JP2000229133A - ソリッドゴルフボール - Google Patents
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- A63B37/0077—Physical properties
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Abstract
(57)【要約】
【解決手段】 ソリッドコアにカバーを被覆してなり、
かつ該ソリッドコアが最内芯と該最内芯を被覆する少な
くとも１層の外層コアとを有する多層構造に形成された
ソリッドゴルフボールにおいて、上記最内芯が樹脂を主
材とし、直径３ｍｍ以上１５ｍｍ未満であり、上記外層
コアの少なくとも１層がポリブタジエンを主材とするゴ
ム組成物にて形成され、最内芯のショアＤ表面硬度が外
層コア中の最も内側の層より硬いことを特徴とするソリ
ッドゴルフボール。 【効果】 本発明のゴルフボールは、ソフトな打感であ
りながら、打撃した際に高いクリック音を与えることが
できる。
かつ該ソリッドコアが最内芯と該最内芯を被覆する少な
くとも１層の外層コアとを有する多層構造に形成された
ソリッドゴルフボールにおいて、上記最内芯が樹脂を主
材とし、直径３ｍｍ以上１５ｍｍ未満であり、上記外層
コアの少なくとも１層がポリブタジエンを主材とするゴ
ム組成物にて形成され、最内芯のショアＤ表面硬度が外
層コア中の最も内側の層より硬いことを特徴とするソリ
ッドゴルフボール。 【効果】 本発明のゴルフボールは、ソフトな打感であ
りながら、打撃した際に高いクリック音を与えることが
できる。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、ソフトな打感を有
しながら、打撃した際に高いクリック音を与えるソリッ
ドゴルフボールに関する。
しながら、打撃した際に高いクリック音を与えるソリッ
ドゴルフボールに関する。
【０００２】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】現在の
ゴルフボールは、ソフトタイプが主流になっており、打
球感をソフトにするためにコアやカバーを軟らかくする
ことでソフト化に成功している。しかしながら、ボール
自体がソフトになる反面、打撃した際の音が鈍く、弱い
ものになり、ゴルファーにとっては「飛んだ気がしな
い」ということが起こっているが、これを解決するため
にはコアやカバーを硬くしなければならないという矛盾
がある。
ゴルフボールは、ソフトタイプが主流になっており、打
球感をソフトにするためにコアやカバーを軟らかくする
ことでソフト化に成功している。しかしながら、ボール
自体がソフトになる反面、打撃した際の音が鈍く、弱い
ものになり、ゴルファーにとっては「飛んだ気がしな
い」ということが起こっているが、これを解決するため
にはコアやカバーを硬くしなければならないという矛盾
がある。
【０００３】最近主流となっている多層構造ゴルフボー
ルも同様であり、ソフト化の中で基本的には飛び性能や
スピン性能の改良を主眼としており、打音に着目した提
案はなされていない。
ルも同様であり、ソフト化の中で基本的には飛び性能や
スピン性能の改良を主眼としており、打音に着目した提
案はなされていない。
【０００４】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、ソフトな打感を有しながら、打音を改善し、心地よ
い打音を与えるソリッドゴルフボールを提供することを
目的とする。
で、ソフトな打感を有しながら、打音を改善し、心地よ
い打音を与えるソリッドゴルフボールを提供することを
目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明は、上記目的を達成するため、下記のソリッドゴル
フボールを提供する。 請求項１：ソリッドコアにカバーを被覆してなり、かつ
該ソリッドコアが最内芯と該最内芯を被覆する少なくと
も１層の外層コアとを有する多層構造に形成されたソリ
ッドゴルフボールにおいて、上記最内芯が樹脂を主材と
し、直径３ｍｍ以上１５ｍｍ未満であり、上記外層コア
の少なくとも１層がポリブタジエンを主材とするゴム組
成物にて形成され、最内芯のショアＤ表面硬度が外層コ
ア中の最も内側の層より硬いことを特徴とするソリッド
ゴルフボール。 請求項２：最内芯の比重が１．０〜１．５であり、かつ
外層に用いられているポリブタジエンを主材とする層の
比重より大きいことを特徴とする請求項１記載のゴルフ
ボール。 請求項３：ソリッドコアを高さ１２０ｃｍから自然落下
させた時のリバウンドが９０ｃｍ以上であることを特徴
とする請求項１又は２記載のゴルフボール。 請求項４：最内芯の固有振動数が１０００Ｈｚ以上であ
ることを特徴とする請求項１，２又は３記載のゴルフボ
ール。
発明は、上記目的を達成するため、下記のソリッドゴル
フボールを提供する。 請求項１：ソリッドコアにカバーを被覆してなり、かつ
該ソリッドコアが最内芯と該最内芯を被覆する少なくと
も１層の外層コアとを有する多層構造に形成されたソリ
ッドゴルフボールにおいて、上記最内芯が樹脂を主材と
し、直径３ｍｍ以上１５ｍｍ未満であり、上記外層コア
の少なくとも１層がポリブタジエンを主材とするゴム組
成物にて形成され、最内芯のショアＤ表面硬度が外層コ
ア中の最も内側の層より硬いことを特徴とするソリッド
ゴルフボール。 請求項２：最内芯の比重が１．０〜１．５であり、かつ
外層に用いられているポリブタジエンを主材とする層の
比重より大きいことを特徴とする請求項１記載のゴルフ
ボール。 請求項３：ソリッドコアを高さ１２０ｃｍから自然落下
させた時のリバウンドが９０ｃｍ以上であることを特徴
とする請求項１又は２記載のゴルフボール。 請求項４：最内芯の固有振動数が１０００Ｈｚ以上であ
ることを特徴とする請求項１，２又は３記載のゴルフボ
ール。
【０００６】即ち、本発明者は、ソフトソリッドの鈍い
打音を改良するために、最内芯に硬い材料を用いること
を検討した。その際、高硬度の材料として従来よりソリ
ッドコアの最内芯を形成するために用いられるゴム組成
物を用い、これを高硬度となるように加硫成形したが、
硬さに限界があり、また、混練り、押出しや研磨等の生
産性で劣る問題があった。そこで、最内芯を樹脂を主材
として形成することを試みた。通常、ゴムよりも反発性
の劣る樹脂材を使用すると反発性を損なうものであり、
反発の悪い材料を内芯に用いることは好ましくないと考
えられていたが、樹脂材を最内芯としてその直径を３ｍ
ｍ以上１５ｍｍ未満と小径に形成し、これを被覆する外
層コアにポリブタジエンを主材とするゴム組成物を用い
ることで、ソリッドコアの反発性を低下させることな
く、クリックな打音を可能とすることを見出した。そし
て、各構成要素の硬度関係や比重、その他の物性を最適
化することにより、ソフトソリッドボールの性能やフィ
ーリングを維持して、打音を改良できることを知見した
ものである。
打音を改良するために、最内芯に硬い材料を用いること
を検討した。その際、高硬度の材料として従来よりソリ
ッドコアの最内芯を形成するために用いられるゴム組成
物を用い、これを高硬度となるように加硫成形したが、
硬さに限界があり、また、混練り、押出しや研磨等の生
産性で劣る問題があった。そこで、最内芯を樹脂を主材
として形成することを試みた。通常、ゴムよりも反発性
の劣る樹脂材を使用すると反発性を損なうものであり、
反発の悪い材料を内芯に用いることは好ましくないと考
えられていたが、樹脂材を最内芯としてその直径を３ｍ
ｍ以上１５ｍｍ未満と小径に形成し、これを被覆する外
層コアにポリブタジエンを主材とするゴム組成物を用い
ることで、ソリッドコアの反発性を低下させることな
く、クリックな打音を可能とすることを見出した。そし
て、各構成要素の硬度関係や比重、その他の物性を最適
化することにより、ソフトソリッドボールの性能やフィ
ーリングを維持して、打音を改良できることを知見した
ものである。
【０００７】以下、本発明につき更に詳しく説明する
と、本発明のソリッドゴルフボールは、図１に示したよ
うに、ソリッドコア１と、該ソリッドコア１を覆うカバ
ー２とからなるもので、このソリッドコア１は、最内芯
３と、この最内芯３を表面被覆する外層コア４とからな
る構造に形成されており、その周りにカバーが形成され
ている。なお、図１においてはソリッドコア１は２層、
カバー２は単層にそれぞれ形成されているが、必要によ
り外層コア４は２層以上の複数層構成とすることがで
き、またカバーも２層、３層構造等に形成できる。
と、本発明のソリッドゴルフボールは、図１に示したよ
うに、ソリッドコア１と、該ソリッドコア１を覆うカバ
ー２とからなるもので、このソリッドコア１は、最内芯
３と、この最内芯３を表面被覆する外層コア４とからな
る構造に形成されており、その周りにカバーが形成され
ている。なお、図１においてはソリッドコア１は２層、
カバー２は単層にそれぞれ形成されているが、必要によ
り外層コア４は２層以上の複数層構成とすることがで
き、またカバーも２層、３層構造等に形成できる。
【０００８】ここで、ソリッドコア１を構成する最内芯
３は、従来のゴルフボールのようにゴム組成物を使用し
て形成するのではなく、樹脂を主材とする。
３は、従来のゴルフボールのようにゴム組成物を使用し
て形成するのではなく、樹脂を主材とする。
【０００９】最内芯に使用できる樹脂としては、公知の
熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー等を挙げることが
でき、具体的には、ナイロン、ポリアリレート、アイオ
ノマー樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン系熱可
塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマ
ーなどを挙げることができ、市販品としてサーリンＡＤ
８５１２（デュポン社製アイオノマー樹脂）、ハイミラ
ン１７０６，同１７０７（三井・デュポン社製アイオノ
マー樹脂）、リルサンＢＭＮＯ（東レ社製ナイロン樹
脂）、ＵポリマーＵ−８０００（ユニチカ製ポリアリレ
ート樹脂）などを好適に使用し得る。
熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー等を挙げることが
でき、具体的には、ナイロン、ポリアリレート、アイオ
ノマー樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン系熱可
塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマ
ーなどを挙げることができ、市販品としてサーリンＡＤ
８５１２（デュポン社製アイオノマー樹脂）、ハイミラ
ン１７０６，同１７０７（三井・デュポン社製アイオノ
マー樹脂）、リルサンＢＭＮＯ（東レ社製ナイロン樹
脂）、ＵポリマーＵ−８０００（ユニチカ製ポリアリレ
ート樹脂）などを好適に使用し得る。
【００１０】更に、上記樹脂材料中には、所望により、
硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛等の無機充填剤
を重量調整剤として配合することができ、このような充
填剤を多量に配合することにより最内芯の重量を重くす
ることができるので、後述する外層コアのゴム成分の比
率を高くすることで、ゴルフボールの反発性を飛躍的に
向上させることができる。なお、高比重充填剤を用いた
場合、Ｘ線検査によって最内芯の偏心度合いの確認が容
易になるため、生産上も好ましい。この場合、重量調整
剤の配合量は、上記樹脂１００重量部に対して０〜１１
５重量部、特に５〜１００重量部とすることができる。
硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛等の無機充填剤
を重量調整剤として配合することができ、このような充
填剤を多量に配合することにより最内芯の重量を重くす
ることができるので、後述する外層コアのゴム成分の比
率を高くすることで、ゴルフボールの反発性を飛躍的に
向上させることができる。なお、高比重充填剤を用いた
場合、Ｘ線検査によって最内芯の偏心度合いの確認が容
易になるため、生産上も好ましい。この場合、重量調整
剤の配合量は、上記樹脂１００重量部に対して０〜１１
５重量部、特に５〜１００重量部とすることができる。
【００１１】上記樹脂を主材として形成される最内芯
は、その直径を３ｍｍ以上１５ｍｍ未満、好ましくは５
〜１２ｍｍ、更に好ましくは６〜１０ｍｍに形成する。
小さすぎるとその効果が発揮されず、大きすぎると反発
性に影響を及ぼすおそれがある。
は、その直径を３ｍｍ以上１５ｍｍ未満、好ましくは５
〜１２ｍｍ、更に好ましくは６〜１０ｍｍに形成する。
小さすぎるとその効果が発揮されず、大きすぎると反発
性に影響を及ぼすおそれがある。
【００１２】また、最内芯の比重は１．０〜１．５、特
に１．１〜１．４とすることが好ましい。
に１．１〜１．４とすることが好ましい。
【００１３】更に、最内芯の固有振動数は１０００Ｈｚ
以上、より好ましくは１５００Ｈｚ以上、更に好ましく
は２０００Ｈｚ以上であることが好ましく、固有振動数
が小さいと、打音を改良する効果が十分発揮されないお
それがある。
以上、より好ましくは１５００Ｈｚ以上、更に好ましく
は２０００Ｈｚ以上であることが好ましく、固有振動数
が小さいと、打音を改良する効果が十分発揮されないお
それがある。
【００１４】上記最内芯の表面硬度は、ショアＤ硬度で
４０〜９５、特に５０〜９５であることが好ましい。
４０〜９５、特に５０〜９５であることが好ましい。
【００１５】なお、最内芯は、上記樹脂を主材とする最
内芯材料を射出成形することによって得ることができ
る。
内芯材料を射出成形することによって得ることができ
る。
【００１６】次に、上記最内芯を包囲する外層コア４
は、１層又は２層以上の複数層構成とすることができる
が、少なくとも１層はポリブタジエンを主材とするゴム
組成物にて形成する。
は、１層又は２層以上の複数層構成とすることができる
が、少なくとも１層はポリブタジエンを主材とするゴム
組成物にて形成する。
【００１７】本発明の外層コアのゴム組成物は、このよ
うに基材としてポリブタジエンを使用することが必須
で、このポリブタジエンとしては、シス構造を少なくと
も４０％以上有する１，４−シスポリブタジエンが好適
に挙げられる。また、この基材ゴム中には、所望により
該ポリブタジエンに天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ス
チレンブタジエンゴムなどを適宜配合することができ
る。ゴム成分を多くすることにより、ゴルフボールの反
発性を向上させることができる。なお、ポリブタジエン
１００重量部に対してこれら成分は１０重量部以下配合
することが好ましい。
うに基材としてポリブタジエンを使用することが必須
で、このポリブタジエンとしては、シス構造を少なくと
も４０％以上有する１，４−シスポリブタジエンが好適
に挙げられる。また、この基材ゴム中には、所望により
該ポリブタジエンに天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ス
チレンブタジエンゴムなどを適宜配合することができ
る。ゴム成分を多くすることにより、ゴルフボールの反
発性を向上させることができる。なお、ポリブタジエン
１００重量部に対してこれら成分は１０重量部以下配合
することが好ましい。
【００１８】また、上記ゴム組成物には、架橋剤として
メタクリル酸亜鉛、アクリル酸亜鉛等の不飽和脂肪酸の
亜鉛塩、マグネシウム塩やトリメチルプロパンメタクリ
レート等のエステル化合物を配合し得るが、特に反発性
の高さからアクリル酸亜鉛を好適に使用し得る。これら
架橋剤の配合量は、上記基材ゴム１００重量部に対し１
０〜４０重量部とすることが好ましい。
メタクリル酸亜鉛、アクリル酸亜鉛等の不飽和脂肪酸の
亜鉛塩、マグネシウム塩やトリメチルプロパンメタクリ
レート等のエステル化合物を配合し得るが、特に反発性
の高さからアクリル酸亜鉛を好適に使用し得る。これら
架橋剤の配合量は、上記基材ゴム１００重量部に対し１
０〜４０重量部とすることが好ましい。
【００１９】本発明において、外層コアのゴム組成物中
には、通常加硫剤が配合されているが、この加硫剤中に
は、１分間で半減期を迎える温度を１５５℃以下とする
パーオキサイドが含まれていることが推奨され、その配
合量は加硫剤全体の３０重量％以上、特に４０〜７０重
量％であることが好ましい。このようなパーオキサイド
としては、市販品を挙げることができ、例えば、パーヘ
キサ３Ｍ（日本油脂社製）等が挙げられる。その配合量
は、基材ゴム１００重量部に対し０．６〜２重量部とす
ることができる。
には、通常加硫剤が配合されているが、この加硫剤中に
は、１分間で半減期を迎える温度を１５５℃以下とする
パーオキサイドが含まれていることが推奨され、その配
合量は加硫剤全体の３０重量％以上、特に４０〜７０重
量％であることが好ましい。このようなパーオキサイド
としては、市販品を挙げることができ、例えば、パーヘ
キサ３Ｍ（日本油脂社製）等が挙げられる。その配合量
は、基材ゴム１００重量部に対し０．６〜２重量部とす
ることができる。
【００２０】上記ゴム組成物には、更に必要に応じ老化
防止剤や比重調整の充填剤として酸化亜鉛や硫酸バリウ
ム等を配合することができる。なお、上記比重調整剤の
配合量は、基材ゴム１００重量部に対して１〜３０重量
部である。
防止剤や比重調整の充填剤として酸化亜鉛や硫酸バリウ
ム等を配合することができる。なお、上記比重調整剤の
配合量は、基材ゴム１００重量部に対して１〜３０重量
部である。
【００２１】この場合、外層コアは、上記ゴム組成物か
ら形成される層を有することが必要であり、２層以上の
複数層とする場合、他の層は同様のゴム組成物によって
形成しても、樹脂を主材として形成してもよいが、好ま
しくは上記と同様のゴム組成物により形成する。いずれ
にあっても、上記ゴム組成物によって形成される層の厚
さは２〜１９．５ｍｍ、特に４〜１５ｍｍとすることが
好ましく、この層が薄すぎるとソフト感が低下するおそ
れがある。
ら形成される層を有することが必要であり、２層以上の
複数層とする場合、他の層は同様のゴム組成物によって
形成しても、樹脂を主材として形成してもよいが、好ま
しくは上記と同様のゴム組成物により形成する。いずれ
にあっても、上記ゴム組成物によって形成される層の厚
さは２〜１９．５ｍｍ、特に４〜１５ｍｍとすることが
好ましく、この層が薄すぎるとソフト感が低下するおそ
れがある。
【００２２】また、このゴム組成物にて形成される層の
比重は１．０〜１．３、特に１．０５〜１．２５とする
ことができるが、この比重より上記最内芯の比重の方が
大きいことが好ましい。最内芯の比重がこのゴム組成物
による層の比重より小さいと、ボールの反発性が劣るお
それがある。
比重は１．０〜１．３、特に１．０５〜１．２５とする
ことができるが、この比重より上記最内芯の比重の方が
大きいことが好ましい。最内芯の比重がこのゴム組成物
による層の比重より小さいと、ボールの反発性が劣るお
それがある。
【００２３】更に、本発明において、上記外層コアは、
その最内層の硬度が上記最内芯の表面硬度より低いこと
が必要であり、最内芯の表面硬度が外層コアの最も内側
の層よりも軟らかいと、本発明の目的とする良好な打感
及び打音が得られない。この場合、最内芯の表面硬度
は、外層コアの最も内側の層における最内芯近傍付近の
ショアＤ硬度で４〜５０、特に６〜４０大きいことが好
ましい。
その最内層の硬度が上記最内芯の表面硬度より低いこと
が必要であり、最内芯の表面硬度が外層コアの最も内側
の層よりも軟らかいと、本発明の目的とする良好な打感
及び打音が得られない。この場合、最内芯の表面硬度
は、外層コアの最も内側の層における最内芯近傍付近の
ショアＤ硬度で４〜５０、特に６〜４０大きいことが好
ましい。
【００２４】上記最内芯とこれを被覆する外層コアから
なるソリッドコアは、外径を３６〜４１．５ｍｍ、特に
３７．５〜３９．５ｍｍに形成することが好ましく、ま
た、このソリッドコアは、ボール自体の反発性を考慮し
て、１２０ｃｍから自然落下させた場合のリバウンドが
９０ｃｍ以上、より好ましくは９５ｃｍ以上、更に好ま
しくは９８ｃｍ以上とすることが好ましい。なお、この
リバウンド評価は、２３℃においてソリッドコアを１２
０ｃｍの高さから、直径１０ｃｍ，高さ１０ｃｍの鉄柱
の上に垂直に自然落下させたときの跳ね返り高さの値で
ある。
なるソリッドコアは、外径を３６〜４１．５ｍｍ、特に
３７．５〜３９．５ｍｍに形成することが好ましく、ま
た、このソリッドコアは、ボール自体の反発性を考慮し
て、１２０ｃｍから自然落下させた場合のリバウンドが
９０ｃｍ以上、より好ましくは９５ｃｍ以上、更に好ま
しくは９８ｃｍ以上とすることが好ましい。なお、この
リバウンド評価は、２３℃においてソリッドコアを１２
０ｃｍの高さから、直径１０ｃｍ，高さ１０ｃｍの鉄柱
の上に垂直に自然落下させたときの跳ね返り高さの値で
ある。
【００２５】なお、ソリッドコアの製造において、上記
ゴム組成物は公知の方法で加硫・硬化させて製造するこ
とができるが、まず、一次加硫（半加硫）して一対の半
球カップ体を製造した後、次いで、予め製作した最内芯
を一方の半球カップ体に載せ、更に他方の半球カップ体
をこれに被せた状態で二次加硫（全加硫）を行う加硫工
程を２段階に分けた方法を好適に採用し得、外層コアの
形成と同時にソリッドコアの製造を行う方法を好適に採
用し得る。なお、外層コアを成形するには加硫工程が必
要であり、最内芯が高温にさらされるため、最内芯の融
点は１５０℃以上であることが望ましい。
ゴム組成物は公知の方法で加硫・硬化させて製造するこ
とができるが、まず、一次加硫（半加硫）して一対の半
球カップ体を製造した後、次いで、予め製作した最内芯
を一方の半球カップ体に載せ、更に他方の半球カップ体
をこれに被せた状態で二次加硫（全加硫）を行う加硫工
程を２段階に分けた方法を好適に採用し得、外層コアの
形成と同時にソリッドコアの製造を行う方法を好適に採
用し得る。なお、外層コアを成形するには加硫工程が必
要であり、最内芯が高温にさらされるため、最内芯の融
点は１５０℃以上であることが望ましい。
【００２６】この場合、半球カップ体に配置する最内芯
は、配置前に予め接着剤を塗布することができ、最内芯
と外層コアとの界面を接着剤にて強固に結合させること
で、ゴルフボールの耐久性をより向上させ、高い反発性
を得ることができる。また、最内芯の表面をバレル研磨
機などで粗くして表面に微細な凹凸を形成し、配置する
ことが最内芯と外層コアとの密着性を高めるため推奨さ
れる。
は、配置前に予め接着剤を塗布することができ、最内芯
と外層コアとの界面を接着剤にて強固に結合させること
で、ゴルフボールの耐久性をより向上させ、高い反発性
を得ることができる。また、最内芯の表面をバレル研磨
機などで粗くして表面に微細な凹凸を形成し、配置する
ことが最内芯と外層コアとの密着性を高めるため推奨さ
れる。
【００２７】本発明のゴルフボールは、上記ソリッドコ
ア１にカバー２を被覆形成してなるもので、公知のカバ
ー材料を使用して形成できるが、その厚さは０．５〜
３．５ｍｍ、特に１〜２．５ｍｍであることが好まし
い。また、ショアＤ硬度は４０〜７５、より好ましくは
４５〜７０、更に好ましくは５０〜６５であり、硬度が
小さいとボールの反発性が低く、大きいと耐久性に劣る
場合が生じる。その比重は０．９５〜１．２５であるこ
とが推奨される。なお、上述したように、カバーは複数
層構成とすることもできる。
ア１にカバー２を被覆形成してなるもので、公知のカバ
ー材料を使用して形成できるが、その厚さは０．５〜
３．５ｍｍ、特に１〜２．５ｍｍであることが好まし
い。また、ショアＤ硬度は４０〜７５、より好ましくは
４５〜７０、更に好ましくは５０〜６５であり、硬度が
小さいとボールの反発性が低く、大きいと耐久性に劣る
場合が生じる。その比重は０．９５〜１．２５であるこ
とが推奨される。なお、上述したように、カバーは複数
層構成とすることもできる。
【００２８】ここで、カバー材としては、公知のカバー
材を使用し得、アイオノマー樹脂、バラタゴム、ポリウ
レタン系，ポリアミド系，ポリエステル系などの熱可塑
性エラストマーなどを挙げることができる。また、カバ
ーの形成には、通常の射出成形が好適に採用し得る。
材を使用し得、アイオノマー樹脂、バラタゴム、ポリウ
レタン系，ポリアミド系，ポリエステル系などの熱可塑
性エラストマーなどを挙げることができる。また、カバ
ーの形成には、通常の射出成形が好適に採用し得る。
【００２９】以上のように形成されるソリッドゴルフボ
ールは、１００ｋｇ荷重負荷時の変形量が２．４〜３．
８ｍｍ、特に２．６〜３．５ｍｍであることが推奨され
る。
ールは、１００ｋｇ荷重負荷時の変形量が２．４〜３．
８ｍｍ、特に２．６〜３．５ｍｍであることが推奨され
る。
【００３０】また、本発明のゴルフボールは、通常のゴ
ルフボールと同様にして、カバー表面に多数のディンプ
ルを形成するが、ディンプル総数は３５０〜５００個、
好ましくは３７０〜４８０個、更に好ましくは３９０〜
４５０個、また、その幾何学的配列としては、８面体、
２０面体などで、ディンプルの模様としては、円形に限
られず、スクウェアー型、ヘキサゴン型、ペンタゴン
型、トライアングル型などのいかなるものを採用しても
差支えない。
ルフボールと同様にして、カバー表面に多数のディンプ
ルを形成するが、ディンプル総数は３５０〜５００個、
好ましくは３７０〜４８０個、更に好ましくは３９０〜
４５０個、また、その幾何学的配列としては、８面体、
２０面体などで、ディンプルの模様としては、円形に限
られず、スクウェアー型、ヘキサゴン型、ペンタゴン
型、トライアングル型などのいかなるものを採用しても
差支えない。
【００３１】更に、飛距離を向上させる目的でディンプ
ル径、ディンプル深さ、ディンプル断面形状を適正化で
きる。ディンプル表面占有率〔（ディンプル総表面積／
ボール表面積）×１００〕は６５％以上、好ましくは７
０〜８０％になるようディンプルを設けることができ
る。ディンプル表面占有率が６５％未満では飛距離の増
大が得られなくなる場合がある。ディンプル体積率
〔（ディンプル総体積／ボール体積）×１００〕は０．
７６〜１．０％、好ましくは０．７８〜０．９４％に設
定できる。ディンプル体積率が０．７６％未満では高弾
道になりすぎ、１．０％より大きいと低弾道になりすぎ
て飛距離が低下する場合がある。
ル径、ディンプル深さ、ディンプル断面形状を適正化で
きる。ディンプル表面占有率〔（ディンプル総表面積／
ボール表面積）×１００〕は６５％以上、好ましくは７
０〜８０％になるようディンプルを設けることができ
る。ディンプル表面占有率が６５％未満では飛距離の増
大が得られなくなる場合がある。ディンプル体積率
〔（ディンプル総体積／ボール体積）×１００〕は０．
７６〜１．０％、好ましくは０．７８〜０．９４％に設
定できる。ディンプル体積率が０．７６％未満では高弾
道になりすぎ、１．０％より大きいと低弾道になりすぎ
て飛距離が低下する場合がある。
【００３２】なお、本発明のゴルフボールは、その直
径、重さはゴルフ規則に従い、直径４２．６７ｍｍ以
上、重量は４５．９３ｇ以下に形成することができる。
径、重さはゴルフ規則に従い、直径４２．６７ｍｍ以
上、重量は４５．９３ｇ以下に形成することができる。
【００３３】
【発明の効果】本発明のゴルフボールは、ソフトな打感
でありながら、打撃した際に高いクリック音を与えるこ
とができる。
でありながら、打撃した際に高いクリック音を与えるこ
とができる。
【００３４】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるもの
ではない。
的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるもの
ではない。
【００３５】［実施例，比較例］表１に示した組成の樹
脂成分を射出成形金型内に射出し、表１に示す性状の最
内芯を製造した。一方、表１の組成のゴム組成物を混練
ロールを用いて混練し、１３０℃，６分間一次加硫（半
加硫）して一対の半球カップ体を製作した。得られた一
対の半球カップ体で上記最内芯を被包し、金型内で１５
５℃，１５分間の条件にて外層コアを二次加硫（全加
硫）し、２層構造のソリッドコアを製造した。
脂成分を射出成形金型内に射出し、表１に示す性状の最
内芯を製造した。一方、表１の組成のゴム組成物を混練
ロールを用いて混練し、１３０℃，６分間一次加硫（半
加硫）して一対の半球カップ体を製作した。得られた一
対の半球カップ体で上記最内芯を被包し、金型内で１５
５℃，１５分間の条件にて外層コアを二次加硫（全加
硫）し、２層構造のソリッドコアを製造した。
【００３６】得られたそれぞれのソリッドコアについ
て、表１に示すカバー材を射出成形して、厚さ１．８５
〜２．５ｍｍ、ディンプル数３９２個（ディンプル表面
占有率７８％、体積率０．８８％）のカバーを形成し、
表１の性状を示すソリッドゴルフボールを得た。
て、表１に示すカバー材を射出成形して、厚さ１．８５
〜２．５ｍｍ、ディンプル数３９２個（ディンプル表面
占有率７８％、体積率０．８８％）のカバーを形成し、
表１の性状を示すソリッドゴルフボールを得た。
【００３７】次いで、得られたゴルフボールについて、
それぞれ下記の通り諸特性を評価した。結果を表１に示
す。固有振動数 ＯＮＯ ＳＯＫＫＩ製ＣＦ−９２０によって０−５ｋＨ
ｚのランダム波を発生させ、加振器（ＩＭＶ製ＭＳ−Ｖ
Ｅ−０１Ｎ）にインピーダンスヘッド（ＩＭＶ製ＩＨ−
０２）を取り付けたものに芯材を固定し、振動を与え
た。その後、取り出した信号をＯＮＯ ＳＯＫＫＩ製Ｄ
Ｓ−９１１０でＦＦＴ処理し、周波数応答関数を求める
ことによって固有振動数を決定した。飛び性能 スイングロボットを用い、ドライバー（＃Ｗ１）でヘッ
ドスピード４５ｍ／ｓで打撃し、キャリー及びトータル
飛距離をそれぞれ測定した。打感，打音 プロゴルファー３名により＃Ｗ１で打撃した時の打感及
び打音を評価した。
それぞれ下記の通り諸特性を評価した。結果を表１に示
す。固有振動数 ＯＮＯ ＳＯＫＫＩ製ＣＦ−９２０によって０−５ｋＨ
ｚのランダム波を発生させ、加振器（ＩＭＶ製ＭＳ−Ｖ
Ｅ−０１Ｎ）にインピーダンスヘッド（ＩＭＶ製ＩＨ−
０２）を取り付けたものに芯材を固定し、振動を与え
た。その後、取り出した信号をＯＮＯ ＳＯＫＫＩ製Ｄ
Ｓ−９１１０でＦＦＴ処理し、周波数応答関数を求める
ことによって固有振動数を決定した。飛び性能 スイングロボットを用い、ドライバー（＃Ｗ１）でヘッ
ドスピード４５ｍ／ｓで打撃し、キャリー及びトータル
飛距離をそれぞれ測定した。打感，打音 プロゴルファー３名により＃Ｗ１で打撃した時の打感及
び打音を評価した。
【００３８】
【表１】
【図１】本発明のソリッドゴルフボールの一実施例を示
す断面図である。
す断面図である。
【符号の説明】 １ ソリッドコア ２ カバー ３ 最内芯 ４ 外層コア
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丸子 高志 埼玉県秩父市大野原20番地 ブリヂストン スポーツ株式会社内 (72)発明者 増谷 寛 埼玉県秩父市大野原20番地 ブリヂストン スポーツ株式会社内 Ｆターム(参考） 4J002 AC031 AC062 AC082 EG046 EK007 FD146 FD147 GC01
Claims (4)
- 【請求項１】 ソリッドコアにカバーを被覆してなり、
かつ該ソリッドコアが最内芯と該最内芯を被覆する少な
くとも１層の外層コアとを有する多層構造に形成された
ソリッドゴルフボールにおいて、上記最内芯が樹脂を主
材とし、直径３ｍｍ以上１５ｍｍ未満であり、上記外層
コアの少なくとも１層がポリブタジエンを主材とするゴ
ム組成物にて形成され、最内芯のショアＤ表面硬度が外
層コア中の最も内側の層より硬いことを特徴とするソリ
ッドゴルフボール。 - 【請求項２】 最内芯の比重が１．０〜１．５であり、
かつ外層に用いられているポリブタジエンを主材とする
層の比重より大きいことを特徴とする請求項１記載のゴ
ルフボール。 - 【請求項３】 ソリッドコアを高さ１２０ｃｍから自然
落下させた時のリバウンドが９０ｃｍ以上であることを
特徴とする請求項１又は２記載のゴルフボール。 - 【請求項４】 最内芯の固有振動数が１０００Ｈｚ以上
であることを特徴とする請求項１，２又は３記載のゴル
フボール。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP03260299A JP3656806B2 (ja) | 1999-02-10 | 1999-02-10 | ソリッドゴルフボール |
| US09/484,056 US6605009B1 (en) | 1999-02-10 | 2000-01-18 | Solid golf ball |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP03260299A JP3656806B2 (ja) | 1999-02-10 | 1999-02-10 | ソリッドゴルフボール |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000229133A true JP2000229133A (ja) | 2000-08-22 |
| JP3656806B2 JP3656806B2 (ja) | 2005-06-08 |
Family
ID=12363418
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP03260299A Expired - Fee Related JP3656806B2 (ja) | 1999-02-10 | 1999-02-10 | ソリッドゴルフボール |
Country Status (2)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US6605009B1 (ja) |
| JP (1) | JP3656806B2 (ja) |
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| US8808110B2 (en) | 2009-02-26 | 2014-08-19 | Bridgestone Sports Co., Ltd. | Multi-piece solid golf ball |
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| US8932152B2 (en) | 2011-10-06 | 2015-01-13 | Dunlop Sports Co. Ltd. | Golf ball |
| JP2016007496A (ja) * | 2014-06-26 | 2016-01-18 | ブリヂストンスポーツ株式会社 | Ｉｃチップを内蔵するゴルフボール |
| JP2017225718A (ja) * | 2016-06-24 | 2017-12-28 | ブリヂストンスポーツ株式会社 | Ｉｃチップを内蔵するゴルフボール |
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