JP2000230526A - ネジおよびドライバビット - Google Patents

ネジおよびドライバビット

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JP2000230526A JP11035130A JP3513099A JP2000230526A JP 2000230526 A JP2000230526 A JP 2000230526A JP 11035130 A JP11035130 A JP 11035130A JP 3513099 A JP3513099 A JP 3513099A JP 2000230526 A JP2000230526 A JP 2000230526A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カムアウト現象を生じにくいネジおよびドラ
イバビットを提供する。 【解決手段】 全体に陥没穴状をなす回動部5のうち、
ドライバビット6の翼部8を嵌合される翼係合部2の少
なくとも片側の側壁面10の先端側部分10aを、該側
壁面10の基端側の部分10bに対し、反対側の側壁面
9から遠ざかる方向に屈曲する。ドライバビット6も回
動部5に対応する形状とする。これにより、ネジ3に対
してドライバビット6が傾きにくくなり、また、ドライ
バビット6の翼部8の屈曲した側面14に、対応する形
状に屈曲したネジ3の翼係合部2の側壁面10が食い込
むので、側面14が側壁面10を確実に把握し、翼部8
と翼係合部2との引っ掛かりがよくなるため、ドライバ
ビット6がカムアウトしにくくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ネジおよびドライ
バビットに係り、特にドライバビットを嵌合される陥没
穴状をなす回動部を改良されたネジおよびそのためのド
ライバビットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、陥没穴状をなすネジの回動部とし
ては、図1に示される十字穴1が最も一般的に使用され
ている。このような十字穴1においては、4つの翼係合
部(ドライバビットの翼部(羽根部)が係合される部
分)2が、ネジ3の径方向に延びている。このような十
字穴1を有するネジ3を締め付けたり緩めたりするドラ
イバビット(図示せず)は、十字穴1に対応する形状を
有しており、4つの翼部はそれぞれ軸方向から見ると、
径方向に延びている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記十字穴1の場合、
翼係合部2の両側の側壁面21,22がそれぞれ1つの
平面状とされているため、十字穴1に対してドライバビ
ットが正しくネジ3と同一軸上に挿入されたとしても、
翼係合部2とドライバビットの翼部との引っ掛かりが悪
いので、ネジ3を回転させようとするとき、所謂カムア
ウト現象(ドライバビットが回動部1,2から飛び出し
てしまう現象)を生じ易い。しかもその上、ネジ3に対
してドライバビットが傾き易く、そのようにネジ3に対
してドライバビットが傾いた状態では、より一層カムア
ウト現象を生じ易いという問題があった。
【0004】本発明は、このような従来の事情に鑑みて
なされたもので、本発明の1つの目的は、ドライバビッ
トがカムアウトしにくい(回動部から外れにくい)ネジ
およびドライバビットを提供することにある。
【0005】本発明の他の目的は、以下の説明から明ら
かになろう。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によるネジは、全
体に陥没穴状をなし、ドライバビットの翼部を嵌合され
る翼係合部を備えた回動部を有するネジにおいて、各翼
係合部の少なくとも片側の側壁面の先端側の部分を、該
側壁面の基端側の部分に対し、反対側の側壁面から遠ざ
かる方向に屈曲したものである。
【0007】また、本発明によるドライバビットは、前
記本発明によるネジの回動部に対応する形状を有するも
ので、各翼部の少なくとも片側の側面の先端側の部分
を、該側面の基端側の部分に対し、反対側の側面から遠
ざかる方向に屈曲したものである。
【0008】本発明においては、ネジの回動部の各翼係
合部の少なくとも片側の側壁面の先端側の部分が、該側
壁面の基端側の部分に対し、反対側の側壁面から遠ざか
る方向に屈曲されているので、対応する形状の翼部を有
するビットを用いれば、ネジに対してドライバビットが
傾きにくくなり、また、翼部の屈曲した側面に、対応す
る形状に屈曲した翼係合部の側壁面が食い込むので、前
記側面が前記側壁面を確実に把握し、翼部と翼係合部と
の引っ掛かりがよくなるため、ドライバビットがカムア
ウトしにくくなる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例に基づいて
説明する。
【0010】
【実施例】図2〜5は本発明の第一実施例を示し、この
うち図2はネジ3の平面図(ネジ3をその頭部4側から
軸方向に見た図)、図3は図2のIII−III線にお
ける断面図、図4はネジ3の回動部5にドライバビット
6が嵌合された状態を示す横断面図、図5は図4の要部
の拡大断面図である。ネジ3の軸部7には右ネジのネジ
山23が形成されている。ネジ3の頭部4には該頭部4
の一部を陥没させてなる陥没穴状の回動部5が設けられ
ている。図2に示されるように、この回動部5は全体に
大略十字状をなしており、90度間隔に配置された4つ
の翼係合部2を備えている。各翼係合部2の両側の側壁
面9,10のうちの、ネジ3緩め時にドライバビット6
の翼部8の回転方向前方に存在することとなる側の側壁
面9(以下、緩め側側壁面と呼ぶ)は、ほぼ全体に1つ
の平面状をなしている。他方、各翼係合部2の、ネジ3
締め付け時にドライバビット6の翼部8の回転方向前方
に存在することとなる側の側壁面10(以下、締付側側
壁面と呼ぶ)は屈曲されている。すなわち、この締付側
側壁面10の先端側部分10aは該締付側側壁面10の
基端側部分10bに対し緩め側側壁面9から遠ざかる方
向に屈曲されている。
【0011】なお、本実施例では、各翼係合部2の緩め
側側壁面9並びに締付側側壁面10の基端側部分10b
および先端側部分10aは、ネジ3の軸方向と平行な平
面状とされているが、これらの側壁面9,10は、ドラ
イバビット6の挿入を容易にするために、適当な勾配の
傾斜面としてもよい。
【0012】図2および3に示されるように、前記回動
部5の中心付近部および翼係合部2の基端側部分の底面
11は、比較的に緩い勾配でネジ3の中心側から外周側
へ登って行く傾斜面とされる一方、翼係合部2の先端側
部分の底面12は急峻な勾配で外周側へと登って行く傾
斜面とされている。
【0013】図4および5において、ドライバビット6
はネジ3の軸に対し垂直に断面した横断面として表れて
いる。この図4から明らかなように、ドライバビット6
は回動部5に対応する横断面形状を有しており、各翼部
8の両側面13,14のうちの、ネジ3緩め時に回転方
向前方となる側の側面13(以下、緩め側側面と呼ぶ)
は、ほぼ全体に1つの平面状をなしている。他方、各翼
部8の、ネジ3締め付け時に回転方向後方となる側の側
面14(以下、締付側側面と呼ぶ)は屈曲されている。
すなわち、この締付側側面14の先端側部分14aは、
該締付側側面14の基端側部分14bに対し、緩め側側
面13から遠ざかる方向に屈曲されている。
【0014】次に、本実施例の作動を説明する。このネ
ジ3およびドライバビット6においては、ネジ3の翼係
合部2およびドライバビット6の翼部8が屈曲されてい
るので、回動部5にドライバビット6を挿入するとき、
ネジ3の軸に対してドライバビット6が傾きにくい。そ
して、ネジ3締め付け時は、ドライバビット6の翼部8
の屈曲した締付側側面14に、対応する形状に屈曲した
回動部5の翼係合部2の締付側側壁面10が食い込むの
で、側面14が側壁面10を確実に把握し、翼部8と翼
係合部2との引っ掛かりがよくなるため、ネジ3締め付
け時にドライバビット6がカムアウトしにくくなる。
【0015】なお、本実施例においては、各翼係合部2
の締付側側壁面10の基端側部分10bおよび先端側部
分10aとドライバビット6の翼部8の締付側側面14
の基端側部分14bおよび先端側部分14aとが、それ
ぞれネジ3の軸方向と平行な平面状とされているので、
これによっても一層カムアウトが生じにくくなるが、本
発明においては、これらの側壁面10a,10bおよび
側面14a,14bを適当な勾配の傾斜面としても、こ
れらが屈曲していることにより、前記のように翼部8と
翼係合部2との引っ掛かりがよくなるため、カムアウト
が生じにくくなる。
【0016】図6および7は本発明の第二実施例を示し
ている。前記実施例においては、ネジ3の回動部5の翼
係合部2の締付側側壁面10およびドライバビット6の
翼部8の締付側側面14のみが屈曲されていたが、本実
施例では、翼係合部2の緩め側側壁面9および翼部8の
緩め側側面13も同様に屈曲されている。すなわち、ネ
ジ3の緩め側側壁面9の先端側部分9aは該緩め側側壁
面9の基端側部分9bに対し締付側側壁面10から遠ざ
かる方向に屈曲され、ドライバビット6の緩め側側面1
3の先端側部分13aも、該緩め側側面13の基端側部
分13bに対し、締付側側面14から遠ざかる方向に屈
曲されている。ネジ3およびドライバビット6の他の構
成は前記実施例と同様である。
【0017】本実施例においては、ネジ3緩め時には、
ドライバビット6の翼部8の屈曲した緩め側側面13
に、対応する形状に屈曲した回動部5の翼係合部2の緩
め側側壁面9が食い込むので、側面13が側壁面9を確
実に把握し、翼部8と翼係合部2との引っ掛かりがよく
なるため、ネジ3緩め時にもドライバビット6がカムア
ウトしにくくなる。
【0018】図8および9は、本発明の第三実施例を示
している。図では回動部5の形状およびドライバビット
6のみ示しているが、本実施例においては、図示しない
ネジの軸部には右ネジのネジ山が形成されている。回動
部5は図示しないネジの頭部の一部を陥没させてなり、
この回動部5は、軸方向頭部側から見てネジの軸線にそ
の中心を一致された正方形状をなす正方形状部15と、
4つの直線状の翼係合部2とからなる。各翼係合部2の
緩め側側壁面9の基端側部分9bの上端は、正方形状部
15の上端の各辺をそれぞれ一方に延長した延長線上を
延びている。各翼係合部2の緩め側側壁面9の先端側部
分9aは基端側部分9bに対し締付側側壁面10から遠
ざかる方向に屈曲されている。また、各翼係合部2の締
付側側壁面10の基端側部分10bは緩め側側壁面9の
基端側部分9bと平行とされ、締付側側壁面10の先端
側部分10aは基端側部分10bに対し緩め側側壁面9
から遠ざかる方向に屈曲されている。
【0019】なお、本実施例では、各翼係合部2の緩め
側側壁面9の基端側部分9bおよび先端側部分9a並び
に締付側側壁面10の基端側部分10bおよび先端側部
分10aは、ネジ3の軸方向と平行な平面状とされてい
るが、これらの側壁面は、ドライバビット6の挿入を容
易にするために、適当な勾配の傾斜面としてもよい。
【0020】前記回動部5の正方形状部15および翼係
合部2の基端側の部分の底面11は、比較的に緩い勾配
でネジの中心側から外周側へ登って行く傾斜面とされる
一方、翼係合部2の先端側部分の底面12は急峻な勾配
で外周側へと登って行く傾斜面とされている。
【0021】図9に示されるように、ドライバビット6
は回動部5に対応する横断面形状を有しており、各翼部
8の緩め側側面13の先端側部分13aは該緩め側側面
13の基端側部分13bに対し締付側側面14から遠ざ
かる方向に屈曲され、締付側側面14の先端側部分14
aは該締付側側面14の基端側部分14bに対し緩め側
側面13から遠ざかる方向に屈曲されている。
【0022】本実施例においても、ネジ締め付け時に
は、ドライバビット6の翼部8の屈曲した締付側側面1
4に、対応する形状に屈曲した回動部5の翼係合部2の
締付側側壁面10が食い込むので、側面14が側壁面1
0を確実に把握し、翼部8と翼係合部2との引っ掛かり
がよくなる一方、ネジ緩め時には、ドライバビット6の
翼部8の屈曲した緩め側側面13に、対応する形状に屈
曲した回動部5の翼係合部2の緩め側側壁面9が食い込
むので、側面13が側壁面9を確実に把握し、翼部8と
翼係合部2との引っ掛かりがよくなるので、ネジ締め付
け時にも、緩め時にも、ドライバビット6がカムアウト
しにくくなる。
【0023】図10および11は、本発明の第四実施例
を示している。図では回動部5の形状およびドライバビ
ット6のみ示しているが、本実施例においては、図示し
ないネジの軸部には右ネジのネジ山が形成されている。
回動部5は図示しないネジの頭部の一部を陥没させてな
り、この回動部5は、軸方向頭部側から見てネジの軸線
にその中心を一致された正方形状をなす正方形状部15
と、2つの翼係合部2とからなる。各翼係合部2の緩め
側側壁面9の上端は、正方形状部15の上端の4辺のう
ちの平行する2辺のみをそれぞれ一方に延長した延長線
上を延びている。各翼係合部2の緩め側側壁面9の先端
側部分9aは該緩め側側壁面9の基端側部分9bに対し
締付側側壁面10から遠ざかる方向に屈曲されている。
また、各翼係合部2の締付側側壁面10の先端側部分1
0aは該締付側側壁面10の基端側部分10bに対し緩
め側側壁面9から遠ざかる方向に屈曲されている。図1
1に示されるように、ドライバビット6は回動部5に対
応する横断面形状を有している。他の構成は、前記図8
および9の第三実施例と同様である。
【0024】本実施例においても、前記各実施例の場合
と同様にして、ネジ締め付け時にも、緩め時にも、ドラ
イバビット6がカムアウトしにくくなるという効果が得
られる。
【0025】図12および13は、本発明の第五実施例
を示している。図では回動部の形状およびドライバビッ
トのみ示しているが、本実施例においては、図示しない
ネジの軸部には右ネジのネジ山が形成されている。回動
部5は図示しないネジの頭部の一部を陥没させてなり、
この回動部5は、軸方向頭部側から見てネジの軸線にそ
の中心を一致された正三角形状をなす三角形状部18
と、3つの翼係合部2とからなる。各翼係合部2の緩め
側側壁面9の基端側部分9bの上端は、三角形状部18
の各辺をそれぞれ一方に延長した延長線上を延びてい
る。各翼係合部2の緩め側側壁面9の先端側部分9aは
基端側部分9bに対し締付側側壁面10から遠ざかる方
向に屈曲されている。また、各翼係合部2の締付側側壁
面10の先端側部分10aは該締付側壁面10の基端側
部分10bに対し緩め側側壁面9から遠ざかる方向に屈
曲されている。図13に示されるように、ドライバビッ
ト6は回動部5に対応する横断面形状を有している。他
の構成は、前記図8〜11の第三実施例および第四実施
例と同様である。
【0026】本実施例においても、前記各実施例の場合
と同様にして、ネジ締め付け時にも、緩め時にも、ドラ
イバビット6がカムアウトしにくくなるという効果が得
られる。
【0027】なお、前記各実施例においては、翼係合部
の数が2〜4個とされているが、本発明においては、翼
係合部の数を5以上としてもよい。
【0028】
【発明の効果】以上のように本発明は、ネジの回動部か
らドライバビットがカムアウトしにくくなる等の優れた
効果を得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の十字穴付きネジを示す平面図である。
【図2】本発明の第一実施例におけるネジを示す平面図
である。
【図3】図3のIII−III線における断面図であ
る。
【図4】前記第一実施例のネジの回動部にドライバビッ
トが嵌合された状態を示す横断面図である。
【図5】図4の要部の拡大断面図である。
【図6】本発明の第二実施例におけるネジを示す平面図
である。
【図7】前記第二実施例のネジの回動部にドライバビッ
トが嵌合された状態を示す横断面図である。
【図8】本発明の第三実施例におけるネジの回動部を示
す平面図である。
【図9】前記第三実施例のネジの回動部にドライバビッ
トが嵌合された状態を示す横断面図である。
【図10】本発明の第四実施例におけるネジの回動部を
示す平面図である。
【図11】前記第四実施例のネジの回動部にドライバビ
ットが嵌合された状態を示す横断面図である。
【図12】本発明の第五実施例におけるネジの回動部を
示す平面図である。
【図13】前記第五実施例のネジの回動部にドライバビ
ットが嵌合された状態を示す横断面図である。
【符号の説明】
2 翼係合部 3 ネジ 5 回動部 6 ドライバビット 8 翼部 9 翼係合部2の緩め側側壁面 9a 緩め側側壁面9の先端側部分 9b 緩め側側壁面9の基端側部分 10 翼係合部2の締付側側壁面 10a 締付側側壁面10の先端側部分 10b 締付側側壁面10の基端側部分 13 翼部8の緩め側側面 13a 緩め側側面13の先端側部分 13b 緩め側側面13の基端側部分 14 翼部8の締付側側面 14a 締付側側面14の先端側部分 14b 締付側側面14の基端側部分

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全体に陥没穴状をなし、ドライバビット
    の翼部を嵌合される翼係合部を備えた回動部を有するネ
    ジにおいて、各翼係合部の少なくとも片側の側壁面の先
    端側の部分を、該側壁面の基端側の部分に対し、反対側
    の側壁面から遠ざかる方向に屈曲したことを特徴とする
    ネジ。
  2. 【請求項2】 各翼係合部の両側の側壁面とも、先端側
    の部分を、基端側の部分に対し、反対側の側壁面から遠
    ざかる方向に屈曲した請求項1記載のネジ。
  3. 【請求項3】 各翼部の少なくとも片側の側面の先端側
    の部分を、該側面の基端側の部分に対し、反対側の側面
    から遠ざかる方向に屈曲したことを特徴とするドライバ
    ビット。
  4. 【請求項4】 各翼部の両側の側面とも、先端側の部分
    を、基端側の部分に対し、反対側の側面から遠ざかる方
    向に屈曲した請求項3記載のドライバビット。
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