が徐々に変化する。このような放射率の変化が生じている間は、外筒から感温素子までの熱伝導に変化が生じて、感温素子による検出温度が変化してしまい、温度センサの温度検出精度が変化する虞がある。
そこで、本発明は、高温環境下での使用時間の経過に伴う温度検出精度の変化が生じがたい温度センサを提供することを目的とする。
本発明の1つの局面における温度センサは、感温素子と、シース部材と、内筒と、外筒と、を備える。
感温素子は、温度に応じて電気的特性が変化する感温部と、感温部から延びる一対の素子電極線と、を有する。シース部材は、素子電極線に接合部を介して接続されるシース芯線と、シース芯線を絶縁材の間に内包するシース外管と、を有する。
内筒は、有底筒状をなし、先端となる底部側に少なくとも感温素子及び接合部を収容し、素子電極線およびシース芯線の延びる延伸方向に延びる金属製の部材である。
外筒は、自身の内部に測定対象流体を導入する流体導入部を有する筒状に形成される金属製の部材である。外筒は、内筒のうち接合部の収容領域を少なくとも収容するとともに、延伸方向における接合部より先端側の領域が内筒とは離間して配置される。
さらに、外筒は、その表面に酸化被膜を備えるとともに、少なくとも延伸方向における接合部より先端側の領域の放射率が0.43以上となるように構成されている。
このように、外筒の放射率が0.43以上である場合には、後述する測定結果(図3参照)に示すように、高温環境下での温度センサの使用時間の経過に対する、感温素子による検出温度の変化量(換言すれば、温度変化量)を一定範囲内に抑制することができる。
よって、この温度センサによれば、高温環境下での使用時間の経過に伴う温度検出精度の変化が生じがたくなる。
なお、測定対象流体としては、例えば、液体、気体が挙げられる。
また、この温度センサは、延伸方向における接合部より先端側の領域において、外筒と内筒とが離間して配置されるため、急激な温度変化による外筒の収縮に内筒が追随することがなく、内筒の収縮量が少なくなる。特に、接合部を外筒が遮蔽しているので、温度変化による内筒の収縮に起因して接合部に生ずる剪断応力等の応力を緩和する事ができる。これにより、温度変化に起因する応力によって温度センサが破損することを抑制できる。
さらに、この温度センサは、外筒が流体導入部を有することで、測定対象流体が流体導入部を介して内筒に到達するため、測定対象流体が内筒に直接接触しない構成に比べて、内筒に収容された感温素子の温度検出における応答性の低下を抑制しつつ、測定対象流体の温度を精度よく測定することができる。
また、放射率の測定方法としては、例えば、放射温度計を用いる方法が挙げられる。放射温度計を用いた放射率の測定方法は、まず、接触式の温度センサ(測温抵抗体、熱電対など)を用いて実際の対象物温度を測定する。その後、放射温度計における放射率設定値(0.10〜0.99の範囲内)を任意の値に設定した状態で対象物温度を測定する。このとき、放射温度計での測定温度が接触式の温度センサでの測定温度と異なる場合には、放射温度計の放射率設定値を別の値に変更する。このような放射率設定値の変更を繰り返して、放射温度計での測定温度が接触式の温度センサでの測定温度と等しくなるまで、放射率設定値を調整する。放射温度計での測定温度が接触式の温度センサでの測定温度と等しくなった時の放射率設定値が、対象物の放射率である。
次に、上述の温度センサにおいては、外筒は放射率が0.58以上であってもよい。
このように、外筒の放射率が高くなることで、高温環境下での温度センサの使用時間の経過に対する、感温素子による検出温度の変化量をより小さくすることができる。具体的には、感温素子による検出温度の変化量を2.0℃以下に制限することができる。
次に、上述の温度センサにおいては、外筒は放射率が0.66以上であってもよい。
このように、外筒の放射率が高くなることで、高温環境下での温度センサの使用時間の経過に対する、感温素子による検出温度の変化量をより小さくすることができる。具体的には、感温素子による検出温度の変化量を1.0℃以下に制限することができる。
次に、上述の温度センサにおいては、流体導入部は、外筒のうちシース芯線の先端よりも先端側領域に形成されてもよい。
このように、外筒における流体導入部の形成位置を定めることで、流体導入部を通過して外筒の内部に導入された測定対象流体が、内筒のうち感温素子の配置領域に近い部位に到達しやすくなる。これにより、感温素子による温度検出の応答速度が低下することを抑制できる。
よって、この温度センサによれば、高温環境下での使用時間の経過に伴う温度検出精度の変化が生じがたくなるとともに、温度検出の応答速度の応答速度が低下することを抑制できる。
次に、上述の温度センサにおいては、外筒は、先端に流体導入部としての開口部を有する筒状に形成され、延伸方向において接合部より先端側でかつ内筒の底部より後端側の領域に開口部が配置されてもよい。
この温度センサにおいては、内筒のうち少なくとも一部が、外筒における先端の開口部から外部に露出する状態で配置される。この場合、内筒のうち感温素子の感温部が配置される部位が常に測定対象流体に曝されるので、感温部の応答性がさらに向上し、測定対象流体の温度の測定精度がより一層向上する。
次に、上述の温度センサにおいては、外筒は、有底筒状に形成され、内部に内筒を収容する構成であってもよい。
外筒が、有底筒状に形成され、内部に内筒を収容する構成を採ることで、内筒が外筒で遮蔽されるため、温度センサが高温域から低温域へ急冷された際、外周側の外筒から冷却が始まり外筒は収縮するものの、外筒で遮蔽されている内筒には急激な温度変化が伝わり難くなる。これにより、温度変化に起因して内筒に生ずる剪断応力等の応力を緩和することができ、内筒の破損を抑制できる。
なお、この温度センサは、測定対象流体が流体導入部を介して内筒に到達するため、内筒に収容された感温素子の温度検出における応答性の低下を抑制しつつ、測定対象流体の温度を精度よく測定することができる。
本発明の温度センサによれば、高温環境下での使用時間の経過に伴う温度検出精度の変化が生じがたくなる。
温度センサの一部を破断して内部構造を示した説明図である。 温度センサのうち外筒を含む先端部分を延伸方向に平行な面で切断した端面の拡大端面図であり、(a)は高温時の状態を示しており、(b)は低温時の状態を示している。 温度センサにおける耐久試験の測定結果である。 第2温度センサの一部を破断して内部構造を示した説明図である。 第2温度センサのうち第2外筒を含む先端部分を延伸方向に平行な面で切断した端面の拡大端面図であり、(a)は高温時の状態を示しており、(b)は低温時の状態を示している。
以下、本発明が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
尚、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
[1.第1実施形態]
[1−1.全体構成]
まず、本実施形態に係る温度センサの構造を説明する。
図1は、温度センサ1の一部を破断して内部構造を示した説明図である。
温度センサ1は、内燃機関の排気管などの流通管に装着されることにより、測定対象流体が流れる流通管内に配置されて、測定対象流体(排気ガス)の温度検出に用いられるものである。排気ガスの温度が0℃前後の低温域から1000℃前後の高温域まで急激に変化するのに伴って、温度センサ1も上記温度範囲内で上昇−冷却する冷熱サイクルを受ける。
なお、ここでは、温度センサ1の長手方向が延伸方向であり、図1の上下方向である。また、温度センサ1の先端側は図1の下側であり、後端側は図1の上側である。
この温度センサ1には、感温素子3と、シース部7と、金属チューブ9(内筒9ともいう)と、外筒120と、取付部11と、ナット部13と、が主に設けられている。
感温素子3は、測定対象流体が流れる流通管内に配置される測温素子(感温素子)であり、金属チューブ9の内部に配置されるものである。
感温素子3は、温度によって内部の金属抵抗体の電気的特性(電気抵抗値)が変化する感温部4と、この感温部4に接続された一対の出力線5(素子電極線5)と、を備えている。
感温部4は、サーミスタ素子、Pt抵抗体等を用いて構成される。感温部4として、サーミスタ素子(サーミスタ焼結体)を用いる場合には、例えば、(Sr,Y)(Al,Mn,Fe)Oをベース組成としたペロブスカイト型酸化物を用いることができる。
シース部7は、金属製のシース外管17と、導電性金属で構成された一対の金属芯線15(シース芯線15)と、シース外管17と2本のシース芯線15との間を電気的に絶縁してシース芯線15を保持する絶縁粉末(図示せず)と、を備えている。つまり、シース部7は、一対のシース芯線15をシース外管17の内側にて絶縁保持するよう構成されている。
一般に、感温素子3の素子電極線5は、高価な材料(例えば、Pt−Rh線等)で形成されるが、感温素子3で生成される検出信号を伝達するシース芯線15は、安価な材料(例えば、SUS等)で形成することでコストダウンが図られている。
金属チューブ9は、延伸方向に延びる筒状の部材の先端側を閉塞して形成した有底筒状の部材であり、耐腐食性金属(例えば、耐熱性金属でもあるSUS310Sなどのステンレス合金)を用いて形成されたものである。
金属チューブ9は、鋼板の深絞り加工によりチューブ先端19(底部19)が閉塞した延伸方向に延びる筒状に形成され、筒状のチューブ後端が開放した形状に形成されている。また、金属チューブ9は、チューブ後端側が取付部11の内面に当接するように、延伸方向寸法が設定されている。
更に、金属チューブ9の内部には、感温素子3およびセメント23(保持部材23)が配置されている。この金属チューブ9には、先端部分に小径部25が形成され、その後端側に小径部25よりも径が大きな大径部27が形成されている。そして、この小径部25および大径部27の間は、段差部29により接続されている。
セメント23は、感温素子3の周囲に充填されるものであり、感温素子3を保持してその揺動を抑制するものである。セメント23は、熱伝導率が高く、高耐熱、高絶縁性の材料を用いて構成される。
セメント23としては、例えば、AlやMgOなどの酸化物、AlNやTiNやSiやBN等の窒化物、および、SiCやTiCやZrC等の炭化物が主体のセメントを用いてもよい。または、セメント23としては、AlやMgOなどの酸化物、AlNやTiNやSiやBN等の窒化物、および、SiCやTiCやZrC等の炭化物が主体で、AlやSiOやMgO等の無機バインダーを混合したセメントを用いてもよい。
外筒120は、金属チューブ9と同軸に配置され、金属チューブ9を覆う筒状の金属製(本実施形態では、SUS310Sを使用)の部材である。
外筒120は、両端が金属チューブ9を挿通可能な大きさに開口した筒状であり、先端120aに、測定対象流体(排気ガス)を内部に導入する流体導入部(ガス導入部)としての開口部120cを有する。外筒120は、金属チューブ9のうち取付部11より先端側に位置する部分のほぼ中央位置に加締部120b(固定部120b)を備える。外筒120は、加締部120bによって金属チューブ9に固定される。外筒120の先端120aは、金属チューブ9の先端よりわずかに後端側に位置し、外筒120の後端は、取付部11(詳細には、後述する突出部31の取付座面35)まで延びている。
排気管のセンサ取り付け位置のうち、外筒120が配置される部位の内径は、外筒120の外径よりわずかに大きく、外筒120を収容可能に構成されている。
取付部11は、金属チューブ9を支持する筒状の部材であり、少なくとも金属チューブ9の先端が外部に露出する状態で金属チューブ9の後端側の外周面を取り囲んで、金属チューブ9を支持するものである。この取付部11には、径方向外側に突出する突出部31と、突出部31の後端側に位置すると共に延伸方向に延びる後端側鞘部33と、が設けられている。
突出部31は、先端側に取付座面35が設けられた環状の部材である。取付座面35は、先端側に向かって径が小さくなるテ―パ形状に形成されており、排気管のセンサ取り付け位置の形状に対応したものである。排気管のセンサ取り付け位置は、取付座面35に当接する部位として、後端側に向かって径が大きくなるテ―パ部を備えて形成されている。
なお、取付部11は、排気管のセンサ取り付け位置に配置されると、取付座面35がセンサ取り付け位置のテーパ部に密着して、排気管から外部への排気ガスの漏出を抑制する。
後端側鞘部33は、筒状に形成された部材であり、この後端側鞘部33には、先端側に位置する第1段部37と、第1段部37よりも外径が小さな第2段部38と、が形成されている。
取付部11が金属チューブ9の後端部に圧入された後、第2段部38と金属チューブ9とをレーザ溶接することで、取付部11および金属チューブ9が互いに固定されている。
ナット部13は、六角ナット部39およびネジ部41を有する筒状の部材である。ナット部13は、取付部11のうち突出部31の後端面にネジ部41の先端面を当接させた状態で、取付部11の外周にて回動自在に配置される。
ナット部13のネジ部41が排気管に設けられたネジ穴と螺合することにより、温度センサ1が排気管のセンサ取り付け位置に取付けられる。
シース芯線15は、先端部が溶接点(接合部:図示せず)により感温素子3の出力線5と電気的に接続されるものであり、後端部が抵抗溶接により加締め端子43と接続されるものである。つまり、シース芯線15は、自身の後端が加締め端子43を介して外部回路(例えば、車両の電子制御装置(ECU)等)の接続用のリード線45と接続されるものである。
一対のシース芯線15のうち後端部分は、絶縁チューブ47によって互いに絶縁されており、一対の加締め端子43も絶縁チューブ47により互いに絶縁されている。リード線45は、導線を絶縁性の被覆材により被覆したものであり、このリード線45は、耐熱ゴム製のシール部材49の内部を貫通して配置されている。
[1−2.外筒]
次に、外筒120の構成について説明する。
図2は、温度センサ1のうち外筒120を含む先端部分を延伸方向に平行な面で切断した端面の拡大端面図である。図2(a)は高温時の温度センサ1の状態を示しており、図2(b)は低温時の温度センサ1の状態を示している。
図2(a)に示すように、金属チューブ9のチューブ先端19(底部19)の内部空間に、感温素子3が配置されている。感温素子3は、感温部4の後端4rから金属チューブ9の延伸方向Lに沿って素子電極線5が延びるように配置されている。
また、シース部7のシース外管17は、金属チューブ9と同心状となる状態で金属チューブ9に収容され、シース部7のシース外管17の先端から引き出されたシース芯線15と素子電極線5の端部同士が重ね合わされている。
そして、素子電極線5とシース芯線15との重ね合わせ部をレーザスポット溶接することで接合部110が形成され、両者が接合部110を介して接合される。このようにして感温素子3とシース部7とが接続されて金属チューブ9に収容され、金属チューブ9の内部の空隙にセメント23(保持部材23)が充填されることで、感温素子3とシース部7とが金属チューブ9の内部に保持される。セメント23(保持部材23)は、例えば、アルミナを主体としシリカを骨材とする未固化状態のセメントを、上記空隙に充填し固化して形成することができる。
ここで、延伸方向Lの位置のうち、接合部110の中心位置をJとし、感温部4の後端4rの位置をRとし、感温部4の先端4fの位置をFとし、金属チューブ9のチューブ先端19(底部19)の位置をBとする。
外筒120の先端120a(開口部120c)の位置Xは、位置Jより先端側でかつ位置Bより後端側の領域に設定される。さらに、外筒120は、位置Jより先端側の領域では金属チューブ9と離間している。
外筒120をこのように構成すると、金属チューブ9のチューブ先端19(底部19)が外筒120の先端120a(開口部120c)から表出する一方、接合部110が外筒120で遮蔽される。そのため、温度センサ1が高温域から低温域へ急冷された際、外周側の外筒120から冷却が始まり、図2(b)に示すように外筒120は収縮するものの、外筒120で遮蔽されている金属チューブ9には急激な温度変化が伝わり難くなる。さらに外筒120が接合部110より先端側で金属チューブ9と離間しているため、急激な温度変化による外筒120の収縮に金属チューブ9が追随することがなく、金属チューブ9の収縮量も少なくなる。特に、接合部110(位置J)を外筒120が遮蔽しているので、温度変化による金属チューブ9の収縮に起因して接合部110に生ずる剪断応力等の応力を緩和する事ができる。
さらに、金属チューブ9のチューブ先端19(底部19)が外筒120から表出しているため、チューブ先端19(底部19)が排気ガスに曝され、チューブ先端19(底部19)に収容された感温部4の応答性を損なわず、排気ガスの温度を精度よく測定することができる。なお、「位置Xが位置Bより後端側にある」、とは位置Xと位置Bとが面一な場合も含むとする。両者が面一であれば、排気ガスの気流によってチューブ先端19(底部19)が排気ガスに曝されるからである。
さらに、接合部110を外筒120が遮蔽していることで、接合部110の近傍にかかる温度変化を緩和させることができるので、接合部110に生ずる熱応力をも小さくでき、温度センサの信頼性が一層高まる。
なお、この実施形態において、外筒120の外径が4.45mmで肉厚0.3mmであり、金属チューブ9の外径が2.65mmのものが例示され、この場合、外筒120と金属チューブ9の離間距離は0.6mmである。
また、この実施形態では、接合部110より先端側で金属チューブ9と外筒120とが離間している部分において、金属チューブ9の最大外径をφ1とし、外筒120の最小内径をφ2としたとき、φ1<φ2≦2×φ1の関係を満たしている。
このような構成とすると、接合部110より先端側で金属チューブ9と外筒120とを確実に離間させることができ、上記したように外筒120による接合部110の遮蔽効果を有効に発揮することができる。一方で、外筒120が金属チューブ9より大きくなり過ぎない(最大でも外筒120の内径が金属チューブ9の外径の2倍以下)ので、遮蔽効果が薄れる可能性を低減しつつ、加締め等によって外筒を取り付ける際に加締め不良等が生じ難く、生産性や組み付け精度が向上する。
なお、図2(a)において、金属チューブ9の上面と外筒120との間に隙間G1が形成され、金属チューブ9の下面と外筒120との間に隙間G2が形成されている。この場合、φ2−φ1=G1+G2の関係を満たす。
また、外筒120は、自身の表面に酸化被膜を備えるとともに、放射率εが0.43以上となるように構成されている。
外筒120の表面に備えられる酸化被膜は、外筒120を熱処理することにより形成される。例えば、金属チューブ9に固定される前の単体状態の外筒120を、高温環境下(例えば、800℃)にて所定の被膜形成時間(例えば、1〜2時間)にわたり配置することで、外筒120の表面で酸化反応が生じて、酸化被膜が形成される。
このように酸化被膜を形成することで、外筒120の放射率εを変更することができる。また、熱処理の温度および時間を調整することで、酸化被膜の形成状態を調整できるとともに、外筒120の放射率εを調整できる。
なお、本実施形態では、放射率εの測定方法として、放射温度計を用いる方法を採用している。放射温度計を用いた放射率の測定方法は、まず、接触式の温度センサ(測温抵抗体、熱電対など)を用いて実際の対象物温度を測定する。その後、放射温度計における放射率設定値(例えば、0.10〜0.99の範囲内)を任意の値に設定した状態で対象物温度を測定する。このとき、放射温度計での測定温度が接触式の温度センサでの測定温度と異なる場合には、放射温度計の放射率設定値を別の値に変更する。このような放射率設定値の変更を繰り返して、放射温度計での測定温度が接触式の温度センサでの測定温度と等しくなるまで、放射率設定値を調整する。放射温度計での測定温度が接触式の温度センサでの測定温度と等しくなった時の放射率設定値が、対象物の放射率である。
[1−3.耐久試験]
ここで、温度センサを高温環境下に所定の耐久時間にわたり設置し、耐久前後のそれぞれにおける温度センサでの検出温度を測定し、耐久前後における温度センサによる検出温度の変化量(換言すれば、温度変化量)を測定した耐久試験について説明する。
この耐久試験では、温度センサを950℃の環境下で50時間にわたり設置し、耐久前後における温度センサによる検出温度の温度変化量を測定した。なお、温度測定時には、600℃の環境下に温度センサを設置して、温度センサにより検出される検出温度を測定した。
また、この耐久試験では、外筒120の放射率εが異なる複数種類の温度センサを用いることで、外筒120の放射率εと、温度センサの耐久前後の温度変化量との関係を測定した。具体的には、外筒120の放射率εがそれぞれ「0.30」、「0.35」、「0.43」、「0.52」、「0.66」となる5種類の温度センサを用いて測定を実施した。
なお、この耐久試験では、各温度センサに関して、内筒9の放射率が外筒120の放射率と同じとなるように、内筒9の製造工程を調整した。
図3に、温度センサにおける耐久試験の測定結果を示す。
図3に示すように、外筒120の放射率εが高くなるに従い、温度センサにおける耐久前後の温度変化量が小さくなることが判る。
つまり、高温環境下に配置された温度センサにおいては、時間経過に伴い、外筒120に酸化被膜がより厚く形成されるが、放射率εの高い外筒120になるほど酸化被膜が安定して形成されているため、酸化被膜の形成状態が変化しがたくなり、温度センサにおける耐久前後の温度変化量が小さくなると考えられる。
そして、温度センサにおける耐久前後の温度変化量が4.0℃以下であれば、実使用環境下での温度検出誤差の許容範囲となることから、放射率εが0.43以上の外筒120を用いることで、温度検出誤差が許容範囲となる温度センサを実現できる。
[1−4.効果]
以上説明したように、本実施形態の温度センサ1は、金属チューブ9(内筒9)と同軸に配置され、金属チューブ9を覆う筒状の外筒120を備えている。
そして、外筒120は、その表面に酸化被膜を備えるとともに、放射率εが0.43以上となるように構成されている。
このように、外筒120の放射率εが0.43以上である場合には、上述の測定結果(図3参照)に示すように、高温環境下での温度センサ1の使用時間の経過に対する、感温素子3による検出温度の変化量(温度変化量)を一定範囲内に抑制することができる。
よって、温度センサ1によれば、高温環境下での使用時間の経過に伴う温度検出精度の変化が生じがたくなる。
次に、温度センサ1においては、外筒120の先端120a(開口部120c)がシース芯線15の先端よりも先端側領域に配置されている。そして、外筒120の先端120a(開口部120c)は、開口して形成されており、測定対象流体(排気ガス)を内部に導入するための流体導入部(ガス導入部)として機能する。
つまり、外筒120のガス導入部(開口部120c)は、外筒120のうちシース芯線15の先端よりも先端側領域に形成されている。
このように、外筒120におけるガス導入部(開口部120c)の形成位置を定めることで、ガス導入部(開口部120c)を通過して外筒120の内部に導入された測定対象流体(排気ガス)が、金属チューブ9のうち感温素子3の配置領域に近い部位に到達しやすくなる。これにより、感温素子3による温度検出の応答速度が低下することを抑制できる。
よって、温度センサ1によれば、高温環境下での使用時間の経過に伴う温度検出精度の変化が生じがたくなるとともに、温度検出の応答速度の応答速度が低下することを抑制できる。
次に、温度センサ1においては、外筒120は、先端120aにガス導入部としての開口部120cを有する筒状に形成され、延伸方向において接合部110より先端側でかつ金属チューブ9のチューブ先端19(底部19)より後端側の領域に開口部120cが配置される構成である。
温度センサ1においては、金属チューブ9のうち少なくとも一部が、外筒120における先端120aの開口部120cから外部に露出する状態で配置される。この場合、金属チューブ9のうち感温素子3の感温部4が配置される部位が常に測定対象流体(排気ガス)に曝されるので、感温部4の応答性がさらに向上し、測定対象流体(排気ガス)の温度の測定精度がより一層向上する。
なお、この実施形態では、位置Jより後端側で加締部120bによって外筒120が金属チューブ9に固定されている。金属チューブ9と外筒120の固定位置を位置Jより後端側とすることで、急激な温度変化による外筒120の収縮に金属チューブ9が追随することを有効に抑制できる。特に、金属チューブ9と外筒120の固定位置(例えば、加締部120b)を、位置S(シース外管17の先端から剥き出されたシース芯線15の後端)より後端側とすることで、急激な温度変化による外筒120の収縮に金属チューブ9が追随することをより有効に抑制できる。
さらに、位置Xが位置Rより先端側にあることで、素子電極線5および接合部110を外筒120が覆う構成となるため、温度変化による収縮で接合部110に剪断応力がかかる場合であっても、接合部110にかかる剪断応力をさらに緩和することができる。
また、位置Xが位置Fより後端側にあることで、金属チューブ9のうち感温部4が配置される部位が常に排気ガスに曝されるので、感温部4の応答性がさらに向上し、排気ガスの温度の測定精度がより一層向上する。
なお、この実施形態では、感温部4と金属チューブ9との間の空隙にセメント23が充填され、感温部4が金属チューブ9と強固に一体化しているため、金属チューブ9が温度変化によって体積変化(膨張・収縮)した際に、感温部4が後側(シース部材側)へ押される度合が大きくなる。これに対して、温度センサ1は、上述のように、外筒120を備えることで、急激な温度変化による金属チューブ9の収縮量が少なくなるため、温度変化による金属チューブ9の収縮に起因して感温部4に生ずる応力を緩和する事ができる。
また、感温部4と金属チューブ9との間の空隙にセメント23を充填すると、金属チューブ9から感温部4への熱伝導が良好になるため、感温部4の応答性がさらに向上する。
[1−5.特許請求の範囲との対応関係]
ここで、特許請求の範囲と本実施形態とにおける文言の対応関係について説明する。
温度センサ1が温度センサの一例に相当し、感温素子3が感温素子の一例に相当し、感温部4が感温部の一例に相当し、出力線5(素子電極線5)が素子電極線の一例に相当する。
シース部7がシース部材の一例に相当し、シース芯線15がシース芯線の一例に相当し、シース外管17がシース外管の一例に相当する。
金属チューブ9が内筒の一例に相当し、外筒120が外筒の一例に相当し、開口部120cが流体導入部の一例に相当する。
[2.第2実施形態]
[2−1.第2温度センサ]
次に、第2実施形態に係る第2温度センサ101について説明する。
図4は、第2温度センサ101の一部を破断して内部構造を示した説明図である。
なお、第2温度センサ101は、第1実施形態の温度センサ1と比べて、取付部および外筒の構成が異なり、他の部材については第1実施形態と同一である。このため、以下の説明では、第1実施形態とは異なる部材を中心に記載し、第1実施形態と同一の部材は同一符号を付して説明を省略する。
まず、第2温度センサ101においては、金属チューブ9(内筒9)への第2外筒220の固定に加締めを用いず、ガイド部35aを有する第2取付部111を用いた点が、第1実施形態の温度センサ1と異なる。
すなわち、第2取付部111は、突出部31の先端面の取付座面35から先端側へ延設された筒状のガイド部35aを備えている。ガイド部35aは、第2取付部111と同心の中心孔を有し、ガイド部35aの外径は第2外筒220の内径よりわずかに大きく形成されている。
そして、ガイド部35aに第2外筒220を嵌挿して両者を溶接することで、溶接部Wで第2外筒220がガイド部35aに固定される。
次に、第2温度センサ101においては、外筒として、両端が金属チューブ9を挿通可能な大きさに開口した筒状の外筒120ではなく、後端が金属チューブ9を挿通可能な大きさに開口し、先端220a(底部220a)が金属チューブ9を挿通できないように閉じた有底筒状の第2外筒220を備えている点が、第1実施形態の温度センサ1と異なる。
第2外筒220は、自身の表面に酸化被膜を備えるとともに、放射率εが0.43以上となるように構成されている。
第2外筒220の表面に備えられる酸化被膜は、外筒120と同様に、第2外筒220を熱処理することにより形成される。例えば、第2取付部111のガイド部35aに固定される前の単体状態の第2外筒220を、高温環境下(例えば、800℃)にて所定の被膜形成時間(例えば、1〜2時間)にわたり配置することで、第2外筒220の表面で酸化反応が生じて、酸化被膜が形成される。
このように酸化被膜を形成することで、第2外筒220の放射率εを変更することができる。また、熱処理の温度および時間を調整することで、酸化被膜の形成状態を調整できるとともに、第2外筒220の放射率εを調整できる。
第2外筒220は、先端220a(底部220a)および側面に、複数のガス導入部222a,222b,222cを備えている。
図5は、第2温度センサ101のうち第2外筒220を含む先端部分を延伸方向に平行な面で切断した端面の拡大端面図である。図5(a)は高温時の第2温度センサ101の状態を示しており、図5(b)は低温時の第2温度センサ101の状態を示している。
図5(a)に示すように、ガス導入部222a,222b,222cは、第2外筒220のうちシース芯線15の先端(位置K)よりも先端側領域に形成されている。
ここで、第1実施形態と同様に、延伸方向Lの位置のうち、接合部110の中心位置をJとし、感温部4の後端4rの位置をRとし、感温部4の先端4fの位置をFとし、金属チューブ9のチューブ先端19(底部19)の位置をBとする。
このとき、第2外筒220は、位置Jより先端側の領域において、金属チューブ9と離間している。
第2外筒220をこのように構成すると、金属チューブ9(接合部110を含む)が第2外筒220で遮蔽される。そのため、第2温度センサ101が高温域から低温域へ急冷された際、外周側の第2外筒220から冷却が始まり、図5(b)に示すように第2外筒220は収縮するものの、外筒120で遮蔽されている金属チューブ9には急激な温度変化が伝わり難くなる。さらに第2外筒220が接合部110より先端側で金属チューブ9と離間しているため、急激な温度変化による第2外筒220の収縮に金属チューブ9が追随することがなく、金属チューブ9の収縮量も少なくなる。特に、接合部110(位置J)を第2外筒220が遮蔽しているので、温度変化による金属チューブ9の収縮に起因して接合部110に生ずる剪断応力等の応力を緩和する事ができる。
さらに、第2外筒220は、シース芯線15の先端(位置K)よりも先端側領域にガス導入部222a,222b,222cを備えており、ガス導入部222a,222b,222cから導入された排気ガスが金属チューブ9に到達しやすい構造である。このように金属チューブ9が排気ガスに曝されることで、金属チューブ9に内蔵された感温素子3(感温部4)の応答性を損なわず、排気ガスの温度を精度よく測定することができる。
さらに、接合部110を第2外筒220が遮蔽していることで、接合部110およびその周囲に生じる温度変化を緩和させることができるので、接合部110に生ずる熱応力をも小さくでき、温度センサの信頼性が一層高まる。
また、この第2実施形態では、第2外筒220のうち、延伸方向Lにおける接合部110(位置J)よりも先端側領域に、すべてのガス導入部222a,222b,222cが形成されている。このような構成とすると、接合部110を完全に第2外筒220が遮蔽するので、温度変化による金属チューブ9の収縮に起因して接合部110に生ずる剪断応力等の応力をより一層緩和する事ができる。
また、第2実施形態では、第2外筒220のうち、延伸方向Lにおける位置F〜位置Rの領域(換言すれば、感温部4に対応する領域)に、ガス導入部222bが形成されている。このような構成とすると、このガス導入部222bから導入された測定対象流体(排気ガス)が、金属チューブ9のうち感温部4の近接領域に接触しやすくなり、感温素子3(感温部4)の応答性がさらに向上する。
[2−2.効果]
以上説明したように、第2実施形態の第2温度センサ101は、有底筒状に形成された第2外筒220を備えている。第2外筒220は、内部に金属チューブ9(内筒9)を収容する構成である。
そして、第2外筒220は、その表面に酸化被膜を備えるとともに、放射率εが0.43以上となるように構成されている。
このように、第2外筒220の放射率εが0.43以上である場合には、上述の測定結果(図3参照)に示すように、高温環境下での第2温度センサ101の使用時間の経過に対する、感温素子3による検出温度の変化量(温度変化量)を一定範囲内に抑制することができる。
よって、第2温度センサ101によれば、高温環境下での使用時間の経過に伴う温度検出精度の変化が生じがたくなる。
また、第2外筒220が、有底筒状に形成され、内部に金属チューブ9を収容する構成を採ることで、金属チューブ9が第2外筒220で遮蔽されるため、第2温度センサ101が高温域から低温域へ急冷された際、外周側の第2外筒220から冷却が始まり第2外筒220は収縮するものの、第2外筒220で遮蔽されている金属チューブ9には急激な温度変化が伝わり難くなる。これにより、温度変化に起因して金属チューブ9に生ずる剪断応力等の応力を緩和することができ、金属チューブ9の破損を抑制できる。
なお、第2温度センサ101は、排気ガスがガス導入部222a,222b,222cを介して第2外筒220の内部に導入されて金属チューブ9に到達するため、金属チューブ9に収容された感温素子3の温度検出における応答性の低下を抑制しつつ、排気ガス温度を精度よく測定することができる。
[2−3.特許請求の範囲との対応関係]
ここで、特許請求の範囲と本実施形態とにおける文言の対応関係について説明する。
第2温度センサ101が温度センサの一例に相当し、第2外筒220が外筒の一例に相当し、ガス導入部222a,222b,222cが流体導入部の一例に相当する。
[3.他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
例えば、上記実施形態では、放射率εが0.43以上の外筒120および第2外筒220を備える温度センサについて説明したが、外筒は、外筒120または第2外筒220に限られることはない。例えば、放射率εがより高い外筒を用いることで、高温環境下での温度センサの使用時間の経過に対する、感温素子による検出温度の変化量をより小さくすることができる。
具体的には、放射率が0.58以上の外筒を用いて温度センサを構成した場合には、感温素子による検出温度の変化量を2.0℃以下に制限することができる。また、放射率が0.66以上の外筒を用いて温度センサを構成した場合には、感温素子による検出温度の変化量を1.0℃以下に制限することができる。
また、温度センサにより温度検出する検出対象流体は、内燃機関の排気ガスに限られることはなく、他の気体であってもよく、また、内燃機関の冷却水温度や潤滑油温度などの液体であってもよい。
さらに、内筒は、金属チューブ9(内筒9)のように、後端が取付部11(第2取付部111)に到達する長尺形状に限られることはなく、感温素子を覆う形状であればよい。例えば、感温素子の先端(例えば、図2(a)の位置F)からシース部材の先端(例えば、図2(a)の位置S)までの領域を覆うことができる有底筒状の内筒を用いて、この内筒の後端を、位置Sの近傍でシース外管(例えば、図2(a)のシース外管17)の先端に全周レーザ溶接してもよい。この場合、この溶接位置より後端側には内筒が存在しないため、シース外管が露出した状態となる。
さらに、金属チューブ9(内筒9)へ感温素子3を保持する構造は、上記したセメント23の充填による構造に限られることはない。例えば、感温素子3の周囲にホルダを配置し、このホルダ内にセメント(絶縁材)を充填して感温素子3を保持する保持構造や、感温素子3を金属チューブ9の先端内壁や側壁へ当接(接着等)させた保持構造などを採用してもよい。
また、上記の耐久試験では、温度センサとして、内筒9の放射率が外筒120の放射率と同じとなる構成の温度センサについて説明したが、本発明の温度センサは、このような構成に限られることはない。例えば、内筒の放射率が外筒の放射率以上となる構成の温度センサであってもよい。
1…温度センサ、3…感温素子、4…感温部、5…素子電極線(出力線)、7…シース部、9…金属チューブ(内筒)、11…取付部、15…金属芯線(シース芯線)、17…シース外管、19…チューブ先端(底部)、23…セメント(保持部材)、31…突出部、35…取付座面、35a…ガイド部、39…六角ナット部、41…ネジ部、43…加締め端子、45…リード線、47…絶縁チューブ、49…シール部材、101…第2温度センサ、110…接合部、111…第2取付部、120…外筒、120a…先端、120b…加締部(固定部)、120c…開口部、220…第2外筒、220a…先端(底部)、222a…ガス導入部、222b…ガス導入部、222c…ガス導入部。

Claims (6)

  1. 温度に応じて電気的特性が変化する感温部と、該感温部から延びる一対の素子電極線と、を有する感温素子と、
    前記素子電極線に接合部を介して接続されるシース芯線と、該シース芯線を絶縁材の間に内包するシース外管と、を有するシース部材と、
    有底筒状をなし、先端となる底部側に少なくとも前記感温素子及び前記接合部を収容し、前記素子電極線および前記シース芯線の延びる延伸方向に延びる金属製の内筒と、
    自身の内部に測定対象流体を導入する流体導入部を有する筒状に形成され、前記内筒のうち前記接合部の収容領域を少なくとも収容するとともに、前記延伸方向における前記接合部より先端側の領域が前記内筒とは離間して配置される金属製の外筒と、
    を備え、
    前記外筒は、その表面に酸化被膜を備えるとともに、少なくとも前記延伸方向における前記接合部より先端側の領域の放射率が0.43以上である、
    温度センサ。
  2. 前記外筒は、放射率が0.58以上である、
    請求項1に記載の温度センサ。
  3. 前記外筒は、放射率が0.66以上である、
    請求項1または請求項2に記載の温度センサ。
  4. 前記流体導入部は、前記外筒のうち前記シース芯線の先端よりも先端側領域に形成される、
    請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の温度センサ。
  5. 前記外筒は、先端に前記流体導入部としての開口部を有する筒状に形成され、前記延伸方向において前記接合部より先端側でかつ前記内筒の底部より後端側の領域に前記開口部が配置される、
    請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の温度センサ。
  6. 前記外筒は、先端側が閉じた有底筒状に形成され、内部に前記内筒を収容する、
    請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の温度センサ。
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