JP2000229925A - ヒドラジン誘導体の製造方法 - Google Patents
ヒドラジン誘導体の製造方法Info
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Abstract
造方法の提供。 【解決手段】 式(I) 【化2】 で表される構造を有するヒドラゾン誘導体(I)を接触
還元後、その反応液に含有されている還元触媒の活性を
失活させる工程を含む、上記ヒドラジン誘導体(II)
の製造方法。
Description
な、式(II)
(II)の製造方法に関する。
(II)(以下、ヒドラジン誘導体(II)ともいう)
は通常、式(I)
(I)(以下、ヒドラゾン誘導体(I)ともいう)を接
触還元することにより得ることができる。従来公知の方
法により得られた該ヒドラジン誘導体(II)を適当な
有機溶媒の溶液、例えばイソプロピルアルコール溶液と
して保存すると、ヒドラジン誘導体(II)はヒドラゾ
ン誘導体(I)へと戻り、次工程での不純物となること
から、溶液状態でも安定なヒドラジン誘導体(II)の
製造方法が望まれていた。
式(IIb)
す。)で表される、tert−ブチル 3−[4−(ピ
リジン−2−イル)ベンジル]カルバゼート(以下、ヒ
ドラジン誘導体(IIb)ともいう)は、抗HIV薬で
ある、式(A)
て有用である。例えば、ヒドラゾン誘導体(I)であ
る、式(Ib)
す。)で表される、N−(tert−ブトキシカルボニ
ル)−N’−[4−(ピリジン−2−イル)フェニルメ
チリデン]ヒドラジン(以下、ヒドラゾン誘導体(I
b)ともいう)からWO97/40029号に記載の方
法により、ヒドラジン誘導体(IIb)を経て、医薬化
合物(A)へと導くことができる。
状態でも安定なヒドラジン誘導体(II)の製造方法を
提供することである。
を解決すべく鋭意研究を行った結果、ヒドラゾン誘導体
(I)を接触還元後、その反応液に含有されている還元
触媒の活性を失活させることにより、有機溶媒の溶液に
して保存してもヒドラゾン誘導体(I)が生成すること
のない、溶液状態でも安定なヒドラジン誘導体(II)
が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
(I)を接触還元後、その反応液に含有されている還元
触媒の活性を失活させる工程を含むことを特徴とする、
式(II)
(II)の製造方法、(2)式(I)
(I)が、式(Ia)
素数1〜4のアルキル、炭素数1〜4のアルコキシ、置
換基を有していてもよいアリール、および置換基を有し
ていてもよい芳香族複素環基を表し、R’は水素原子、
アシル、アルコキシカルボニル、アルキル、および置換
基を有していてもよいフェニルを表し、R”はアシル、
アルコキシカルボニル、アルキル、および置換基を有し
ていてもよいフェニルを表す。)で表されるヒドラゾン
誘導体(Ia)であり、式(II)
(II)が、式(IIa)
である)で表されるヒドラジン誘導体(IIa)である
上記(1)の製造方法、(3)還元触媒の活性を失活さ
せる工程が触媒毒および/または吸着剤の使用による上
記(1)の製造方法、(4)触媒毒が硫黄系化合物であ
る上記(3)の製造方法、(5)硫黄系化合物がハイド
ロサルファイトナトリウムである上記(4)の製造方
法、(6)吸着剤が活性炭である上記(3)の製造方
法、(7)還元触媒の活性を失活させる工程後、飽和炭
化水素系溶媒を含有する溶媒で再結晶を行う工程を含む
ことを特徴とする上記(1)の製造方法、および(8)
式(II)
(II)が、tert−ブチル 3−[4−(ピリジン
−2−イル)ベンジル]カルバゼートである上記(1)
〜(7)のいずれかの製造方法に関する。
換基の定義を以下に説明する。一般的な触媒毒とは、触
媒反応において触媒作用を著しく減少させるか、または
全く失わせる物質を指し、本明細書における「触媒毒」
としては、後者のみを指す。
特に限定がない限り、フッ素原子、塩素原子、臭素原
子、およびヨウ素原子のことである。
限定がない限り、直鎖状または分岐鎖状のどちらでもよ
い炭素数1〜4のアルキルのことであり、例えばメチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、sec−ブチル、およびtert−ブチルが挙げ
られる。
に限定がない限り、直鎖状または分岐鎖状のどちらでも
よい炭素数1〜4のアルコキシのことであり、例えばメ
トキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブト
キシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、およびter
t−ブトキシが挙げられる。
ル」とは、特に限定がない限り、アルコキシ部が直鎖状
または分岐鎖状のどちらでもよいアルコキシである、炭
素数2〜5のアルコキシカルボニルのことであり、例え
ばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキ
シカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカ
ルボニル、イソブトキシカルボニル、sec−ブトキシ
カルボニル、およびtert−ブトキシカルボニルが挙
げられる。
ッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヨウ素原子が挙
げられ、好ましくはフッ素原子、塩素原子、および臭素
原子である。
は、直鎖状または分岐鎖状のどちらでもよい炭素数1〜
4のアルキルのことであり、例えばメチル、エチル、プ
ロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−
ブチル、およびtert−ブチルが挙げられ、好ましく
はtert−ブチルである。
とは、直鎖状または分岐鎖状のどちらでもよい炭素数1
〜4のアルコキシのことであり、例えばメトキシ、エト
キシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブ
トキシ、sec−ブトキシ、およびtert−ブトキシ
が挙げられ、好ましくはメトキシおよびエトキシであ
る。
リール」とは、下記置換基で1〜3個、好ましくは1ま
たは2個置換されていてもよいアリールのことであり、
置換位置は特に限定はなく、アリールとしてはフェニ
ル、およびナフチルが挙げられる。また、置換基として
は本発明の接触還元により還元されることのない置換基
であればよく、例えばアルキル、アルコキシ、ハロゲン
原子、カルボキシ、アルコキシカルボニル、およびシア
ノが挙げられる。該「置換基を有していてもよいアリー
ル」としては、例えばフェニル、2−、3−、または4
−トリル、2−、3−、または4−メトキシフェニル、
2−、3−、または4−フルオロフェニル、2−、3
−、または4−クロロフェニル、2−、3−、または4
−カルボキシフェニル、および2−、3−、または4−
シアノフェニルが挙げられ、好ましくはフェニルであ
る。
香族複素環基」とは、下記置換基で1〜3個、好ましく
は1または2個置換されていてもよい芳香族複素環基の
ことである。該芳香族複素環基とは、N、O、およびS
からなる群より選ばれる少なくとも1つのヘテロ原子を
含有する芳香族複素環基のことであり、例えばフリル、
オキサゾリル、イミダゾリル、ピリジル、およびピリミ
ジニルが挙げられる。また、置換基としては本発明の接
触還元により還元されることのない置換基であればよ
く、置換位置は特に限定はなく、例えばアルキル、アル
コキシ、ハロゲン原子、カルボキシ、アルコキシカルボ
ニル、およびシアノが挙げられる。該「置換基を有して
いてもよい芳香族複素環基」としては、例えば2−、3
−、または4−ピリジルが挙げられ、好ましくは2−ピ
リジルである。
は、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、お
よびベンゾイルが挙げられ、好ましくはアセチルおよび
ベンゾイルである。
ボニル」とは、炭素数2〜5のアルコキシカルボニルの
ことであり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカル
ボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボ
ニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、
sec−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカル
ボニルが挙げられ、好ましくはtert−ブトキシカル
ボニルである。
は、直鎖状または分岐鎖状のどちらでもよい炭素数1〜
8個、好ましくは1〜4個のアルキルのことであり、例
えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、
ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペ
ンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、およびオ
クチルが挙げられ、好ましくはメチル、エチル、および
プロピルである。
いてもよいフェニル」とは、下記置換基で1〜3個、好
ましくは1または2個置換されていてもよいフェニルの
ことであり、置換位置は特に限定はなく、置換基として
は本発明の接触還元により還元されることのない置換基
であればよく、例えばアルキル、アルコキシ、ハロゲン
原子、カルボキシ、およびアルコキシカルボニルが挙げ
られる。該「置換基を有していてもよいフェニル」とし
ては、フェニル、2−、3−、または4−トリル、2
−、3−、または4−アルコキシフェニル、2−、3
−、または4−ハロフェニル、および2−、3−、また
は4−カルボキシフェニルが挙げられ、好ましくはフェ
ニルである。
る。本発明の方法においてヒドラゾン誘導体(I)を接
触還元する工程は、公知の方法に従って行うことができ
る。例えば、ヒドラゾン誘導体(I)を適当な反応溶媒
中、触媒の存在下、水素雰囲気下で接触還元する。接触
還元後、反応液から触媒を濾去し、得られた濾液から溶
媒を濃縮留去および/または結晶化することにより、ヒ
ドラジン誘導体(II)を得ることができる。本発明の
方法においては、接触還元後、その反応液に含有されて
いる還元触媒の活性を失活させる工程を導入することに
より、溶液状態でも安定なヒドラジン誘導体(II)が
得られる。
しては、例えば、式(Ia)
素数1〜4のアルキル、炭素数1〜4のアルコキシ、置
換基を有していてもよいアリール、および置換基を有し
ていてもよい芳香族複素環基を表し、R’は水素原子、
アシル、アルコキシカルボニル、アルキル、および置換
基を有していてもよいフェニルを表し、R”はアシル、
アルコキシカルボニル、アルキル、および置換基を有し
ていてもよいフェニルを表す。)で表されるヒドラゾン
誘導体(Ia)が挙げられる。ヒドラゾン誘導体(I
a)としては、例えばN−(tert−ブトキシカルボ
ニル)−N’−[4−(ピリジン−2−イル)フェニル
メチリデン]ヒドラジンが挙げられる。
としては、例えば、式(IIa)
義である)で表されるヒドラジン誘導体(IIa)が挙
げられる。ヒドラゾン誘導体(IIa)としては、例え
ばtert−ブチル 3−[4−(ピリジン−2−イ
ル)ベンジル]カルバゼートが挙げられる。
の分野で使用されるものであれば特に限定はなく、例え
ばパラジウム炭素、パラジウム黒等のパラジウム系触
媒、白金炭素、白金黒等の白金系触媒、ロジウム系触
媒、ルテニウム系触媒、およびラネーニッケル等のニッ
ケル系触媒が挙げられ、好ましくはパラジウム炭素が挙
げられる。
(I)1重量部に対して1重量%〜10重量%、好まし
くは3重量%〜6重量%である。
常この分野で使用されるものであれば特に限定はなく、
例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコー
ル、、ブタノール、tert−ブチルアルコール等のア
ルコール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテ
ル、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、ト
ルエン、およびベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒が挙
げられ、好ましくはアルコール系溶媒、特に好ましくは
イソプロピルアルコールが挙げられる。
(I)1重量部に対して2重量部〜10重量部、好まし
くは3重量部〜6重量部である。
〜50℃の温度範囲で行う。
圧から2気圧下で行う。
て、原料であるヒドラゾン誘導体(I)のピークの消失
を確認することにより決定できる。
I)を得るためには、接触還元の終了を確認後、接触還
元後の反応液に含有されている還元触媒の活性を失活さ
せる工程を行えばよい。還元触媒の活性を失活させる工
程としては、好ましくは触媒毒および/または吸着剤の
使用であり、失活作用の増強の面から触媒毒と吸着剤の
併用がより好ましい。
に公知の触媒毒であれば特に限定はなく、例えばVa属
(P,As,Sb,Bi)およびVIa属(S,Se,
Te)の単体、並びにそれらの誘導体が挙げられ、取扱
が容易であるという点から硫黄系化合物が好ましい。
例えば硫黄単体、二硫化炭素、−SH基を含有する誘導
体、潜在的に−SH基を含有する誘導体、およびS−S
結合を含有する誘導体が挙げられ、好ましくは潜在的に
−SH基を含有する誘導体が挙げられる。
H基を1つまたはそれ以上含有する誘導体であり、例え
ば硫化水素、NaSH、NH4 SH、KSH等のチオー
ルの塩、メタンチオール、エタンチオール、プロパンチ
オール等のアルカンチオール、ベンゼンチオール等のア
レーンチオール、およびメタンジチオール、エタンジチ
オール等の−SH基を2つ以上含有する誘導体が挙げら
れる。
は、もとは−SH基を含有しておらず、中和または対イ
オンを水素原子に置き換えることにより−SH基を含有
するような誘導体のことであり、例えば−SNa基は中
和によりSH基となるため、−SNa基を有する誘導体
は潜在的に−SH基を含有する誘導体といえる。具体的
には、硫化ソーダ、硫化アンモニウム、およびハイドロ
サルファイトナトリウムが挙げられ、好ましくはハイド
ロサルファイトナトリウムが挙げられる。
−S結合を1つまたはそれ以上含有する誘導体であり、
例えばジメチルジスルフィド、ジフェニルジスルフィド
等の有機ジスルフィド誘導体、S−S結合を連続して3
つ以上含有する有機ポリスルフィド誘導体、およびポリ
硫化アンモニウム等の無機ポリスルフィド誘導体が挙げ
られる。
触媒の種類および使用量に依存し、使用した触媒活性が
失活するまで触媒毒を添加すればよい。例えば、還元触
媒としてパラジウム炭素をヒドラゾン誘導体(I)1重
量部に対して5重量%使用し、触媒毒としてハイドロサ
ルファイトナトリウムを使用した場合、触媒毒はヒドラ
ゾン誘導体(I)1重量部に対して1〜10重量%、好
ましくは3〜6重量%使用すればよい。
た還元触媒を吸着するものであれば特に限定はなく、た
とえば活性炭、シリカゲル、アルミナゲルなどが挙げら
れ、好ましくは活性炭が挙げられる。
(I)1重量部に対して、1〜10重量%、好ましくは
3〜6重量%である。
添加は、反応が終了後触媒を除去する前、または触媒を
除去した後のどちらでもよく、触媒を除去した後が好ま
しい。反応液または濾液に触媒毒および/または吸着剤
を添加後、よく攪拌し、触媒活性を失活させる。その
後、触媒、触媒毒、および吸着剤のうち反応液に含まれ
ているものを濾去し、濾液を精製することにより、高純
度のヒドラジン誘導体(II)を得ることができる。触
媒活性を失活する工程における温度は10〜60℃、好
ましくは20〜40℃であり、失活に要する時間は10
分〜60分である。
(II)は、通常の方法、例えば再結晶、カラムクロマ
トグラフィーなどにより精製することができ、経済性の
点から再結晶により精製することが好ましい。
炭化水素系溶媒、アルコール系溶媒、芳香族炭化水素系
溶媒、エーテル系溶媒、およびエステル系溶媒が挙げら
れる。再結晶溶媒として同系溶媒を1種またはそれ以上
使用してもよく、また異系溶媒同士を併用してもよい。
炭化水素系溶媒を含有する溶媒が好ましい。再結晶溶媒
に含有されている飽和炭化水素系溶媒の含有量は、再結
晶溶媒に含有されている、飽和炭化水素系溶媒および飽
和炭化水素系溶媒以外の溶媒の種類に依存する。例え
ば、飽和炭化水素系溶媒としてヘプタン、飽和炭化水素
系溶媒以外の溶媒としてイソプロピルアルコールを含有
する「飽和炭化水素系溶媒を含有する溶媒」とは、ヘプ
タン100重量部に対して、イソプロピルアルコールを
5〜20重量部含有する混合溶媒のことである。
タン、ヘキサン、ヘプタンなどが挙げられ、比較的蒸気
圧が低く取扱い易いという点から、ヘプタンが好まし
い。これらの飽和炭化水素系溶媒を再結晶溶媒として、
1種または2種以上使用してもよい。
ール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノー
ル、tert−ブチルアルコールなどが挙げられる。こ
れらのアルコール系溶媒を再結晶溶媒として、1種また
は2種以上使用してもよい。
ルエン、ベンゼンなどが挙げられる。これらの芳香族炭
化水素系溶媒を再結晶溶媒として、1種または2種以上
使用してもよい。
ドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエ
タンなどが挙げられる。これらのエーテル系溶媒を再結
晶溶媒として、1種または2種以上使用してもよい。
ル、酢酸メチル、酢酸ブチルなどが挙げられる。これら
のエステル系溶媒を再結晶溶媒として、1種または2種
以上使用してもよい。
(II)1重量部に対して1〜10重量部、好ましくは
2〜5重量部である。
化合物であり、例えばヒドラジン化合物(−HN−NH
2 )とアルデヒド化合物(−CHO)との反応により得
られる。具体的には、4−(ピリジン−2−イル)ベン
ズアルデヒド(III)とtert−ブチルカルバゼー
ト(IV)とを反応させることにより、ヒドラゾン誘導
体(Ib)を得ることができる(WO97/40029
号)。
る)
発明はかかる実施例にのみ限定されるものではない。 参考例1 300ml容の4つ口フラスコにN−(tert−ブト
キシカルボニル)−N’−[4−(ピリジン−2−イ
ル)フェニルメチリデン]ヒドラジン(20g,67.
3mmol)、イソプロピルアルコール(80ml)、
およびパラジウム炭素(1g)を仕込み、大気圧下、5
0℃で水素を添加した。同条件下で8時間水素を添加し
続けた後、反応液を濾過して触媒を除去した。得られた
濾液中のイソプロピルアルコールの9割を濃縮留去した
後、同容量のヘプタンを加えた。攪拌しながら冷却する
と40℃付近で結晶が析出した。さらに攪拌しながら5
℃まで冷却した後、得られた結晶を濾取し乾燥させる
と、tert−ブチル 3−[4−(ピリジン−2−イ
ル)ベンジル]カルバゼートの白色結晶16.91gを
得た。収率は、N−(tert−ブトキシカルボニル)
−N’−[4−(ピリジン−2−イル)フェニルメチリ
デン]ヒドラジンに対して84.0%であった。
[4−(ピリジン−2−イル)ベンジル]カルバゼート
(20mg)をイソプロピルアルコールに溶解して20
mlにしてHPLC分析を行ったところ、面積百分率は
99.56%であり、N−(tert−ブトキシカルボ
ニル)−N’−[4−(ピリジン−2−イル)フェニル
メチリデン]ヒドラジンのピークは検出されなかった。
この溶液を22時間、室温で放置後HPLC分析を再度
行ったところ、面積百分率は99.49%であり、N−
(tert−ブトキシカルボニル)−N’−[4−(ピ
リジン−2−イル)フェニルメチリデン]ヒドラジンが
0.06%生成していた。
リジン−2−イル)ベンジル]カルバゼート(20m
g)にイソプロピルアルコールを加えて20mlとし、
これにパラジウム炭素(2mg)を添加したものを調製
した。この溶液を22時間室温で放置後、HPLC分析
を行ったところ、N−(tert−ブトキシカルボニ
ル)−N’−[4−(ピリジン−2−イル)フェニルメ
チリデン]ヒドラジンが1.2%生成していた。
キシカルボニル)−N’−[4−(ピリジン−2−イ
ル)フェニルメチリデン]ヒドラジン(20g,67.
3mmol)、イソプロピルアルコール(80ml)、
およびパラジウム炭素(1g)を仕込み、大気圧下、5
0℃で水素を添加した。同条件下で8時間水素を添加し
続けた後、反応液を濾過して触媒を除去した。次に、得
られた濾液にハイドロサルファイトナトリウム(1g)
および活性炭(1g)を添加し、20〜30℃で30分
間攪拌した後、濾過してハイドロサルファイトナトリウ
ムおよび活性炭を除去した。得られた濾液中のイソプロ
ピルアルコールの9割を濃縮留去した後、同容量のヘプ
タンを加えた。攪拌しながら冷却すると40℃付近で結
晶が析出した。さらに攪拌しながら5℃まで冷却した
後、得られた結晶を濾取し、乾燥させるとtert−ブ
チル 3−[4−(ピリジン−2−イル)ベンジル]カ
ルバゼートの白色結晶16.84gを得た。収率は、N
−(tert−ブトキシカルボニル)−N’−[4−
(ピリジン−2−イル)フェニルメチリデン]ヒドラジ
ンに対して83.6%であった。
[4−(ピリジン−2−イル)ベンジル]カルバゼート
(20mg)をイソプロピルアルコールに溶解して20
mlにしてHPLC分析を行ったところ面積百分率は9
9.64%であり、N−(tert−ブトキシカルボニ
ル)−N’−[4−(ピリジン−2−イル)フェニルメ
チリデン]ヒドラジンのピークは検出されなかった。こ
の溶液を26時間、室温で放置後、HPLC分析を再度
行ったところ、面積百分率は99.65%であり、N−
(tert−ブトキシカルボニル)−N’−[4−(ピ
リジン−2−イル)フェニルメチリデン]ヒドラジンの
ピークは検出されなかった。
(IIb)をイソプロピルアルコール溶液とし、室温で
22時間放置した場合、元のヒドラゾン誘導体(Ib)
が存在した。これに比べて本発明の製造方法により得ら
れたヒドラジン誘導体(IIb)は、同条件下でさらに
4時間延長して放置しても元のヒドラゾン誘導体(I
b)には全く戻らず、ヒドラジン誘導体(IIb)は高
純度のままであった。
安定なヒドラジン誘導体(II)を製造することができ
る。また、本発明の製造方法は工業的にも優れた方法で
ある。
Claims (8)
- 【請求項1】 式(I) 【化1】 で表される構造を有するヒドラゾン誘導体(I)を接触
還元後、その反応液に含有されている還元触媒の活性を
失活させる工程を含むことを特徴とする、式(II) 【化2】 で表される構造を有するヒドラジン誘導体(II)の製
造方法。 - 【請求項2】 式(I) 【化3】 で表される構造を有するヒドラゾン誘導体(I)が、式
(Ia) 【化4】 (式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4の
アルキル、炭素数1〜4のアルコキシ、置換基を有して
いてもよいアリール、および置換基を有していてもよい
芳香族複素環基を表し、R’は水素原子、アシル、アル
コキシカルボニル、アルキル、および置換基を有してい
てもよいフェニルを表し、R”はアシル、アルコキシカ
ルボニル、アルキル、および置換基を有していてもよい
フェニルを表す。)で表されるヒドラゾン誘導体(I
a)であり、式(II) 【化5】 で表される構造を有するヒドラジン誘導体(II)が、
式(IIa) 【化6】 (式中、R、R’およびR”は前記と同義である)で表
されるヒドラジン誘導体(IIa)である請求項1記載
の製造方法。 - 【請求項3】 還元触媒の活性を失活させる工程が触媒
毒および/または吸着剤の使用による請求項1記載の製
造方法。 - 【請求項4】 触媒毒が硫黄系化合物である請求項3記
載の製造方法。 - 【請求項5】 硫黄系化合物がハイドロサルファイトナ
トリウムである請求項4記載の製造方法。 - 【請求項6】 吸着剤が活性炭である請求項3記載の製
造方法。 - 【請求項7】 還元触媒の活性を失活させる工程後、飽
和炭化水素系溶媒を含有する溶媒で再結晶を行う工程を
含むことを特徴とする請求項1記載の製造方法。 - 【請求項8】 式(II) 【化7】 で表される構造を有するヒドラジン誘導体(II)が、
tert−ブチル 3−[4−(ピリジン−2−イル)
ベンジル]カルバゼートである請求項1〜7のいずれか
に記載の製造方法。
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Citations (2)
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JPH0930992A (ja) * | 1995-07-20 | 1997-02-04 | Basf Ag | アルケンの製造方法 |
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JOURNAL OF MEDICINAL CHEMISTRY, vol. 41, no. 18, JPN6008033255, 1998, pages 3387 - 3401, ISSN: 0001170200 * |
化学大辞典編集委員会編, 化学大辞典2, vol. 縮刷版第32刷, JPN6008033259, 15 August 1989 (1989-08-15), pages 437 - 438, ISSN: 0001079886 * |
社団法人 日本化学会編, 新実験化学講座 15 酸化と還元 II, JPN6008033262, 20 February 1977 (1977-02-20), pages 409 - 412, ISSN: 0001079885 * |
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