JPH0791205B2 - ジイソプロピルナフタレンの酸化方法 - Google Patents

ジイソプロピルナフタレンの酸化方法

Info

Publication number
JPH0791205B2
JPH0791205B2 JP61098175A JP9817586A JPH0791205B2 JP H0791205 B2 JPH0791205 B2 JP H0791205B2 JP 61098175 A JP61098175 A JP 61098175A JP 9817586 A JP9817586 A JP 9817586A JP H0791205 B2 JPH0791205 B2 JP H0791205B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diisopropylnaphthalene
reaction
oxidation
mol
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP61098175A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS62255442A (ja
Inventor
憲治 佐伯
浩 福原
時則 吾郷
豊 羽田
定男 善本
Original Assignee
三井石油化学工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 三井石油化学工業株式会社 filed Critical 三井石油化学工業株式会社
Priority to JP61098175A priority Critical patent/JPH0791205B2/ja
Publication of JPS62255442A publication Critical patent/JPS62255442A/ja
Publication of JPH0791205B2 publication Critical patent/JPH0791205B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はジイソプロピルナフタレン、特に2,6−ジイソ
プロピルナフタレン及び/または2,7−ジイソプロピル
ナフタレンの酸化法に関する。さらに詳しくは、ジイソ
プロピルナフタレンのイソプロピル基をヒドロキシプロ
ピル又はペルオキシプロピル基に酸化する酸化法に関す
る。
[従来の技術] ジイソプロピルナフタレン(以下DIPNということがあ
る)を酸化してジイソプロピルナフタレンジヒドロペル
オキシド(以下DHPということがある。)を生成し、こ
れを酸触媒の存在下で酸分解すれば、シヒドロキシナフ
タレン(以下DHNということがある。)を得ることがで
きる。ジイソプロピルナフタレン例えば2,6−ジイソプ
ロピルナフタレン又は2,7−ジイソプロピルナフタレン
は例えば合成樹脂、合成繊維、医薬品、農薬、染料等の
原料として有用である。
従来、ジイソプロピルナフタレンとは異なるp−ジイソ
プロピルベンゼンを、反応系中に反応中の油層のpHを9
〜11に保つようにpHが10より高いアルカリ水溶液を適宜
供給し、一方反応系内の水量を5〜60重量%に維持する
ように反応系から水層を適宜除去しつつ、酸化反応生物
中のヒドロペルオキシド濃度がp−ジイソプロピルベン
ゼンモノヒドロペルオキシドに換算して115重量%以上
となるまで、80〜120℃の温度分子状酸素によつて酸化
する、p−ジイソプロピルベンゼンの回分式酸化法が知
られている(特公昭55−44066号又は特開昭48−72144号
公報参照)。
上記p−ジイソプロピルベンゼンの酸化法では、反応中
の油槽のpHを9〜11に保ちながら、反応系中の水層の水
量を5〜60重量%となるよう調節している。
また、特開昭51−34,138号公報には、β−イソプロピル
ナフタレンを、アルカリ性の水性媒体中で、特定のニツ
ケル(II)、ロジウム(I)又はIr化合物(触媒)をβ
−イソプロピルナフタレンに対し25〜1,000ppm存在せし
めて、約75〜100℃の温度で撹拌しながら分子状酸素と
緊密に接触させ;水層と油槽を分離し;そして油層から
β−イソプロピルナフタレンヒドロペルオキシドを回収
する方法が開示されている。
同様に、英国特許第654,035号明細書には、β−イソプ
ロピルナフタレンを、重金属酸化触媒の実質的な非存在
下に、液相中で、高められた温度で、分子状酸素と反応
せしめ、β−イソプロピルナフタレンハイドロオキサイ
ドを製造する方法が開示されている。
上記特許昭51−34,138号公報及び英国特許第654,035号
明細書に記載された方法はいずれもモノイソプロピルナ
フタレンの酸化法であり、ジイソプロピルナフタレンの
酸化法ではない。
米国特許第4,503,262号明細書には、2,6−ジイソプロピ
ルナフタレンを2,6−ジイソプロピルナフタレンヒドロ
ペルオキシドに転換する方法であつて、該2,6−ジイソ
プロピルナフタレンをC5-14脂肪族炭化水素中に溶解し
そして重金属酸化物、水酸化物、有機酸塩及びそれらの
混合物より成る群から選ばれる触媒の存在下、大気圧
下、約50℃〜約100℃の範囲の高められた温度で、塩基
性媒体中で、酸素含有ガスと接触させる方法が開示され
ている。
この米国特許第4,503,262号明細書に記載された方法
は、反応速度を高めそしてヒドロペルオキシドの収率と
純度を向上できる利点を持つことが開示されている。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明の目的は、ジイソプロピルナフタレンの分子状酸
素による酸化法を提供することにある。本発明の他の目
的は、ジイソプロピルナフタレンを分子状酸素により酸
化して、高い転化率で、ジイソプロピルナフタレンから
ジイソプロピルナフタレンのジヒドロペルオキシド、モ
ノヒドロキシモノヒドロペルオキシドおよびジヒドロキ
シドより主として成る酸化生成物を生成する方法を提供
することにある。
本発明のさらに他の目的は、酸分割によりジヒドロキシ
ナフタレンを高収率で与える酸化反応生成物をもたらす
ジイソプロピルナフタレンの酸化法を提供することにあ
る。
本発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から
明らかになろう。
[問題点を解決するための手段及び作用] 本発明の上記目的および利点は、本発明によれば、ジイ
ソプロピルナフタレンを、塩基の存在下に、分子状酸素
により酸化してジイソプロピルナフタレンのジヒドロペ
ルオキシド、モノヒドロキシモノヒドロペルオキシド、
およびジヒドロキシドより主としてなる酸化生成物を生
成するにあたり、重金属の酸化物、水酸化物、有機酸塩
及びそれらの混合物より成る群から選ばれる触媒の不存
在下で、反応停止までに出発原料としてのジイソプロピ
ルナフタレン1モルに対して、少なくとも0.06グラム当
量の塩基性化合物を使用して酸化反応を行うことを特徴
とするジイソプロピルナフタレンの酸化方法によつて達
成される。
本発明の上記酸化法によれば、ジイソプロピルナフタレ
ンのイソプロピル基の少くとも一方が2−ヒドロキシ−
プロプ−2−イル又は2−ペルヒドロキシプロプ−2−
イル基に酸化された生成物が主たる酸化生成物として生
成される。ジイソプロピルナフタレンのイソプロピル基
がホルミル基あるいはカルボキシル基にまで、より高次
の酸化状態にまで酸化された酸化生成物が重たる酸化生
成物となるように酸化を実施することは本発明の目的と
相違する。
本発明において、酸化出発原料となるジイソプロピルナ
フタレンとして具体的には例えば2,6−ジイソプロピル
ナフタレン、2,7−ジイソプロピルナフタレン又は1,4−
ジイソプロピルナフタレンが、挙げられるが、本発明方
法は、特に2,6−ジイソプロピルナフタレン及び/また
は2,7−ジイソプロピルナフタレンの酸化方法とし適し
ている。
本発明の酸化法により生成される主たる酸化生成物は、
ジイソプロピルナフタレンのジヒドロペルオキシド、モ
ノヒドロキシモノヒドロペルオキシド、ジヒドロキシ
ド、モノヒドロキシドおよびモノペルオキシドより成る
群から選ばれる酸化生成物である。特に、ジヒドロキシ
ペルオキシド、モノヒドロキシモノヒドロペルオキシド
およびジヒドロキシドが酸化生成物の大部分例えば酸化
されたジイソプロピルナフタレンに基づいて少くとも50
モル%を占める。
本発明の酸化法は、塩基の存在下にジイソプロピルナフ
タレンを分子状酸素で酸化してジイソプロピルナフタレ
ンのジヒドロペルオキシド、モノヒドロキシモノヒドロ
ペルオキシド、およびジヒドロキシドより主としてなる
酸化生成物を生成するにあたり、重金属の酸化物、水酸
化物、有機酸塩及びそれらの混合物より成る群から選ば
れる触媒の不存在下で、反応停止までに、反応出発原料
として使用したジイソプロピルナフタレン1モル当り、
少くとも0.06グラム当量の塩基性化合物を使用して、
(すなわち、反応の出発原料としてのジイソプロピルナ
フタレン1モルに対して、少なくとも0.06グラム当量の
塩基性化合物を反応系に添加して)酸化反応を実施する
ものである。
塩基性化合物の使用量は、連続酸化法においては、単位
時間当りの平均ジイソプロピルナフタレンの仕込量に対
する塩基性化合物の使用量(仕込量)であると理解され
る。塩基性化合物は、出発原料としてのジイソプロピル
ナフタレンの基準に対し、好ましくは0.1〜3.0グラム当
量、より好ましくは0.2〜1.0グラム当量で使用される。
反応系中に存在させるべき塩基性化合物は、その全量を
反応開始前に反応系中に添加してもよく、また幾つかの
量的部分に分けて反応系中に添加してもよい。好ましく
は、幾つかの量的部分に分けて、反応開始前にその一つ
を反応系中に添加し、残りの部分を反応の途中で反応系
中に添加する。
塩基性化合物としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、炭化水素ナトリム、炭酸水素カリウム、炭
酸ナトリウム、炭酸カリウムの如きアルカリ金属化合
物;あるいは水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、
水酸化ストロンチウムの如きアルカリ土類金属化合物が
好ましく用いられる。これらの塩基性化合物は単独であ
るいは2種以上併用して用いることができる。塩基性化
合物としては、アルカリ金属化合物が好ましく、特に水
酸化ナトリウム、水酸化ナトリウムが就中好適に用いら
れる。
本発明の酸化反応は、上記塩基性化合物の存在下におい
て、好ましくは水性媒体の存在下において実施される。
本発明では、水性媒体の存在下で実施する場合、塩基性
化合物の存在により、酸化反応系中における水相のpH
は、好ましくは9〜14、より好ましくは11〜14、特に好
ましくは12〜14となる。塩基性化合物を水溶液として系
内に加える場合、塩基性化合物は好ましくは1〜25重量
%の濃度の水溶液として加えることができる。
上記の如き特定の割合の塩基性化合物を用いる本発明の
酸化法によれば、ジイソプロピルナフタレンを高い添加
率例えば少くとも80%、好ましくは少くとも95%、より
好ましくは少くとも99%の転化率で、酸化する。本発明
では、酸化生成物としてジヒドロペルオキシド、モノヒ
ドロキシモノヒドロペルオキシドおよびジヒドロキシド
から主として成る反応生成物を得ることができる。ま
た、本発明の酸化法によれば、反応速度も大きくそれ故
反応温度を低くしても許容し得る反応速度を達成するこ
とができる。
本発明の酸化法は、通常塩基性化合物を含有する水相と
ジイソプロピルナフタレンを含む有機相とを機械的に撹
拌により混合して乳化状態とし、その状態の中に分子状
酸素を吹込むことによつて実施される。乳化状態は水相
と有機相とを機械的に撹拌混合して形成することがで
き、その際、例えばステアリン酸ナトリウムの如き従来
公知の乳化剤を共存させることにより乳化を容易にする
ことができる。撹拌は強いほど良い。
有機相は、ジイソプロピルナフタレンそのものから成る
ことができ、あるいは反応系中に有機溶媒を存在せしめ
て反応を実施する場合には該有機溶媒とジイソプロピル
ナフタレンとを含有して成ることができる。
上記有機溶媒としては、例えば第2級アルキル基で置換
された芳香族炭化水素、ベンゼン、ハロゲン化芳香族炭
化水素、ハロゲン化脂肪族炭化水素、脂肪族飽和炭化水
素、脂環式炭化水素、ニトロ化合物、ニトリル類および
スルホキシド類等が好ましく用いられる。
第2級アルキル基で置換された芳香族炭化水素として
は、例えば、下記式(I) ここで、R1およびR2は低級のアルキル基を表わし、 R3は水素、低級アルキル基、低級アルキル置換フエニル
基又はハロゲンを表わし、X及びYはともに水素原子で
あるか又は互に結合してそれらが結合しているベンゼン
環と共に置換又は未置換のテトラリン又はナフタレン環
を形成していてもよく、またmは1、2又は3の整数を
表わす、但しm個の は同一又は異なるものでもよい、 で表わされる化合物が好ましく用いられる。
かかる化合物としては、例えばクメン、ジイソプロピル
ベンゼン、トリイソプロピルベンゼン、メチルイソプロ
ピルベンゼン(サイメン)、フルオロイソプロピルベン
ゼン、クロロイソプロピルベンゼン、ブロモイソプロピ
ルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、sec−アミルベンゼ
ン、sec−ヘキシルベンゼンの如きアルキルベンゼン
類;ジイソプロピルビフエニルの如きビフエニル類;イ
ソプロピルテトラリン等のテトラリン類;β−イソプロ
ピルナフタレン等のアルキルナフタレン類を例示でき
る。この中クメン、ジイソプロピルベンゼン、トリイソ
プロピルベンゼン、ハロゲン化イソプロピルベンゼン等
のイソプロピルベンゼン類を使用するのが好ましい。
また、ハロゲン化芳香族炭化水素類としては、例えば、
クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモベンゼン、
ジブロモベンゼン、フロロベンゼン、ジフロロベンゼン
などを例示できる。
ハロゲン化脂肪族炭化水素としては、例えばクロロホル
ム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロルエタン、
H(CF2)nCl(nは5〜10)を例示できる。
脂肪族飽和炭化水素としては、例えばヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン
等を例示できる。
脂環式炭化水素としては、例えばシクロヘキサン、シク
ロヘプタン、クロロシクロヘキサン、ジクロロシクロヘ
キサン等を例示できる。
ニトロ化合物としては、例えばニトロベンゼン、ニトロ
メタン等を例示できる。
ニトリル類としては、例えば、ベンゾニトリル、アセト
ニトリル等を例示できる。
スルホキシド類としては、例えばジメチルスルホキシ
ド、ジメチルスルホン、テトラメチレンスルホン(スル
ホラン)等を例示できる。
これらの有機溶媒のうち、特にクロロベンゼン、ジクロ
ロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素を使用するこ
とが溶媒入手の容易さ、反応後の後処理操作の行いやす
さ等の点から好ましい。該有機溶媒の使用量は、好まし
くはジイソプロピルナフタレンの100重量部当たり20〜1
000重量部、より好ましくは50〜300重量部である。
反応混合物中における塩基性水相は、通常、反応混合物
の5〜80重量%を占めるのが好ましく、特に、20〜70重
量%の範囲にあることが好ましい。
反応原料として用いられるジイソプロピルナフタレンは
高純度であるほど好ましい。少くとも85%の純度を有す
るものは本発明の酸化法の原料として使用できる。
分子状酸素としては、酸素ガスを単独で用いてもよい
が、通常、酸素と不活性ガスとの混合物、例えば空気で
十分である。分子状酸素の所要量は、通常、酸化反応の
ための仕込みジイソプロピルナフタレン100g当り、酸素
ガス換算にて5〜15Nl/時の範囲であるが、特に、制限
されるものではない。
酸化反応温度は、通常、70〜150℃、好ましくは80〜110
℃である。反応時間は反応温度等の条件によつても異な
るが、通常は6〜100時間、好ましくは7〜50時間であ
る。かかる条件下での酸化反応によつて、ジイソプロピ
ルナフタレンの転化率を80%以上とすることができる。
尚、反応は、普通、常圧下に行なわれるが、必要に応
じ、例えば大気圧〜50kg/cm2の加圧下で実施することが
できる。
本発明の酸化法を上記のとおり実施して得られた反応混
合物は、上記のとおり、ジイソプロピルナフタレンのジ
ヒドロペルオキシド、モノヒドロキシモノヒドロペルオ
キシドおよびジヒドロキシド等を酸化生成物として含有
する。酸化反応混合物の組成は、例えば有機相と水相と
に分離し、水相をエーテルで抽出して該有機相と一緒に
し、これを液体クロマトグラフイーに付して求めること
ができる。
なお、酸化反応混合物に含まれる全酸化物量を知りたり
時は必要に応じて前記有機相のヨードメトリー分析を行
う。
酸化反応混合物から、ジイソプロピルナフタレンジヒド
ロペルオキシドを単離する場合には通常次の方法によつ
行うことができる。すなわち、水酸化ナトリウムの20〜
40%の濃度の水溶液に前記有機相を徐々に加えてジヒド
ロペルオキシドのナトリウム塩を沈澱させることによつ
てこれを単離することができる。しかし、通常は該ヒド
ロペルオキシドの単離は望ましくなく、有機溶媒に溶解
したままの形にして合成反応の原料として使用されるこ
とが好ましい。
本発明の酸化法を上記のとおり実施して得られた反応に
含有される上記ジイソプロピルナフタレンのジヒドロペ
ルオキシド、モノヒドロキシモノヒドロペルオキシドお
よびジヒドロキシドは、本発明者の研究によれば、これ
らを過酸化水素の共存下で酸分割に付すことによつて、
ジヒドロキシナフタレンに一段で交換し得ることが明ら
かにされた。
以下実施例により本発明をさらに説明する。実施例中略
号の意味は次のとおりである。
2,6−DIPN:2,6−ジイソプロピルナフタレン 2,6−DHP:2,6−DIPNのジヒドロペルオキシド、 2,6−HHP:2,6−DIPNのモノヒドロキシモノヒドロペルオ
キシド、 2,6−DCA:2,6−DIPNのジヒドロキシド、 2,6−MHP:2,6−DIPNのモノヒドロペルオキシド、 2,6−MCA:2,6−DIPNのモノヒドロキシド、 実施例1 回転撹拌機(湾曲傾斜パルド型撹拌羽根、羽根寸法直径
55mm)、ガス吹込み管、温度計鞘、還流冷却器を備えた
500mlオートクレーブ(SUS318L製)に2,6−ジイソプロ
ピルナフタレン50g、4.5重量%−水酸化ナトリウム水溶
液100gおよびα−α′−アゾビス(シクロヘキサン−1
−カルボニトリル)0.1gを仕込んだ。反応温度100℃、
反応圧力5kg/cm2G、撹拌回転数1300rpm(周速374cm/
秒)の反応条件下、空気を20l/hrで流通させながら9時
間反応を行つた。反応終了後オートクレーブを解放し内
容物を取り出した。反応混合物にメチルイソブチルケト
ン(MIBK)を加えて固形物を溶解した後、分液斗を使
つて有機相と水相を分けた。水相は希塩酸を用いてpH3
に調製した後、有機物をエチルエーテルで抽出した。上
記有機相およびエチルエーテル抽出液について、それぞ
れ組成分析を行つた結果、2,6−ジイソプロピルナフタ
レン転化率99.5モル%、2,6−DHP収率15.4モル%、2,6
−HHP収率34.0モル%、2,6−DCA収率17.1モル%、2,6−
MHP収率7.3モル%および2,6−MCA収率4.7モル%の反応
成績であつた。
実施例2〜4 実施例1において、水酸化ナトリウム水溶液の濃度を第
1表に示すように変えた以外は、実施例1と同様に行つ
た。結果を第1表に示す。
実施例5〜6 実施例1において4.5%重量%の水酸化ナトリウムの水
溶液の代りに第2表に示す塩基の水溶液を用いた以外は
実施例1と同様に行つた。結果を第2表に示す。
実施例7 (1) 回転撹拌機、ガス吹込み管、アルカリ供給管、
温度計鞘、還流冷却器を備えた5のオートクレーブに
2,6−DIPN1100g、4.5重量%NaOH550g、H2O 650gおよび
2,6−ジイソプロピルナフタレンヒドロペルオキシド5.5
g(前もつて2,6−DIPNを酸化して、開始剤として確保し
ておいたもの)を仕込んだ。反応温度100℃、反応圧力5
kg/cm2G、(撹拌数100rpmのもと)空気を195Nl/hrで流
通させながら反応を行つた。反応開始とともに10重量%
のNaOHaqを供給した。26時間後に反応を停止した。この
間に供給したNaOHは1422cc.であつた(NaOH/2,6−DIPN
=0.8当量/モル)。反応終了後、オートクレーブを開
放し、内容物をとりだした。得られた酸化反応混合物に
MIBKを2200g添加後、油相(MIBK相)と水相とに分離し
た。この油相中に含まれる酸化反応生成物の組成は液体
クロマトグラフイー分析の結果、 となり、この結果より、2,6−DIPN転化率99%以上、2,6
−DHP収率10モル%、2,6−HHP収率36モル%、2,6−DCA
収率24モル%、2,6−MHP収率6モル%、2,6−MCA収率5
モル%であつた。
実施例8 回転撹拌機、ガス吹込み管、アルカリ供給管、温度計及
び還流冷却器を備えた5のオートクレーブに2,7−DIP
N、68.0重量%、2,6−DIPN15.5重量%、及びその他のDI
PN異性体16.5重量%からなるDIPN混合物1100g、4.5重量
%の水酸化ナトリウム水溶液350g、水850gおよび2,6−
ジイソプロピルナフタレンヒドロペルオキシド5.5g(前
もつて2,6−DIPNを酸化して開始剤として確保しておい
たもの)を仕込んだ。反応温度105℃、反応圧力6kg/cm2
−G、撹拌数1000rpmで空気を195Nl/hrで流通させなが
ら反応を行った。反応開始とともに10重量%の水酸化ナ
トリウム水溶液を供給した。33時間後に反応を停止し
た。その間に供給した10重量%水酸化ナトリウム水溶液
は1521ccであつた。(NaON/2,6−DIPN=0.87当量/モ
ル)反応終了後オートクレーブを開放し、内容物をとり
出した。この内容物を実施例1と同様にして、分析した
結果、DIPN転化率は96.0%であり、酸化生成物の収率は
以下の通りであった。
DHP 9.3重量% HHP 24.7 〃 DCA 18.3 〃 MHP 13.1 〃 MCA 10.9 〃 [発明の効果] 以上のように、本発明の方法によれば、ジイソプロピル
ナフタレンの酸化反応によつて、対応するジイソプロピ
ルナフタレンジヒドロペルオキシドと副生物カルビノー
ル類を含む反応混合物を得ることができる。その際に、
好ましくは、ジイソプロピルナフタレンの反応率を80%
以上とする。かくして、反応混合物を過酸化水素と酸性
触媒との存在下に副生カルビノール類をジヒドロペルオ
キシドを酸化すると共に、ジヒドロペルオキシドを酸分
解することによつて、高収率にて目的とする2,6−ジイ
ソプロピルナフタレンを得ることができる。
更に、本発明の方法によれば、カルビノール類の縮合に
起因する副生物の生成が抑制される。そのため酸分割反
応混合物の後処理も容易であり、また、高品質のジヒド
ロキシナフタレンを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−246143(JP,A) 特開 昭62−120343(JP,A) 米国特許4503262(US,A)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジイソプロピルナフタレンを、塩基の存在
    下に、分子状酸素により酸化してジイソプロピルナフタ
    レンのジヒドロペルオキシド、モノヒドロキシモノヒド
    ロペルオキシド、およびジヒドロキシドより主としてな
    る酸化生成物を生成するにあたり、重金属の酸化物、水
    酸化物、有機酸塩及びそれらの混合物より成る群から選
    ばれる触媒の不存在下で、反応停止までに出発原料とし
    てのジイソプロピルナフタレン1モルに対して、少なく
    とも0.06グラム当量の塩基性化合物を使用して酸化反応
    を行うことを特徴とするジイソプロピルナフタレンの酸
    化方法。
  2. 【請求項2】ジイソプロピルナフタレンが2,6−ジイソ
    プロピルナフタレンである特許請求の範囲第1項記載の
    方法。
  3. 【請求項3】ジイソプロピルナフタレンが2,7−ジイソ
    プロピルナフタレンである特許請求の範囲第1項記載の
    方法。
  4. 【請求項4】ジイソプロピルナフタレンの少なくとも80
    重量%が酸化されるまで酸化反応を行う特許請求の範囲
    第1項ないし第3項のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】ジイソプロピルナフタレンの少なくとも95
    重量%が酸化されるまで酸化反応を行う特許請求の範囲
    第1項ないし第3項のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】ジイソプロピルナフタレン1モル当り、0.
    2〜1.0グラム当量の塩基性化合物を用いる特許請求の範
    囲第1項ないし第5項のいずれかに記載の方法。
JP61098175A 1986-04-30 1986-04-30 ジイソプロピルナフタレンの酸化方法 Expired - Fee Related JPH0791205B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61098175A JPH0791205B2 (ja) 1986-04-30 1986-04-30 ジイソプロピルナフタレンの酸化方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61098175A JPH0791205B2 (ja) 1986-04-30 1986-04-30 ジイソプロピルナフタレンの酸化方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS62255442A JPS62255442A (ja) 1987-11-07
JPH0791205B2 true JPH0791205B2 (ja) 1995-10-04

Family

ID=14212701

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP61098175A Expired - Fee Related JPH0791205B2 (ja) 1986-04-30 1986-04-30 ジイソプロピルナフタレンの酸化方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0791205B2 (ja)

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4503262A (en) 1983-08-04 1985-03-05 Virginia Chemicals, Inc. Process for the production of 2,6-diisopropylnaphthalene dihydroperoxide

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4716245A (en) * 1985-04-24 1987-12-29 Teijin Petrochemical Industries, Ltd. Process for producing 2,6-naphthalenedicarboxylic acid
JPS61246143A (ja) * 1985-04-24 1986-11-01 Teijin Yuka Kk 2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造法
JPS62120343A (ja) * 1985-11-19 1987-06-01 Teijin Yuka Kk 2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4503262A (en) 1983-08-04 1985-03-05 Virginia Chemicals, Inc. Process for the production of 2,6-diisopropylnaphthalene dihydroperoxide

Also Published As

Publication number Publication date
JPS62255442A (ja) 1987-11-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100854179B1 (ko) 과산화수소의 제조 방법
US3933921A (en) Process for the production of hydroperoxides
JPH0791205B2 (ja) ジイソプロピルナフタレンの酸化方法
JPS5835135A (ja) フロログルシンの製造法
JPH1059886A (ja) ヒドロキシ芳香族化合物の製造方法
EP0239643B1 (en) Process for oxidizing 2,6-diisopropylnaphthalene
US4825007A (en) Oxidation process of aromatic compounds
US4271321A (en) Process for the preparation of araliphatic dihydroperoxides
JPS6217587B2 (ja)
JPH0112737B2 (ja)
JPH0768209B2 (ja) ヒドロペルオキシド混合物の処理方法
JPH08245571A (ja) アリールアルキルヒドロペルオキシド類の製造方法
JPH0635407B2 (ja) 2,6−ジイソプロピルナフタレンの酸化方法
JPS6270332A (ja) 2,6−ジヒドロキシナフタレンの製造方法
CA1279654C (en) Process for oxidizing 2,6-diisopropylnaphthalene
JPH08245568A (ja) アリールアルキルヒドロペルオキシド類の製造方法
JP2000229937A (ja) ヒドロペルオキシド類の製造方法
JPH08259528A (ja) アリールアルキルヒドロペルオキシド類の製造方法
JPS62238225A (ja) 2,6−ジヒドロキシナフタレンの製造方法
JP2000290248A (ja) ヒドロペルオキシド類の製造方法
JPH0580459B2 (ja)
JPH0798772B2 (ja) 置換アセトフェノンの製法
JP2746421B2 (ja) フロログルシンおよびレゾルシンの製造方法
JP2508700B2 (ja) ヒドロキシナフタレンの製造方法
JPH08283188A (ja) アリールアルキルアルコール類の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees