JP3024119B2 - 光学的情報記録再生装置 - Google Patents

光学的情報記録再生装置

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JP3024119B2
JP3024119B2 JP11218163A JP21816399A JP3024119B2 JP 3024119 B2 JP3024119 B2 JP 3024119B2 JP 11218163 A JP11218163 A JP 11218163A JP 21816399 A JP21816399 A JP 21816399A JP 3024119 B2 JP3024119 B2 JP 3024119B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ビームを用いて
情報を記録、再生することが可能な光学的情報記録媒体
及び光学的記録再生装置に関し、特にガイド溝のランド
とグルーブの双方に信号を記録することで、高いトラッ
ク密度を得ることのできる光学的情報記録媒体及び光学
的記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光学的な手段を用いて情報を記録あるい
は再生する記録媒体(記録部材)として、光ディスク、
光カード、あるいは光テープが公知である。これら記録
媒体への記録は通常、光源としてレーザビームが用いら
れ、レンズを介して微小に集光されたレーザビームを記
録媒体の記録薄膜へ照射することにより情報は記録され
る。
【0003】これら記録媒体の中で光ディスクは、その
表面に凹凸からなるガイド溝をスパイラル状あるいは同
心円状に備えた円形基板と、その上に形成された記録薄
膜とから基本的には構成される。情報信号に応じてその
強度が変調されたビームを、このガイド溝上に沿って照
射することにより、記録薄膜上に情報が記録される。
【0004】記録薄膜には、光の照射により薄膜の物性
が変化し、かつ変化の前後の状態差が光学的に検出可能
であるという特性を備えていることが要求される。代表
的な記録薄膜の物性の変化として、光の吸収による薄膜
の変形、または光照射による薄膜の相状態変化があり、
それぞれ変形記録媒体および相変化記録媒体として知ら
れている。これらの物性の変化による記録は、反射光量
の差として信号が再生される。
【0005】また、光照射と同時に磁場を印加すること
で情報を記録し、カー効果を利用して記録薄膜の磁化方
向の差を検知することにより、信号を再生する光磁気記
録媒体が知られている。
【0006】これら光学的記録媒体は、各用途に応じて
実用化され、現在さらに記録可能な情報量を増大させる
ため、記録密度を高める検討が盛んに行われている。
【0007】光学的情報記録媒体の記録密度を高める方
法の1つとして、従来のガイド溝の凹部と凸部との何れ
か一方に信号を記録する方式に対し、ガイド溝の凹部と
凸部との双方に信号を記録する方法が提案されている
(Japanese Journal of Applied Physics Vol.32(1993)
p.5324-5328)。
【0008】ここに示されている方法は、ガイド溝の凹
部と凸部との巾をほぼ等しくし、かつ深さを最適化した
基板を用いることで、凹部と凸部との双方に情報信号を
記録再生することを実現している。以降、本明細書にお
いて、光の入射側に対して凸の部分をグルーブと呼び、
凸部に記録する場合をグルーブ記録とする。また、入射
側に対して凹側の部分をランドと呼び、凹部に記録する
場合をランド記録と呼ぶ。ランド及びグルーブの双方に
信号を記録する方法を用いれば、従来のガイド溝の片側
だけに記録する方式に比べ、トラック密度を約2倍とす
ることが可能とされている。
【0009】この方式による情報の記録再生は、原理的
には従来と同様の光学系および光記録系を用いることが
でき、単にガイド溝の凹部または凸部に対応するため
に、トラッキングの極性を切り替える手段を付加し、双
方の領域に情報信号に従って強度変調した光ビームを照
射することで実現できる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来技術においては、記録媒体上に記録された信号を再
生すると、ランドとグルーブで再生信号に、振幅や周波
数特性などの差が生じるとい問題があった。この信号振
幅の差は、記録薄膜の構成によっても変化した。
【0011】このため再生信号を復調する過程で、ラン
ドとグルーブの一方のトラックで良好な信号記録が行え
たとしても、他方のトラックにおいては多くのエラーが
発生する場合があった。
【0012】また、同一構成の記録薄膜であっても、ガ
イド溝のエッジの形状や溝幅などが変動した場合にも、
双方のトラックで同様の再生信号に差を生じた。
【0013】また、ランドとグルーブの双方での読み出
しエラーを少なくするため、光学的情報記録媒体は高い
加工精度で製造する必要があるという問題があった。
【0014】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、その目的とするところは、ガイド溝の
ランドとグルーブとの双方での読み出しエラーの少ない
光学記録媒体、及びその記録再生装置を提供することに
ある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光学的情報
記録再生装置は、凹部および凸部からなるガイド溝の上
記録膜を備えた記録媒体に対して光ビームを照射する
ことによって、前記ガイド溝の前記凹部と前記凸部の両
方に信号の記録再生を行う光学的情報記録再生装置であ
って、前記記録媒体上に設けられた、前記ガイド溝の前
記凹部と前記凸部に対する記録条件を示す識別子を復調
する条件認識部と、前記条件認識部による復調結果に従
って、前記ガイド溝の前記凹部と前記凸部に対応した少
なくとも2つの前記光ビームの変調パターンを設定する
パターン設定部と、前記ガイド溝の前記凹部と前記凸部
のどちらに信号を記録するかを選択する選択部と、前記
選択部による選択結果に応じて、前記少なくとも2つの
変調パターンから1つを選択するパターン選択部と、前
記パターン選択部が選択した変調パターンと記録すべき
情報信号に応じて変調信号を発生する波形設定部と、前
記波形設定部が発生した前記変調信号に従って前記記録
媒体上に照射する前記光ビームの強度を変調して情報の
記録を行う光変調部とを備え、そのことにより上記目的
が達成される。前記パターン設定部で設定する変調パタ
ーンは、1個の記録マークに対して、1つのパルスある
いは複数のパルス列からなってもよい。 前記パターン選
択部が選択する前記少なくとも2つの変調パターンのパ
ルス波形が異なってもよい。 前記パターン選択部が前記
少なくとも2つの変調パターンのいずれを選択するかに
よって、前記記録媒体上に照射する前記光ビームのパワ
ーが変化してもよい。
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】フォーカス制御手段、トラッキング制御手
段、波形設定手段、該信号再生手段の内、少なくとも1
つがガイド溝の凹部及び凸部において情報信号を記録再
生するための動作条件を備えていることにより、選択手
段の選択結果に従って、凹部及び凸部に適した動作条件
が選択される。この動作条件は凹部及び凸部に対して個
別に設定できるため、凹部及び凸部の双方に対して読み
出しエラーの少ない最適条件で記録再生ができる。
【0035】波形設定手段が、動作条件として2種類以
上の変調パターンを備えている場合には、凹部への信号
記録と凸部の信号記録とで光ビームの強度を変えること
ができるので、ガイド溝の凹部及び凸部に光ビームを照
射した場合に生じる温度上昇及び冷却条件の差を補正す
ることができる。
【0036】フォーカス制御手段あるいはトラッキング
制御手段が、ガイド溝の凹部及び凸部において、情報信
号を記録再生するための動作条件を備えている場合に
は、ガイド溝の凹部の記録薄膜及び凸部記録薄膜の双方
に正確に光ビームが集光するようオフセットを与えるこ
とができるため、記録再生時に最適な光ビームを照射で
きる。
【0037】信号再生手段が、ガイド溝の凹部及び凸部
において、情報信号を記録再生するための動作条件を備
えている場合には、凹部に記録された記録マークからの
情報信号と凸部に記録された記録マークからの情報信号
との間に差がある場合でも、イコライジング特性あるい
はスライスレベルなどの復調条件を切り換えることによ
り、ガイド溝の凹部及び凸部からの復調信号を揃えるこ
とができる。
【0038】また、情報信号を記録再生する前に、光学
的情報記録媒体の所定の領域において、基準信号を用い
て予め記録再生し、使用している光学的情報記録媒体及
び光情報記録再生装置に最適な動作条件を設定すること
により、光学的情報記録媒体及び光情報記録再生装置の
個体差を補償することができる。
【0039】さらに、光学的情報記録媒体にあらかじ
め、特性識別子を与えておくことにより、光学的情報記
録媒体の個体差を補償することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の光学的情報記録媒
体および光学的情報記録再生装置の一実施例について、
図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の光学的
情報記録再生装置の構成を示すブロック図である。本発
明の光学的情報記録再生装置は、凹凸からなるガイド溝
を備えた光学的情報記録媒体である光ディスク1を回転
させるスピンドルモータ2と、レーザ光等の光源から発
生した光ビームを集光する光ピックアップ3と、それら
各部を制御する次の5つの回路系からなる。第1は、光
ピックアップの光源を駆動する光変調系4である。第2
は、ピックアップから出射した光を光ディスク1上に集
光し、ガイド溝上に光ビームを追従させるトラッキング
等の光ビームの動作を制御する制御系5である。第3
は、光ディスク上に形成された情報信号を読み取るため
の信号再生系6である。これら3つの各回路系の少なく
とも1つは、ガイド溝のランドとグルーブのそれぞれに
対して最適な条件が設定できるように、2種類以上の条
件設定機能を備えている。
【0041】第4は、光ビームがガイド溝のランドとグ
ルーブの何れを追従するかに応じ、前述の3つの回路条
件を切り換えるランド/グルーブ選択系(以後、L/G
選択系とも表現する)7である。第5は、前記4つの回
路の動作のタイミングを制御するシステム制御系8であ
る。
【0042】本発明は、光ディスクのランドとグルーブ
の双方に情報を記録する、あるいは再生するに当たっ
て、L/G選択系7を用いて、上記回路系の条件を最適
に選択することにより、エラーの少ない情報の記録およ
び再生を可能とする。
【0043】光ディスク1は、図2に示すように表面に
凹凸からなるガイド溝を備えた基板25上に、光学的に
検出可能な変化を示す記録薄膜26を備えた構成からな
る。記録薄膜26としては、光ビームの熱により薄膜に
形状変化を伴う変形記録、薄膜の相状態が変化すること
を利用した相変化記録、磁化方向の変化を利用した光磁
気記録、フォトクロミック材料等のように光エネルギー
を利用して記録状態が変化する薄膜等が適用できる。ま
た、ガイド溝のランドとグルーブとの双方の中央近傍
に、さらに凹凸ピットを設けて情報とすることもでき
る。この場合は、情報の記録は不可能であり、再生専用
の媒体となる。
【0044】光ディスクに記録された情報信号を再生す
る際は、システム制御系8からの指示に基づいて回転制
御部9によりスピンドルモータ2を駆動し、記録媒体で
ある光ディスク1を一定の速度で回転させる。次に、シ
ステム制御部8から再生状態であることを示す制御信号
がレーザ駆動部10に入力され、光ピックアップ3から
出射する光の強度が一定となるように光源11に流れる
電流を制御する。
【0045】光源11から放射された光ビームは、ピッ
クアップ3の光学系と最終の対物レンズ12とを経て集
光ビームとなり光ディスク1に照射される。光ディスク
1により反射された光ビームは、再び対物レンズ12、
ピックアップ内の光学系を経て、複数に分割された受光
面を持つ光検出器13に入射する。
【0046】光検出器13は、入射した光を光電変換
し、各受光面の光量の変化に対応した電圧の信号を出力
する。光検出器13の出力信号は、プリアンプ14によ
り増幅され、その中の低周波数成分を用いて、光ビーム
位置の制御が行われる。
【0047】具体的には、フォーカス制御部16は、光
検出器13の各受光面からの出力信号の一部を用いてフ
ォーカス誤差信号を得、その信号に応じて、光ピックア
ップ3のボイスコイル15を駆動し、対物レンズ12を
光ディスク面の垂直方向に微動することで、光ディスク
1上の記録薄膜上に光スポットが集光するよう制御す
る。また、トラッキング制御部17は、ガイド溝を光ビ
ームが追従するように、光検出器13の他の出力信号の
組合せからトラッキング制御信号を得、ボイスコイル1
5を光ディスクの半径方向に微動させる制御を行う。
【0048】次にトラッキング制御部17からの出力
は、極性反転器18により、ガイド溝のランドとグルー
ブとの何れの面に光ビームを追従させるかに応じて、そ
の極性を反転させる。なお、システム制御系8の制御信
号に従って、光変調系4、信号再生系6を含めてランド
・グルーブの条件選択を行うL/G選択系7に指示を行
って、極性反転器18による反転動作が行われる。以上
の結果、光ディスク上に形成されたガイド溝のグルーブ
部、あるいはランド部に光ビームを追従させることが可
能となる。
【0049】また、記録媒体の製造時、及び/または装
置の動作時の品質の変動としては、ガイド溝の形状のば
らつき、記録再生装置の光ビームの強度分布の歪、ある
いは光検出器等の感度ばらつき等が存在する。このた
め、サーボ動作の際に、ガイド溝のランドとグルーブの
何れに光ビームを照射するかによって生じるフォーカス
誤差信号、あるいはトラッキング誤差信号何れにおいて
も、記録媒体には由来しない信号の誤差電圧が発生す
る。
【0050】これら制御信号の誤差を補正するため、L
/G選択系7の設定に連動して、オフセット調整をそれ
ぞれの制御部に対して行う。例えば、フォーカス制御信
号に微小なオフセットを印加することにより、ランドと
グルーブ間で生じるフォーカスずれを補正し、さらにト
ラッキング制御信号にも、同様にオフセットを印加する
ことでトラッキングずれを補正する。以上の構成とする
ことで、ランドとグルーブの何れにおいても最適な集光
状態が得られる。
【0051】トラッキング動作中に、光ビームを隣接す
るトラックへ移動させる際は、ジャンピング回路19に
より、ボイスコイル15を半径方向に瞬時に移動させる
ためのパルス電圧を、極性反転器18の出力信号に重畳
する。グルーブから隣のグルーブへ、あるいはランドか
ら隣のランドへの移動を1トラックジャンプと定義し、
グルーブから隣のランドへ、あるいはその逆のランドか
ら隣のグルーブへの移動を半トラックジャンプと定義す
る。なお、半トラックジャンプの際には、ジャンピング
パルスの印加と同時に、極性反転器18によりトラッキ
ングの極性を反転させることが必要である。このジャン
ピング回路19により、システム制御部8の指定する任
意のトラック上に光ビームを追従させることが可能とな
る。
【0052】信号再生系6の2値化部20は、プリアン
プ14からの信号の高周波成分を用い、その信号レベル
を基準レベルと比較することにより2値化信号に変換す
る。次に、デコーダ21により、2値化信号を所定の信
号フォーマットに従って復号する。この結果、光ディス
ク1上に形成されている記録マークからの情報信号が復
調され、システム制御部8の指示に従い外部装置にデー
タ信号送り出される。
【0053】また、必要に応じて、光ディスク1上の特
定の領域に形成されたランドとグルーブとの記録あるい
は再生に関する情報を、L/G条件識別部22により復
調する。L/G条件識別部22により認識される情報
は、記録媒体を作成しる製造工程の中で記録して置くこ
とが望ましい。内容としては、ランドとグルーブ間で生
じる特性差を補正するための情報であり、双方での光照
射の最適条件、フォーカス制御またはトラッキング制御
の最適条件、再生信号復調の最適条件等の情報がある。
あるいは、ガイド溝の形状に関する情報、例えば溝幅、
溝深さ、ピッチ、表面性等であっても良く、この場合は
この値を識別した後に、この形状情報から予め求めた相
関性から最適な記録条件、サーボ条件、再生条件を求め
てもよい。
【0054】次に、記録媒体への信号記録に関し、記録
時にランドとグルーブ間で生じる差について説明する。
ここまで示してきた記録可能な記録媒体のほとんどは、
照射した光を吸収することにより記録薄膜の温度が上昇
し、その温度変化に従い記録マークを形成する。従っ
て、記録する光のエネルギーが一定であったとしても、
記録薄膜の熱拡散の度合により記録マークの形状に差が
生じる。具体的にはガイド溝を形成するプロセスにおい
て生じる、ランドとグルーブとの表面粗さなどの表面状
態の差、あるいはそれぞれを分離するガイド溝エッジの
形状の差、あるいはガイド溝と記録薄膜の形状の差など
により温度上昇、あるいは昇温後の冷却条件に差が生じ
ると考えられる。
【0055】これに対応するため、記録媒体に信号を記
録する場合は、まず図1に示したシステム制御部8によ
り、所定のタイミングで記録する情報からなる記録信号
S01を、光変調系4に取り込む。光変調系4のエンコ
ーダ23により、記録信号を所定のフォーマットの記録
信号に変換する。
【0056】次に、波形設定部24の条件に従い変換し
た信号に対し、パルスの分割あるいは強度変化を設定
し、レーザ駆動部10により光源11の光強度を変調す
る。この強度変調した光を光ディスク1上の記録薄膜が
吸収することにより、記録マークが形成され、信号記録
が行われる。波形設定部24はランドとグルーブへの記
録に最適化した記録パターンを備え、L/G選択系7の
出力に同期して、その出力を変化させる。この結果、ラ
ンドとグルーブのそれぞれに対応した変調波形に基づい
て、レーザ駆動部10により光源11を強度変調する。
【0057】以上の構成とすることで、ランドとグルー
ブとの双方に対して最適な条件で記録薄膜上に信号を記
録、あるいは記録された情報信号を再生することが可能
となる。以下それぞれの具体的な動作について詳細な実
施例を説明する。
【0058】(実施例1)ここでは光学的情報記録媒体
に情報信号を記録する際に、ランドとグルーブのそれぞ
れに対して独立の記録条件を設定する方法に関する具体
例を述べる。何れの面に信号を記録するかに応じて記録
時の光の変調波形を切り換えることで、ランドとグルー
ブとの間で生じる熱条件の差を補償し、双方で歪の少な
い記録マークを得る。図3に光変調系4の波形設定部2
4の構成を示し、図4(a)及び(b)に波形設定部で
発生する設定パターンを示す。図4(a)及び(b)
は、それぞれランド及びグルーブに記録する場合に用い
るパターンを示している。また、図5は光変調系4に入
力される信号と、光変調系4から出力した信号とに基づ
き、光ピックアップ3から出力される光出力、及び光学
的情報記録媒体に記録される記録マークのタイミングを
示すチャートである。
【0059】図1で示した波形設定部24は、図3のよ
うにランド用とグルーブ用の基準パルスパターン31
s、32sをメモリ上に備えたパターン設定器31、3
2と、その何れかのパターンを選択するパターン選択器
33と、コード信号をパルスパターンに変換するパルス
変調部34から構成される。
【0060】ランドとグルーブの何れに記録するかに対
応して動作するL/G選択器の出力信号7sに従い、パ
ターン選択器33は、パターン発生器の出力信号31
s、32sの何れかのパルスパターンを選択する。パル
ス変調器34は、パターン選択器33からの出力パター
ンに基づいて、エンコーダ23のコード信号23sの反
転間隔に対応した変調パルス34sを出力し、かつ光学
的情報記録媒体上の集光ビームの照射パワーPp、P
b、Prに対応した電圧Vp、Vb、Vrの間で変化す
る波形をレーザ駆動部10に出力する。レーザ駆動部1
0は、パルス変調器34の出力信号34sを電圧−電流
変換し、光源11を変調する。この結果ピックアップ3
は、所定の出力波形11sを有する光ビームを出射し、
光学的情報記録媒体上1に所定の情報が記録される。
【0061】パターン変調器に設定され、パルスパター
ンに含まれるパラメータは、図4、5ではパルスの配
置、パルス幅だけで示したが、さらにパルスの間隔、更
にはパルスの高さ(照射パワー)を変化させることも有
効である。特に、ランドとグルーブ間で記録媒体上に形
成される記録マークの形状が同等でかつ大きさのみの差
である場合、または記録マークの形状の差を受けにくい
変調方式である場合は、この照射パワーをランドとグル
ーブとに対応して設定するだけで良い。この場合は設定
回路が大幅に簡素化できる。
【0062】パターン設定器31、32に設定するパル
スパターンには、図4に示したように、エンコーダ出力
23sのレベルに基づいて強度変調する場合、即ちマー
ク長記録と、エンコーダ出力23sのレベルが反転する
度にパルスを発生する場合、即ちマーク位置記録とがあ
る。
【0063】マーク長記録に対応する場合は、図5に示
したように、1個の信号反転に対し複数のパルス列を形
成するマルチパルス変調方法を用いる。これは光学的情
報記録媒体に光を照射した場合に、記録薄膜上での熱伝
達により、記録マークが歪むのを防止するために用い
る。即ち、信号の反転した部分、記録の始端点ではエネ
ルギー密度を高く、その後はエネルギー密度を小さく設
定することにより、対称な記録マークを記録する。この
結果、記録の始端と終端部とで記録薄膜の温度がほぼ一
定となり、対称な記録マークを得ることができる。
【0064】しかしながら、前述のようにランドとグル
ーブとでは、光の照射条件が同じであったとしても、記
録膜の加熱・冷却条件が異なる。このため、本発明では
それぞれに対し、最適な光の照射条件であるパルスパタ
ーンを設定する。エンコーダ23が、例えばコンパクト
ディスク等で用いられているEFM(8−14変換)変
調に対応する場合は、クロックの周期をTとすると、信
号23sの反転間隔は3T〜11Tの9種類となる。
【0065】この場合、図4(a)及び(b)に示すよう
に、ランド及びグルーブに記録するために9種類の設定
パターンを、それぞれパターン設定器31および32に
記憶させておく。そして、パターン設定器31及び32
から読み出した9種類のパターンが、パターン選択器3
3から出力され、パルス変調部34によりエンコーダの
出力23sの反転間隔に対応した周期のパターンが選択
される。
【0066】一方、マーク位置記録の場合は、光学的情
報記録媒体上に形成する記録マークの形状が同じであ
り、その間隔が情報信号となるため、パターン発生器3
1、32にはパルス幅とパワー値からなるパルスパター
ンを、ランドとグルーブとに対してそれぞれ1種類設定
するだけで良く、マーク長記録に比べてパターン発生器
は簡単な構成となる。
【0067】ここまでは、ランドとグルーブとに対応し
たパルスパターンは、予めパターン発生器31、32の
メモリの内部に記憶しておく方法を示したが、種類の異
なる記録媒体に対応する場合や、さらに品質の高い記録
を行おうとした場合には、次に示す2つの方法がある。
【0068】第1の方法は、情報信号の記録の前に、予
め予備記録(試し書き記録)を行うもので、光学的情報
記録媒体間のばらつき、記録再生装置間の差、記録再生
装置の周囲の温度変化、記録媒体あるいは光学系へのゴ
ミの付着などを含めて、ランドとグルーブでの特性差を
補正する。
【0069】この場合、記録媒体の記録条件に変動を与
える変動要因が検出されたならば、その都度試し書き記
録を行うことで最適なパルスパターンを選択し、パルス
パターンを再設定する構成とする。図8は試し書き工程
を説明するフローチャートであり、図6は光ディスクの
斜視図を示している。図7は試し書きに用いるパルスパ
ターンを示している。これらの図を参照しながら、試し
書き工程を説明する。
【0070】試し書き工程は、図1に示した光学的情報
記録媒体の変動要因が発生したことを示す基準信号S0
3が、システム制御部8に入力されることにより動作が
開始する。図8に示すように、システム制御部8からの
試し書きの開始81の指示により、試し書きが開始す
る。図6に示されるように、光ディスク1のテスト領域
62への移動82指示により、記録再生に用いる光ビー
ム27の位置を光ディスク1の情報領域61と、同一平
面上の近接したテスト領域62とに移動させる。
【0071】次に、パターン設定83の指示により、複
数のパルスパターンを記憶した記録条件設定器36(図
3)の中の第1のパルスパターンを、パターン設定器3
1、32に読み込む。
【0072】次に、前記記録パターンに従い駆動回路1
0を動作させ(図1)、光照射84の指示により初めに
グルーブ上に変調光を照射する。続いて、同様の方法で
ランド上に一連の光照射を行う。
【0073】記録条件設定器36は、図7に15種類の
11Tのパルスパターンの例を示すように、記録媒体及
び装置を使用する環境の条件に対して、対称な記録マー
クが得られるよう記録開始点と、それ以降のエネルギー
分布を変化させたパルスパターンとを設定する。これら
のパルスパターンは、次のパルスパターンの存在確認8
5の判別結果に従い、この例では15種類のパターンを
順次出力する。この結果、記録媒体上には、記録条件に
対応し異なる形状の記録マークが形成される。
【0074】次に、記録媒体上の記録マークからの信号
再生を行う。その際に各記録マークからの再生信号のエ
ラーレートを、エラー検出工程86において検出し、そ
の値をエラーレート比較工程87で比較することによ
り、最適な記録条件を求める。エラーレートの検出は、
デコーダ20によりデータを復調する過程で発生するエ
ラー訂正信号を用いて行い、システム制御部8によりエ
ラーレート比較し、エラーレートが最小となった記録条
件を求めることで、最適パターンの選択が行われる。こ
の試し書き工程を、ランドとグルーブとの双方に行うこ
とで、それぞれに対して最適なパルスパターンを求める
ことができる。
【0075】この試し書き工程に要する時間を短縮す
る、あるいは回路を簡素化したい場合は、順次この工程
を省略していくことも可能である。予めランドとグルー
ブ間の相関関係を求めておき、例えば試し書きをランド
だけで行いランドの最適パルスパターン求める。次に前
述の相関性を元に、グルーブのパルスパターンを求める
ことができる。
【0076】記録条件設定器6を動作させる条件、即ち
基準信号S03が動作状態となる条件には、光ディスク
の交換時、ディスクドライブの起動時、使用環境の温度
が一定以上変化した時、記録条件設定を行なった後一定
の時間が経過した時、あるいは再生信号から一定以上の
エラーが検出された場合がある。ディスク交換時、ある
いはドライブの起動時の検出により、ディスクとドライ
ブのそれぞれの間での変化あるいは相互間の変動要素を
保証できる。また、使用環境の温度変化、記録条件設定
からの時間経過を管理することで、記録媒体の温度依存
性、あるいはドライブの制御状態の変動を補償すること
ができる。
【0077】第2の方法は、ランドとグルーブのそれぞ
れに対して最適な記録条件、あるい記録条件の識別子
を、予め光学的情報記録媒体の特定の領域に記録してお
くことにより対応する。識別子は、ランドとグルーブと
の双方に最適なパルスパターンの情報を備え、光ディス
クの情報領域外の内周部や外周部に、情報信号あるいは
アドレス信号に準ずる形態で設ける。例えば、前述の図
6で示した光ディスク1の情報領域61と、同一平面上
の近接した領域のテスト領域62に相当する位置でもよ
い。
【0078】この場合の識別子の形態は、情報信号と同
一の形式であっても良いが、読み出し精度を高めるとい
う観点から、情報信号に対して相対的に記録密度の低い
コード信号であることが望ましく、さらにガイド溝のラ
ンドかグルーブの何れか一方に設けることが望ましい。
この形態の識別子は、情報信号と同様に、信号再生系6
の中で処理し、所定のレベルで再生信号を2値化した後
に、L/G条件認識器22によりその情報を復調する。
この結果に基づいてシステム制御部8が光変調系4の記
録条件を設定する。
【0079】他の識別子を設ける形態としては、媒体を
保護するために設けた保護板あるいはカートリッジの一
部に、情報を印刷する、特定の形状とする、半導体メモ
リを設けるなど装置の規模に応じて種々の形態をとるこ
とができる。これらの識別子からの情報を、光学的情報
記録媒体を記録再生装置に装着した段階で、システム制
御部8により読みとり、その内容に従いパターン発生器
31、32にパターンを設定する。上記の構成とするこ
とで、記録媒体の種類に応じて光の照射条件を最適に設
定することが可能となる。
【0080】上記のような構成とすることで、光ディス
クの記録条件設定用の基準信号に応じて、その都度記録
条件の設定が行なわれ、常に最適な状態でデータの記録
を行なうことができ、データ記録装置としての信頼性が
向上する。
【0081】(実施例2)ここでは、光学的情報記録媒
体に光ビームを照射する際に、サーボ条件をランドとグ
ルーブとで切り替えることにより、双方での最適なフォ
ーカシングとガイド溝を追従するためのトラッキングと
を可能とする方法について説明する。
【0082】光学的情報記録媒体への光ビームを集光す
るフォーカシング技術としては、ナイフエッジ法あるい
は非点収差法などが知られているが、ナイフエッジ法は
光学部品の位置精度が要求されるため検出系が大きくな
るという課題がある。一方、非点収差法を用いると検出
系の小型化は容易となる。しかし、本発明の目的とする
ランドとグルーブの双方に焦点を合わせようとすると、
理想状態ではランドとグルーブとにおいて焦点制御の差
は生じないが、ガイド溝の形状あるいはビームスポット
にわずかな歪が存在すると、記録媒体からの反射光ビー
ムの分布が光検出器13上でのパターンに差が生じると
いう問題が発生する。
【0083】本実施例では、グルーブとランドとの間で
生じる光検出器13上の光スポットの差を、フォーカシ
ング制御信号にオフセットを印加することにより補償す
る方法を適用する。
【0084】図9にフォーカス制御部16の詳細を示
す。プリアンプの出力信号14sの中のフォーカス制御
に関する信号から、フォーカス誤差検出回路90により
フォーカス誤差信号90sが得られ、フォーカス補償回
路91を経て、フォーカス駆動回路92によりフォーカ
ス制御信号16sが得られ、この信号に基づき光ピック
アップ3のボイスコイル15を駆動し、フォーカス制御
が行われる。
【0085】オフセット補償回路91は、外部からの信
号に応じて複数のオフセットレベルを設定することがで
きる構成とする。オフセット補償回路91へ入力される
オフセットは、ランドにトラッキングした場合のオフセ
ットを設定するオフセット設定器93、グルーブにトラ
ッキングした場合のオフセット設定器94、及びランド
からグルーブあるいはグルーブからランドにトラックジ
ャンプする半トラックジャンプ動作の際のオフセットを
設定するオフセット設定器95において発生する。
【0086】オフセット選択器96では、L/G選択系
7の出力7sに対応して、上記オフセット設定器93、
94の何れかの信号を出力する。また、システム制御部
から半トラックジャンプの指示がオフセット選択器96
に入力されたならば、オフセット設定器95の出力レベ
ルとなる。
【0087】上記半トラックジャンプのオフセット設定
は、オフセット設定器93と94間のレベル差が著しく
大きい場合に、トラックジャンプ前後の動作を安定にす
るために用いるものであり、前記レベル差が小さい場合
は、省略することができる。
【0088】一方、フォーカス駆動回路92は、入力し
た信号91sを相殺しゼロとするような信号16sを出
力し、ボイスコイル15を駆動する。このフォーカス駆
動回路92に用いるゲインは、ランドにトラッキングし
た場合のゲインを設定するゲイン設定器97及びグルー
ブにトラッキングした場合のゲインを設定するゲイン設
定器98において発生する。ゲイン選択器99では、L
/G選択系7の出力7sに対応して、上記ゲイン設定器
97、98の何れかの信号を出力する。以上の構成とす
ることで、ランドとグルーブの双方に対して最適なフォ
ーカス状態を設定することが可能となる。
【0089】トラッキング制御に関しても、ランドとグ
ルーブで最適な状態を設定すると、さらに良好な記録再
生が可能となる。図10はトラッキング制御部17の詳
細を示している。プリアンプの出力信号14sの中のト
ラッキング制御に関する信号からトラッキング誤差検出
回路100によりトラッキング誤差信号100sが得ら
れ、トラッキング補償回路101を経て、トラッキング
駆動回路102によりフォーカス制御信号17sが得ら
れ、極性反転器18を経て、光ピックアップのボイスコ
イル15を駆動することによりトラッキング制御が行わ
れる。
【0090】トラッキング補償回路101は、外部から
の信号に応じて複数のオフセットレベルを設定すること
ができる構成とする。トラッキング補償回路101へ入
力されるオフセットは、ランドにトラッキングした場合
のオフセットを設定するオフセット設定器103、グル
ーブにトラッキングした場合のオフセット設定器10
4、ランドからグルーブあるいはグルーブからランドに
トラックジャンプする半トラックジャンプ動作の際のオ
フセットを設定するオフセット設定器105において発
生する。
【0091】オフセット選択器106では、L/G選択
系7の出力7sに対応して、上記オフセット設定器10
3、104の何れかの信号を出力する。また、システム
制御部から半トラックジャンプの指示がオフセット器1
06に入力されたならば、オフセット設定器105の出
力レベルとなる。
【0092】上記半トラックジャンプのオフセット設定
は、オフセット設定器103と104間のレベル差が著
しく大きい場合に、トラックジャンプ前後の動作を安定
にするために用いるものであり、前記レベル差が小さい
場合は、省略することができる。
【0093】一方、トラッキング駆動回路102は、入
力した信号101sを相殺しゼロとするような信号17
sを出力し、ボイスコイル15を駆動する。このトラッ
キング駆動回路102に用いるゲインは、ランドにトラ
ッキングした場合のゲインを設定するゲイン設定器10
7及びグルーブにトラッキングした場合のゲイン設定器
108において発生する。ゲイン選択回路では、L/G
選択系7の出力7sに対応して、上記オフセット設定器
107、108の何れかの信号を出力する。以上の構成
とすることで、ランドとグルーブの双方に対して最適な
トラッキング状態を設定することが可能となる。
【0094】また、さらに最適なフォーカス条件あるい
はトラッキング条件を設定するために、実施例1で示し
た試し記録と同様に信号の記録再生の前に、段階的にサ
ーボ条件を変えて記録再生を行ってもよい。この工程は
図8を用いて説明した試し書き工程に準ずる手順を用い
ることができる。
【0095】フォーカス条件を設定する場合は、図9に
示すようにシステム制御信号8sをフォーカス条件設定
器141を介して、オフセット設定器93、94、95
及びゲイン設定器97、98に入力させる。図11に示
すように、テスト再生開始111の指示により、光ディ
スク上のテストゾーンに光ビームの移動112させ、予
め基準記録マークの記録されているトラック上を走査
し、信号の再生を開始する。
【0096】続いて、サーボ条件設定工程113におい
て、フォーカス条件設定器141の信号に基づいて、フ
ォーカスオフセット及びフォーカスゲインを1つ設定
し、次にエラーレート検出工程114により信号の復調
を行い、エラーレートを評価する。さらに、サーボ条件
の存在確認工程115により、フォーカス条件設定器1
41の次のサーボ条件の確認を行う。まだ実行されてい
ない設定条件が残っている場合には、サーボ条件設定工
程113を繰り返して実行し、すべて設定条件を実行す
る。得られた結果をエラーレート比較工程116におい
て比較し、最適なフォーカス条件を決定する。
【0097】トラッキング条件に対しても図10に示す
ように、トラッキング条件設定器142を介してシステ
ム制御信号8sをオフセット設定器103、104、1
05及びゲイン設定器107、108に入力させ、図1
3に示す手順によって最適なトラッキング条件を決定す
る。
【0098】また、ここではテスト領域に予め記録して
いる基準記録マークを再生する方法を示したが、さらに
フォーカシング条件あるいはトラッキング条件を前述と
同様の方法で変化させた状態で試し記録を行い、各記録
マークからの再生信号を復調する事により、記録時のサ
ーボ条件を求めることも可能である。この場合の工程
は、サーボ条件の設定工程113とエラーレート検出工
程114との間に、記録を行う光照射工程を追加するだ
けでよい。
【0099】このようにして求めた記録時の最適なサー
ボ条件と、再生時の最適な条件とでは、わずか異なる値
になる場合が多い。これに対応するためには、必要に応
じて何れかの値を採用する、あるいは記録と再生でサー
ボ状態を切り換えることで実現される。以上の構成とす
ることで、ディスク間あるいは記録再生装置の変動に対
応して、ランドとグルーブへの記録が可能となる。
【0100】(実施例3)ここでは、前述の記録時にラ
ンドとグルーブとで記録条件を切り替える工程を省略あ
るいは簡素化し、光学的情報記録媒体に照射した光ビー
ムの反射光を元に情報信号を復調する際に、復調条件を
ランドとグルーブの場合で切り替える方法に付いての実
施例を説明する。ここでは、再生信号のランドとグルー
ブ間で生じる差の中で、信号振幅差、および信号振幅の
マーク長依存性の差を補正することを目的とする。な
お、信号振幅のマーク長依存性とは、情報信号に対応し
て形成する記録マークの中で最短の記録マークと、最長
の記録マークの間で生じる振幅比を意味する。
【0101】図12は2値化部20の詳細を示してい
る。高帯域透過フィルター(H.P.F.)120は、プリア
ンプの出力信号14sの高周波成分出力し、イコライジ
ング回路121により入力信号の中の信号帯域の中でさ
らに高周波成分の信号が増幅され、信号121sとして
出力する。信号121sはコンパレータ回路122、位
相補償回路129を経て2値化信号20sとしてデコー
ダ21に入力され、情報信号が復調される。また、2値
化信号20sは、図1に示すようにL/G条件識別器2
2に入力され、再生状態のモニターを行う。
【0102】イコライジング回路121は、外部からの
信号に応じ、イコライジングの周波数帯域およびゲイン
等のイコライジング特性を任意に設定できる構成とす
る。イコライジング回路121にはランドにトラッキン
グした場合のゲインを設定するゲイン設定器123と、
グルーブにトラッキングした場合のゲインを設定するゲ
イン設定器114とが、ゲイン選択器125を介して接
続されている。ゲイン選択器125は、L/G選択系7
の出力7sに基づいて、ゲイン設定器123、124で
設定されている値の一方をイコライジング回路121へ
出力する。イコライジング回路121は、ゲイン選択器
125受け取った設定ゲインに基づいて、高帯域透過フ
ィルター120を通過した信号をイコライズし、信号1
21sとして出力する。
【0103】コンパレータ回路122は、信号121s
を基準レベルと比較し、得られた2値化信号を位相補償
回路129へ出力する。位相補償回路129は、2値化
信号をの位相を補償し、位相補償された2値化信号20
sとして出力する。このコンパレータ回路122の基準
レベルとなるスライスレベルは、ランドにトラッキング
した場合のレベルを設定するレベル設定器126、及び
グルーブにトラッキングした場合のレベルを設定するレ
ベル設定器127において設定される。
【0104】レベル選択器128は、L/G選択系7の
出力7sに基づいて、レベル設定器126、127の何
れかの設定値をコンパレータ回路122へ出力し、コン
パレータ122へ基準レベルを与える。
【0105】以上の構成により、ランドとグルーブの双
方に対して、再生信号を最適なスライスレベルにより2
値化する。ランド及びグルーブに記録された情報信号を
互いに独立した条件で信号処理することにより、ランド
とグルーブにより生じる記録特性差を低減することが可
能となる。
【0106】また、さらに最適なイコライズ条件あるい
はスライス条件を設定する方法として、実施例1の試し
書きと同様に、予め再生条件を決める再生条件設定工程
を設けることも有効である。この工程は、図8を用いて
説明した試し書き工程に準ずる手順を用いることができ
るが、再生条件を設定する場合には、図12に示すよう
にシステム制御信号8sを再生条件設定器143を介し
て、ゲイン設定器123、124及びレベル設定器12
6、127へに入力させる。
【0107】図13に示すように、テスト再生開始13
1の指示により、光ディスク上のテスト領域に光ビーム
を移動させ、予め基準記録マークの記録されているトラ
ック上を走査し信号の再生を開始する。続いて、再生条
件設定工程133において、再生条件設定器143の信
号に基づいて、イコライジング特性及びスライスレベル
を1つ設定し、次にエラーレート検出工程134により
信号の復調を行いエラーレートを評価する。さらに再生
条件の存在確認工程135により、再生条件設定器14
3の次の再生条件の確認を行う。まだ実行されていない
設再生条件が残っている場合には、再生条件設定工程1
33を繰り返して実行し、すべて設定条件を実行する。
得られた結果をエラーレート比較工程136において比
較し、最適な再生条件を決定する。
【0108】以上の構成により、ディスク間あるいは記
録再生装置の変動に対応して、ランドとグルーブとに記
録された信号の再生が可能となる。また、この再生条件
設定工程の前に、実施例1、2で示した記録条件設定工
程を設けることで、さらに記録再生装置としての品質を
高めることができる。
【0109】実施例1から3では、記録媒体について詳
述しなかったが、本発明は光学的に検出可能な記録状態
を持つ記録媒体全てに適用することができる。また、溝
の形状パラメータである溝深さ、ランドとグルーブ境界
の斜面の領域の角度などについても詳述しなかったがこ
れらも、本発明の制約とはならない。
【0110】本発明は実施例1では光変調系、実施例2
では制御系、実施例3では信号再生系と分離してランド
とグルーブ間で生じる特性の差を補償する方法を説明し
てきたが、記録媒体の特性及び、必要とする記録再生装
置の信号レベルに応じて、上記条件を組み合わせる、ま
たは簡素化して適用できることは明かである。
【0111】
【発明の効果】本発明によれば、ガイド溝の凹部および
凸部の何れをトラッキングするかに応じて記録条件を変
化させるため、グルーブとランド間で生じる記録時の加
熱冷却特性を補償した記録が可能となり、情報を安定し
て記録することができる。
【0112】また、ガイド溝の凹部および凸部をトラッ
キングする差異に生じるフォーカス及びトラッキング誤
差や信号復調時に生じる再生信号の歪みを独立して補償
することができる。従って、本発明によれば、ガイド溝
のランドとグルーブの双方での読みだしエラーの少ない
光学的記録再生装置が得られる。
【0113】また、特性識別子を設けることにより、個
体差の補償が可能となり、読みだしエラーを少ない光学
的記録媒体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学情報記録再生装置の構成を示すブ
ロック図
【図2】本発明の光学情報記録媒体の一部の構成図
【図3】第1の実施例の波形設定部の構成を示すブロッ
ク図
【図4】第1の実施例のパターン設定器の信号波形図
で、(a)は、ランドに記録する場合の信号波形図 (b)は、グルーブに記録する場合の信号波形図
【図5】第1の実施例の波形設定器の信号波形および記
録状態の図
【図6】第1の実施例の光学情報記録媒体の構成図
【図7】第1の実施例の記録条件設定器の信号波形図
【図8】第1の実施例の記録条件設定のフローチャート
【図9】第2の実施例のフォーカス制御部の構成を示す
ブロック図
【図10】第2の実施例のトラッキング制御部の構成を
示すブロック図
【図11】第2の実施例のサーボ条件設定のフローチャ
ート
【図12】第3の実施例の2値化部の構成を示すブロッ
ク図
【図13】第3の実施例の再生条件設定のフローチャー
【符号の説明】
1 光ディスク 2 モータ 3 光ピックアップ 4 光変調系 5 制御系 6 信号再生系 7 L/G選択系 8 システム制御系 9 回転制御 10 レーザ駆動部 11 光源 12 対物レンズ 13 光検出器 14 プリアンプ 15 ボイスコイル 16 フォーカス制御部 17 トラッキング制御部 18 極性反転器 19 ジャンピング回路 20 2値化部 21 デコーダ 22 LG条件認識器 23 エンコーダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤平 信夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−121878(JP,A) 特開 平1−122034(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/00 - 7/005 G11B 7/007 - 7/013 G11B 7/24

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凹部および凸部からなるガイド溝の上に
    記録膜を備えた記録媒体に対して光ビームを照射するこ
    とによって、前記ガイド溝の前記凹部と前記凸部の両方
    に信号の記録再生を行う光学的情報記録再生装置であっ
    て、前記記録媒体上に設けられた、前記ガイド溝の前記凹部
    と前記凸部に対する記録条件を示す識別子を復調する条
    件認識部と、 前記条件認識部による復調結果に従って、前記ガイド溝
    の前記凹部と前記凸部に対応した少なくとも2つの前記
    光ビームの変調パターンを設定するパターン設定部と、 前記ガイド溝の前記凹部と前記凸部のどちらに信号を記
    録するかを選択する選択部と、 前記選択部による選択結果に応じて、前記少なくとも2
    つの変調パターンから1つを選択するパターン選択部
    と、 前記パターン選択部が 選択した変調パターンと記録すべ
    き情報信号に応じて変調信号を発生する波形設定部と、 前記波形設定部が発生した前記変調信号に従って前記記
    録媒体上に照射する前記光ビームの強度を変調して情報
    の記録を行う光変調部とを備える光学的情報記録再生装
    置。
  2. 【請求項2】 前記パターン設定部で設定する変調パタ
    ーンは、1個の記録マークに対して、1つのパルスある
    いは複数のパルス列からなる、請求項1に記載の光学的
    情報記録再生装置。
  3. 【請求項3】 前記パターン選択部が選択する前記少な
    くとも2つの変調パターンのパルス波形が異なってい
    る、請求項1に記載の光学的情報記録再生装置。
  4. 【請求項4】 前記パターン選択部が前記少なくとも2
    つの変調パターンのいずれを選択するかによって、前記
    記録媒体上に照射する前記光ビームのパワーが変化す
    る、請求項1に記載の光学的情報記録再生装置。
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