JP2000225195A - カテーテルチューブおよびその製造方法 - Google Patents
カテーテルチューブおよびその製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 チューブ本体の押込性とトルク伝達性をより
向上させることができる新規なカテーテルチューブ及び
その製造方法の提供。 【解決手段】 内層チューブ1a上に補強層３を備えたカ
テーテルチューブにおいて、上記補強層３が上記内層チ
ューブの長さ方向に延びる縦糸７と、内層チューブ1aの
周方向に延びる横糸６とを交互に交差させた編物から形
成する。これによって、内層チューブ1aの周方向に延び
る横糸６が、チューブ１の耐圧性と剛性を向上させると
共に、内層チューブ1aの長さ方向に位置する縦糸７が、
その長さ方向に加わる押込力と回転トルクをチューブ１
全体側に確実に伝達することになる。
向上させることができる新規なカテーテルチューブ及び
その製造方法の提供。 【解決手段】 内層チューブ1a上に補強層３を備えたカ
テーテルチューブにおいて、上記補強層３が上記内層チ
ューブの長さ方向に延びる縦糸７と、内層チューブ1aの
周方向に延びる横糸６とを交互に交差させた編物から形
成する。これによって、内層チューブ1aの周方向に延び
る横糸６が、チューブ１の耐圧性と剛性を向上させると
共に、内層チューブ1aの長さ方向に位置する縦糸７が、
その長さ方向に加わる押込力と回転トルクをチューブ１
全体側に確実に伝達することになる。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、病院等の医療機関
で用いられるカテーテルチューブ及びその製造方法に関
するものである。
で用いられるカテーテルチューブ及びその製造方法に関
するものである。
【０００２】
【従来の技術】一般に、病院等の医療機関において使用
されているカテーテルチューブは、血管や尿道等を利用
して生体内に挿入してその先端部を患部に到達させた
後、その外部から薬液やガイドワイヤ等を注入・挿入す
るようになっていることから、高い操作性と安全性の他
に、挿入時に折れ曲がって潰れたり、薬液の注入圧や生
体からの外圧等によって変形しないように、高い剛性と
耐圧性が要求されている。
されているカテーテルチューブは、血管や尿道等を利用
して生体内に挿入してその先端部を患部に到達させた
後、その外部から薬液やガイドワイヤ等を注入・挿入す
るようになっていることから、高い操作性と安全性の他
に、挿入時に折れ曲がって潰れたり、薬液の注入圧や生
体からの外圧等によって変形しないように、高い剛性と
耐圧性が要求されている。
【０００３】そのため、従来のカテーテルチューブにあ
っては、図８〜図１０に示すように、先端側に可撓性に
優れた挿入先端部２を備えた樹脂製のチューブ本体１内
に、ＳＵＳやＮｉＴｉ合金等の金属線を編み込んだ金属
編組からなる補強層３を備えた構造となっており、この
補強層３によってチューブ本体１に対して、高い剛性と
耐圧性が付与されるようになっている。尚、図８中、４
はチューブ本体１の他端部側に接続される補強チュー
ブ、５はさらにこの補強チューブ４に接続されるコネク
ター部、図９中、１ａは本体チューブ１の内層を構成す
る内層チューブ、１ｂはこの内層チューブ１ａ及び補強
層３を被覆する被覆層である。
っては、図８〜図１０に示すように、先端側に可撓性に
優れた挿入先端部２を備えた樹脂製のチューブ本体１内
に、ＳＵＳやＮｉＴｉ合金等の金属線を編み込んだ金属
編組からなる補強層３を備えた構造となっており、この
補強層３によってチューブ本体１に対して、高い剛性と
耐圧性が付与されるようになっている。尚、図８中、４
はチューブ本体１の他端部側に接続される補強チュー
ブ、５はさらにこの補強チューブ４に接続されるコネク
ター部、図９中、１ａは本体チューブ１の内層を構成す
る内層チューブ、１ｂはこの内層チューブ１ａ及び補強
層３を被覆する被覆層である。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
構成をした従来のカテーテルチューブに用いられていた
補強層３にあっては、チューブ本体１に対する潰れ方向
や膨張方向に対する耐圧性と剛性の向上には充分貢献し
ているが、その挿入先端部２及びチューブ本体１全体を
生体内に押し込むための押込性やトルク伝達性に乏しい
といった欠点があった。
構成をした従来のカテーテルチューブに用いられていた
補強層３にあっては、チューブ本体１に対する潰れ方向
や膨張方向に対する耐圧性と剛性の向上には充分貢献し
ているが、その挿入先端部２及びチューブ本体１全体を
生体内に押し込むための押込性やトルク伝達性に乏しい
といった欠点があった。
【０００５】すなわち、この補強層３を形成する従来の
金属編組にあっては、図９に示すように、ＳＵＳやＮｉ
Ｔｉ合金等の金属線３ａを複数本用い、これら個々の金
属線３ａがチューブ本体１の内側に位置する内層チュー
ブ１ａの外側にそれぞれ螺旋状に一定の間隔を隔てて巻
き付くように編み込まれてなるものであるため、チュー
ブ本体１に押込力が加わった際に、個々の金属線３ａが
チューブ本体１の長さ方向、すなわち押込み方向に対し
てコイルバネの如く図中矢印方向に収縮して押込力が吸
収されてしまい、押込力が確実に挿入先端部２側にまで
伝達され難いといった欠点があった。また、チューブの
挿入に際してはチューブ本体１を適宜回転させながら挿
入することになるが、従来の金属編組の構造では、この
チューブ本体に回転トルクを加えた場合に、その回転ト
ルクが補強層３の径方向の変形によって吸収されてしま
い、回転トルクが挿入先端部まで確実に伝達され難いと
いった欠点があった。
金属編組にあっては、図９に示すように、ＳＵＳやＮｉ
Ｔｉ合金等の金属線３ａを複数本用い、これら個々の金
属線３ａがチューブ本体１の内側に位置する内層チュー
ブ１ａの外側にそれぞれ螺旋状に一定の間隔を隔てて巻
き付くように編み込まれてなるものであるため、チュー
ブ本体１に押込力が加わった際に、個々の金属線３ａが
チューブ本体１の長さ方向、すなわち押込み方向に対し
てコイルバネの如く図中矢印方向に収縮して押込力が吸
収されてしまい、押込力が確実に挿入先端部２側にまで
伝達され難いといった欠点があった。また、チューブの
挿入に際してはチューブ本体１を適宜回転させながら挿
入することになるが、従来の金属編組の構造では、この
チューブ本体に回転トルクを加えた場合に、その回転ト
ルクが補強層３の径方向の変形によって吸収されてしま
い、回転トルクが挿入先端部まで確実に伝達され難いと
いった欠点があった。
【０００６】そこで、本発明はこのような課題を有効に
解決するために案出されたものであり、その目的は、耐
圧性や剛性等を犠牲にすることなく、さらにチューブ本
体の押込性とトルク伝達性をより向上させることができ
る新規なカテーテルチューブ及びその製造方法を提供す
るものである。
解決するために案出されたものであり、その目的は、耐
圧性や剛性等を犠牲にすることなく、さらにチューブ本
体の押込性とトルク伝達性をより向上させることができ
る新規なカテーテルチューブ及びその製造方法を提供す
るものである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、内層チューブ上に補強層を備えたカテーテ
ルチューブにおいて、上記補強層が上記内層チューブの
長さ方向に延びる縦糸と、内層チューブの周方向に延び
る横糸とを交互に交差させた編物からなるものである。
に本発明は、内層チューブ上に補強層を備えたカテーテ
ルチューブにおいて、上記補強層が上記内層チューブの
長さ方向に延びる縦糸と、内層チューブの周方向に延び
る横糸とを交互に交差させた編物からなるものである。
【０００８】すなわち、内層チューブの周方向に延びる
横糸によって耐圧性と剛性がチューブ全体に付与される
と共に、また、内層チューブの長さ方向に位置する縦糸
によってその長さ方向に加わる押込力と回転トルクがチ
ューブ全体側に確実に伝達されることになる。
横糸によって耐圧性と剛性がチューブ全体に付与される
と共に、また、内層チューブの長さ方向に位置する縦糸
によってその長さ方向に加わる押込力と回転トルクがチ
ューブ全体側に確実に伝達されることになる。
【０００９】これによってチューブの後端部から加わる
押込力と回転トルクがチューブを介してチューブ先端ま
で確実に伝達されるため、より操作性が向上する。
押込力と回転トルクがチューブを介してチューブ先端ま
で確実に伝達されるため、より操作性が向上する。
【００１０】
【発明の実施の形態】次に、本発明を実施する好適一形
態を添付図面を参照しながら説明する。
態を添付図面を参照しながら説明する。
【００１１】図１は、本発明に係るカテーテルチューブ
の実施の一形態を示す部分破断側面図、図２は、図１中
Ａ−Ａ拡大断面図であり、図中１は上述したチューブ本
体、２はこのチューブ本体１の先端部に一体的に形成さ
れた挿入先端部、１ａはこのチューブ本体１及び挿入先
端部２の内層を形成する内層チューブ、１ｂはこの内層
チューブ１ａ上に被覆される外層、３はこの内層チュー
ブ１ａと外層１ｂ間に埋め込まれる補強層である。
の実施の一形態を示す部分破断側面図、図２は、図１中
Ａ−Ａ拡大断面図であり、図中１は上述したチューブ本
体、２はこのチューブ本体１の先端部に一体的に形成さ
れた挿入先端部、１ａはこのチューブ本体１及び挿入先
端部２の内層を形成する内層チューブ、１ｂはこの内層
チューブ１ａ上に被覆される外層、３はこの内層チュー
ブ１ａと外層１ｂ間に埋め込まれる補強層である。
【００１２】そして、本発明の特徴となる補強層３は、
図１及び図５に示すように、内層チューブ１ａの周方向
に延びるように、すなわち、内層チューブ１ａの先端か
ら全体に亘って螺旋状に巻き付けられるように位置する
横糸６と、チューブ本体１の部分であって、この横糸６
に対して略直角に交差するように内層チューブ１ａの長
さ方向にそれぞれ平行に延びる複数本の縦糸７，７…と
から構成されており、図６に示すように、この横糸６と
各縦糸７，７…とはそれぞれ交互に交差するように平織
りされた編物からなっている。
図１及び図５に示すように、内層チューブ１ａの周方向
に延びるように、すなわち、内層チューブ１ａの先端か
ら全体に亘って螺旋状に巻き付けられるように位置する
横糸６と、チューブ本体１の部分であって、この横糸６
に対して略直角に交差するように内層チューブ１ａの長
さ方向にそれぞれ平行に延びる複数本の縦糸７，７…と
から構成されており、図６に示すように、この横糸６と
各縦糸７，７…とはそれぞれ交互に交差するように平織
りされた編物からなっている。
【００１３】ここで、この補強層３を構成する横糸６及
び縦糸７は、それぞれ従来と同様、ＳＵＳやＮｉＴｉ合
金，或いはプラチナ等の耐張力性、剛性、耐食性に優れ
た金属線から形成されており、また、チューブ本体１及
び挿入先端部２を形成する内層チューブ１ａと外層１ｂ
は、従来と同様に潤滑性に優れたフッ素系樹脂、例え
ば、ポリテトラフルオロエチレン（ＰＴＦＥ），ポリエ
チレンテトラフルオロエチレン（ＥＴＦＥ），ポリフル
オロアルコキシフッ素樹脂（ＰＦＡ），四フッ化エチレ
ン六フッ化プロピレン共重合体（ＦＥＰ），フッ化ビニ
リデン（ＰＶＤＦ）等から形成されている。
び縦糸７は、それぞれ従来と同様、ＳＵＳやＮｉＴｉ合
金，或いはプラチナ等の耐張力性、剛性、耐食性に優れ
た金属線から形成されており、また、チューブ本体１及
び挿入先端部２を形成する内層チューブ１ａと外層１ｂ
は、従来と同様に潤滑性に優れたフッ素系樹脂、例え
ば、ポリテトラフルオロエチレン（ＰＴＦＥ），ポリエ
チレンテトラフルオロエチレン（ＥＴＦＥ），ポリフル
オロアルコキシフッ素樹脂（ＰＦＡ），四フッ化エチレ
ン六フッ化プロピレン共重合体（ＦＥＰ），フッ化ビニ
リデン（ＰＶＤＦ）等から形成されている。
【００１４】従って、このような本発明のカテーテルチ
ューブにあっては、従来のカテーテルチューブと同様に
優れた耐圧性，剛性に加え、優れた押込性とトルク伝達
性を発揮することができる。
ューブにあっては、従来のカテーテルチューブと同様に
優れた耐圧性，剛性に加え、優れた押込性とトルク伝達
性を発揮することができる。
【００１５】すなわち、補強層３を形成する金属線のう
ち、周方向に延びる横糸６によって、薬液注入時等に発
生する内圧や生体側から加わる外圧等に対して優れた耐
圧性を発揮できると共に、生体内に挿入した際に発生す
る曲げ応力等に対して潰れたりすることなく優れた剛性
を発揮することができる。また、チューブの長さ方向に
延びる縦糸７によって、チューブの手元側から加わる押
込力がダイレクトにチューブの長さ方向に伝達されるた
め、優れた押込性が発揮され、さらに、チューブに加わ
る回転トルクが、この縦糸７の捻れによる復元力に加
え、横糸６の変形による復元力によって確実にチューブ
全体に全体に加わるため、優れたトルク伝達性を発揮す
ることができる。
ち、周方向に延びる横糸６によって、薬液注入時等に発
生する内圧や生体側から加わる外圧等に対して優れた耐
圧性を発揮できると共に、生体内に挿入した際に発生す
る曲げ応力等に対して潰れたりすることなく優れた剛性
を発揮することができる。また、チューブの長さ方向に
延びる縦糸７によって、チューブの手元側から加わる押
込力がダイレクトにチューブの長さ方向に伝達されるた
め、優れた押込性が発揮され、さらに、チューブに加わ
る回転トルクが、この縦糸７の捻れによる復元力に加
え、横糸６の変形による復元力によって確実にチューブ
全体に全体に加わるため、優れたトルク伝達性を発揮す
ることができる。
【００１６】次に、このような構成をした本発明のカテ
ーテルチューブの製造方法を説明する。
ーテルチューブの製造方法を説明する。
【００１７】先ず、銅線等からなる金属芯線上にＰＴＦ
Ｅ等のフッ素樹脂を被覆して内層チューブ１ａを形成す
る。ここで、金属芯線としては、内層チューブ１ａを構
成する樹脂よりも融点が高く、かつ内層チューブ１ａ内
から容易に引き抜くことができる材質のものであれば特
にこれに限定されるものではなく、例えば、通常の銅線
の他に金或いは銀メッキ銅線等を用いることができる。
また、この金属芯線の径や内層チューブ１ａの肉厚等は
目的とするカテーテルチューブのサイズに応じて適宜変
更することはいうまでもない。
Ｅ等のフッ素樹脂を被覆して内層チューブ１ａを形成す
る。ここで、金属芯線としては、内層チューブ１ａを構
成する樹脂よりも融点が高く、かつ内層チューブ１ａ内
から容易に引き抜くことができる材質のものであれば特
にこれに限定されるものではなく、例えば、通常の銅線
の他に金或いは銀メッキ銅線等を用いることができる。
また、この金属芯線の径や内層チューブ１ａの肉厚等は
目的とするカテーテルチューブのサイズに応じて適宜変
更することはいうまでもない。
【００１８】次に、図３に示すように、この内層チュー
ブ１ａ上全体に、編組機等を用いて上述したような横糸
６と縦糸７とを平織りした編物からなる補強層３を施し
た後、この内層チューブ１ａを加熱軟化させて、補強層
３の内面側を内層チューブ１ａ側に食い込ませる。ここ
で、図４に示すように、挿入先端部２の部分にあって
は、平織りを施すことなく、全ての縦糸７が横糸６の上
に位置するようにしておく。尚、この補強層３は図７に
示すように、その長さ方向に沿って二本単位で交互に交
差させた、いわゆる綾織りしてなるものであってもよ
い。
ブ１ａ上全体に、編組機等を用いて上述したような横糸
６と縦糸７とを平織りした編物からなる補強層３を施し
た後、この内層チューブ１ａを加熱軟化させて、補強層
３の内面側を内層チューブ１ａ側に食い込ませる。ここ
で、図４に示すように、挿入先端部２の部分にあって
は、平織りを施すことなく、全ての縦糸７が横糸６の上
に位置するようにしておく。尚、この補強層３は図７に
示すように、その長さ方向に沿って二本単位で交互に交
差させた、いわゆる綾織りしてなるものであってもよ
い。
【００１９】その後、図５及び図６に示すように、この
挿入先端部２の部分に位置する補強層３のうち、横糸６
のみを残して全ての縦糸７を除去した後、図２に示すよ
うに、この内層チューブ１ａ上全体にＰＴＦＥ等のフッ
素樹脂を被覆して外層１ｂを形成して補強層３全体を被
覆すると共に、チューブ全体を加熱して金属芯線を内層
チューブ１ａ内から引き抜くことで、チューブ本体１の
先端に挿入先端部２が一体的に備えられた本発明のカテ
ーテルチューブが得られる。
挿入先端部２の部分に位置する補強層３のうち、横糸６
のみを残して全ての縦糸７を除去した後、図２に示すよ
うに、この内層チューブ１ａ上全体にＰＴＦＥ等のフッ
素樹脂を被覆して外層１ｂを形成して補強層３全体を被
覆すると共に、チューブ全体を加熱して金属芯線を内層
チューブ１ａ内から引き抜くことで、チューブ本体１の
先端に挿入先端部２が一体的に備えられた本発明のカテ
ーテルチューブが得られる。
【００２０】そして、このように構成された本発明のカ
テーテルチューブは、チューブ本体１の部分にあって
は、その全体に上述したような補強層３が埋め込まれた
構成となっていることから、従来より優れた押込性とト
ルク伝達性を発揮することができると同時に、挿入先端
部２の部分にあっては、補強層３のうち、縦糸７が除去
されて横糸６のみが螺旋状に巻き付けられた構成となっ
ていることから、優れた耐圧性を有するにも拘わらず、
優れた可撓性を発揮することができる。
テーテルチューブは、チューブ本体１の部分にあって
は、その全体に上述したような補強層３が埋め込まれた
構成となっていることから、従来より優れた押込性とト
ルク伝達性を発揮することができると同時に、挿入先端
部２の部分にあっては、補強層３のうち、縦糸７が除去
されて横糸６のみが螺旋状に巻き付けられた構成となっ
ていることから、優れた耐圧性を有するにも拘わらず、
優れた可撓性を発揮することができる。
【００２１】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を説明する。
【００２２】（実施例１）先ず、線径０．６ｍｍの銀メ
ッキ銅線からなる金属芯線上にＰＴＦＥを被覆して厚さ
３０μｍの内層チューブを形成した後、線径４０μｍの
ＳＵＳ線からなる１６本の縦糸に対して、同じく線径４
０μｍのＳＵＳ線からなる横糸を１ｃｍあたり１４本の
密度で平織りした金属編組を補強層として上記内層チュ
ーブ上に形成した。尚、この平織りに際しては、全ての
縦糸に対して横糸を平織りするのではなく、図４に示す
ように、縦糸の先端部は平織りしない状態、すなわち、
単に横糸上に縦糸が重なっているだけの状態とした。次
に、図５に示すように、単に横糸上に重なっているだけ
部分の縦糸を切り取って除去した後、この被覆層全体を
覆うように内層チューブ全体にナイロンエラストマを押
し出し被覆して外層を形成し、その後、上記金属芯線を
引き抜きぬいて本発明に係るカテーテルチューブを製作
した。尚、このカテーテルチューブの肉厚は２００μｍ
であった。
ッキ銅線からなる金属芯線上にＰＴＦＥを被覆して厚さ
３０μｍの内層チューブを形成した後、線径４０μｍの
ＳＵＳ線からなる１６本の縦糸に対して、同じく線径４
０μｍのＳＵＳ線からなる横糸を１ｃｍあたり１４本の
密度で平織りした金属編組を補強層として上記内層チュ
ーブ上に形成した。尚、この平織りに際しては、全ての
縦糸に対して横糸を平織りするのではなく、図４に示す
ように、縦糸の先端部は平織りしない状態、すなわち、
単に横糸上に縦糸が重なっているだけの状態とした。次
に、図５に示すように、単に横糸上に重なっているだけ
部分の縦糸を切り取って除去した後、この被覆層全体を
覆うように内層チューブ全体にナイロンエラストマを押
し出し被覆して外層を形成し、その後、上記金属芯線を
引き抜きぬいて本発明に係るカテーテルチューブを製作
した。尚、このカテーテルチューブの肉厚は２００μｍ
であった。
【００２３】そして、このようにして得られたカテーテ
ルチューブのチューブ本体の一部、すなわち、その長さ
全体に亘って補強層を有する部分を１５ｃｍの長さに亘
って切り取り、その両端末を１０ｃｍの間隔で位置する
一対の治具にそれぞれ固定した後、一方の治具を他方の
治具方向に移動させてそのチューブに圧縮力を加えて曲
げ、治具間の距離が８ｃｍになったときの荷重を測定し
た。
ルチューブのチューブ本体の一部、すなわち、その長さ
全体に亘って補強層を有する部分を１５ｃｍの長さに亘
って切り取り、その両端末を１０ｃｍの間隔で位置する
一対の治具にそれぞれ固定した後、一方の治具を他方の
治具方向に移動させてそのチューブに圧縮力を加えて曲
げ、治具間の距離が８ｃｍになったときの荷重を測定し
た。
【００２４】（実施例２）線径４０μｍのＳＵＳ線から
なる３２本の縦糸と密度２０本／ｃｍの横糸からなる補
強層を用い、肉厚を１００μｍとした他は、実施例１と
同様な構造をしたカテーテルチューブを形成した後、実
施例１と同様な試験方法によってその長さ方向の荷重を
測定した。
なる３２本の縦糸と密度２０本／ｃｍの横糸からなる補
強層を用い、肉厚を１００μｍとした他は、実施例１と
同様な構造をしたカテーテルチューブを形成した後、実
施例１と同様な試験方法によってその長さ方向の荷重を
測定した。
【００２５】（比較例１）線径４０μｍのＳＵＳ線１６
を従来と同様にそれぞれ螺旋状に編組した補強層を用
い、肉厚を２００μｍとした他は、実施例１と同様な構
造をしたカテーテルチューブを形成した後、実施例１と
同様な試験方法によってその長さ方向の荷重を測定し
た。
を従来と同様にそれぞれ螺旋状に編組した補強層を用
い、肉厚を２００μｍとした他は、実施例１と同様な構
造をしたカテーテルチューブを形成した後、実施例１と
同様な試験方法によってその長さ方向の荷重を測定し
た。
【００２６】（比較例２）線径４０μｍのＳＵＳ線１６
を従来と同様にそれぞれ螺旋状に編組した補強層を用
い、肉厚を１００μｍとした他は、実施例１と同様な構
造をしたカテーテルチューブを形成した後、実施例１と
同様な試験方法によってその長さ方向の荷重を測定し
た。
を従来と同様にそれぞれ螺旋状に編組した補強層を用
い、肉厚を１００μｍとした他は、実施例１と同様な構
造をしたカテーテルチューブを形成した後、実施例１と
同様な試験方法によってその長さ方向の荷重を測定し
た。
【００２７】（試験結果）その結果、実施例１の荷重値
は９．５ｇｆ、実施例２の荷重値は５．０ｇｆ、比較例
１の荷重値は５．３ｇｆ、比較例２の荷重値は２．６ｇ
ｆという実験結果が得られた。
は９．５ｇｆ、実施例２の荷重値は５．０ｇｆ、比較例
１の荷重値は５．３ｇｆ、比較例２の荷重値は２．６ｇ
ｆという実験結果が得られた。
【００２８】そして、実施例１と比較例１、及び実施例
２と比較例２とをそれぞれ比較した場合、いずれも同じ
肉厚（２００μｍ，１００μｍ）であるにも拘わらず、
本発明に係る実施例１，２では比較例１，２に対して約
２倍近くの数値を示し、本実施例にあっては比較例に比
べて優れた押込性を発揮できることがわかった。
２と比較例２とをそれぞれ比較した場合、いずれも同じ
肉厚（２００μｍ，１００μｍ）であるにも拘わらず、
本発明に係る実施例１，２では比較例１，２に対して約
２倍近くの数値を示し、本実施例にあっては比較例に比
べて優れた押込性を発揮できることがわかった。
【００２９】また、実施例２と比較例１を比較した場
合、実施例２の肉厚が比較例１の肉厚の半分（１００μ
ｍ）であるにも拘わらず、比較例１と同等の値であり、
この結果から、本発明のカテーテルチューブにあって
は、薄肉化しても十分に実用に耐え得る優れた押込性を
発揮できることがわかった。
合、実施例２の肉厚が比較例１の肉厚の半分（１００μ
ｍ）であるにも拘わらず、比較例１と同等の値であり、
この結果から、本発明のカテーテルチューブにあって
は、薄肉化しても十分に実用に耐え得る優れた押込性を
発揮できることがわかった。
【００３０】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、チューブ
内に設けられる補強層として、その長さ方向に延びる縦
糸と、その横方向に延びる横糸とからなる編物を用いた
ため、耐圧性や剛性を犠牲にすることなく、押込性とト
ルク伝達性を大幅に向上することができる。この結果、
操作性が大幅に向上すると共に、従来構造では困難であ
った薄肉化を容易に達成することができる等といった優
れた効果を発揮することができる。
内に設けられる補強層として、その長さ方向に延びる縦
糸と、その横方向に延びる横糸とからなる編物を用いた
ため、耐圧性や剛性を犠牲にすることなく、押込性とト
ルク伝達性を大幅に向上することができる。この結果、
操作性が大幅に向上すると共に、従来構造では困難であ
った薄肉化を容易に達成することができる等といった優
れた効果を発揮することができる。
【図１】本発明に係るカテーテルチューブの実施の一形
態を示す部分破断側面図である。
態を示す部分破断側面図である。
【図２】図１中Ａ−Ａ断面図である。
【図３】本発明に係るカテーテルチューブの補強層の構
造を示す側面図である。
造を示す側面図である。
【図４】本発明に係るカテーテルチューブの補強層の構
造を示す部分拡大図である。
造を示す部分拡大図である。
【図５】図３に示す補強層から縦糸の一部を除去した状
態を示す側面図である。
態を示す側面図である。
【図６】図３に示す補強層から縦糸の一部を除去した状
態を示す部分拡大図である。
態を示す部分拡大図である。
【図７】図３に示す補強層の他の実施の形態を示す部分
拡大図である。
拡大図である。
【図８】従来のカテーテルチューブの構造を示す部分省
略側面図である。
略側面図である。
【図９】従来のカテーテルチューブの先端付近の構造を
示す部分破断側面図である。
示す部分破断側面図である。
【図１０】図９中Ａ−Ａ断面図である。
１ チューブ本体 1a 内層チューブ 1b 外層 ２ 挿入先端部 ３ 補強層 ６ 横糸 ７ 縦糸
フロントページの続き (72)発明者 浅野 健次 茨城県日立市日高町５丁目１番１号 日立 電線株式会社パワーシステム研究所内 (72)発明者 伊藤 宏幸 茨城県日立市日高町５丁目１番１号 日立 電線株式会社日高工場内 (72)発明者 中島 光一 茨城県日立市日高町５丁目１番１号 日立 電線株式会社日高工場内
Claims (4)
- 【請求項１】 内層チューブ上に補強層を備えたカテー
テルチューブにおいて、上記補強層が上記内層チューブ
の長さ方向に延びる縦糸と、内層チューブの周方向に延
びる横糸とを交互に交差させた編物からなることを特徴
とするカテーテルチューブ。 - 【請求項２】 内層チューブ上に補強層を備えたチュー
ブ本体の先端に、可撓性に富んだ挿入先端部を一体的に
備えたカテーテルチューブにおいて、上記補強層が上記
内層チューブの長さ方向に延びる縦糸と、内層チューブ
の周方向に延びる横糸とを交互に交差させた編物からな
ると共に、その織物から延びる横糸のみを上記挿入先端
部側に備えたことを特徴とするカテーテルチューブ。 - 【請求項３】 上記縦糸及び横糸が、金属線からなるこ
とを特徴とする請求項１又は２に記載のカテーテルチュ
ーブ。 - 【請求項４】 内層チューブ上に、その長さ方向に延び
る複数の縦糸と、その内層チューブの周方向に延びる横
糸とを交互に交差させた編物からなる補強層を形成した
後、この補強層の端部に位置する縦糸をその周方向に亘
って全て除去し、その後、この補強層及び内層チューブ
上に外層を被覆するようにしたことを特徴とするカテー
テルチューブの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11028938A JP2000225195A (ja) | 1999-02-05 | 1999-02-05 | カテーテルチューブおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11028938A JP2000225195A (ja) | 1999-02-05 | 1999-02-05 | カテーテルチューブおよびその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000225195A true JP2000225195A (ja) | 2000-08-15 |
Family
ID=12262359
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11028938A Pending JP2000225195A (ja) | 1999-02-05 | 1999-02-05 | カテーテルチューブおよびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000225195A (ja) |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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-
1999
- 1999-02-05 JP JP11028938A patent/JP2000225195A/ja active Pending
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