JP2000223323A - 静止誘導機器 - Google Patents
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Abstract
せて小形化を図る。 【解決手段】 変圧器を、変圧器本体11及びこの変圧
器本体11を冷却及び絶縁するためのSF6ガス12を
タンク13内に収容して構成する。変圧器本体11は、
鉄心16とこの鉄心16に同心円状に巻装された巻線1
7から構成されている。前記巻線17のうち高圧層と低
圧層との層間のギャップにプレートヒートパイプ18の
集熱部18aを挿入する。一方、プレートヒートパイプ
18の放熱部18bをタンク13の内面部に密着する。
前記プレートヒートパイプ18を、2個の折曲部18c
を有するクランク状に構成し且つ前記折曲部18cが略
円弧状をなすように構成する。
Description
よび小形化を図った静止誘導機器に関する。
例えば変圧器においては、変圧器本体及びこの変圧器本
体を絶縁且つ冷却する冷却媒体(絶縁媒体)をタンクの
内部に収容して構成されている。ここで、冷却性能の向
上を図るためには、巻線の電流密度を下げたり、冷却媒
体の量を増やしたりする等の対策が必要となるが、この
場合は、機器の大形化、重量増加を招くという問題があ
った。特に、近年では変圧器を設置するスペース上の制
約から、小形化及び軽量化が最優先の課題であり、その
ために、変圧器の冷却性改善が望まれている。
て冷却性が低下するが、信頼性の点から可燃性の鉱物油
に代えて不燃性のSF6ガスが冷却媒体として多く用い
られてきている。そのため、ガス絶縁変圧器において
は、冷却性能のより一層の改善が強く望まれている。
パイプを用いて冷却性能の向上を図った提案がなされて
いる。例えば、図14は、ヒートパイプを用いた油入変
圧器の構成を示している。この図14において、タンク
1の内部には、変圧器本体2及び絶縁油3が収容されて
いる。また、前記タンク1には、当該タンク1を貫通す
るようにヒートパイプ4が配設されている。前記ヒート
パイプ4のうち前記タンク1内の絶縁油3内に位置する
下端部には、集熱板5が取付けられ、一方、前記タンク
1の外部に位置する上端部には、放熱フィン6が設けら
れている。尚、前記放熱フィン6には、冷却ファン7か
らの風が吹き付けられるように構成されている。
た熱は、絶縁油3を介して集熱板5に伝達される。この
結果、ヒートパイプ4内の作動液が蒸発・凝縮すること
によって、ヒートパイプ4の下端部から上端部に向かっ
て熱が伝達され、放熱フィン6から外部に放出される。
イプ4の上端部がタンク1の外部に突出して設けられて
いる分、変圧器の構成が大きくなり、十分に小形化を図
ることができなかった。また、前記タンク1の外部に突
出する前記ヒートパイプ4に放熱フィン6を設け、冷却
ファン7により冷却するという構成であるため、構成が
複雑化するという問題もあった。
ることなく冷却性能を向上させて小形化を図ることがで
きる静止誘導機器を提供するにある。
は、例えば特開平8−219665号公報に記載されて
いるように、中空状プレートの内部に作動液を封入して
構成したもので、作動液の核沸騰による蒸発・凝縮によ
り発生する作動液の振動によって集熱部から放熱部に向
かって熱を伝達するものである。この場合、前記プレー
トヒートパイプは、冷却パイプに比べてその厚み寸法を
小さくすることができることがわかっている。本発明
は、このようなプレートヒートパイプを用いて静止誘導
機器本体の熱を前記容器を介して外部に伝達するように
構成したものである。
は、容器と、この容器内に縦置き状態で収容された静止
誘導機器本体と、一端部の集熱部が前記静止誘導機器本
体の内部に配置され、他端部の放熱部が前記容器の内面
部に密着されたプレートヒートパイプとを具備するもの
であって、前記プレートヒートパイプを2個の折曲部を
有するクランク状に構成すると共に前記折曲部が略円弧
状をなすように構成したところに特徴を有する。
の集熱部を静止誘導機器本体の内部に配置したため、集
熱部と静止誘導機器本体との間に十分な接触面積を得る
ことができ、前記静止誘導機器本体から前記集熱部へ熱
を伝わり易くできる。また、前記プレートヒートパイプ
は厚み寸法が小さいため、静止誘導機器本体の内部に挿
入することによる前記静止誘導機器本体の大形化も極力
抑えることができる。更に、前記プレートヒートパイプ
の放熱部を容器の内面部に密着させたため、前記放熱部
から容器へ効率良く熱を伝達することができる。従っ
て、プレートヒートパイプを容器の内部に収容した構成
としながら冷却効率が十分に向上し、静止誘導機器全体
の小形化を図ることができる。更に、上記構成によれ
ば、前記プレートヒートパイプの集熱部を静止誘導機器
本体の内部に配置し、他端部を容器の内面部に密着させ
るだけであるから、構成が複雑化することもない。
個の折曲部を有するクランク状に構成したため、静止誘
導機器本体と容器との間に熱膨張寸法の差が生じた場合
であっても、その差を前記プレートヒートパイプの変形
によって吸収することができる。しかも、前記折曲部を
略円弧状となるように構成したため、前記プレートヒー
トパイプが変形しても局所的な応力集中がなく、プレー
トヒートパイプの破損を極力防止することができる。
と、この容器内に横置き状態で収容された静止誘導機器
本体と、一端部の集熱部が前記静止誘導機器本体の内部
に配置され、他端部の放熱部が前記容器の側面部の内面
部に密着されたプレートヒートパイプとを具備すること
を特徴とする。
の集熱部を静止誘導機器本体の内部に配置したため、集
熱部と静止誘導機器本体との間に十分な接触面積を得る
ことができ、前記静止誘導機器本体から前記集熱部へ熱
を伝わり易くできる。また、前記プレートヒートパイプ
は厚み寸法が小さいため、静止誘導機器本体の内部に挿
入することによる前記静止誘導機器本体の大形化も極力
抑えることができる。更に、前記プレートヒートパイプ
の放熱部を容器の内面部に密着させたため、前記放熱部
から容器へ効率良く熱を伝達することができる。従っ
て、プレートヒートパイプを容器の内部に収容した構成
としながら冷却効率が十分に向上し、静止誘導機器全体
の小形化を図ることができる。更に、上記構成によれ
ば、前記プレートヒートパイプの集熱部を静止誘導機器
本体の内部に配置し、他端部を容器の内面部に密着させ
るだけであるから、構成が複雑化することもない。
部側よりも放熱部側の方が下方に位置するように配置さ
れていると、放熱部で放熱して凝縮した作動液が、重力
に反して集熱部に戻るいわゆるトップヒートモードとな
るため、熱輸送特性が低下する。換言すると、前記プレ
ートヒートパイプは、集熱部側よりも放熱部側の方が上
方に位置するように配置したり(ボトムヒートモー
ド)、或いは、集熱部から放熱部にかけて略水平になる
ように配置した方が(水平ヒードモード)、熱輸送特性
が優れる。
置き状態で収容した場合は、優れた熱輸送特性を得るた
めには、静止誘導機器本体の内部に集熱部が配置された
プレートヒートパイプを静止誘導機器本体の上端部から
外方に突出させ、容器の側面の内面部のうち静止誘導機
器本体の上端部よりも上方の部分にプレートヒートパイ
プの放熱部を密着させることが望ましい。これに対し
て、静止誘導機器本体を横置き状態で容器内に収容した
場合は、プレートヒートパイプを静止誘導機器本体の両
端部から外方に突出させることができ、しかも、容器の
側面部の内面部のうち静止誘導機器本体よりも上方の部
分だけでなく側方に位置する部分に放熱部を密着させて
も優れた熱輸送特性を得ることができる。従って、容器
の側面部にプレートヒートパイプの放熱部からの熱を伝
達するためのスペースを十分確保することができ、冷却
性能の一層の向上を図ることができる。また、容器の側
面部を放熱のためのスペースとして有効に利用できるた
め、容器の小形化を図ることができる。
プレートヒートパイプの放熱部を押え板によって前記容
器の内面部に密着するように構成すると(請求項3の発
明)、前記放熱部が前記容器の内面部から離間すること
を防止できる。この場合、前記プレートヒートパイプの
放熱部と前記押え板との間に、弾性部材を介在させると
(請求項4の発明)、前記容器の内面部に対する前記放
熱部の密着性が向上する。特に、静止誘導機器の各部が
温度上昇によって熱膨張し、押え板と容器との間に挟持
されているプレートヒートパイプがずれ動き、プレート
ヒートパイプや押え板、容器が摩耗しても、前記弾性部
材によって放熱部を容器の内面部に押しつけることがで
きるため、密着性の低下を極力防止することができる。
なり側面部に開口部を有する容器本体と、前記開口部を
塞ぐように前記容器本体に設けられ、多数のフィンを有
する放熱体とから構成すると良い(請求項5の発明)。
上記構成によれば、容器の強度を確保しつつ冷却性能を
向上することができる。
ール部材を介して前記容器本体に取り付けると、前記容
器を容器本体と放熱体とから構成した場合であっても容
器の気密性の低下を極力抑えることができる(請求項6
の発明)。しかも、前記シール部材は弾性を有するた
め、容器本体と放熱体との間に熱膨張寸法に差があって
も、その差を吸収することができる。
いくつかの実施例を説明する。まず、図1ないし図7
は、本発明の第1の実施例(請求項1及び3に対応)を
示しており、図1は変圧器の縦断面図である。この図1
において、変圧器は、例えば三相用の変圧器本体11
(静止誘導機器本体に相当)及びこの変圧器本体11を
冷却及び絶縁するための冷却媒体たるSF6ガス12が
容器たるタンク13内に収容して構成されている。この
とき、前記変圧器本体11は、縦置き状態で前記タンク
13内に配置されている。また、前記タンク13は例え
ば直方体状をなしており、剛性を有する例えば炭素鋼板
から形成されている。
開口部13a及び下部開口部13bが設けられている。
また、前記タンク13の各側面部の外面部には、前記上
下部開口部13a及び13bによって前記タンク13内
に連通する熱交換部14が取付けられている。前記熱交
換部14は、例えばアルミニウム製で、複数のフィン1
4aを備えて構成されている。更に、前記タンク13の
上部には、ブッシング15が配設されている。
らなる三脚鉄心16の各脚に巻線17が巻装されて構成
されている(尚、図1では変圧器本体11は簡略化して
示している。)。前記巻線17は、例えばアルミニウム
製の導体(図示せず)を前記鉄心16に同心円状に巻付
けることにより構成されている。また、前記巻線17の
うち高圧層と低圧層との層間には、絶縁紙を介してスペ
ーサ(いずれも図示せず)が挿入されており、これによ
り前記層間に所定のギャップが設けられている。そし
て、前記層間のギャップ内には、プレートヒートパイプ
18の一端部たる集熱部18aが挿入されている。この
とき、前記プレートヒートパイプ18は、絶縁紙を介し
て前記巻線17に密着するように前記巻線17の高圧層
と低圧層との層間内に挿入されている。
に比べて厚み寸法が非常に小さい例えばアルミニウム製
の中空状プレートの内部に作動液が封入されて構成され
ている。前記プレートヒートパイプ18は、成形型を用
いて任意の形状に形成することができるものであり、本
実施例においては2個の折曲部18cを有する略クラン
ク状をなし且つ前記折曲部18cが略円弧状となるよう
に構成されている。
ち集熱部18aを除く部分は、巻線17の上端部から上
方に突出されている。そして、前記プレートヒートパイ
プ18の他端部たる放熱部18bは、前記タンク13の
うち前記熱交換部14が設けられた部分の内面部に密着
するように押え板19で押し当てられている。前記押え
板19は、剛性を有する例えば炭素鋼板から構成されて
いる。前記押え板19は、図2に示すように、プレート
ヒートパイプ18の延びる方向と直交する方向に延びて
おり、前記プレートヒートパイプ18と重ならない部分
が前記タンク13の内面部に例えば溶接により取り付け
られている。尚、図示はしないが、前記プレートヒート
パイプ18の他端部と前記タンク13の内面部との間に
は、熱伝導率の高い材料から形成された絶縁部材が介在
されている。
内部の作動液の核沸騰による蒸発・凝縮により発生する
作動液の軸方向振動によって一定方向、即ち集熱部18
aから放熱部18bに向かって熱を伝達するものであ
る。この場合、集熱部18aと放熱部18bとの温度差
が数10℃あれば、数10cmの幅で数100Wの熱量
を伝達できることが判っている。本実施例の変圧器にお
いては、巻線17とタンク13との温度差は数10℃以
上あることが判っており、従って、巻線17で発生した
熱はプレートヒートパイプ18の集熱部18aに伝達さ
れた後、作動液の軸方向振動によって放熱部18bに向
かって輸送される。
レート状をなしており、集熱部22bを巻線17の内部
に挿入したとき、巻線17との間に十分な接触面積を得
ることができる。そのため、集熱部18aにおいて巻線
17の熱が効率良く伝達されるようになる。
18bに輸送された熱は、タンク13に伝達された後、
外部に放熱される。このとき、前記プレートヒートパイ
プ18の放熱部18bは、タンク13のうち前記熱交換
部14に対応する部分の内面部に密着しているため、タ
ンク13に伝達された熱は熱交換部14における放熱作
用によって効率良く外部に放熱される。
の内面部に単に押し当てて密着させても、前記プレート
ヒートパイプ18や前記タンク13の熱膨張率の違いに
よって両者の間に隙間が生じる場合がある。このような
隙間が生じると、放熱部22に輸送された熱は隙間、即
ちSF6ガス12を介してタンク13に伝達されること
になり、熱伝達効率が低下する。これに対して、本実施
例においては、前記プレートヒートパイプ18の放熱部
18bを押え板19によってタンク13の内面部に押さ
え付けて密着させたため、プレートヒートパイプ18の
放熱部18bとタンク13との間に隙間が生じることを
極力防止することができる。従って、放熱部18bから
タンク13へ効率良く熱を伝達することができ、その結
果、集熱部18a、つまりは巻線17の温度上昇を低く
抑えることができる。
部18bとタンク13の内面部との間に隙間が無い場合
(実線)及び有る場合(二点鎖線)における、集熱部1
8aから放熱部18bまでのプレートヒートパイプ18
の温度及びタンク13の温度を示した。図7の下部に示
すグラフにおいて、横軸は集熱部18aからの距離を、
縦軸は温度を示しており、原点が集熱部18aの温度、
点Aが放熱部18bの温度、点Bから点Cまでがタンク
13の温度を示している。
13の内面部との間に隙間が無い場合に比べて隙間が有
る場合の方が熱伝達効率が低い分、放熱部18bとタン
ク13との間の温度差が大きくなる。そのため、集熱部
18aの温度が高くなり、巻線17の温度が上昇する。
り変圧器の各部が温度上昇する。このとき、巻線17、
鉄心16、タンク13、プレートヒートパイプ18の材
料が異なるため、また、発熱の程度が異なるため、熱膨
張寸法に差が生じる。特に、両端部が巻線17及びタン
ク13に密着されているプレートヒートパイプ18は、
前記巻線17及びタンク13の熱膨張寸法の差の影響を
受ける。ところが、本実施例においては、前記プレート
ヒートパイプ18を2個の折曲部18cを有するクラン
ク状にしたため、前記巻線17及びタンク13の熱膨張
寸法の差を、前記折曲部18cの変形によって吸収する
ことができる。
トパイプは、巻線17とタンク13の熱膨張寸法の差に
よって次のように変形する。即ち、図3及び図4は本実
施例に係るプレートヒートパイプ18の変形の様子を示
しており、図3は、巻線17及びタンク13の垂直方向
の熱膨張寸法差によって生じる変形を、図4は水平方向
の熱膨張寸法差によって生じる変形を示している。一
方、図5及び図6は折曲部を略直角状に構成した場合の
プレートヒートパイプ20の変形の様子を示しており、
図5は巻線17及びタンク13の垂直方向の熱膨張寸法
差によって生じる変形を、図6は水平方向の熱膨張寸法
差によって生じる変形を示している。尚、図3ないし図
6では、変形前のプレートヒートパイプ18及び20を
実線で、変形後のプレートヒートパイプ18及び20を
二点鎖線で示している。
よって垂直方向或いは水平方向に縮められると、プレー
トヒートパイプ18は、図3(a)及び図4(a)に示
すように折曲部18cの円弧半径が小さくなるように変
形する。これに対して、プレートヒートパイプ20は、
図5(a)及び図6(a)に示すように折曲部20aが
折り曲げ変形する。そのため、プレートヒートパイプ2
0のうち折曲部20aの外側部分に大きな引張応力が生
じる。
法差によってプレートヒートパイプ18,20が垂直方
向或いは水平方向に引き伸ばされると、プレートヒート
パイプ18は、図3(b)及び図4(b)に示すように
折曲部18cの円弧半径が大きくなるように変形する。
これに対して、プレートヒートパイプ20は、図5
(b)及び図6(b)に示すように、折曲部20aが引
き伸ばし変形する。そのため、プレートヒートパイプ2
0のうち折曲部20aの内側部分に大きな引張応力が生
じる。
レートヒートパイプ20の場合は、変形によって引張応
力が局所的に生じるため破損するおそれがある。これに
対して、本実施例のプレートヒートパイプ18は前記折
曲部18cを略円弧状にしたため、変形しても局所的に
応力が集中することがなく、変形により破損することを
極力防止することができる。
7とタンク13の熱膨張寸法の差によるプレートヒート
パイプ18の変形が大きくなり、その結果、プレートヒ
ートパイプ18に生じる応力も大きくなるという問題が
ある。しかしながら、本実施例においては、プレートヒ
ートパイプ18が大きく変形しても局所的に応力が集中
することがなく、破損を極力防止することができるた
め、タンク13の一層の小形化を図ることができる。
ートパイプ18がタンク13を貫通しないため、タンク
13を貫通するようにヒートパイプを設けていた従来の
変圧器において必要であった特別なシール部材を不要と
することができる。
にSF6ガス12を収容した。そのため、変圧器本体1
1で生じた熱により温められたSF6ガス12は、自然
対流の作用によって上部開口部13aから熱交換部14
に流入して冷却された後、下部開口部13bからタンク
13内に流入するという動作を繰り返すことによって変
圧器本体11を冷却する。従って、プレートヒートパイ
プ18単独で変圧器本体11を冷却する場合に比べて冷
却性能が向上する。
ートヒートパイプ18の放熱部18bを集熱部18aよ
りも上方に配置した。そのため、集熱部18aにて蒸発
した作動液は、放熱部18bにて凝縮し、重力作用によ
り下方へ流下して再び集熱部18aに戻るいわゆる「ボ
トムヒートモード」となる。そのため、熱輸送特性を向
上させることができ、ひいては、全体の構成を小形化す
ることができる。
が封入された冷却ダクトの集熱部を配設して、巻線17
を冷却することが従来より行われている。しかし、前記
冷却ダクトの場合は、厚み寸法を10mm程度にしなけ
れば十分な熱伝達特性は期待できないという事情があ
る。これに対して、上記プレートヒートパイプ18は、
2mm程度の厚み寸法で十分な熱伝達特性を得ることが
できるため、この点からも小形化を図ることができる。
対応)を示しており、第1の実施例と異なるところを説
明する。尚、第1の実施例と同一部分には同一符号を付
している。この第2の実施例では、プレートヒートパイ
プ18の放熱部18bと押え板19との間に弾性部材例
えばゴム製のシート21を介在させている。
巻線17が温度が上昇して熱膨張すると、その熱膨張寸
法の差によってプレートヒートパイプ18が変形する。
このとき、前記プレートヒートパイプ18の放熱部18
bは押え板19とタンク13との間に挟持されているた
め、前記放熱部18bが水平方向に移動してタンク13
の内面部から離間することはないが、放熱部18bが上
下方向にずれ動くことが考えられる。このように前記放
熱部18bが上下にずれ動くと、プレートヒートパイプ
18や押え板19、タンク13が摩耗し、放熱部18b
とタンク13との間に隙間が生じるおそれがある。この
ように放熱部18bとタンク13との間に隙間が生じる
と、冷却性能が低下する。
とプレートヒートパイプ18との間にゴム製のシート2
1を介在させ、このシート21の弾性力によってプレー
トヒートパイプ18の放熱部18bがタンク13の内面
部に圧着されるように構成した。そのため、放熱部18
bが上下方向にずれ動くことを極力防止できる。また、
放熱部18bが上下方向にずれ動いてプレートヒートパ
イプ18等が摩耗した場合でも、前記シート21の弾性
力によって放熱部18はタンク13の内面部に圧着され
るため、前記放熱部18bとタンク13との間に隙間が
生じることを防止できる。
(請求項2に対応)を示しており、第1の実施例と異な
るところを説明する。尚、第1の実施例と同一部分には
同一符号を付している。図9は、本実施例に係る変圧器
の内部構成を模式的に示した図であり、図10は、図9
のX−X線に沿う横断面図である。
施例では、変圧器本体11が横置き状態でタンク13内
に収容されている。このとき、変圧器本体11の鉄心1
6を、タンク13の底部に固定された一対の支持部材3
1によって支持することにより前記変圧器本体11がタ
ンク13内に配設されている。以上の構成により、前記
鉄心16の両端部は水平方向に対向しており、前記鉄心
16に対して巻線17が同心円状に巻き付けられてい
る。
の層間のギャップ内には、複数のプレートヒートパイプ
18の集熱部18aが挿入されている。このとき、一部
のプレートヒートパイプ18は前記巻線17の一方の端
面部17aから外方に突出され、残りのプレートヒート
パイプ18は巻線17の他方の端面部17bから外方に
突出され、放熱部18bがタンク13の側面部の内面部
に密着されている。
たプレートヒートパイプ18は、略L字状に成形されて
おり、放熱部18bが集熱部18aよりも上方に位置し
ている。また、巻線17内の側部に挿入されたプレート
ヒートパイプ18は、略コ字状或いは略L字状に成形さ
れて、放熱部18bと集熱部18aとが略同じ高さに位
置している。
は、巻線17の層間のギャップ内に挿入されるため、前
記ギャップの延びる方向によって前記プレートヒートパ
イプ18の集熱部18aを配置する向きが決まる。従っ
て、変圧器本体11を縦置きした場合は、前記ギャップ
が上下方向に延びるため、前記プレートヒートパイプ1
8の集熱部18aも上下方向に配置される。この場合、
熱輸送特性を考慮すると、ボトムヒートモード或いは水
平ヒートモードとなるようにプレートヒートパイプ18
を配置する必要があり、従って、上記構成においては、
巻線17の上端面部からプレートヒートパイプ18を突
出させて、タンク13の側面部のうち巻線17よりも上
方に位置する部分に放熱部18bを密着させる必要があ
る。即ち、タンク13の側面部のうち放熱部18bを密
着させることができる範囲が巻線17よりも上方の部分
に限定される。
体11を横置きすると、層間のギャップが水平方向(図
9及び図10では左右方向)に延びる。そのため、プレ
ートヒートパイプ18を巻線17の両端面部から突出さ
せ、タンク13の側面部のうち変圧器本体11よりも上
方に位置する部分及び側方に位置する部分に放熱部18
bを密着させることができる。従って、タンク13の側
面部にプレートヒートパイプ18の放熱部18bからの
熱を伝達するためのスペースを十分確保することがで
き、冷却性能の一層の向上を図ることができる。また、
変圧器本体11を縦置き状態でタンク13内に収容した
場合に比べて、タンク13の側面部を有効に利用できる
ため、タンク13の小形化、ひいては変圧器の小形化を
図ることができる。
例(請求項5及び6に対応)を示しており、第1の実施
例と異なるところを説明する。尚、第1の実施例と同一
部分には同一符号を付している。この第4の実施例で
は、容器たるタンク41を、剛性を有する例えば炭素鋼
板からなる容器本体としてのタンク本体42と、このタ
ンク本体42の側面部に設けられた放熱体43とから構
成している。
炭素鋼板からなり、図13に示すように、矩形皿状の底
箱44と、矩形箱状の上蓋部45と、前記タンク本体4
2の四隅部に配設された断面L字状の柱部材46とから
構成されている。前記柱部材46の上下両端部は、例え
ば溶接により前記底箱44の隅部及び上蓋部45の隅部
に固定されている。以上の構成により、前記タンク本体
42の4個の側面部にはそれぞれ矩形状の開口部47が
形成される。
2に示すように、例えばアルミニウム製で複数のフィン
43aを備えている。そして、前記放熱体43は、前記
フィン43aが外方に突出するように前記タンク本体4
2の開口部47の周縁部にシール部材48を介して取り
付けられている。この場合、前記シール部材48とタン
ク本体42との接合及び前記シール部材48と放熱体4
3との接合は、例えば接着により行われている。また、
前記シール部材48は弾性を有するゴム等の合成樹脂か
ら構成されている。
縁部を除く部分は放熱体43から構成されており、プレ
ートヒートパイプ18の放熱部18bは、前記放熱体4
3に密着されている。尚、本実施例では、前記放熱部1
8bは、押え板を介することなく放熱体43に押し当て
られて密着されている。
確保するために炭素鋼で形成されているが、炭素鋼は熱
伝導率が小さいという事情がある。これに対して、熱伝
導率の大きい例えばアルミニウム材は剛性が小さく、タ
ンク全体をアルミニウム材から構成した場合には、十分
な強度を確保できない。
を炭素鋼からなるタンク本体42及びアルミニウム材か
らなる放熱体43から構成した。即ち、タンク41の上
下部分及び側面部の周縁部を剛性を有する炭素鋼から構
成し、タンク41の側面部のうち周縁部を除く部分を熱
伝導率の大きいアルミニウム材から構成した。そして、
プレートヒートパイプ18の放熱部18bを前記放熱体
43に密着させるように構成した。従って、タンク41
の強度を確保しつつ、プレートヒートパイプ18の放熱
部18bから効率良く放熱することができる。また、タ
ンク41の内面部に放熱体43が露出しているため、タ
ンク41内のSF6ガスを効率良く冷却することがで
き、この点からも冷却性能が向上する。
ルミニウム材からなる放熱体43とでは、熱膨張率が異
なる。しかし、本実施例では、タンク本体42と放熱体
43との間に弾性を有するシール部材48を設けたた
め、シール部材48によってタンク本体42と放熱体4
3との熱膨張寸法差を吸収することができ、タンク41
のシール性が低下することを極力防止することができ
る。
体11を横置き状態で収容する構成にも適用できる。ま
た、タンク本体42は一体に構成しても良い。さらに、
放熱体43はねじ止めによりタンク本体42に取り付け
ても良い。更にまた、タンク本体42と放熱体43の熱
膨張寸法の差を考慮する必要がなければ、シール部材4
8は弾性を有していなくても良く、また、シール部材4
8を省略することも可能である。
るものではなく、例えば次のような変形が可能である。
プレートヒートパイプの集熱部は巻線の内部に配置する
他、鉄心の内部に配置しても良い。
制的に循環させるファンを設けても良い。この場合、S
F6ガス12の循環がより一層効率良く行われるため、
冷却性能が一層向上する。冷却媒体としてはSF6ガス
に限定されるものではない。即ち、空気を冷却媒体とし
て用いる乾式変圧器や、油入変圧器にも適用できる。更
に、リアクトル等、変圧器以外の静止誘導機器にも適用
しても良い。
請求項1の静止誘導機器によれば、容器内に縦置き状態
で収容された静止誘導機器本体の内部にプレートヒート
パイプの集熱部を配置すると共に放熱部を前記容器の側
面部の内面部に密着させたので、静止誘導機器本体で発
生した熱を、前記プレートヒートパイプの集熱部に効率
良く伝達した後、放熱部から容器に伝達して外部に放熱
することができる。従って、前記プレートヒートパイプ
を容器の内部に収容した構成としながら冷却性能が十分
に向上し、静止誘導機器全体の小形化を図ることができ
る。また、前記プレートヒートパイプをクランク状とし
且つ折曲部が略円弧状をなすように構成したので、静止
誘導機器本体及び容器の間に熱膨張寸法差が生じた場合
であっても、その差をプレートヒートパイプの変形によ
って吸収することができ、しかも、変形による応力の集
中が生じないためプレートヒートパイプが破損すること
を極力防止できる。
よれば、容器内に横置き状態で収容された静止誘導機器
本体の内部にプレートヒートパイプの集熱部を配置する
と共に放熱部を前記容器の側面部の内面部に密着させた
ので、静止誘導機器本体で発生した熱を、前記プレート
ヒートパイプの集熱部に効率良く伝達した後、放熱部か
ら容器に伝達して外部に放熱することができる。従っ
て、前記プレートヒートパイプを容器の内部に収容した
構成としながら冷却性能が十分に向上し、静止誘導機器
全体の小形化を図ることができる。また、静止誘導機器
本体を横置きし、容器の側面部の内面部のうち、静止誘
導機器本体よりも上方に位置する部分及び側方に位置す
る部分にプレートヒートパイプの放熱部を密着させても
優れた熱輸送特性を得ることができるように構成したた
め、容器の側面部にプレートヒートパイプの放熱部から
の熱を伝達するためのスペースを十分確保することがで
きて、冷却性能の一層の向上を図ることができる。
を断面して示す変圧器の正面図
して示す斜視図
変形を説明するための図であり、(a)は水平方向に縮
められた場合、(b)は水平方向に引き伸ばされた場合
を示す。
変形を説明するための図であり、(a)は垂直方向に縮
められた場合、(b)は垂直方向に引き伸ばされた場合
を示す。
変形を説明するための図であり、(a)は水平方向に縮
められた場合、(b)は水平方向に引き伸ばされた場合
を示す。
変形を説明するための図であり、(a)は垂直方向に縮
められた場合、(b)は垂直方向に引き伸ばされた場合
を示す。
面部の密着性と各部の温度との関係を示す図
ートヒートパイプの放熱部周辺部分の拡大縦断面図
器本体及びプレートヒートパイプの配置を模式的に示す
正面図
を模式的に示す上面図
41はタンク(容器)、18はプレートヒートパイプ、
18aは集熱部、18bは放熱部、18cは折曲部、1
9は押え板、21はシート(弾性部材)、42はタンク
本体(容器本体)、43は放熱体、47は開口部、48
はシール部材を示す。
Claims (6)
- 【請求項1】 容器と、 この容器内に縦置き状態で収容された静止誘導機器本体
と、 一端部の集熱部が前記静止誘導機器本体の内部に配置さ
れ、他端部の放熱部が前記容器の側面部の内面部に密着
されたプレートヒートパイプとを具備し、 前記プレートヒートパイプは、2個の折曲部を有するク
ランク状をなし且つ前記折曲部が略円弧状に構成されて
いることを特徴とする静止誘導機器。 - 【請求項2】 容器と、 この容器内に横置き状態で収容された静止誘導機器本体
と、 一端部の集熱部が前記静止誘導機器本体の内部に配置さ
れ、他端部の放熱部が前記容器の側面部の内面部に密着
されたプレートヒートパイプとを具備することを特徴と
する静止誘導機器。 - 【請求項3】 プレートヒートパイプの放熱部は、押え
板によって容器の内面部に密着されていることを特徴と
する請求項1または2記載の静止誘導機器。 - 【請求項4】 プレートヒートパイプの放熱部と押え板
との間には弾性部材が介在されていることを特徴とする
請求項3記載の静止誘導機器。 - 【請求項5】 容器は、 剛性を有する材質からなり側面部に開口部を有する容器
本体と、 前記開口部を塞ぐように前記容器本体に設けられ、多数
のフィンを有する放熱体とから構成されていることを特
徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の静止誘導
機器。 - 【請求項6】 放熱体は、弾性を有するシール部材を介
して前記容器本体に取り付けられていることを特徴とす
る請求項5記載の静止誘導機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02396199A JP4473360B2 (ja) | 1999-02-01 | 1999-02-01 | 静止誘導機器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02396199A JP4473360B2 (ja) | 1999-02-01 | 1999-02-01 | 静止誘導機器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000223323A true JP2000223323A (ja) | 2000-08-11 |
JP4473360B2 JP4473360B2 (ja) | 2010-06-02 |
Family
ID=12125156
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02396199A Expired - Lifetime JP4473360B2 (ja) | 1999-02-01 | 1999-02-01 | 静止誘導機器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4473360B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009104197A1 (en) * | 2008-02-22 | 2009-08-27 | Crompton Greaves Limited | Improved compact dry transformer |
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CN112438003A (zh) * | 2018-07-13 | 2021-03-02 | Abb瑞士股份有限公司 | 用于高压开关设备的散热器 |
KR20230003866A (ko) * | 2021-06-30 | 2023-01-06 | 송암시스콤 주식회사 | 판형 히트파이프를 포함한 고효율 변압기 |
-
1999
- 1999-02-01 JP JP02396199A patent/JP4473360B2/ja not_active Expired - Lifetime
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KR102607695B1 (ko) * | 2021-06-30 | 2023-11-29 | 송암시스콤 주식회사 | 판형 히트파이프를 포함한 고효율 변압기 |
Also Published As
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---|---|
JP4473360B2 (ja) | 2010-06-02 |
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