JP2000222738A - 光学的情報記録再生方法及び光学的情報記録再生装置 - Google Patents

光学的情報記録再生方法及び光学的情報記録再生装置

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JP2000222738A JP11021886A JP2188699A JP2000222738A JP 2000222738 A JP2000222738 A JP 2000222738A JP 11021886 A JP11021886 A JP 11021886A JP 2188699 A JP2188699 A JP 2188699A JP 2000222738 A JP2000222738 A JP 2000222738A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 データを記録した装置とは別の装置で再生し
た場合に、再生データのエッジ位置変動が大きくなり再
生互換性がとれない状態を解決する。 【解決手段】 局所的光学定数の変化を検出する再生系
の周波数特性を、所定の周波数特性に切り替える再生学
習手段13、24と、光学的情報記録媒体上にテストパ
ターンを記録した後再生し、2値化した再生データのエ
ッジ位置が所望の位置になるよう、記録パルスの始端ま
たは終端エッジ位置をマーク区間と先行または後続する
スペースの長さの組み合わせ毎に補正する記録学習手段
20を備え、マーク間の熱干渉によるエッジシフト量を
学習する前に再生系の周波数特性を一定に揃えておくこ
とができるので、記録したマーク及びスペースの長さを
常に一定の長さにでき、装置間の再生互換性が向上す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、書き換え型光ディ
スクにマークエッジ記録方式でデータを記録するための
光学的情報記録再生方法及び光学的情報記録再生装置に
関するもので、特に、記録マークのエッジ位置を正確に
制御する記録補償に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、映像もしくは音声信号などの情報
信号を記録再生できる光情報記録媒体、とりわけ光ディ
スクの開発が盛んである。高密度な記録が可能な光ディ
スク媒体の一つに相変化型光ディスクがある。相変化型
光ディスクへのデータの記録は、レーザ光を直径1μm
以下の光ビームに絞って回転するディスクに照射し、記
録膜を加熱融解させることで行う。その記録光ビームの
強弱により記録膜の到達温度及び冷却過程が異なり、結
晶状態とアモルファス状態の間で記録膜の相変化が起こ
る。
【0003】光ビームが強いときは(これをピークパワ
ーレベルと呼ぶ)、記録膜が融点以上に熱せられて溶融
してから急速に冷却するのでアモルファス化する。光ビ
ームが中程度の強さのときは(これをバイアスパワーレ
ベルと呼ぶ)、記録膜が結晶化温度よりも高く融点より
も低い状態に保たれるので結晶化する。アモルファス化
した部分をマークと呼び、結晶化した部分をスペースと
呼ぶことにする。このマークとスペースの長さに情報を
持たせてデータを記録する方法をマークエッジ記録方式
と呼ぶ。相変化光ディスクは、記録膜がアモルファス状
態であっても結晶状態であっても、ピークパワーレベル
で溶融させてマークを形成することができるので、一つ
の光ビームで古いデータの消去と新しいデータの記録を
同時に行うこと、即ちダイレクトオーバライトが可能で
ある。
【0004】ところが、マークエッジ記録で長いマーク
を記録する場合、ピークパワーレベルの光ビームをマー
ク部分に一定の強さで照射すると、記録膜の熱蓄積効果
のため、マークの後半部ほど幅が太くなる。これはダイ
レクトオーバライトしたときに消しのこりが発生するな
ど、信号品質を損ねる。この対策として、一定の強さで
なく、マーク区間で光ビームをピークパワーレベルとバ
イアスパワーレベルの間で交互に高速に切り替えてマー
クを記録する、いわゆるマルチパルス記録が有効であ
る。これにより、マーク後半の蓄熱効果を緩和し、始端
から終端まで一定幅のマークを形成することができる。
【0005】再生は、記録膜が相変化を起こさない程度
に弱い光ビームを照射し、その反射光の強さをフォトデ
ィテクタで検出する。記録膜の材料や保護層との構成に
より、アモルファス化したマーク部分の反射率を結晶化
したスペース部分の反射率と大きく変えることができ、
これにより、マーク部分とスペース部分の反射光量の違
いを検出して記録データの再生信号を得ることができ
る。
【0006】このような相変化型光ディスクの記録密度
を高めるために、記録するマーク及びスペースの長さを
短くすることが考えられる。ところが、スペース長が小
さくなると、記録した終端の熱がスペース部分を伝導し
て次のマークの始端温度上昇に影響を与えたり、次に記
録したマーク始端の熱が前のマーク終端の冷却工程に影
響を与えたりする、いわゆる熱干渉が生じる。この結
果、マークのエッジ位置が変動することになり、再生時
のデータ誤り率が増加する。図9を用いてこの現象を説
明する。同図(a)は記録データを2値で示した波形
図、(b)はレーザの発光する強度を2値で示した波形
図で、上述したように一つのマークに対して複数の短パ
ルスが対応している。(c)はディスクに形成された記
録マークの模式図、(d)は(c)の記録マークの再生
信号の波形図、(e)は再生信号を2値化したときの波
形図である。同図は長いマークの前後に短いスペースが
ある場合を、熱干渉の影響の特徴的な例として表してい
る。前後のスペース長に関わらず、(b)図の発光パル
スの始終端エッジを(a)図の記録データの始終端エッ
ジと同じ位置関係にすると、(c)図に示すように記録
マークの始終端が伸びる。同図において、中央のマーク
の前端及び後端のシフト量をEs1及びEs2で示す。
この結果、再生波形は図(d)のようにマーク区間が所
望の長さよりも長くなり、(e)図のように2値化する
とエッジシフトが生じる。
【0007】この熱干渉によるエッジ位置の変動量は、
注目しているマークの前のスペースや後ろのスペースの
長さによって異なる。そこで、この課題を解決するため
に、特開昭63−48617号公報には、マークの前の
スペースの長さに応じて、予めマーク部分の記録パルス
の始端位置を変化させ、熱干渉によるエッジ位置の変動
を補償する技術が開示されている。始端位置の変化量
は、異なる長さの複数のマーク及びスペースの組み合わ
せからなるテストパターンを予め記録した後再生し、再
生信号のエッジ位置と目標値とのずれ量を測定して求め
る。図10にテストパターンの一例を示す。このテスト
パターンはデータの変調方式によってパターンが異なる
が、少なくとも最短のマーク及びスペースと、エッジ位
置測定のための基準となる長いマーク及びスペースを含
むものが用いられる。ここでマーク及びスペースの長さ
の単位となるチャンネルビット長をTとすると、8−1
6変調では記録データの最短は3T、最長は11Tとな
る。例えば注目する3Tマークに後続するスペースの長
さが3Tの場合と11Tの場合とで、再生信号において
は基準マーク(11T)とのエッジ間隔が異なる。この
様なテストパターンを記録して予め求めたずれ量によっ
てエッジシフトを補償する方法を図11を用いて説明す
る。 同図(a)から(e)はそれぞれ図10と同じ
く、記録データ、レーザ発光信号、記録マーク、再生信
号及び2値化信号である。エッジ補償は図11(b)に
示す様に、レーザ発光信号の前端パルス及び後端パルス
を、前述のシフト量Es1呼びEs2に対応してEs
1’及びEs2’だけずらすことで行う。これにより、
同図(c)乃至(e)に示すように、所望の長さのマー
クが記録され、データの再生誤りを防ぐことができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような従来の光学的情報記録再生方法及び光学的情報記
録再生装置では、データを記録した装置と同一の装置で
再生を行った場合は、再生データのエッジ位置変動を低
減することは可能であるが、記録した装置とは別の装置
で再生した場合に、記録再生のレーザスポット形状、記
録膜の特性バラツキ、再生系の特性バラツキなどの影響
でエッジ位置変動が大きくなってしまう、即ち再生互換
性がとれないという課題があることがわかった。以下そ
の課題について説明する。
【0009】熱干渉によるエッジ位置の補正量は、テス
トパターンの記録再生により求めるが、この補正量は再
生光学系や再生回路の群遅延特性に左右される。なぜな
ら、テストパターンは前述したように短いマーク及びス
ペースと、長いマーク及びスペースを含む。エッジの補
正量を学習するために、基準となる長マークの前もしく
は後エッジと、測定対象となる短マークのエッジとの間
隔を測定しなければならない。再生系が群遅延特性を有
すると、短いマーク及びスペースの再生信号が長いマー
ク及びスペースの再生信号に対して遅れたり進んだりす
るので、マークのエッジシフト量を正しく測定すること
ができない。したがって、群遅延特性を有するある装置
でエッジの補正量を学習して、2値化信号でのシフト量
がゼロになるよう記録しても、群遅延特性がそれと異な
るか全く無い装置で再生すると、再生信号にエッジシフ
トが生じてしまう。即ち、同じマーク及びスペースに対
して、再生する装置によって2値化後の長さが異なって
来るという問題点があった。
【0010】本発明の目的は、このような従来の課題を
解決し、記録マーク間の熱干渉によるエッジシフト量を
正しく補償して、再生装置間の互換が容易な光学的情報
記録再生方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明による光学的情報記録再生方法は、データを
マーク区間及びスペース区間の長さ情報とし、前記マー
ク区間に対して1個または複数の記録パルスに応じて光
ビームの強度を切り替えて光学的記録媒体に照射するこ
とによって記録層の局所的光学定数変化の形でデータの
記録を行い、所定強度の光ビームによって前記局所的光
学定数の変化を検出することによってデータを再生する
光学的情報記録再生方法であって、前記方法は、前記局
所的光学定数の変化を検出する再生系の周波数特性を、
所定の周波数特性に切り替える再生学習工程と、前記光
学的情報記録媒体上にテストパターンを記録した後再生
し、2値化した再生データのエッジ位置が所望の位置に
なるよう、前記記録パルスの始端または終端エッジ位置
を前記マーク区間と先行または後続するスペース区間の
長さの組み合わせ毎に補正する記録学習工程を含むこと
を特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態を用いて本発明
をさらに具体的に説明する。
【0013】尚、以下の実施の形態においては、光学的
情報記録媒体として、実反射率の変化によって記録を行
う相変化型の記録材料を用いた光ディスクを例に挙げて
説明する。
【0014】(実施の形態1)図1に本発明の第1の実施
の形態による光学的情報記録再生方法を適用した光ディ
スク装置の構成を示す。
【0015】同図に示したように、光ディスク装置10
0は、光ディスク1を駆動する光ディスクドライブ10
1及びホストコンピュータ102を有している。光ディ
スク1上には情報トラック2が形成されており、光ヘッ
ド9によるレーザの照射によりデータの記録及び再生が
行われる。
【0016】光ディスクドライブ101は、図1に示す
ように、光ヘッド9、ヘッド移送台10、再生信号処理
部103、記録信号処理部104、光ディスク1を回転
させるスピンドルモータ22、及びシステムコントロー
ラ23を備えている。
【0017】光ヘッド9は、半導体レーザ3、半導体レ
ーザ3から出射された光ビームを平行光に変換するコリ
メートレンズ4、平行光束上に設けられたハーフミラー
5、及びハーフミラー5を透過した平行光を光ディスク
1の情報面に集光する対物レンズ6を備えており、光デ
ィスク1の情報トラック2に光ビームを照射する。光ヘ
ッド9は、また、光ディスク1面上で反射し、対物レン
ズ6、ハーフミラー5及び検出レンズ7を経由してきた
光を受光する光検出器8を備えている。半導体レーザ
3、コリメートレンズ4、ハーフミラー5、対物レンズ
6、検出レンズ7及び光検出器8は、図示しないヘッド
ベースに取り付けられ、光ヘッド9を構成している。光
ヘッド9はヘッド移送台10に取り付けられ、光ディス
ク1の半径方向に移動可能になっている。
【0018】再生信号処理部103は、光検出器8から
出力される光検出信号を増幅して再生信号として出力す
るアンプ11、アンプ11から与えられる再生信号の周
波数特性を変換して出力する波形等化回路12、波形等
化回路12からの出力を受け取り、所定の群遅延特性を
加えて出力する群遅延特性補正回路13、群遅延特性補
正回路13からの信号を受け取り、2値化再生信号を出
力する2値化回路14、2値化再生信号に同期した再生
クロックを生成し、この再生クロックに同期してディジ
タル再生信号を出力するPLL(Phase Locked Loop)
15、ディジタル再生信号を受け取り、復調して復調デ
ータを出力する復調回路16及び受け取った復調データ
に誤り訂正を行い、復号データとしてホストコンピュー
タ102に出力する再生信号処理回路17を有してい
る。
【0019】記録信号処理部104は、記録信号処理回
路18,変調回路19、エッジ位置調整回路20、レー
ザ駆動回路21、エッジ間隔測定回路24及びテーブル
生成回路25を備えている。記録信号処理回路18は、
ホストコンピュータ102からの記録データを受け取
り、誤り訂正符号などを付加して符号データとして出力
する。変調回路19は、受け取った符号データに光ディ
スクに適した変調、例えば8−16変調とマルチパルス
化を施し、マルチパルス化された変調データとして出力
する。エッジ位置調整回路20は、受け取った変調デー
タの始端パルス及び終端パルスの位置を、テーブル生成
回路25からの設定値に従って調整し、レーザ駆動パル
スとして出力する。レーザ駆動回路21は、受け取った
レーザ駆動パルスに応じて、半導体レーザ3に駆動電流
を出力する。エッジ間隔測定回路24は、2値化回路1
4が出力する2値化再生信号のうち、特定のマーク長と
スペース長の組み合わせパターンを抜き出し、そのエッ
ジ間隔を測定してエッジ位置データとしてテーブル生成
回路25及びシステムコントローラ23に出力する。テ
ーブル生成回路25は、受け取ったエッジ位置データを
基にエッジ設定値のテーブルを作成し、各エッジ設定値
をエッジ位置調整回路20に出力する。
【0020】システムコントローラ23は、ヘッド移送
台10へ駆動信号を送り、光ヘッド9をディスク半径方
向に移動させて、光ビームを所望の位置にアクセスさせ
る。また、エッジ間隔測定回路24から受け取ったエッ
ジ位置データを基に、群遅延特性を計算し、群遅延特性
補正回路13に補正用制御信号を出力する。
【0021】ホストコンピュータ102は、光ディスク
ドライブ101の外部にあって、ディジタル映像音声デ
ータやコンピュータデータなどの情報信号及び制御デー
タの入出力を行う。
【0022】光ディスク1は図2に示すように、案内溝
によってトラックが形成され情報信号がアモルファス状
態からなるマークと結晶状態からなるスペースとして記
録される情報信号領域と、案内溝は形成されず群遅延特
性等を測定するための基準パターンがディスク基板のエ
ンボスピットとして予め形成されている再生学習領域
と、案内溝によってトラックが形成されエッジシフト量
を学習するためのテストパターンがマークとして記録さ
れる記録学習領域とを備えている。
【0023】次に、上記のように構成された光ディスク
装置100の動作について、図1に戻って説明する。
【0024】本実施の形態の光学的情報記録再生方法に
おいては、再生学習領域の再生による再生学習工程、記
録学習領域における記録学習工程及び情報信号の記録工
程の順に行われるので、以下この順に説明する。
【0025】まず、ホストコンピュータ102は、再生
モードを示すコマンドをシステムコントローラ23に送
る。システムコントローラ23は、再生モードを示すコ
マンドに対応して制御信号をスピンドルモータ22及び
レーザ駆動回路21に出力する。スピンドルモータ22
が光ディスク1を回転させ始めた後、レーザ駆動回路2
1は再生モードとなり、半導体レーザ3に駆動電流を出
力し、半導体レーザ3を一定の再生パワーレベルで発光
させる。
【0026】システムコントローラ23はまた、ヘッド
移送台10へ制御信号を出力し、光ビームが光ディスク
1の再生学習領域の基準パターン上に来るよう、光ヘッ
ド9を移動させる。
【0027】次に光ビームの焦点方向(フォーカス方
向)及びディスク半径方向(トラッキング方向)の位置
制御が行われる。光ビームのフォーカス方向の位置制御
は、非点収差法等の一般的なフォーカス制御によって実
現され、トラッキング方向の位置制御はプッシュプル法
などの一般的なトラッキング制御によって実現されてい
ることを前提とし、各々の説明は省略する。これらの位
置制御により、基準パターン上を光ビームが走査可能と
なる。
【0028】光ディスク1上の基準パターンで変調され
た光ビームは光検出器8で光検出信号に変換され、同信
号はアンプ11で増幅された後、再生信号として波形等
化回路12に送られる。波形等化回路12は、再生信号
の符号間干渉を低減するために高い周波数領域の振幅を
強調するように変換し、群遅延特性補正回路13に出力
する。群遅延特性補正回路13は、システムコントロー
ラ23からの制御信号により、再生信号に所定の遅延量
を加え、2値化回路14へ出力する。ここで、再生学習
領域の再生時には、群遅延特性補正回路13における遅
延量の補正は行われない。2値化回路14はアナログの
再生信号を所定のスライスレベルで2値化してエッジ間
隔測定回路24に出力する。上記基準パターンは、例え
ば最短マークと最短スペースの組み合わせから順にマー
ク及びスペ−ス長が増していく周期パターンとなってお
り、予めそのパターンがわかっているので、それぞれの
エッジ位置をエッジ間隔測定回路24で測定すること
で、2値化回路14の出力までの群遅延特性がわかるよ
うになっている。つまり、測定したエッジ間隔と基準パ
ターン本来のエッジ間隔との間にずれがあり、そのずれ
量が周波数に依存するならば、その再生系の群遅延特性
が平坦ではないことがわかる。
【0029】システムコントローラ23は、エッジ間隔
測定回路24がマーク及びスペースの長さ毎に測定した
エッジ位置データをもとに群遅延特性を計算し、これを
が平坦になるよう補正用制御信号を、群遅延特性補正回
路13に出力する。これにより、再生信号処理部103
の群遅延特性が平坦になり、再生学習工程が終了する。
なお、システムコントローラ23は、群遅延特性を計
算する代わりに、幾通りかの補正制御信号を群遅延補正
回路に出力し、その都度エッジ間隔測定回路24が測定
したエッジ位置と基準パターンの本来のエッジ位置との
ずれ量をモニタし、そのずれ量が最小になったところで
再生学習工程を終了してもよい。
【0030】次に、記録学習工程について説明する。
【0031】システムコントローラ23は、ヘッド移送
台10へ制御信号を出力し、光ビームが光ディスク1の
記録学習領域のトラックに来るよう、光ヘッド9を移動
させる。次に、記録信号処理回路18に記録学習用のテ
ストパターンデータを出力するよう制御信号を送り、テ
ストパターンデータが変調回路19,エッジ位置調整回
路20及びレーザ駆動回路21を経て、半導体レーザ3
に送られる。半導体レーザ3は、ピークパワーレベル及
びバイアスパワーレベルの間で変調された光ビームを放
射し、ディスク上にテストパターンに対応したマークが
記録される。このとき、エッジ位置調整回路20におけ
る始端及び終端パルスの設定値は、所定の初期値に設定
されている。テストパターンの記録が終わると、システ
ムコントローラ23は再生モードに移り、ディスクに記
録されたテストパターンを再生する様、制御信号をレー
ザ駆動回路21及びヘッド移送台10に送る。
【0032】記録学習領域に記録されたテストパターン
上に光ビームが位置制御されると、再生信号の2値化ま
でが再生学習工程と同様に行われる。ここで群遅延特性
補正回路13は、先の再生学習工程によって再生系の群
遅延特性が平坦になるよう設定されている。2値化信号
はエッジ間隔測定回路24でそのエッジ間隔が測定され
る。テーブル生成回路25は、測定されたエッジ位置デ
ータを基に、エッジシフトが小さくなるようエッジ設定
値のテーブルを作成し、エッジ位置調整回路20へ送出
する。
【0033】以上のテストパターンの記録と再生を繰り
返し、エッジシフトが零または所望のしきい値以下にな
ると、システムコントローラ23は記録学習工程を終了
させる。このときのエッジ設定値のテーブルは、再生系
の群遅延の周波数特性が平坦な状態で作成されているの
で、この設定値で記録するとマーク及びスペースの組み
合わせに関わらず正しいで記録できる。なお、図3に、
再生学習工程を始めてから記録学習工程が終了するまで
のフローチャートを示す。
【0034】エッジ設定値のテーブルは、例えば最短マ
ーク長からチャンネルビット(T)ずつ長い3種類のマ
ーク長と、前後のスペース長(これも3種類)の組み合
わせに対して、一つずつ設定値が対応するとよい。例え
ば、DVD(DigitalVersatile Di
sc:ディジタル・バーサタイル・ディスク)で採用さ
れている8−16変調信号では、最短マーク及びスペー
ス長は3Tである。よって、記録マークの長さが3T、
4T及び5T以上の場合と先行するスペースの長さが3
T、4T及び5T以上の場合の組み合わせ(3×3=9
通り)に対して、始端パルスのエッジ設定値をそれぞれ
学習し、記録マークの長さが3T、4T及び5T以上の
場合と後続するスペースの長さが3T、4T及び5T以
上の場合の組み合わせ(3×3=9通り)に対して、終
端パルスのエッジ設定値をそれぞれ学習する。また、マ
ーク及びスペースの長さを3T、4T、5T及び6T以
上の4種類として、始端及び終端をそれぞれ4×4=1
6通りの組み合わせに対して、エッジ設定値を学習して
もよい。図4に、再生学習領域の基準パターンの一例を
示す。同図(a)乃至(c)は、基準パターンの波形図
で、それぞれ(a)3Tマークの前または後ろが5Tス
ペース、(b)3Tマークの前または後ろがが4Tスペ
ース、(c)3Tマークの前または後ろが3Tスペース
の場合のエッジ間隔を測定する。なお、それぞれの基準
パターンはDC成分を持って2値化時にオフセットが生
じないよう、マークとスペースの平均長が等しくなるよ
う設計されている。
【0035】このようにしてエッジ設定値が決まった
後、情報信号の記録工程に移行する。システムコントロ
ーラ23は、記録信号処理回路18及びレーザ駆動回路
21に情報信号の記録モードであることを知らせるとと
もに、光ディスク1の情報信号領域まで光ビームを移動
させるべく、ヘッド移送台10に制御信号を出力する。
光ビームの位置制御が終了すると、ホストコンピュータ
102から出力された記録すべき情報、例えば、ディジ
タル化された映像音声データもしくはコンピュータデー
タなどの記録データは、記録信号処理回路18、変調回
路19経て、マルチパルス化された変調データとしてエ
ッジ位置調整回路20に送られる。エッジ位置調整回路
20は、記録学習工程で求めたエッジ設定値のテーブル
をもとに、変調データの始端パルス及び終端パルスのエ
ッジが最適な位置に補正される。こうして補正された記
録パルスに応じてレーザ駆動回路21は、半導体レーザ
3を発光させ、光ディスク1上に適切な長さのマーク及
びスペースが形成される。
【0036】以上のようにして光ディスク1に記録され
た情報信号の再生は、次のように行われる。記録された
情報信号に照射されて変調を受けた光ビームは、光検出
器8、アンプ11、波形等化回路12、群遅延補正回路
13及び2値化回路14を経て2値化信号に変換され、
同信号は今度はPLL15へ送られる。PLL15は、
この2値化信号からデータ及び読み出し用クロックを抽
出し、ディジタル再生信号として復調回路16に出力す
る。復調回路16は、ディジタル再生信号を復調し、再
生信号処理回路17に出力する。再生信号処理回路17
は、復調信号の誤りを訂正し、再生データとしてホスト
コンピュータ102に出力する。
【0037】以上のように、本実施の形態では、マーク
間の熱干渉によるエッジシフト量を学習する前に、基準
パターンを用いて再生系の群遅延特性が平坦になるよう
補正しているので、テストパターンによる学習後の記録
データのエッジ位置が常に一定の長さになる。よって、
装置間の再生互換性が向上する。
【0038】なお、本実施の形態においては、再生学習
工程に用いる基準パターンは情報信号領域を備えた光デ
ィスク1上に形成しているものとしたが、エンボスピッ
トのみを備えた再生学習工程専用のディスクに形成した
ものでも良い。また、基準パターンのマーク長とスペー
ス長の配列はテストパターンと同じ配列でも良い。
【0039】(実施の形態2)図5に、本発明の第2の
実施の形態による光学的情報記録再生方法を適用した光
ディスク装置110の構成を示す。
【0040】同図において、図1に示した第1の実施の
形態を適用した光ディスク装置100と同一の構成要素
に対しては、同一番号を付してその詳細な説明は省略す
る。図1と異なるのは、2値化回路14の出力する2値
化した再生信号とPLL15の出力する再生クロックを
受けとり、再生信号のジッタを測定してジッタ情報とし
て出力するジッタ測定回路30を備えたことである。
【0041】また、光ディスク1の再生学習領域には、
特定の長さのエンボスピットが周期的に形成された基準
パターンに代えて、記録データと同じ変調方式のエンボ
スピットからなるランダムパターンデータが配されてい
る。
【0042】以上のように構成された光ディスク装置1
10の動作説明を通じて、本実施の形態の光学的情報記
録再生方法について説明する。
【0043】本実施の形態の光学的情報記録再生方法に
おいても、再生学習領域の再生による再生学習工程、記
録学習領域における記録学習工程及び情報信号の記録工
程の順に行われる。本実施の形態においては、記録学工
程及び情報信号の記録工程は第1の実施の形態と同様に
行われ、それに先立って行われる再生学習工程のみが異
なる。
【0044】まず、光ビームを光ディスク1上の再生学
習領域へ移動させ、エンボスピットで形成されたランダ
ムパターンデータを再生したときの、2値化回路14が
出力する2値化信号が、PLL15及びジッタ測定回路
30へ送られる。ジッタ測定回路30は、2値化信号と
PLL15が出力する再生クロックの間のジッタを測定
し、測定結果をジッタ情報としてシステムコントローラ
23に送る。ジッタ情報は、例えば、2値化信号と再生
クロックとの間の位相差を積分して電圧値に変換した
後、AD(アナログ・ディジタル)変換してコード化し
たものでよい。
【0045】次に、システムコントローラ23は、再生
信号のジッタ値が所定のしきい値よりも高い場合は、再
生系の群遅延特性が平坦でないと判断し、群遅延特性補
正回路13に、補正用制御信号を出力する。群遅延特性
補正回路13は、例えば入力信号に対する出力信号の遅
延量が周波数の1次関数になる様な特性を有しており、
補正用制御信号によってその比例係数が変化するように
なっている。比例係数を幾通りかに変化させながら逐次
ジッタ値を測定することにより、システムコントローラ
23は比例係数の最適値を決定し、再生学習工程を終了
する。
【0046】以後は、第1の実施の形態と同じく、記録
学習工程においてテストパターンの記録及び再生によっ
てマーク及びスペースのエッジシフト量を学習し、その
結果に基づいて記録データを正しいマーク及びスペース
の長さで記録する。
【0047】以上のように本実施の形態においては、記
録学習工程でマーク間の熱干渉によるエッジシフト量を
学習する前に、エンボスピットからなるランダムパター
ンデータの再生ジッタが最小になるよう、再生系の群遅
延特性を補正しているので、テストパターンによる学習
後の記録データのエッジ位置が常に一定の長さになる。
よって、装置間の再生互換性が向上する。しかも、記録
データと同じ変調方式のエンボスピットからなるランダ
ムパターンデータを用いるため、ディスク管理情報等を
予めエンボスピットで記録するコントロールデータを、
ランダムパターンデータとして兼用でき、ディスクの利
用効率が向上する。
【0048】なお、群遅延特性補正回路13における遅
延量と周波数の関係が一次関数としたが、適用される関
数はこれに限定されるものではない。
【0049】(実施の形態3)図6に、本発明の第3の
実施の形態による光学的情報記録再生方法を適用した光
ディスク装置120の構成を示す。
【0050】同図において、図1に示した第1の実施の
形態を適用した光ディスク装置100と同一の構成要素
に対しては、同一番号を付してその詳細な説明は省略す
る。図1と異なるのは、光ディスク1に代えて調整用光
ディスク40を備えたことと、その周波数が連続的もし
くは離散的に変化する正弦波の周波数掃引(swee
p)信号を出力する掃引信号発生回路41と、周波数掃
引信号と群遅延特性補正回路13が出力する再生信号を
受け取り、両信号間の遅延特性を測定して群遅延測定デ
ータとしてシステムコントローラ23に出力する群遅延
測定回路42を備えたことである。また、周波数掃引信
号はレーザ駆動回路21にも送られ、レーザの駆動電流
に周波数掃引信号が重畳される。
【0051】また、調整用光ディスク40には案内溝や
エンボスピットが無く全面鏡面になっている。
【0052】次に、以上のように構成された光ディスク
装置120の動作説明を通じて、本実施の形態の光学的
情報記録再生方法について説明する。
【0053】本実施の形態の光学的情報記録再生方法に
おいても、再生学習領域の再生による再生学習工程、記
録学習領域における記録学習工程及び情報信号の記録工
程の順に行われる。本実施の形態においても、記録学工
程程及び情報信号の記録工程は第1乃至2の実施の形態
と同様に行われ、それに先立って行われる再生学習工程
のみが異なる。
【0054】まず、システムコントローラ23は半導体
レーザ3を再生用の一定強度で発光させたのち、光ビー
ムを回転している調整用光ディスク40の鏡面上にフォ
ーカス制御する。次に、掃引信号発生回路41に周波数
掃引信号をレーザ駆動回路21及び群遅延測定回路42
に送出させる。レーザ駆動回路21は、再生パワー用の
駆動電流に周波数掃引信号を重畳し、半導体レーザ3に
出力する。半導体レーザ3が照射する光ビームの強度
は、周波数掃引信号によって変調される。周波数掃引信
号によって変調された光ビームは、ディスク鏡面でその
まま反射され、光検出器8で受光される。光検出器8か
らの光検出信号は、アンプ11、波形等化回路12及び
群遅延特性補正回路13を経て群遅延測定回路42へ被
測定信号として送られる。ディスク鏡面で反射された光
ビームは周波数掃引信号で変調されているので、この被
測定信号も周波数掃引信号で変調され、かつ再生系の群
遅延特性の影響を受けた信号になっている。群遅延測定
回路42は、掃引信号発生回路41から受け取った周波
数掃引信号とこの被測定信号との位相差を複数の周波数
に対して測定し、測定結果を群遅延特性データとしてシ
ステムコントローラ23に送る。システムコントローラ
23は受け取った群遅延特性データを基に、再生系の群
遅延特性が平坦になるように、補正用制御信号を群遅延
特性補正回路13に出力する。これにより、再生系の群
遅延特性が平坦になり、再生学習工程が終了する。
【0055】次に、記録学習工程は調整用光ディスク4
0を情報信号を記録すべき光ディスク1に交換する。以
後本装置は、第1の実施の形態と同じく、記録学習工程
においてテストパターンの記録及び再生によってエッジ
シフト量を学習し、その結果に基づいて記録データを正
しいマーク及びスペースの長さで記録する。
【0056】以上のように本実施の形態においては、記
録学習工程でマーク間の熱干渉によるエッジシフト量を
学習する前に、光ビームの強度を周波数が連続的もしく
は離散的に変化する周波数掃引信号で変調し、ディスク
鏡面で反射された光ビームを受光して再生系を経由した
再生信号と周波数掃引信号を比較した結果を基に、再生
系の群遅延特性を補正しているので、テストパターンに
よる学習後の記録データのエッジ位置が常に一定の長さ
になる。よって、装置間の再生互換性が向上する。しか
も、連続もしくは離散的に周波数が変化する周波数掃引
信号に同期をとって群遅延特性を測定しているので測定
精度が高く、記録データのエッジ位置精度が向上する。
【0057】なお、以上の説明では、掃引信号発生回路
41及び群遅延特性測定回路42を光ディスク装置12
0の一部としたが、再生学習工程は同装置製造工程にお
いて行うものとすれば、ネットワークアナライザ等群遅
延特性が測定できる外部測定器であっても良い。この場
合、システムコントローラ23への群遅延データの入力
は、ホストコンピュータ102から行えばよい。
【0058】(実施の形態4)図7に、本発明の第4の
実施の形態による光学的情報記録再生方法を適用した光
ディスク装置130の構成を示す。
【0059】同図において、図5に示した第2の実施の
形態を適用した光ディスク装置110と同一の構成要素
に対しては、同一番号を付してその詳細な説明は省略す
る。図5と異なるのは、群遅延特性補正回路13が削除
され、波形等化回路12の代わりに可変型波形等化回路
50を備えたことである。この可変型波形等化回路50
は、アンプ11から再生信号を受け取り、高い周波数領
域の振幅増幅率が高くなるように変換し、かつ、その増
幅率がシステムコントローラ23からの補正用制御信号
で切り替え可能になっている。図8に可変型波形等化回
路50の周波数特性のグラフを示す。同図に示すよう
に、振幅増幅率はfoで示した周波数において、DC増
幅率に比べてGbだけ高くなっている。このGbはブー
スト量と呼ばれ、本実施の形態においては補正用制御信
号に応じて上下する。
【0060】また、光ディスク1の再生学習領域には、
記録データと同じ変調方式のエンボスピットからなるラ
ンダムパターンデータが配されている点も、第2の実施
の形態と同じである。
【0061】以上のように構成された光ディスク装置1
30の動作説明を通じて、本実施の形態の光学的情報記
録再生方法について説明する。
【0062】本実施の形態の光学的情報記録再生方法に
おいても、再生学習領域の再生による再生学習工程、記
録学習領域における記録学習工程及び情報信号の記録工
程の順に行われる。本実施の形態においては、記録学工
程程及び情報信号の記録工程は第1乃至3の実施の形態
と同様に行われ、それに先立って行われる再生学習工程
のみが異なる。
【0063】まず、光ビームを光ディスク1上の再生学
習領域へ移動させ、エンボスピットで形成されたランダ
ムパターンデータを再生したときの、2値化回路14が
出力する2値化信号が、PLL15及びジッタ測定回路
30へ送られる。ジッタ測定回路30は、2値化信号と
PLL15が出力する再生クロックの間のジッタを測定
し、測定結果をジッタ情報としてシステムコントローラ
23に送る。
【0064】次に、システムコントローラ23は、ジッ
タ値が所定のしきい値よりも高い場合は、再生系の振幅
周波数特性が適切でないと判断し、可変型波形等化回路
50に補正用制御信号を出力する。可変型波形等化回路
50のブースト量を幾通りかに変化させながら逐次ジッ
タを測定することにより、システムコントローラ23は
ブースト量の最適値を決定し、再生学習工程を終了す
る。
【0065】以後は、第2の実施の形態と同じく、記録
学習工程においてテストパターンの記録及び再生によっ
てエッジシフト量を学習し、その結果に基づいて記録デ
ータを正しい長さで記録する。
【0066】以上のように本実施の形態においては、記
録学習工程でマーク間の熱干渉によるエッジシフト量を
学習する前に、エンボスピットからなるランダムパター
ンデータの再生ジッタが最小になるよう、再生系の波形
等化特性を補正しているので、テストパターンによる学
習後の記録データのエッジ位置が再生学習領域のエンボ
スピットと常に対応のとれた長さになる。よって、装置
間の再生互換性が向上する。しかも、波形等化特性にお
ける高域のブースト量を可変しているので、光学系の分
解能のばらつきも同時に補正することができ、再生互換
性がさらに向上する。
【0067】なお、以上の実施の形態の説明の中で、記
録学習工程においては記録パルスのエッジ位置の学習に
ついてだけ述べたが、その前工程もしくは後工程として
記録時のピークパワーやバイアスパワーの最適値を求め
る工程等、別の学習工程を導入する事も可能である。
【0068】また、記録再生特性に大きな影響を与える
記録膜上での光スポット形状を、フォーカスのバイアス
学習することにより決定することは重要であり、本発明
で示す特定の長さのエンボスピットが周期的に形成され
た基準パターンや、記録データと同じ変調方式のエンボ
スピットからなるランダムパターンデータエンボスピッ
トで再生信号振幅最大になるよう、フォーカスバイアス
調整を行った後に群遅延特性を調整することは有効であ
り、フォーカス学習工程、再生学習工程、パワー学習工
程、記録学習工程の各ステップの組み合わせで記録再生
装置の信頼性を一層向上することができるものである。
【0069】さらに、装置の寿命などの影響で上記学習
が所望の範囲に収まらない場合は、その結果をディスプ
レー等を介し「再生のみ可能」「記録不可能」「記録再
生不可能」など診断結果として、ユーザーに知らせるこ
とに利用でき、そのことにより、ユーザーの故障対応を
容易にすることができるものである。
【0070】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の光
学的情報記録再生方法によれば、局所的光学定数の変化
を検出する再生系の周波数特性を、所定の周波数特性に
切り替える再生学習工程と、光学的情報記録媒体上にテ
ストパターンを記録した後再生し、2値化した再生デー
タのエッジ位置が所望の位置になるよう、記録パルスの
始端または終端エッジ位置をマーク区間と先行または後
続するスペースの長さの組み合わせ毎に補正する記録学
習工程を備えたことにより、マーク間の熱干渉によるエ
ッジシフト量を学習する前に再生系の周波数特性を一定
に揃えておくことができるので、記録したマーク及びス
ペースの長さを常に一定の長さにでき、装置間の再生互
換性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による光学的情報記
録再生方法を適用した光ディスク装置の構成を示すブロ
ック図
【図2】同装置に用いる光ディスクの構成図
【図3】同実施の形態における学習方法のフローチャー
【図4】同実施の形態における再生学習領域の基準パタ
ーンの一例の波形図
【図5】本発明の第2の実施の形態による光学的情報記
録再生方法を適用した光ディスク装置の構成を示すブロ
ック図
【図6】本発明の第3の実施の形態による光学的情報記
録再生方法を適用した光ディスク装置の構成を示すブロ
ック図
【図7】本発明の第4の実施の形態による光学的情報記
録再生方法を適用した光ディスク装置の構成を示すブロ
ック図
【図8】同装置に用いる波形等化回路の周波数特性図
【図9】記録マーク間の熱干渉によるエッジシフトを説
明するための模式図
【図10】テストパターンの一例の波形図
【図11】エッジシフト補正を説明するための模式図
【符号の説明】
1 光ディスク 2 情報トラック 3 半導体レーザ 6 対物レンズ 8 光検出器 12 波形等化回路 13 群遅延特性補正回路 14 2値化回路 15 PLL 16 復調回路 17 再生信号処理回路 18 記録信号処理回路 19 変調回路 20 エッジ位置調整回路 21 レーザ駆動回路 23 システムコントローラ 30 ジッタ測定回路 40 調整用光ディスク 41 掃引信号発生回路 42 群遅延測定回路 50 可変型波形等化回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 南野 順一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 小石 健二 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 古宮 成 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5D090 AA01 BB04 CC01 CC04 CC05 EE14 EE16 FF08 FF17 GG26 HH01 JJ12 KK03 KK05

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 データをマーク区間及びスペース区間の
    長さ情報とし、前記マーク区間に対して1個または複数
    の記録パルスに応じて光ビームの強度を切り替えて光学
    的記録媒体に照射することによって記録層の局所的光学
    定数変化の形でデータの記録を行い、所定強度の光ビー
    ムによって前記局所的光学定数の変化を検出することに
    よってデータを再生する光学的情報記録再生方法であっ
    て、 前記方法は、前記局所的光学定数の変化を検出する再生
    系の周波数特性を、所定の周波数特性に切り替える再生
    学習工程と、 前記光学的情報記録媒体上にテストパターンを記録した
    後再生し、2値化した再生データのエッジ位置が所望の
    位置になるよう、前記記録パルスの始端または終端エッ
    ジ位置を、前記マーク区間と先行または後続するスペー
    ス区間の長さの組み合わせ毎に補正する記録学習工程の
    うち少なくとも何れか一方を含む光学的情報記録再生方
    法。
  2. 【請求項2】 再生学習工程は、 光学的記録媒体上にマーク及びスペースと同程度の大き
    さのエンボスピットとして基板上に予め形成された基準
    パターンに所定強度の光ビームを照射するステップと、
    反射した前記光ビームを受光して再生信号を出力するス
    テップと、前記基準パターンに応じて変調された前記再
    生信号を2値化するステップと、2値化された前記再生
    信号のエッジ位置を測定するステップと、エッジ位置の
    測定結果に基づいて再生系の群遅延特性を平滑にするス
    テップとを含む請求項1記載の光学的情報記録再生方
    法。
  3. 【請求項3】 再生学習工程は、 光学的記録媒体上にマーク及びスペースと同程度の大き
    さのエンボスピットによって基板上に予め形成されたラ
    ンダムパターンに所定強度の光ビームを照射するステッ
    プと、反射した前記光ビームを受光して再生信号を出力
    するステップと、前記ランダムパターンに応じて変調さ
    れた前記再生信号を2値化するステップと、2値化され
    た前記再生信号のジッタを測定するステップと、再生ジ
    ッタの測定結果に基づいて再生系の群遅延特性を平滑に
    するステップとを含む請求項1記載の光学的情報記録再
    生方法。
  4. 【請求項4】 再生学習工程は、 光学的記録媒体上にマーク及びスペースと同程度の大き
    さのエンボスピットによって基板上に予め形成されたラ
    ンダムパターンに所定強度の光ビームを照射するステッ
    プと、反射した前記光ビームを受光して再生信号を出力
    するステップと、前記ランダムパターンに応じて変調さ
    れた前記再生信号を2値化するステップと、2値化され
    た前記再生信号のジッタを測定するステップと、再生ジ
    ッタの測定結果に基づいて再生系の振幅周波数特性を調
    整するステップとを含む請求項1記載の光学的情報記録
    再生方法。
  5. 【請求項5】 再生学習工程は、光ビームの強度を、周
    波数が連続的に変化する掃引信号で変調するステップ
    と、鏡面を有する光学的情報記録媒体で反射された前記
    光ビームを受光して再生信号を出力するステップと、前
    記掃引信号と前記再生信号の位相の周波数特性を比較す
    るステップと、比較結果に基づいて再生系の群遅延特性
    を平滑にするステップとを含む請求項1記載の光学的情
    報記録再生方法。
  6. 【請求項6】 記録学習工程は、 テストパターンを光学的情報記録媒体上の記録学習領域
    に記録するステップと、前記所定強度の光ビームを記録
    された前記テストパターンに照射するステップと、前記
    テストパターンに対応して前記光検出器が出力する再生
    信号を2値化するステップと、2値化された前記再生信
    号から前記テストパターンのマーク及びスペースのエッ
    ジ位置を検出するステップと、検出された前記エッジ位
    置の目標位置からのずれ量を、マーク区間と先行または
    後続するスペース区間の長さの組み合わせ毎にエッジ補
    正量として記憶するステップと、前記記録パルスの始端
    位置または終端位置を前記エッジ補正量に応じて補正す
    るステップとを含む請求項1記載の光学的情報記録再生
    方法。
  7. 【請求項7】 基準パターンまたはランダムパターン
    は、テストパターン及びデータが記録される光学的情報
    記録媒体とは別の媒体に形成されていることを特徴とす
    る請求項2から4の何れかに記載の光学的情報記録再生
    方法。
  8. 【請求項8】 データをマーク区間及びスペース区間の
    長さ情報とし、前記マーク区間に対して1個または複数
    の記録パルスに応じて光ビームの強度を切り替えて光学
    的記録媒体に照射することによって記録層の局所的光学
    定数変化の形でデータの記録を行い、所定強度の光ビー
    ムによって前記局所的光学定数の変化を検出することに
    よってデータを再生する光学的情報記録再生装置であっ
    て、 前記局所的光学定数の変化を検出する再生系の周波数特
    性を、所定の周波数特性に切り替える再生学習手段と、 前記光学的情報記録媒体上にテストパターンを記録した
    後再生し、2値化した再生データのエッジ位置が所望の
    位置になるよう、前記記録パルスの始端または終端エッ
    ジ位置を、前記マーク区間と先行または後続するスペー
    ス区間の長さの組み合わせ毎に補正する記録学習手段の
    うち少なくとも何れか一方を有する光学的情報記録再生
    装置。
  9. 【請求項9】 再生学習手段は、 光学的記録媒体上にマーク及びスペースと同程度の大き
    さのエンボスピットとして基板上に予め形成された基準
    パターンに所定強度の光ビームを照射する手段と、反射
    した前記光ビームを受光して再生信号を出力する手段
    と、前記基準パターンに応じて変調された前記再生信号
    を2値化する手段と、2値化された前記再生信号のエッ
    ジ位置を測定する手段と、エッジ位置の測定結果に基づ
    いて再生系の群遅延特性を平滑にする手段とを含む請求
    項8記載の光学的情報記録再生装置。
  10. 【請求項10】 再生学習手段は、 光学的記録媒体上にマーク及びスペースと同程度の大き
    さのエンボスピットによって基板上に予め形成されたラ
    ンダムパターンに所定強度の光ビームを照射する手段
    と、反射した前記光ビームを受光して再生信号を出力す
    る手段と、前記ランダムパターンに応じて変調された前
    記再生信号を2値化する手段と、2値化された前記再生
    信号のジッタを測定する手段と、再生ジッタの測定結果
    に基づいて再生系の群遅延特性を平滑にする手段とを含
    む請求項8記載の光学的情報記録再生装置。
  11. 【請求項11】 再生学習手段は、 光学的記録媒体上にマーク及びスペースと同程度の大き
    さのエンボスピットによって基板上に予め形成されたラ
    ンダムパターンに所定強度の光ビームを照射する手段
    と、反射した前記光ビームを受光して再生信号を出力す
    る手段と、前記ランダムパターンに応じて変調された前
    記再生信号を2値化する手段と、2値化された前記再生
    信号のジッタを測定する手段と、再生ジッタの測定結果
    に基づいて再生系の振幅周波数特性を調整する手段とを
    含む請求項8記載の光学的情報記録再生装置。
  12. 【請求項12】 再生学習手段は、 光ビームの強度を、周波数が連続的に変化する掃引信号
    で変調する手段と、鏡面を有する光学的情報記録媒体で
    反射された前記光ビームを受光して再生信号を出力する
    手段と、前記掃引信号と前記再生信号の位相の周波数特
    性を比較する手段と、比較結果に基づいて再生系の群遅
    延特性を平滑にする手段とを含む請求項8記載の光学的
    情報記録再生装置。
  13. 【請求項13】 記録学習手段は、 テストパターンを光学的情報記録媒体上の記録学習領域
    に記録する手段と、前記所定強度の光ビームを記録され
    た前記テストパターンに照射する手段と、前記テストパ
    ターンに対応して前記光検出器が出力する再生信号を2
    値化する手段と、2値化された前記再生信号から前記テ
    ストパターンのマーク及びスペースのエッジ位置を検出
    する手段と、検出された前記エッジ位置の目標位置から
    のずれ量を、マーク区間と先行または後続するスペース
    区間の長さの組み合わせ毎にエッジ補正量として記憶す
    る手段と、前記記録パルスの始端位置または終端位置を
    前記エッジ補正量に応じて補正する手段とを含む請求項
    8記載の光学的情報記録再生装置。
  14. 【請求項14】 基準パターンまたはランダムパターン
    は、テストパターン及びデータが記録される光学的情報
    記録媒体とは別の媒体に形成されていることを特徴とす
    る請求項9から11の何れかに記載の光学的情報記録再
    生装置。
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