JP2000221699A - 膜の処理方法 - Google Patents

膜の処理方法

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JP2000221699A JP2752499A JP2752499A JP2000221699A JP 2000221699 A JP2000221699 A JP 2000221699A JP 2752499 A JP2752499 A JP 2752499A JP 2752499 A JP2752499 A JP 2752499A JP 2000221699 A JP2000221699 A JP 2000221699A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子線の照射を利用してレジストの耐エッチ
ング性向上をはかることができ、かつ加熱温度の低温化
及び処理時間の短縮化をはかる。 【解決手段】 基板30上に形成された酸化膜31上に
反射防止膜32を介してレジスト33を形成し、このレ
ジスト33を露光・現像してレジストパターンを形成し
た状態で、レジスト33の耐エッチング性を向上させる
ためにガス雰囲気下で熱処理を施す方法において、水素
を含む還元性ガス雰囲気下で基板30を100℃に加熱
すると共に、レジスト33に対して10keVの加速電
圧の電子線を1200μC/cm2 の照射量で照射する
ことにより、レジスト33の炭化反応を促進させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、膜の処理方法に係
わり、特に半導体装置の製造に用いられる酸化物膜や、
有機物からなるレジスト膜,反射防止膜等の膜質を改善
するための膜の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の半導体装置の高集積化及び高速化
に伴い、配線の微細化,配線間容量の低減化が益々要求
されている。これに伴い、加工に使用されるレジストや
反射防止膜にはエッチング耐性が、層間絶縁膜には低誘
電率特性が必須となってきている。また、キャパシタ絶
縁膜には低欠陥化が必須となってきている。
【0003】レジストや反射防止膜のエッチング耐性を
向上させる方法として、UVキュアー,EBキュアー等
が知られている。また、レジストのエッチング耐性はC
含有率が多いほど、さらに酸素含有量が少ないほど向上
することが知られている。レジスト材料としては、芳香
族化合物や脂環式化合物を含有させること、また近年電
子線レジストとしてC粒子を混合することでドライエッ
チング耐性を向上させることが行われている。
【0004】レジスト膜の処理方法として、UVキュア
ーでは、短波長の光(300nm以下)が膜の内部まで
到達しないため表面のみの硬化で終わり、その効果が少
なかった。また、EBキュアーにおいては、レジスト膜
内部まで硬化させることが可能であるが、従来真空中や
不活性ガス雰囲気中で電子線照射を行っていたため、硬
化反応のみに止まっていた。
【0005】配線における電力消費及びクロストーク効
果を減らすための一つの方法は、導体を分離している誘
電体又は絶縁体の誘電率を小さくすることである。一般
に、材料の誘電率Kは、 K=1+(4παρ/M)/(1−4παρ/3M) ≒1+(4παρ/M) で表される。但し、(ρ:密度、M:分子量、α:分極
率)である。
【0006】誘電率を下げるには、絶縁膜としてのSi
2 のOをFに置き換えて分極率を下げることや、密度
を小さくすることが有効である。また、膜中に水酸基や
水等の極性基が含まれたり、例えばSiO2 膜中に(S
i・,O・,Si−Si結合)等の欠陥があると誘電率
が増大することが分かっており、これらを除去すること
が有効である。
【0007】誘電率を下げるために密度を小さくする方
法として、固体の誘電材料を部分的に空気で置き換えて
多孔質誘電膜を形成する方法が提案されている(米国特
許第4652457号)。この特許は、制御された多孔
質度及び細孔寸法でもって多孔質膜を堆積させるゾル−
ゲル技術について開示しており、そこでは基板上へ溶液
が堆積され、次いでゲル化され、そして次に蒸発によっ
て溶媒を除去することで架橋及び高密度化がはかられ、
それにより多孔質誘電材料が形成される。この方法によ
って形成される誘電材料は、15%から50%の多孔質
度を有する。但し、このようにして形成された多孔質誘
電材料の表面基は高い極性を有する基であることが知ら
れており、吸湿性が高くそのために誘電率の上昇が見ら
れることが知られている。
【0008】特開平8−46047号公報では、多孔質
誘電材料の表面基を除去する方法が述べられている。1
00℃から490℃の温度でベーキングすること、さら
にベーキング工程を還元性雰囲気、好ましくはH2 を含
み酸素を含まない雰囲気、或いはフォーミングガス(体
積比で約10%のH2 と約90%のN2 )中、更にはフ
ッ素化合物を含む雰囲気でベーキングを行うことが述べ
られている。但し、ベーキング工程が30分以上と長い
ことが欠点である。
【0009】また、BSG膜の改質方法として、改質用
反応ガスのプラズマに晒す方法が特開平7−13520
5号公報に述べられている。改質用反応ガスとして酸
素,アンモニア,不活性ガスのいずれかを用い、プラズ
マに晒している間500℃に保つことで、プラズマ処理
しないBSG膜と比較して吸湿性が低いために、低誘電
率が長期にわたって達成でき、さらに応力変動が小さく
なることが述べられている。しかし、500℃という高
い温度の熱処理が必要となることから、適用範囲が限ら
れる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように従来、レジ
スト,反射防止膜,絶縁膜などの膜質改善をはかるため
に様々な処理が検討されているが、いずれにおいてもそ
の効果が十分でない、加熱温度が高い、処理時間が長
い、等の解決すべき問題が残っている。
【0011】本発明は、上記事情を考慮して成されたも
ので、その目的とするところは、電子線の照射を利用し
て各種膜の膜質改善をはかることができ、かつ加熱温度
の低温化及び処理時間の短縮化をはかることができ、半
導体装置の製造に有効利用できる膜の処理方法を提供す
ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】(構成)上記課題を解決
するために本発明は、次のような構成を採用している。
【0013】即ち本発明は、基板上に形成された被処理
膜を改質するための膜の処理方法において、基板上に形
成された被処理膜を酸化性ガス又は還元性ガス雰囲気下
で加熱すると共に、該膜に対して電子線を照射すること
を特徴とする。
【0014】ここで、本発明の望ましい実施態様として
は次のものがあげられる。
【0015】(1) 被処理膜は、有機物又は有機物とカー
ボンとの混合物からなり、この膜に対して還元性雰囲気
下で加熱処理を施すと共に電子線を照射することによ
り、該膜の炭化反応を促進させること。より具体的に
は、被処理膜はレジストや反射防止膜であること。
【0016】(2) 被処理膜は酸化物であり、酸化性雰囲
気下で加熱すると共に電子線を照射することにより該膜
を改質すること。より具体的には、被処理膜はBST,
PSG,BSG,又はBPSGであること。
【0017】(3) 被処理膜は、有機物又は有機物と無機
物からなる多孔質膜であり、この膜に対して還元性雰囲
気下で加熱処理を施すと共に電子ビームを照射すること
により、有機物の炭化反応を促進させること。
【0018】(4) 被処理膜は、無機物と有機物からなる
膜であり、この膜に対して酸化性雰囲気で加熱処理を施
すと共に電子ビームを照射することにより、有機物を除
去すること。
【0019】(5) 被処理膜は半導体基板上に形成された
半導体膜又は金属膜であり、還元性ガス雰囲気下で加熱
処理を施すと共に電子線を照射することにより、基板と
被処理膜との間に形成された自然酸化膜の還元反応を促
進させること。
【0020】(作用)本発明によれば、有機物又は有機
物とカーボンとの混合物からなる被処理膜に対し、還元
性雰囲気(水素を含むガス)下で加熱処理を施すと共に
電子線を照射することにより、有機物の硬化反応に止ま
らずに、酸素を含有する基の除去、更にはカーボンに近
い組成まで膜を変性できる。このため、エッチング耐性
のより一層の向上をはかることが可能となる。
【0021】また、BSTやBSG等のような酸化物か
らなる被処理膜に対し、酸化性雰囲気下で加熱処理を施
すと共に電子線を照射することにより、プラズマに晒す
よりも低温でかつ短時間で改質を行うことが可能とな
る。
【0022】多孔質膜として、半導体分野以外ではポリ
オレフィン系樹脂発泡体が断熱材,防振材,シール材,
パッキング材等に応用されている。これらの有機樹脂か
らなる多孔質膜は、耐熱性,吸湿性が悪く半導体分野で
は実用に供されない。本発明によれば、これらの多孔質
膜に対し還元性ガス雰囲気下で電子線照射することによ
り、有機物の処理で述べたのと同様に有機樹脂部分をカ
ーボン化することができ、耐熱性,吸湿性等の改善をは
かって半導体分野で低誘電体膜として使用することが可
能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】実施形態を説明する前に、本発明
方法に使用する、ガス導入及びウェハステージの加熱が
可能な電子線照射装置の例を、図1及び図2を参照して
説明する。
【0024】図1において、11は電子光学鏡筒、12
は電子銃、13,14は電子レンズ、15はピンホー
ル、16は試料室、17はウェハ、18はウェハステー
ジ、19は加熱機構、11a,16bはガス排気口、1
6aはガス導入口を示している。この装置は、高真空が
必要な電子光学鏡筒11と低真空でよい試料室16とが
ピンホール15を介して接続され、各々を差動排気する
もので、電子銃12の部分は10-7Torr以下の真空度、
試料室16は10-4Torr以上10mTorr 以下程度の真空
度を保持できるものである。
【0025】図2において、21は電子光学鏡筒、22
は電子銃、23は電子レンズ、25は電子線透過窓、2
6は試料室、27はウェハ、28はウェハステージ、2
9は加熱機構、21a,26bはガス排気口、26aは
ガス導入口を示している。この装置は、電子光学鏡筒2
1と試料室26とが電子線透過窓25により真空的に分
離されており、試料室26は常圧となっている。
【0026】なお、図1及び図2の装置は一例であり、
本発明の方法を実施するための電子線照射装置として
は、所定のガスの導入が可能であり、試料を加熱ができ
るものであれば、どのような構成であってもよい。
【0027】以下、本発明の詳細を図示の実施形態によ
って説明する。
【0028】(第1の実施形態)図3は、本発明の第1
の実施形態に係わるレジスト膜の処理方法を示す工程断
面図である。
【0029】まず、図3(a)に示すように、基板30
上に形成された厚さ900nmの酸化膜31上に、反射
防止膜32(DUV42:Brewer Science 社製)を55nm
の厚さに塗布し、その上にレジスト33(KRF M20G:ジ
ェイエスアール社製)を300nmの厚さに塗布した。
【0030】次いで、KrF露光装置を用いて、図3
(b)に示すように、レジスト33に150nmのライ
ンアンドスペースパターンを形成した。その後、図3
(c)に示すように、レジスト33をマスクに反射防止
膜32を選択エッチングした。
【0031】次いで、前記図1に示すような電子線照射
装置を用いて、試料室16にフォーミングガス(H2
10%,N2:90%)を流しながら、10mTorrの圧
力下でステージ18を100℃に加熱すると共に、10
keVの加速電圧の電子線を1200μC/cm2 の照
射量で照射した。その後、温度を300℃に上げて再度
電子線の照射を行った。
【0032】次いで、図3(d)に示すように、レジス
ト33をマスクに酸化膜31を選択エッチングしたとこ
ろ、150nmのラインアンドスペースの酸化膜パター
ンがエッジの荒れなしに形成できた。
【0033】ここで、電子線照射処理を施したレジスト
33の元素分析を行ったところ、酸素含有量が減少して
いた。比較として電子線照射処理を行わなかった場合に
は、酸化膜エッチング中にレジストパターンのエッジが
荒れ、酸化膜パターンもレジストパターン荒れを反映し
てパターンエッジラフネスが大きくなった。フォーミン
グガス雰囲気でなく、高真空(10-5Torr)又は不活性
ガス雰囲気下で電子線照射を行った場合には、架橋反応
のみ起こるため酸素含有量の低下は認められず、レジス
トパターンのエッジの荒れは軽減するものの酸化膜エッ
チング後にエッジの荒れが残った。
【0034】このように本実施形態によれば、被処理膜
としてのレジスト33に対して、水素を含む還元性雰囲
気下で加熱処理すると共に電子線を照射することによ
り、レジスト33を構成する有機材料の架橋反応を促進
させると共に、炭化反応を促進させることができ、これ
により酸化膜エッチング中にレジストパターンのエッジ
が荒れるのを防止できる。つまり、レジスト33の耐エ
ッチング性の大幅な向上をはかることができる。
【0035】(第2の実施形態)図4は、本発明の第2
の実施形態に係わる反射防止膜の処理方法を示す工程断
面図である。
【0036】まず、図4(a)に示すように、基板40
上に形成された厚さ900nmの酸化膜41上に、固形
分中にカーボン微粒子80wt%、ノボラック樹脂20
wt%を含有した反射防止膜42を100nmの厚さで
形成し、第1の実施形態と同様に、フォーミングガス雰
囲気下で電子線照射処理を行った。
【0037】次いで、図4(b)に示すように、反射防
止膜42上にSOG膜43を50nmの厚さに塗布し、
その上にレジスト44を100nmの厚さに塗布した。
次いで、図4(c)に示すように、レジスト44をパタ
ーニングし、150nmのラインアンドスペースパター
ンを形成した。その後、レジスト44をマスクにSOG
膜43を選択エッチングし、続いてSOG膜43をマス
クに反射防止膜42を選択エッチングした。
【0038】次いで、図4(d)に示すように、反射防
止膜42をマスクに下地酸化膜41を選択エッチングし
たところ、150nmのラインアンドスペースの酸化膜
が形状良く形成できた。比較として、反射防止膜を電子
線照射しなかった場合、パターンエッジラフネスが大き
いパターンになった。
【0039】このように本実施形態では、反射防止膜4
2に対して、水素を含む還元性雰囲気下で加熱処理する
と共に電子線を照射することにより、反射防止膜42を
構成する有機材料の架橋反応を促進させると共に、炭化
反応を促進させることができ、これにより反射防止膜4
2の耐エッチング性の大幅な向上をはかることができ
る。
【0040】(第3の実施形態)図5は、本発明の第3
の実施形態に係わるBSG膜の処理方法を示す工程断面
図である。
【0041】まず、図5(a)に示すように、基板50
上にCVD法により形成された厚さ900nmのBSG
膜51に対し、前記図2に示す電子線照射装置を用い、
10%の酸素を含有する窒素ガスを流しながら、基板を
400℃に加熱すると共に、50keVの加速電圧の電
子線を2000μC/cm2 照射した。
【0042】ここで、本実施形態のように電子線照射し
たものと、比較例として電子線照射しないものとでBS
G膜51の誘電率を調べたところ、 成膜直後 4.0 空気中1週間放置後 4.5 電子線処理後 3.6 電子線処理後空気中1週間放置後 3.7 であり、比較例に比べて、電子線処理を行ったものが誘
電率が低くなっているのが分かる。また、電子線処理を
行ったものの方が空気中に放置しておいても誘電率の増
大が少ないことが分かる。
【0043】このように本実施形態では、BSG膜51
に対して酸化性雰囲気で加熱処理すると共に電子線を照
射することにより、BSG膜51の誘電率を低くするこ
とができ、しかもBSG膜51の経時的な誘電率変化も
小さくすることができる。これは、BSG膜を配線間の
絶縁に用いる場合に有効である。
【0044】具体的には、上記の電子線処理したBSG
膜51に対し、図5(b)に示すように、配線を形成す
べき部分を選択エッチングして溝を形成する。続いて、
図5(c)に示すように、全面に金属膜52を形成し、
BSG膜51に形成した溝に金属膜52を埋め込む。そ
の後、図5(d)に示すように、CMPで表面平坦化す
ることにより、埋め込み配線が形成される。この場合
に、BSG膜51の誘電率が低いことは極めて有効であ
る。
【0045】(第4の実施形態)本実施形態は、キャパ
シタ絶縁膜に用いるBST膜の処理方法である。図には
示さないが、CVD法にて基板上に成膜したBST膜に
対し、酸素雰囲気下で400℃に加熱すると共に、前記
図2の電子線照射装置にて50keVの加速電圧で20
00μC/cm2 の電子線を照射した。
【0046】電子線照射後の誘電率は300であった。
ここで、比較例として電子線照射しないものは誘電率2
00であり、放置することでひび割れが生じた。これ
は、電子線照射することで結晶欠陥が改善されたものと
考えられる。
【0047】なお、電子線の照射ではなくプラズマの照
射により膜質を改善することも可能であるが、その場合
は加熱温度を600〜700℃と高くする必要があり、
さらに処理時間も長くする必要がある。このように電子
線照射の方が優れているのは、電子は膜の深い位置まで
容易に到達できるためと考えられる。
【0048】(第5の実施形態)本実施形態は、配線の
絶縁に用いる絶縁膜の処理方法である。図には示さない
が、有機基であるクミル置換基を30%有するラダー型
ポリシロキサン膜を、基板上に塗布により1μm厚で形
成した。
【0049】次いで、前記図2に示す電子線照射装置を
用いて、酸素10%,窒素90%のガス雰囲気下で15
0℃に加熱しながら、50keVで電子線を100μC
/cm2 照射し、クミル基を脱離させると同時に、シロ
キサン部分の架橋反応を起こさせた。その後、400℃
に加熱し、50keVで電子線を2000μC/cm 2
照射し、クミル基を膜から離脱させると共に、酸化膜の
ダングリングボンドの終端化を行わせた。
【0050】電子線照射処理後のポリシロキサン膜の誘
電率を測定したところ、 電子線処理直後 2.0 電子線処理後空気中で1週間放置 2.1 であった。電子線処理しないポリシロキサン膜は誘電率
が3.0であることから、クミル基の脱離による空隙が
誘電率を下げたものと推定できる。
【0051】(第6の実施形態)本実施形態では、多孔
質誘電体膜の処理方法について説明する。図には示さな
いが、低密度ポリエチレン70重量部,エチレン−酢酸
ビニル共重合体20重量部,高密度ポリエチレン10重
量部を、N,N−ジメチルアセトアミド300重量部に
溶かした溶液に発泡剤(アゾジカルボンアミド)1重量
部を添加した溶液をウェハ上に塗布し、乾燥させて誘電
体膜を形成した。この誘電体膜に対し、前記図2に示す
電子線照射装置を用いて、窒素ガス雰囲気中で室温にて
電子線を照射し架橋させた後、150℃に加熱し発泡剤
を分解させて多孔質膜を形成した。
【0052】作成された多孔質膜に対し、前記図2に示
す電子線照射装置を用い、フォーミングガス雰囲気下で
200℃から400℃に2分間かけて加熱しながら、5
0keVの電子線を200μC/cm2 照射した。これ
により、多孔質膜の有機物部分が炭化して強固なものと
なった。誘電率を調べたところ、 電子線処理前 3.0 電子線処理直後 1.8 電子線処理後空気中で1週間放置 1.9 であり、ポーラスシリカの誘電率(1.1〜2.0)よ
り少し大きいが、F置換したアモルファスカーボン(a
−C:F)の誘電率(2.2〜2.7)よりも低い値が
得られた。
【0053】ここで、上記の多孔質膜に対しては電子線
の照射なしでも炭化により強固にすることはできるが、
その場合は熱処理温度を極めて高くする必要があり、高
温熱処理により多孔質膜における空隙が潰れる問題が生
じる。本実施形態のように電子線の照射により加熱温度
を低くできるのは、この種の多孔質膜の改質処理におい
て大きな利点である。
【0054】(第7の実施形態)図6は、本発明の第7
の実施形態に係わるポリSi膜の処理方法を示す工程断
面図である。
【0055】まず、図6(a)に示すように、Si基板
60上にCVDやスパッタ法によりポリSi膜61を2
00nmの厚さに形成した。このとき、Si基板60と
ポリSi膜61との間に薄い自然酸化膜62が形成され
るのは避けられない。
【0056】次いで、前記図2に示す電子線照射装置を
用い、水素ガス雰囲気下で400℃に加熱しながら、ポ
リSi膜61に50keVの電子線を2000μC/c
2照射した。電子線照射処理後のポリSi膜61の膜
特性を調べたところ、基板60を含めた直列抵抗が電子
線照射しないものと比べて0.5×101 Ω程度向上す
るのが認められた。これは、還元性雰囲気で電子線照射
することにより、図6(b)に示すように、自然酸化膜
62が還元されてSiになったものと推定される。
【0057】ここで、電子線照射なしでも還元性雰囲気
下の熱処理により自然酸化膜をSiに還元することは可
能ではあるが、図6のように比較的厚いポリSi膜下の
自然酸化膜を還元するのは極めて難しい。本実施形態で
は、膜の深い位置まで到達することができる電子を利用
することにより、厚いポリSi膜下の自然酸化膜を容易
に還元することができるのである。
【0058】なお、本発明は上述した各実施形態に限定
されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、種
々変形して実施することができる。
【0059】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、基
板上に形成された被処理膜を改質するための膜の処理方
法において、基板上に形成された被処理膜を酸化性ガス
又は還元性ガス雰囲気下で加熱すると共に、該膜に対し
て電子線を照射することにより、各種膜の膜質改善をは
かることができ、かつ加熱温度の低温化及び処理時間の
短縮化をはかることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】試料室へのガス導入可能な電子線照射装置の一
例を示す図。
【図2】試料室へのガス導入可能な電子線照射装置の他
の例を示す図。
【図3】第1の実施形態に係わるレジスト膜の処理方法
を示す工程断面図。
【図4】第2の実施形態に係わる反射防止膜の処理方法
を示す工程断面図。
【図5】第3の実施形態に係わるBSG膜の処理方法を
示す工程断面図。
【図6】第7の実施形態に係わるポリSi膜の処理方法
を示す工程断面図。
【符号の説明】 11,21…電子光学鏡筒 11a,16b…ガス排気口 12,22…電子銃 13,14,23…電子レンズ 15…ピンホール 16,26…試料室 16a…ガス導入口 17,27…ウェハ 18,28…ウェハステージ 19,29…加熱機構 25…電子線透過窓 30,40,50,60…基板 31,41…酸化膜 32,42…反射防止膜 33,44…レジスト 43…SOG膜 51…BSG膜 52…金属膜 61…ポリSi膜

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に形成された被処理膜を酸化性ガス
    又は還元性ガス雰囲気下で加熱すると共に、該膜に対し
    て電子線を照射することを特徴とする膜の処理方法。
  2. 【請求項2】基板上に形成された、有機物又は有機物と
    カーボンとの混合物からなる被処理膜に対し、還元性雰
    囲気下で加熱処理を施すと共に電子線を照射し、該膜の
    炭化反応を促進させることを特徴とする膜の処理方法。
  3. 【請求項3】基板上に形成された酸化物からなる被処理
    膜に対し、酸化性雰囲気下で加熱処理を施すと共に電子
    線を照射し、該膜を改質することを特徴とする膜の処理
    方法。
  4. 【請求項4】基板上に形成された、有機物又は有機物と
    無機物からなる多孔質膜に対し、還元性雰囲気下で加熱
    処理を施すと共に電子ビームを照射し、前記有機物の炭
    化反応を促進させることを特徴とする膜の処理方法。
  5. 【請求項5】基板上に形成された、無機物と有機物から
    なる膜に対し、酸化性雰囲気で加熱処理を施すと共に電
    子ビームを照射し、前記有機物を除去することを特徴と
    する膜の処理方法。
  6. 【請求項6】半導体基板上に形成された半導体膜又は金
    属膜からなる被処理膜に対し、還元性ガス雰囲気下で加
    熱処理を施すと共に電子線を照射し、前記基板と被処理
    膜との間に形成された自然酸化膜の還元反応を促進させ
    ることを特徴とする膜の処理方法。
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