JP2000230801A - 表面形状認識用センサ - Google Patents

表面形状認識用センサ

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JP2000230801A
JP2000230801A JP11032554A JP3255499A JP2000230801A JP 2000230801 A JP2000230801 A JP 2000230801A JP 11032554 A JP11032554 A JP 11032554A JP 3255499 A JP3255499 A JP 3255499A JP 2000230801 A JP2000230801 A JP 2000230801A
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sensor electrode
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智志 重松
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 センシングの際に発生する静電気によって静
電破壊されることなどがないなど、安定して高感度の表
面形状検出が信頼性の高い状態でできるようにする。 【解決手段】 半導体基板101上の下層絶縁膜102
上に形成された層間絶縁膜104上に、パシベーション
膜表面において露出部が格子状に形成されたアース10
6を備え、マスの中央部にたとえば80μm角のセンサ
電極105が配置される。また、そのセンサ電極105
を覆うようにパシベーション膜107が形成されてい
る。その中で、パシベーション膜107に比誘電率4の
材料を用いそのセンサ電極105上の膜厚を2μmとし
たとき、センサ電極105とその周囲に配置されている
アース電極(固定電極)106との距離は2μmとする
ことが良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、表面形状認識用
センサに関し、特に人間の指紋や動物の鼻紋などの微細
な凹凸を感知する表面形状認識用センサに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】情報化社会の進展と現代社会の環境にお
いて、セキュリティ技術への関心が高まっている。例え
ば、情報化社会では、電子現金化などのシステム構築の
ための本人認証技術が、重要な鍵となってきる。また、
盗難やカードの不正使用の防御策のための認証技術につ
いても研究開発が活発になっているのが実情である(例
えば、清水良真他、個人認証付き機能付きICカードに
関する一検討、信学技報、Technical report of IEICE,
OFS92-32,p25-30(1992))。このような、不正使用防御
策のための認証方式には、指紋や声紋などを利用したも
のが種々あるが、中でも、指紋認証技術については、こ
れまで多くの技術開発がなされている。その指紋の認証
方式は、光学的な読み取り方式と人間の電気特性の利用
して指紋の凹凸を電気信号に置き換えて検出する方式と
に大別される。
【0003】光学的に読み取る方式は、主に光の反射と
CCDイメージセンサを用い、指紋を光学像データとし
て取り込み、照合を行う方式である(特開昭61−22
1883号公報)。他の方式として、指の指紋の圧力差
を読み取るために圧電薄膜を利用した方式も開発されて
いる(特開平5−61965号公報)。また、同じよう
に、皮膚の接触により生じる電気特性の変化を、電気信
号の分布に置き換えて指紋の形状を検出する方式とし
て、感圧シートを用いて抵抗変化量もしくは容量変化量
による認証方式が提案されている(特開平7−1689
30号公報)。しかしながら、以上の技術において、ま
ず、光を用いた方式は小型化することが難しく、汎用的
に用いることが困難であり、用途が限定されるという問
題がある。次に、感圧シートなどを用いて指の凹凸を感
知する方式は、材料が特殊であることや加工性の難しさ
から、実用化が難しく信頼性に乏しいことが考えられ
る。
【0004】一方、LSIの製造技術を用いて作製され
た容量型の指紋センサが開発されている(Marco Tartag
ni and Roberto Guerrieri,A 390dpi Live Fingerprint
Imager Based on Feedback Capacitive Sensing Schem
e,1997 IEEE InternationalSolid-State Circuits Conf
erence, p200-201(1997).)。これは、LSIチップ上
に2次元に配列された小さなセンサにより、帰還静電容
量方式を利用して皮膚の凹凸パターンを検出する方法で
ある。この容量型センサは、LSI配線の最上層に2枚
のプレートを形成し、その上にパシベーション膜を形成
したものである。このセンサに指先が触れると、皮膚の
表面が第3のプレートとして機能し、空気からなる絶縁
層で隔離され、その距離の違いでセンシングを行うこと
により指紋を検出するものである。この構造は、従来の
光学式に比較し、特殊なインターフェイスが不要なこと
や、小型化が可能なことが特徴である。
【0005】ここで、その指紋センサは、原理的には、
半導体基板上にセンサ電極を形成し、その上にパシベー
ション膜を形成したものであり、パシベーション膜を介
して皮膚とセンサとの容量を検出し微細構造の凹凸を検
出する方法である。ここで従来の容量型の指紋センサに
ついて図を参照して簡単に説明する。この容量型センサ
は、図19の断面図に示すように構成されている。すな
わち、まず、LSI等の形成された半導体基板1901
の上に、下層絶縁膜1902を介して配線1903が形
成され、この上に層間絶縁膜1904が形成されてい
る。
【0006】また、その層間絶縁膜1904上には、例
えば平面形状が矩形のセンサ電極1906が形成されて
いる。このセンサ電極1906は、層間絶縁膜1904
に形成されたスルーホール内のプラグ1905を介して
配線1903に接続されている。そして、層間絶縁膜1
904上に、センサ電極1906を覆うように、パシベ
ーション膜1907が形成され、センサ素子が構成され
ている。そして、それらセンサ素子は、図20の平面図
に示すように、隣り合うセンサ素子のセンサ電極190
6が接触しないように、2次元的に複数配置されてい
る。
【0007】この容量型センサの動作について説明す
る。指紋検出のときは、まず、指紋検出対象の指が、パ
シベーション膜1907に接触する。このように、指が
接触すると、センサ電極1906上では、パシベーショ
ン膜1907に触れた皮膚が電極として機能し、センサ
電極1906との間で容量が形成される。この容量は、
配線1903を介して検出される。ここで、指先の指紋
は、皮膚の凹凸により形成されているので、パシベーシ
ョン膜1907に指を接触させた場合、電極としての皮
膚と、センサ電極1906との距離は、指紋を形成して
いる突部と凹部とで異なることになる。そして、この距
離の違いは、容量の違いとして検出されることになる。
したがって、それら異なる容量の分布を検出していけ
ば、それは指紋の突部の形状となる。すなわち、この容
量型センサにより、皮膚の微細な凹凸状態を感知するこ
とができる。
【0008】そして、このような容量型の指紋センサ
は、従来の光学式センサと比較して特殊なインターフェ
イスが不要であり、小型化が可能である。この容量型の
センサは、例えば、次に示すような集積回路(LSI)
チップ上に同時に搭載することができる。すなわち、照
合のための指紋データが格納された記憶部と、記憶部に
用意されている指紋データと、読み取られた指紋とを比
較照合する認識処理部とが集積された集積回路チップ
に、上述の容量型センサを同時に搭載することができ
る。このように、1つの集積回路チップ上に構成するこ
とで、各ユニット間のデータ転送における情報の改竄な
どが困難になり、機密保持性能を向上させることができ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たセンサでは、皮膚を電極として利用しているため、接
触時に生じた静電気によって同時に搭載されているLS
Iが静電破壊されやすいという問題があった。したがっ
て、従来では、センサの安定性,感度,信頼性などが考
慮され、さらに、小型化や汎用性までも考慮された人間
の指紋や動物の鼻紋など微細な凹凸をセンシングするセ
ンサおよびその製造方法の開発が望まれていた。
【0010】この発明は、以上のような問題点を解消す
るためになされたものであり、センシングの際に発生す
る静電気によって静電破壊されることなどがないなど、
安定して高感度の表面形状検出が信頼性の高い状態でで
きるようにすることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明の表面形状認識
用センサは、表面形状認識用センサは、半導体基板上に
形成された層間絶縁膜の同一平面にそれぞれが絶縁分離
され、かつそれぞれ固定配置されたセンサ電極を有する
複数の容量検出素子と、その容量検出素子それぞれの容
量を検出する容量検出手段と、層間絶縁膜上でセンサ電
極と絶縁分離されて配置された固定電極とを備えるよう
にした。このように構成したので、認識対象が触れるこ
とでその表面の凹凸に対応して容量検出素子が検出する
容量が変化する。
【0012】また、この発明の表面形状認識用センサ
は、層間絶縁膜上にセンサ電極を覆うように形成されか
つ絶縁性の部材から構成されたパシベーション膜を備
え、固定電極は、パシベーション膜表面に一部が接触し
た対向電極となる表面形状の認識対象物の表面と接触す
るように、その一部がパシベーション膜表面で露出して
層間絶縁膜上に形成され、容量検出手段は、センサ電極
と認識対象物の表面との間の容量を検出するようにし
た。したがって、認識対象が触れるとこれが一方の対向
電極となり、また、これが固定電極に接触した状態で、
認識対象の表面とセンサ電極との間に容量が形成され、
これが容量検出手段に検出される。このように構成した
中で、センサ電極および固定電極は、銅から構成するよ
うにしても良い。また、センサ電極および固定電極は、
金から構成するようにしても良い。また、パシベーショ
ン膜は、ポリイミドから構成しても良く、そのポリイミ
ドはポリベンザオキサゾールを用いれば良い。また、セ
ンサ電極の側面および上面と固定電極側面および上面と
を覆うように、導電性の保護膜を備えるようにしても良
い。その保護膜は、例えば金やルテニウムから構成すれ
ば良い。また、半導体基板上の層間絶縁膜下にセンサ電
極および固定電極に接続する第1および第2の配線を備
え、センサ電極および前記固定電極は、その第1および
第2の配線を介して容量検出手段に接続すれば良い。ま
た、その容量検出手段は、半導体基板上に同時に搭載し
ても良い。
【0013】また、それらの構成において、固定電極
は、少なくともパシベーション膜表面において露出部が
格子状に形成され、センサ電極は、固定電極により形成
されているマスの中央部に配置されているようにした。
したがって、センサ電極と固定電極との間の距離が、全
て均一となる。その中で、固定電極は正方形の格子状に
形成されてその1つのマスで容量検出素子が構成され、
パシベーション膜はセンサ電極上の膜厚が0.3μm以
上20μm以下に形成されているようにすれば、センサ
電極とその上のパシベーション膜に接触した表面形状認
識対象との間の容量が検出可能となる。その中で、人間
の指紋の状態を検出しようとする場合は、固定電極の格
子の間隔は100μm以下に形成されているようにし
た。また、それらの構成とすることで、例えば、パシベ
ーション膜は、比誘電率が2より大きく7より小さい範
囲とすれば良い。例えば、パシベーション膜に比誘電率
4の材料を用いてそのセンサ電極上の膜厚を2μmとし
たとき、センサ電極は1辺が20μm以上の正方形に形
成すれば良く、特に、そのセンサ電極と周囲に配置され
ている固定電極との距離は2μmとすることが良い。
【0014】また、この発明の表面形状認識用センサ
は、パシベーション膜表面および前記固定電極の露出面
が、ほぼ平坦に形成されているようにした。また、半導
体基板上の層間絶縁膜下に配置されてセンサ電極および
固定電極に接続する第1および第2の配線を備え、セン
サ電極および固定電極は、第1および第2の配線を介し
て容量検出手段に接続されているように構成した。ここ
で、その容量検出手段は、半導体基板上に同時に搭載す
るようにしても良い。
【0015】
【発明の実施の形態】以下この発明の実施の形態を図を
参照して説明する。 実施の形態1 はじめに、この発明の第1の実施の形態における表面形
状認識用センサに関して、図1を用いて説明する。この
図1では、表面形状認識用センサを構成しているセンサ
素子2つ分を示しているが、まず、半導体基板101上
の下層絶縁膜102上に形成された層間絶縁膜104上
に、例えば80μm角のセンサ電極105、および、ア
ース電極(固定電極)106を備えるようにした。この
ように、ここでは、1つのセンサ素子に1つのセンサ電
極105を備えた場合について説明する。また、下層絶
縁膜102上には、センサ電極105にスルーホール1
04aを介して接続する配線103を形成するようにし
た。
【0016】なお、図1には示していないが、下層絶縁
膜102上には、アース電極106に接続する配線も形
成している。そして、それらは、やはり図示していない
が、層間絶縁膜104に形成されたスルーホールを介し
て接続している。また、センサ電極105を覆うように
パシベーション膜107を形成し、そのパシベーション
膜107表面でアース電極106の上部が露出した状態
とした。ここで、センサ電極105すなわち1つのセン
サ素子は、100μm間隔に複数配置している。また、
パシベーション膜107は、例えば、酸化シリコンなど
比誘電率が4.0程度の絶縁物から構成し、センサ電極
105上の膜厚は5μm程度とした。
【0017】また、センサ素子の下にあたる半導体基板
101上には、1つのセンサ素子それぞれに対応してセ
ンスユニット108を形成している。このセンスユニッ
ト108は、前述した配線103などを介し、アース電
極106およびセンサ電極105それぞれに接続してい
る。そして、このセンスユニット108は、アース電極
106と各センサ電極105との間に形成される容量を
検出する。また、各センスユニット108の出力は、図
示していない処理手段により処理され、この処理手段に
より、各センサ電極105に形成された容量を濃淡に変
換した画像データが生成される。
【0018】なお、センスユニット108は、1つのセ
ンサ素子の下にそれぞれ備える必要はなく、複数のセン
サ素子に1つのセンスユニットを備えるようにしても良
い。また、センサユニットは、上述した処理手段ととも
に半導体基板101上の他の領域に形成するようにして
も良い。また、その処理手段を、センサユニットともに
センサ素子の下に配置するようにしても良い。なお、そ
れらセンスユニット108や処理手段は、必ずしも半導
体基板101上にモノリシックに集積する必要はない。
しかし、センサ電極105とセンスユニット108や処
理手段は、なるべく近くに配置した方が良い。
【0019】以上のように構成した表面形状認識用セン
サでは、そのパシベーション膜107上に指の先端部が
接触すると、まず、アース電極106上部に指紋の突部
が接触する。人間の指紋の幅は約200〜300μm程
度なので、100μm間隔に配置されているアース電極
106には、必ず接触することになる。この結果、パシ
ベーション膜107上に置いて、指紋の突部が接触して
いる指先端部は、アース電極106と同電位となる。そ
して、その指先端部の各部分と、センサ電極105との
間には、それぞれ容量が形成され、その容量がセンスユ
ニット108に検出される。
【0020】ここで、指の先端部が置かれたパシベーシ
ョン膜107上では、指紋突部はパシベーション膜10
7に接触し、指紋凹部はパシベーション膜107より離
れた状態となっている。したがって、指紋突部の表面と
その下のセンサ電極105の間隔d1と、指紋凹部の表
面とその下のセンサ電極105の間隔d2とは異なり、
d1<d2である。そして、指紋突部の表面とその下の
センサ電極105の間の容量C1と、指紋凹部の表面と
その下のセンサ電極105の間の容量C2とは異なる。
したがって、指紋突部下のセンサ電極105とアース電
極106との間の容量と、指紋凹部下のセンサ電極10
5とアース電極106との間の容量とは異なって検出さ
れることになる。
【0021】例えば、上述の構成の場合、C1は45f
F程度になる。一方、指紋の深さは100μm程度なの
で、C2は2.3fF程度となる。そして、各センサ電
極105をマトリクス状に複数配置するようにすれば、
その配置状態に対応して指紋の凹凸による容量が検出で
きる。この結果、各センサ電極105の箇所で検出され
たそれぞれの容量に対応し、処理手段によって濃淡デー
タを付ければ、指紋の形状が再現できることになる。例
えば、センサ電極を100μm間隔でマトリクス状に3
00×300(個)配置した場合、250ドット/イン
チ程度の分解能で300×300ドットの指紋画像を得
ることができる。
【0022】一方、図1には示していないが、半導体基
板101上の他の領域には、照合のための指紋データが
格納された記憶部や、記憶部に用意されている指紋デー
タと読み取られた指紋画像とを比較照合する認識処理部
などが集積された集積回路を備えている。なお、これら
全てを、センサ電極105下の半導体基板101上に配
置するようにしても良い。この構成とすることで、より
コンパクトな状態で、検出された指紋の形状と記憶部に
格納されている指紋データとを、集積回路に構成されて
いる認識処理部で比較する指紋の照合が可能となる。
【0023】そして、この実施の形態1の表面形状認識
用センサでは、例えば指紋の形状を認識する場合、指の
一部がアース電極に触れることになる。したがって、そ
の指が接触したことにより表面形状認識用センサ表面に
静電気が発生することになる。しかし、その静電気はア
ース電極に流れていくので、下部に形成されている他の
集積回路部分がその静電気で破壊されることが抑制され
る。
【0024】次に、上述したこの実施の形態1の表面形
状認識用センサの製造方法について、その一部を簡単に
説明する。まず、半導体基板101上に、前述したセン
スユニットなど他の集積回路を形成し、この後、図2
(a)に示すように、それら集積回路を覆うように、半
導体基板101上に下層絶縁膜102を形成し、その上
に配線103を形成する。なお、図示していないが、以
降に示すアース電極106に接続する配線もこのとき同
時に形成する。
【0025】次に、図2(b)に示すように、配線10
3を覆うように、下層絶縁膜102上に層間絶縁膜10
4を形成する。次に、図2(c)に示すように、層間絶
縁膜104の配線103上の所定箇所にスルーホール1
04aを形成する。なお、図示していないが、以降に示
すアース電極106に接続する配線箇所にも、スルーホ
ールを同時に形成する。次に、図3(d)に示すよう
に、層間絶縁膜104上に、スルーホール104aを介
して配線103に接続するセンサ電極105を形成す
る。
【0026】次に、図3(e)に示すように、センサ電
極105とは離間して層間絶縁膜104上に、センサ電
極105より厚くアース電極106を形成する。なお、
このアース電極106は、図示していないが、層間絶縁
膜104に形成されている図示してないスルーホールを
介し、やはり図示してないが、下層絶縁膜102上に形
成された対応する配線に接続している。そして、図3
(f)に示すように、アース電極106により形成され
る凹部を埋め込んでセンサ電極105を覆うように、パ
シベーション膜107を形成する。このとき、アース電
極106の上部は、パシベーション膜107表面で露出
した状態とする。以上のことにより、図1に示した、こ
の実施の形態1の表面形状認識用センサの電極部が形成
できる。
【0027】実施の形態2 次に、この発明の第2の実施例における表面形状認識用
センサに関して説明する。図4(a),(b),(c)
は、この実施の形態2における表面形状認識用センサの
構成を示す構成図である。ここで、図4(a),(b)
は断面を示し、図4(c)は平面図である。そして、図
4(c)のAA’断面が図4(a)であり、図4(c)
のBB’断面が図4(b)である。この実施の形態2で
は、まず、図示していない半導体基板上の絶縁膜401
上に形成された層間絶縁膜403上に、例えば80μm
角のセンサ電極405、および、アース電極406を備
えるようにした。このように、ここでは、1つのセンサ
素子に1つのセンサ電極405を備えた場合について説
明する。すなわち、図4(a)は、この実施の形態2の
表面形状認識用センサを構成している1つのセンサ素子
を示している。
【0028】そのセンサ電極405は、絶縁膜401上
に形成されたアルミニウムからなる配線402に、窒化
チタンからなるバリア膜404を介して接続している。
なお、図4(b)に示すように、絶縁膜401上には、
アルミニウムからなる配線402aも形成され、バリア
膜404を介してアース電極406に接続している。こ
こで、アース電極406は、銅からなる下部電極406
aとその上に形成されたやはり銅からなる電極柱406
bとから構成した。そして、アース電極406表面に
は、金からなる保護膜406cを形成した。また、セン
サ電極405の表面にも、金からなる保護膜405aを
形成した。また、センサ電極405を覆うように、例え
ば酸化シリコンからなるパシベーション膜407を形成
し、そのパシベーション膜407表面でアース電極40
6の上部、すなわち保護膜406c表面を露出させた。
【0029】ここで、図4(c)に示すように、アース
電極406は、100μm間隔の格子状に形成した。ま
た、その格子の間の中央部に、センサ電極405を10
0μm間隔でマトリクス状に複数配置した。したがっ
て、この実施の形態2では、その格子のマス1つ1つ
が、1つのセンサ素子を構成していることになり、図4
(c)では、9個のセンサ素子がマトリクス状に配置さ
れている状態を示している。また、パシベーション膜4
07は、比誘電率が4.0程度の絶縁物から構成し、ア
ース電極406の格子の間を埋め、センサ電極405上
の膜厚が、例えば、5μm程度となるように形成した。
【0030】また、図示していないが、センサ素子の下
の半導体基板上には、センスユニットを形成してある。
このセンスユニットは、前述した配線402などを介
し、アース電極406およびセンサ電極405それぞれ
に接続している。そして、このセンスユニットは、アー
ス電極406と各センサ電極405との間に形成される
容量を検出し、それらに対応した信号を出力する。ま
た、各センスユニットの出力は、図示していない処理手
段により処理され、この処理手段により、各センサ電極
405に形成された容量を濃淡に変換した画像データを
生成する。なお、このセンスユニットおよび処理手段
は、センサ電極405下の図示していない半導体基板上
に配置するものに限らず、その半導体基板の他の領域に
配置するようにしても良い。
【0031】以上のように構成した表面形状認識用セン
サでは、前述した実施の形態1と同様であり、そのパシ
ベーション膜407上に指の先端部が接触すると、ま
ず、アース電極406上部に指紋の突部が接触する。人
間の指紋の幅は約200〜300μm程度なので、10
0μm間隔に格子状に形成されているアース電極406
には、指紋の突部が必ず接触することになる。この結
果、パシベーション膜407上に置いて、指紋の突部が
接触している指先端部は、アース電極406と同電位と
なる。そして、その指先端部の各部分と、センサ電極4
05との間には、それぞれ容量が形成され、その容量が
センスユニットに検出される。
【0032】ここで、指の先端部が置かれたパシベーシ
ョン膜407上では、指紋突部はパシベーション膜40
7に接触し、指紋凹部はパシベーション膜407より離
れた状態となっている。したがって、指紋突部の表面と
その下のセンサ電極405の間隔d1と、指紋凹部の表
面とその下のセンサ電極405の間隔d2とは異なり、
d1<d2である。そして、指紋突部の表面とその下の
センサ電極405の間の容量C1と、指紋凹部の表面と
その下のセンサ電極405の間の容量C2とは異なる。
したがって、指紋突部下のセンサ電極405とアース電
極406との間の容量と、指紋凹部下のセンサ電極40
5とアース電極406との間の容量とは異なって検出さ
れることになる。
【0033】例えば、上述の構成の場合、C1は45f
F程度になる。一方、指紋の深さは100μm程度なの
で、C2は2.3fF程度となる。そして、各センサ電
極405はマトリクス状に複数配置されていて、その配
置状態に対応して指紋の凹凸による容量が検出される。
この結果、各センサ電極405の箇所で検出されたそれ
ぞれの容量に対応し、処理手段によって濃淡データを付
ければ、指紋の形状が再現できることになる。例えば、
センサ電極を100μm間隔で300×300(個)配
置した場合、250ドット/インチ程度の分解能で30
0×300ドットの指紋画像を得ることができる。
【0034】一方、図4には示していないが、半導体基
板上の他の領域には、照合のための指紋データが格納さ
れた記憶部や、記憶部に用意されている指紋データと読
み取られた指紋画像とを比較照合する認識処理部などが
集積された集積回路を備えている。なお、これら全て
を、センサ電極405下の半導体基板上に配置するよう
にしても良い。この構成とすることで、よりコンパクト
な状態で、検出された指紋の形状と記憶部に格納されて
いる指紋データとを、集積回路に構成されている認識処
理部で比較する指紋の照合が可能となる。
【0035】そして、この実施の形態2の表面形状認識
用センサでも、例えば指紋の形状を認識する場合、指の
一部がアース電極に触れることになる。したがって、そ
の指が接触したことにより表面形状認識用センサ表面に
静電気が発生することになる。しかし、その静電気はア
ース電極に流れていくので、下部に形成されている他の
集積回路部分がその静電気で破壊されることが抑制され
る。また、この実施の形態2によれば、アース電極の露
出面が金で被覆された状態なので、アース電極の接触面
に酸化膜が形成されることが抑制されるようになる。ま
た、この実施の形態2によれば、アース電極を格子状に
形成してそのマスの中央部にセンサ電極を配置するよう
にしたので、アース電極と各センサ電極との間隔が等し
くなる。
【0036】次に、上述したこの実施の形態2の表面形
状認識用センサの製造方法について、その一部を説明す
る。まず、半導体基板上に、前述したセンスユニットな
ど他の集積回路を形成し、この後、図5(a)に示すよ
うに、それら集積回路を覆うように、半導体基板上に、
シリコン酸化物からなる絶縁膜401を形成し、その上
にアルミニウムからなる配線402を形成する。この配
線402は、アルミニウム膜を形成した後、公知のフォ
トリソグラフィ技術によりパターニングすることで形成
すれば良い。次に、配線402を覆うように、絶縁膜4
01上に層間絶縁膜403を形成する。次に、層間絶縁
膜403の配線402上の所定箇所にスルーホール40
3aを形成する。
【0037】そして、少なくともスルーホール403a
底部に露出した配線402表面を覆うように、窒化チタ
ンからなるバリア膜404を形成する。このバリア膜4
04の形成は、次のようにすれば良い。まず、スルーホ
ール403aが形成された層間絶縁膜403上に、スパ
ッタ法などにより窒化チタン膜を形成する。次いで、フ
ォトリソグラフィ技術により、スルーホール形成部を隠
すようにレジストパターンを形成する。そして、このレ
ジストパターンをマスクとし、RIEなどのドライエッ
チングで窒化チタン膜を選択的に除去し、レジストパタ
ーンを除去すれば、バリア膜404が形成される。な
お、バリア膜404は、窒化チタンから構成するものに
限らない。バリア膜404に、相互拡散を抑制できる他
の導電性材料を用いるようにしても良い。
【0038】次に、図5(b)に示すように、バリア膜
404を含む層間絶縁膜403上に、銅からなる金属薄
膜501を膜厚0.1μm程度に形成する。これは、例
えばスパッタ法により行えば良い。次いで、図5(c)
に示すように、この金属薄膜501上に、スルーホール
403a上部にあたる所定の領域に開口部502aを有
するレジストパターン502を形成する。そして、金属
薄膜501を陰極とした電解メッキ法により、その開口
部502a底部に露出している金属薄膜501表面に、
膜厚0.3μmに銅膜および膜厚0.2μmに金膜を形
成することで、保護膜405aを形成する。なお、この
保護膜405aの形成は、電解メッキ法に限るものでは
ない。
【0039】次に、レジストパターン502を除去した
後、今度は、図5(d)に示すように、保護膜405a
を囲う溝503aを備えたレジストパターン503を形
成する。なお、この溝503aは、図4(b)に示した
配線402aに接続するバリア膜404部分の上も開口
した状態とする。次に、図6(e)に示すように、金属
薄膜501を陰極とした電解メッキ法により、その溝5
03a底部に露出している金属薄膜501表面に、膜厚
5μm程度に銅を成長させ、電極柱406bを形成す
る。引き続き、図6(f)に示すように、電極柱406
bの上部表面に、同様に電解メッキで金を膜厚0.1μ
m程度に成膜し、保護膜406cを形成する。なお、例
えば、電極柱406bの形成は、電解メッキ法に限るも
のではなく、無電解メッキ法を用いるようにしても良
い。
【0040】次に、レジストパターン503を除去した
後、図6(g)に示すように、保護膜405aおよび保
護膜406cをマスクとして金属薄膜501を選択的に
エッチング除去する。このエッチングは、燐酸,硝酸,
および,酢酸からなる混酸の水溶液をエッチング液とし
たウエット処理により行えば良い。以上の結果、層間絶
縁膜403上に格子状にアース電極406が形成され、
このアース電極406の升目の中心部に、センサ電極4
05が形成されることになる。次に、図6(h)に示す
ように、アース電極406のマスの中を埋め込むよう
に、パシベーション膜407を形成する。このパシベー
ション膜407の形成は、次に示すようにすれば良い。
まず、センサ電極405およびアース電極406が形成
された層間絶縁膜403上に、回転塗布などによりSO
G材料を塗布してSOG膜を形成する。
【0041】ここで、SOG膜を厚く形成するため、S
OG材料の塗布は3回行う。この塗布により、SOG膜
の表面は、アース電極406やセンサ電極405による
層間絶縁膜403上の凹凸を吸収して平坦に形成され
る。これら塗布によるSOG膜を形成した後、300℃
程度に加熱して塗布膜を酸化シリコンからなる膜に変成
させる。そして、SOG膜を、アース電極406の表面
が露出するまでエッチバックすれば、アース電極406
のマスの中を埋め込むように、その表面が平坦なパシベ
ーション膜407を形成することができる。以上のこと
により、図4に示した、この実施の形態2の表面形状認
識用センサの電極部が形成できる。
【0042】なお、パシベーション膜407は、上述し
たように形成する必要はなく、絶縁物から構成し、図6
(h)に示すように、その表面が平坦に形成できれば良
い。したがって、例えば、CVD法などにより、アース
電極406まで覆うように酸化シリコン膜を堆積形成
し、これを化学的機械的研磨法によりアース電極406
上面が露出するまで切削研磨することで、表面が平坦化
されたパシベーション膜407を形成するようにしても
良い。また、表面が露出した状態のアース電極は、各セ
ンサ電極のそばに必ず一対設ける必要はなく、センサ電
極複数個に1つのアース電極が設けられている状態でも
良い。ただし、この実施の形態2のように、格子状にア
ース電極を形成し、そのマスの中央部にセンサ電極を備
えるようにすることで、マトリクス状に配置された各セ
ンサ電極とアース電極との間隔をそれぞれ等しくするこ
とができる。
【0043】実施の形態3 次に、この発明の第3の実施例における表面形状認識用
センサに関して説明する。この実施の形態3では、図7
に示すように、まず、絶縁膜701上に形成された層間
絶縁膜703上に、例えば80μm角の銅からなるセン
サ電極705、および、アース電極(固定電極)706
を備えるようにした。なお、絶縁膜701は、図示して
いないが、以降に示すセンスユニットや処理手段などの
集積回路が形成された半導体基板上に形成されている。
アース電極706は、例えば、マス内の大きさがおおよ
び100μm角の正方形状とされた格子状に形成されて
いる。また、そのマスの中央部にセンサ電極705が配
置されている。そして、マスの数は300×300個ほ
ど備え、したがって、センサ電極705はマトリクス状
に300×300個配置されている。
【0044】その、絶縁膜701上には、窒化チタンか
らなるバリア膜704を介してセンサ電極705に接続
する、アルミニウムからなる配線702aを備えるよう
にした。また、センサ電極705は、それぞれの膜厚が
0.1μm程度のクロムと銅とからなる2層構造の下部
電極705aと、その上に形成された膜厚0.3μm程
度の上部電極705bとから構成した。なお、上部電極
705bは銅から構成した。
【0045】同様に、絶縁膜701上には、窒化チタン
からなるバリア膜704を介してアース電極706に接
続する、アルミニウムからなる配線702bを備えるよ
うにした。また、アース電極706も、クロムと銅から
なる2層構造の下部電極706aと、その上に形成され
た銅からなる膜厚5μm程度の電極柱706bとから構
成した。なお、前述した実施例2と同様に、下部電極7
05a,706aを構成する下層の金属はクロムに限る
ものではなく、例えば、チタンやニッケルなど銅の拡散
抑制と絶縁材料に対する密着性を向上させる他の金属を
用いるようにしても良い。そして、この実施の形態3で
は、センサ電極705およびアース電極706の上面お
よび側面を覆うようにルテニウムからなる保護膜705
cおよび保護膜706cを備えるようにした。
【0046】また、センサ電極705を覆うように、ポ
リイミドからなるパシベーション膜707を備え、その
パシベーション膜707表面でアース電極706の上部
を露出させた。また、パシベーション膜707は、アー
ス電極706の格子の間を埋め、センサ電極705上の
膜厚が、例えば、5μm程度となるように形成した。ま
た前述したセンスユニットが、前述した配線702a,
702bなどを介し、それぞれのセンサ電極705およ
びアース電極706に接続している。そして、このセン
スユニットは、アース電極706と各センサ電極705
との間に形成される容量を検出し、それらに対応した信
号を出力する。
【0047】また、各センスユニットの出力は、図示し
ていない処理手段により処理され、この処理手段によ
り、各センサ電極705に形成された容量を濃淡に変換
した画像データを生成する。これらは、前述した実施の
形態1,5と同様である。すなわち、この実施の形態3
の表面形状認識用センサにおいても、1つのセンサ素子
を構成している各センサ電極705の箇所で検出された
それぞれの容量に対応し、処理手段によって濃淡データ
を付ければ、指紋の形状が再現できることになる。
【0048】ところで、図7には示していないが、半導
体基板上の他の領域には、照合のための指紋データが格
納された記憶部や、記憶部に用意されている指紋データ
と読み取られた指紋画像とを比較照合する認識処理部な
どが集積された集積回路を備えている。なお、これら全
てを、センサ電極705下の半導体基板上に配置するよ
うにしても良い。この構成とすることで、よりコンパク
トな状態で、検出された指紋の形状と記憶部に格納され
ている指紋データとを、集積回路に構成されている認識
処理部で比較する指紋の照合が可能となる。
【0049】そして、この実施の形態3の表面形状認識
用センサでも、例えば指紋の形状を認識する場合、指の
一部がアース電極に触れることになる。したがって、そ
の指が接触したことにより表面形状認識用センサ表面に
静電気が発生することになる。しかし、その静電気はア
ース電極に流れていくので、この実施の形態3の表面形
状認識用センサでは、下部に形成されている他の集積回
路部分がその静電気で破壊されることが抑制される。ま
た、この実施の形態3によれば、アース電極の露出面が
ルテニウムで被覆された状態なので、アース電極の接触
面に酸化膜が形成されることが抑制されるようになる。
また、この実施の形態3によれば、アース電極を格子状
に形成してそのマスの中央部にセンサ電極を配置するよ
うにしたので、アース電極と各センサ電極との間隔が等
しくなる。
【0050】次に、上述したこの実施の形態3の表面形
状認識用センサの製造方法について、その一部を説明す
る。まず、半導体基板上に、前述したセンスユニットな
ど他の集積回路を形成し、この後、図8(a)に示すよ
うに、それら集積回路を覆うように、半導体基板上に、
シリコン酸化物からなる絶縁膜701を形成し、その上
にアルミニウムからなる配線702a,702bを形成
する。この配線702a,702bは、アルミニウム膜
を形成した後、公知のフォトリソグラフィ技術によりパ
ターニングすることで形成すれば良い。次に、配線70
2a,702bを覆うように、絶縁膜701上に層間絶
縁膜703を形成する。次に、層間絶縁膜703の配線
702a,702b上の所定箇所にスルーホール703
a,703bを形成する。
【0051】そして、少なくともスルーホール703
a,703b底部に露出した配線702a,702b表
面を覆うように、窒化チタンからなるバリア膜704を
形成する。このバリア膜704の形成は、次のようにす
れば良い。まず、スルーホール703a,703bが形
成された層間絶縁膜703上に、スパッタ法などにより
窒化チタン膜を形成する。次いで、フォトリソグラフィ
技術により、スルーホール形成部を隠すようにレジスト
パタンを形成する。そして、このレジストパタンをマス
クとし、RIEなどのドライエッチングで窒化チタン膜
を選択的に除去し、レジストパタンを除去すれば、バリ
ア膜704が形成される。なお、バリア膜704は、窒
化チタンから構成するものに限らない。バリア膜704
に、相互拡散を抑制できる他の導電性材料を用いるよう
にしても良い。
【0052】次に、図8(b)に示すように、バリア膜
704を含む層間絶縁膜703上に、それぞれ0.1μ
m程度のクロム膜と銅膜からなる2層構造の金属薄膜8
01を形成する。例えば、このクロム膜は蒸着法で形成
し、銅膜はスパッタ法により行えば良い。このように、
クロム膜を下に備えておくことで、銅の拡散を抑制で
き、また、銅の密着性を向上させることができる。な
お、やはり、このクロムの代わりに、例えば、チタンや
ニッケルなど、銅の拡散を抑制しかつ密着性を向上させ
ることができる金属を用いるようにしても良い。
【0053】次いで、図8(c)に示すように、この金
属薄膜801上に、スルーホール703a上部にあたる
所定の領域に開口部802aを有するレジストパタン8
02を、膜厚5μm程度に形成する。そして、金属薄膜
801を陰極とした電解メッキ法により、その開口部8
02a底部に露出している金属薄膜801表面に、膜厚
0.3μmに銅膜を形成することで、上部電極705b
を形成する。なお、この上部電極705bの形成は、電
解メッキ法に限るものではない。
【0054】次に、レジストパタン802を除去した
後、今度は、図9(d)に示すように、上部電極705
bを囲う溝903aを備えたレジストパタン903を、
膜厚5μm程度に形成する。この溝903aは、図7に
示した、アース電極706を配置する領域である。そし
て、金属薄膜801を陰極とした電解メッキ法により、
その溝903a底部に露出している金属薄膜801表面
に、膜厚5μm程度に銅を成長させ、電極柱706bを
形成する。
【0055】次に、レジストパタン903を除去した
後、図9(e)に示すように、表面が露出している部分
の金属薄膜801をエッチング除去する。このエッチン
グは、まず、燐酸,硝酸,および,酢酸からなる混酸の
水溶液をエッチング液としたウエット処理により、上層
の銅膜を除去する。次いで、フェリシアン化カリウムと
水酸化ナトリウムとの水溶液をエッチング液としたウエ
ット処理により、下層のクロムを除去するようにすれば
良い。以上の結果、層間絶縁膜703上に、高さ5μm
程度に格子状にアース電極706が形成される。そし
て、その格子状のアース電極706の升目の中心部に、
センサ電極705が形成されることになる。次に、図9
(f)に示すように、センサ電極705およびアース電
極706の露出している表面に、ルテニウムからなる保
護膜705cおよび保護膜706cを形成する。この形
成は、無電界メッキ法により、銅からなる各電極表面に
だけルテニウムを0.1μm程度成長させることで行え
る。
【0056】そして、図7に示したように、格子状のア
ース電極706のマスの中を埋め込むように、パシベー
ション膜707を形成する。このパシベーション膜70
7の形成は、次に示すようにすれば良い。まず、センサ
電極705およびアース電極706が形成された層間絶
縁膜703上に、回転塗布などによりポリイミド材料を
塗布してポリイミド膜を形成する。そのポリイミド材料
としては、例えば、ポリベンザオキサゾール前駆体をベ
ースとしたポリイミド樹脂を用いた。この塗布により、
ポリイミド膜の表面は、アース電極706やセンサ電極
705による層間絶縁膜703上の凹凸を吸収して平坦
に形成される。これら塗布によるポリイミド膜を形成し
た後、310℃程度に加熱して塗布したポリイミド膜を
熱硬化させる。
【0057】そして、その硬化したポリイミド膜を、ア
ース電極706の表面が露出するまでエッチバックすれ
ば、アース電極706のマスの中を埋め込むように、そ
の表面が平坦なポリイミドからなるパシベーション膜7
07を形成することができる。このエッチバックは、例
えば、酸素ガスのプラズマを用いたドライエッチングに
より行えば良い。ポリイミドは有機材料であるので、酸
素ガスのプラズマを用いればエッチングが可能である。
なお、そのエッチバックは、例えば化学的機械的研磨法
などを用いても良い。以上のことにより、図7に示し
た、この実施の形態3の表面形状認識用センサの電極部
が形成できる。
【0058】ところで、上述では、アース電極706を
格子状に形成したが、これに限るものではなく、例え
ば、パシベーション膜707に埋め込まれているセンサ
電極705周囲の片側に、パシベーション膜707表面
では分離した状態で、複数のアース電極703を形成す
るようにしても良い。ただし、アース電極703は、下
層の配線層でそれぞれが接続されて全てが同電位とされ
ているものとする。また、表面が露出した状態のアース
電極は、各センサ電極のそばに必ず一対設ける必要はな
く、センサ電極複数個に1つのアース電極が設けられて
いる状態でも良い。ただし、この実施の形態3のよう
に、格子状にアース電極を形成し、そのマスの中央部に
センサ電極を備えるようにすることで、マトリクス状に
配置された各センサ電極とアース電極との間隔をそれぞ
れ等しくすることができる。
【0059】実施の形態4 次に、この発明の第4の実施例における表面形状認識用
センサに関して説明する。この実施の形態4では、図1
0に示すように、まず、絶縁膜1001上に形成された
層間絶縁膜1003上に、例えば80μm角の金からな
るセンサ電極1005、および、アース電極1006を
備えるようにした。なお、絶縁膜1001は、図示して
いないが、以降に示すセンスユニットや処理手段などの
集積回路が形成された半導体基板上に形成されている。
【0060】そのアース電極1006は、前述の実施の
形態3と同様であり、マス内の大きさがおおよび100
μm角の正方形状とされた格子状に形成されている。ま
た、そのマスの中央部にセンサ電極1005が配置され
ている。そして、マスの数は300×300個ほど備
え、したがって、センサ電極1005はマトリクス状に
300×300個配置されている。その、絶縁膜100
1上には、窒化チタンからなるバリア膜1004を介し
てセンサ電極1005に接続する、アルミニウムからな
る配線1002aを備えるようにした。また、センサ電
極1005は、それぞれ膜厚0.1μm程度のクロムと
金の2層構造の下部電極1005aと、その上に形成さ
れた膜厚0.3μm程度の金からなる上部電極1005
bとから構成した。
【0061】同様に、絶縁膜1001上には、窒化チタ
ンからなるバリア膜1004を介してアース電極100
6に接続する、アルミニウムからなる配線1002bを
備えるようにした。また、アース電極1006も、クロ
ムと金からなる2層構造の下部電極1006aと、その
上に形成された金からなる膜厚5μm程度の電極柱10
06bとから構成した。このように、下層にクロム膜を
配置することで、金膜と下の層間絶縁膜1003との密
着性を向上させることができる。なお、前述したよう
に、クロムの代わりに例えば、チタンやニッケルなど、
金の拡散を抑制しかつ絶縁材料との密着性を向上させる
ことができる金属を用いるようにしても良い。
【0062】また、センサ電極1005を覆うように、
ポリイミドからなるパシベーション膜1007を備え、
そのパシベーション膜1007表面でアース電極100
6の上部を露出させた。また、パシベーション膜100
7は、アース電極1006の格子の間を埋め、センサ電
極1005上の膜厚が、例えば、5μm程度となるよう
に形成した。以上のように、この実施の形態4では、セ
ンサ電極1005およびアース電極1006を金から構
成するようにしたので、腐食することがなく、保護膜な
どを備える必要がない。また、ポリベンザオキサゾール
によるポリイミドをパシベーション膜1007に用いる
ようにしたので、これが金との密着性が良いため、セン
サ電極1005やアース電極1006に金を用いるよう
にしてもパシベーション膜1007の剥がれなどをほぼ
抑制できる。
【0063】また前述したセンスユニットが、前述した
配線1002a,1002bなどを介し、それぞれのセ
ンサ電極1005およびアース電極1006に接続して
いる。そして、このセンスユニットは、アース電極10
06と各センサ電極1005との間に形成される容量を
検出し、それらに対応した信号を出力する。また、各セ
ンスユニットの出力は、図示していない処理手段により
処理され、この処理手段により、各センサ電極1005
に形成された容量を濃淡に変換した画像データを生成す
る。
【0064】以上のように構成した表面形状認識用セン
サでは、そのパシベーション膜1007上に指の先端部
が接触すると、まず、アース電極1006上部に指紋の
突部が接触する。人間の指紋の幅は約200〜300μ
m程度なので、100μm間隔に格子状に形成されてい
るアース電極1006には、指紋の突部が必ず接触する
ことになる。この結果、パシベーション膜1007上に
置いて、指紋の突部が接触している指先端部は、アース
電極1006と同電位となる。そして、その指先端部の
各部分と、センサ電極1005との間には、それぞれ容
量が形成され、その容量がセンスユニットに検出され
る。
【0065】そして、前述の実施の形態1にも説明した
ように、指紋突部下のセンサ電極1005とアース電極
1006との間の容量と、指紋凹部下のセンサ電極10
05とアース電極1006との間の容量とは異なって検
出されることになる。この結果、各センサ電極1005
の箇所で検出されたそれぞれの容量に対応し、処理手段
によって濃淡データを付ければ、指紋の形状が再現でき
ることになる。一方、図10には示していないが、前述
した実施の形態3と同様であり、半導体基板上の他の領
域には、照合のための指紋データが格納された記憶部
や、記憶部に用意されている指紋データと読み取られた
指紋画像とを比較照合する認識処理部などが集積された
集積回路を備えている。なお、これら全てを、センサ電
極1005下の半導体基板上に配置するようにしても良
い。この構成とすることで、よりコンパクトな状態で、
検出された指紋の形状と記憶部に格納されている指紋デ
ータとを、集積回路に構成されている認識処理部で比較
する指紋の照合が可能となる。
【0066】そして、この実施の形態4の表面形状認識
用センサでも、例えば指紋の形状を認識する場合、指の
一部がアース電極に触れることになる。したがって、そ
の指が接触したことにより表面形状認識用センサ表面に
静電気が発生することになる。しかし、その静電気はア
ース電極に流れていくので、この実施の形態4の表面形
状認識用センサでは、下部に形成されている他の集積回
路部分がその静電気で破壊されることが抑制される。
【0067】また、この実施の形態4によれば、アース
電極が金で構成されているので、アース電極の接触面に
酸化膜が形成されることがない。また、この実施の形態
4によれば、アース電極を格子状に形成してそのマスの
中央部にセンサ電極を配置するようにしたので、アース
電極と各センサ電極との間隔が等しくなる。なお、この
実施の形態4においても、センサ電極の側面や上面そし
てアース電極の側面や上面を、例えばルテニウムからな
る保護膜で覆うようにしても良い。このように保護膜で
覆うことにより、パシベーション膜との密着性を向上さ
せることができる場合がある。
【0068】次に、上述したこの実施の形態4の表面形
状認識用センサの製造方法について、その一部を説明す
る。まず、半導体基板上に、前述したセンスユニットな
ど他の集積回路を形成し、この後、図11(a)に示す
ように、それら集積回路を覆うように、半導体基板上
に、シリコン酸化物からなる絶縁膜1001を形成し、
その上にアルミニウムからなる配線1002a,100
2bを形成する。この配線1002a,1002bは、
アルミニウム膜を形成した後、公知のフォトリソグラフ
ィ技術によりパターニングすることで形成すれば良い。
次に、配線1002a,1002bを覆うように、絶縁
膜1001上に層間絶縁膜1003を形成する。次に、
層間絶縁膜1003の配線1002a,1002b上の
所定箇所にスルーホール1003a,1003bを形成
する。
【0069】そして、前述した実施の形態1〜3と同様
に、少なくともスルーホール1003a,1003b底
部に露出した配線1002a,1002b表面を覆うよ
うに、窒化チタンからなるバリア膜1004を形成す
る。次に、図11(b)に示すように、バリア膜100
4を含む層間絶縁膜1003上に、クロムと金からなる
金属薄膜1101を膜厚0.2μm程度に形成する。こ
れは、例えば蒸着法により行えば良い。このように、ク
ロム膜を下に備えておくことで、金の拡散を抑制でき、
また、金の層間絶縁膜1003に対する密着性を向上さ
せることができる。なお、前述したように、このクロム
の代わりに、例えば、チタンやニッケルなど、金の拡散
を抑制しかつ密着性を向上させることができる金属を用
いるようにしても良い。
【0070】次いで、図11(c)に示すように、この
金属薄膜1101上に、スルーホール1003a上部に
あたる所定の領域に開口部1102aを有するレジスト
パタン1102を、膜厚5μm程度に形成する。そし
て、金属薄膜1101を陰極とした電解メッキ法によ
り、その開口部1102a底部に露出している金属薄膜
1101表面に、膜厚0.3μmに金膜を形成すること
で、上部電極1005bを形成する。次に、レジストパ
タン1102を除去した後、今度は、図12(d)に示
すように、上部電極1005bを囲う溝1203aを備
えたレジストパタン1203を、膜厚5μm程度に形成
する。この溝1203aは、図10に示した、アース電
極1006を配置する領域である。そして、金属薄膜1
101を陰極とした電解メッキ法により、その溝120
3a底部に露出している金属薄膜1101表面に、膜厚
5μm程度に金を成長させ、電極柱1006bを形成す
る。
【0071】次に、レジストパタン1203を除去した
後、表面が露出している部分の金属薄膜1101をエッ
チング除去する。このエッチングは、まず、ヨウ素,ヨ
ウ化アンモニウム,および,エタノールからなる混合液
の水溶液をエッチング液としたウエット処理により、上
層の金膜を除去する。この場合、エッチング速度は0.
05μm程度であった。次いで、次いで、フェリシアン
化カリウムと水酸化ナトリウムとの水溶液をエッチング
液としたウエット処理により、下層のクロムを除去する
ようにすれば良い。
【0072】以上の結果、図10に示したように、層間
絶縁膜1003上に、高さ5μm程度に格子状にアース
電極1006が形成される。そして、その格子状のアー
ス電極1006の升目の中心部に、センサ電極1005
が形成されることになる。そして、前述した実施の形態
3と同様に、格子状のアース電極1006のマスの中を
埋め込むように、パシベーション膜1007を形成すれ
ば、図10に示したこの実施の形態4の表面形状認識用
センサが形成される。なお、この実施の形態4において
も、アース電極1006を格子状に形成する必要はな
く、例えば、パシベーション膜1007に埋め込まれて
いるセンサ電極1005周囲の片側に、パシベーション
膜1007表面では分離した状態で、複数のアース電極
1003を形成するようにしても良い。
【0073】ところで、上述したように、格子状にアー
ス電極を形成し、この格子のマスの中央部にセンサ電極
を配置するようにした場合、アース電極とセンサ電極と
が近設されることになり、それらの間に寄生容量が発生
することになる。この寄生容量が大きすぎると、センサ
電極とパシベーション膜上に触れた指表面との間の容量
を検出しにくくなる。ここで、人間の指の指紋検出を考
えた場合、表面形状認識用センサにおいては250〜5
00dpiの解像度が要求されることになる。この要求
を満たすためには、マトリクス状に配置されたセンサ素
子1つの大きさ、すなわちセンサ素子のピッチを例えば
100μm角以下にする必要がある。
【0074】ここで、図13に示すようにセンサ素子の
断面を模式的に考えると、層間絶縁層1301上に、正
方形のセンサ電極1302および格子状のアース電極1
303が配置され、アース電極1303の間を埋めるよ
うに、比誘電率が4のパシベーション膜1304が形成
されていることになる。そして、指紋検出のときは、パ
シベーション膜1304上に指1305が接触すること
になる。なお、指1305は、図示してない領域におい
て、アース電極1303に接触している。このとき、指
1305およびアース電極1303とセンサ電極130
2との間に容量が形成されている。しかし、センサ電極
1302とアース電極1303との間には寄生容量Cp
が形成されているので、指1303が接触したことで発
生した上述の容量より、寄生容量Cpを減じたものが、
表面形状検出に関わる容量Cfとなる。
【0075】その容量Cfとセンサ電極1302とアー
ス電極1303との間の距離Lとの関係は、例えば、1
つのセンサ素子の大きさを80μm角とし、アース電極
1303の幅がほとんどないと仮定したとき、すなわち
0=80μmとしたとき、図14のようにシミュレー
トできる。なお、ここでは、パシベーション膜1304
のセンサ電極1302上の膜厚を2μmとし、またその
比誘電率を2としたときの場合である。図14におい
て、まず、寄生容量Cpはセンサ電極1302側面とア
ース電極1303との間のみに発生するものとした場合
を波線で示している。
【0076】しかし、実際には、センサ電極1302側
面および上面とアース電極1303との間に寄生容量C
pは形成されるので、そのことを考慮した結果が点線と
実線で示してある。その中で、上面の効果をより大きく
考慮したものが実線である。また、図14においては、
センサ電極1302が形成できる最大の領域が80μm
角より小さい領域であるので、Lを大きくしていけばセ
ンサ電極1302の面積は小さくなり、容量Cfは小さ
くなる。これとは反対に、センサ電極1302を大きく
する、言い換えると、Lを小さくしていけば、検出でき
る容量Cfは大きくなる。
【0077】そこで、側面のみで寄生容量Cpが形成さ
れるものとした場合、波線で示すように、Lを可能な限
り小さくすればするほど検出できる容量Cfは大きくな
る。しかしながら、実際には、センサ電極1302の上
面とアース電極1303との間にも寄生容量が形成され
るので、センサ電極1302の面積が大きくなるほど寄
生容量Cpも大きくなり、結果として、点線や実線で示
すように検出できる容量Cfも小さくなる。そして、図
14から明らかなように、センサ電極1302とアース
電極1303との距離Lが2μmのところで、検出でき
る容量Cfが極大値となっている。したがって、以上の
ことより、前述した実施の形態3,7のように、アース
電極を格子状に形成し、そのマスの中にセンサ電極を配
置するようにした場合、センサ電極とアース電極とは2
μm程度の間隔とした場合が最も良いものと考えられ
る。
【0078】一方、前述したようにLを大きくしていく
と、これはセンサ電極1302の面積を小さくすること
になるので、検出できる容量Cfが小さくなる。そし
て、Lをあまり大きくすると、容量Cfのがセンスユニ
ットで面出できないほど小さくなってしまう。したがっ
て、Lの大きさはセンスユニットの感度限界により規定
される。また、指紋検出を考えた場合、前述したよう
に、センサ素子1つの大きさ、すなわち、図13に示し
たW0の値は100μm程度が上限となる。
【0079】それらのことを考慮した場合、LとW0
の関係は、図15に示すようになる。図15では、セン
サ電極1302上のパシベーション膜1304の膜厚d
が2μmの場合と4μmの場合とを示している。図15
に示すように、解像度の制約よりW0を100μm以下
とした場合、まず、寄生容量Cpの影響は、図14にも
示したように、Lが2μm近辺のところが最も小さく、
これはW0の値が変化してもほぼ一定であり、dに対応
してほぼ一意に決定される。また、Lをあまり小さくす
ると、図14に示したように、急激に検出できる容量C
fが減少するので、Lは2μmよりあまり小さくしない
方が良い。
【0080】一方、Lを2μmより大きくしていくと、
センサ電極1302の面積が小さくなることなので、こ
の場合も検出できる容量Cfが減少することになる。す
なわち、あまりLを大きくし過ぎると、前述したように
センスユニットで容量Cfが検出できなくなる。一般
に、検出できる容量は数fF程度となる。すなわち、パ
シベーション膜1304の比誘電率が2程度としてその
膜厚が2μm程度のときは、センサ電極1302の面積
が400μm2以上はないと、容量Cfを検出できなく
なる。したがって、一般的には、正方形のセンサ電極1
302は1辺Wが20μm以上となっている必要があ
る。そしてここでは、W0=W+2LでありL=(W0
W)/2であるので、図15に示すように、L≦(W0
/2)−10となる。なお、図13に示したパシベーシ
ョン膜1304の比誘電率が大きいほどまたその膜厚が
小さいほど、図15に示す三角形の領域は情報に広げる
ことが可能となり、図16,17,18に示すように変
化する。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように、この発明では、表
面形状認識用センサは、半導体基板上に形成された層間
絶縁膜の同一平面にそれぞれが絶縁分離され、かつそれ
ぞれ固定配置されたセンサ電極を有する複数の容量検出
素子と、その容量検出素子それぞれの容量を検出する容
量検出手段と、層間絶縁膜上でセンサ電極と絶縁分離さ
れて配置された固定電極とを備えるようにした。このよ
うに構成したので、認識対象が触れることでその表面の
凹凸に対応して容量検出素子が検出する容量が変化す
る。そして、新たに固定電極を備えたことにより、セン
シングの際に発生する静電気によって、同時に搭載され
ている素子などが静電破壊されることが抑制されるの
で、この発明によれば、安定して高感度の表面形状検出
が信頼性の高い状態で表面形状の認識ができるようにな
る。
【0082】また、この発明では、以上のような構成に
おいて、層間絶縁膜上にセンサ電極を覆うように形成さ
れかつ絶縁性の部材から構成されたパシベーション膜を
備え、固定電極は、パシベーション膜表面に一部が接触
した対向電極となる表面形状の認識対象物の表面と接触
するように、その一部がパシベーション膜表面で露出し
て層間絶縁膜上に形成され、容量検出手段は、センサ電
極と認識対象物の表面との間の容量を検出するようにし
た。したがって、認識対象が触れるとこれが一方の対向
電極となり、また、これが固定電極に接触した状態で、
認識対象の表面とセンサ電極との間に容量が形成され、
これが容量検出手段に検出される。したがって、認識対
象が触れることで静電気が発生しても、これが固定電極
に流れていくので、同時に搭載されている素子などが静
電破壊されることが抑制される。この結果、この発明に
よれば、安定して高感度の表面形状検出が信頼性の高い
状態で表面形状の認識ができるようになる。
【0083】また、この発明の表面認識用センサでは、
それらの構成において、固定電極は、少なくともパシベ
ーション膜表面において露出部が格子状に形成され、セ
ンサ電極は、固定電極により形成されているマスの中央
部に配置されているようにした。したがって、センサ電
極と固定電極との間の距離が、全て均一となる。その中
で、固定電極は正方形の格子状に形成されてその1つの
マスで容量検出素子が構成され、パシベーション膜はセ
ンサ電極上の膜厚が0.3μm以上20μm以下に形成
されているようにすれば、センサ電極とその上のパシベ
ーション膜に接触した表面形状認識対象との間の容量が
検出可能となる。その中で、人間の指紋の状態を検出し
ようとする場合は、固定電極の格子の間隔は100μm
以下に形成されているようにした。また、それらの構成
とすることで、例えば、パシベーション膜は、比誘電率
が2より大きく7より小さい範囲とすれば良い。例え
ば、パシベーション膜に比誘電率4の材料を用いてその
センサ電極上の膜厚を2μmとしたとき、センサ電極は
1辺が20μm以上の正方形に形成すれば良く、特に、
そのセンサ電極と周囲に配置されている固定電極との距
離は2μmとすることが良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態における表面形状
認識用センサの特に1つの容量検出素子の構成を示す断
面図である。
【図2】 実施の形態1における表面形状認識用センサ
の製造過程を示す工程図である。
【図3】 図2に続く、実施の形態1における表面形状
認識用センサの製造過程を示す工程図である。
【図4】 本発明の第2の実施の形態における表面形状
認識用センサの構成を示す断面図および平面図である。
【図5】 実施の形態2における表面形状認識用センサ
の製造過程を示す工程図である。
【図6】 図5に続く、実施の形態2における表面形状
認識用センサの製造過程を示す工程図である。
【図7】 本発明の第3の実施の形態における表面形状
認識用センサの特に1つの容量検出素子の構成を示す断
面図である。
【図8】 実施の形態3における表面形状認識用センサ
の製造過程を示す工程図である。
【図9】 図8に続く、実施の形態3における表面形状
認識用センサの製造過程を示す工程図である。
【図10】 本発明の第4の実施の形態における表面形
状認識用センサの特に1つの容量検出素子の構成を示す
断面図である。
【図11】 実施の形態4における表面形状認識用セン
サの製造過程を示す工程図である。
【図12】 図11に続く、実施の形態4における表面
形状認識用センサの製造過程を示す工程図である。
【図13】 実施の形態4における表面形状認識用セン
サの他の形態を示し、特に1つの容量検出素子の構成を
概略的に示す断面図である。
【図14】 図13に示した表面形状認識用センサにお
ける、容量Cfとセンサ電極とアース電極との間の距離
Lとの関係をシミュレートした結果を示す相関図であ
る。
【図15】 図13に示した表面形状認識用センサにお
けるLとW0との関係を示した相関図である。
【図16】 パシベーション膜の比誘電率を2としたと
きの、図13に示した表面形状認識用センサにおけるL
とW0とdの関係を示した相関図である。
【図17】 パシベーション膜の比誘電率を4としたと
きの、図13に示した表面形状認識用センサにおけるL
とW0とdの関係を示した相関図である。
【図18】 パシベーション膜の比誘電率を7としたと
きの、図13に示した表面形状認識用センサにおけるL
とW0とdの関係を示した相関図である。
【図19】 従来よりある表面形状認識用センサの特に
1つの容量検出素子の構成を概略的に示す断面図であ
る。
【図20】 従来よりある表面形状認識用センサの構成
を概略的に示す平面図である。
【符号の説明】 101…半導体基板、102…下層絶縁膜、103…配
線、104…層間絶縁膜、105…センサ電極、106
…アース電極(固定電極)、107…パシベーション
膜、108…センスユニット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 町田 克之 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 Fターム(参考) 2F063 AA43 BA29 CA28 DA02 DA05 DD07 HA04 5B047 AA25

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に形成された層間絶縁膜の
    同一平面にそれぞれが絶縁分離され、かつそれぞれ固定
    配置されたセンサ電極を有する複数の容量検出素子と、 前記容量検出素子それぞれの容量を検出する容量検出手
    段と、 前記層間絶縁膜上で前記センサ電極と絶縁分離されて配
    置された固定電極とを備えたことを特徴とする表面形状
    認識用センサ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の表面形状認識用センサに
    おいて、 前記層間絶縁膜上にセンサ電極を覆うように形成されか
    つ絶縁性の部材から構成されたパシベーション膜を備
    え、 前記固定電極は、前記パシベーション膜表面に一部が接
    触した対向電極となる表面形状の認識対象物の表面と接
    触するように、その一部が前記パシベーション膜表面で
    露出して前記層間絶縁膜上に形成され、 前記容量検出手段は、前記センサ電極と前記認識対象物
    の表面との間の容量を検出することを特徴とする表面形
    状認識用センサ。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の表面形状認識用センサに
    おいて、 前記固定電極は正方形の格子状に形成されてその1つの
    升で前記容量検出素子が構成され、 前記センサ電極は前記固定電極で形成された升の中に配
    置され、 前記パシベーション膜は前記センサ電極上の膜厚が0.
    3μm以上20μm以下に形成されていることを特徴と
    する表面形状認識用センサ。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の表面形状認識用センサに
    おいて、 前記固定電極の格子の間隔は100μm以下に形成され
    ていることを特徴とする表面形状認識用センサ。
  5. 【請求項5】 請求項3または4記載の表面形状認識用
    センサにおいて、 前記パシベーション膜は、比誘電率が2より大きく7よ
    り小さいことを特徴とする表面形状認識用センサ。
  6. 【請求項6】 請求項3〜5いずれか1項記載の表面形
    状認識用センサにおいて、 前記パシベーション膜の比誘電率は4とされ、前記セン
    サ電極上の前記パシベーション膜の膜厚は2μmとさ
    れ、前記センサ電極は1辺が20μm以上の正方形に形
    成されたことを特徴とする表面形状認識用センサ。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の表面形状認識用センサに
    おいて、 前記センサ電極とその周囲に配置されている前記固定電
    極との距離は2μmとされたことを特徴とする表面形状
    認識用センサ。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7いずれか1項記載の表面形
    状認識用センサにおいて、 前記センサ電極の上面と前記固定電極の上面を覆うよう
    に形成された導電性を有する保護膜を備えたことを特徴
    とする表面形状認識用センサ。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の表面形状認識用センサに
    おいて、 前記保護膜は金から構成されたことを特徴とする表面形
    状認識用センサ。
  10. 【請求項10】 請求項1〜7いずれか1項記載の表面
    形状認識用センサにおいて、 前記センサ電極の側面および上面と前記固定電極の側面
    および上面を覆うように形成された導電性を有する保護
    膜を備えたことを特徴とする表面形状認識用センサ。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の表面形状認識用セン
    サにおいて、 前記保護膜はルテニウムから構成されたことを特徴とす
    る表面形状認識用センサ。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11記載の表面形状認識用
    センサにおいて、 前記半導体基板上の前記層間絶縁膜下に配置されて前記
    センサ電極および前記固定電極に接続する第1および第
    2の配線を備え、 前記センサ電極および前記固定電極は、前記第1および
    第2の配線を介して前記容量検出手段に接続されたこと
    を特徴とする表面形状認識用センサ。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12記載の表面形状認識用
    センサにおいて、 前記容量検出手段は、前記半導体基板上に同時に搭載さ
    れたことを特徴する表面形状認識用センサ。
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