JP2000225575A - レンチ - Google Patents

レンチ

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JP2000225575A
JP2000225575A JP11205389A JP20538999A JP2000225575A JP 2000225575 A JP2000225575 A JP 2000225575A JP 11205389 A JP11205389 A JP 11205389A JP 20538999 A JP20538999 A JP 20538999A JP 2000225575 A JP2000225575 A JP 2000225575A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ボール抜け止め部の形成を不要とし、容易に、
しかも、低コストで製作できるレンチを提供する。 【解決手段】レンチ本体1と、ボルト係合維持手段とを
備えている。ボルト係合維持手段は、レンチ本体1の係
合部13に設けられた受容孔14と、受容孔14内に受
容された押圧部材2とを備えている。押圧部材2は、コ
イルバネ21と、当接部材3とを備えている。コイルバ
ネ21の後端部は、受容孔14内に固定され、先端部
は、当接部材3を支持している。コイルバネ21におけ
る後端部と先端部との間に伸縮部24を備えている。
又、伸縮部24は、複数の輪状部44a…44aを有
し、これらの輪状部44a…44aは、先端側に行くに
従い漸次径小に形成されているとともに、収縮に際して
輪状部44a…44a各々が隣接する後方側の径大な輪
状部44a…44aの径内側に順次入り込み可能に形成
されており、この伸縮部24によって、当接部材3が受
容孔14を自在に出入りする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、ボルトやナット
を締め、或いは緩め操作するレンチの改良に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】レンチとして、例えばボルトを締め、或
いは緩め操作する棒状からなるレンチが、従来から広く
知られている。このレンチは、断面六角形状の棒状のレ
ンチの一端側を係合部とし、そして、この係合部を、ボ
ルトに設けた断面六角形状の係合孔(図2(B) 参照)に
嵌合させることにより、回動不能に係合させることがで
き、レンチを回動操作すればボルトを締め、或いは緩め
操作することができる。しかし、このものにおいては、
係合部を、単にボルトの係合孔に嵌合させるだけのもの
であるため、他部材に螺合させる前のボルトにレンチを
係合させても、ボルトから手を離すとボルトがレンチか
ら外れて落下してしまう。そのため、ボルトを他部材に
セットする場合には、ボルトを手で他部材に螺合させた
後、そのボルトにレンチを係合させて回動操作して締め
付けなければならず、レンチでボルトの螺合から締め付
けまでの操作をできない。特に、両手の入らないような
狭い場所での操作が面倒なものとなっていた。そこで、
この解決するものとして、例えば図24(A)(B)に示すよ
うなものが提案されている。この図24(A)(B)に示すレ
ンチは、断面六角形状の棒状のレンチ本体aの一端側に
設けた係合部aに、外周面から所定深さで形成した受容
孔cを設けるとともに、その受容孔c内に、ボルト押圧
部材としてのボールdと、ボールdと受容孔cの奥端面
との間にコイルバネeとを入れた後、係合部aにおける
受容孔cの周部を押圧変形させて受容孔cの内径をボー
ルdの径より径小にしたボール抜け止め部c1を形成す
ることにより、コイルバネeの弾性によってボールdを
ボール抜け止め部c1に押し付けてボールdの先端一部
を受容孔cから係合部aの外周面側に突出させたもので
ある。こうすることにより、係合部bを、ボルトの係合
孔に押し入れれば、係合部aの外周面に突出させたボー
ルdがコイルバネeの弾性に抗してボルトの係合孔の内
壁面に押圧されて係合部bが受容孔c内に沈み込んで係
合部bをボルトの係合孔に回動不能に係合させることが
できるとともに、この状態で、ボールdがコイルバネe
の弾性によってボルトの係合孔の内壁面を押圧し、係合
部bとボルトの係合孔との係合状態を維持させることが
できる。従って、ボルトを把持しなくてもレンチだけを
把持してボルトを他部材に螺合させて締め付けることが
でき、両手の入らないような狭い場所でボルトを他部材
に螺合させて締め付けるような場合でも片手で行うこと
ができる。しかしながら、このものにおいては、受容孔
cに径小のボール抜け止め部c1を形成しなければなら
ない。このボール抜け止め部c1の形成を、レンチの熱
処理前に行うとすると、レンチの熱処理に際して受容孔
cに入れたボールdやコイルバネeの硬度の低下をきた
してしまうため、レンチ本体aの熱処理後に形成する必
要があり、その結果、熱処理後におけるレンチ本体の硬
度が高く、係合部bの一部を押し広げようとしても容易
に変形させることができず、ボール抜け止め部c1の形
成に時間を要し、製作が困難で、コスト高になってい
る。又、ネジ径の小さいボルトに使用するレンチの場合
には、係合部bの対辺寸法Lが短くて、コイルバネeを
受容する受容孔cを係合部bの前面に開けると後面側に
貫通してしまったり、或いは受容孔cの奥端面と後面と
の肉厚が薄くなってしまい、その結果、レンチ自体の強
度が弱くなってしまう。従って、このものでは、ネジ径
の小さいボルトに使用するようなものには適応できない
という課題がある。一方、例えば図9(A)(B)(C) に示す
ようなソケットレンチ300、又は図13に示すよう
な、所謂メガネレンチ400、更には、図15に示すよ
うなスパナレンチ500のようなものにも、上記の係合
状態を維持させる手段を施せば便利なものにできるが、
ソケットレンチ300やメガネレンチ400、或いはス
パナレンチ500のようなものの場合には、係合部を嵌
挿孔から構成し、嵌挿孔に入れた被締付部材の外周と、
嵌挿孔の内周壁とで係合させるものであるため、これら
に上記の手段を施す場合には、嵌挿孔の内周壁に受容孔
cを形成し、その受容孔cにコイルバネeやボールdを
受容させた後、嵌挿孔の内周壁における受容孔cの周部
を、嵌挿孔の内周壁側から押圧変形させ、受容孔cの先
端側に径小なボール抜け止め部c1を加工成形しなけれ
ばならず、加工が技術的に極めて困難になってしまうと
ともに、コスト高になってしまう。しかも、特にソケッ
トレンチやメガネレンチの場合には、外壁面からネジ嵌
挿孔の内壁面までの肉厚が薄いため、受容孔cを深くで
きず、コイルバネeを受容し難い。又、その場合に、外
壁面からネジ嵌挿孔の内壁面までの肉厚を、コイルバネ
eを受容するために厚くすると、全体の重量が重くなっ
てしまい、使用し難いものになってしまう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本願発明は、以上の実
情に鑑み提案されたもので、ボール抜け止め部の形成を
不要とし、容易に、しかも、低コストで製作できるレン
チの提供を第1の目的とする。
【0004】本願発明は、レンチ本体の係合部の対辺寸
法の長いもののみならず、対辺寸法の短いものにも適応
できるレンチの提供を第2の目的とする。
【0005】本願発明は、嵌挿孔に被締付部材を嵌挿さ
せるだけで係合状態を維持させることができるソケット
レンチやメガネレンチ等の嵌挿孔を有するレンチの提供
を第3の目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明は、以下の特徴
を有するレンチを提供することにより上記課題を解決す
る。本願第1の発明は、ボルトBやナットの被締付部材
に係脱自在且つ回動不能に係合する係合部13、10
3、303、403、503が備えられる。この係合部
13、103、303、403、503が、受容孔1
4、104、304、404、504と、受容孔14、
104、304、404、504内に受容された押圧部
材2、200とを備える。この押圧部材2、200の先
端側には、係合した被締付部材を押圧する押圧部32が
備えられ、押圧部材2、200の後端側には、受容孔1
4、104、304、404、504内に固定される固
定部22、42、52が備えられ、押圧部材2、200
における押圧部32と固定部22、42、52との間
に、弾性変形により伸縮する伸縮部24、44、54が
備えられる。この押圧部材2、200の固定部22、4
2、52が、受容孔14、104、304、404、5
04内に固定されることにより、押圧部32の先端が受
容孔14、104、304、404、504内から係合
部13、103、303、403、503に突出される
とともに、押圧部32が伸縮部24、44、54の弾性
に抗して押圧されるに伴って受容孔14、104、30
4、404、504内に沈み込むようになされたもので
ある。
【0007】本願第2の発明は、本願第1の発明に係る
係合部が、嵌挿孔303、403、503から構成され
ることにより、嵌挿孔303、403、503内に被締
付部材が係脱自在且つ回動不能に嵌挿されるようになさ
れる。又、受容孔304、404、504は、嵌挿孔3
03、403、503の内壁面から径外方向に開けられ
たものである。
【0008】本願第3の発明は、ボルトBに設けた係合
孔B1に係脱自在且つ回動不能に係合する係合部13、
103を一端側に有する棒状のレンチ本体1、100
と、レンチ本体1、100の係合部13、103に設け
られた受容孔14、104と、受容孔14、104内に
受容された押圧部材2、200とを備える。この押圧部
材2、200の先端側には、係合したボルトBを押圧す
るボルト押圧部32が備えられ、押圧部材2、200の
後端側に、係合部13、103の受容孔14、104内
に固定される固定部22、42、52が備えられる。
又、押圧部材2、200におけるボルト押圧部32と固
定部22、42、52との間に、弾性変形により伸縮す
る伸縮部24、44、54が備えられる。この押圧部材
2、200の固定部22、42、52が係合部13、1
03の受容孔14、104内に固定されることにより、
ボルト押圧部32の先端が係合部13、103の受容孔
14、104から係合部13、103の外周側に突出さ
れるとともに、ボルト押圧部32が伸縮部24、44、
54の弾性に抗して押圧されるに伴って係合部13、1
03の受容孔14、104内に沈み込むようになされた
ものである。
【0009】本願第4の発明は、本願第1の発明に係る
押圧部材2、200の伸縮部44が、径の異なる複数の
輪状部44aを有するコイルバネ41から構成されたも
のである。又、このコイルバネ41の複数の輪状部44
aは、軸方向に順次径小のものから径大のものになるよ
うに並設されるとともに、収縮に際して輪状部44a各
々の少なくとも一部が隣接する径大な輪状部44aの径
内側に順次入り込み可能に形成されたものである。
【0010】以上のように構成された本願第1〜第3の
発明においては、押圧部材2、200の後端側を係合部
13、103、303、403、503の受容孔14、
104、304、404、504内に固定することによ
り、押圧部32の先端を、係合部13、103、30
3、403、503の受容孔14、104、304、4
04、504から係合部13、103、303、40
3、503の外周側に突出させるとともに、押圧部32
を伸縮部24、44の弾性に抗して押圧されるに伴って
係合部13、103、303、403、503の受容孔
14、104、304、404、504内に沈み込むよ
うにしたものとする。こうすることにより、従来のよう
に熱処理後のレンチ本体に機械加工によってボール抜け
止め部を形成する必要がなく、容易に低コストに製作で
きる。又、本願第2の発明のように、係合部が嵌挿孔3
03、403、503から構成されているソケットレン
チ300やメガネレンチ400、或いはスパナレンチ5
00のような場合には、嵌挿孔303、403、503
の内周側からボール抜け止め部を機械加工しなければな
らないため、その形成が技術的に困難且つめんどうなも
のとなるが、本願発明のように嵌挿孔303、403、
503の内壁面から径外方向に開けた受容孔304、4
04、504の奥部に押圧部材2、200の後端側を固
定すれば良く、ボール抜け止め部の形成を不要にでき、
容易に低コストに製作できる。
【0011】本願第4の発明においては、収縮に際し、
輪状部44a…44a各々が隣接する後方側の径大な輪
状部44a…44aの径内側に順次入り込むようにして
伸縮部44を弾性変形させることができる。例えば図1
(B) に示すように伸縮部24を、互いに同じ径からなる
複数の輪状部24a…24aから構成した場合には、輪
状部24a…24a間の隙間t…t分だけ収縮し、隣接
する輪状部24a、24a同士が当接してしまうとそれ
以上に収縮することができない。従って、このようなコ
イルバネ21では、少なくともボルト押圧部32が係合
部13、103の前側面に突出した状態から受容孔1
4、104内に沈み込むまでの移動量に相当するだけの
隙間t…tを輪状部24a…24a間に形成しておかな
ければならないが、この第4の発明のコイルバネ41の
伸縮部44では、輪状部44a…44a間に隙間を形成
しておかなくても、係合部13、103の前側面に突出
したボルト押圧部32を受容孔14、104内に沈み込
ませることができ、同じ径からなる複数の輪状部24a
…24aから構成したコイルバネ21の伸縮部24より
も長さを短くできる。その結果、レンチ本体1における
係合部13、103の受容孔14、104を深さの浅い
ものにでき、例えばネジ径の小さいボルトBに使用する
6角棒状のレンチの場合には、係合部13、103の後
面と前面との対辺寸法Lが短くて、同じ径からなる複数
の輪状部24a…24aから構成したコイルバネ21を
受容するための受容孔14、104を係合部13、10
3の前面に開けると後面側に貫通してしまったり、或い
は受容孔14、104の奥端面と後面との肉厚が薄くな
ってしまってレンチ自体の強度が弱くなってしまうよう
な場合でも、受容孔14、104の深さを浅くしてレン
チ自体の強度を確保できる。よって、この第4発明のも
のは、対辺寸法Lの長い係合部13、103に適応でき
るとともに、同じ径からなる複数の輪状部24a…24
aから構成したコイルバネ21では適応し難いような対
辺寸法Lの短い係合部13、103にも適応できる。一
方、輪状部44a…44aを、軸方向に順次径小のもの
から径大のものになるように並設した伸縮部44を有す
るコイルバネ41を用いることにより、ソケットレンチ
300やメガネレンチ400、或いはスパナレンチ50
0のような場合には、受容孔304、404、504の
深さを浅くして外壁面から嵌挿孔303、403、50
3の内壁面までの肉厚を薄くできる。これにより、全体
の軽量化を図ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図を基に本願発明の一実施
形態を具体的に説明する。図1(A) は、本願発明の第1
実施形態のレンチの正面図、図1(B) は、図1(A) のI
−I 線断面図である。
【0013】本願発明の第1実施形態のレンチは、レン
チ本体1と、ボルト係合維持手段10とを備えている。
レンチ本体1は、全長に渡って断面六角形状の棒状体か
ら構成され、右方側が把持部11をなし、左端側に、把
持部11から下方側に折り曲げられた折り曲げ片12を
備えており、全体形状がL字状を呈している。又、折り
曲げ片12の下端部は、係合部13をなし、ボルトBの
頭部に設けた係合孔B1(図2(A)(B)に図示)に係脱自
在且つ回動不能に係合する。
【0014】ボルト係合維持手段10は、レンチ本体1
の係合部13とボルトBの係合孔B1とを係合させた状
態に維持させるためのもので、レンチ本体1の係合部1
3に設けられた受容孔14と、受容孔14内に受容され
た押圧部材2とを備えている。
【0015】受容孔14は、レンチ本体1の係合部13
の前側面に、前側面から係合部13の軸芯と直交するよ
うにして所定深さで開けられている。
【0016】押圧部材2は、コイルバネ21と、コイル
バネ21の先端(図1(B) の下方側)側に設けられた当
接部材3とを備えている。コイルバネ21の後端部に、
レンチ本体1の受容孔14に固定される固定部22を備
え、先端側に、当接部材3を支持する当接部材支持部2
3を備え、固定部22と当接部材支持部23との間に伸
縮部24を備えている。固定部22は、受容孔14の径
よりやや径大に形成されており、受容孔14に押し入れ
られることにより、受容孔14の奥部の内壁面に固定さ
れている。伸縮部24は、軸方向に、隙間t…tを隔て
て軸方向に並設された同径からなる複数の輪状部24a
…24aを備えている。これら輪状部24a…24a
は、受容孔14の径よりやや径小に形成されており、通
常状態で受容孔14の内壁面に接触しないようになされ
ている。当接部材支持部23は、伸縮部24より径小に
なされており、内周側に、当接部材3を支持する。
【0017】当接部材3は、円柱状の軸部31と、軸部
31の先端側に形成された略半球状のボルト押圧部32
とを備えている。そして、軸部31が、コイルバネ21
の当接部材支持部23に押し入れられて固定されること
により支持されている。
【0018】このようにしてコイルバネ21に支持され
た当接部材3は、通常状態でボルト押圧部32の先端部
が係合部13の前側面より前方に突出しており、ボルト
押圧部32が受容孔14側に押圧されると受容孔14内
に沈み込むようになされている。
【0019】この第1実施形態のレンチを使用する場合
は、従来と同様に、図2(A)(B)に示すようにレンチ本体
1の把持部11を把持し、係合部13を、ボルトBの係
合孔B1に入れていく。その際、ボルト押圧部32が係
合部13の前側面より前方に突出しているが、ボルトB
の係合孔B1の内壁面に押圧されるとコイルバネ21の
伸縮部24が収縮して、ボルト押圧部32が略受容孔1
4内に入り込む。これにより、容易に係合部13をボル
トBの係合孔B1に入れることができる。係合部13を
ボルトBの係合孔B1に入れた後は、ボルト押圧部32
が伸縮部24の弾性によってボルトBの係合孔B1の内
壁面を押圧し、係合部13にボルトBを吊り下げ支持で
きる状態に維持する。尚、係合部13とボルトBとの係
合を外す場合は、ボルトBとレンチ本体1とを、コイル
バネ21の弾性力に抗して引き離せば良く、これによ
り、簡単に外すことができる。
【0020】以上のように構成することにより、従来の
ように熱処理後におけるレンチ本体の係合部の一部を機
械的に押し広げてボール抜け止め部を形成しなくて済
み、製作を容易なものにできるとともに、低コストで製
作できる。
【0021】次に、第2実施形態について、図3(A)(B)
に基づき説明する。第2実施形態のレンチは、先の第1
実施形態のものと同様に、全長に渡って断面六角形状の
棒状体からなるレンチ本体1と、ボルト係合維持手段1
0としての受容孔14及び押圧部材2とを備え、又、押
圧部材2は、コイルバネ41と、コイルバネ41の先端
側に設けられた当接部材3とを備えており、コイルバネ
41以外は、先の第1実施形態のものと同構成を採って
いる。
【0022】コイルバネ41は、後端部に固定部42
を、先端側に当接部材支持部43を、夫々備えていると
ともに、その間に伸縮部44を備えている。固定部42
及び当接部材支持部43は、先の第1実施形態のものと
同構成を採っているが、伸縮部44が、第1実施形態の
ものと異なる。この第2実施形態の伸縮部44は、軸方
向に並設された複数の輪状部44a…44aを有する。
又、これらの輪状部44a…44aは、先端側に行くに
従い漸次径小に形成されているとともに、収縮に際して
輪状部44a…44a各々が隣接する後方側の径大な輪
状部44a…44aの径内側に順次入り込み可能に形成
されている。この実施形態では、隣接する二つの輪状部
44a、44aにおける先方側のものの外径を、後方側
のものの内径より小さくなるように設定している。
【0023】このようにして伸縮部44を形成すること
により、収縮に際し、図3(B) に示すように輪状部44
a…44a各々が隣接する後方側の径大な輪状部44a
…44aの径内側に順次入り込むようにして伸縮部44
を弾性変形させることができる。例えば先の第1実施形
態のように、伸縮部24を、互いに同じ径からなる複数
の輪状部24a…24aから構成した場合には、輪状部
24a…24a間の隙間t…t(図1(B) に図示)分だ
け収縮し、隣接する輪状部24a、24a同士が当接し
てしまうとそれ以上に収縮することができない。従っ
て、このようなコイルバネ21では、少なくともボルト
押圧部32が係合部13の前側面側に突出した状態から
受容孔14内に沈み込むまでの移動量に相当するだけの
隙間t…tを輪状部24a…24a間に形成しておかな
ければならないが、この第2実施形態のコイルバネ41
の伸縮部44では、輪状部44a…44a間に隙間を形
成しておかなくても、係合部13の前側面に突出したボ
ルト押圧部32を受容孔14内に沈み込ませることがで
き、同じ径からなる複数の輪状部24a…24aから構
成したコイルバネ21の伸縮部24よりも長さを短くで
きる。その結果、レンチ本体1における係合部13の受
容孔14を深さの浅いものにでき、例えばネジ径の小さ
いボルトBに使用するレンチの場合には、係合部13の
後面と前面との対辺寸法Lが短くて、先の第1実施形態
のコイルバネ21を受容する受容孔14を係合部13の
前面に開けると後面側に貫通してしまったり、或いは受
容孔14の奥端面と後面との肉厚が薄くなってしまって
レンチ自体の強度が弱くなってしまうような場合でも、
受容孔14の深さを浅くしてレンチ自体の強度を確保で
きる。よって、この第2発明のものは、対辺寸法Lの長
い係合部13にも適応できるとともに、先の第1実施形
態のコイルバネ21では適応し難いような対辺寸法Lの
短い係合部13にも適応できる点で有利である。
【0024】尚、この第2実施形態の伸縮部44におけ
る隣接する二つの輪状部44a、44aにおける前方側
の外径を、後方側の内径より小さくすることにより、収
縮に際して輪状部44a…44a各々が隣接する後方側
の径大な輪状部44a…44aの径内側に完全に入り込
むようにしているが、この形態のものに限らず、例えば
図4(A)(B)に示すように隣接する二つの輪状部44a、
44aにおける前方側の外径を、後方側の外径より大き
く且つ内径より小さくすることにより、収縮に際して輪
状部44a…44a各々の一部が径内側に入り込むよう
にしても良く、この場合でも、同じ径からなる複数の輪
状部24a…24aから構成したコイルバネ21の伸縮
部24よりも長さを短くでき、レンチ本体1における係
合部13の受容孔14を深さの浅いものにできる。又、
この伸縮部44の全体を、径の異なる輪状部44a…4
4aを並設したものから構成しなくても、例えば径の異
なる輪状部44a…44aを並設した部分と、同じ径の
輪状部44a…44aを並設した部分とから構成するよ
うにしても良く、適宜変更できる。
【0025】又、上記の第1実施形態及び第2実施形態
では、ボルト押圧部32を、コイルバネ21、41と別
体の当接部材3から構成しているが、この形態のものに
限らず、例えば図5に示すようにコイルバネ21の先端
を湾曲状に折り曲げ成形することにより、コイルバネ2
1の先端の一部から一体的にボルト押圧部32を形成す
るようにしても良く、適宜変更し得る。また、コイルバ
ネ21、41と別体の当接部材3から構成する場合、当
接部材3の材質は、特に限定されず、金属製、合成樹脂
製、合成ゴム製等から構成できる。
【0026】次に、第3実施形態について、図6(A) に
基づいて説明する。この第2実施形態のレンチも、先の
第1実施形態のものと同様に、全長に渡って断面六角形
状の棒状体からなるレンチ本体1と、ボルト係合維持手
段10としての受容孔14及び押圧部材2とを備えてお
り、押圧部材2以外は、先の第1実施形態のものと同構
成を採っている。
【0027】この第2実施形態における押圧部材2は、
合成ゴムから構成された弾性体51と、弾性体51の先
端(図6(A) の下方側)側に設けられた当接部材3とを
備えている。この当接部材3は、先の第1実施形態のも
のと同構成を採り、軸部31と、略半球状のボルト押圧
部32とを備えている。弾性体51は、筒状を呈し、後
端側に、レンチ本体1の受容孔14に固定される固定部
52を備え、先端側に、当接部材3を支持する当接部材
支持部53を備え、固定部52と当接部材支持部53と
の間に伸縮部54を備えている。固定部52は、受容孔
14の径よりやや径大に形成されており、受容孔14に
押し入れられることにより、受容孔14の奥部の内壁面
に固定されている。伸縮部54は、固定部52から当接
部材支持部53側に漸次径小になるテーパ状に形成され
ることにより、伸縮部54における内周と外周との間の
肉厚が漸次薄くなるようになされており、軸方向の圧縮
力に対して弾性変形し易いようになされている。当接部
材支持部53は、内周部に、当接部材3の軸部31を支
持している。
【0028】このようにして形成された第2実施形態の
レンチは、先の第1実施形態のものと同様に、係合部1
3を、ボルトBの係合孔B1に入れていくと、ボルト押
圧部32がボルトBの係合孔B1の内壁面に押圧されて
弾性体51の伸縮部54が収縮して、ボルト押圧部32
が略受容孔14内に入り込み、係合部13をボルトBの
係合孔B1に入れることができる。この状態で、ボルト
押圧部32が伸縮部24の弾性によってボルトBの係合
孔B1の内壁面を押圧し、係合部13でボルトBを吊り
下げ支持できる状態に維持できる。尚、この第2実施形
態では、伸縮部54の径を固定部52から当接部材支持
部53側に漸次径小になるテーパ状に形成することによ
り、伸縮部54が伸縮に際して受容孔14の内壁面に当
たらないようにしているが、例えば図6(B) に示すよう
に伸縮部54の径を固定部52と同径にし、受容孔14
における伸縮部54を受容する部分を径大にして伸縮部
54が伸縮に際して受容孔14の内壁面に当たらないよ
うにしても良い。又、この第3実施形態においても、ボ
ルト押圧部32を弾性体51と別体の当接部材3から構
成する形態のものに限らず、弾性体51と一体に形成し
て弾性体51の先端部をボルト押圧部32としても良
く、適宜変更し得る。
【0029】尚、上記第1実施形態〜第3実施形態で
は、係合部13の外周形状を、軸方向に直角な横断面形
状が6角形状で、軸方向に沿う縦断面形状が平面状に形
成したものとしているが、この形態のものに限らず、例
えば図7(A)(B)に示すように係合部13を、軸方向に直
角な横断面形状が6角形状で、軸方向に沿う縦断面形状
が円弧状にした、いわゆるボールレンチに形成しても良
く、適宜変更し得る。
【0030】又、第1実施形態〜第3実施形態では、コ
イルスプリング21、41や弾性体51を、受容孔14
に押し入れることにより固定しているが、この固定手段
は、この形態のものに限らず、例えば図17に示すよう
に、受容孔14の奥部に、コイルスプリング21のピッ
チと同じネジピッチの雌ねじ14aを刻設しておき、コ
イルスプリング21を雌ねじ14aに沿わせて螺合させ
るようにしてネジ形式により固定し、或いは、接着剤に
より、更には他の部材を介して固定する等、適宜変更で
きる。又、コイルスプリング21、41と当接部材3と
の取り付けについても、当接部材3の軸部31をコイル
スプリング21、41の内周部に押し入れるものに限ら
ず、例えば図17に示すように、当接部材3の軸部31
に、コイルスプリング21のピッチと同じネジピッチの
雄ねじ31aを刻設しておき、当接部材3の軸部31を
コイルスプリング21、41の内周部に螺合させるよう
にしてネジ形式により固定しても良い。
【0031】また、上記第1実施形態〜第3実施形態で
は、押圧部材2を係合部13に一つだけ設けたものとし
ているが、押圧部材2を2つ以上設けたものとしても良
く、適宜変更し得る。
【0032】又、本願発明でいうレンチには、上述した
ような手で操作する手動用のレンチの他、電機式又はエ
ア式の回転工具に、ビットとして使用されるものも含む
ものである。詳しくは、このビット100としてのレン
チ100は、図8に示すように、真っ直ぐな断面6角形
状の棒状体からなるレンチ本体101と、ボルト係合維
持手段10とを備えており、レンチ本体101の後端側
は、回転工具110に設けられた嵌挿孔111に嵌挿さ
れて回動不能に取り付けられる工具取付用部102をな
し、レンチ本体101の前端側は、係合部103をな
す。ボルト係合維持手段10は、レンチ本体101の係
合部103に設けられた受容孔104と、受容孔104
内に受容された押圧部材200とを備えている。これら
の受容孔104及び押圧部材200は、先の実施形態の
ものと同構成を採る。尚、この場合においてもレンチ本
体101の係合部103として、図7(A)(B)に示したよ
うなボールレンチに形成しても良く、適宜変更し得る。
【0033】次に、本願発明の第4実施形態について、
図9(A)(B)(C) 及び図10に基づき説明する。本願発明
の第4実施形態のレンチは、ソケットレンチ300とし
て実施されており、レンチ本体301と、係合維持手段
10とを備えている。
【0034】レンチ本体301は、円柱状のものから構
成されており、下端側に、下面から上方側に所定深さで
形成された係合部としての嵌挿孔303が備えられ、上
端側に、上面から下方側に所定深さで形成された連結孔
304が備えられている。
【0035】嵌挿孔303は、内周形状が断面正6角形
状に形成され、ボルトの頭部やナットを、係脱自在且つ
回転不能に嵌挿し得るようになされている。連結孔30
4は、内周形状が断面4角形状に形成されており、この
ソケットレンチ300の使用に際し、ソケットレンチ3
00とは別体からなる操作把持部材310の先端に形成
された4角柱状の連結部311に係脱自在且つ回転不能
に嵌挿されて連結される。
【0036】係合維持手段10は、嵌挿孔303に嵌挿
したボルトBやナットの被締付部材を係合させた状態に
維持させておくためのもので、嵌挿孔303の内壁面に
形成された受容孔314と、受容孔314内に受容され
た押圧部材2とを備えている。
【0037】受容孔314は、嵌挿孔303の内壁面か
ら径外方向に所定深さで形成されている。本実施形態で
は、この受容孔314の形成を、次のようにして行って
いる。まず、嵌挿孔303を開けるドリルDを、レンチ
本体301における図10の右側外周から嵌挿孔303
に貫通させるようにして貫通孔315を形成し、更に、
その貫通孔315から嵌挿孔303に入ったドリルDの
先端を、貫通孔315と対向する嵌挿孔303の内壁面
に当てるようにして受容孔314を内壁面から径外方向
に所定深さで形成する。従って、この第4実施形態のレ
ンチ本体301には、受容孔314と対向する位置に貫
通孔315が形成されたものとなっている。
【0038】押圧部材2は、コイルバネ41と、コイル
バネ41の先端側に設けられた当接部材3とを備えてお
り、これらのコイルバネ41と当接部材3とは、図3
(A)(B)に示した第2実施形態のものと同構成を採ってい
る。詳しくは、コイルバネ41は、後端部に固定部42
を、先端側に当接部材支持部43を、その間に伸縮部4
4を備えており、又、伸縮部44は、先端側に行くに従
い漸次径小になるようにして軸方向に並設された複数の
輪状部44a…44aを備え、収縮に際して輪状部44
a…44a各々が隣接する後方側の径大な輪状部44a
…44aの径内側に順次入り込み可能に形成されている
(図3(A)(B)参照)。この第4実施形態におけるソケッ
トレンチ300のコイルバネ41として、軸方向の先端
側に行くに従い漸次径小になるように並設した複数の輪
状部44a…44aからなるものを使用しているのは、
上述したように輪状部44a…44a間に隙間を形成し
ておかなくても伸縮部44を軸方向に伸縮させることが
でき、コイルバネ41の長さを短くできるため、受容孔
314の深さを浅いものにして、レンチ本体301の外
周から嵌挿孔303までの肉厚を薄くできるからであ
る。一方、当接部材3は、軸部31と、略半球状の押圧
部32とを備え、軸部31が、コイルバネ41の当接部
材支持部43に押し入れられて固定されることにより支
持されている。
【0039】そして、これらのコイルバネ41及びコイ
ルバネ41に支持された押圧部32は、貫通孔315か
ら嵌挿孔303を通して受容孔314に押し入れられ、
コイルバネ41の固定部42が受容孔314の奥部に固
定されることにより、通常状態で押圧部32の先端部が
嵌挿孔303内に突出している。そして、ソケットレン
チ300の嵌挿孔303に、例えばボルトBを嵌挿させ
ていくと、押圧部32がボルトBの外周に押圧されてコ
イルバネ41の付勢力に抗して受容孔314内に沈み込
んでボルトBを嵌挿孔303に嵌挿できるとともに、そ
の嵌挿したボルトBを、押圧部32がコイルバネ41の
付勢力によって押圧し、係合状態に維持できる。
【0040】尚、この第4実施形態では、受容孔314
の形成や受容孔314へのコイルバネ41等の収納を、
貫通孔315を介して行っているが、この形態のものに
限らず、例えば図11に示すように受容孔314を、レ
ンチ本体301の外周から嵌挿孔303に貫通させて形
成するとともに、レンチ本体301の外周側からネジ蓋
320によって受容孔314を塞ぐようにしても良い。
又、図10中に点線で示すようにレンチ本体301の嵌
挿孔303内における係合維持手段10の奥部側に、ボ
ルトBやナットの被締付部材の上面を突き当てる突き当
て用部材303aを設けるようにしても良い。例えば頭
部の厚さの薄いボルトBを嵌挿孔303内に嵌挿する
と、ボルトBの頭部が係合維持手段10を通り越して嵌
挿孔303の奥まで入り込んでしまう場合があるが、こ
のような突き当て用部材303aを設けておくことによ
って、ボルトBの頭部やナットの上面を突き当て用部材
303aに突き当たるまで嵌挿孔303内に入れれば常
時係合維持手段10をボルトBやナットの外周に当接さ
せることができる。
【0041】又、第4実施形態では、レンチ本体301
に連結孔303を設けたソケットレンチとし、使用に際
して、連結孔303を介して別体の操作把持部材310
に連結されるものとしているが、この形態のもの限ら
ず、例えば図12(A) に示すように操作把持部材310
の両端夫々に又は一方に、上記係合維持手段10を有す
るレンチ本体301、301を取り外し不能且つ回動自
在に取付けた、所謂ボックスレンチ( 図12(A) では両
端に設けたものを図示) や、図12(B)(C)に示すように
操作把持部材310の両端夫々に又は一方に、上記係合
維持手段10を有するレンチ本体301、301を固定
したボックスレンチとして実施しても良く、適宜変更し
て実施できる。また、連結孔303を設ける場合、これ
に連結する部材は手動用の操作把持部材310に限ら
ず、動力用の工具であっても良く、適宜変更できる。
尚、これらにも、図11に示したような突き当て用部材
303aを設けるようにしても良い。
【0042】また、ソケットレンチ300の場合は、レ
ンチ本体301における嵌挿孔303と外周までの肉厚
が薄いために、受容孔314が浅いものになり、長さの
短いコイルバネ41を使用しなければならず、その結
果、コイルバネ41の伸縮し得る距離が短くなるととも
に、弾性力も弱いものになる恐れがある。そこで、次の
ように構成した係合維持手段80を有するソケットレン
チ9も有効である。このソケットレンチ9は、図18
(A)(B)(C) 及び図19(A)(B)に示すようにレンチ本体9
0と、係合維持手段80とを備えている。レンチ本体9
0は、円柱状のものから構成されており、下部側の外周
には、周方向に沿う嵌挿溝95が備えられている。又、
下面側には、下面から上方側に所定深さで形成された嵌
挿孔91が備えられ、上面側に、上面から下方側に所定
深さで形成された連結孔92が備えられている。
【0043】嵌挿孔91は、内周形状が断面正6角形状
に形成され、ボルトの頭部やナットを、係脱自在且つ回
転不能に嵌挿し得るようになされている。連結孔92
は、内周形状が断面4角形に形成されており、このソケ
ットレンチ9の使用に際し、ソケットレンチ9とは別体
からなる操作把持部材98の先端に形成された4角柱状
の連結部98aに係脱自在且つ回転不能に嵌挿されて連
結される。
【0044】係合維持手段80は、レンチ本体90に設
けられた摺動用孔94と、当接部材81と、当接部材8
1を付勢する付勢部材82とを備えている。摺動用孔9
4は、レンチ本体90の嵌挿溝95内の外周から径方向
に開けられて嵌挿孔91に貫通されている。又、摺動用
孔94における嵌挿孔91側の先端側には、段部94a
を介して径小に形成された押圧部嵌挿用孔94bが備え
られている。
【0045】当接部材81は、軸部81bと、軸部81
bの先端に設けられた押圧部81aを備えている。軸部
81bは、摺動用孔94の押圧部嵌挿用孔94bの径よ
り径大に形成されている。押圧部81aは、ボルトやナ
ットの被締付部材に当接する部分で、摺動用孔94の当
接部嵌挿用孔94bの径より径小に形成されている。そ
して、当接部材81がレンチ本体90の摺動用孔94
に、レンチ本体90の外周側から摺動自在に入れられ
る。摺動用孔94に入った当接部材81は、軸部81b
の先端が段部94aに当接するまで入って止まり、それ
以上嵌挿孔91側に入り込むことがない。又、この当接
部材81が段部94aに当接した状態で、当接部材81
の押圧部81aが当接部嵌挿用孔94bから嵌挿孔91
内に突出した状態になる。
【0046】付勢部材82は、当接部材81を径内方向
の嵌挿孔91側に付勢するためのもので、開口部82a
を有する環状の板バネ82から構成されている。そし
て、この板バネ82は、レンチ本体90の嵌挿溝95に
嵌め入れられることにより、レンチ本体90の外周に取
り付けられる。又、このレンチ本体90への取り付けに
伴い、図19(A) に示すように摺動用孔94に入った当
接部材81の後端に当接して当接部材81を径内側の嵌
挿孔91側に付勢し、当接部材81を常時、段部94a
に当接した状態にしている。
【0047】このように構成されたソケットレンチ9の
嵌挿孔91に、例えばボルトBを嵌挿させていくと、図
19(B) に示すように押圧部81aがボルトBの外周に
押圧される。この押圧により、板バネ82が当接部材8
1に内周側から押圧されて開口部82aの開口幅を大き
くしながら径大に弾性変形し、当接部材81が摺動用孔
94内をレンチ本体90の外周側に摺動する。これによ
り、当接部材81の押圧部81aが摺動用孔94内に略
沈み込んでボルトBを嵌挿孔91に嵌挿できるととも
に、その嵌挿したボルトBを、当接部81が板バネ82
の付勢力によって押圧し、係合状態に維持できる。
【0048】尚、付勢部材82は、環状の板バネ82か
ら構成するものに限らず、輪状のゴムから構成しても良
い。又、図20に示すように当接部材81と付勢部材8
2とを、ボルト等の取付手段によって取り付けておいて
も良い。当接部材81を付勢部材82に取り付ける場合
は、当接部材81の押圧部81aだけを当接部嵌挿用孔
94bから嵌挿孔91内に突出した状態に維持できるた
め、摺動用孔94に段部94aを設けなくても良く、摺
動用孔94の形成を容易なものにできる。また、当接部
材81は、球状体のものから構成しても良い。
【0049】又、ソケットレンチ9に、係合維持手段8
0と共に、係合維持手段80を解除した状態にしておく
係合維持手段解除機構85を設けたものにしても良い。
詳しくは、図21(A)(B)に示すように、このソケットレ
ンチ9は、レンチ本体90と、係合維持手段80と、係
合維持手段解除機構85とを備えている。レンチ本体9
0は、図18(A)(B)(C) に示したものと同様のもので、
外周に嵌挿溝95が備えられ、下面側には、ボルトの頭
部やナットを係脱自在且つ回転不能に嵌挿し得る断面正
6角形状の嵌挿孔91が備えられ、上面側には、図示し
ないが連結孔が備えられている。
【0050】係合維持手段80は、レンチ本体90に設
けられた摺動用孔94と、当接部材81と、当接部材8
1を付勢する付勢部材82とを備えている。摺動用孔9
4は、図18(A)(B)(C) に示したものと同構成を採って
いる。
【0051】当接部材81は、この実施形態では、球状
体から構成され、先端側の一部が押圧部81aをなして
いる。この当接部材81の径は、摺動用孔94の径より
小さく、当接部嵌挿用孔94bより大きく形成されてい
る。そして、当接部材81がレンチ本体90の摺動用孔
94に、レンチ本体90の外周側から移動可能に入れら
れる。摺動用孔94に入った当接部材81は、段部94
aに当接するまで入って止まり、その状態で当接部材8
1の先端一部が当接部嵌挿用孔94bから嵌挿孔91内
に突出した状態になる。
【0052】付勢部材82は、図22に示すように開口
部82aを有する環状の板バネ82から構成されてい
る。又、この板バネ82の側面に、逃がし用孔82bが
穿設されている。この逃がし用孔82bは、摺動用孔9
4内の当接部材81の一部を受容して当接部材81を摺
動用孔94内の径外側に逃がしためのもので、当接部材
81の径より径小に形成されている。そして、この板バ
ネ82は、レンチ本体90の嵌挿溝95に周方向に回動
自在に嵌め入れられるようにしてレンチ本体90の外周
に取り付けられる。
【0053】そして、このソケットレンチ9の係合維持
手段80によってボルト等の被締付部材を係合させる場
合は、図21(A) に示すように板バネ82の逃がし用孔
82bを、レンチ本体90の摺動用孔94からずらした
位置にしておく。これにより、板バネ82が摺動用孔9
4に入った当接部材81の後端に当接して当接部材81
を径内側の嵌挿孔91側に付勢し、当接部材81を常
時、段部94aに当接させて当接部材81の先端一部を
レンチ本体90の嵌挿孔91に突出させた状態にでき
る。従って、この状態からレンチ本体90の嵌挿孔91
に、例えばボルトBを嵌挿させていけば、図21(B) に
示すようにレンチ本体90の嵌挿孔91に突出した当接
部材81の先端がボルトBの外周に押圧され、当接部材
81が摺動用孔94内をレンチ本体90の外周側に摺動
する。これにより、当接部材81が摺動用孔94内に略
沈み込んでボルトBを嵌挿孔91に嵌挿できるととも
に、その嵌挿したボルトBを、当接部81が板バネ82
の付勢力によって押圧し、係合状態に維持できる。
【0054】一方、ソケットレンチ9の係合維持手段8
0を使用しない場合は、板バネ82をレンチ本体90に
対して回動させ、図23(A) に示すように板バネ82の
逃がし用孔82bと、レンチ本体90の摺動用孔94と
を合致させる。これにより、当接部材81は、先端側が
摺動用孔94の段部94aに当接してレンチ本体90の
嵌挿孔91に突出した図23(A) に示す状態から、図2
3(B) に示すように当接部材81の後端側が逃がし用孔
82bに入り込んで先端側が摺動用孔94内に入り込む
までの範囲を自在に移動する。従って、当接部材81が
レンチ本体90の嵌挿孔91に突出した状態から、レン
チ本体90の嵌挿孔91に、ボルトBを嵌挿させていく
と、図23(B) に示すようにレンチ本体90の嵌挿孔9
1に突出した当接部材81の先端がボルトBの外周に押
圧され、当接部材81が摺動用孔94内をレンチ本体9
0の外周側に逃げる。又、その状態では、当接部材81
は、逃がし用孔82bに入り込んで板バネ82に付勢さ
れていないため、ボルトBを押圧することがない。この
ように構成することにより、係合維持手段80によって
ボルト等の被締付部材を係合させると被締付部材を締緩
する操作が却って不便になるような場合は、係合維持手
段80を解除した状態して使用できる。尚、この実施形
態においても、当接部材81を球状体から構成する形態
のものに限らず、例えば図19(A)(B)に示すような軸部
81を有するものから構成するとともに、軸部81の後
端側を半球状に形成したものを使用できる。
【0055】以上、この係合維持手段80を有するソケ
ットレンチ9は、レンチ本体90と、係合維持手段80
とを備え、レンチ本体90は、ボルトの頭部やナットを
係脱自在且つ回転不能に嵌挿し得る嵌挿孔91を備え、
係合維持手段80は、レンチ本体90に設けられた摺動
用孔94と、先端に押圧部81aを有する当接部材81
と、当接部材81を付勢する付勢部材82とを備え、摺
動用孔94がレンチ本体90の外周から嵌挿孔91に貫
通され、当接部材81が、摺動用孔94内に摺動自在に
配位されることにより、当接部材81の押圧部81aが
嵌挿孔91内に出没可能とされ、付勢部材82が、レン
チ本体90の摺動用孔94における外周側に取り付けら
れることにより、付勢部材82が当接部材81をレンチ
本体90の外周側から嵌挿孔91側に付勢し、この付勢
によって当接部材81の押圧部81aが嵌挿孔91内に
突出されるとともに、付勢部材82の付勢力に抗して摺
動用孔94内に沈み込むようになされたものである。
又、この付勢部材82は、開口部82aを有する環状の
板バネ82から構成されたものである。更に、上記ソケ
ットレンチ9には、係合維持手段80を解除した状態に
しておく係合維持手段解除機構85を設けたものであ
る。また、この係合維持手段解除機構85は、レンチ本
体90の外周側に周方向に回動可能に取り付けられた板
バネ82に穿設された逃がし用孔82bを備えたもので
あり、この逃がし用孔82bが、板バネ82のレンチ本
体90に対する回動操作に伴って、レンチ本体90の摺
動用孔94に合致されることにより、摺動用孔94内の
当接部材81の後端一部が逃がし用孔82bに入り込ん
で当接部材81の先端が摺動用孔94内に自在に沈み込
み可能とされ、この沈み込みによって、当接部材81と
ボルト等の被締付部材とを係合不能状態にしておくこと
ができるものである。以上が、板バネ82を設けた係合
維持手段80を有するソケットレンチ9の説明である。
【0056】次に、図13及び図14に戻って、本願発
明の第5実施形態について説明する。本願発明の第5実
施形態のレンチは、メガネレンチ400として実施され
ている。このメガネレンチ400は、レンチ本体401
と、係合維持手段10とを備えている。
【0057】レンチ本体401は、長尺板状の操作把持
部410と、操作把持部410の左端側に形成された係
合部としての嵌挿孔403とが備えられている。この嵌
挿孔403は、内周形状が断面正12角形状に形成さ
れ、ボルトの頭部やナットを係脱自在且つ回転不能に嵌
挿し得るようになされている。
【0058】係合維持手段10は、先の第4実施形態の
ものと同構成を採る。詳しくは、貫通孔415を介して
嵌挿孔403の内壁面に形成された受容孔414と、受
容孔414内に受容された押圧部材2とを備えている。
押圧部材2は、先端側に行くに従い漸次径小になるよう
にして軸方向に並設された複数の輪状部44a…44a
からなる伸縮部44と固定部42と当接部材支持部43
とを有するコイルバネ41と、コイルバネ41の当接部
材支持部43に支持された軸部31と押圧部32とを有
する当接部材3とを備えている。この第5実施形態にお
けるメガネレンチ400のコイルバネ41として、軸方
向の先端側に行くに従い漸次径小になるように並設した
複数の輪状部44a…44aからなるものを使用してい
るのも、輪状部44a…44a間に隙間を形成しておか
なくても伸縮部44を軸方向に伸縮させることができ、
コイルバネ41の長さを短くできるため、受容孔314
の深さを浅いものにして、レンチ本体301の外周から
嵌挿孔303までの肉厚を薄くできるからである。そし
て、これらのコイルバネ41及びコイルバネ41に支持
された押圧部32は、貫通孔415を介して受容孔41
4に押し入れられ、コイルバネ41の固定部42が嵌挿
孔403の奥部に固定されることにより、通常状態で押
圧部32の先端部が嵌挿孔403内に突出している。そ
して、このメガネレンチ400の嵌挿孔403に、例え
ばボルトBを嵌挿させていくと、押圧部32がボルトB
の外周に押圧されてコイルバネ41の付勢力に抗して受
容孔414内に沈み込んでボルトBを嵌挿孔403に嵌
挿できるとともに、その嵌挿したボルトBを、押圧部3
2がコイルバネ41の付勢力によって押圧し、係合状態
に維持できる。
【0059】尚、第5実施形態では、操作把持部410
の一方側に嵌挿孔403を設けたメガネレンチ400と
しているが、例えば操作把持部410の両側に嵌挿孔4
03、403を夫々設けたものして実施でき、適宜変更
し得る。又、このメガネレンチ400の嵌挿孔403に
も、図14中に点線で示すように、突き当て用部材40
3aを設けるようにしても良く、こうすることにより、
ボルトBの頭部やナットの上面を突き当て用部材403
aに突き当たるまで嵌挿孔403内に入れれば常時係合
維持手段10をボルトBやナットの外周に当接させるこ
とができ、ボルトBやナットが嵌挿孔403を通り抜け
当接した係合維持手段10から外れるようなことを防止
できる。
【0060】又、上記第4実施形態及び第5実施形態に
おける嵌挿孔303、403の形状は、ボルトの頭部や
ナットを係脱自在且つ回転不能に嵌挿し得る形状であれ
ば良く、断面6角形状、断面12角形状、断面24角形
状等、適宜変更し得る。
【0061】次に、本願発明の第6実施形態について、
図15及び図16に基づき説明する。第6実施形態のレ
ンチは、スパナレンチ500として実施されており、こ
のスパナレンチ500は、レンチ本体501と、係合維
持手段10とが備えられている。
【0062】レンチ本体501は、長尺板状の操作把持
部510と、操作把持部510の左端側に形成された係
合部としての嵌挿孔503が備えられている。この嵌挿
孔503は、左方側にボルトの頭部やナットを出し入れ
可能な開口部503aを備えており、開口部503aを
介して、ボルトの頭部やナットの側方側から嵌挿孔50
3にボルトの頭部やナットを係脱自在且つ回転不能に嵌
挿し得るようになされている。
【0063】係合維持手段10は、先の第4、第5実施
形態のものと同構成を採っており、図14及び図15に
示すように貫通孔515を介して嵌挿孔503の内壁面
に形成された受容孔514と、受容孔514内に受容さ
れた押圧部材2とを備えている。押圧部材2は、先端側
に行くに従い漸次径小になるようにして軸方向に並設さ
れた複数の輪状部44a…44aからなる伸縮部44
と、固定部42と、当接部材支持部43とを有するコイ
ルバネ41と、コイルバネ41の当接部材支持部43に
支持された軸部31と押圧部32とを有する当接部材3
とを備えている。尚、この第6実施形態においても、軸
方向の先端側に行くに従い漸次径小になるように並設さ
れた複数の輪状部44a…44aを備えたものを使用し
ているのは、第4実施形態や第5実施形態の場合と同じ
理由からである。そして、これらのコイルバネ41及び
コイルバネ41に支持された押圧部32は、貫通孔51
5を介して受容孔514に押し入れられ、コイルバネ4
1の固定部42が嵌挿孔503の奥部に固定されること
により、通常状態で押圧部32の先端部が嵌挿孔503
内に突出している。そして、このスパナレンチ500の
嵌挿孔503に、例えばボルトBを嵌挿させていくと、
押圧部32がボルトBの外周に押圧されてコイルバネ4
1の付勢力に抗して受容孔414内に沈み込んでボルト
Bを嵌挿孔503に嵌挿できるとともに、その嵌挿した
ボルトBを、押圧部32がコイルバネ41の付勢力によ
って押圧し、係合状態に維持できる。
【0064】尚、この第6実施形態では、操作把持部5
10の一方に嵌挿孔501を設けたスパナレンチとして
いるが、例えば操作把持部510の両側各々に嵌挿孔5
01、501を設けたスパナレンチであっても良く、或
いは内幅L1を自在に調整可能にした、所謂モンキーレ
ンチとして実施することもでき、適宜変更できる。以上
が、第6実施形態の説明である。
【0065】尚、第4実施形態〜第6実施形態では、軸
方向の先端側に行くに従い漸次径小になるように並設し
た複数の輪状部44a…44aからなる伸縮部44を有
するコイルスプリング41を使用しているが、図1(B)
に示すコイルスプリング21や図4(A)(B)に示すコイル
スプリング41、又は、図5に示すコイルスプリング2
1、或いは図6(A)(B)に示す弾性体51を使用すること
もでき、適宜変更できる。ただし、図1(B) や図5に示
すような同径の複数の輪状部24a…24aからなる伸
縮部24を有するコイルバネ21や、図6(A)(B)に示す
弾性体51を使用する場合は、軸方向の先端側に行くに
従い漸次径小になるように並設した複数の輪状部44a
…44aからなる伸縮部44を有するコイルスプリング
41に比して全長が長くなるため、深さの深い受容孔3
14、414、514を形成しなければならず、その結
果、レンチ本体301、401、501の外周から嵌挿
孔303、403、503までの肉厚の厚いものにな
り、軽量化を図れなくなってしまう。従って、このよう
な点から、軸方向の先端側に行くに従い漸次径小になる
ように並設した複数の輪状部44a…44aからなる伸
縮部44を有するコイルスプリング41を使用するのが
好ましい。
【0066】又、第4実施形態〜第6実施形態において
も、コイルスプリング41を受容孔314、414、5
14に押し入れることにより固定する形態のものに限ら
ず、例えば図17に示したように、受容孔の奥部に、コ
イルスプリングのピッチと同じネジピッチの雌ねじを刻
設しておき、コイルスプリングを雌ねじに沿わせて螺合
させるようにしてネジ形式により固定し、或いは、接着
剤により、更には他の部材を介して固定する等、適宜変
更できる。又、コイルスプリングと当接部材との取り付
けについても、当接部材の軸部をコイルスプリングの内
周部に押し入れるものに限らず、例えば図17に示すよ
うに、当接部材の軸部に、コイルスプリングのピッチと
同じネジピッチの雄ねじを刻設しておき、当接部材の軸
部をコイルスプリングの内周部に螺合させるようにして
ネジ形式により固定するようにしても良く、適宜変更で
きる。
【0067】また、上記第4実施形態〜第6実施形態に
おいても、押圧部材2を嵌挿孔303、403、503
に一つだけ設けたものとしているが、押圧部材2を2つ
以上設けたものとしても良く、適宜変更し得る。又、第
4〜第6実施形態における当接部材3の材質について
も、特に限定されず、金属製、合成樹脂製、合成ゴム製
等を使用できる。
【0068】本願発明のレンチは、上記実施形態で例示
した6角棒状のレンチ、ソケットレンチ、メガネレン
チ、スパナレンチに限らず、例えば一端側にソケットレ
ンチを設け、他端側にスパナレンチ又はメガネレンチを
設けてソケットレンチと、スパナレンチ又はメガネレン
チとを組み合わせたもの、或いは、一端側にスパナレン
チを設け、他端側にメガネレンチを設けてスパナレンチ
とメガネレンチとを組み合わせたもの、その他、これら
に類似するもの等、ボルトやナットの被締付部材を締緩
するのに使用するレンチに実施でき、適宜変更して使用
できるものである。
【0069】
【発明の効果】以上、本願第1〜第3の発明は、押圧部
材2、200の後端側を係合部13、103、303、
403、503の受容孔14、104、304、40
4、504内に固定するため、従来のように熱処理後の
レンチ本体に機械加工によってボール抜け止め部を形成
する必要がなく、容易に低コストに製作できる。又、本
願第2の発明のように、係合部が嵌挿孔303、40
3、503から構成されているソケットレンチ300や
メガネレンチ400、或いはスパナレンチ500のよう
な場合でも、嵌挿孔303、403、503の内壁面か
ら径外方向に開けた受容孔304、404、504の奥
部に押圧部材2、200の後端側を固定すれば良く、ボ
ール抜け止め部の形成を不要にでき、容易に低コストに
製作できる。
【0070】本願第4の発明は、収縮に際し、輪状部4
4a…44a各々が隣接する後方側の径大な輪状部44
a…44aの径内側に順次入り込むようにして伸縮部4
4を弾性変形させることができ、同じ径からなる複数の
輪状部24a…24aから構成したコイルバネ21の伸
縮部24よりも長さを短くできる。これにより、レンチ
本体1における係合部13の受容孔14を深さの浅いも
のにでき、ねじ径の小さいボルトに係合させる対辺寸法
Lの短い係合部13にもボルト係合維持手段10を形成
できる。一方、輪状部44a…44aを、軸方向に順次
径小のものから径大のものになるように並設した伸縮部
44を有するコイルバネ41を用いることにより、ソケ
ットレンチ300やメガネレンチ400、或いはスパナ
レンチ500のような場合には、受容孔304、40
4、504の深さを浅くでき、外壁面から嵌挿孔30
3、403、503の内壁面までの肉厚を薄くできる。
これにより、全体の軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A) は、本願発明のレンチの第1実施形態の正
面図、 (B)は、図1(A) のI −I 線断面図である。
【図2】(A) は、第1実施形態のレンチの係合部を、ボ
ルトの係合孔に係合させた状態の正面図、(B) は、図2
(A) のII−II線断面図である。
【図3】(A) は、本願発明のレンチの第2実施形態の断
面図、 (B)は、第2実施形態のレンチの係合部を、ボル
トの係合孔に係合させた状態の断面図である。
【図4】(A) は、第2実施形態におけるコイルバネの他
の実施形態を示す断面図、 (B)は、その第2実施形態に
おけるコイルバネの他の実施形態を、ボルトの係合孔に
係合させた状態の断面図である。
【図5】ボルト押圧部の他の実施形態を示す断面図であ
る。
【図6】(A) は、本願発明のレンチの第3実施形態の断
面図、 (B)は、第3実施形態のにおける弾性体の他の実
施形態の断面図である。
【図7】(A) は、レンチ本体の係合部の他の実施形態を
示す正面図、 (B)は、図7(A)のVII −VII 線断面図で
ある。
【図8】レンチの他の実施形態を示す正面図である。
【図9】本願発明の第4実施形態のソケットレンチに係
り、(A) は、その側面図、 (B)は、その正面図、(C)
は、底面図である。
【図10】図9(C) のX −X 線断面図である。
【図11】第4実施形態のソケットレンチにおける受容
孔にネジ蓋を設けた場合の断面図である。
【図12】(A) は、ソケットレンチの他の実施形態の側
面図、 (B)は、ソケットレンチの更に他の実施形態の側
面図、(C) は、ソケットレンチの更に他のもう一つの実
施形態の側面図である。
【図13】本願発明の第5実施形態のメガネレンチの平
面図である。
【図14】図13のIV−IV線断面図である。
【図15】本願発明の第6実施形態のスパナレンチの平
面図である。
【図16】図15のVI−VI線断面図である。
【図17】コイルバネと、受容孔及び当接部材とをネジ
形式により固定した状態の要部拡大断面図である。
【図18】板バネを設けた係合維持手段を有するソケッ
トレンチの説明図に係り、(A) は、その平面図、(B)
は、その正面図、(C) は、その底面図である。
【図19】(A) は、図18のVIII−VIII線断面図、(B)
は、被締付部材を嵌挿孔に入れた状態の断面図である。
【図20】板バネを設けた係合維持手段を有するソケッ
トレンチの他の実施形態の断面図である。
【図21】板バネを設けた係合維持手段を有するソケッ
トレンチの更に他の実施形態の説明図に係り、(A) は、
その断面図、(B) は、被締付部材を嵌挿孔に入れた状態
の断面図である。
【図22】板バネを設けた係合維持手段を有するソケッ
トレンチの他の実施形態における板バネの斜視図であ
る。
【図23】(A) は、板バネを設けた係合維持手段を有す
るソケットレンチの他の実施形態における板バネの逃が
し用孔とレンチ本体の摺動用孔とを合致させた状態の断
面図、(B) は、その逃がし用孔と摺動用孔とを合致させ
た状態で、被締付部材を嵌挿孔に入れた状態の断面図で
ある。
【図24】(A) は、従来例の正面図、(B) は、図24
(A) のIX−IX線断面図である。
【符号の説明】
1…レンチ本体、2…押圧部材、3…当接部材、51…
弾性体、13、、103、303、403、503…係
合部、14、104、304、404、504…受容
孔、21、41…コイルバネ、22、42、52…固定
部、23、43、53…当接部材支持部、24、44、
54…伸縮部、32…押圧部、100…ビット、300
…ソケットレンチ、400…メガネレンチ、500…ス
パナレンチ、B…ボルト、B1…係合孔

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ボルト(B) やナットの被締付部材に係脱自
    在且つ回動不能に係合する係合部(13)(103)(303)(403)
    (503)が備えられ、この係合部(13)(103)(303)(403)(50
    3)が、受容孔(14)(104)(304)(404)(504)と、受容孔(14)
    (104)(304)(404)(504)内に受容された押圧部材(2)(200)
    とを備え、 この押圧部材(2)(200)の先端側には、係合した被締付部
    材を押圧する押圧部(32)が備えられ、押圧部材(2)(200)
    の後端側には、受容孔(14)(104)(304)(404)(504)内に固
    定される固定部(22)(42)(52)が備えられ、押圧部材(2)
    (200)における押圧部(32)と固定部(22)(42)(52)との間
    に、弾性変形により伸縮する伸縮部(24)(44)(54)が備え
    られ、 この押圧部材(2)(200)の固定部(22)(42)(52)が、受容孔
    (14)(104)(304)(404)(504)内に固定されることにより、
    押圧部(32)の先端が受容孔(14)(104)(304)(404)(504)内
    から係合部(13)(103) に突出されるとともに、押圧部(3
    2)が伸縮部(24)(44)(54)の弾性に抗して押圧されるに伴
    って受容孔(14)(104)(304)(404)(504)内に沈み込むよう
    になされたものであることを特徴とするレンチ。
  2. 【請求項2】上記係合部が、嵌挿孔(303)(403)(503) か
    ら構成されることにより、嵌挿孔(303)(403)(503) 内に
    被締付部材が係脱自在且つ回動不能に嵌挿されるように
    なされ、受容孔(304)(404)(504) が、嵌挿孔(303)(403)
    (503) の内壁面から径外方向に開けられたものであるこ
    とを特徴とする請求項1記載のレンチ。
  3. 【請求項3】ボルト(B) に設けた係合孔(B1)に係脱自在
    且つ回動不能に係合する係合部(13)(103) を一端側に有
    する棒状のレンチ本体(1)(100)と、レンチ本体(1)(100)
    の係合部(13)(103) に設けられた受容孔(14)(104) と、
    受容孔(14)(104) 内に受容された押圧部材(2)(200)とを
    備え、 この押圧部材(2)(200)の先端側には、係合したボルト
    (B) を押圧するボルト押圧部(32)が備えられ、押圧部材
    (2)(200)の後端側には、係合部(13)(103) の受容孔(14)
    (104) 内に固定される固定部(22)(42)(52)が備えられ、
    押圧部材(2)(200)におけるボルト押圧部(32)と固定部(2
    2)(42)(52)との間に、弾性変形により伸縮する伸縮部(2
    4)(44)(54)が備えられ、 この押圧部材(2)(200)の固定部(22)(42)(52)が係合部(1
    3)(103) の受容孔(14)(104) 内に固定されることによ
    り、ボルト押圧部(32)の先端が係合部(13)(103)の受容
    孔(14)(104) から係合部(13)(103) の外周側に突出され
    るとともに、ボルト押圧部(32)が伸縮部(24)(44)(54)の
    弾性に抗して押圧されるに伴って係合部(13)(103) の受
    容孔(14)(104) 内に沈み込むようになされたものである
    ことを特徴とするレンチ。
  4. 【請求項4】押圧部材(2)(200)の伸縮部(44)が、径の異
    なる複数の輪状部(44a) を有するコイルバネ(41)から構
    成されたものであり、このコイルバネ(41)の複数の輪状
    部(44a) が、軸方向に順次径小のものから径大のものに
    なるように並設されるとともに、収縮に際して輪状部(4
    4a) 各々の少なくとも一部が隣接する径大な輪状部(44
    a) の径内側に順次入り込み可能に形成されたものであ
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のレ
    ンチ。
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