JP2000230476A - 斜板式液圧回転機 - Google Patents

斜板式液圧回転機

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JP2000230476A
JP2000230476A JP11030617A JP3061799A JP2000230476A JP 2000230476 A JP2000230476 A JP 2000230476A JP 11030617 A JP11030617 A JP 11030617A JP 3061799 A JP3061799 A JP 3061799A JP 2000230476 A JP2000230476 A JP 2000230476A
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piston
shoe
swash plate
layer
spherical portion
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English (en)
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Haruo Kokubu
晴雄 国分
Shigetaka Nakamura
重孝 中村
Tetsuya Sakairi
哲也 坂入
Kazuyoshi Hatano
和好 波多野
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピストンとシリンダとの間の摺動面、斜板と
シューとの間の摺動面等に、摩耗、焼付き等が発生する
のを防止し、液圧回転機の性能を高める。 【解決手段】 ピストン21の外周面側には浸硫層23
を形成し、凹球面部21A側には浸硫層24を形成す
る。また、シュー25の凸球面部27A側についても浸
硫層29を形成する。さらに、シュー25の台座部26
裏面側には銅合金等からなる摺動部材30を設ける。そ
して、浸硫層24,29を浸硫層23よりも薄肉に形成
することにより、ピストン21とシュー25との間の摺
動面Eで生成される浸硫層24,29の摩耗を最小限に
抑え、この浸硫層24,29による摩耗片が、シュー側
油路28を経由して斜板4と摺動部材30との間の摺動
面Fに、長期間に亘って侵入するのを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、斜板式の液圧ポン
プ、斜板式の液圧モータ等に好適に用いられる斜板式液
圧回転機に関する。
【0002】
【従来の技術】図7、図8に従来技術による斜板式液圧
回転機を斜板式油圧ポンプに適用した場合を例に挙げて
説明する。
【0003】1は油圧ポンプの外殻をなすケーシング
で、該ケーシング1は、底部2Aを有する有底筒状のケ
ーシング本体2と、該ケーシング本体2の開口端側を閉
塞する蓋体3とによって構成されている。
【0004】4はケーシング1内に位置してケーシング
本体2の底部2A側に固着して設けられた斜板で、該斜
板4は、例えば鉄鋼材料等により形成され、その表面側
は後述するシュー12が摺動する摺動面となっている。
【0005】5はケーシング1内に位置して蓋体3側に
固着して設けられた弁板で、該弁板5には、蓋体3側に
設けられた流入通路、流出通路(いずれも図示せず)と
それぞれ常時連通する吸込ポート5A、吐出ポート5B
が穿設されている。
【0006】6はケーシング1に回転可能に設けられた
回転軸で、該回転軸6は、ケーシング1内に軸方向に挿
通され、その両端側はケーシング本体2の底部2A側、
蓋体3側でそれぞれ回転可能に支持されている。そし
て、回転軸6は、底部2Aから外部に突出した突出端側
が例えば軸継手を介して原動機(いずれも図示せず)に
連結されている。
【0007】7はケーシング1内に位置して回転軸6に
設けられたシリンダブロックで、該シリンダブロック7
は、その内周側に回転軸6がスプライン結合され、弁板
5に摺接した状態で回転軸6と一体に回転するものであ
る。また、シリンダブロック7には、回転軸6の周囲に
位置して軸方向に複数のシリンダ8,8,…(2個のみ
図示)が穿設されている。さらに、このシリンダブロッ
ク7には、シリンダ8を弁板5の吸込ポート5Aと吐出
ポート5Bとに間欠的に連通させるシリンダポート9が
設けられている。
【0008】10,10,…は一端側が各シリンダ8内
に摺動可能に挿嵌され、他端側が各シリンダ8外へと突
出したピストン(2個のみ図示)で、該ピストン10
は、例えば鉄鋼材料によって円筒状に形成され、その他
端側の端部には凹球面部10Aが形成されている。
【0009】11はピストン10の内部に軸方向に貫通
して形成されたピストン側油路で、該ピストン側油路1
1は、シリンダ8内の圧油の一部をシュー12側に設け
られた後述のシュー側油路16へと導くと共に、この圧
油を凹球面部10Aと後述するシュー12の凸球面部1
4A間に供給し、両者を潤滑するものである。
【0010】12,12,…は各ピストン10に揺動自
在に設けられ、斜板4上を摺動するシュー(2個のみ図
示)で、該各シュー12は、鉄鋼材料により形成され、
段付円板状をなした台座部13と、該台座部13の一側
に一体形成されピストン10の凹球面部10Aに抜止め
状態で摺動可能に嵌合する継手部14とによって構成さ
れている。また、前記継手部14はその外表面がピスト
ン10の凹球面部10Aに対応した凸球面部14Aとし
て形成されている。
【0011】さらに、このシュー12の台座部13に
は、斜板4と対面する側に位置して静圧ポケット15が
形成されている。そして、この静圧ポケット15内に
は、シリンダ8からの圧油がピストン側油路11、シュ
ー側油路16を経由して供給されることにより、この圧
油がピストン10を斜板4側に押圧するときの油圧反力
をシュー12側に与えると共に、斜板4とシュー12と
の間の摺動面を潤滑状態に保持する構成となっている。
また、シュー12を構成する台座部13の背面13Aに
は、潤滑性を良好とするために例えば銅合金等の潤滑性
の良好な部材が溶着されている。
【0012】16はシュー12の内部に軸方向に貫通し
て形成されたシュー側油路で、該シュー側油路16は、
一端側がピストン側油路11に連通し、他端側は静圧ポ
ケット15内に開口している。
【0013】従来技術による斜板式の油圧ポンプは上述
の如く構成を有するもので、次にその作動について説明
する。
【0014】まず、回転軸6をシリンダブロック7と共
に回転源となるエンジン等によって回転駆動させると、
この回転軸6の回転に伴って各ピストン10に設けたシ
ュー12が斜板4上を摺動しつつ、シリンダブロック7
の各シリンダ8内で各ピストン10が往復動する。
【0015】この結果、シリンダ8は、各シリンダポー
ト9を介して吸込ポート5Aと吐出ポート5Bとに間欠
的に連通し、各シリンダポート9を介して各シリンダ8
内に吸込んだ油液を圧油として外部に吐出する。
【0016】このように油圧ポンプの作動時には、回転
軸6をシリンダブロック7と共に回転させることによ
り、各シュー12を斜板4に案内させつつ各シリンダ8
内で各ピストン10を往復動させ、吸込行程と吐出行程
とを繰返してポンプ作用を行うものである。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来技術で
は、油圧ポンプ等の運転時に、図8に示すようにピスト
ン10がシリンダ8内の圧油からの圧力Pを受圧するこ
とにより、ピストン10の凹球面部10Aとシュー12
の凸球面部14Aとの間の摺動面A、および斜板4とシ
ュー12との間の摺動面Bにはそれぞれ高い面圧が発生
する。
【0018】また、シュー12に作用する斜板4からの
反力は、図8に示すように分力Fを有するから、この分
力Fによってシリンダ8とピストン10との間の摺動面
Cにも高い面圧が発生する。
【0019】このため、上述した3箇所の摺動面A,
B,Cには、前述のような高い面圧が原因となって、そ
れぞれ焼付き等が生じ易くなり、寿命を短くしてしまう
という欠点がある。
【0020】そこで、本出願人は、このような欠点を解
決するために、例えば特開平4−228557号公報に
記載されたような浸硫窒化処理方法を行い、ピストン1
0の外表面およびシュー12の外表面に浸硫層を形成す
ることによって、これらピストン10、シュー12の耐
摩耗性、耐焼付き性等を高める方法を検討している。
【0021】しかし、この場合、ポンプの運転時には、
前述したようにピストン10の凹球面部10Aとシュー
12の凸球面部14Aとの摺動面Aに高い面圧が発生す
るため、この状態で前記凹球面部10Aと凸球面部14
Aとが互いに摺動を繰返すうちに、両者の摺動面Aにそ
れぞれ形成した浸硫層が徐々に摩耗、剥離して、シュー
側油路16を流れる油液と一緒にシュー12と斜板4と
の間の摺動面Bに侵入する。
【0022】そして、このようにシュー12と斜板4と
の間の摺動面Bに硫化物からなる浸硫層の摩耗片等が侵
入すると、銅合金からなるシュー12の摺動面Bが前記
摩耗片によって摩耗、損傷し、この摺動面Bから油液が
漏洩し易くなり、ポンプの性能が低下するという問題が
ある。
【0023】特に、ピストン10とシュー12との間の
摺動面Aに形成される浸硫層を厚肉に形成すると、この
摺動面Aで発生する浸硫層による多量の摩耗片が、シュ
ー側油路16を経由してシュー12と斜板4との摺動面
Bに長期に亘って侵入し続けるようになるため、この摺
動面Bがさらに摩耗、損傷し易くなり、ポンプの性能を
早期に低下させてしまうという問題がある。
【0024】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明は、シリンダとピストンとの間の
摺動面、ピストンとシューとの間の摺動面および斜板と
シューとの間の摺動面に摩耗、焼付き等が発生するのを
十分に抑えることができ、性能、信頼性等を高めること
ができるようにした斜板式液圧回転機を提供することを
目的としている。
【0025】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明の斜板式液圧回転機は、斜板が設けられ
たケーシングと、該ケーシングに回転可能に設けられた
回転軸と、該回転軸と一体回転するように前記ケーシン
グ内に設けられ軸方向に複数のシリンダが形成されたシ
リンダブロックと、軸方向の一端側が該シリンダブロッ
クの各シリンダ内に摺動可能に挿嵌され他端側の端部に
球面部が設けられた複数のピストンと、該ピストンの内
部に軸方向に貫通して形成されたピストン側油路と、前
記ピストンの球面部に摺動可能に嵌合される相手方の球
面部を有し前記ピストンに対して揺動すると共に前記斜
板上を摺動する複数のシューと、該シューの内部に形成
されて一端側が前記ピストン側油路に連通し他端側が該
シューと前記斜板との摺動面間に開口したシュー側油路
とを備えている。
【0026】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、ピストンの外表面とシューの外表面とには浸硫
窒化処理を施すことによりそれぞれ浸硫層を形成し、ピ
ストンの球面部側に形成されるピストン球面部側の浸硫
層とシューの球面部側に形成されるシュー球面部側の浸
硫層のうち少なくともいずれか一方を、ピストンの外周
面側に形成されるピストン外周面側の浸硫層よりも薄肉
にしたことにある。
【0027】このように構成したことにより、液圧回転
機の運転時には、ピストン外周面側の浸硫層をシリンダ
に直接摺動させることができるから、この浸硫層により
ピストンとシリンダとの間の摺動面に焼付き等が発生す
るのを防止することができる。また、これと同様にピス
トン球面部側の浸硫層とシュー球面部側の浸硫層とを互
いに直接摺動させることができるから、これらの浸硫層
によりピストンの球面部の耐焼付き性、シューの球面部
の耐焼付き性についても高めることができる。
【0028】ここで、ピストン球面部側の浸硫層とシュ
ー球面部側の浸硫層は、少なくともいずれか一方がピス
トン外周面側の浸硫層よりも薄肉になっているから、ピ
ストンの球面部とシューの球面部とが初期なじみするま
での間の短時間で浸硫層が摩耗し、消失する。これによ
り、前記各球面部間で発生する浸硫層の摩耗片の総量を
減らすことができ、該摩耗片が球面部側からシュー側油
路を経由して斜板と斜板との間の摺動面に長期間に亘っ
て侵入する事態を防止でき、この摺動面の耐摩耗性等を
高めることができる。
【0029】また、請求項2の発明は、ピストン球面部
側の浸硫層とシュー球面部側の浸硫層との両方をそれぞ
れピストン外周面側の浸硫層よりも薄肉に構成したこと
にある。これにより、ピストンの球面部とシューの球面
部との間で発生する浸硫層の摩耗片の総量を一層小さく
抑えることができる。
【0030】さらに、請求項3の発明が採用する構成の
特徴は、ピストンの外周面側には浸硫窒化処理を施すこ
とによりピストン外周面側の浸硫層を形成し、ピストン
の球面部とシューの球面部とは浸硫層の非形成部として
構成したことにある。
【0031】このように構成したことにより、当該液圧
回転機の運転時にはピストン外周面側の浸硫層を、請求
項1の発明と同様にシリンダに直接摺動させることがで
きるから、この浸硫層によりピストンとシリンダとの間
の摺動面に生じる焼付き等を抑えることができる。ま
た、ピストンとシューとの球面部に浸硫層を設ける必要
がないから、球面部間で浸硫層の摩耗、剥離自体が発生
することがなく、シューと斜板との間の摺動面に浸硫層
の摩耗片が侵入する事態は生じない。
【0032】さらに、請求項4の発明は、ピストンの球
面部とシューの球面部とをかしめ手段によって結合した
後に浸硫窒化処理を施す構成としてなる。これにより浸
硫窒化処理時には、ピストンの球面部とシューの球面部
とを互いにかしめ手段によって結合し、これらの球面部
を互いに嵌合状態に保持しておくことができるから、こ
の状態で浸硫窒化処理を行うことにより、ピストン球面
部側の浸硫層とシュー球面部側の浸硫層の両方の厚み
を、ピストン外周面側の浸硫層よりも薄肉に形成するこ
とができる。
【0033】一方、請求項5の発明は、浸硫窒化処理に
ガス浸硫窒化処理を採用している。これにより、例えば
ピストンとシューに液体浸硫窒化処理を施した場合のよ
うに、ピストン側油路内またはシュー側油路内に処理液
の固化物等が堆積する等の不具合を解消でき、これらの
ピストンとシューにそれぞれ浸硫層を安定して形成する
ことができる。
【0034】また、請求項6の発明では、斜板とシュー
との間の摺動面のうち少なくともいずれか一方の面を非
鉄材料によって形成してなる。これによりシューと斜板
との間の摺動抵抗を非鉄材料により小さくでき、両者の
摺動面に焼付きが発生するのを防止することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に従って詳細に説明する。なお、本実施の形態で
は、前述した従来技術と同一の構成要素に同一の符号を
付し、その説明を省略するものとする。
【0036】ここで、図1ないし図4は本発明による第
1の実施の形態を示し、図中、21はシリンダブロック
7のシリンダ8内に設けられた本実施の形態で用いるピ
ストンで、該ピストン21は、従来技術で述べたピスト
ン10とほぼ同様に鉄鋼材料によって円筒状に形成さ
れ、凹球面部21Aを有している。しかし、ピストン2
1の外表面には、後述の浸硫層23が設けられている点
で、従来技術のものとは異なっている。
【0037】22はピストン21の内周側に形成された
ピストン側油路で、該ピストン側油路22は、従来技術
で述べたピストン側油路11とほぼ同様に構成され、シ
リンダ8内の圧油を後述のシュー側油路28等に導くも
のである。
【0038】なお、ピストン側油路22の内径は、ピス
トン21の外径に対して約2分の1以下の大きさに設定
することにより、後述するようにピストン21に対して
ガス浸硫窒化処理を施すときに、ピストン21の変形量
を最小限に抑えることができ、シリンダ8とピストン2
1との間の隙間を適正な値に保持することができる。
【0039】23はピストン21の外周面側に全周に亘
って設けられたピストン外周面側の浸硫層で、該浸硫層
23は、ピストン21の外表面に対して、例えば特開平
4−228557号公報に記載されたようなガス浸硫窒
化処理とほぼ同様の処理を施すことによって形成される
ものである。
【0040】また、この浸硫層23は、硫化鉄(FeS
2 )を主成分とした硫化物からなり、例えば約3〜5μ
m程度の厚みをもって形成されている。そして、この浸
硫層23は、シリンダ8に対して摺動するピストン21
の摺動面Dを構成し、該摺動面Dの潤滑性、耐摩耗性、
耐焼付き性等を高めるものである。
【0041】24は浸硫層23と連なってピストン21
の凹球面部21A側に設けられたピストン凹球面部側の
浸硫層で、該浸硫層24についても、ピストン21の凹
球面部21Aに対して浸硫層23の場合と同様の処理を
施すことにより形成されている。
【0042】ここで、浸硫層24は、図2ないし図4に
示すように、例えば約0.01〜4μm程度の厚みをも
って形成され、ピストン21に設けられた浸硫層23よ
りも薄肉になっている。そして、この浸硫層24は、後
述するシュー25の凸球面部27Aに対して摺動するピ
ストン21の凹球面部21Aの摺動面Eを構成し、この
摺動面Eの耐摩耗性、耐焼付き性等を高めるものであ
る。
【0043】25は従来技術で述べたシュー12に替え
て、ピストン21に設けられた本実施の形態に用いるシ
ューで、該シュー25は、従来技術によるシュー12と
ほぼ同様に鉄鋼材料によって形成されている。そして、
このシュー25は、段付円板状をなした台座部26と、
凸球面部27Aを有する継手部27とによって構成され
ている。
【0044】しかし、このシュー25の外表面には後述
の浸硫層29が形成されている点、および台座部26に
は後述の摺動部材30が設けられている点で、従来技術
のものとは異なっている。また、この台座部26の端面
には後述する静圧ポケット32の一部を構成する円形状
の凹窪部26Aが形成されている。
【0045】28はシュー25の内部に軸方向に貫通し
て設けられたシュー側油路で、該シュー側油路28は、
従来技術で述べたシュー側油路16と同様に構成され、
ピストン側油路22からの圧油を静圧ポケット32側に
供給するものである。
【0046】29はシュー25の凸球面部27Aに設け
られたシュー凸球面部側の浸硫層で、該浸硫層29につ
いても、シュー25の凸球面部27Aに対して浸硫層2
3の場合と同様の処理を施すことにより形成されてい
る。
【0047】ここで、浸硫層29は、ピストン凹球面部
側の浸硫層24とほぼ同様に、例えば約0.01〜4μ
m程度の厚みをもって形成され、ピストン外周面側の浸
硫層23よりも薄肉になっている。そして、この浸硫層
29は、ピストン21の凹球面部21Aに対して摺動す
るシュー25の摺動面Eを構成し、この摺動面Eの耐摩
耗性、耐焼付き性等を高めるものである。
【0048】30はシュー25の台座部26裏面側に設
けられた非鉄材料からなる摺動部材を示し、該摺動部材
30は、例えば銅合金等の摺動特性に優れた軟質の金属
材料等によって環状に形成され、台座部26の裏面側に
溶着等の手段によって一体に固着されている。そして、
この摺動部材30は、その表面側が斜板4上を摺動する
シュー25の摺動面Fを構成し、この摺動面Fの耐摩耗
性、耐焼付き性等を高めるものである。また、この摺動
部材30の内周側は静圧ポケット31となっている。
【0049】次に、ピストン21およびシュー25に対
して浸硫層23,24,29を形成するためのガス浸硫
窒化処理方法について説明する。
【0050】まず、シュー25の台座部26には摺動部
材30を固着すると共に、シュー25の凸球面部27A
をピストン21の凹球面部21Aに対してかしめ手段に
より嵌合状態で結合する。また、シュー25のうち凸球
面部27Aを除いた台座部26の外表面と摺動部材30
の外表面とにはそれぞれマスキング処理を施しておく。
【0051】そして、この状態でピストン21の外表面
およびシュー25の外表面に対してガス浸硫窒化処理を
施す。ここで、このガス浸硫窒化処理は、例えば窒化ガ
スと硫化ガスからなる混合ガスの雰囲気中でピストン2
1、シュー25に対して熱処理を施すこと等によって行
われる。これにより、ピストン21の外周面側には例え
ば約3〜5μm程度の比較的厚肉の浸硫層23を安定し
て形成することができる。
【0052】即ち、本実施の形態では、シュー25の凸
球面部27Aをピストン21の凹球面部21Aにかしめ
手段によって嵌合状態で一体化しているから、両者間に
は加工公差等に起因する微小な隙間が確保されるのみで
ある。
【0053】このため、ガス浸硫窒化処理時には、ピス
トン21の凹球面部21Aとシュー25の凸球面部27
Aとの間の隙間に侵入する混合ガス等を微小量に抑える
ことができ、凹球面部21Aと凸球面部27Aとには、
それぞれ例えば約0.1〜4μm程度の比較的薄肉の浸
硫層24,29を安定して形成することができる。
【0054】また、シュー25のうち凸球面部27Aを
除いた台座部26の外表面と摺動部材30の外表面と
は、マスキング処理が施されているから、これらの外表
面が前記混合ガス等と直接接触するのを遮断することが
でき、この外表面を浸硫層の非形成部として形成するこ
とができる。
【0055】なお、前述したガス浸硫窒化処理に代えて
液体浸硫窒化処理を用いた場合には、ピストン側油路2
2内またはシュー側油路28内に硫黄化合物または処理
液の固化物等が堆積し易くなり、これらを除去するため
の後加工を行う必要がある上に、シュー25の処理時に
は銅合金からなる摺動部材30の成分が処理液中に溶け
出し、処理液を劣化させてしまう等の不具合があること
が分かった。
【0056】かくして、本実施の形態では、ピストン2
1の外周面側に浸硫層23を形成したから、当該油圧ポ
ンプの運転時にはピストン21側の浸硫層23をシリン
ダ8に対して摺動させることができ、シリンダ8とピス
トン21との間の摺動面Dの耐摩耗性、潤滑性等を高め
て、この摺動面Dに焼付き等が発生するのを防止するこ
とができる。
【0057】また、ピストン21の凹球面部21Aには
浸硫層24を形成し、シュー25の凸球面部27Aには
浸硫層29を形成したから、これらの浸硫層24,29
によって凹球面部21Aと凸球面部27Aとの間の摺動
面Eの耐摩耗性、潤滑性等を高めて、この摺動面Eに焼
付き等が発生するのを防止することができる。
【0058】さらに、シュー25には銅合金等からなる
摺動部材30を設ける構成としたから、この摺動部材3
0と斜板4との摺動面Fについても、潤滑性、耐摩耗
性、耐焼付き性等を高めることができ、当該油圧ポンプ
の性能、信頼性等を高めることができる。
【0059】しかも、本実施の形態では、ピストン凹球
面部側の浸硫層24とシュー凸球面部側の浸硫層29の
両方を、ピストン外周面側の浸硫層23よりも薄肉に形
成したから、当該油圧ポンプの初期運転時において、ピ
ストン21の凹球面部21Aとシュー25の凸球面部2
7Aとの間の摺動面Eになじみが生じるまでの短時間間
(例えば、約1時間ないし数日程度)のうちに、浸硫層
24,29は摩耗して摺動面Eからなくなる。
【0060】これにより、従来技術で述べたように、油
圧ポンプの運転時に浸硫層24,29の摩耗片が、シュ
ー側油路28を介して斜板4と摺動部材30との摺動面
Fに長期間に亘って侵入し続けるような事態を防止で
き、該摺動面Fの耐久性等を一層高めることができる。
そして、この摺動面Fからの油液の漏洩を防止でき、当
該油圧ポンプの性能、信頼性等を一層高めることができ
る。
【0061】次に、図5は本発明の第2の実施の形態を
示し、本実施の形態の特徴は、ピストンの外周面側には
ピストン外周面側の浸硫層を形成すると共に、ピストン
の球面部とシューの球面部とは浸硫層の非形成部として
構成したことにある。
【0062】なお、本実施の形態では、前記第1の実施
の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明
を省略するものとする。
【0063】図中、41は第1の実施の形態によるピス
トン21に替えてシリンダ内に設けられた本実施の形態
で用いるピストン(2個のみ図示)で、該ピストン41
は、第1の実施の形態によるピストン21とほぼ同様に
形成され、凹球面部41Aを有している。また、このピ
ストン41の内部にはピストン側油路42が貫通して設
けられている。
【0064】しかし、このピストン41の凹球面部41
Aには、第1の実施の形態による浸硫層24が設けられ
ていない点で、第1の実施の形態のものとは異なってい
る。このため、ピストン41の凹球面部41Aは、浸硫
層の非形成部として構成されている。
【0065】43はピストン41の外周面側に設けられ
たピストン外周面側の浸硫層で、該浸硫層43は、第1
の実施の形態で述べた浸硫層23と同様に厚肉に形成さ
れ、シリンダとピストン41との間の摺動面Gの耐摩耗
性、耐焼付き性等を高めるものである。
【0066】44は第1の実施の形態で述べたシュー2
5に替えてピストン41に設けられた本実施の形態に用
いるシューで、該シュー44は、第1の実施の形態によ
るシュー25とほぼ同様に、凹窪部45Aを有する台座
部45と、凸球面部46Aを有する継手部46とによっ
て構成され、台座部45の裏面には摺動部材30が設け
られている。また、シュー44の内部にはシュー側油路
47が貫通して設けられている。
【0067】ここで、このシュー44を構成する継手部
46の凸球面部46Aには、第1の実施の形態で述べた
浸硫層29が設けられていない。このため、シュー44
の凸球面部46Aは浸硫層の非形成部として構成されて
いる。
【0068】次に、ピストン41に対して浸硫層43を
形成するためのガス浸硫窒化処理方法について説明する
に、まずピストン41の凹球面部41Aにマスキング処
理を施し、この状態でピストン41の外表面にガス浸硫
窒化処理を施す。これによりピストン41の外周面には
比較的厚肉の浸硫層43を形成できると共に、凹球面部
41Aは浸硫層の非形成部として形成することができ
る。
【0069】一方、シュー44には前述したガス浸硫窒
化処理を行わず、これによりシュー44の凸球面部46
Aについても、ピストン41の凹球面部41Aと同様に
浸硫層の非形成部として形成する。
【0070】かくして、このように構成される本実施の
形態でも、第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得
ることができる。特に、本実施の形態では、ピストン4
1の凹球面部41Aとシュー44の凸球面部46Aとの
間の摺動面Hから浸硫層をなくすことができるから、凹
球面部41Aと凸球面部46Aとの間で浸硫層の摩耗、
剥離自体が発生することはなくなる。これにより浸硫層
がシュー側油路47を介して斜板4と摺動部材30との
間の摺動面Fに侵入する事態を確実に防止することがで
き、この摺動面Fの耐久性、寿命等をより一層高めるこ
とができる。
【0071】次に、図6は本発明の第3の実施の形態を
示し、本実施の形態の特徴は、ピストン側の球面部を凸
球面部として形成すると共に、シュー側の球面部を該凸
球面部に嵌合する凹球面部として形成し、ピストン凸球
面部側の浸硫層とシュー凹球面部側の浸硫層の両方を、
ピストン外周面側の浸硫層よりも薄肉に形成する構成と
したことにある。
【0072】図中、51は第1の実施の形態によるピス
トン21に替えてシリンダ7内に設けられた本実施の形
態で用いるピストンで、該ピストン51は、第1の実施
の形態によるピストン21とほぼ同様に形成され、その
軸方向の一端側はシリンダ8に摺動可能に挿嵌されてい
る。また、このピストン51の内部には、軸方向にピス
トン側油路52が貫通して設けられている。しかし、ピ
ストン51の他端側の端部は凸球面部51Aとして形成
されている点で、第1の実施の形態のものとは異なって
いる。
【0073】53はピストン51の外周面側に設けられ
たピストン外周面側の浸硫層で、該浸硫層53は、第1
の実施の形態で述べた浸硫層23とほぼ同様に厚肉に形
成され、シリンダ8とピストン51との間の摺動面Iの
耐摩耗性、耐焼付き性等を高めるものである。
【0074】54は浸硫層53と連なってピストン51
の凸球面部51A側に形成されたピストン凸球面部側の
浸硫層で、該浸硫層54は、第1の実施の形態による浸
硫層24とほぼ同様に形成され、ピストン外周面側の浸
硫層53よりも薄肉になっている。
【0075】55はピストン51の凸球面部51Aに揺
動可能に連結されるシューで、該シュー55は、第1の
実施の形態によるシュー25とほぼ同様に、台座部56
と継手部57とによって構成され、その内部にはシュー
側油路58が貫通して設けられている。また、シュー5
5の台座部56には、その裏面側に位置して摺動部材3
0が溶着されている。
【0076】しかし、このシュー55の継手部57に
は、第1の実施の形態による凸球面部27Aの代わりに
凹球面部57Aが形成されている。そして、この凹球面
部57Aは、かしめ手段によりピストン51の凸球面部
51Aに対して摺動可能に嵌合して取付けられている。
【0077】59はシュー55の凹球面部57A側に形
成されたシュー凹球面部側の浸硫層で、該浸硫層59に
ついても、ピストン凸球面部側の浸硫層54とほぼ同様
に形成され、ピストン外周面側の浸硫層53よりも薄肉
になっている。そして、該浸硫層53は、浸硫層54と
共にピストン51の凸球面部51Aとシュー55の凹球
面部57Aとの間の摺動面Jの耐摩耗性、耐焼付き性等
を高めるものである。
【0078】かくして、このように構成される本実施の
形態でも、ガス浸硫窒化処理時には、ピストン51の凸
球面部51Aとシュー55の凹球面部57Aとを嵌合
し、この状態でピストン51とシュー55とにガス浸硫
窒化処理を施すことにより、ピストン凸球面部側の浸硫
層54とシュー凹球面部側の浸硫層59との両方を、ピ
ストン外周面側の浸硫層53よりも薄肉に形成でき、第
1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができ
る。
【0079】なお、第1の実施の形態では、ピストン2
1とシュー25とに浸硫層23,24,29等をそれぞ
れ形成する方法として、ピストン21の凹球面部21A
とシュー25の凸球面部27Aとを嵌合し、この状態で
ガス浸硫窒化処理を行うものとして述べたが、これに替
えて、例えばピストン21の凹球面部21Aに例えば球
形状のマスク部材を僅かな隙間をもって嵌合させてお
き、この状態でピストン21に対してシュー25とは別
個に浸硫窒化処理を施すようにしてもよい。
【0080】この場合、シュー25の処理時には、予め
台座部26、摺動部材30にマスキング処理を施してお
くと共に、ガスの流量、処理時間等を適宜に調整するこ
とにより、シュー25の凸球面部27Aには薄肉の浸硫
層29を形成することができる。
【0081】また、第1の実施の形態では、シュー25
に浸硫窒化処理を行うときに、予め摺動部材30にマス
キング処理を施すものとして述べたが、これに替えて、
例えば摺動部材30を含めてシュー25全体に浸硫窒化
処理を施した後に、摺動部材30の表面に形成された浸
硫層を研磨、ラップ加工等を用いて除去するようにして
もよい。また、第2,第3の実施の形態についても同様
である。
【0082】さらに、第1の実施の形態では、シュー2
5のうち凸球面部27Aを除いた台座部26の外表面を
浸硫層の非形成部として構成するものとして述べたが、
台座部26の外表面にも凸球面部27Aと同様に浸硫層
を形成してもよい。また、第3の実施の形態についても
同様である。
【0083】一方、各実施の形態では、斜板式液圧回転
機として斜板式油圧ポンプを例に挙げて述べたが、本発
明はこれに限らず、斜板式油圧モータ等に適用してもよ
い。
【0084】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の発明によ
れば、ピストン球面部側の浸硫層とシュー球面部側の浸
硫層のうち少なくともいずれか一方を、ピストン外周面
側の浸硫層よりも薄肉にする構成としたから、当該液圧
回転機の運転時にはピストンの球面部とシューの球面部
とが初期なじみするまでの間の短時間で浸硫層が摩耗
し、消失する。
【0085】これにより従来技術で述べたようにピスト
ンの球面部とシューの球面部との間で発生する浸硫層の
摩耗片が、シュー側油路を経由して斜板と斜板との間の
摺動面に長期間に亘って侵入し続ける事態を防止でき、
この摺動面の耐久性等を高めることができる。そして、
この摺動面からの油液の漏洩を防止でき、液圧回転機の
性能、信頼性等を向上することができる。また、ピスト
ンおよびシリンダに形成した浸硫層により、ピストンと
シリンダとの間の摺動面、ピストンの球面部とシューの
球面部との間の摺動面に、焼付き等が発生するのを防止
でき、液圧回転機の性能、信頼性等を一層高めることが
できる。
【0086】また、請求項2の発明では、ピストン球面
部側の浸硫層とシュー球面部側の浸硫層との両方を、そ
れぞれピストン外周面側の浸硫層よりも薄肉に形成した
から、ピストンの球面部とシューの球面部との間で発生
する浸硫層による摩耗片の総量を一層小さく抑えること
ができ、シューと斜板との間の摺動面の耐久性等をさら
に延ばすことができ、液圧回転機の性能をより一層延ば
すことができる。
【0087】また、請求項3の発明は、ピストンの球面
部とシューの球面部とを浸硫層の非形成部として構成し
たから、ピストンとシューとの球面部間で浸硫層の摩
耗、剥離自体が発生することがなくなり、これによって
シューと斜板との間の摺動面の耐久性等をより延ばすこ
とができ、液圧回転機の性能をさらに高めることができ
る。
【0088】さらに、請求項4の発明は、ピストンの球
面部とシューの球面部とをかしめ手段によって結合した
後に浸硫窒化処理を施す構成としたから、浸硫窒化処理
時には、ピストン球面部側の浸硫層とシュー球面部側の
浸硫層の両方の厚みを、ピストン外周面側の浸硫層より
も薄肉に安定して形成することができ、これらの各浸硫
層の品質等を高めることができる。
【0089】一方、請求項5の発明は、浸硫窒化処理を
ガス浸硫窒化処理としたから、例えばピストンとシュー
に液体浸硫窒化処理を施した場合のように、ピストン側
油路内またはシュー側油路内に処理液の固化物等が堆積
する等の不具合を解消できると共に、これらのピストン
とシューに浸硫層を安定して形成することができ、処理
時の作業性等を高めることができる。
【0090】また、請求項6の発明は、シューと斜板と
の間の摺動面のうち少なくともいずれか一方の面を非鉄
材料によって形成したから、この非鉄材料によってシュ
ーと斜板との摺動面間で生じる摺動抵抗を小さくして、
両者の摺動面に焼付きが発生するのを防止することがで
き、シューと斜板の寿命等を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による斜板式油圧ポ
ンプのピストン、シューおよび浸硫層等を示す部分断面
図である。
【図2】図1中のピストン、シューおよび浸硫層等を拡
大して示す要部断面図である。
【図3】図2中のa部を拡大して示す部分拡大断面図で
ある。
【図4】図2中のb部を拡大して示す部分拡大断面図で
ある。
【図5】本発明の第2の実施の形態によるピストン、シ
ューおよび浸硫層等を図2と同様の位置で示す要部断面
図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態による斜板式油圧ポ
ンプのピストン、シューおよび浸硫層等を図1と同様の
位置で示す部分断面図である。
【図7】従来技術による斜板式油圧ポンプを示す縦断面
図である。
【図8】図7中のピストン、シュー等を拡大して示す部
分断面図である。
【符号の説明】
1 ケーシング 4 斜板 6 回転軸 7 シリンダブロック 8 シリンダ 22,42,52 ピストン側油路 28,47,58 シュー側油路 21,41,51 ピストン 21A,41A,57A 凹球面部 23,24,29,43,53,54,59 浸硫層 25,44,55 シュー 27A,46A,51A 凸球面部 30 摺動部材(非鉄材料) D,E,F,G,H,I,J 摺動面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂入 哲也 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 (72)発明者 波多野 和好 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内 Fターム(参考) 3H070 AA01 BB04 CC07 DD13 DD17 DD28 EE02 3H071 AA03 BB01 CC26 DD01 EE02 3H084 AA08 AA51 BB09 CC14 CC33

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 斜板が設けられたケーシングと、該ケー
    シングに回転可能に設けられた回転軸と、該回転軸と一
    体回転するように前記ケーシング内に設けられ軸方向に
    複数のシリンダが形成されたシリンダブロックと、軸方
    向の一端側が該シリンダブロックの各シリンダ内に摺動
    可能に挿嵌され他端側の端部に球面部が設けられた複数
    のピストンと、該ピストンの内部に軸方向に貫通して形
    成されたピストン側油路と、前記ピストンの球面部に摺
    動可能に嵌合される相手方の球面部を有し前記ピストン
    に対して揺動すると共に前記斜板上を摺動する複数のシ
    ューと、該シューの内部に形成されて一端側が前記ピス
    トン側油路に連通し他端側が該シューと前記斜板との摺
    動面間に開口したシュー側油路とを備えてなる斜板式液
    圧回転機において、 前記ピストンの外表面とシューの外表面とには浸硫窒化
    処理を施すことによりそれぞれ浸硫層を形成し、前記ピ
    ストンの球面部側に形成されるピストン球面部側の浸硫
    層と前記シューの球面部側に形成されるシュー球面部側
    の浸硫層のうち少なくともいずれか一方を、前記ピスト
    ンの外周面側に形成されるピストン外周面側の浸硫層よ
    りも薄肉にしたことを特徴とする斜板式液圧回転機。
  2. 【請求項2】 前記ピストン球面部側の浸硫層と前記シ
    ュー球面部側の浸硫層との両方をそれぞれ前記ピストン
    外周面側の浸硫層よりも薄肉にしてなる請求項1に記載
    の斜板式液圧回転機。
  3. 【請求項3】 斜板が設けられたケーシングと、該ケー
    シングに回転可能に設けられた回転軸と、該回転軸と一
    体回転するように前記ケーシング内に設けられ軸方向に
    複数のシリンダが形成されたシリンダブロックと、軸方
    向の一端側が該シリンダブロックの各シリンダ内に摺動
    可能に挿嵌され他端側の端面に球面部が設けられた複数
    のピストンと、該ピストンの内部に軸方向に貫通して形
    成されたピストン側油路と、前記ピストンの球面部に摺
    動可能に嵌合される相手方の球面部を有し前記ピストン
    に対して揺動すると共に前記斜板上を摺動する複数のシ
    ューと、該シューの内部に形成されて一端側が前記ピス
    トン側油路に連通し他端側が該シューと前記斜板との摺
    動面間に開口したシュー側油路とを備えてなる斜板式液
    圧回転機において、 前記ピストンの外周面側には浸硫窒化処理を施すことに
    よりピストン外周面側の浸硫層を形成し、前記ピストン
    の球面部と前記シューの球面部とは浸硫層の非形成部と
    して構成したことを特徴とする斜板式液圧回転機。
  4. 【請求項4】 前記ピストンの球面部とシューの球面部
    とをかしめ手段によって結合した後に浸硫窒化処理を施
    す構成としてなる請求項1,2または3に記載の斜板式
    液圧回転機。
  5. 【請求項5】 前記浸硫窒化処理はガス浸硫窒化処理で
    ある請求項1,2,3または4に記載の斜板式液圧回転
    機。
  6. 【請求項6】 前記斜板とシューとの間の摺動面のうち
    少なくともいずれか一方の面を非鉄材料によって形成し
    てなる請求項1,2,3,4または5に記載の斜板式液
    圧回転機。
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