JP2000229238A - ハロゲン化芳香族化合物分離用吸着剤およびハロゲン化芳香族化合物の分離方法 - Google Patents

ハロゲン化芳香族化合物分離用吸着剤およびハロゲン化芳香族化合物の分離方法

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JP2000229238A
JP2000229238A JP11093018A JP9301899A JP2000229238A JP 2000229238 A JP2000229238 A JP 2000229238A JP 11093018 A JP11093018 A JP 11093018A JP 9301899 A JP9301899 A JP 9301899A JP 2000229238 A JP2000229238 A JP 2000229238A
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separating
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Kazuyoshi Iwayama
一由 岩山
Shinobu Yamakawa
忍 山川
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ハロゲン化芳香族化合物異性体混合物から1つ
の異性体を効率よく、高純度で分離回収することが出来
る。 【解決手段】気孔率が0.20cc/ccから0.37cc/cc
である吸着剤を用いて、ハロゲン化芳香族化合物を分離
回収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲン化芳香族
炭化水素分離用吸着剤及びそれを用いてハロゲン化芳香
族異性体混合物から1つの異性体を分離する方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化芳香族化合物は医薬、農薬等
の中間体として工業的にますます重要になってきてい
る。さらに、最近、これら中間体は、ますます高い純度
が要求されてきているのが現状である。モノハロゲン化
ベンゼンを除いて置換基が2個以上ある芳香族化合物に
はいくつかの異性体が存在し、これら異性体間の沸点差
が小さいため、通常工業的に使用される蒸留分離では超
精密蒸留装置を必要とするが、それでも高純度の異性体
製品を得ることは工業的には殆ど困難と言える。また、
いくつかのハロゲン化芳香族化合物では蒸留法では不可
能な化合物も存在している。このように分離が困難或い
は不可能な異性体混合物を分離する方法として、近年、
吸着分離法が研究開発されてきた。例えば、クロロトル
エン異性体混合物から1つの異性体を吸着分離する方法
として、特開昭57-91933号公報、特開昭58-131923号公
報等に記載の方法を挙げることが出来る。クロロエチル
ベンゼン異性体混合物から1つの異性体を吸着分離する
方法として特願平9-335225号公報を例として挙げること
が出来る。ジクロロベンゼン異性体混合物から1つの異
性体を分離する方法として、特開昭52-62229号公報、特
開昭53-105434号公報、特開昭58-131924号公報、特開昭
58-150524号公報、特開昭62-175433号公報、特開平4-33
0025号公報等に記載の方法を挙げることが出来る。ジク
ロロトルエン異性体分離としては特開昭59-199642号公
報、特開昭60-42340号公報、特開平5-70383号公報、特
開平58-137795号公報、特開平3-20232号公報等に記載の
方法を挙げることが出来る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これら吸着分離法にお
いて分離する異性体の純度を向上させたり、或いは分離
性能を向上させることは産業上極めて重要な課題である
が、上記の方法では、異性体の純度等の点で不充分であ
った。
【0004】本発明は、このような課題を解決し、ハロ
ゲン化芳香族異性体を効率的に分離できる方法を提供す
るものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる課題
を解決するために、吸着剤の性能向上について鋭意検討
を重ねた。吸着剤の主成分はゼオライトである。ゼオラ
イトには天然ゼオライトと合成ゼオライトがあるが、合
成ゼオライトが特に好ましく用いられる。合成ゼオライ
トは通常、粉末の形態である。ゼオライトを吸着剤とし
て工業的に利用するためには成形する必要がある。即
ち、ゼオライト吸着剤は通常、成形体として用いられ
る。この成形体に注目してハロゲン化芳香族化合物の吸
着分離性能を支配している要因を検討した。その結果、
吸着剤の充填密度、吸着剤の気孔率、吸着剤の粒径が重
要であることがわかった。
【0006】吸着剤充填密度は吸着剤の気孔率、吸着剤
の形状等により依存する。吸着剤充填密度が高くなる
と、単位容積当たりの充填量が増加し、吸着塔により多
くの吸着剤を充填できるので好ましい。しかし、充填密
度が高くなりすぎると吸着分離性能が低下することがわ
かった。
【0007】吸着剤の気孔率は吸着剤のマクロポアに起
因している。吸着剤の気孔率は大きすぎると、吸着剤の
充填密度を低下させるので好ましくない、逆に小さすぎ
るとマクロポアが少なくなりすぎるため、ハロゲン化芳
香族化合物がゼオライトの吸着入り口である細孔に到達
するまでの吸着剤粒子中での拡散が抑制されるため吸着
分離性能が低下することがわかった。
【0008】一方、吸着剤成形体の粒子は小さい程、吸
着分離性能が向上することがわかった。吸着剤粒子の粒
径が小さくなると、吸着物質であるハロゲン化芳香族化
合物が吸着剤粒子内にあるゼオライト細孔への拡散が拡
散行程が短くなるため速くなると推定される。ハロゲン
化芳香族化合物はハロゲンの存在しない芳香族炭化水素
に比べ拡散は粒子径による影響が大きいように思われ
る。これは、ハロゲン、例えば、塩素、臭素などはイオ
ン半径或いは原子量が大きいことと関係があるように考
えられる。しかし、粒子径が小さくなりすぎると圧力損
失が大きくなるため、好ましくない。
【0009】即ち、本発明は、気孔率が0.20cc/cc
から0.37cc/ccであることを特徴とするハロゲン化
芳香族化合物分離用吸着剤、およびハロゲン化芳香族化
合物異性体混合物から上記吸着剤を用いて、少なくとも
1種のハロゲン化芳香族化合物異性体を分離することを
特徴とするハロゲン化芳香族化合物の分離方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に用いる吸着剤の主成分は
合成ゼオライトである。本発明に用いられるゼオライト
としてはフォージャサイト型ゼオライト、MFI型ゼオ
ライト、ベータ型ゼオライトを例として挙げることが出
来るが、最も好ましいのはフォージャサイト型ゼオライ
トである。フォージャサイト型ゼオライトは酸化物のモ
ル比で表して下記に示す一般式を有する結晶性アルミノ
シリケートである。
【0011】M2/nO・Al23・xSiO2・yH2O ここで、Mは金属イオン又は水素イオンであり、nは金
属イオン又は水素イオンの原子価である。xはシリカ/
アルミナ比であり、xが3未満をX型ゼオライト、3以
上をY型ゼオライトと呼称している。yは水和の程度に
より変化する。
【0012】合成ゼオライトは一般に粉末として得られ
る。粉末を成形する方法としては混練り法、転動法、圧
縮法等を例として挙げることが出来る。本発明において
は混練り法がより好ましい。成形においては成形体強
度、充填密度等を増加させるためにしばしばバインダー
が用いられる。バインダーとしてはアルミナ、ベントナ
イト、カオリン等が好ましく用いられる。バインダー量
は成形体強度、充填密度等の関係から5〜40重量%、
好ましくは10〜20重量%の範囲で用いられる。成形
体中のゼオライト含量の関係からバインダー量は少ない
ほど好ましいが、使用するバインダーの種類及び成形体
強度の関係から使用するバインダー量の上限と下限が決
まる。バインダー量はゼオライトの結晶構造、結晶形態
等にも依存する。
【0013】成形は混練り法の場合はゼオライト粉末、
バインダー、水、必要によっては成形性を改善するため
に界面活性剤が添加されよく混練りされる。界面活性剤
としては陰イオン性界面活性剤(例としてトリエタノー
ルアミンオレエート、オレイン酸ナトリウム)、陽イオ
ン性界面活性剤(例として商品名“ATLAS G−2
51”に代表されるNーセチル−N−エチルモルホリュ
ウムエトサルフェート)、陰イオン性界面活性剤(例と
してオレイン酸、商品名“Span 85”に代表され
るソルビタントリオレエート、商品名“Span 8
0”に代表されるソルビタンモノオレエート、商品名
“Span 20”に代表されるソルビタンモノラウレ
ート、商品名“Tween 60”に代表されるポリオ
キシエチレンソルビタンモノステアレート、商品名“T
ween 80”に代表されるポリオキシエチレンソル
ビタンモノオレエート、商品名“Tween 20”に
代表されるポリオキシエチレンソルビタンモノラウレー
ト)が適宜使用される。
【0014】混練り物は押し出し成形機により押し出し
成形されるが、押し出し時のスクリーン径を適度に選ぶ
ことにより、必要とする吸着剤粒径を制御することが出
来る。押し出し成形された吸着剤成形体は必要により適
度の長さとするため、或いは粒子の角をとるため、マル
メライザーにかけられる。この操作により吸着剤粒子の
充填密度、気孔率を制御することが出来る。
【0015】成形された吸着剤は水分を除去するため、
乾燥される。乾燥温度は通常、50〜200℃である。
乾燥後、引き続いて、成形体強度を発現させるため焼成
される。焼成温度は通常、350〜700℃である。
【0016】焼成され、強度を向上させた吸着剤は、ハ
ロゲン化芳香族化合物の分離対象により必要により適
宜、陽イオン交換される。イオン交換に用いる陽イオン
種は、これまでに開示された陽イオンを適時選択すれば
よい。
【0017】吸着剤の充填密度は測定方法により若干変
化する。本発明に係わる吸着剤の充填密度は次の方法に
よって測定したものである。 (1)測定容器(外径40mmφの250mlメスシリ
ンダーを底部から200mmHの高さで水平に切断し、
予め容積を水で検定したもの、容積:V)の空重量を測
定する(A)。 (2)測定器具を図1に示すようにセットする。 (3)焼成した吸着剤を約300mlガラスビーカーに
採取する。 (4)測定容器の上端からロート上端までの高さを20
0mmに調節し、ガラスビーカーに入っている吸着剤を
ロートに溜めながら、ロートを通じて試料が山盛りにな
るまで落とし込む。 (注)試料はメスシリンダーの中心部に落下するよう
に、測定中は測定装置を動かしてはならない。 (5)試料の落とし込みが終わったら、測定容器の山盛
り部分をスケールで静かに掻き落として水平にする。 (6)試料が入った測定容器の重量を秤量する。(B) (注)試料は極めて吸湿性が高いので、以上の操作は迅
速に行うこと。 (7)測定は2回行い、その平均値を用いる。 (8)予め500℃で1時間焼成した30ml容の磁性
ルツボを秤量する。測定に用いたのと同一試料を約2g
精秤して入れ、500℃で1時間焼成する。デシケータ
ー中で約15分冷却し、室温になったら重量を秤量す
る。秤量結果から湿潤基準での水分率(重量%)を計算
する。 (9)充填密度(ABD)を下式により計算する。
【0018】
【数1】 吸着剤の充填密度は大きくなるほど、一定容積当たりの
吸着剤充填量が大きくなるので、好ましいが、充填密度
が大きくなりすぎると逆にハロゲン化芳香族化合物の吸
着分離性能が悪くなり好ましくない。充填密度の好まし
い範囲は、0.50g/mlから0.70g/mlの範
囲である。
【0019】吸着剤の気孔率はポロシメーターと呼称さ
れる水銀圧入法で容易に測定することができる。具体的
には次のようにして測定した。
【0020】吸着剤を予め電気炉で500℃、2時間焼
成し、デシケーターで室温まで冷却する。吸着剤を試料
セルに入れ、次いで真空下で水銀を注入し、ポロシメー
ター装置に装着する。圧力を加え、このとき吸着剤粒子
の細孔に圧入される水銀の容積を電気的に検出すること
で、圧力Pm[psi]と細孔容積[cc/cc]の関係を得
る。この測定を圧力を変えて、連続的に行なう。圧力P
mは、円筒状細孔を仮定した次式(1)により細孔半径
rに変換される。
【0021】r=−2γcosθ/P --- (1) ここで、r:圧力Pで水銀が入り得る細孔半径 [オン
グストローム] P:Pm[psi]* 6.89476x103 [N/m・m] γ:水銀の表面張力 0.484 [N/m] θ:水銀の試料に対する接触角 141.3 [o] 吸着剤粒子の容積は吸着剤を試料セルに入れ、真空下で
水銀を入れたときの吸着剤粒子により排除される体積と
水銀に圧力を加えていった時の細孔直径3μmまでの容
積を加えた容積を吸着剤粒子容積とした。細孔容積は細
孔直径3μmから10nmまでの圧入される水銀の累積容
積とした。従って、吸着剤粒子の気孔率は次のように定
義した。
【0022】
【数2】 本発明の吸着剤粒子の気孔率は0.20から0.37cc
/ccとするものであり、0.25から0.35cc/ccが好
ましい。気孔率が0.20cc/cc未満の場合は、ハロゲ
ン化芳香族化合物の吸着剤粒子内の拡散が遅くなり、吸
着分離効率が悪くなる。この点から、気孔率は大きいほ
どハロゲン化芳香族化合物が吸着剤粒子内を拡散しやす
く好ましいが、気孔率が0.37cc/ccを超えると、吸
着剤の充填密度が低下し、一定容積あたりの吸着剤充填
量が少なくなり吸着分離効率が低下する。
【0023】吸着剤の粒子径は物差し或いは拡大鏡付き
の物差しで容易に測定できる。任意の吸着剤粒子最低1
0個の粒子径を測定し、その平均値を粒子径とする。本
発明において好ましい粒子径は0.1〜1.0mmであ
り、より好ましくは0.2〜0.8mmである。粒子径
は小さいほど吸着分子の拡散行程が短くなるので好まし
いが、小さくなりすぎると圧力損失が大きくなり工業的
に生産するには不適当になる。
【0024】本発明に適用されるハロゲン化芳香族化合
物中のハロゲンとしてはフッ素、塩素、臭素、沃素を挙
げることが出来る。この中で本発明に特に適しているの
は塩素、臭素であり、更に好ましくは塩素である。
【0025】また、本発明に適用されるハロゲン化芳香
族化合物は、少なくとも1つのアルキル基を有するもの
が好ましい。アルキル基は、炭素数1から4のものが好
ましく、さらに好ましくは、メチル基、エチル基、プロ
ピル基である。
【0026】具体的なハロゲン化芳香族化合物としては
フッ化トルエン、クロロトルエン、ブロモトルエン、ジ
クロロベンゼン、ジブロモベンゼン、フロオロクロロベ
ンゼン、クロロブロモベンゼン、トリクロロベンゼン、
ジクロロフルオロベンゼン、ジクロロブロモベンゼン、
ジブロモクロロベンゼン、ジクロロトルエン、ジブロモ
トルエン、クロロキシレン、ブロモキシレン、クロロエ
チルベンゼン、ブロモエチルベンゼン、クロロクメン、
クロロプロピルベンゼン、ブロモクメン、ブロモプロピ
ルベンゼン、クロロブチルベンゼン、ブロモブチルベン
ゼン等を例として挙げることが出来る。
【0027】本発明の方法でハロゲン化芳香族化合物異
性体混合物から1つの異性体を吸着分離するための技術
は、いわゆるクロマト分取法であってもよいし、またこ
れを連続化した擬似移動床による吸着分取法でもよい。
擬似移動床の場合、最も吸着され易い物質はエキストラ
クト流れ中に回収され、一方、最も吸着され難い物質は
ラフィネート流れの中に回収される。
【0028】擬似移動床による連続的吸着分離技術は、
基本的操作として吸着操作、濃縮操作、脱着操作および
脱着剤回収操作を連続的に循環して実施される。クロロ
エチルベンゼン(以下”CEB”と略す)異性体混合物
の吸着分離法で、吸着剤がm-CEBを最も良く吸着する
場合を例として、次に示す。 (1)吸着操作 CEB異性体混合物が吸着剤と接触し、m-CEBを強吸
着成分として選択的に吸着し、弱吸着成分であるo-、p-
CEBがラフィネート流れとして後述する脱着剤ととも
に回収される。 (2)濃縮操作 強吸着成分であるm-CEBを選択的に吸着した吸着剤
は、後で述べるエキストラクトの一部と接触させられ、
吸着剤上に残存している弱吸着成分が追い出され強吸着
成分が濃縮される。 (3)脱着操作 濃縮された強吸着成分であるm-CEBを含む吸着剤は、
脱着剤と接触させられ強吸着成分が吸着剤から追い出さ
れ、脱着剤とともにエキストラクト流れとして回収され
る。 (4)脱着剤回収操作 実質的に脱着剤のみを吸着した吸着剤は、ラフィネート
流れの一部と接触させられ該吸着剤に含まれる脱着剤の
一部が脱着剤回収流れとして回収される。
【0029】上記、擬似移動床による吸着分離操作を模
式的に示したのが図2である。吸着剤を充填した吸着室
1〜12が連続的に循環して連結されている。
【0030】ハロゲン化芳香族化合物の吸着分離操作は
好ましくは液相で行われる。操作温度は高い程、拡散速
度が高くなるので好ましいが、逆に吸着剤の吸着選択性
は温度が低い程好ましい。この、相反する温度依存性か
ら操作温度は50〜200℃が好ましく用いられる。
【0031】
【実施例】実施例1 SiO2/Al2O3、モル比2.5のNaーXゼオライト粉末
(東ソー製)を絶乾基準で1.2Kg取り、アルミナゾル
0.96Kg(日産化学製、Al2O3含量10重量%)及び
アルミナゲル(触媒化成製、Al2O3含量75重量%)
0.112Kgを加え、ニーダー(不二パウダル製、型式
KDHJ−10)に入れ混合し、適度の水を加えて約1
時間混練りした。0.3mmの穴径を有するスクリーン
をセットした押し出し成形機(不二パウダル製、型式E
XDS−60)に、その混練り物を入れ押し出し成形し
た。
【0032】押し出し成形体の角を取り除くとともに、
成形体の充填密度を高くするため、押し出し成形物をマ
ルメライザー(不二パウダル製、形式QJ−230)に
入れ、回転数850rpmで3分間処理した。
【0033】その後、約120℃で一晩乾燥した。乾燥
後、80メッシュのフルイで微粒子を、48メッシュの
フルイで粗い粒子を除去した。分級後、500℃で2時
間焼成した。
【0034】この吸着剤を拡大鏡付きの物差しで測定し
たところ径が0.3mmであった。粒子の長さは0.3
mmから約0.6mm位とバラツキがあった。吸着剤の
充填密度は0.54g/mlであった。吸着剤粒子の細
孔容積を測定した結果を図3に示した。この吸着剤の気
孔率は0.27cc/ccであった。
【0035】この吸着剤を4.6mmφx1mのカラム
12本に充填し、その内、4本を脱着帯、3本を濃縮
帯、3本を吸着帯、2本を脱着剤回収帯とし、擬似移動
床法によりクロロエチルベンゼン(CEB)異性体混合
物の吸着分離性能を調べた。供給原料であるCEB異性
体混合物の組成はo−/m−/p−=33/47/20
であった。脱着剤としてはキシレンを用い、操作温度1
30℃で行った。性能曲線を図4に示した。
【0036】比較例1 マルメライザーを使用しなかった以外は実施例1と同様
に吸着剤を調製した。吸着剤の充填密度は0.49g/
mlであった。吸着剤粒子の細孔容積を測定した結果を
図3に示した。この吸着剤の気孔率は0.38cc/ccで
あった。
【0037】この吸着剤を用いて、実施例1と同様にし
てCEBの吸着分離性能を調べた結果を図4に示した。
【0038】図4は吸着力の最も強いm-CEBがエクス
トラクト流れ中に高純度で回収されることを示してい
る。又、エクストラクト中のm−CEB/ΣCEB(o
-,m-,p-CEBの合計)濃度を高く維持して、ラフネー
ト中のm−CEB/ΣCEB濃度を低く出来る程、分離
性能が良いことを示す。明らかに、吸着剤の充填密度を
0.49から0.54mg/ml、吸着剤の気孔率を
0.38から0.27cc/ccにすることにより、分離性
能が向上していることがわかる。
【0039】実施例2 SiO2/Al2O3モル比5.5のNa−Yゼオライト粉末(東
ソー製)を用いて、実施例1と同様にして混練りし、
0.3mmの穴径を有するスクリーンをセットした押し
出し成形機で成形した。
【0040】押し出し成形体の角を取り除くとともに、
成形体の充填密度を高くするため、押し出し成形物をマ
ルメライザーに入れ、850rpm、3分間処理した。
【0041】その後、約120℃で一晩乾燥した。乾燥
後、80メッシュのフルイで微粒子を、48メッシュの
フルイで粗い粒子を除去した。分級後、500℃で2時
間焼成した。
【0042】焼成した成形体を5重量%のKNO3を含
む水溶液で、固液比(L/S)4ml/gで約80℃、
1時間処理した。その後、蒸留水で固液比4で洗浄し
た。このKイオン交換処理と水洗を8回繰り返した。こ
の処理後、蒸留水で固液比8で5回水洗を繰り返した。
【0043】その後、PbNO3を55g溶解させた1
Lの水溶液を加え、室温で約1時間イオン交換処理し、
次いで蒸留水で固液比4で5回水洗を行った。
【0044】このようにして調製された吸着剤は約12
0℃で一晩乾燥し、500℃で2時間焼成された。
【0045】この吸着剤を拡大鏡付きの物差しで測定し
たところ径が0.3mmであった。粒子の長さは0.3
mmから約0.6mm位とバラツキがあった。吸着剤の
充填密度は0.65g/mlであった。吸着剤粒子の細
孔分布を測定した結果を図3に示した。吸着剤の気孔率
は0.26cc/ccであった。
【0046】この吸着剤を4.6mmφx1mのカラム
12本に充填し、その内、4本を脱着帯、3本を濃縮
帯、3本を吸着帯、2本を脱着剤回収帯とし、擬似移動
床法によりジクロロベンゼン(以下”DCB”と略す)
異性体混合物の吸着分離性能を調べた。供給原料である
DCB異性体混合物の組成はo−/m−/p−=37/
40/23であった。脱着剤としてはジクロロトルエン
を用い、操作温度130℃で行った。性能曲線を図5に
示した。
【0047】実施例3 マルメライザーによる処理を400rpm、1分間にし
た以外は実施例2と同様に吸着剤を調製した。吸着剤の
充填密度は0.60g/mlであった。吸着剤の細孔容
積を測定した結果を図3に示した。この吸着剤の気孔率
は0.35cc/ccであった。
【0048】実施例3と同様にして、DCB吸着分離性
能を調べた結果を図5に示した。
【0049】実施例4 押し出し機にセットしたスクリーンの孔径1.2mmを
用い、分級に用いるフルイを24メッシュと10メッシ
ュとした以外は実施例2と同様にして吸着剤を調製し
た。
【0050】この吸着剤を拡大鏡付きの物差しで測定し
たところ径が1.2mmであった。粒子の長さは2.0
mmであった。吸着剤の充填密度は0.67g/mlで
あった。吸着剤の気孔率は0.25cc/ccであった。
【0051】この吸着剤を実施例2と同様にしてDCB
の吸着分離性能を調べた結果を図5に示した。
【0052】図5は吸着力の最も弱いm-DCBがラフィ
ネート流れ中に高純度で回収されることを示している。
又、ラフィネート中のm−DCB/ΣDCB(o-,m-,p-
DCBの合計)濃度を高く維持して、エクストラクト中
のm−DCB/ΣDCB濃度を低く出来る程、分離性能
が良いことを示す。
【0053】
【発明の効果】本発明の吸着剤を用いることで、分離性
能良くハロゲン化芳香族異性体を分離することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】吸着剤の充填密度を測定する装置を示す側面図
である。
【図2】本発明の1実施態様である擬似移動床による吸
着分離操作を模式的に示す図である。
【図3】実施例1,2,3、比較例1の吸着剤の細孔容
積分布を示す図である。
【図4】実施例1、比較例1におけるCEB異性体混合
物の吸着分離性能を示す図である。
【図5】実施例2,3,4におけるDCB異性体混合物
の吸着分離性能を示す図である。
【符号の説明】
1〜12:吸着室 13:脱着剤供給ライン 14:エクストラクト抜き出しライン 15:異性体混合物供給ライン 16:ラフィネート抜き出しライン 17:脱着剤回収ライン 18:バルブ 19:ロート 20:測定容器 21:スタンド

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】気孔率が0.20cc/ccから0.37cc/cc
    であることを特徴とするハロゲン化芳香族化合物分離用
    吸着剤。
  2. 【請求項2】充填密度が0.50g/mlから0.70g/ml
    であることを特徴とする請求項1記載のハロゲン化芳香
    族化合物分離用吸着剤。
  3. 【請求項3】粒子径が0.1mmから1.0mmであること
    を特徴とする請求項1または2記載のハロゲン化芳香族
    化合物分離用吸着剤。
  4. 【請求項4】吸着剤がフォージャサイト型ゼオライトを
    含有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1
    項記載のハロゲン化芳香族化合物分離用吸着剤。
  5. 【請求項5】ハロゲン化芳香族化合物異性体混合物から
    請求項1から4のいずれか1項記載の吸着剤を用いて、
    少なくとも1種のハロゲン化芳香族化合物異性体を分離
    することを特徴とするハロゲン化芳香族化合物の分離方
    法。
  6. 【請求項6】ハロゲン化芳香族化合物が少なくとも1つ
    の塩素を含むことを特徴とする請求項5記載のハロゲン
    化芳香族化合物の分離方法。
  7. 【請求項7】ハロゲン化芳香族化合物が少なくとも1つ
    のアルキル基を有することを特徴とする請求項5または
    6記載のハロゲン化芳香族化合物の分離方法。
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