JP2000229938A - ヒドロペルオキシド類の製造方法 - Google Patents

ヒドロペルオキシド類の製造方法

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JP2000229938A
JP2000229938A JP11029772A JP2977299A JP2000229938A JP 2000229938 A JP2000229938 A JP 2000229938A JP 11029772 A JP11029772 A JP 11029772A JP 2977299 A JP2977299 A JP 2977299A JP 2000229938 A JP2000229938 A JP 2000229938A
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reactor
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Hiroshi Kuroda
浩史 黒田
Masayasu Ishibashi
正安 石橋
Kouji Katou
穂慈 加藤
Terunori Fujita
照典 藤田
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】対応する炭化水素の酸素含有ガス酸化によるヒ
ドロペルオキシド類の製造において、反応系に時間的又
は局所的に温度差を与えて高濃度、高反応速度、高選択
性で製造する方法を提供する。 【解決手段】原料炭化水素を反応器に仕込み、40〜1
20℃の反応温度で炭化水素を含む液相に酸素含有ガス
を吹き込んで酸化する製造方法において、1)液相温度
を予め定めた温度差を有する上限温度と下限温度との間
で周期的に振動させる、又は2)反応器に予め定めた温
度差を有する高温領域と低温領域とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原料炭化水素、好
ましくは、第2級炭素原子を有するアリールアルキル炭
化水素を酸素を含有する酸化用ガスにて酸化して、高濃
度にて、しかも、高選択性にて、対応するヒドロペルオ
キシド類に転化することができるヒドロペルオキシド類
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭化水素、例えば、第2級炭素原子を有
するアリールアルキル炭化水素を酸素を含有するガス、
例えば、空気にて酸化して、対応するヒドロペルオキシ
ド類を製造する方法は、自動酸化技術として、既によく
知られている。しかし、この反応においては、ヒドロペ
ルオキシド類の蓄積速度を高めるためには高い反応温度
を必要とし、他方、反応温度を高くすれば、目的とする
ヒドロペルオキシド類の熱分解を招いて、反応の選択性
が低下する。即ち、従来、アリールアルキル炭化水素の
自動酸化によるヒドロペルオキシド類の製造において、
反応の速度と選択性とを同時に高めることは不可能であ
った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、炭化水素の
酸化によるヒドロペルオキシド類の製造における上述し
たような問題を解決するためになされたものであって、
反応系に時間的又は局所的に温度差を与えることによっ
て、目的とするヒドロペルオキシド類を高濃度で(従っ
て、高反応速度にて)、しかも、高選択性にて製造する
ことができる方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の第1は、原料炭
化水素を反応器に仕込み、40〜120℃の範囲の反応
温度において、この炭化水素を含む液相に酸素を含有す
る酸化用ガスを吹き込んで、上記炭化水素を対応するヒ
ドロペルオキシド類に酸化するヒドロペルオキシド類の
製造方法において、上記液相の温度を予め定めた温度差
を有する上限温度と下限温度との間で周期的に振動させ
ることを特徴とする。
【0005】本発明の第2は、原料炭化水素を反応器に
仕込み、40〜120℃の範囲の反応温度において、こ
の炭化水素を含む液相に酸素を含有する酸化用ガスを吹
き込んで、上記炭化水素を対応するヒドロペルオキシド
類に酸化するヒドロペルオキシド類の製造方法におい
て、上記反応器に予め定めた温度差を有する高温領域と
低温領域とを設けることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において、原料炭化水素と
して、第2級炭素原子を有するパラフィンのほか、オレ
フィン、シクロパラフィン、アリールアルキル炭化水素
等を挙げることができる。第2級炭素原子を有するパラ
フィンの好ましい具体例として、例えば、イソブタン等
を挙げることができる。オレフィンの好ましい具体例と
して、例えば、ペンテン、イソブテン等を挙げることが
でき、シクロパラフィンの好ましい具体例として、例え
ば、シクロペンタン、シクロヘキサン等を挙げることが
できる。
【0007】また、アリールアルキル炭化水素は、好ま
しくは、一般式(I)
【0008】
【化3】
【0009】(式中、Arはn価の芳香族炭化水素基を
示し、P及びQはそれぞれ独立して水素原子又はアルキ
ル基を示し、nは1〜3の整数を示す。)で表わされ
る。本発明によれば、一般式(I)において、P及びQ
は、好ましくは、そのうちの少なくともいずれかがアル
キル基であり、特に好ましくは、いずれもがアルキル基
であり、このアルキル基としては、特にメチル基が好ま
しい。即ち、本発明によれば、原料として用いるアリー
ルアルキル炭化水素は、第2級炭素原子、特に、イソプ
ロピル基を有するアリールアルキル炭化水素であること
が好ましい。
【0010】また、本発明において、上記芳香族炭化水
素基としては、例えば、ベンゼン、ナフタレン、ビフェ
ニル、ジフェニルエーテル等から導かれるn価の基を挙
げることができるが、好ましくは、ベンゼン又はナフタ
レンから導かれるn価の基である。
【0011】従って、本発明において、上記アリールア
ルキル炭化水素の好ましい具体例としては、例えば、ク
メン、サイメン、m−ジイソプロピルベンゼン、p−ジ
イソプロピルベンゼン等のジイソプロピルベンゼン類、
1,3,5−トリイソプロピルベンゼン等のトリイソプロピ
ルベンゼン類、エチルベンゼン、s−ブチルベンゼン、
s−ブチルエチルベンゼン、イソプロピルナフタレン
類、2,6−ジイソプロピルナフタレン等のジイソプロピ
ルナフタレン類、イソプロピルビフェニル類、4,4'−ジ
イソプロピルビフェニル等のジイソプロピルビフェニル
類や、これらの2種以上の混合物を挙げることができ
る。しかし、これらに限定されるものではない。
【0012】一般に、炭化水素類の自動酸化がラジカル
連鎖反応であることは、既によく知られており、本発明
は、この自動酸化の反応条件の一つである反応温度の最
適化を図ったものである。即ち、炭化水素類の自動酸化
においては、高い温度領域では、連鎖開始反応が主たる
反応であり、他方、低い温度領域では、連鎖伸長反応と
連鎖停止反応が主たる反応であることに注目して、第1
の方法として、反応系に経時的に高温領域と低温領域を
交互に与えることによって、自動酸化の連鎖を途切らせ
ることなく、連鎖伸長を図り、第2の方法として、反応
器に高温領域と低温領域を設けることによって、自動酸
化の連鎖を途切らせることなく、連鎖伸長を図るもので
ある。
【0013】先ず、第1の方法について説明する。第1
の方法は、原料炭化水素を反応器に仕込み、40〜12
0℃、好ましくは、50〜100℃の範囲の反応温度に
おいて、この炭化水素を含む液相に酸素を含有する酸化
用ガスを吹き込んで、上記炭化水素を対応するヒドロペ
ルオキシド類に酸化するヒドロペルオキシド類の製造方
法において、上記液相の温度を予め定めた温度差を有す
る上限温度と下限温度との間で周期的に振動させること
によって、反応系に経時的に(即ち、時間的に)高温領
域と低温領域を交互に与える。ここに、上記反応温度と
は、上記上限温度と下限温度の単純な算術平均値をいう
ものとする。本発明によれば、上記温度差は、所期の効
果を得ることができれば、特に、限定されるものではな
いが、通常、5〜20℃の範囲が好ましい。
【0014】本発明において、液相の温度を上限温度と
下限温度との間で振動させるに際して、液相の温度を上
記上限温度と下限温度にてそれぞれ一定時間、保持して
もよいが、通常は、液相の温度を上記上限温度と下限温
度にてそれぞれ保持することなく、液相の温度が上限温
度に到達すれば、液相の温度を降温させ、そして、液相
の温度が下限温度に到達すれば、今度は、液相の温度を
昇温し、このようにして、液相の温度を上記上限温度と
下限温度との間で振動させればよい。
【0015】液相の温度を上記上限温度と下限温度との
間で振動させるその周期は、特に限定されるものではな
いが、実用的には、通常、1〜10周期/時間の割合で
あり、好ましくは、2〜6周期/時間の割合である。ま
た、液相が上記上限温度と下限温度の平均温度よりも高
い温度領域にある時間Thと平均温度よりも低い温度領
域にある時間Tlとの割合、Th/Tlは、通常、0.5
〜2の範囲であり、好ましくは、ほぼ1である。
【0016】次に、第2の方法は、原料炭化水素を反応
器に仕込み、40〜120℃の範囲の反応温度におい
て、この炭化水素を含む液相に酸素を含有する酸化用ガ
スを吹き込んで、上記炭化水素を対応するヒドロペルオ
キシド類に酸化するヒドロペルオキシド類の製造方法に
おいて、上記反応器に予め定めた温度差を有する高温領
域と低温領域とを設けることによって、反応系に局所的
に(即ち、反応場そのものに)温度差を与える。ここ
に、上記反応温度とは、上記上限温度と下限温度の単純
な算術平均値をいうものとする。本発明によれば、上記
温度差は、所期の効果を得ることができれば、特に、限
定されるものではないが、通常、10〜50℃の範囲が
好ましい。
【0017】本発明に従って、反応器に予め定めた温度
差を有する高温領域と低温領域とを設けるには、例え
ば、一つの態様として、所定の高い(低い)温度に保持
した反応器の外部に所定の低い(高い)温度に保持した
副反応器を付設し、副反応器内の液相にも、酸化用ガス
を供給しながら、反応器と副反応器との間で液相をバイ
・パスにて循環させればよい。また、別の態様として、
例えば、円筒状の反応器であれば、その一部(例えば、
中段部)を帯状に加熱して、所定の高い温度に保持し、
他方、反応器のその他(例えば、上記中段部を除く上下
段部)を加熱せず、そのままに放置し、又は必要に応じ
て除熱して、所定の低い温度に保持してもよい。
【0018】本発明によれば、反応器において、高温領
域と低温領域との割合は、通常、0.5〜2の範囲であ
り、好ましくは、ほぼ1である。
【0019】本発明において、液相とは、原料炭化水素
とその酸化反応の生成物であるヒドロペルオキシド類の
ほか、反応溶媒を用いるときは、その反応溶媒や、ま
た、後述するように、塩基性物質の水溶液の存在下に反
応を行なうときは、その水溶液を含むものとする。
【0020】本発明によれば、原料炭化水素を酸化する
ための酸素を含有する酸化用ガスとして、通常、空気が
用いられるが、しかし、必要に応じて、酸素や、また、
酸素と窒素の任意の混合ガスを用いることもできる。
【0021】原料炭化水素の酸化反応は、通常、常圧下
で行なえばよいが、必要に応じて、加圧下に行なっても
よい。
【0022】反応系内に水はあってもなくてもよい。ま
た、固体又は水溶液とした塩基性化合物の共存下に反応
を行なってもよい。塩基性化合物としては、例えば、炭
酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カリウム
等が用いられるが、これらに限定されるものではない。
このような塩基性化合物は、前記炭化水素100重量部
に対して、通常、0.0001〜10重量部、好ましく
は、0.001〜5重量部の範囲で用いられる。
【0023】本発明による反応は、回分式、連続式のい
ずれでも行なうことができる。必要であれば、反応に不
活性な有機溶剤を反応溶剤として用いてもよい。原料炭
化水素が反応温度で固体であれば、不活性な有機溶剤に
溶解させて溶液とし、加熱攪拌下に空気を吹き込んで、
酸化反応を行なってもよい。
【0024】また、本発明においては、必要に応じて、
反応の開始に際して、原料炭化水素にこれに対応する少
量のヒドロペルオキシドを開始剤として存在させてもよ
い。また、必要に応じて、遷移金属錯体等の触媒を併用
することも可能である。
【0025】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。
【0026】実施例1 反応器にクメン122gとクメンヒドロペルオキシド5
3gの混合物を仕込み、0.69MPaの加圧下に上限温
度を110℃とし、下限温度を100℃として、強攪拌
下、4周期/時間の割合で反応温度を上下に振動させな
がら、空気を4000mL/分の割合で液相中に吹き込
んで、クメンを空気酸化した。反応の開始から1.5時間
後のクメンヒドロペルオキシドの蓄積速度は4.9重量%
/時であり、その間に生成したクメンヒドロペルオキシ
ドの選択率は88.5mol%であった。
【0027】実施例2 上限温度を105℃とし、下限温度を95℃とした以外
は、実施例1と同様にして反応を行なった。反応の開始
から1.5時間後のクメンヒドロペルオキシドの蓄積速度
は2.9重量%/時であり、その間に生成したクメンヒド
ロペルオキシドの選択率は93.2mol%であった。
【0028】実施例3 上限温度を110℃とし、下限温度を95℃とすると共
に、3周期/時間の割合で反応温度を上下に振った以外
は、実施例1と同様にして反応を行なった。反応の開始
から1.5時間後のクメンヒドロペルオキシドの蓄積速度
は3.4重量%/時であり、その間に生成したクメンヒド
ロペルオキシドの選択率は91.5mol%であった。
【0029】比較例1 実施例1において、反応温度を上下に振動させることな
く、95℃に保持した以外は、実施例1と同様にして反
応を行なった。反応の開始から1.5時間後のクメンヒド
ロペルオキシドの蓄積速度は2.7重量%/時間であり、
その間に生成したクメンヒドロペルオキシドの選択率は
89.0mol%であった。
【0030】比較例2 実施例1において、反応温度を上下に振動させることな
く、100℃に保持した以外は、実施例1と同様にして
反応を行なった。反応の開始から1.5時間後のクメンヒ
ドロペルオキシドの蓄積速度は3.9重量%/時間であ
り、その間に生成したクメンヒドロペルオキシドの選択
率は88.1mol%であった。
【0031】比較例3 実施例1において、反応温度を上下に振動させることな
く、105℃に保持した以外は、実施例1と同様にして
反応を行なった。反応の開始から1.5時間後のクメンヒ
ドロペルオキシドの蓄積速度は5.2重量%/時間であ
り、その間に生成したクメンヒドロペルオキシドの選択
率は84.9mol%であった。
【0032】上記実施例1〜3と比較例1〜3につい
て、ヒドロペルオキシド蓄積速度とヒドロペルオキシド
の選択率との関係を図1に示す。比較例1〜3から明ら
かなように、反応温度を高くするほど、ヒドロペルオキ
シドの蓄積速度は大きくなるが、反対に、ヒドロペルオ
キシドの選択率は低下する。
【0033】そこで、図1において、比較例1、2及び
3によって示されているように、反応温度を高くすれ
ば、ヒドロペルオキシド類の蓄積速度は増大するが、ヒ
ドロペルオキシド類の選択率は低下する。これに対し
て、本発明によれば、実施例1を比較例2と比較し、ま
た、実施例2及び3を比較例1と比較すれば明らかなよ
うに、反応温度を予め定めた温度差を有する上限温度と
下限温度との間で周期的に振動させることによって、反
応温度を高めるときは、ヒドロペルオキシドの蓄積速度
を大きくすることができると共に、ヒドロペルオキシド
の選択率をも大きくすることができる。
【0034】実施例4 サイメン1033gとサイメンヒドロペルオキシド17
gの混合物と共に、炭酸ナトリウムの5重量%水溶液3
4gを反応器に仕込み、0.69MPaの加圧下に反応器
自体の温度を120℃に保って、強攪拌しながら、液相
に空気を1500mL/分の割合にて吹き込むと共に、
反応器の外部にバイ・パスにて副反応器を接続して循環
ラインを形成し、この循環ラインを160℃に保ち、こ
れら反応器と副反応器との間で液相をバイ・パスにて循
環させながら、このバイ・パスと副反応器にラジカル連
鎖反応が途切れることがないように、空気を80mL/
分の割合でミキサーを用いて供給し、このようにして、
反応器を低温領域とし、副反応器を高温領域として、サ
イメンを空気酸化した。
【0035】第3級サイメンヒドロペルオキシドの濃度
が液相中、10重量%となった時点の上記第3級サイメ
ンヒドロペルオキシドの蓄積速度は0.8重量%/時間で
あり、その間に生成した第3級サイメンヒドロペルオキ
シドの選択率は70mol%であった。
【0036】実施例5 循環ラインの温度を130℃とした以外は、実施例4と
同様にして反応を行なった。第3級サイメンヒドロペル
オキシドの液相中の濃度が10重量%となった時点の第
3級サイメンヒドロペルオキシドの蓄積速度は0.7重量
%/時間であり、その間に生成した第3級サイメンヒド
ロペルオキシドの選択率は70mol%であった。
【0037】比較例4 実施例4において、外部循環ラインの温度を反応器と同
じく、120℃とした以外は、実施例4と同様にして反
応を行なった。第3級サイメンヒドロペルオキシドの液
相中の濃度が10重量%となった時点の第3級サイメン
ヒドロペルオキシドの蓄積速度は0.6重量%/時間であ
り、その間に生成した第3級サイメンヒドロペルオキシ
ドの選択率は68mol%であった。
【0038】上記実施例4及び5を比較例4と比較すれ
ば明らかなように、本発明によれば、反応器に予め定め
た温度差を有する高温領域と低温領域とを設けることに
よって、ヒドロペルオキシドの蓄積速度を大きくするこ
とができると共に、ヒドロペルオキシドの選択率をも大
きくすることができる。
【0039】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、原料炭
化水素を含む液相部に40〜120℃の範囲の平均温度
にて酸素を含有する酸化用ガスを吹き込んで、上記炭化
水素を酸化して、対応するヒドロペルオキシド類を製造
する方法において、上記液相部の温度を予め定めた温度
差を有する上限温度と下限温度との間で周期的に振動さ
せるか、又は上記反応器に予め定めた温度差を有する高
温領域と低温領域を設けて、反応場に温度差を有せしめ
ることによって、上記ヒドロペルオキシド類を高濃度に
て、しかも、高選択性にて得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明の方法に従って、クメンを空気酸化
したときに生成するヒドロペルオキシド類の蓄積速度と
ヒドロペルオキシド類の選択率との関係を示すと共に、
比較例として、クメンを空気酸化したときに生成するヒ
ドロペルオキシド類の蓄積速度とヒドロペルオキシド類
の選択率との関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 穂慈 山口県玖珂郡和木町和木6丁目1番2号 三井化学株式会社内 (72)発明者 藤田 照典 山口県玖珂郡和木町和木6丁目1番2号 三井化学株式会社内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC40 BC10 BC18 BE30

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原料炭化水素を反応器に仕込み、40〜1
    20℃の範囲の反応温度において、この炭化水素を含む
    液相に酸素を含有する酸化用ガスを吹き込んで、上記炭
    化水素を対応するヒドロペルオキシド類に酸化するヒド
    ロペルオキシド類の製造方法において、上記液相の温度
    を予め定めた温度差を有する上限温度と下限温度との間
    で周期的に振動させることを特徴とするヒドロペルオキ
    シド類の製造方法。
  2. 【請求項2】原料炭化水素が一般式(I) 【化1】 (式中、Arはn価の芳香族炭化水素基を示し、P及び
    Qはそれぞれ独立して水素原子又はアルキル基を示し、
    nは1〜3の整数を示す。)で表わされるアリールアル
    キル炭化水素である請求項1に記載のヒドロペルオキシ
    ド類の製造方法。
  3. 【請求項3】アリールアルキル炭化水素がクメン、サイ
    メン、m−ジイソプロピルベンゼン、p−ジイソプロピ
    ルベンゼン、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、イソ
    プロピルナフタレン、ジイソプロピルナフタレン、イソ
    プロピルビフェニル、ジイソプロピルビフェニル又はこ
    れらの2種以上の混合物である請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】液相の温度を1〜10周期/時間の割合で
    上限温度と下限温度との間で周期的に振動させる請求項
    1に記載の方法。
  5. 【請求項5】原料炭化水素を反応器に仕込み、40〜1
    20℃の範囲の反応温度において、この炭化水素を含む
    液相に酸素を含有する酸化用ガスを吹き込んで、上記炭
    化水素を対応するヒドロペルオキシド類に酸化するヒド
    ロペルオキシド類の製造方法において、上記反応器に予
    め定めた温度差を有する高温領域と低温領域とを設ける
    ことを特徴とするヒドロペルオキシド類の製造方法。
  6. 【請求項6】炭化水素が一般式(I) 【化2】 (式中、Arはn価の芳香族炭化水素基を示し、P及び
    Qはそれぞれ独立して水素原子又はアルキル基を示し、
    nは1〜3の整数を示す。)で表わされるアリールアル
    キル炭化水素である請求項5に記載のヒドロペルオキシ
    ド類の製造方法。
  7. 【請求項7】アリールアルキル炭化水素がクメン、サイ
    メン、m−ジイソプロピルベンゼン、p−ジイソプロピ
    ルベンゼン、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、イソ
    プロピルナフタレン、ジイソプロピルナフタレン、イソ
    プロピルビフェニル、ジイソプロピルビフェニル又はこ
    れらの2種以上の混合物である請求項6に記載の方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011053818A2 (en) * 2009-10-30 2011-05-05 Illa International, Llc Non-barbotage method for oxidation of hydrocarbons by forming and utilizing liquid phase thin film

Cited By (2)

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WO2011053818A2 (en) * 2009-10-30 2011-05-05 Illa International, Llc Non-barbotage method for oxidation of hydrocarbons by forming and utilizing liquid phase thin film
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