JP2000225510A - ドリルビット及びその製造方法 - Google Patents

ドリルビット及びその製造方法

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JP2000225510A
JP2000225510A JP11031277A JP3127799A JP2000225510A JP 2000225510 A JP2000225510 A JP 2000225510A JP 11031277 A JP11031277 A JP 11031277A JP 3127799 A JP3127799 A JP 3127799A JP 2000225510 A JP2000225510 A JP 2000225510A
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drill
shank
hole
drill bit
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Kunio Ajimi
國雄 安心院
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HOUSE BM KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単かつ製造容易な構造で、ドリルとドリル
保持部材とが確実に共回りし得るように連結する。 【解決手段】 ドリル刃14b及びシャンク14cを有
するドリル14と、シャンク嵌挿用の嵌挿孔11が軸方
向に穿設されたドリル保持部材12とからなるドリルビ
ット10及びその製造方法。ドリル14の基端部に被係
止部14eを設ける。ドリル保持部材12には嵌挿孔1
1と途中まで交差する有底のラジアル孔13を設け、こ
れにより嵌挿孔11の奥方に係止部10eを形成する。
この係止部10eと被係止部14eとの係合によってド
リル保持部材12に対するドリル14の相対回転を規制
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドリルビット及び
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ドリルビットとしては、例えば
特公平8−18213号公報に示されるように、周面に
螺旋状のドリル刃が形成されたドリル部と、このドリル
よりも大径の保持部とを有するものが知られている。か
かるドリルビットは、前記保持部が例えば電動の回転駆
動源に保持された状態で回転駆動される。
【0003】従来、このようなドリルビットを製造する
にあたっては、単一の金属材料を旋盤等で切削加工する
ことにより前記ドリル部と保持部とを一体に形成すると
いった手法が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記のようなドリルビ
ットの製造では、切削加工が非常に面倒で、しかも必要
加工量が多い。従って、コストが著しく高くなる不都合
がある。
【0005】このような不都合を解消する手段として、
前記ドリルビットを前記ドリル部に相当するドリルと前
記保持部に相当するドリル保持部材とに分割し、このド
リル保持部材に設けた嵌挿孔にドリル基端部のシャンク
を嵌挿して一体化することが考えられる。そのための構
造の一例を図8(a)〜(c)に示す。
【0006】同図(a)に示すドリルビット100で
は、ドリル200が、先端側のドリル本体201と、基
端側の円柱状シャンク202とを一体に有し、ドリル本
体201に螺旋状のドリル刃203が形成され、シャン
ク202の端部に雄ねじ204が螺設されている。
【0007】一方、ドリル保持部材300は、ドリル2
00より大径の円柱状に形成され、先端面から軸心と同
心のねじ孔301が螺設されている。このねじ孔301
に前記シャンク202の雄ねじ204が螺着されること
によってドリル200がドリル保持部材300に装着さ
れるようになっている。
【0008】同図(b)に示すドリルビット101で
は、前記雄ねじ204及びねじ孔301を設けるのに代
え、ドリル保持部材310に設けられた通常の嵌挿孔3
11にシャンク202を嵌挿した後、その接合部分を銀
やニッケル合金からなるろう材312でろう付けするこ
とにより、ドリルビット101が形成されている。
【0009】同図(c)に示すドリルビット101で
は、シャンク202の外周面に偏平部204を形成する
一方、ドリル保持部材320の外周面からシャンク嵌挿
孔321に向けて前記偏平部204に通ずる圧入孔(ま
たはねじ孔)322を設け、偏平部204が圧入孔(ま
たはねじ孔)322に対向するようにシャンク202を
嵌挿孔321に嵌挿した状態で圧入孔(またはねじ孔)
322に金属片(またはおねじ)400を挿入すること
により、ドリル200の回り止めが行われる。
【0010】しかしながら、前記図8(a)に示すドリ
ルビット100では、ドリル200とドリル保持部材3
00とが単にねじ結合されているだけであるため、穿孔
作業時の振動によって螺着状態が弛み、ドリル保持部材
300に対してドリル200が振動したり、場合によっ
てはドリル200がドリル保持部材300から外れてし
まうおそれがある。
【0011】また、同図(b)に示すドリルビット10
1では、作業中にドリル200に大きなトルクが作用し
た場合、ろう付け部分の強度がもたずに当該部分が破損
するおそれがあり、この場合にはドリル200がドリル
保持部材310に対して空転してしまう(すなわちトル
クが伝達されなくなる)状態となり、使用不能となるお
それがある。特に、前記シャンク202と嵌挿孔311
との間へのろう材の充填が不完全な状態(ろう付け不良
状態)では、少しのトルクが作用しただけでもろう付け
部分が破損するおそれがあり、高い信頼性は得にくい。
【0012】同図(c)に示す構造も、作業時に生じる
振動や遠心力によって金属片(またはおねじ)400が
圧入孔(またはねじ孔)322から抜け出すおそれがあ
り、ドリル200の回り止めを確実にするための有効な
解決手段とはなっていない。また、金属片400の分だ
け部品点数が増えるとともに、この金属片400を圧入
孔322に挿入する作業の分だけ工数が増え、コストは
高くなる。
【0013】その他、前記シャンク202を嵌挿孔31
1内に焼きばめや圧入等の手段でしまりばめすることも
考えられるが、このようなしまりばめによる固定のみで
は、ドリル使用時に発生する大きなトルクに対抗するこ
とが難しく、ドリル200がドリル保持部材300に対
して相対回転してしまうおそれがある。
【0014】本発明は、前記のような問題点を解消する
ためになされたものであり、簡単かつ製造容易な構造
で、ドリルとドリル保持部材との相対回転を確実に規制
できるドリルビット及びその製造方法を提供することを
目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段として、本発明は、ドリル刃及びシャンクを有す
るドリルと、シャンク嵌挿用の嵌挿孔を有するドリル保
持部材とからなるドリルビットであって、前記ドリル保
持部材に前記嵌挿孔の奥端と交差するラジアル孔を当該
嵌挿孔の径方向途中位置まで形成することにより当該嵌
挿孔の奥方に係止部を形成し、この係止部と係合される
被係止部を前記シャンクの端部に形成し、これら係止部
と被係止部との係合により前記ドリル保持部材に対する
ドリルの相対回転を規制しているものである。
【0016】このドリルビットによれば、ドリルのシャ
ンクをドリル保持部材の嵌挿孔に嵌挿し、当該シャンク
の被係止部を嵌挿孔奥方の係止部に係合するだけで、ド
リルとドリル保持部材との相対回転を確実に規制するこ
とができる。従って、この状態で前記ドリル保持部材を
所定の回転駆動源に装着して回転させることにより、ド
リルビット全体を一体に回転させて穿設作業を行うこと
ができる。
【0017】また、前記被係止部は前記嵌挿孔奥端と交
差するラジアル孔の形成によってドリル保持部材に一体
に形成されたものであるので、部品点数が少なく、従来
のように回り止めピンを圧入するといった工程もいらな
い。
【0018】前記被係止部は、例えば前記シャンクを前
記回り止め部材の頭部と係合可能な形状に切り欠くこと
によって、簡単に形成することができる。
【0019】前記シャンクは、前記嵌挿孔にすきまばめ
してろう付け等で固定するようにしてもよいし、圧入あ
るいは焼きばめ、冷やしばめ等の手段でしまりばめする
ようにしてもよい。
【0020】前記シャンクは、その被係止部が前記係止
部に対して軸方向に当接するまで前記嵌挿孔内に嵌挿す
るのが、より好ましい。これにより、ドリル保持部材に
対するドリルの軸方向相対位置がより確実に固定される
ことになる。
【0021】前記嵌挿孔は、前記ドリル保持部材の軸方
向片側部分に設けるようにしてもよいし、軸方向両側部
分に設けるようにしてもよい。後者の場合、各嵌挿孔に
ドリルのシャンクを嵌挿することにより、両刃のドリル
ビットとなる。そして、両嵌挿孔の奥端と交差する単一
のラジアル孔を形成して、両嵌挿孔に共通の係止部を形
成することにより、構造及び工程をより簡素化できる。
【0022】また本発明は、ドリル刃及びシャンクを有
するドリルと、シャンク嵌挿用の嵌挿孔を有するドリル
保持部材とからなるドリルビットの製造方法であって、
前記ドリル保持部材に前記嵌挿孔及びその奥端と交差し
て当該嵌挿孔の径方向途中位置に至るラジアル孔を形成
することにより、当該嵌挿孔の奥方に係止部を形成する
一方、この係止部と係合される被係止部を前記シャンク
の端部に形成しておき、このシャンクを前記嵌挿孔に挿
入してその被係止部を前記係止部に係合することにより
前記ドリル保持部材に対するドリルの相対回転を規制す
るものである。
【0023】この方法によれば、嵌挿孔及びラジアル孔
の形成によって嵌挿孔奥方の係止部を形成してから、当
該係止部と被係止部とが係合するようにシャンクを嵌挿
孔に嵌挿するだけの簡単な工程で、ドリル保持部材に対
するドリルの相対回転を確実に規制することができる。
【0024】この方法でも、前記シャンクの端部が係止
部に対して軸方向に当接するまで嵌挿孔に嵌挿すること
により、ドリル保持部材に対するドリルの軸方向相対位
置を確実に固定できる。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態を図1
〜図9に基づいて説明する。
【0026】この実施の形態にかかるドリルビット10
は、ドリル保持部材12と、その両端に結合されるドリ
ル14とからなっている。
【0027】まず、ドリル保持部材12の外形について
説明する。このドリル保持部材12の軸方向両端部に
は、互いに同形でドリル14よりも大きな直径をもつ円
形部18が設けられ、これら円形部18で挟まれる中間
部分は、4つの平面15が周方向に並ぶ略四角形状の異
形部16とされている。この実施の形態では、異形部1
6の4つのコーナー部が円弧状であって両円形部18と
連続している。すなわち、このドリル保持部材12は、
円柱の軸方向両端(円形部18)を残してその中間部分
の周方向複数個所を平面15で切除した形状となってい
る。
【0028】また、前記ドリル保持部材12と両ドリル
14との間には、ドリル14よりも大径で円形部18よ
りも小径の円柱状の芯出し軸部19が形成されている。
【0029】次に、ドリル保持部材12の内部構造につ
いて説明する。このドリル保持部材12には、その軸方
向中間部分を残して両端から軸心に沿って一対の嵌挿孔
11が設けられるとともに、異形部16の1つの角部か
ら前記径方向中間部分に向けて(すなわち径方向内側に
向けて)有底のラジアル孔13が穿設されている。この
ラジアル孔13は、両嵌挿孔11の奥部に共通して交差
する略小判状に形成され、両嵌挿孔11の径方向中間位
置(図例ではほほ中心位置)まで形成されている。すな
わち、その深さ寸法が制限されている。
【0030】このような嵌挿孔11とラジアル孔13と
の組み合わせにより、両嵌挿孔11の奥方(図例ではド
リル保持部材12の軸方向中間位置)に、嵌挿孔11の
内周面から突出する係止部10eが形成されている。
【0031】ドリル14は、螺旋状のドリル刃14bの
形成されたドリル本体14aと、円柱状のシャンク14
cとを一体に有している。シャンク14cは、その外径
が前記嵌挿孔11の内径と同一もしくはこれよりも僅か
に大きく設定されており、長さ寸法が嵌挿孔11の長さ
寸法の半分より若干長めに設定されている。
【0032】シャンク14cの基端部には、その端面1
4dからさらに軸方向に突出する舌片状の被係止部14
eが形成されている。この被係止部14eは、シャンク
14cの基端部を径方向に略半分切り欠いた残りの部分
であり、シャンク14cを嵌挿孔11の奥部にまで嵌挿
することによって、図1に示すように、シャンク14c
の端面14dが係止部10eの側面に当接するととも
に、被係止部14eが係止部10eの頂面に接触するよ
うになっている。
【0033】このように、ドリル14の軸心に対して偏
心した位置にある被係止部14eが係止部10eに係合
されることにより、ドリル14とドリル保持部材12と
の間の軸心回りの相対回転が規制され、これによってド
リル14とドリル保持部材12とは軸心回りに共回りし
得るようになっている。また、係止部10eはドリル保
持部材12に一体に形成されているので、従来の抜け止
めピンのようにドリル保持部材12から誤って抜け出て
しまうといったおそれもない。
【0034】このドリルビット10は、例えば次の要領
で製造することが可能である。
【0035】ドリル14のシャンク14cの基端部に切
削加工で被係止部14eを形成する。ドリル保持部材1
2には、その軸方向中間部分を残して両端から嵌挿孔1
1を穿設した後、異形部16のいずれかの角部(平面1
5の境界部分)から径方向内側に向けて、前記嵌挿孔1
1に対してその途中部分まで交差する有底のラジアル孔
13を穿設することにより、両嵌挿孔11の間に係止部
10eを形成する。なお、嵌挿孔11とラジアル孔13
の形成順序は逆でもよい。
【0036】次に、シャンク14cを嵌挿孔11に嵌挿
し、その被係止部14eと係止部10eとを係合する。
これにより、ドリル保持部材12に対するドリル10の
相対回転を簡単に規制することができる。
【0037】このシャンク嵌挿の際、シャンク14cを
嵌挿孔11にすきまばめしてからろう付け等で固定する
ようにしてもよいが、シャンク14cを嵌挿孔11にし
まりばめすれば、特別な固定手段を用いずにドリルビッ
トの一体化ができる。このしまりばめは、単なる圧入に
よって行うようにしてもよいし、許容温度範囲内での焼
きばめあるいは冷やしばめによって行うようにしてもよ
い。
【0038】また、このようにシャンク14c全体を嵌
挿孔11にしまりばめしなくてもよく、例えば、シャン
ク14cと嵌挿孔11との間には僅かな隙間を確保して
おいて被係止部14eのみを係止部10eの頭部と嵌挿
孔11の内周面との隙間に圧入するようにしても、その
固定が可能である。この場合には、ドリルビット全体の
組上げ作業がさらに簡単になる。
【0039】図例のドリルビット10は、例えば図4〜
図6に示すドリルビットホルダー20によって好適に保
持される。
【0040】これらの図に示すように、ドリルビットホ
ルダー20は、図略の回転駆動源に連結されるシャンク
部22と、ドリルビット10が装着されるドリルビット
装着部24とを一体に有している。ドリルビット装着部
24には、円形断面のドリル収納孔26が形成され、こ
のドリル収納孔26内に一方のドリル14が収納可能で
あるとともに、当該ドリル収納孔26内に前記芯出し軸
部19が略隙間なく嵌入されることにより、ドリルビッ
ト10の芯出しが行われるようになっている。すなわ
ち、この実施の形態では、ドリル収納孔26が芯出し用
嵌入孔を兼ねている。
【0041】さらに、このドリル収納孔26の入口側に
は、ドリル保持部材12の両円形部18が略隙間なく嵌
入可能な円形断面をもつ嵌入孔27が形成され、この嵌
入によってもドリルビット10の芯出しが行われるよう
になっている。そして、この嵌入孔27の周囲に、ドリ
ルビット10の装着状態をロックするためのロック部3
0が設けられている。
【0042】具体的には、図5及び図6に示すように、
前記嵌入孔27を囲むドリルビット装着部24の周壁に
は、これを径方向に貫通する複数(図例では2つ)の貫
通孔28が等間隔(図例では180°間隔)で設けら
れ、各貫通孔28内にボール32が収納されている。各
ボール32は、貫通孔28が設けられている周壁の肉厚
よりも大きな直径を有しており、図4及び図5(a)
(b)に示すように嵌入孔27内に突出する係止位置
と、この係止位置から径方向外側に待避する解放位置と
の間で移動可能とされている。そして、図4及び図5
(a)(b)に示すように両円形部18が嵌入孔27内
に嵌入され、かつ、前記係止位置にボール32が位置す
る状態で、当該ボール32が異形部16と後側円形部1
8との段差17に係合するように、貫通孔28及びボー
ル32の配設位置が設定されている。
【0043】前記周壁の外周面は、ドリルビット装着部
24における他の外周面よりも僅かに直径の小さい小径
部25とされ、この小径部25に保持スリーブ(保持
部)34が軸方向にスライド可能にかつ略隙間なく外嵌
されている。
【0044】この保持スリーブ34の内周面には、先端
側に開放された周溝34aと、この周溝34aから後方
に間隔をおいて形成された周溝34bとが形成されてい
る。周溝34a内には圧縮コイルばね36が収納され、
その先端側が、ドリルビット装着部24の外周面に固定
された抜け止めリング38によって規制されている。こ
の圧縮コイルばね36の弾発力で保持スリーブ34は後
方に付勢されており、外力を受けない状態では当該保持
スリーブ34の後端が小径部25の後端の段差25aに
当たる位置に保持されるようになっている。そして、こ
の状態では、保持スリーブ34における両周溝34a,
34bの間の部分がボール32を外側から規制して図5
(a)(b)の係止位置に拘束する一方、当該状態から
保持スリーブ34に外力が加えられて当該スリーブ34
が前方に移動することにより、ボール32が周溝34b
内に待避して図6(a)(b)の解放位置へ動けるよう
に、保持スリーブ30の形状が設定されている。
【0045】次に、このドリル工具の作用を説明する。
【0046】まず、図4及び図5に示すようにドリルビ
ット10をドリルビットホルダー20に装着した状態で
は、係止位置に拘束されたボール32が、異形部16と
後側円形部18との段差17に係合することにより、ド
リルビット10の抜け止めが行われる。しかも、このボ
ール32の存在によって嵌入孔27内でのドリル保持部
材12の回転が阻止されるため、この状態で回転駆動源
からドリルビットホルダー20にトルクが与えられる
と、このトルクは確実にドリルビット10に伝達され、
ドリル工具全体が一体に回転する。このため、ドリルビ
ット10の先端側のドリル14を用いて良好な孔開け作
業を行うことができる。
【0047】この使用しているドリル14に破損等が生
じて孔開け作業が不能となった場合には、一旦ドリルビ
ット10をドリルビットホルダー20から外す。具体的
には、保持スリーブ34を指で把持する等してこれに軸
方向先端側への外力を与え、圧縮コイルばね36の弾発
力に抗して図6(a)の位置までスライドさせる。これ
により、ボール32は周溝34b内に逃げ込むことが可
能となり、係止位置への拘束が解除される。この状態で
ドリルビット10をドリルビットホルダー20から抜き
取ることができる。
【0048】次いで、ドリルビット10を反対方向に向
け(すなわち、それまでドリルビット装着部24に収納
されていた破損していないドリル14を先端側に向
け)、破損したドリル14をドリル収納孔26に挿入す
るとともに芯出し軸部19及び両円形部18をそれぞれ
ドリル収納孔26及び嵌入孔27に嵌入した後、前記保
持スリーブ34を解放することで、ドリルビット10を
反対の向きに装着でき、新しいドリル14を用いて孔開
け作業を再開することが可能になる。
【0049】なお、本発明において、ドリルビットホル
ダー20の具体的な構造、及びドリルビット10の具体
的な装着構造は適宜設定が可能であり、図示の実施形態
に限られるものではない。
【0050】第2の実施の形態を図10に示す。この実
施の形態では、嵌挿孔11がドリル保持部材12の一方
の端部のみに形成されている。また、シャンク14cが
その基端側に向かうに従って縮怪するテーパー状に形成
され、このシャンク14cが嵌挿される嵌挿孔11も略
同一のテーパー状に形成されている。
【0051】このように、本発明では、一方の端部のみ
にドリル14が設けられるドリルビット10において
も、その嵌挿孔11の奥部と交差するようにラジアル孔
13を形成することにより、係止部10eを一体に形成
してドリル14とドリル保持部材12との相対回転を確
実に規制できる。また、図示のようにシャンク14cを
テーパー状とすることにより、嵌挿孔11への圧入が容
易となる。この場合、圧入による固定度合いを高めるに
は、シャンク14cを嵌挿孔11内に深く挿入する必要
があるので、図示のように、シャンク端面14dが係止
部10eに突き当たらないように余裕をもって寸法設定
しておくことが好ましい。
【0052】ただし、この第2の実施の形態にかかる構
造においても、圧入でなく焼きばめや冷やしばめ等の他
の固定手段が採用できることはいうまでもない。
【0053】本発明は、その他、次のような実施形態を
とることも可能である。
【0054】1)本発明において、係止部10eの具体
的な形状や突出量は適宜設定が可能である。ただし、図
示のように係止部10eをその頭部端面が嵌挿孔11の
軸心またはその近傍を通る平面となるように形状設定す
ることにより、当該係止部10e及びこれに対応した被
係止部14eの形状を簡単なものにすることができると
ともに、十分な係合力を確保することが可能になる。ま
た、ラジアル孔13の孔径や孔形状も係止部10eの目
標形状に応じて適宜設定すればよい。
【0055】2)本発明では、嵌挿孔11内にシャンク
14cをすきまばめし、その後にろう付け等の手段で固
定することも可能である。この場合も、従来のようにろ
う付けのみによる固定では当該固定部分が大きなトルク
に耐えきれなくなるおそれがあるのに対し、本発明では
係止部10eと被係止部14eとの係合によって確実に
回転規制できる(すなわち前記トルクに対抗できる)効
果が得られる。
【0056】3)本発明では、ドリル保持部材12の具
体的な形状を特に問わない。例えば、特公平8−182
13号公報によって開示されているようなものであって
もよい。
【0057】4)ドリルビット10両端にドリル14を
設ける場合、両ドリル14は、必ずしも同形でなくても
よく、例えば両ドリル刃の径を異ならせて使い分けがで
きるようにしてもよい。
【0058】5)ドリルビット10の芯出し軸部19
は、適宜省略が可能である。また、この芯出し軸部19
を形成する場合、前記実施形態では相手方のドリルビッ
トホルダー20のドリル収納孔26を芯出し用嵌入孔と
して兼用しているが、これらドリル収納孔26と芯出し
用嵌入孔とを別々に形成するようにしてもよい。
【0059】6)ドリルビットホルダー20の具体的な
構造は全く問わない。例えば係止部材の内側端(ドリル
ビット10側に当接する端部)のみ球状とし、貫通孔2
8に収納される部分は柱状にするようにしてもよい。保
持部の具体的な構造も特に問わず、例えばリング状ばね
で外側から係止部を係止位置に拘束するようにしてもよ
い。
【0060】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、簡単な
構造で、ドリル保持部材に対するドリルの相対回転を確
実に規制することができ、また、かかるドリルビットを
容易に製造できてコストの低減化に寄与できる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の第1の実施の形態に係るドリ
ルビットの要部を示す平面図、(b)は同要部を示す断
面正面図、(c)は(b)のC−C線断面図である。
【図2】図1に示すドリルビットの斜視図である。
【図3】(a)は図1に示すドリルビットにおけるドリ
ル保持部材の平面図、(b)は同ドリル保持部材の断面
正面図である。
【図4】前記ドリルビット及びそのドリルビットホルダ
ーを備えたドリル工具の全体構造を示す正面視の断面図
である。
【図5】(a)はドリルビットホルダーに対するドリル
ビットの装着状態がロックされている状態を示す断面正
面図、(b)は(a)のD−D線断面図である。
【図6】(a)は前記ロックが解除された状態を示す断
面正面図、(b)は(a)のE−E線断面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係るドリルビット
の要部を示す断面正面図である。
【図8】(a)(b)(c)は、本発明以外のドリルビ
ットを例示する断面図である。
【符号の説明】
10 ドリルビット 10e 係止部 11 嵌挿孔 12 ドリル保持部材 13 ラジアル孔 14 ドリル 14a ドリル本体 14b ドリル刃 14c シャンク 14d 端面 14e 被係止部

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドリル刃及びシャンクを有するドリル
    と、シャンク嵌挿用の嵌挿孔を有するドリル保持部材と
    からなるドリルビットであって、前記ドリル保持部材に
    前記嵌挿孔の奥端と交差するラジアル孔を当該嵌挿孔の
    径方向途中位置まで形成することにより当該嵌挿孔の奥
    方に係止部を形成し、この係止部と係合される被係止部
    を前記シャンクの端部に形成し、これら係止部と被係止
    部との係合により前記ドリル保持部材に対するドリルの
    相対回転を規制していることを特徴とするドリルビッ
    ト。
  2. 【請求項2】 前記被係止部は、前記シャンクの所定部
    分を前記係止部と係合可能な形状に切り欠くことによっ
    て形成したものであることを特徴とする請求項1記載の
    ドリルビット。
  3. 【請求項3】 前記シャンクをその被係止部が前記係止
    部に対して軸方向に当接するまで前記嵌挿孔内に嵌挿し
    たことを特徴とする請求項1または2に記載のドリルビ
    ット。
  4. 【請求項4】 前記嵌挿孔を、前記ドリル保持部材の軸
    方向片側部分に設けたことを特徴とする請求項1〜3の
    いずれかに記載のドリルビット。
  5. 【請求項5】 前記嵌挿孔を、前記ドリル保持部材の軸
    方向両側部分に設け、各嵌挿孔にドリルのシャンクを嵌
    挿したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
    のドリルビット。
  6. 【請求項6】 両嵌挿孔の奥端と交差する単一のラジア
    ル孔を形成することにより、両嵌挿孔に共通の係止部を
    形成したことを特徴とする請求項5記載のドリルビッ
    ト。
  7. 【請求項7】 ドリル刃及びシャンクを有するドリル
    と、シャンク嵌挿用の嵌挿孔を有するドリル保持部材と
    からなるドリルビットの製造方法であって、前記ドリル
    保持部材に前記嵌挿孔及びその奥端と交差して当該嵌挿
    孔の径方向途中位置に至るラジアル孔を形成することに
    より、当該嵌挿孔の奥方に係止部を形成する一方、この
    係止部と係合される被係止部を前記シャンクの端部に形
    成しておき、このシャンクを前記嵌挿孔に挿入してその
    被係止部を前記係止部に係合することにより前記ドリル
    保持部材に対するドリルの相対回転を規制することを特
    徴とするドリルビットの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記シャンクの所定部分を一部切り欠く
    ことによって前記被係止部を形成することを特徴とする
    請求項7記載のドリルビットの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記シャンクの端部が係止部に対して軸
    方向に当接するまで嵌挿孔に嵌挿することを特徴とする
    請求項7または8記載のドリルビットの製造方法。
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DE69914975T DE69914975T2 (de) 1998-07-09 1999-06-11 Bohrer und seine Herstellungsmethode
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008149454A (ja) * 2006-12-14 2008-07-03 Erowa Ag ワークピースをチャック上に正確に位置決めするワークピースキャリア並びにチャック及びワークピースキャリアを有するクランプ装置

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